説明

表示装置の駆動方法

【課題】連続するフレーム期間において、クロストークを低減することを目的の一とする。
【解決手段】1フレーム期間において各画素への画像信号の書き込み期間及び当該画像信号に応じた光源の点灯期間を並び替えて、画像信号に応じた光源の点灯期間を前後のフレーム期間と重畳しないようにし、画像信号の書き込み及び当該画像信号に応じた光源の点灯を行うものである。具体的には、表示領域の複数の領域に分割された各領域を前半の行と後半の行とに分割し、当該フレーム期間と前のフレーム期間が隣接する期間において、後半の行に書き込まれる画像信号を前のフレーム期間で書き込んでおき、当該フレーム期間での当該画像信号に応じた光源の点灯を行うものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置の駆動方法、特に表示素子に液晶素子を用いた液晶表示装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、液晶表示装置に代表されるように、テレビ受像機などの大型表示装置から携帯電話などの小型表示装置に至るまで、普及が進んでいる。今後は、より付加価値の高い製品が求められており開発が進められている。近年では、地球環境への関心の高まり、及びモバイル機器の利便性向上の点から、低消費電力型の表示装置の開発が注目されている。
【0003】
低消費電力型の表示装置として、フィールドシーケンシャル方式(色順次表示方式、時間分割表示方式、継時加法混色表示方式とも呼ばれる)で表示を行う表示装置がある。フィールドシーケンシャル方式は、赤(以下Rと略記することもある)、緑(以下Gと略記することもある)、青(以下Bと略記することもある)のバックライトの点灯を時間的に切り替えて表示パネルに供給し、加法混色によりカラー表示を視認する。そのため、各画素にカラーフィルタを設ける必要がなく、バックライトからの透過する光の利用効率を高めることができ、低消費電力化を実現できる。またフィールドシーケンシャル方式で表示を行う表示装置は1つの画素でR、G、Bを表現することができるため、高精細化が容易であるといった利点がある。
【0004】
フィールドシーケンシャル方式による駆動では、色割れ(カラーブレイクとも呼ばれる)といった特有の表示不良の問題がある。色割れの問題は、一定期間内での画像信号の書き込み回数を増やすことで、低減できることが知られている。
【0005】
特許文献1では一定期間内での画像信号の書き込み回数を増やすために、フィールドシーケンシャル方式により表示を行う液晶表示装置において、表示領域を複数の領域に分割し、バックライトも対応する複数の領域に分割する構成について開示している。
【0006】
また特許文献2には、フィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置において、立体視表示(3D表示)を行うための構成について示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−220685号公報
【特許文献2】特開2003−259395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の構成では、表示領域を互いに異なる色の画像信号が供給される複数の領域に分割して、フィールドシーケンシャル方式による駆動を行っている。そして表示領域の複数の領域に対応するバックライトユニットも複数の領域に分割し、隣接する領域で異なる色によるバックライトユニットの発光を行っている。なお、表示領域を互いに異なる色の画像信号が供給される複数の領域に分割し、且つバックライトユニットの光源も、表示領域の複数の領域に対応する複数の領域に分割してフィールドシーケンシャル方式による駆動を行う際のバックライトユニットの駆動を、カラースキャンバックライト駆動(またはスキャンバックライト駆動)ということにする。
【0009】
カラースキャンバックライト駆動では赤(R)の画像信号を複数の領域に順次書き込んでいく間に、緑(G)の画像信号及び青(B)の画像信号がRの画像信号が書き込まれた領域より書き込まれていくこととなる。
【0010】
ここで本発明の一形態の課題について説明するため、カラースキャンバックライト駆動について、図17及び図18を用いて説明する。
【0011】
図17(A)は、画像信号の書き込み及び当該画像信号が書き込まれた領域に対応する光源の点灯についての模式図である。図17(A)では、複数の走査線(ゲート線ともいう)が設けられる方向(走査方向)に順に走査線に選択信号を供給することで信号線(データ線ともいう)の画像信号を画素に書き込む様子、及び光源の点灯の様子を表している。図17(A)では時間の経過とともに、画像信号の書き込みと光源の点灯が行われる様子を表している。
【0012】
図17(A)では、太線1501が画像信号の書き込みを表しており、平行斜線1502(ハッチング)で示した領域が液晶の応答期間と光源の点灯期間の和を表している。また太線1501に重畳して示す「R1」は赤色の画像信号が書き込まれることを表しており、平行斜線1502に重畳して示す「R1」は赤色の光源の点灯が行われることを表している。
【0013】
なお、図17(A)で平行斜線1502に重畳した「R1」での光源の点灯は、赤色の画像信号が書き込まれた領域において、赤色の光源が一様に点灯する構成とすればよい。なお光源の点灯は、画像信号の階調に応じて光源の輝度を調整する構成としてもよく、この場合低消費電力化及びコントラストの向上に好適である。
【0014】
図17(B)には図17(A)で説明した画像信号の書き込みと光源の点灯の様子を用いて連続するフレーム期間でのカラースキャンバックライト駆動を表したものである。図17(B)では一例として走査方向の、1乃至k行、k+1乃至2k行、2k+1乃至m行(kは2以上の自然数、mは3k以上の自然数)にm本の走査線が設けられる様子を表している。なお図17(B)では、1乃至k行の走査線の走査により画像信号が書き込まれる画素の領域を第1の領域とする。また図17(B)では、k+1乃至2k行の走査線の走査により画像信号が書き込まれる画素の領域を第2の領域とする。また図17(B)では、2k+1乃至m行の走査線の走査により画像信号が書き込まれる画素の領域を第3の領域とする。なお第1の領域乃至第3の領域では、前半の行と後半の行とで分けて説明することもあるため、それぞれ2段に分けて示している。
【0015】
図17(B)に示す第1の領域には、第1の領域でカラー表示を行うための第1のRの画像信号R1が書き込まれてR1の点灯がなされ、第1のGの画像信号G1が書き込まれてG1の点灯がなされ、第1のBの画像信号B1が書き込まれてB1の点灯がなされることとなる。第1の領域では、第1の画像信号R1、G1及びB1の画像信号及び当該画像信号に応じた光源の点灯による加法混色によりカラー表示を行うことができる。なお図17(B)に示す光源の点灯を表す平行斜線は、点灯する光源の色毎に異なるハッチングパターンで示している。
【0016】
第2の領域では第1の領域でのR1の画像信号の書き込みが完了した後に、第2の領域でカラー表示を行うための第2のRの画像信号R2が書き込まれてR2の点灯がなされ、第2のGの画像信号G2が書き込まれてG2の点灯がなされ、第2のBの画像信号B2が書き込まれてB2の点灯がなされることとなる。同様に第3の領域では、第2の領域でのR2の画像信号の書き込みが完了した後に、第3の領域でカラー表示を行うための第3のRの画像信号R3が書き込まれてR3の点灯がなされ、第3のGの画像信号G3が書き込まれてG3の点灯がなされ、第3のBの画像信号B3が書き込まれてB3の点灯がなされることとなる。
【0017】
以上の第1の領域乃至第3の領域での加法混色によるカラー表示を行う期間は、表示領域での一枚の画像を表示するフレーム期間となる。そのため、第1の領域への第1のRの画像信号R1が書き込まれてから、第3の領域でのB3の光源の点灯が行われるまでがフレーム期間となり、当該フレーム期間を第1のフレーム期間F_1とする。
【0018】
第1のフレーム期間F_1と同様にして、第1の領域には、第1の領域でカラー表示を行うための第4のRの画像信号R4が書き込まれてR4の点灯がなされ、第4のGの画像信号G4が書き込まれてG4の点灯がなされ、第4のBの画像信号B4が書き込まれてB4の点灯がなされることとなる。そして第2の領域及び第3の領域でも同様に、画像信号の書き込み及び光源の点灯が行われ、第1の領域乃至第3の領域での画像信号の書き込み及び光源の点灯は、第1の領域への第4のRの画像信号R4が書き込まれてから、第3の領域でのB6の光源の点灯が行われるまでがフレーム期間となり、当該フレーム期間を第2のフレーム期間F_2とする(一部図示せず)。
【0019】
図17(B)に示す第1のフレーム期間F_1と第2のフレーム期間F_2とにより、一枚の画像を表示する上で重畳する期間Tovが生じる。当該重畳する期間Tovは、連続するフレーム間のクロストークの原因になる。特に特許文献2にあるようにフレームシーケンシャル方式による立体視表示を行う場合のシャッター手段を有する眼鏡で視認する際、左右の画像のクロストークが生じてしまい、左右の画像の分離が困難となってしまう。
【0020】
また図18(A)乃至(C)では、カラースキャンバックライト駆動について図17(A)及び(B)とは異なる模式図により説明する。
【0021】
図18(A)は、画像信号の書き込み及び当該画像信号が書き込まれた領域に対応する光源の点灯についての図17(A)とは異なる模式図である。図18(A)では、斜辺1601が走査方向に順に行われる走査線による画像信号の書き込みを表しており、枠内に示す「R1」は前述の画像信号が赤色の画像信号であることを表している。また図18(A)では、走査線による画像信号の書き込みに続いて、前述の枠内に示す画像信号「R1」に応じた光源の点灯が行われることを表している。
【0022】
図18(B)には図18(A)で説明した画像信号の書き込みと光源の点灯の様子を用いて連続するフレーム期間でのカラースキャンバックライト駆動を表したものであり、図17(B)と同じ駆動について表したものである。
【0023】
図17(B)と同様に図18(B)に示す第1の領域乃至第3の領域での加法混色によるカラー表示により、第1のフレーム期間F_1及び第2のフレーム期間F_2が、一枚の画像を表示する上で重畳する期間Tovを有することとなる。上述したように重畳する期間Tovがあることで、フレームシーケンシャル方式による立体視表示を行う場合のシャッター手段を有する眼鏡で視認する際、左右の画像の分離が困難となってしまう。
【0024】
図18(C)では、立体視表示を行う場合のカラースキャンバックライト駆動における1フレーム期間を図18(B)と同様に示したものである。図18(C)が図18(B)と異なる点は、第1のフレーム期間F_1を左目で視認するための画像を表示する左目用サブフレーム期間SF_Lとし、図18(B)の第2のフレーム期間F_2を、図18(C)では右目で視認するための画像を表示する右目用サブフレーム期間SF_Rとし、左目用サブフレーム期間SF_Lと右目用サブフレーム期間SF_Rとの間に黒画像を表示するための黒画像用サブフレーム期間Kを挿入して1フレーム期間F_1とする点にある。図18(C)の構成とすることで重畳する期間Tovをなくし、フレームシーケンシャル方式による立体視表示を行う場合のシャッター手段を有する眼鏡で視認する際の左右の画像によるクロストークをなくすことができる。
【0025】
しかしながら図18(C)に示すように、間に黒画像を挿入し、且つ左右の目で視認するための画像の表示を行う構成では、ちらつき(フリッカー)のない動画表示を行うために、画像信号の書き込み速度を速くする必要がある。そのため画像信号を書き込むための十分な時間が確保できず、表示不良の原因となってしまう。
【0026】
そこで本発明の一態様は、連続するフレーム期間において、連続するフレーム間でのクロストーク等の表示不良が低減される表示装置の駆動方法を提供することを目的とする。
【0027】
また本発明の一態様は、左右の画像を切り替えて立体視表示を行う際に、左右の画像間でのクロストークが低減される表示装置の駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明の一態様は、1フレーム期間において各画素への画像信号の書き込み期間及び当該画像信号に応じた光源の点灯期間を並び替えて、画像信号に応じた光源の点灯期間を前後のフレーム期間と重畳しないようにし、画像信号の書き込み及び当該画像信号に応じた光源の点灯を行うものである。具体的には、表示領域の複数の領域に分割された各領域を前半の行と後半の行とに分割し、当該フレーム期間と前のフレーム期間が隣接する期間において、後半の行に書き込まれる画像信号を前のフレーム期間で書き込んでおき、当該フレーム期間で当該画像信号に応じた光源の点灯を行うものである。
【0029】
