表示装置の製造方法
【課題】TFT基板と対向電極を有する液晶表示装置において、配向膜の膜厚むらに起因する輝度むらを防止する。
【解決手段】
TFT基板10および対向基板20の配向膜は、印刷版から配向膜材料をTFT基板10に転写するオフセット印刷によって形成される。オフセット印刷におけるオフセット印刷機の印刷版の回転方向は、TFT基板10においては、TFT基板10の長軸方向であり、対向基板においては、対向基板の短軸方向である。これによって、オフセット印刷において配向膜に膜厚むらが生じても、膜厚むらに起因する輝度むらを目立たなくすることが出来る。
【解決手段】
TFT基板10および対向基板20の配向膜は、印刷版から配向膜材料をTFT基板10に転写するオフセット印刷によって形成される。オフセット印刷におけるオフセット印刷機の印刷版の回転方向は、TFT基板10においては、TFT基板10の長軸方向であり、対向基板においては、対向基板の短軸方向である。これによって、オフセット印刷において配向膜に膜厚むらが生じても、膜厚むらに起因する輝度むらを目立たなくすることが出来る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に係り、配向膜の印刷むらに関連する輝度むら、あるいは、インクジェットによる有機膜の塗布むらに起因する表示むらを対策した液晶表示装置あるいは有機EL表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に使用される液晶表示パネルは、画素電極および薄膜トランジスタ(TFT)等を有する画素がマトリクス状に形成されたTFT基板と、TFT基板に対向して、TFT基板の画素電極と対応する場所にカラーフィルタ等が形成された対向基板が配置され、TFT基板と対向基板の間に液晶が挟持されている。そして液晶分子による光の透過率を画素毎に制御することによって画像を形成している。
【0003】
液晶表示装置では、TFT基板と対向基板に形成された配向膜によって、液晶分子の初期配向を行い、この液晶分子の初期配向の状態を、画素電極に映像信号を印加することにより、画素電極と対向電極との間に形成された電界によって変化させることによって、液晶表示パネルを透過する光の量をコントロールしている。液晶分子の初期配向の向きは配向膜をラビングすることによって規定している。
【0004】
配向膜は、所定の粘度の液体の有機材料を例えば、オフセット印刷によってTFT基板あるいは対向基板に塗布し、その後、配向膜材料を焼成してイミド化し、配向膜としている。配向膜のオフセット印刷は、次のようにして行われる。すなわち、注入ノズルから配向膜材料を円筒状のアニックスロールに滴下し、配向膜材料を液展開手段(ドクターブレード)を用いてアニックスロールに均一に塗布し、これを印刷版に転写し、印刷版からTFT基板あるいは対向基板に印刷する。
【0005】
「特許文献1」には、ドクターブレードを2枚使用することによって、アニックスロールに配向膜材料をより均一塗布することによって、配向膜の膜厚むらを防止する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−69382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図1は、配向膜のオフセット印刷の構成を示す模式図である。図1において、注入ノズル3から配向膜材料6がアニックスロール1に滴下される。注入ノズル3は矢印の方向に走査され、アニックスロール1上に配向膜材料が均一に塗布されるようにしている。アニックスロール1は回転するが、このとき、ドクターブレード4によって、配向膜材料6がアニックスロール1にさらに均一に形成されるようにしている。
【0008】
アニックスロール1に塗布された配向膜材料6は印刷版2に転写され、これをTFT基板10に転写することによって配向膜がTFT基板10に印刷されることになる。印刷版2は回転しながらTFT基板10に配向膜を転写する。以後印刷版2が回転する方向と一致する基板の方向を配向膜印刷方向5という。
【0009】
配向膜印刷時、ドクターブレード4が歪んでいたり、ドクターブレード4に傷があったりすると、厚さにむらのある配向膜が形成されてしまう。「特許文献2」に記載の技術によれば、ドクターブレード4を2枚使用するので、配向膜の膜厚むらは改善されるが、完全に解消することは難しい。対向基板20も同様である。
【0010】
図1において、TFT基板10が白矢印の方向に移動すると、配向膜がTFT基板10に白矢印の方向に印刷されることになる。ドクターブレード4に傷等が存在している場合は、この方向に、膜厚むらが筋状に生ずる。
【0011】
図7は、従来の方法におけるTFT基板10と対向基板20への配向膜印刷の方向を示すものである。図7(a)はTFT基板10であり、図7(b)は対向基板20である。図7(a)および図7(b)において、白矢印は配向膜の印刷方向5である。図7(a)および図7(b)に示すように、TFT基板10と対向電極は同じ方向に配向膜が印刷されている。図7(a)の下側に領域Aの拡大図を示す。該拡大図において、走査線11と映像信号線12で囲まれた部分に画素13が形成されている。図7(a)における、配向膜の印刷方向は走査線11の延在方向と同じである。
【0012】
図7(b)は対向基板20であり、図7(b)の下側に領域Bの拡大図を示す。図7(b)における配向膜の印刷方向は、赤カラーフィルタ21、緑カラーフィルタ22、青カラーフィルタ23を横切る方向である。これは、TFT基板10の走査線11の延在方向と同じである。このようにして形成されたTFT基板10と対向基板20を貼り合わせた状態が図8である。
【0013】
図8において、白矢印が対向基板20、TFT基板10における配向膜の印刷方向5である。図8のような場合、ドクターブレード4の傷や歪み等によって、配向膜に厚さのむらが筋状に形成されると、これによる明るさむらはTFT基板10と対向基板20の各々の明るさむらの倍の頻度で現れることになる。
【0014】
このような筋状の輝度むら40の例を図9に示す。図9は、TFT基板10と対向基板20の表示領域30において、筋状のむら40が互い違いに形成されている場合である。図10は、表示領域30における、筋状のむら40の他の例である。図10の例は、TFT基板10の筋むらと対向基板20の筋むらが比較的近接して形成されている場合である。図9の場合も、図10の場合も、筋むらが高い頻度で同じ方向に形成されているので、むらが目立ちやすい。
【0015】
以上は、配向膜をオフセット印刷によって形成する場合の課題について記載したが、配向膜を他の方法、例えば、インクジェットで形成するような場合にも、プロセス特有な膜厚のむらがTFT基板10と対向基板20との間で互いに強めあうような場合があれば問題になる。
【0016】
本発明は、このような、配向膜の形成方法によって生ずる配向膜の膜厚むらに起因する明るさむらを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は上記問題を克服する液晶表示装置の製造方法であり、具体的な手段は次のとおりである。すなわち、TFTと画素電極と走査線と映像信号線と配向膜を有するTFT基板と、配向膜を有する対向基板と、前記TFT基板の前記配向膜と前記対向基板の前記配向膜との間に液晶層が挟持された液晶表示装置の製造方法であって、前記TFT基板への配向膜は、印刷版から配向膜材料をTFT基板に転写するオフセット印刷によって形成され、前記オフセット印刷における前記印刷版の回転方向は、前記TFT基板の第1の方向であり、前記対向基板への配向膜は、印刷版から配向膜材料をTFT基板に転写するオフセット印刷によって形成され、前記オフセット印刷における前記印刷版の回転方向は、前記TFT基板の第1の方向と直角方向であることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【0018】
本発明は、配向膜をインクジェット方式で形成する場合にも適用することが出来、この場合の具体的な手段は次のとおりである。すなわち、TFTと画素電極と走査線と映像信号線と配向膜を有するTFT基板と、配向膜を有する対向基板と、前記TFT基板の前記配向膜と前記対向基板の前記配向膜との間に液晶層が挟持された液晶表示装置の製造方法であって、
前記TFT基板への配向膜は、インクジェットノズルから配向膜材料を滴下しながら、前記インクジェットノズルと前記TFT基板とを相対的に第1の方向に移動しながら形成され、前記対向基板への配向膜は、インクジェットノズルから配向膜材料を滴下しながら、前記インクジェットノズルと前記TFT基板とを相対的に前記第1の方向とは直角の方向に移動しながら形成されることを特徴とする液晶表示装置の製造方法である。
【0019】
本発明は有機EL表示装置にも適用することが出来、具体的な手段は次のとおりである。すなわち、第1の有機発光材料と第2の有機発光材料が形成された素子基板を有する有機EL表示装置の製造方法であって、前記第1の発光材料は、インクジェットノズルと素子基板とを相対的に第1の方向に移動させながら、インクジェットノズルから前記第1の配向膜を滴下することによって形成され、前記第2の発光材料は、インクジェットノズルと素子基板とを相対的に前記第1の方向とは直角な方向に移動させながら、インクジェットノズルから前記第2の配向膜を滴下することによって形成されることを特徴とする有機EL表示装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0020】
液晶表示装置に適用した本発明によれば、同じ方向への筋状の明るさむらの頻度は従来の半分になるので、筋状の明るさむらは大幅に軽減できる。また、本発明では、筋状の明るさむらは、画面縦方向と横方向に存在するが、縦方向、横方向とも筋むらの頻度は小さい。さらに、筋むらが縦方向と横方向に存在することによって、人間の眼には逆に筋むらが見えにくくなるという効果も得られる。
【0021】
有機EL表示装置に適用した本発明においても、有機EL発光層をインクジェットで形成する場合、インクジェットによる塗布むらが画面の縦方向と横方向に分散させるので、表示むらを軽減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明におけるTFT基板へのオフセット印刷による配向膜の形成方法を示す斜視図である。
【図2】本発明における対向基板へのオフセット印刷による配向膜の形成方法を示す斜視図である。
【図3】本発明におけるTFT基板と対向基板の配向膜印刷方向を示す模式図である。
【図4】本発明の液晶表示パネルにおけるTFT基板と対向基板における配向膜印刷方向を示す斜視図である。
【図5】本発明による液晶表示装置における筋状の輝度むらの例である。
【図6】本発明における液晶表示装置の製造方法を示す工程図である。
【図7】従来例におけるTFT基板と対向基板の配向膜印刷方向を示す模式図である。
【図8】従来例の液晶表示パネルにおけるTFT基板と対向基板における配向膜印刷方向を示す斜視図である。
【図9】従来例における筋状の輝度むらの例である。
【図10】従来例における筋状の輝度むらの他の例である。
【図11】本発明におけるTFT基板へのインクジェット方式による配向膜の形成方法を示す斜視図である。
【図12】本発明における対向基板へのインクジェット方式による配向膜の形成方法を示す斜視図である。
【図13】有機EL表示パネルの斜視図である。
【図14】有機EL表示装置の素子基板の構成を示す平面図である。
【図15】図14に示す画素部の断面図である。
【図16】従来例におけるインクジェットノズルの走査方向である。
【図17】本発明における色毎のインクジェットノズルの走査方向の例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の内容を実施例を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は、本発明におけるTFT基板10の配向膜の印刷方法を示す模式図である。図1の動作は先に説明したので省略する。図1において、TFT基板10は白矢印の方向に移動し、この白矢印の方向が配向膜印刷方向5となる。図1における配向膜印刷方向5は、基板の長辺と平行方向である。
【0025】
図2は、本発明における対向電極の配向膜の印刷方法を示す模式図である。図2の動作は図1の動作と同様なので説明を省略する。図2において、対向基板20は白矢印の方向に移動し、この白矢印の方向が配向膜印刷方向5となる。図2における配向膜印刷方向5は、対向基板20の短辺と平行方向である。
【0026】
図3は、図1および図2に示すオフセット印刷によって形成されたTFT基板10と対向基板20の配向膜印刷方向5を示すものである。図3(a)はTFT基板10、図3(b)は対向基板20である。図3の白矢印は配向膜の印刷方向である。図3(a)、図3(b)に示すように、配向膜印刷方向5はTFT基板10と対向基板20とで直角方向になっている。
【0027】
図3(a)の下側の図は領域Aの拡大図である。該拡大図において、走査線11が横方向に延在し、映像信号線12が縦方向に延在し、走査線11と映像信号線12とで囲まれた領域が画素13になっている。図3(a)における配向膜印刷方向5は走査線11の延在方向と同じである。
【0028】
図3(b)の下側に示す図は、領域Bの拡大図である。該拡大図において、赤カラーフィルタ21、緑カラーフィルタ22、青カラーフィルタ23が形成されている。図3(b)における配向膜印刷方向5は、拡大図におけるカラーフィルタの延在方向である。すなわち、図3(a)に示す走査線11の延在方向と直角方向である。これが本発明の特徴になっている。
【0029】
このようにして形成したTFT基板10と対向基板20を接着した状態が図4に示す液晶表示パネルである。図4において、配向膜印刷方向5を白矢印で示す。対向基板20の配向膜印刷方向5は対向基板20の短辺方向であり、TFT基板10の配向膜印刷方向5はTFT基板10の長辺方向である。対向基板20の配向膜印刷方向5とTFT基板10の配向膜印刷方向5とは直角方向となっている。
【0030】
オフセット印刷によって配向膜を形成する場合は、ドクターブレード4の傷、歪み等によって、配向膜の膜厚を完全に均一にすることは難しい。したがって、配向膜の筋状の膜厚むらを完全に無くすことは困難である。そうすると、配向膜の膜厚むらに起因する筋状の明るさむらも避けられない。
【0031】
図4のような液晶表示パネルにおいては、TFT基板10に形成された配向膜の膜厚むらの方向と、対向基板20に形成された配向膜の膜厚むらが直角方向になっている。図5はこのような配向膜の膜厚むらによって表示領域30において生ずる筋状の輝度むら40を示すものである。図5において、例えば、TFT基板10側の配向膜の膜厚むらによって生じた筋状の明るさむらを横線で示し、対向基板20側の配向膜の膜厚むらによって生じた筋状のむら40を縦線で示す。
【0032】
図5に示すように、本発明では、TFT基板10に形成される配向膜の膜厚むらに起因する筋状の輝度むら40と、対向基板20に形成される配向膜の膜厚むらに起因する筋状の輝度むら40の方向が直角方向になっている。図5において、同一方向に延びる輝度むらは従来の場合に比べて半分の頻度となっている。また、従来のように、TFT基板10と対向基板20における同一方向に伸びる明るさむらが互い強調されて、目立ちやすくなるという現象も無い。さらに、互いに直角方向交差する筋状の輝度むら40は目立ちにくいとい特徴もある。