本発明の一態様は、表示領域において画像を表示するためのフレーム期間は、画像信号の書き込み及び光源の点灯を行う第1乃至第3のサブフレーム期間を有し、第3のサブフレーム期間では、表示領域の前半の行の走査線による画像信号の書き込み及び画像信号に応じた光源の点灯をし、且つ表示領域の後半の行の走査線による画像信号の書き込みをし、第1のサブフレーム期間では、直前のフレーム期間における第3のサブフレーム期間で表示領域の後半の行の走査線によって書き込まれた画像信号に応じた光源の点灯をする表示装置の駆動方法である。
【0030】
本発明の一態様は、表示領域が複数の領域に分割され、各領域におけるいずれか一の走査線を領域毎に同時に選択して表示を行い、表示領域において画像を表示するためのフレーム期間は、複数の色要素のいずれか一の画像信号の書き込み及び当該色要素に応じた光源の点灯を行う第1乃至第3のサブフレーム期間で構成され、各領域間では、第1乃至第3のサブフレーム期間毎にそれぞれ異なる色要素の光源の点灯となるように当該点灯に応じた画像信号の書き込みが行われ、フレーム期間における第3のサブフレーム期間では、各領域の前半の行の走査線による画像信号の書き込み及び画像信号に応じた光源の点灯をし、且つ各領域の後半の行の走査線による画像信号の書き込みをし、フレーム期間における第1のサブフレーム期間では、そのフレーム期間の直前のフレーム期間における第3のサブフレーム期間で各領域の後半の行の走査線によって書き込まれた画像信号に応じた光源の点灯をする表示装置の駆動方法である。
【0031】
本発明の一態様において、第3のサブフレーム期間は、後のフレーム期間に隣接するサブフレーム期間である表示装置の駆動方法でもよい。
【0032】
本発明の一態様は、表示領域が複数の領域に分割され、各領域におけるいずれか一の走査線を領域毎に同時に選択して表示を行い、表示領域において画像を表示するためのフレーム期間は、複数の色要素のいずれか一の画像信号の書き込み及び当該色要素に応じた光源の点灯を行う第1乃至第4のサブフレーム期間で構成され、各領域間では、第1乃至第4のサブフレーム期間毎にそれぞれ異なる色要素の光源の点灯となるように当該点灯に応じた画像信号の書き込みが行われ、フレーム期間における第3のサブフレーム期間では、各領域の前半の行の走査線による画像信号の書き込み及び画像信号に応じた光源の点灯をし、且つ各領域の後半の行の走査線による黒表示とするための画像信号の書き込みをし、フレーム期間における第4のサブフレーム期間では、各領域の前半の行の走査線による黒表示とするための画像信号の書き込み及び光源の消灯をし、且つ各領域の後半の行の走査線による画像信号の書き込みをし、フレーム期間における第1のサブフレーム期間では、直前のフレーム期間における第4のサブフレーム期間で各領域の後半の行の走査線によって書き込まれた画像信号に応じた光源の点灯をする表示装置の駆動方法である。
【0033】
本発明の一態様において、第4のサブフレーム期間は、後のフレーム期間に隣接するサブフレーム期間である表示装置の駆動方法でもよい。
【0034】
本発明の一態様において、第1のサブフレーム期間は、前のフレーム期間に隣接するサブフレーム期間である表示装置の駆動方法でもよい。
【0035】
本発明の一態様において、フレーム期間における光源の点灯は、フレーム期間で表示が行われる画像を表示するための画像信号に応じた光源の点灯のみが行われる表示装置の駆動方法でもよい。
【0036】
本発明の一態様において、光源は、赤色、緑色及び青色の光源である表示装置の駆動方法でもよい。
【発明の効果】
【0037】
本発明の一態様により、連続するフレーム期間において、連続するフレーム間でのクロストーク等の表示不良を低減することができる。
【0038】
また本発明の一態様により、左右の画像を切り替えて立体視表示を行う際に、左右の画像間でのクロストークを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施の形態1の構成を説明するための図。
【図2】実施の形態1の構成を説明するための図。
【図3】実施の形態2の構成を説明するための図。
【図4】実施の形態2の構成を説明するための図。
【図5】実施の形態3の構成を説明するための図。
【図6】実施の形態3の構成を説明するための図。
【図7】実施の形態4の構成を説明するための図。
【図8】実施の形態4の構成を説明するための図。
【図9】実施の形態4の構成を説明するための図。
【図10】実施の形態4の構成を説明するための図。
【図11】実施の形態4の構成を説明するための図。
【図12】実施の形態4の構成を説明するための図。
【図13】実施の形態5の構成を説明するための図。
【図14】実施の形態6の構成を説明するための図。
【図15】実施の形態6の構成を説明するための図。
【図16】実施の形態7の構成を説明するための図。
【図17】課題を説明するための図。
【図18】課題を説明するための図。
【図19】実施の形態1の構成を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。
【0041】
なお、各実施の形態の図面等において示す各構成の大きさ、層の厚さ、信号波形は、明瞭化のために誇張されて表記している場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
【0042】
なお本明細書にて用いる第1、第2、第3、乃至第n(nは自然数)という用語は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0043】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一形態における表示装置の駆動方法について説明する。
【0044】
図1(A)は、画像信号の書き込み及び当該画像信号が書き込まれた領域に対応する光源の点灯についての模式図である。図1(A)では、複数の走査線(ゲート線ともいう)が設けられる方向(走査方向)に順に走査線に選択信号を供給することで信号線(データ線ともいう)の画像信号を画素に書き込む様子、及び光源の点灯の様子を表している。図1(A)では時間の経過とともに、1乃至t行目(tはkより小さい自然数)の画素及びt+1行目乃至k行目の画素への画像信号の書き込みと光源の点灯が行われる様子を表している。
【0045】
また本実施の形態では光源をR(赤)G(緑)B(青)の3色として説明するが、他の種類の色を組み合わせてもよい。例えばRGBの3色に加え、黄色、マゼンタ色、またはシアン色の発光ダイオード等を用いてもよい。またRGBの3色に加え、白色の発光ダイオードを組み合わせることも可能である。
【0046】
なお本実施の形態では、走査線に選択信号、例えばハイレベルの電位を供給して走査線に接続された画素内のトランジスタを導通状態とし、信号線の画像信号を画素内の画素電極に供給することを、画像信号を書き込むという。
【0047】
図1(A)では、太線201A及び太線201Bが画像信号の書き込みを表しており、平行斜線202A及び平行斜線202B(ハッチング)で示した領域が液晶の応答期間と光源の点灯期間の和を表している。また太線201Aに重畳して示す「R1f」は1つの領域、ここでは1乃至k行目の走査線に応じた領域で考えると、前半の行となる1乃至t行目の走査線の信号により選択される画素に赤色の画像信号が書き込まれることを表している。また太線201Bに重畳して示す「R1b」は1つの領域、ここでは1乃至k行目の走査線に応じた領域で考えると、後半の行となるt+1乃至k行目の走査線の信号により選択される画素に赤色の画像信号が書き込まれることを表している。なお図1(A)では、太線201Aで示す画像信号R1fの書き込みと太線201Bで示す画像信号R1bの書き込みとが同時に行われる様子を表している。なお図1(A)に示す画像信号の書き込みを行う期間及び光源の点灯を行う期間が、1フレーム期間を構成するサブフレーム期間となる。
【0048】
また平行斜線202Aに重畳して示す「R1f」は1つの領域、ここでは1乃至k行目の走査線に応じた領域で考えると、前半の行となる1乃至t行目の走査線に対応する赤色の光源の点灯が行われることを表している。また平行斜線202Bに重畳して示す「R1b」は1つの領域、ここでは1乃至k行目の走査線に応じた領域で考えると、後半の行となるt+1乃至k行目の走査線に対応する赤色の光源の点灯が行われることを表している。なお図1(A)では、平行斜線202Aで示すR1fの光源の点灯と平行斜線202Bで示すR1bの光源の点灯とが同時に行われる様子を表している。
【0049】
なお太線201A及び太線201Bに重畳して示す「R1」及び平行斜線202A及び平行斜線202Bに重畳して示す「R1」については、図17(A)での説明と同様である。
【0050】
図1(A)では、画像信号の「R1f」に応じた赤色の光源の点灯を「R1f」として示している。「R1f」での光源の点灯は、赤色の光源が一様に点灯する構成とすればよい。なお光源の点灯は、画像信号の階調に応じて光源の輝度を調整する構成としてもよく、この場合低消費電力化及びコントラストの向上に好適である。
【0051】
なお図1(A)では、画像信号の書き込みと光源の点灯について別の期間となるように図示して説明したが、一部重畳させることもできる。一例として図1(A)と同様の要領で表した図19を用いて説明する。
【0052】
図19では太線1901が画像信号の書き込みを表しており、平行斜線1902(ハッチング)で示した領域が光源の点灯を表している。図19は太線1901と平行斜線1902とが重畳する期間1903を有する点で図1(A)と異なる。
【0053】
図19の太線1901で表される画像信号の書き込みは、実際には、走査線にハイレベルの電位が供給されるステップ、次いで信号線の画像信号が画素内のトランジスタを介して画素電極に供給されるステップ、次いで画素電極と対向電極との間に生じる電界に応じて液晶の配向が変化するステップ、を経て行われるものである。一連のステップにおいては、走査線での電荷の充放電、画素電極の充放電等で、一定の期間を要する。すなわち、液晶の配向が次の画像信号の書き込みによって変化するまで画素電極と対向電極との間に生じる電界に応じて液晶の配向が変化していない期間が存在する。当該期間では、光源が点灯していても問題ない。
【0054】
従って、太線1901で表される画像信号の書き込みを行う期間と、平行斜線1902で表される光源の点灯を行う期間とが重畳していても、視認される表示が次に書き込まれる画像信号に更新された表示となることはない。そのため期間1903の分だけ光源の点灯期間を延ばすことができ、輝度向上を図ることができる。
【0055】
なお平行斜線1902は、上述したように液晶の応答期間と光源の点灯期間の和であるが、この場合、液晶の応答期間の最小時間は期間1903よりも大きい。つまり、各平行斜線1902の液晶の応答期間の最小時間も期間1903より大きくなるため、この平行斜線1902における光源の点灯開始は、期間1903の後となる。このため、平行斜線1902で示される1乃至t行目の走査線に応じた領域とt+1乃至k行目の走査線に応じた領域の光源の点灯期間同士は重複しないようにすると良い。
【0056】
次いで、本実施の形態の表示装置の駆動方法について説明する。図1(B)では、図1(A)で説明した画像信号の書き込み期間と、液晶の応答期間と光源の点灯期間との和の様子を用いて、連続するフレーム間の動作を表している。図1(B)では一例として走査方向の、1乃至k行、k+1乃至2k行、2k+1乃至m行(mは3k以上の自然数)にm本の走査線が設けられる様子を表している。
【0057】
図1(B)では、1乃至k行の走査線の走査により画像信号が書き込まれる画素の領域を第1の領域とする。また図1(B)では、k+1乃至2k行の走査線の走査により画像信号が書き込まれる画素の領域を第2の領域とする。また図1(B)では、2k+1乃至m行の走査線の走査により画像信号が書き込まれる画素の領域を第3の領域とする。なお第1の領域では前半の行となる1乃至t行目と、後半の行となるt+1乃至k行目とで分けて説明する。また第2の領域では前半の行となるk+1乃至k+t行目と、後半の行となるk+t+1乃至2k行目とで分けて説明する。また第3の領域では前半の行となる2k+1乃至2k+t行目と、後半の行となる2k+t+1乃至m行目とで分けて説明する。
【0058】
なお図1(B)では、第1のフレーム期間F_1で第1の領域に表示を行うために書き込む画像信号をRGBそれぞれで第1の画像信号R1(またはG1、B1)といい、第1の画像信号に応じた光源の点灯をR1(またはG1、B1)の点灯ということにする。なお図1(B)に示す第1の領域の前半の行に第1の画像信号R1(またはG1、B1)の書き込みを行う期間及び光源R1(またはG1、B1)の点灯を行う期間が、第1のサブフレーム期間SF_1(または第2のサブフレーム期間SF_2、第3のサブフレーム期間SF_3)となる。
【0059】
また図1(B)における第1のフレーム期間F_1での第2の領域及び第3の領域において表示を行うために書き込む画像信号を、第2の画像信号R2(またはG2、B2)及び第3の画像信号R3(またはG3、B3)ということにする。
【0060】