【0033】
図6は、液晶表示パネルの製造工程を示す工程図である。一般には、TFT基板を複数含むマザーTFT基板と、対向基板を複数含むマザー対向基板が別々に形成され、配向膜に配向処理が施されたあと、マザーTFT基板とマザー対向基板を接着しし、その後、個々の液晶表示パネルに分離するが、図6では単にTFT基板あるいは対向基板と表示している。
【0034】
図6において、左側はTFT基板工程である。TFT基板工程において、TFT、画素電極、走査線11、映像信号線12等が形成されたTFT基板10をオフセット印刷機にセットする。オフセット印刷機の動作は図1等で説明したとおりである。すなわち、ドクターブレード4の傷あるいは歪み等がアニックスロール1、印刷版2を介してTFT基板10に転写され、筋状の膜厚むらを生ずる。TFT基板10には、例えば、走査線11の延在方向に配向膜を印刷するので、TFT基板10には、走査線11の方向に筋状の配向膜の膜厚むらが生ずる。図1に示す注入ノズル3から滴下される配向膜材料6の粘度は例えば、15〜100mPa・sである。
【0035】
オフセット印刷機によって塗布された配向膜材料6はまだ液体の状態なので、TFT基板10をレベリング炉に投入して配向膜を均一に乾燥させる。レベリング炉の温度は70〜90℃である。この時に、配向膜に生じている膜厚のむらは、レベリング効果によって軽減される。しかし、配向膜印刷によって形成された筋状のむら40は完全にはなくならない。
【0036】
その後、TFT基板10を200〜230℃の焼成炉に投入して、配向膜のイミド化を行う。このようにして形成された配向膜の厚さは、一般には、80〜120nm程度である。形成された配向膜に対して配向処理を行う。配向処理は一般にはラビング法で行われるが、IPS(In Plane Switcing)方式の液晶表示装置においては、光方向処理が行われることもある。
【0037】
図6の右側は、対向基板工程である。対向基板20において、ブラックマトリクス、カラーフィルタ、オーバーコート膜等が形成された対向基板20をオフセット印刷機にセットする。この場合、例えば、対向基板20に形成されたカラーフィルタの延在方向、すなわち、TFT基板10における走査線11の延在方向と直角方向が配向膜印刷の方向となるように対向基板20をセットする。この場合も、ドクターブレード4の傷や歪み等によって、印刷方向に筋状の膜厚むらが生ずることはTFT基板10の場合と同様である。しかし、対向基板20の場合に生ずる筋状の膜厚むらはTFT基板10に形成される筋状の膜厚むらの方向とは直角方向である。
【0038】
このようにして、対向基板20に配向膜を印刷したあと、対向基板20をレベリング炉に投入して配向膜のレベリングと乾燥を行い、さらに焼成炉に投入して配向膜のイミド化を行い、さらに、配向膜に対して配向処理を行うことはTFT基板10の場合と同様である。レベリング炉、焼成炉の温度条件等はTFT基板10の場合と同様である。対向基板20にも筋状の配向膜の膜厚むらは生ずるが、この配向膜の筋状の膜厚むらは、TFT基板10に形成されたものとは直角方向となっている。
【0039】
このようにして形成されたTFT基板10と対向基板20をシール材を介して接着する。その後、液晶を注入し、注入口を封止することによって液晶表示パネルが完成する。こうして形成された液晶表示パネルにおける配向膜の筋状のむら40は、TFT基板10と対向基板20とで、直角方向となっているので、配向膜の膜厚むらに起因する輝度むらは目立ちにくい。
【0040】
配向膜印刷プロセスにおいて、印刷膜の膜厚むらを無くそうとすると、配向膜印刷装置の精度を向上させたり、印刷工程の作業条件を厳しく管理したりする必要がある。本発明は、配向膜印刷装置の精度を向上させたり、印刷工程の作業条件を従来よりも厳しく管理したりすること等を行わなくても配向膜の膜厚むらに起因する輝度むらを目立たなくすることが出来る。
【実施例2】
【0041】
実施例1では、配向膜をオフセット印刷によって形成する場合について本発明を説明した。配向膜はオフセット印刷に限らず、インクジェット方式によっても形成することが出来る。図11および図12は、本発明によるインクジェットによって配向膜を形成する状態を示す模式図である。図11はTFT基板10への配向膜の塗布を示すものである。図11において、配向膜材料6を滴下するインクジェットのノズルが多数形成されており、TFT基板10が矢印の方向に移動すると配向膜が塗布される。図11において、TFT基板10が移動する方向は例えば、TFT基板10に形成された走査線11の延在方向である。
【0042】
インクジェットによって配向膜を形成する場合は、オフセット印刷によって配向膜を形成する場合よりも、材料の粘度は低く、例えば、5〜10mPa・sである。配向膜材料6の粘度が低いので、塗布後のレベリングによって膜厚は均一になるが、それでも、ノズルのある場所と無い場所とにおける膜厚差は残る。この場合も、筋状の膜厚むらとなる。
【0043】
従来は、TFT基板10と対向基板20とで、同じ方向に基板を移動して配向膜を塗布していたので、液晶表示パネルにおける配向膜の筋状のむら40は、TFT基板10と対向基板20とで同じ方向に生ずる。したがって、従来はインクジェット方式によって配向膜を形成した場合にも、図11あるいは図12に示すような輝度むらを生じていた。
【0044】
本発明では、図12に示すように、インラインに並んだインクジェットノズル50に対する対向基板20の移動方向を図11に示すTFT基板10の移動方向に対して直角方向にする。具体的には、例えば、対向基板20に形成されたカラーフィルタの延在方向に対向基板20を移動する。この方向は、TFT基板10の走査線11の延在方向と直角であり、対向基板20に生ずる配向膜の筋状の膜厚むらは、TFT基板10に生ずる配向膜の筋状のむら40とは直角方向になる。そうすると、配向膜の膜厚むらによって形成される輝度むらは図5に示すようなものとなる。このような輝度むらは、実施例1で説明したように目立ちにくい。
【0045】
インクジェット方式によって配向膜を形成する場合の液晶表示パネルの製造方法も、オフセット印刷がインクジェットに変わる他は、図6に示すのとほぼ同様である。但し、インクジェットによって塗布される配向膜材料6の粘度は、配向膜印刷による場合よりも小さく、5〜10mPa・sである。また、レベリング炉の温度は、配向膜印刷の場合よりも低く、20〜60℃である。イミド化のための焼成炉温度はオフセット印刷方式の場合と同様である。
【0046】
このように、インクジェット方式で配向膜を形成する場合にも、本発明を適用することによって、インクジェット印刷機の精度、あるいは、インクジェット方式における配向膜形成工程の作業条件を大幅に厳しくすることなく、筋状の輝度むら40を対策することが出来る。
【0047】
なお、実施例1および実施例2においては、TFT基板10への配向膜印刷方向5は走査線11の延在方向であり、対向基板20への配向膜印刷方向5は走査線11と直角方向であるとして説明したが、これとは逆に、TFT基板10への配向膜印刷方向5は映像信号線12の延在方向であり、対向基板20への配向膜印刷方向5は映像信号線12と直角方向であるとしても同様の効果が得られる。
【実施例3】
【0048】
実施例1および実施例2は液晶表示装置の配向膜の形成について本発明を適用した例である。本発明は、同一種類のむらを同一方向に形成することを避けるという点において、有機EL表示装置にも適用することが出来る。図13は有機EL表示パネルの斜視図である。図13において、発光素子、制御用のTFT、映像信号線12、走査線11、電源線等が形成された素子基板100が封止基板200によって封止されている。有機EL発光素子は水分によって劣化するために、通常は、透明ガラスによる封止基板200によって水分から保護されている。
【0049】
図14は、図13に示す素子基板100の平面模式図である。図14において、横方向に延在する走査線11と縦方向に延在する映像信号線12によって囲まれる領域に有機材料による発光素子が形成されている。発光素子は有機材料の発する光によって、赤画素R、緑画素G、青画素Bを構成する。
【0050】
図15は図14のD−D断面である。ただし、平坦化膜105よりも下側の構成は省略されている。図15において、有機材料によって形成された平坦化膜105の上に各画素を区画するバンク104が形成されている。バンク104とバンク104の間が画素になっており、画素は下側から順に、陽極となる下部電極101、有機材料によって形成された発光材料102、陰極となる上部電極103が形成されている。上部電極103は各画素共通に形成されている。
【0051】
有機材料である発光材料102は蒸着で形成する場合とインクジェットで形成する場合とがある。インクジェット方式は、真空装置が必要無いので生産性に優れている。インクジェット方式では、複数のノズルによって素子基板100上所定の位置に発光材料102を滴下する。
【0052】
発光材料102の滴下はノズルを素子基板100上に走査させながら行ってもよいし、素子基板100を移動させながら行ってもよい。図16は従来方法において、インクジェットノズル50を素子基板100上に走査しながら発光材料102を形成する方向を模式図的に描いたものである。図16において、赤発光材料のインクジェットノズルの走査方向を61で、緑発光材料のインクジェットノズルの走査方向を62で、青発光材料のインクジェットノズルの走査方向を63で示している。
【0053】
図16のように、従来は、赤発光材料、緑発光材料、青発光材料とも同じように素子基板100上を走査していた。ところで、インクジェット方式で素子基板100上を走査して画素を形成する場合、特有なむら生ずる。図16のように、全ての材料について同じ形成方法を使用すると、各材料におけるむらが強調されて目立ちやすくなる性質がある。
【0054】
本実施例では、図17に示すように、有機発光材料102をインクジェットで形成する際、各材料によってインクジェットノズル50の走査方向を変える。例えば、図17(a)は赤材料を滴下する際のインクジェットノズルの走査方向61を示し、素子基板100の横方向、例えば、図14における走査線11の延在方向に、左側からインクジェットノズル50を走査する。図17(b)は緑材料を滴下する際のインクジェットノズルの走査方向62を示し、素子基板100の縦方向、例えば、図14における映像信号線12の延在方向に、上側からインクジェットノズル50を走査する。このように、少なくとも2つの色の材料について、各々、直角方向にインクジェットノズル50を走査することによって、形成されるむらが強調されるような現象を防止することが出来る。
【0055】
図17(c)は青材料を滴下する際のインクジェットノズルの走査方向63を示し、素子基板100の横方向、例えば、図14における走査線11の延在方向に、最初に右側からインクジェットノズル50を走査する。インクジェットの性質によっては、塗布する時間によってむらが形成されることも有りうるので、青材料は赤材料に対してインクジェットによる塗布を始める位置を異ならせている。
【0056】
赤材料、緑材料、青材料等のインクジェットの塗布の方向、塗布の開始位置は、図17の方法に限らず、種々の組み合わせにすることが出来る。例えば、赤材料においては、インクジェットノズル50を映像信号線の方向に走査させることによって形成し、緑材料においては、インクジェットノズル50を走査線方向に走査させることによって形成し、青材料をインクジェットノズル50によって赤材料と同じ方向に走査、あるいは、緑材料と同じ方向に走査させることによって形成することが出来る。
【0057】
このように、本発明によれば、有機EL表示装置において、インクジェットによって有機発光層を形成する場合に、インクジェットの各色における塗布むらが互いに強調される現象を防止することが出来るので、輝度むらの目立たない有機EL表示装置を実現することが出来る。
【符号の説明】
【0058】
1…アニックスロール、 2…印刷版、 3…注入ノズル、 4…ドクターブレード、 5…配向膜印刷方向、 6…配向膜材料、 10…TFT基板、 11…走査線、 12…映像信号線、 20…対向基板、 21…赤カラーフィルタ、 22…緑カラーフィルタ、 23…青カラーフィルタ、 24…ブラックマトリクス、 30…表示領域、 40…筋状の輝度むら、 50…インクジェットノズル、 61…赤インクジェットノズル移動方向、 62…緑インクジェットノズル移動方向、 63…青インクジェットノズル移動方向、 100…素子基板、 101…下部電極、 102…有機EL発光層、 103…上部電極、 104…バンク、 105…平坦化膜。
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に係り、配向膜の印刷むらに関連する輝度むら、あるいは、インクジェットによる有機膜の塗布むらに起因する表示むらを対策した液晶表示装置あるいは有機EL表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に使用される液晶表示パネルは、画素電極および薄膜トランジスタ(TFT)等を有する画素がマトリクス状に形成されたTFT基板と、TFT基板に対向して、TFT基板の画素電極と対応する場所にカラーフィルタ等が形成された対向基板が配置され、TFT基板と対向基板の間に液晶が挟持されている。そして液晶分子による光の透過率を画素毎に制御することによって画像を形成している。
【0003】
液晶表示装置では、TFT基板と対向基板に形成された配向膜によって、液晶分子の初期配向を行い、この液晶分子の初期配向の状態を、画素電極に映像信号を印加することにより、画素電極と対向電極との間に形成された電界によって変化させることによって、液晶表示パネルを透過する光の量をコントロールしている。液晶分子の初期配向の向きは配向膜をラビングすることによって規定している。
【0004】
配向膜は、所定の粘度の液体の有機材料を例えば、オフセット印刷によってTFT基板あるいは対向基板に塗布し、その後、配向膜材料を焼成してイミド化し、配向膜としている。配向膜のオフセット印刷は、次のようにして行われる。すなわち、注入ノズルから配向膜材料を円筒状のアニックスロールに滴下し、配向膜材料を液展開手段(ドクターブレード)を用いてアニックスロールに均一に塗布し、これを印刷版に転写し、印刷版からTFT基板あるいは対向基板に印刷する。
【0005】
「特許文献1」には、ドクターブレードを2枚使用することによって、アニックスロールに配向膜材料をより均一塗布することによって、配向膜の膜厚むらを防止する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−69382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図1は、配向膜のオフセット印刷の構成を示す模式図である。図1において、注入ノズル3から配向膜材料6がアニックスロール1に滴下される。注入ノズル3は矢印の方向に走査され、アニックスロール1上に配向膜材料が均一に塗布されるようにしている。アニックスロール1は回転するが、このとき、ドクターブレード4によって、配向膜材料6がアニックスロール1にさらに均一に形成されるようにしている。
【0008】