また図1(B)では、第2のフレーム期間F_2で第1の領域において表示を行うために書き込む画像信号をRGBそれぞれで第4の画像信号R4(またはG4、B4)といい、第4の画像信号に応じた光源の点灯をR4(またはG4、B4)の点灯ということにする。同様に図1(B)における第2のフレーム期間F_2での第2の領域及び第3の領域においても、第5の画像信号R5(またはG5、B5)及び第6の画像信号R6(またはG6、B6)ということにする。なお特に、各領域における前半の行または後半の行での画像信号及び光源の点灯を分けて説明する場合には、前半の行では第1の画像信号B1fのように「f」を付して説明し、後半の行では第1の画像信号B1bのように「b」を付して説明することとする。また第2のフレーム期間F_2においても、第1のフレーム期間F_1と同様に第1のサブフレーム期間SF_1乃至第3のサブフレーム期間SF_3を付することができる。
【0061】
図1(B)に示す第1のフレーム期間F_1における第1の領域の前半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1でカラー表示を行うための第1のRの画像信号R1が書き込まれてR1の点灯がなされる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、第1のGの画像信号G1が書き込まれてG1の点灯がなされる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、第1のBの画像信号B1fが書き込まれてB1fの点灯がなされる。
【0062】
また図1(B)に示す第1のフレーム期間F_1における第1の領域の後半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1でカラー表示を行うためのB1bの点灯がなされ、カラー表示を行うための第1のRの画像信号R1が書き込まれる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、R1の点灯がなされ、第1のGの画像信号G1が書き込まれる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、G1の点灯がなされ、第4のBの画像信号B4bが書き込まれる。
【0063】
図1(B)に示す第1のフレーム期間F_1における第2の領域の前半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1でカラー表示を行うための第2のBの画像信号B2が書き込まれてB2の点灯がなされる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、第2のRの画像信号R2が書き込まれてR2の点灯がなされる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、第2のGの画像信号G2fが書き込まれてG2fの点灯がなされる。
【0064】
また図1(B)に示す第1のフレーム期間F_1における第2の領域の後半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1でカラー表示を行うためのG2bの点灯がなされ、カラー表示を行うための第2のBの画像信号B2が書き込まれる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、B2の点灯がなされ、第2のRの画像信号R2が書き込まれる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、R2の点灯がなされ、第5のGの画像信号G5bが書き込まれる。
【0065】
図1(B)に示す第1のフレーム期間F_1における第3の領域の前半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1でカラー表示を行うための第3のGの画像信号G3が書き込まれてG3の点灯がなされる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、第3のBの画像信号B3が書き込まれてB3の点灯がなされる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、第3のRの画像信号R3fが書き込まれてR3fの点灯がなされる。
【0066】
また図1(B)に示す第1のフレーム期間F_1における第3の領域の後半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1でカラー表示を行うためのR3bの点灯がなされ、カラー表示を行うための第3のGの画像信号G3が書き込まれる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、G3の点灯がなされ、第3のBの画像信号B3が書き込まれる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、B3の点灯がなされ、第6のRの画像信号R6bが書き込まれる。
【0067】
以上説明した第1のフレーム期間F_1における第1の領域では、第1のサブフレーム期間SF_1乃至第3のサブフレーム期間SF_3における第1の画像信号R1、G1及びB1の画像信号及び当該画像信号に応じた光源の点灯による加法混色によりカラー表示を行うことができる。第2の領域及び第3の領域でも同様に加法混色によりカラー表示を得ることができる。従って第1のフレーム期間F_1は当該期間において1つの画像を表示することができる。
【0068】
また図1(B)に示す第2のフレーム期間F_2における第1の領域の前半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1でカラー表示を行うための第4のRの画像信号R4が書き込まれてR4の点灯がなされる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、第4のGの画像信号G4が書き込まれてG4の点灯がなされる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、第4のBの画像信号B4fが書き込まれてB4fの点灯がなされる。
【0069】
また図1(B)に示す第2のフレーム期間F_2における第1の領域の後半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1でカラー表示を行うためのB4bの点灯がなされ、カラー表示を行うための第4のRの画像信号R4が書き込まれる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、R4の点灯がなされ、第4のGの画像信号G4が書き込まれる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、G4の点灯がなされ、第7のBの画像信号B7bが書き込まれる。
【0070】
図1(B)に示す第2のフレーム期間F_2における第2の領域の前半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1でカラー表示を行うための第5のBの画像信号B5が書き込まれてB5の点灯がなされる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、第5のRの画像信号R5が書き込まれてR5の点灯がなされる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、第5のGの画像信号G5fが書き込まれてG5fの点灯がなされる。
【0071】
また図1(B)に示す第2のフレーム期間F_2における第2の領域の後半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1でカラー表示を行うためのG5bの点灯がなされ、カラー表示を行うための第5のBの画像信号B5が書き込まれる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、B5の点灯がなされ、第5のRの画像信号R5が書き込まれる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、R5の点灯がなされ、第8のGの画像信号G8bが書き込まれる。
【0072】
図1(B)に示す第2のフレーム期間F_2における第3の領域の前半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1でカラー表示を行うための第6のGの画像信号G6が書き込まれてG6の点灯がなされる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、第6のBの画像信号B6が書き込まれてB6の点灯がなされる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、第6のRの画像信号R6fが書き込まれてR6fの点灯がなされる。
【0073】
また図1(B)に示す第2のフレーム期間F_2における第3の領域の後半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1でカラー表示を行うためのR6bの点灯がなされ、カラー表示を行うための第6のGの画像信号G6が書き込まれる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、G6の点灯がなされ、第6のBの画像信号B6が書き込まれる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、B6の点灯がなされ、第9のRの画像信号R9bが書き込まれる。
【0074】
以上説明した第2のフレーム期間F_2における第1の領域では、第1のサブフレーム期間SF_1乃至第3のサブフレーム期間SF_3における第4の画像信号R4、G4及びB4の画像信号及び当該画像信号に応じた光源の点灯による加法混色によりカラー表示を行うことができる。第2の領域及び第3の領域でも同様に加法混色によりカラー表示を得ることができる。従って第2のフレーム期間F_2は当該期間において1つの画像を表示することができる。
【0075】
以上図1(B)で説明したように本実施の形態における表示装置の駆動方法では、1フレーム期間において各画素への画像信号の書き込み期間及び当該画像信号に応じた光源の点灯期間を並び替えて、画像信号に応じた光源の点灯期間を前後のフレーム期間と重畳しないようにすることができる。すなわち、複数の領域に分割された表示領域において任意の1フレーム期間に書き込まれる画像信号は、各表示領域を前半の行と後半の行とで分割する場合、前半の行では当該フレーム期間での画像信号の書き込み及び当該画像信号に応じた光源の点灯を行う。一方で各表示領域の後半の行では、第1のサブフレーム期間SF_1において直前のフレーム期間に先に書き込んだ画像信号に応じた光源の点灯を行い、第3のサブフレーム期間SF_3において後のフレーム期間で光源の点灯を行うための画像信号の書き込みを行うものである。
【0076】
具体的に図1(B)で示した構成で言えば、第2のフレーム期間F_2を任意の1フレーム期間として説明し第1の領域となる1乃至k行目に着目して考える。この場合、1乃至t行目が前半の行に相当し、t+1乃至k行目が後半の行に相当する。前半の行で第2のフレーム期間F_2での画像信号の書き込み及び当該画像信号に応じた光源の点灯が順次行われる。後半の行で第1のサブフレーム期間SF_1では、直前のフレーム期間である第1のフレーム期間F_1で書き込まれた第4のBの画像信号B4bに応じてB4bの光源の点灯がなされる。また後半の行で第3のサブフレーム期間では、後のフレーム期間である第3のフレーム期間F_3(図示せず)の第7のBの画像信号B7bが書き込まれることとなる。なお図1(B)では第2の領域となるk+1乃至2k行目及び第3の領域となる2k+1乃至m行目においても、後半の行において前のフレーム期間で書き込まれた画像信号に対応する点灯と、後のフレーム期間用の画像信号の書き込みを行うこととなる。
【0077】
以上の表示装置の駆動方法により、連続する各フレーム期間において各画素への画像信号の書き込み期間及び当該画像信号に応じた光源の点灯期間を並び替えて、画像信号に応じた光源の点灯期間を前後のフレーム期間と重畳しないようにすることができる。
【0078】
従って本実施の形態の表示装置の駆動方法により、第1のフレーム期間F_1及び第2のフレーム期間F_2が、重畳する期間を減らすことができる。重畳する期間を減らすことで、連続するフレーム間でのクロストークを低減することができる。
【0079】
なお図1(B)の説明は、第1のフレーム期間F_1または第2のフレーム期間F_2における第1の領域乃至第3の領域での、RGBの画像信号の書き込み、及びRGBの光源の点灯の順序について一例を示したものであるが、RGBの順番については特に限定されない。すなわち、本実施の形態の構成では、1フレーム期間においてRGBの画像信号の書き込みに基づいた光源の点灯がなされる構成であればよい。
【0080】
また図2(A)及び(B)では、図1(A)、(B)で説明した本実施の形態による表示装置の駆動方法について異なる模式図により説明する。
【0081】
図2(A)は、画像信号の書き込み及び当該画像信号が書き込まれた領域に対応する液晶の応答期間と光源の点灯期間の和についての図1(A)とは異なる模式図である。図2(A)では、斜辺211が走査方向に順に行われる走査線による画像信号の書き込みを表しており、枠内に示す「B1f」は図1(A)で説明した各領域における前半の行に書き込まれる画像信号が「B1」の画像信号であることを表している。また前述の枠内に示す「B1f」は前半の行に書き込まれた画像信号に応じて液晶の応答期間後に光源の点灯が行われることを表している。また枠内に示す「B4b」は図1(A)で説明した各領域における後半の行に書き込まれる画像信号が「B4」の画像信号であることを表している。また前述の枠内に示す「B4b」は後半の行に書き込まれた画像信号に応じて液晶の応答期間後に光源の点灯が行われることを表している。
【0082】
図2(B)には図2(A)で説明した画像信号の書き込みと、液晶の応答期間と光源の点灯期間との和の様子を用いて、連続するフレーム間の動作を表したものである。また、図2(B)は図1(B)と同じ駆動について表したものである。
【0083】
図1(B)と同様に図2(B)に示す第1のフレーム期間F_1及び第2のフレーム期間F_2は、第1の領域乃至第3の領域での加法混色によるカラー表示を第1のフレーム期間F_1及び第2のフレーム期間F_2とで重畳することなく行うことができる。
【0084】
以上、本実施の形態の構成では、フィールドシーケンシャル方式の駆動によって異なる色の光源を順次点灯することでカラー表示を行う表示装置について説明をしたが、画像信号の書き込みと当該書き込みに応じた表示期間を具備する表示装置であれば他の構成にも適用可能である。例えば、カラーフィルタ及び白色光源を有する表示装置においても同様の構成を採用することができる。この場合、本実施の形態における1つの領域のRGBのいずれかの画像信号の書き込みを行う構成を、1画面での画像信号を書き込む構成に対応させることで実現することが可能である。
【0085】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0086】
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1で説明した構成においてフレーム間で黒画像を挿入する液晶表示装置の駆動方法について説明する。
【0087】
図3(A)は、画像信号の書き込み及び当該画像信号が書き込まれた領域に対応する液晶の応答期間と光源の点灯期間との和についての模式図である。図3(A)では、複数の走査線(ゲート線ともいう)が設けられる方向(走査方向)に順に、1乃至t行目の走査線に選択信号を供給することで信号線(データ線ともいう)の黒画像とするための画像信号を画素に書き込む様子、及び光源の消灯期間の様子を表している。
【0088】
図3(A)では、太線221が黒画像とするための画像信号の書き込みを表しており、平行斜線222で示した領域が液晶の応答期間と光源の消灯期間との和を表している。また太線221に重畳して示す「K」は1乃至t行目の走査線の信号により選択される画素に黒画像とするための画像信号が書き込まれることを表している。なお他の画像信号が書き込まれる際の表記については、実施の形態1で説明した図1(A)の通りである。
【0089】
また平行斜線222に重畳して示す「K」は、光源の消灯期間を表している。なお光源の消灯は、光源の消灯の直前に黒表示をするための画像信号が書き込まれている場合、光源を消灯しなくても黒表示を行うことができるため、必ずしも行う必要はない。通常の動作に従った任意の色の光源の点灯及び消灯を繰り返しても良い。なお他の光源の点灯が行われる際の表記については、実施の形態1で説明した図1(A)の通りである。なお図3(A)に示す画像信号の書き込みを行う期間と、光源の点灯または消灯を行う期間とが、1フレーム期間を構成するサブフレーム期間となる。
【0090】
図3(B)には図3(A)で説明した黒画像とするための画像信号の書き込みと光源の消灯の様子を用いて連続するフレーム間の動作を表し、本実施の形態の表示装置の駆動方法を表したものである。図3(B)では一例として走査方向の、1乃至k行、k+1乃至2k行、2k+1乃至m行(mは3k以上の自然数)にm本の走査線が設けられる様子を表している。なお図3(B)での説明は図1(B)と重複するため、本実施の形態では図1(B)と異なる点について説明する。なお図3(B)に示す第1の領域の前半の行に第1の画像信号R1(またはG1、B1f、K)の書き込みを行う期間及び光源R1(またはG1、B1f、K)の点灯を行う期間が、第1のサブフレーム期間SF_1(または第2のサブフレーム期間SF_2、第3のサブフレーム期間SF_3、第4のサブフレーム期間SF_4)となる。また第2のフレーム期間F_2においても、第1のフレーム期間F_1と同様に第1のサブフレーム期間SF_1乃至第4のサブフレーム期間SF_4を付することができる。
【0091】
図3(B)に示す第1のフレーム期間F_1における第1の領域の前半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1で第1の領域でカラー表示を行うための第1のRの画像信号R1が書き込まれてR1の点灯がなされる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、第1のGの画像信号G1が書き込まれてG1の点灯がなされる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、第1のBの画像信号B1fが書き込まれてB1fの点灯がなされる。次いで第4のサブフレーム期間SF_4では、黒画像とするための画像信号が書き込まれて光源の消灯がなされる。
【0092】
また図3(B)に示す第1のフレーム期間F_1における第1の領域の後半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1で第1の領域でカラー表示を行うためのB1bの点灯がなされ、第1の領域でカラー表示を行うための第1のRの画像信号R1が書き込まれる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、R1の点灯がなされ、第1のGの画像信号G1が書き込まれる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、G1の点灯がなされ、黒画像とするための画像信号が書き込まれる。次いで第4のサブフレーム期間SF_4で光源の消灯がなされ、第4のBの画像信号B4bが書き込まれる。
【0093】
図3(B)に示す第1のフレーム期間F_1における第2の領域の前半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1で第2の領域でカラー表示を行うための第2のBの画像信号B2が書き込まれてB2の点灯がなされる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、第2のRの画像信号R2が書き込まれてR2の点灯がなされる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、第2のGの画像信号G2fが書き込まれてG2fの点灯がなされる。次いで第4のサブフレーム期間SF_4では、黒画像とするための画像信号が書き込まれて光源の消灯がなされる。
【0094】
また図3(B)に示す第1のフレーム期間F_1における第2の領域の後半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1で第2の領域でカラー表示を行うためのG2bの点灯がなされ、第2の領域でカラー表示を行うための第2のBの画像信号B2が書き込まれる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、B2の点灯がなされ、第2のRの画像信号R2が書き込まれる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、R2の点灯がなされ、黒画像とするための画像信号が書き込まれる。次いで第4のサブフレーム期間SF_4では、光源の消灯がなされ、第5のGの画像信号G5bが書き込まれる。
【0095】
図3(B)に示す第1のフレーム期間F_1における第3の領域の前半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1で第3の領域でカラー表示を行うための第3のGの画像信号G3が書き込まれてG3の点灯がなされる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、第3のBの画像信号B3が書き込まれてB3の点灯がなされる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3で第3のRの画像信号R3fが書き込まれてR3fの点灯がなされる。次いで第4のサブフレーム期間SF_4では、黒画像とするための画像信号が書き込まれて光源の消灯がなされることとなる。
【0096】
また図3(B)に示す第1のフレーム期間F_1における第3の領域の後半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1で第3の領域でカラー表示を行うためのR3bの点灯がなされ、第3の領域でカラー表示を行うための第3のGの画像信号G3が書き込まれる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、G3の点灯がなされ、第3のBの画像信号B3が書き込まれる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、B3の点灯がなされ、黒画像とするための画像信号が書き込まれる。次いで第4のサブフレーム期間SF_4では、光源の消灯がなされ、第6のRの画像信号R6bが書き込まれる。
【0097】
以上説明した第1のフレーム期間F_1における第1の領域では、第1のサブフレーム期間SF_1乃至第4のサブフレーム期間SF_4における第1の画像信号R1、G1及びB1の画像信号及び当該画像信号に応じた光源の点灯による加法混色によりカラー表示を行うことができる。第2の領域及び第3の領域でも同様に加法混色によりカラー表示を得ることができる。従って第1のフレーム期間F_1は当該期間において1つの画像を表示することができる。また次のフレーム期間である第2のフレーム期間F_2との間には、黒表示期間が設けられ、連続するフレーム間でのクロストークをより確実に低減できるといった効果もある。
【0098】
また図3(B)に示す第2のフレーム期間F_2における第1の領域の前半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1で第1の領域でカラー表示を行うための第4のRの画像信号R4が書き込まれてR4の点灯がなされる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、第4のGの画像信号G4が書き込まれてG4の点灯がなされる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、第4のBの画像信号B4fが書き込まれてB4fの点灯がなされる。次いで第4のサブフレーム期間SF_4では、黒画像とするための画像信号が書き込まれて光源の消灯がなされることとなる。
【0099】
また図3(B)に示す第2のフレーム期間F_2における第1の領域の後半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1で第1の領域でカラー表示を行うためのB4bの点灯がなされ、第1の領域でカラー表示を行うための第4のRの画像信号R4が書き込まれる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、R4の点灯がなされ、第4のGの画像信号G4が書き込まれる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、G4の点灯がなされ、黒画像とするための画像信号が書き込まれる。次いで第4のサブフレーム期間SF_4では、光源の消灯がなされ、第7のBの画像信号B7bが書き込まれる。
【0100】
図3(B)に示す第2のフレーム期間F_2における第2の領域の前半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1で第2の領域でカラー表示を行うための第5のBの画像信号B5が書き込まれてB5の点灯がなされる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、第5のRの画像信号R5が書き込まれてR5の点灯がなされる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、第5のGの画像信号G5fが書き込まれてG5fの点灯がなされる。次いで第4のサブフレーム期間SF_4では、黒画像とするための画像信号が書き込まれて光源の消灯がなされる。