アニックスロール1に塗布された配向膜材料6は印刷版2に転写され、これをTFT基板10に転写することによって配向膜がTFT基板10に印刷されることになる。印刷版2は回転しながらTFT基板10に配向膜を転写する。以後印刷版2が回転する方向と一致する基板の方向を配向膜印刷方向5という。
【0009】
配向膜印刷時、ドクターブレード4が歪んでいたり、ドクターブレード4に傷があったりすると、厚さにむらのある配向膜が形成されてしまう。「特許文献2」に記載の技術によれば、ドクターブレード4を2枚使用するので、配向膜の膜厚むらは改善されるが、完全に解消することは難しい。対向基板20も同様である。
【0010】
図1において、TFT基板10が白矢印の方向に移動すると、配向膜がTFT基板10に白矢印の方向に印刷されることになる。ドクターブレード4に傷等が存在している場合は、この方向に、膜厚むらが筋状に生ずる。
【0011】
図7は、従来の方法におけるTFT基板10と対向基板20への配向膜印刷の方向を示すものである。図7(a)はTFT基板10であり、図7(b)は対向基板20である。図7(a)および図7(b)において、白矢印は配向膜の印刷方向5である。図7(a)および図7(b)に示すように、TFT基板10と対向電極は同じ方向に配向膜が印刷されている。図7(a)の下側に領域Aの拡大図を示す。該拡大図において、走査線11と映像信号線12で囲まれた部分に画素13が形成されている。図7(a)における、配向膜の印刷方向は走査線11の延在方向と同じである。
【0012】
図7(b)は対向基板20であり、図7(b)の下側に領域Bの拡大図を示す。図7(b)における配向膜の印刷方向は、赤カラーフィルタ21、緑カラーフィルタ22、青カラーフィルタ23を横切る方向である。これは、TFT基板10の走査線11の延在方向と同じである。このようにして形成されたTFT基板10と対向基板20を貼り合わせた状態が図8である。
【0013】
図8において、白矢印が対向基板20、TFT基板10における配向膜の印刷方向5である。図8のような場合、ドクターブレード4の傷や歪み等によって、配向膜に厚さのむらが筋状に形成されると、これによる明るさむらはTFT基板10と対向基板20の各々の明るさむらの倍の頻度で現れることになる。
【0014】
このような筋状の輝度むら40の例を図9に示す。図9は、TFT基板10と対向基板20の表示領域30において、筋状のむら40が互い違いに形成されている場合である。図10は、表示領域30における、筋状のむら40の他の例である。図10の例は、TFT基板10の筋むらと対向基板20の筋むらが比較的近接して形成されている場合である。図9の場合も、図10の場合も、筋むらが高い頻度で同じ方向に形成されているので、むらが目立ちやすい。
【0015】
以上は、配向膜をオフセット印刷によって形成する場合の課題について記載したが、配向膜を他の方法、例えば、インクジェットで形成するような場合にも、プロセス特有な膜厚のむらがTFT基板10と対向基板20との間で互いに強めあうような場合があれば問題になる。
【0016】
本発明は、このような、配向膜の形成方法によって生ずる配向膜の膜厚むらに起因する明るさむらを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は上記問題を克服する液晶表示装置の製造方法であり、具体的な手段は次のとおりである。すなわち、TFTと画素電極と走査線と映像信号線と配向膜を有するTFT基板と、配向膜を有する対向基板と、前記TFT基板の前記配向膜と前記対向基板の前記配向膜との間に液晶層が挟持された液晶表示装置の製造方法であって、前記TFT基板への配向膜は、印刷版から配向膜材料をTFT基板に転写するオフセット印刷によって形成され、前記オフセット印刷における前記印刷版の回転方向は、前記TFT基板の第1の方向であり、前記対向基板への配向膜は、印刷版から配向膜材料をTFT基板に転写するオフセット印刷によって形成され、前記オフセット印刷における前記印刷版の回転方向は、前記TFT基板の第1の方向と直角方向であることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【0018】
本発明は、配向膜をインクジェット方式で形成する場合にも適用することが出来、この場合の具体的な手段は次のとおりである。すなわち、TFTと画素電極と走査線と映像信号線と配向膜を有するTFT基板と、配向膜を有する対向基板と、前記TFT基板の前記配向膜と前記対向基板の前記配向膜との間に液晶層が挟持された液晶表示装置の製造方法であって、
前記TFT基板への配向膜は、インクジェットノズルから配向膜材料を滴下しながら、前記インクジェットノズルと前記TFT基板とを相対的に第1の方向に移動しながら形成され、前記対向基板への配向膜は、インクジェットノズルから配向膜材料を滴下しながら、前記インクジェットノズルと前記TFT基板とを相対的に前記第1の方向とは直角の方向に移動しながら形成されることを特徴とする液晶表示装置の製造方法である。
【0019】
本発明は有機EL表示装置にも適用することが出来、具体的な手段は次のとおりである。すなわち、第1の有機発光材料と第2の有機発光材料が形成された素子基板を有する有機EL表示装置の製造方法であって、前記第1の発光材料は、インクジェットノズルと素子基板とを相対的に第1の方向に移動させながら、インクジェットノズルから前記第1の配向膜を滴下することによって形成され、前記第2の発光材料は、インクジェットノズルと素子基板とを相対的に前記第1の方向とは直角な方向に移動させながら、インクジェットノズルから前記第2の配向膜を滴下することによって形成されることを特徴とする有機EL表示装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0020】
液晶表示装置に適用した本発明によれば、同じ方向への筋状の明るさむらの頻度は従来の半分になるので、筋状の明るさむらは大幅に軽減できる。また、本発明では、筋状の明るさむらは、画面縦方向と横方向に存在するが、縦方向、横方向とも筋むらの頻度は小さい。さらに、筋むらが縦方向と横方向に存在することによって、人間の眼には逆に筋むらが見えにくくなるという効果も得られる。
【0021】
有機EL表示装置に適用した本発明においても、有機EL発光層をインクジェットで形成する場合、インクジェットによる塗布むらが画面の縦方向と横方向に分散させるので、表示むらを軽減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明におけるTFT基板へのオフセット印刷による配向膜の形成方法を示す斜視図である。
【図2】本発明における対向基板へのオフセット印刷による配向膜の形成方法を示す斜視図である。
【図3】本発明におけるTFT基板と対向基板の配向膜印刷方向を示す模式図である。
【図4】本発明の液晶表示パネルにおけるTFT基板と対向基板における配向膜印刷方向を示す斜視図である。
【図5】本発明による液晶表示装置における筋状の輝度むらの例である。
【図6】本発明における液晶表示装置の製造方法を示す工程図である。
【図7】従来例におけるTFT基板と対向基板の配向膜印刷方向を示す模式図である。
【図8】従来例の液晶表示パネルにおけるTFT基板と対向基板における配向膜印刷方向を示す斜視図である。
【図9】従来例における筋状の輝度むらの例である。
【図10】従来例における筋状の輝度むらの他の例である。
【図11】本発明におけるTFT基板へのインクジェット方式による配向膜の形成方法を示す斜視図である。
【図12】本発明における対向基板へのインクジェット方式による配向膜の形成方法を示す斜視図である。
【図13】有機EL表示パネルの斜視図である。