【0101】
また図3(B)に示す第2のフレーム期間F_2における第2の領域の後半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1で第2の領域でカラー表示を行うためのG5bの点灯がなされ、第2の領域でカラー表示を行うための第5のBの画像信号B5が書き込まれる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、B5の点灯がなされ、第5のRの画像信号R5が書き込まれる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、R5の点灯がなされ、黒画像とするための画像信号が書き込まれる。次いで第4のサブフレーム期間SF_4では、光源の消灯がなされ、第8のGの画像信号G8bが書き込まれる。
【0102】
図3(B)に示す第2のフレーム期間F_2における第3の領域の前半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1で第3の領域でカラー表示を行うための第6のGの画像信号G6が書き込まれてG6の点灯がなされる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、第6のBの画像信号B6が書き込まれてB6の点灯がなされる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、第6のRの画像信号R6fが書き込まれてR6fの点灯がなされる。次いで第4のサブフレーム期間SF_4では、黒画像とするための画像信号が書き込まれて光源の消灯がなされる。
【0103】
また図3(B)に示す第2のフレーム期間F_2における第3の領域の後半の行には、第1のサブフレーム期間SF_1で第3の領域でカラー表示を行うためのR6bの点灯がなされ、第3の領域でカラー表示を行うための第6のGの画像信号G6が書き込まれる。次いで第2のサブフレーム期間SF_2では、G6の点灯がなされ、第6のBの画像信号B6が書き込まれる。次いで第3のサブフレーム期間SF_3では、B6の点灯がなされ、黒画像とするための画像信号が書き込まれる。次いで第4のサブフレーム期間SF_4では、光源の消灯がなされ、第9のRの画像信号R9bが書き込まれる。
【0104】
以上説明した第2のフレーム期間F_2における第1の領域では、第1のサブフレーム期間SF_1乃至第4のサブフレーム期間SF_4における第4の画像信号R4、G4及びB4の画像信号及び当該画像信号に応じた光源の点灯による加法混色によりカラー表示を行うことができる。第2の領域及び第3の領域でも同様に加法混色によりカラー表示を得ることができる。従って第2のフレーム期間F_2は当該期間において1つの画像を表示することができる。また前の期間である第1のフレーム期間F_1及び次のフレーム期間である第3のフレーム期間F_3(図示せず)との間には、黒表示期間が設けられ、連続するフレーム間のクロストークをより確実に低減できるといった効果もある。
【0105】
以上図3(B)で説明したように本実施の形態における表示装置の駆動方法では、1フレーム期間において各画素への画像信号の書き込み期間及び当該画像信号に応じた光源の点灯期間を並び替えて、画像信号に応じた光源の点灯期間を前後のフレーム期間と重畳しないようにすることができる。すなわち、複数の領域に分割された表示領域において任意の1フレーム期間に書き込まれる画像信号は、各表示領域を前半の行と後半の行とで分割する場合、前半の行では当該フレーム期間での画像信号の書き込み及び当該画像信号に応じた光源の点灯を行う。一方で各表示領域の後半の行では、第1のサブフレーム期間SF_1において直前のフレーム期間に先に書き込んだ画像信号に応じた光源の点灯を行い、第3のサブフレーム期間SF_3において黒画像とするための画像信号を書き込み、第4のサブフレーム期間SF_4において後のフレーム期間で光源の点灯を行うための画像信号の書き込みを行うものである。
【0106】
本実施の形態の構成では、上記実施の形態1の構成の効果に加えて、フレーム期間の前後において黒表示期間を設ける構成とすることで連続するフレーム間のクロストークをより確実に低減することができる。
【0107】
以上の表示装置の駆動方法により、連続する各フレーム期間において各画素への画像信号の書き込み期間及び当該画像信号に応じた光源の点灯期間を並び替えて、画像信号に応じた光源の点灯期間を前後のフレーム期間と重畳しないようにすることができる。加えて、フレーム期間の前後において黒表示期間を設ける構成とすることで連続するフレーム間のクロストークをより確実に低減することができる。
【0108】
従って本実施の形態の表示装置の駆動方法により、第1のフレーム期間F_1及び第2のフレーム期間F_2が、重畳する期間を減らすことができる。重畳する期間を減らすことで、連続するフレーム間でのクロストークを低減することができる。
【0109】
また図4(A)及び(B)では、図3(A)、(B)で説明した本実施の形態による表示装置の駆動方法について異なる模式図により説明する。
【0110】
図4(A)は、画像信号の書き込み及び当該画像信号が書き込まれた領域に対応する液晶の応答期間と光源の点灯期間との和についての図3(A)とは異なる模式図である。図4(A)では、斜辺231が走査方向に順に行われる走査線による画像信号の書き込みを表している。また、枠内に示す「R1」及び「K」は、各領域における前半の行に書き込まれる画像信号が赤色の画像信号であり、後半の行に書き込まれる画像信号が黒表示とするための画像信号であることを表している。また前述の枠内に示す「R1」は、前半の行に書き込まれた画像信号に応じて赤色の光源の点灯が行われることを表している。また枠内に示す「K」は、各領域における後半の行に対応する光源を消灯することを表している。
【0111】
図4(B)には図4(A)で説明した画像信号の書き込みと光源の点灯の様子を用いて連続するフレーム間の動作を表している。図4(B)は、本実施の形態の表示装置の駆動方法を表したものであり、図3(B)と同じ駆動について表したものである。
【0112】
図3(B)と同様に図4(B)に示す第1のフレーム期間F_1及び第2のフレーム期間F_2は、第1の領域乃至第3の領域での加法混色によるカラー表示を第1のフレーム期間F_1及び第2のフレーム期間F_2とで重畳することなく行うことができる。またフレーム期間の前後において黒表示期間を設ける構成とすることで連続するフレーム間のクロストークをより確実に低減することができる。
【0113】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0114】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態1及び実施の形態2で述べた表示装置の駆動方法を用いて立体視表示を視認するための構成について説明する。
【0115】
図5に示すように、上記実施の形態1及び実施の形態2で述べた表示装置の駆動方法を行う表示装置の表示部241を、左目シャッター242Aと右目シャッター242Bとを有する眼鏡243を用いることで、左目244Aと右目244Bとで別の画像を視認させることができる。
【0116】
すなわち図5に図示するように、Nフレーム(Nは自然数)では、左目シャッター242Aによって左目244Aに入射される表示部からの光を透過とし、右目シャッター242Bによって右目244Bに入射される表示部からの光を非透過とする。また(N+1)フレームでは、左目シャッター242Aによって左目244Aに入射される表示部からの光を非透過とし、右目シャッター242Bによって右目244Bに入射される表示部からの光を透過とする。そしてフレームシーケンシャル方式による両眼視差により立体を認識させるものである。
【0117】
また上記実施の形態1で述べた表示装置の駆動方法を行う表示装置では、図6(A)に示すように、左目シャッター及び右目シャッターの透過または非透過を切り替えて行う。図6(A)では、図2(B)における第1のフレーム期間F_1を第1の左目用サブフレーム期間F_1Lとし、第2のフレーム期間F_2を第1の右目用サブフレーム期間F_1Rとし、第3のフレーム期間F_3(図示せず)を第2の左目用サブフレーム期間F_2Lとしている。
【0118】
同様にして、上記実施の形態2で述べた表示装置の駆動方法を行う表示装置では、図6(B)に示すように、左目シャッター及び右目シャッターの透過または非透過を切り替えて行う。図6(B)では、図4(B)における第1のフレーム期間F_1を第1の左目用サブフレーム期間F_1Lとし、第2のフレーム期間F_2を第1の右目用サブフレーム期間F_1Rとし、第3のフレーム期間F_3を第2の左目用サブフレーム期間F_2Lとしている。
【0119】
以上説明したように本実施の形態の構成により、左右の画像を切り替えて立体視表示を行う際のサブフレーム期間において、左右の画像を表示するサブフレーム期間の間でのクロストークを低減することができる。
【0120】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0121】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1乃至3で説明した表示装置の一例として、表示素子に液晶素子を有する液晶表示装置を挙げて、図7乃至図12を参照して説明する。なお表示素子は光の透過または非透過を制御する素子であればよく、液晶素子の他にも例えばMEMS(Micro Electro Mechanical System)素子を用いてもよい。
【0122】
<液晶表示装置の構成例>
図7(A)は、液晶表示装置の構成例を示す図である。図7(A)に示す液晶表示装置は、画素部10と、走査線駆動回路11と、信号線駆動回路12と、m本の走査線13と、n本の信号線14と、を有する。さらに、画素部10は、3つの領域(領域101〜領域103)に分割され、領域毎にマトリクス状に配設された複数の画素を有する。なお、各走査線13は、画素部10においてm行n列に配設された複数の画素のうち、いずれかの行に配設されたn個の画素に接続される。また、各信号線14は、m行n列に配設された複数の画素のうち、いずれかの列に配設されたm個の画素に接続される。
【0123】
図7(B)は、図7(A)に示す液晶表示装置が有する画素15の回路図の一例を示す図である。図7(B)に示す画素15は、ゲートが走査線13に接続され、ソース及びドレインの一方が信号線14に接続されたトランジスタ16と、一方の電極がトランジスタ16のソース及びドレインの他方に接続され、他方の電極が容量電位を供給する配線(容量配線ともいう)に接続された容量素子17と、一方の電極(画素電極ともいう)がトランジスタ16のソース及びドレインの他方及び容量素子17の一方の電極に接続され、他方の電極(対向電極ともいう)が対向電位を供給する配線に接続された液晶素子18と、を有する。なお、トランジスタ16は、nチャネル型のトランジスタであるとする。また、容量電位と対向電位を同一の電位とすることが可能である。
【0124】
<走査線駆動回路11の構成例>
図8(A)は、図7(A)に示す液晶表示装置が有する走査線駆動回路11の構成例を示す図である。図8(A)に示す走査線駆動回路11は、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)を供給する配線乃至第4の走査線駆動回路用クロック信号(GCK4)を供給する配線と、第1のパルス幅制御信号(PWC1)を供給する配線乃至第6のパルス幅制御信号(PWC6)を供給する配線と、1行目に配設された走査線13に接続された第1のパルス出力回路20_1、乃至、m行目に配設された走査線13に接続された第mのパルス出力回路20_mと、を有する。なお、ここでは、第1のパルス出力回路20_1〜第kのパルス出力回路20_k(kは、m/2未満の4の倍数)が、領域101に配設された走査線13に接続され、第k+1のパルス出力回路20_k+1〜第2kのパルス出力回路20_2kが、領域102に配設された走査線13に接続され、第2k+1のパルス出力回路20_2k+1〜第mのパルス出力回路20_mが領域103に配設された走査線13に接続されることとする。また、第1のパルス出力回路20_1乃至第mのパルス出力回路20_mは、第1のパルス出力回路20_1に入力される走査線駆動回路用スタートパルス(GSP)をきっかけとしてシフト期間毎にシフトパルスを順次シフトする機能を有する。さらに、第1のパルス出力回路20_1乃至第mのパルス出力回路20_mにおいて複数のシフトパルスのシフトを並行して行うことが可能である。すなわち、第1のパルス出力回路20_1乃至第mのパルス出力回路20_mにおいてシフトパルスのシフトが行われている期間内であっても、第1のパルス出力回路20_1に走査線駆動回路用スタートパルス(GSP)を入力することが可能である。
【0125】