【図14】有機EL表示装置の素子基板の構成を示す平面図である。
【図15】図14に示す画素部の断面図である。
【図16】従来例におけるインクジェットノズルの走査方向である。
【図17】本発明における色毎のインクジェットノズルの走査方向の例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の内容を実施例を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は、本発明におけるTFT基板10の配向膜の印刷方法を示す模式図である。図1の動作は先に説明したので省略する。図1において、TFT基板10は白矢印の方向に移動し、この白矢印の方向が配向膜印刷方向5となる。図1における配向膜印刷方向5は、基板の長辺と平行方向である。
【0025】
図2は、本発明における対向電極の配向膜の印刷方法を示す模式図である。図2の動作は図1の動作と同様なので説明を省略する。図2において、対向基板20は白矢印の方向に移動し、この白矢印の方向が配向膜印刷方向5となる。図2における配向膜印刷方向5は、対向基板20の短辺と平行方向である。
【0026】
図3は、図1および図2に示すオフセット印刷によって形成されたTFT基板10と対向基板20の配向膜印刷方向5を示すものである。図3(a)はTFT基板10、図3(b)は対向基板20である。図3の白矢印は配向膜の印刷方向である。図3(a)、図3(b)に示すように、配向膜印刷方向5はTFT基板10と対向基板20とで直角方向になっている。
【0027】
図3(a)の下側の図は領域Aの拡大図である。該拡大図において、走査線11が横方向に延在し、映像信号線12が縦方向に延在し、走査線11と映像信号線12とで囲まれた領域が画素13になっている。図3(a)における配向膜印刷方向5は走査線11の延在方向と同じである。
【0028】
図3(b)の下側に示す図は、領域Bの拡大図である。該拡大図において、赤カラーフィルタ21、緑カラーフィルタ22、青カラーフィルタ23が形成されている。図3(b)における配向膜印刷方向5は、拡大図におけるカラーフィルタの延在方向である。すなわち、図3(a)に示す走査線11の延在方向と直角方向である。これが本発明の特徴になっている。
【0029】
このようにして形成したTFT基板10と対向基板20を接着した状態が図4に示す液晶表示パネルである。図4において、配向膜印刷方向5を白矢印で示す。対向基板20の配向膜印刷方向5は対向基板20の短辺方向であり、TFT基板10の配向膜印刷方向5はTFT基板10の長辺方向である。対向基板20の配向膜印刷方向5とTFT基板10の配向膜印刷方向5とは直角方向となっている。
【0030】
オフセット印刷によって配向膜を形成する場合は、ドクターブレード4の傷、歪み等によって、配向膜の膜厚を完全に均一にすることは難しい。したがって、配向膜の筋状の膜厚むらを完全に無くすことは困難である。そうすると、配向膜の膜厚むらに起因する筋状の明るさむらも避けられない。
【0031】
図4のような液晶表示パネルにおいては、TFT基板10に形成された配向膜の膜厚むらの方向と、対向基板20に形成された配向膜の膜厚むらが直角方向になっている。図5はこのような配向膜の膜厚むらによって表示領域30において生ずる筋状の輝度むら40を示すものである。図5において、例えば、TFT基板10側の配向膜の膜厚むらによって生じた筋状の明るさむらを横線で示し、対向基板20側の配向膜の膜厚むらによって生じた筋状のむら40を縦線で示す。
【0032】
図5に示すように、本発明では、TFT基板10に形成される配向膜の膜厚むらに起因する筋状の輝度むら40と、対向基板20に形成される配向膜の膜厚むらに起因する筋状の輝度むら40の方向が直角方向になっている。図5において、同一方向に延びる輝度むらは従来の場合に比べて半分の頻度となっている。また、従来のように、TFT基板10と対向基板20における同一方向に伸びる明るさむらが互い強調されて、目立ちやすくなるという現象も無い。さらに、互いに直角方向交差する筋状の輝度むら40は目立ちにくいとい特徴もある。
【0033】
図6は、液晶表示パネルの製造工程を示す工程図である。一般には、TFT基板を複数含むマザーTFT基板と、対向基板を複数含むマザー対向基板が別々に形成され、配向膜に配向処理が施されたあと、マザーTFT基板とマザー対向基板を接着しし、その後、個々の液晶表示パネルに分離するが、図6では単にTFT基板あるいは対向基板と表示している。
【0034】
図6において、左側はTFT基板工程である。TFT基板工程において、TFT、画素電極、走査線11、映像信号線12等が形成されたTFT基板10をオフセット印刷機にセットする。オフセット印刷機の動作は図1等で説明したとおりである。すなわち、ドクターブレード4の傷あるいは歪み等がアニックスロール1、印刷版2を介してTFT基板10に転写され、筋状の膜厚むらを生ずる。TFT基板10には、例えば、走査線11の延在方向に配向膜を印刷するので、TFT基板10には、走査線11の方向に筋状の配向膜の膜厚むらが生ずる。図1に示す注入ノズル3から滴下される配向膜材料6の粘度は例えば、15〜100mPa・sである。
【0035】
オフセット印刷機によって塗布された配向膜材料6はまだ液体の状態なので、TFT基板10をレベリング炉に投入して配向膜を均一に乾燥させる。レベリング炉の温度は70〜90℃である。この時に、配向膜に生じている膜厚のむらは、レベリング効果によって軽減される。しかし、配向膜印刷によって形成された筋状のむら40は完全にはなくならない。
【0036】
その後、TFT基板10を200〜230℃の焼成炉に投入して、配向膜のイミド化を行う。このようにして形成された配向膜の厚さは、一般には、80〜120nm程度である。形成された配向膜に対して配向処理を行う。配向処理は一般にはラビング法で行われるが、IPS(In Plane Switcing)方式の液晶表示装置においては、光方向処理が行われることもある。
【0037】
図6の右側は、対向基板工程である。対向基板20において、ブラックマトリクス、カラーフィルタ、オーバーコート膜等が形成された対向基板20をオフセット印刷機にセットする。この場合、例えば、対向基板20に形成されたカラーフィルタの延在方向、すなわち、TFT基板10における走査線11の延在方向と直角方向が配向膜印刷の方向となるように対向基板20をセットする。この場合も、ドクターブレード4の傷や歪み等によって、印刷方向に筋状の膜厚むらが生ずることはTFT基板10の場合と同様である。しかし、対向基板20の場合に生ずる筋状の膜厚むらはTFT基板10に形成される筋状の膜厚むらの方向とは直角方向である。
【0038】
このようにして、対向基板20に配向膜を印刷したあと、対向基板20をレベリング炉に投入して配向膜のレベリングと乾燥を行い、さらに焼成炉に投入して配向膜のイミド化を行い、さらに、配向膜に対して配向処理を行うことはTFT基板10の場合と同様である。レベリング炉、焼成炉の温度条件等はTFT基板10の場合と同様である。対向基板20にも筋状の配向膜の膜厚むらは生ずるが、この配向膜の筋状の膜厚むらは、TFT基板10に形成されたものとは直角方向となっている。
【0039】
このようにして形成されたTFT基板10と対向基板20をシール材を介して接着する。その後、液晶を注入し、注入口を封止することによって液晶表示パネルが完成する。こうして形成された液晶表示パネルにおける配向膜の筋状のむら40は、TFT基板10と対向基板20とで、直角方向となっているので、配向膜の膜厚むらに起因する輝度むらは目立ちにくい。
【0040】