図8(B)は、上記信号の具体的な波形の一例を示す図である。図8(B)に示す第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)は、周期的にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))とロウレベルの電位(低電源電位(Vss))を繰り返す、デューティー比が1/4の信号である。また、第2の走査線駆動回路用クロック信号(GCK2)は、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)から1/4周期分位相がずれた信号であり、第3の走査線駆動回路用クロック信号(GCK3)は、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)から1/2周期位相がずれた信号であり、第4の走査線駆動回路用クロック信号(GCK4)は、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)から3/4周期位相がずれた信号である。第1のパルス幅制御信号(PWC1)は、周期的にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))とロウレベルの電位(低電源電位(Vss))を繰り返す、デューティー比が1/3の信号である。また、第2のパルス幅制御信号(PWC2)は、第1のパルス幅制御信号(PWC1)から1/6周期位相がずれた信号であり、第3のパルス幅制御信号(PWC3)は、第1のパルス幅制御信号(PWC1)から1/3周期位相がずれた信号であり、第4のパルス幅制御信号(PWC4)は、第1のパルス幅制御信号(PWC1)から1/2周期位相がずれた信号であり、第5のパルス幅制御信号(PWC5)は、第1のパルス幅制御信号(PWC1)から2/3周期位相がずれた信号であり、第6のパルス幅制御信号(PWC6)は、第1のパルス幅制御信号(PWC1)から5/6周期位相がずれた信号である。なお、ここでは、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)乃至第4の走査線駆動回路用クロック信号(GCK4)のパルス幅と第1のパルス幅制御信号(PWC1)乃至第6のパルス幅制御信号(PWC6)のパルス幅の比は、3:2とする。
【0126】
上述した液晶表示装置においては、第1のパルス出力回路20_1乃至第mのパルス出力回路20_mとして、同一の構成を有する回路を適用することができる。ただし、パルス出力回路が有する複数の端子の電気的な接続関係は、パルス出力回路毎に異なる。具体的な接続関係について図8(A)、(C)を参照して説明する。
【0127】
第1のパルス出力回路20_1乃至第mのパルス出力回路20_mのそれぞれは、端子21〜端子27を有する。なお、端子21〜端子24及び端子26は入力端子であり、端子25及び端子27は出力端子である。
【0128】
まず、端子21について述べる。第1のパルス出力回路20_1の端子21は、走査線駆動回路用スタートパルス信号(GSP)を供給する配線に接続され、第2のパルス出力回路20_2〜第mのパルス出力回路20_mの端子21は、前段のパルス出力回路の端子27に接続される。
【0129】
次いで、端子22について述べる。第(4a−3)のパルス出力回路(aは、m/4以下の自然数)の端子22は、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)を供給する配線に接続され、第(4a−2)のパルス出力回路の端子22は、第2の走査線駆動回路用クロック信号(GCK2)を供給する配線に接続され、第(4a−1)のパルス出力回路の端子22は、第3の走査線駆動回路用クロック信号(GCK3)を供給する配線に接続され、第4aのパルス出力回路の端子22は、第4の走査線駆動回路用クロック信号(GCK4)を供給する配線に接続される。
【0130】
次いで、端子23について述べる。第(4a−3)のパルス出力回路の端子23は、第2の走査線駆動回路用クロック信号(GCK2)を供給する配線に接続され、第(4a−2)のパルス出力回路の端子23は、第3の走査線駆動回路用クロック信号(GCK3)を供給する配線に接続され、第(4a−1)のパルス出力回路の端子23は、第4の走査線駆動回路用クロック信号(GCK4)を供給する配線に接続され、第4aのパルス出力回路の端子23は、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)を供給する配線に接続される。
【0131】
次いで、端子24について述べる。第(2b−1)のパルス出力回路(bは、k/2以下の自然数)の端子24は、第1のパルス幅制御信号(PWC1)を供給する配線に接続され、第2bのパルス出力回路の端子24は、第4のパルス幅制御信号(PWC4)を供給する配線に接続され、第(2c−1)のパルス出力回路(cは、(k/2+1)以上k以下の自然数)の端子24は、第2のパルス幅制御信号(PWC2)を供給する配線に接続され、第2cのパルス出力回路の端子24は、第5のパルス幅制御信号(PWC5)を供給する配線に接続され、第(2d−1)のパルス出力回路(dは、(k+1)以上m/2以下の自然数)の端子24は、第3のパルス幅制御信号(PWC3)を供給する配線に接続され、第2dのパルス出力回路の端子24は、第6のパルス幅制御信号(PWC6)を供給する配線に接続される。
【0132】
次いで、端子25について述べる。第xのパルス出力回路(xは、m以下の自然数)の端子25は、x行目に配設された走査線13_xに接続される。
【0133】
次いで、端子26について述べる。第yのパルス出力回路(yは、m−1以下の自然数)の端子26は、第(y+1)のパルス出力回路の端子27に接続され、第mのパルス出力回路の端子26は、第mのパルス出力回路用ストップ信号(STP)を供給する配線に接続される。なお、第mのパルス出力回路用ストップ信号(STP)は、仮に第(m+1)のパルス出力回路が設けられていれば、当該第(m+1)のパルス出力回路の端子27から出力される信号に相当する信号である。具体的には、これらの信号は、実際にダミー回路として第(m+1)のパルス出力回路を設けること、又は外部から当該信号を直接入力することなどによって第mのパルス出力回路に供給することができる。
【0134】
各パルス出力回路の端子27の接続関係は既出である。そのため、ここでは前述の説明を援用することとする。
【0135】
<パルス出力回路の構成例>
図9(A)は、図8(A)、(C)に示すパルス出力回路の構成例を示す図である。図9(A)に示すパルス出力回路は、トランジスタ31乃至トランジスタ39を有する。
【0136】
トランジスタ31は、ソース及びドレインの一方が高電源電位(Vdd)を供給する配線(以下、高電源電位線ともいう)に接続され、ゲートが端子21に接続される。
【0137】
トランジスタ32は、ソース及びドレインの一方が低電源電位(Vss)を供給する配線(以下、低電源電位線ともいう)に接続され、ソース及びドレインの他方がトランジスタ31のソース及びドレインの他方に接続される。
【0138】
トランジスタ33は、ソース及びドレインの一方が端子22に接続され、ソース及びドレインの他方が端子27に接続され、ゲートがトランジスタ31のソース及びドレインの他方並びにトランジスタ32のソース及びドレインの他方に接続される。
【0139】
トランジスタ34は、ソース及びドレインの一方が低電源電位線に接続され、ソース及びドレインの他方が端子27に接続され、ゲートがトランジスタ32のゲートに接続される。
【0140】
トランジスタ35は、ソース及びドレインの一方が低電源電位線に接続され、ソース及びドレインの他方がトランジスタ32のゲート及びトランジスタ34のゲートに接続され、ゲートが端子21に接続される。
【0141】
トランジスタ36は、ソース及びドレインの一方が高電源電位線に接続され、ソース及びドレインの他方がトランジスタ32のゲート、トランジスタ34のゲート、並びにトランジスタ35のソース及びドレインの他方に接続され、ゲートが端子26に接続される。なお、トランジスタ36のソース及びドレインの一方が、低電源電位(Vss)よりも高電位であり且つ高電源電位(Vdd)よりも低電位である電源電位(Vcc)を供給する配線に接続される構成とすることもできる。
【0142】
トランジスタ37は、ソース及びドレインの一方が高電源電位線に接続され、ソース及びドレインの他方がトランジスタ32のゲート、トランジスタ34のゲート、トランジスタ35のソース及びドレインの他方、並びにトランジスタ36のソース及びドレインの他方に接続され、ゲートが端子23に接続される。なお、トランジスタ37のソース及びドレインの一方が、電源電位(Vcc)を供給する配線に接続される構成とすることもできる。
【0143】
トランジスタ38は、ソース及びドレインの一方が端子24に接続され、ソース及びドレインの他方が端子25に接続され、ゲートがトランジスタ31のソース及びドレインの他方、トランジスタ32のソース及びドレインの他方、並びにトランジスタ33のゲートに接続される。
【0144】
トランジスタ39は、ソース及びドレインの一方が低電源電位線に接続され、ソース及びドレインの他方が端子25に接続され、ゲートがトランジスタ32のゲート、トランジスタ34のゲート、トランジスタ35のソース及びドレインの他方、トランジスタ36のソース及びドレインの他方、並びにトランジスタ37のソース及びドレインの他方に接続される。
【0145】
なお、以下においては、トランジスタ31のソース及びドレインの他方、トランジスタ32のソース及びドレインの他方、トランジスタ33のゲート、並びにトランジスタ38のゲートが接続するノードをノードAとし、トランジスタ32のゲート、トランジスタ34のゲート、トランジスタ35のソース及びドレインの他方、トランジスタ36のソース及びドレインの他方、トランジスタ37のソース及びドレインの他方、並びにトランジスタ39のゲートが接続するノードをノードBとして説明する。
【0146】
<パルス出力回路の動作例>
上述したパルス出力回路の動作例について図9(B)〜(D)を参照して説明する。なお、ここでは、第1のパルス出力回路20_1の端子21に入力される走査線駆動回路用スタートパルス(GSP)の入力タイミングを制御することで、第1のパルス出力回路20_1、第(k+1)のパルス出力回路20_k+1、及び第(2k+1)のパルス出力回路20_2k+1の端子27から同一タイミングでシフトパルスを出力する場合の動作例について説明する。具体的には、図9(B)は、走査線駆動回路用スタートパルス(GSP)が入力される際の第1のパルス出力回路20_1の各端子に入力される信号の電位、並びにノードA及びノードBの電位を示しており、図9(C)は、第kのパルス出力回路20_kからハイレベルの電位が入力される際の第(k+1)のパルス出力回路20_k+1の各端子に入力される信号の電位、並びにノードA及びノードBの電位を示しており、図9(D)は、第2kのパルス出力回路20_2kからハイレベルの電位が入力される際の第(2k+1)のパルス出力回路20_2k+1の各端子に入力される信号の電位、並びにノードA及びノードBの電位を示している。なお、図9(B)〜(D)では、各端子に入力される信号を括弧書きで付記している。また、それぞれの後段に配設されるパルス出力回路(第2のパルス出力回路20_2、第(k+2)のパルス出力回路20_k+2、第(2k+2)のパルス出力回路20_2k+2)の端子25から出力される信号(Gout2、Goutk+2、Gout2k+2)及び端子27の出力信号(SRout2=第1のパルス出力回路20_1の端子26の入力信号、SRoutk+2=第(k+1)のパルス出力回路20_k+1の端子26の入力信号、SRout2k+2=第(2k+1)のパルス出力回路20_2k+1の端子26の入力信号)も付記している。なお、図中において、Goutは、パルス出力回路の走査線に対する出力信号を表し、SRoutは、当該パルス出力回路の、後段のパルス出力回路に対する出力信号を表している。
【0147】
まず、図9(B)を参照して、第1のパルス出力回路20_1に走査線駆動回路用スタートパルス(GSP)としてハイレベルの電位が入力される場合について説明する。
【0148】
期間t1において、端子21にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力される。これにより、トランジスタ31、35がオン状態となる。そのため、ノードAの電位がハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)からトランジスタ31のしきい値電圧分下降した電位)に上昇し、且つノードBの電位が低電源電位(Vss)に下降する。これに付随して、トランジスタ33、38がオン状態となり、トランジスタ32、34、39がオフ状態となる。以上により、期間t1において、端子27から出力される信号は、端子22に入力される信号となり、端子25から出力される信号は、端子24に入力される信号となる。ここで、期間t1において、端子22及び端子24に入力される信号は、共にロウレベルの電位(低電源電位(Vss))である。そのため、期間t1において、第1のパルス出力回路20_1は、第2のパルス出力回路20_2の端子21、及び画素部において1行目に配設された走査線にロウレベルの電位(低電源電位(Vss))を出力する。