配向膜印刷プロセスにおいて、印刷膜の膜厚むらを無くそうとすると、配向膜印刷装置の精度を向上させたり、印刷工程の作業条件を厳しく管理したりする必要がある。本発明は、配向膜印刷装置の精度を向上させたり、印刷工程の作業条件を従来よりも厳しく管理したりすること等を行わなくても配向膜の膜厚むらに起因する輝度むらを目立たなくすることが出来る。
【実施例2】
【0041】
実施例1では、配向膜をオフセット印刷によって形成する場合について本発明を説明した。配向膜はオフセット印刷に限らず、インクジェット方式によっても形成することが出来る。図11および図12は、本発明によるインクジェットによって配向膜を形成する状態を示す模式図である。図11はTFT基板10への配向膜の塗布を示すものである。図11において、配向膜材料6を滴下するインクジェットのノズルが多数形成されており、TFT基板10が矢印の方向に移動すると配向膜が塗布される。図11において、TFT基板10が移動する方向は例えば、TFT基板10に形成された走査線11の延在方向である。
【0042】
インクジェットによって配向膜を形成する場合は、オフセット印刷によって配向膜を形成する場合よりも、材料の粘度は低く、例えば、5〜10mPa・sである。配向膜材料6の粘度が低いので、塗布後のレベリングによって膜厚は均一になるが、それでも、ノズルのある場所と無い場所とにおける膜厚差は残る。この場合も、筋状の膜厚むらとなる。
【0043】
従来は、TFT基板10と対向基板20とで、同じ方向に基板を移動して配向膜を塗布していたので、液晶表示パネルにおける配向膜の筋状のむら40は、TFT基板10と対向基板20とで同じ方向に生ずる。したがって、従来はインクジェット方式によって配向膜を形成した場合にも、図11あるいは図12に示すような輝度むらを生じていた。
【0044】
本発明では、図12に示すように、インラインに並んだインクジェットノズル50に対する対向基板20の移動方向を図11に示すTFT基板10の移動方向に対して直角方向にする。具体的には、例えば、対向基板20に形成されたカラーフィルタの延在方向に対向基板20を移動する。この方向は、TFT基板10の走査線11の延在方向と直角であり、対向基板20に生ずる配向膜の筋状の膜厚むらは、TFT基板10に生ずる配向膜の筋状のむら40とは直角方向になる。そうすると、配向膜の膜厚むらによって形成される輝度むらは図5に示すようなものとなる。このような輝度むらは、実施例1で説明したように目立ちにくい。
【0045】
インクジェット方式によって配向膜を形成する場合の液晶表示パネルの製造方法も、オフセット印刷がインクジェットに変わる他は、図6に示すのとほぼ同様である。但し、インクジェットによって塗布される配向膜材料6の粘度は、配向膜印刷による場合よりも小さく、5〜10mPa・sである。また、レベリング炉の温度は、配向膜印刷の場合よりも低く、20〜60℃である。イミド化のための焼成炉温度はオフセット印刷方式の場合と同様である。
【0046】
このように、インクジェット方式で配向膜を形成する場合にも、本発明を適用することによって、インクジェット印刷機の精度、あるいは、インクジェット方式における配向膜形成工程の作業条件を大幅に厳しくすることなく、筋状の輝度むら40を対策することが出来る。
【0047】
なお、実施例1および実施例2においては、TFT基板10への配向膜印刷方向5は走査線11の延在方向であり、対向基板20への配向膜印刷方向5は走査線11と直角方向であるとして説明したが、これとは逆に、TFT基板10への配向膜印刷方向5は映像信号線12の延在方向であり、対向基板20への配向膜印刷方向5は映像信号線12と直角方向であるとしても同様の効果が得られる。
【実施例3】
【0048】
実施例1および実施例2は液晶表示装置の配向膜の形成について本発明を適用した例である。本発明は、同一種類のむらを同一方向に形成することを避けるという点において、有機EL表示装置にも適用することが出来る。図13は有機EL表示パネルの斜視図である。図13において、発光素子、制御用のTFT、映像信号線12、走査線11、電源線等が形成された素子基板100が封止基板200によって封止されている。有機EL発光素子は水分によって劣化するために、通常は、透明ガラスによる封止基板200によって水分から保護されている。
【0049】
図14は、図13に示す素子基板100の平面模式図である。図14において、横方向に延在する走査線11と縦方向に延在する映像信号線12によって囲まれる領域に有機材料による発光素子が形成されている。発光素子は有機材料の発する光によって、赤画素R、緑画素G、青画素Bを構成する。
【0050】
図15は図14のD−D断面である。ただし、平坦化膜105よりも下側の構成は省略されている。図15において、有機材料によって形成された平坦化膜105の上に各画素を区画するバンク104が形成されている。バンク104とバンク104の間が画素になっており、画素は下側から順に、陽極となる下部電極101、有機材料によって形成された発光材料102、陰極となる上部電極103が形成されている。上部電極103は各画素共通に形成されている。
【0051】
有機材料である発光材料102は蒸着で形成する場合とインクジェットで形成する場合とがある。インクジェット方式は、真空装置が必要無いので生産性に優れている。インクジェット方式では、複数のノズルによって素子基板100上所定の位置に発光材料102を滴下する。
【0052】
発光材料102の滴下はノズルを素子基板100上に走査させながら行ってもよいし、素子基板100を移動させながら行ってもよい。図16は従来方法において、インクジェットノズル50を素子基板100上に走査しながら発光材料102を形成する方向を模式図的に描いたものである。図16において、赤発光材料のインクジェットノズルの走査方向を61で、緑発光材料のインクジェットノズルの走査方向を62で、青発光材料のインクジェットノズルの走査方向を63で示している。
【0053】
図16のように、従来は、赤発光材料、緑発光材料、青発光材料とも同じように素子基板100上を走査していた。ところで、インクジェット方式で素子基板100上を走査して画素を形成する場合、特有なむら生ずる。図16のように、全ての材料について同じ形成方法を使用すると、各材料におけるむらが強調されて目立ちやすくなる性質がある。
【0054】
本実施例では、図17に示すように、有機発光材料102をインクジェットで形成する際、各材料によってインクジェットノズル50の走査方向を変える。例えば、図17(a)は赤材料を滴下する際のインクジェットノズルの走査方向61を示し、素子基板100の横方向、例えば、図14における走査線11の延在方向に、左側からインクジェットノズル50を走査する。図17(b)は緑材料を滴下する際のインクジェットノズルの走査方向62を示し、素子基板100の縦方向、例えば、図14における映像信号線12の延在方向に、上側からインクジェットノズル50を走査する。このように、少なくとも2つの色の材料について、各々、直角方向にインクジェットノズル50を走査することによって、形成されるむらが強調されるような現象を防止することが出来る。
【0055】
図17(c)は青材料を滴下する際のインクジェットノズルの走査方向63を示し、素子基板100の横方向、例えば、図14における走査線11の延在方向に、最初に右側からインクジェットノズル50を走査する。インクジェットの性質によっては、塗布する時間によってむらが形成されることも有りうるので、青材料は赤材料に対してインクジェットによる塗布を始める位置を異ならせている。
【0056】
赤材料、緑材料、青材料等のインクジェットの塗布の方向、塗布の開始位置は、図17の方法に限らず、種々の組み合わせにすることが出来る。例えば、赤材料においては、インクジェットノズル50を映像信号線の方向に走査させることによって形成し、緑材料においては、インクジェットノズル50を走査線方向に走査させることによって形成し、青材料をインクジェットノズル50によって赤材料と同じ方向に走査、あるいは、緑材料と同じ方向に走査させることによって形成することが出来る。