【0149】
期間t2において、各端子に入力される信号は期間t1から変化しない。そのため、端子25及び端子27から出力される信号も変化せず、共にロウレベルの電位(低電源電位(Vss))を出力する。
【0150】
期間t3において、端子24にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力される。なお、ノードAの電位(トランジスタ31のソースの電位)は、期間t1においてハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)からトランジスタ31のしきい値電圧分下降した電位)まで上昇している。そのため、トランジスタ31はオフ状態となっている。この時、端子24にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力されることで、トランジスタ38のソースとゲートの容量結合によって、ノードAの電位(トランジスタ38のゲートの電位)がさらに上昇する(ブートストラップ動作)。また、当該ブートストラップ動作を行うことによって、端子25から出力される信号が端子24に入力されるハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))から下降することがない。そのため、期間t3において、第1のパルス出力回路20_1は、画素部において1行目に配設された走査線にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)=選択信号)を出力する。
【0151】
期間t4において、端子22にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力される。ここで、ノードAの電位は、ブートストラップ動作によって上昇しているため、端子27から出力される信号が端子22に入力されるハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))から下降することがない。そのため、期間t4において、端子27からは、端子22に入力されるハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が出力される。すなわち、第1のパルス出力回路20_1は、第2のパルス出力回路20_2の端子21にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)=シフトパルス)を出力する。また、期間t4において、端子24に入力される信号はハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))を維持するため、第1のパルス出力回路20_1から画素部において1行目に配設された走査線に対して出力される信号は、ハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)=選択信号)のままである。なお、期間t4における当該パルス出力回路の出力信号には直接関与しないが、端子21にロウレベルの電位(低電源電位(Vss))が入力されるためトランジスタ35はオフ状態となる。
【0152】
期間t5において、端子24にロウレベルの電位(低電源電位(Vss))が入力される。ここで、トランジスタ38はオン状態を維持する。そのため、期間t5において、第1のパルス出力回路20_1から画素部において1行目に配設された走査線に対して出力される信号は、ロウレベルの電位(低電源電位(Vss))となる。
【0153】
期間t6において、各端子に入力される信号は期間t5から変化しない。そのため、端子25及び端子27から出力される信号も変化せず、端子25からはロウレベルの電位(低電源電位(Vss))が出力され、端子27からはハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)=シフトパルス)が出力される。
【0154】
期間t7において、端子23にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力される。これにより、トランジスタ37がオン状態となる。そのため、ノードBの電位がハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)からトランジスタ37のしきい値電圧分下降した電位)に上昇する。つまり、トランジスタ32、34、39がオン状態となる。また、これに付随して、ノードAの電位がロウレベルの電位(低電源電位(Vss))へと下降する。つまり、トランジスタ33、38がオフ状態となる。以上により、期間t7において、端子25及び端子27から出力される信号は、共に低電源電位(Vss)となる。すなわち、期間t7において、第1のパルス出力回路20_1は、第2のパルス出力回路20_2の端子21、及び画素部において1行目に配設された走査線に低電源電位(Vss)を出力する。
【0155】
次いで、図9(C)を参照して、第(k+1)のパルス出力回路20_k+1の端子21に第kのパルス出力回路20_kからシフトパルスとしてハイレベルの電位が入力される場合について説明する。
【0156】
期間t1及び期間t2において、第(k+1)のパルス出力回路20_k+1の動作は、上述した第1のパルス出力回路20_1と同様である。そのため、ここでは前述の説明を援用することとする。
【0157】
期間t3において、各端子に入力される信号は期間t2から変化しない。そのため、端子25及び端子27から出力される信号も変化せず、共にロウレベルの電位(低電源電位(Vss))を出力する。
【0158】
期間t4において、端子22及び端子24にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力される。なお、ノードAの電位(トランジスタ31のソースの電位)は、期間t1においてハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)からトランジスタ31のしきい値電圧分下降した電位)まで上昇している。そのため、トランジスタ31は、期間t1においてオフ状態となっている。ここで、端子22及び端子24にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力されることで、トランジスタ33のソースとゲート及びトランジスタ38のソースとゲートの容量結合によって、ノードAの電位(トランジスタ33、38のゲートの電位)がさらに上昇する(ブートストラップ動作)。また、当該ブートストラップ動作を行うことによって、端子25及び端子27から出力される信号が端子22及び端子24に入力されるハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))から下降することがない。そのため、期間t4において、第(k+1)のパルス出力回路20_k+1は、画素部においてk+1行目に配設された走査線及び第(k+2)のパルス出力回路20_k+2の端子21にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)=選択信号、シフトパルス)を出力する。
【0159】
期間t5において、各端子に入力される信号は期間t4から変化しない。そのため、端子25及び端子27から出力される信号も変化せず、ハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)=選択信号、シフトパルス)を出力する。
【0160】
期間t6において、端子24にロウレベルの電位(低電源電位(Vss))が入力される。ここで、トランジスタ38はオン状態を維持する。そのため、期間t6において、第(k+1)のパルス出力回路20_k+1から画素部においてk+1行目に配設された走査線に対して出力される信号は、ロウレベルの電位(低電源電位(Vss))となる。
【0161】
期間t7において、端子23にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力される。これにより、トランジスタ37がオン状態となる。そのため、ノードBの電位がハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)からトランジスタ37のしきい値電圧分下降した電位)に上昇する。つまり、トランジスタ32、34、39がオン状態となる。また、これに付随して、ノードAの電位がロウレベルの電位(低電源電位(Vss))へと下降する。つまり、トランジスタ33、38がオフ状態となる。以上により、期間t7において、端子25及び端子27から出力される信号は、共に低電源電位(Vss)となる。すなわち、期間t7において、第(k+1)のパルス出力回路20_k+1は、第(k+2)のパルス出力回路20_k+2の端子21、及び画素部においてk+1行目に配設された走査線に低電源電位(Vss)を出力する。
【0162】
次いで、図9(D)を参照して、第(2k+1)のパルス出力回路20_2k+1の端子21に第2kのパルス出力回路20_2kからシフトパルスとしてハイレベルの電位が入力される場合について説明する。
【0163】
期間t1乃至期間t3において、第(2k+1)のパルス出力回路20_2k+1の動作は、上述した第(k+1)のパルス出力回路20_k+1と同様である。そのため、ここでは前述の説明を援用することとする。
【0164】
期間t4において、端子22にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力される。なお、ノードAの電位(トランジスタ31のソースの電位)は、期間t1においてハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)からトランジスタ31のしきい値電圧分下降した電位)まで上昇している。そのため、トランジスタ31は、期間t1においてオフ状態となっている。ここで、端子22にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力されることで、トランジスタ33のソースとゲートの容量結合によって、ノードAの電位(トランジスタ33のゲートの電位)がさらに上昇する(ブートストラップ動作)。また、当該ブートストラップ動作を行うことによって、端子27から出力される信号が端子22に入力されるハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))から下降することがない。そのため、期間t4において、第(2k+1)のパルス出力回路20_2k+1は、第(2k+2)のパルス出力回路20_2k+2の端子21にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)=シフトパルス)を出力する。なお、期間t4における当該パルス出力回路の出力信号には直接関与しないが、端子21にロウレベルの電位(低電源電位(Vss))が入力されるためトランジスタ35はオフ状態となる。
【0165】
期間t5において、端子24にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力される。ここで、ノードAの電位は、ブートストラップ動作によって上昇しているため、端子25から出力される信号が端子24に入力されるハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))から下降することがない。そのため、期間t5において、端子25からは、端子22に入力されるハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が出力される。すなわち、第(2k+1)のパルス出力回路20_2k+1は、画素部において2k+1行目に配設された走査線にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)=選択信号)を出力する。また、期間t5において、端子22に入力される信号はハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))を維持するため、第(2k+1)のパルス出力回路20_2k+1から第(2k+2)のパルス出力回路20_2k+2の端子21に対して出力される信号は、ハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)=シフトパルス)のままである。
【0166】
期間t6において、各端子に入力される信号は期間t5から変化しない。そのため、端子25及び端子27から出力される信号も変化せず、共にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)=選択信号、シフトパルス)を出力する。
【0167】