【0057】
このように、本発明によれば、有機EL表示装置において、インクジェットによって有機発光層を形成する場合に、インクジェットの各色における塗布むらが互いに強調される現象を防止することが出来るので、輝度むらの目立たない有機EL表示装置を実現することが出来る。
【符号の説明】
【0058】
1…アニックスロール、 2…印刷版、 3…注入ノズル、 4…ドクターブレード、 5…配向膜印刷方向、 6…配向膜材料、 10…TFT基板、 11…走査線、 12…映像信号線、 20…対向基板、 21…赤カラーフィルタ、 22…緑カラーフィルタ、 23…青カラーフィルタ、 24…ブラックマトリクス、 30…表示領域、 40…筋状の輝度むら、 50…インクジェットノズル、 61…赤インクジェットノズル移動方向、 62…緑インクジェットノズル移動方向、 63…青インクジェットノズル移動方向、 100…素子基板、 101…下部電極、 102…有機EL発光層、 103…上部電極、 104…バンク、 105…平坦化膜。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
TFTと画素電極と走査線と映像信号線と配向膜を有するTFT基板と、配向膜を有する対向基板と、前記TFT基板の前記配向膜と前記対向基板の前記配向膜との間に液晶層が挟持された液晶表示装置の製造方法であって、
前記TFT基板への配向膜は、印刷版から配向膜材料をTFT基板に転写するオフセット印刷によって形成され、前記オフセット印刷における前記印刷版の回転方向は、前記TFT基板の第1の方向であり、
前記対向基板への配向膜は、印刷版から配向膜材料をTFT基板に転写するオフセット印刷によって形成され、前記オフセット印刷における前記印刷版の回転方向は、前記TFT基板の第1の方向と直角方向であることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1の方向は走査線の延在方向であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項3】
TFTと画素電極と走査線と映像信号線と配向膜を有するTFT基板と、配向膜を有する対向基板と、前記TFT基板の前記配向膜と前記対向基板の前記配向膜との間に液晶層が挟持された液晶表示装置の製造方法であって、
前記TFT基板への配向膜は、インクジェットノズルから配向膜材料を滴下しながら、前記インクジェットノズルと前記TFT基板とを相対的に第1の方向に移動しながら形成され、
前記対向基板への配向膜は、インクジェットノズルから配向膜材料を滴下しながら、前記インクジェットノズルと前記TFT基板とを相対的に前記第1の方向とは直角の方向に移動しながら形成されることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1の方向は走査線の延在方向であることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項5】
第1の有機発光材料と第2の有機発光材料が形成された素子基板を有する有機EL表示装置の製造方法であって、
前記第1の発光材料は、インクジェットノズルと素子基板とを相対的に第1の方向に移動させながら、インクジェットノズルから前記第1の配向膜を滴下することによって形成され、
前記第2の発光材料は、インクジェットノズルと素子基板とを相対的に前記第1の方向とは直角な方向に移動させながら、インクジェットノズルから前記第2の配向膜を滴下することによって形成されることを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
【請求項6】
前記有機EL表示装置にはさらに第3の発光材料が形成され、
前記第3の発光材料は、インクジェットノズルと素子基板とを相対的に前記第1の方向または前記第2の方向に移動させながら、インクジェットノズルから前記第3の配向膜を滴下することによって形成されることを特徴とする請求項5に記載の有機EL表示装置の製造方法。
【請求項1】
TFTと画素電極と走査線と映像信号線と配向膜を有するTFT基板と、配向膜を有する対向基板と、前記TFT基板の前記配向膜と前記対向基板の前記配向膜との間に液晶層が挟持された液晶表示装置の製造方法であって、
前記TFT基板への配向膜は、印刷版から配向膜材料をTFT基板に転写するオフセット印刷によって形成され、前記オフセット印刷における前記印刷版の回転方向は、前記TFT基板の第1の方向であり、
前記対向基板への配向膜は、印刷版から配向膜材料をTFT基板に転写するオフセット印刷によって形成され、前記オフセット印刷における前記印刷版の回転方向は、前記TFT基板の第1の方向と直角方向であることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1の方向は走査線の延在方向であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項3】
TFTと画素電極と走査線と映像信号線と配向膜を有するTFT基板と、配向膜を有する対向基板と、前記TFT基板の前記配向膜と前記対向基板の前記配向膜との間に液晶層が挟持された液晶表示装置の製造方法であって、
前記TFT基板への配向膜は、インクジェットノズルから配向膜材料を滴下しながら、前記インクジェットノズルと前記TFT基板とを相対的に第1の方向に移動しながら形成され、
前記対向基板への配向膜は、インクジェットノズルから配向膜材料を滴下しながら、前記インクジェットノズルと前記TFT基板とを相対的に前記第1の方向とは直角の方向に移動しながら形成されることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1の方向は走査線の延在方向であることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項5】
第1の有機発光材料と第2の有機発光材料が形成された素子基板を有する有機EL表示装置の製造方法であって、
前記第1の発光材料は、インクジェットノズルと素子基板とを相対的に第1の方向に移動させながら、インクジェットノズルから前記第1の配向膜を滴下することによって形成され、
前記第2の発光材料は、インクジェットノズルと素子基板とを相対的に前記第1の方向とは直角な方向に移動させながら、インクジェットノズルから前記第2の配向膜を滴下することによって形成されることを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
【請求項6】
前記有機EL表示装置にはさらに第3の発光材料が形成され、
前記第3の発光材料は、インクジェットノズルと素子基板とを相対的に前記第1の方向または前記第2の方向に移動させながら、インクジェットノズルから前記第3の配向膜を滴下することによって形成されることを特徴とする請求項5に記載の有機EL表示装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−53395(P2012−53395A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197724(P2010−197724)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】
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