期間t7において、端子23にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力される。これにより、トランジスタ37がオン状態となる。そのため、ノードBの電位がハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)からトランジスタ37のしきい値電圧分下降した電位)に上昇する。つまり、トランジスタ32、34、39がオン状態となる。また、これに付随して、ノードAの電位がロウレベルの電位(低電源電位(Vss))へと下降する。つまり、トランジスタ33、38がオフ状態となる。以上により、期間t7において、端子25及び端子27から出力される信号は、共に低電源電位(Vss)となる。すなわち、期間t7において、第(2k+1)のパルス出力回路20_2k+1は、第(2k+2)のパルス出力回路20_2k+2の端子21、及び画素部において2k+1行目に配設された走査線に低電源電位(Vss)を出力する。
【0168】
図9(B)〜(D)に示すように、第1のパルス出力回路20_1乃至第mのパルス出力回路20_mでは、走査線駆動回路用スタートパルス(GSP)の入力タイミングを制御することで、複数のシフトパルスのシフトを並行して行うことが可能である。具体的には、走査線駆動回路用スタートパルス(GSP)の入力後、第kのパルス出力回路20_kの端子27からシフトパルスが出力されるタイミングと同じタイミングで再度走査線駆動回路用スタートパルス(GSP)を入力することによって、第1のパルス出力回路20_1及び第(k+1)のパルス出力回路20_k+1から同じタイミングでシフトパルスを出力させることが可能である。また、同様に走査線駆動回路用スタートパルス(GSP)を入力することによって、第1のパルス出力回路20_1、第(k+1)のパルス出力回路20_k+1、及び第(2k+1)のパルス出力回路20_2k+1から同じタイミングでシフトパルスを出力させることが可能である。
【0169】
加えて、第1のパルス出力回路20_1、第(k+1)のパルス出力回路20_k+1、及び第(2k+1)のパルス出力回路20_2k+1は、上記の動作に並行して、それぞれ異なるタイミングで走査線に対する選択信号の供給を行うことが可能である。すなわち、上述した走査線駆動回路は、固有のシフト期間を有するシフトパルスを複数シフトし且つ同一タイミングにおいてシフトパルスが入力された複数のパルス出力回路がそれぞれ異なるタイミングで走査線に対して選択信号を供給することが可能である。
【0170】
<信号線駆動回路12の構成例>
図10(A)は、図7(A)に示す液晶表示装置が有する信号線駆動回路12の構成例を示す図である。図10(A)に示す信号線駆動回路12は、第1の出力端子乃至第nの出力端子を有するシフトレジスタ120と、画像信号(DATA)を供給する配線と、ソース及びドレインの一方が画像信号(DATA)を供給する配線に接続され、ソース及びドレインの他方が画素部において1列目に配設された信号線14_1に接続され、ゲートがシフトレジスタ120の第1の出力端子に接続されたトランジスタ121_1、乃至、ソース及びドレインの一方が画像信号(DATA)を供給する配線に接続され、ソース及びドレインの他方が画素部においてn列目に配設された信号線14_nに接続され、ゲートがシフトレジスタ120の第nの出力端子に接続されたトランジスタ121_nと、を有する。なお、シフトレジスタ120は、信号線駆動回路用スタートパルス(SSP)をきっかけとしてシフト期間毎に順次第1の出力端子乃至第nの出力端子からハイレベルの電位を出力する機能を有する。すなわち、トランジスタ121_1乃至トランジスタ121_nは、シフト期間毎に順次オン状態となる。
【0171】
図10(B)は、画像信号(DATA)を供給する配線が供給する画像信号のタイミングの一例を示す図である。図10(B)に示すように、画像信号(DATA)を供給する配線は、期間t4において、1行目に配設された画素用画像信号(data 1)を供給し、期間t5において、k+1行目に配設された画素用画像信号(data k+1)を供給し、期間t6において、2k+1行目に配設された画素用画像信号(data 2k+1)を供給し、期間t7において、2行目に配設された画素用画像信号(data 2)を供給する。以下、同様に画像信号(DATA)を供給する配線は、特定の行毎に配設された画素用画像信号を順次供給する。具体的には、s行目(sは、k未満の自然数)に配設された画素用画像信号→k+s行目に配設された画素用画像信号→2k+s行目に配設された画素用画像信号→s+1行目に配設された画素用画像信号という順序で画像信号を供給する。上述した走査線駆動回路及び信号線駆動回路が当該動作を行うことにより、走査線駆動回路が有するパルス出力回路におけるシフト期間毎に画素部に配設された3行の画素に対する画像信号の入力を行うことが可能である。
【0172】
<バックライトの構成例>
図11は、図7(A)に示す液晶表示装置の画素部10の後方に設けられるバックライトの構成例を示す図である。図11に示すバックライトは、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色を呈する光源を備えたバックライトユニット40を複数有する。なお、複数のバックライトユニット40は、マトリクス状に配設されており、且つ特定の領域毎に点灯を制御することが可能である。ここでは、m行n列に配設された複数の画素15に対するバックライトとして、少なくともt行n列毎(ここでは、tは、k/4とする)にバックライトユニット40が設けられ、該バックライトユニット40の点灯を独立に制御できることとする。すなわち、当該バックライトが、少なくとも1行目乃至t行目用バックライトユニット〜2k+3t+1行目乃至m行目用バックライトユニットを有し、それぞれのバックライトユニット40の点灯を独立に制御できることとする。さらに、バックライトユニット40において、赤(R)、緑(G)、及び青(B)の3色を呈する光源のそれぞれの点灯も独立に制御できることとする。すなわち、バックライトユニット40において、赤(R)、緑(G)、及び青(B)のいずれか一つの光源を点灯させることで画素部10に対して赤(R)、緑(G)、又は青(B)を呈する光を照射すること、赤(R)、緑(G)、及び青(B)のいずれか二つの光源を点灯させることで画素部10に対して二つの光の混色によって形成される有彩色を呈する光を照射すること、並びに赤(R)、緑(G)、及び青(B)の全ての光源を点灯させることで画素部10に対して三つの光の混色によって形成される白(W)を呈する光を照射することが可能であることとする。
【0173】
<液晶表示装置の動作例>
図12は、上述した液晶表示装置における選択信号の走査と、バックライトが有する1行目乃至t行目用バックライトユニット〜2k+3t+1行目乃至m行目用バックライトユニットの点灯タイミングとを示す図である。なお、図12において縦軸は画素部における行(1行目乃至m行目)を表し、横軸は時間を表している。図12に示すように当該液晶表示装置では、1行目に配設された走査線〜m行目に配設された走査線に対して順次選択信号を供給するのではなく、k行分隔離されて配設された走査線に対して順次選択信号を供給する(1行目に配設された走査線→k+1行目に配設された走査線→2k+1行目に配設された走査線→2行目に配設された走査線という順序で選択信号を供給する)ことが可能である。なお図12では、上記実施の形態2で述べた黒表示期間を設けた際の画像信号の書き込み及び点灯のタイミングの構成について示している。従って、実施の形態2と同様に連続するフレーム間のクロストークをより確実に低減することができる。
【0174】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0175】
(実施の形態5)
本実施の形態では、表示装置を駆動するためのブロック図の一例について説明する。
【0176】
図13に示すブロック図には、画像信号処理回路901、表示パネル902、バックライトユニット903を図示している。
【0177】
画像信号処理回路901は、表示制御回路904、パネル制御回路905、フォーマット変換回路906、2D/3D画像信号変換回路907、メモリ制御回路908及びフレームメモリ909を有する。
【0178】
画像信号処理回路901では、外部より画像信号dataがフォーマット変換回路906に供給され画像信号dataのフォーマットに応じてフォーマットの変換が行われる。2D/3D画像信号変換回路907は、フォーマット変換回路906でフォーマット変換された画像信号を内部に格納された画像信号変換メモリ910に基づいて平面視表示の画像信号に変換または立体視表示の画像信号に変換するか切り替えて実行するための回路である。2D/3D画像信号変換回路907で変換された画像信号は、メモリ制御回路908を介してフレームメモリ909に記憶される。フレームメモリ909に記憶された画像信号は、メモリ制御回路908を介して表示制御回路904によって読み出される。そして表示制御回路904は、パネル制御回路905が、表示パネル902を制御するための信号を出力する。
【0179】
またバックライトユニット903はバックライトユニット制御回路911によって光源の点灯が制御される。バックライトユニット制御回路911は、表示制御回路904によって制御される。
【0180】
以上説明したように、本実施の形態のブロック図の構成により、上記実施の形態1及び2の表示装置の駆動方法を実現することができる。
【0181】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0182】
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態4で説明した液晶表示装置の外観及び断面について説明する。
【0183】
液晶表示装置の外観及び断面について、図14を用いて説明する。図14(A1)(A2)は、第1の基板4001上に形成されたトランジスタ4010、4011及び液晶素子4013を、第2の基板4006との間にシール材4005によって封止したパネルの上面図であり、図14(B)は、図14(A1)(A2)のM−Nにおける断面図に相当する。
【0184】
第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられている。また、画素部4002と、走査線駆動回路4004の上に第2の基板4006が設けられている。画素部4002と、走査線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006とによって、液晶層4008と共に封止されている。
【0185】
また、図14(A1)は第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路4003が実装されている。なお、図14(A2)は信号線駆動回路の一部を第1の基板4001上に酸化物半導体を用いたトランジスタで形成する例であり、第1の基板4001上に信号線駆動回路4003bが形成され、かつ別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路4003aが実装されている。
【0186】
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG方法、ワイヤボンディング方法、またはTAB方法などを用いることができる。図14(A1)は、COG方法により信号線駆動回路4003を実装する例であり、図14(A2)は、TAB方法により信号線駆動回路4003を実装する例である。
【0187】
また、第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004は、トランジスタを複数有しており、図14(B)では、画素部4002に含まれるトランジスタ4010と、走査線駆動回路4004に含まれるトランジスタ4011とを例示している。トランジスタ4010、4011上には絶縁層4020、4021が設けられている。
【0188】
トランジスタ4010、4011は、特に限定されず様々なトランジスタを適用することができる。トランジスタ4010、4011のチャネル層は、シリコン(アモルファスシリコン、微結晶シリコン又はポリシリコン)等の半導体や酸化物半導体を用いることができる。
【0189】
また、第1の基板4001上に画素電極層4030及び共通電極層4031が設けられ、画素電極層4030は、トランジスタ4010と接続されている。液晶素子4013は、画素電極層4030、共通電極層4031、及び液晶層4008を含む。
【0190】
また、ブルー相を示す液晶層4008を有する液晶表示装置において、基板に概略平行(すなわち水平な方向)な電界を生じさせて、基板と平行な面内で液晶分子を動かして、階調を制御する方式を用いることができる。このような方式として、本実施の形態では、図14に示すようなIPS(In Plane Switching)モードで用いる電極構成を適用する場合を示している。なお、IPSモードに限られず、FFS(Fringe Field Switching)モードで用いる電極構成を適用することも可能である。また液晶層4008には、横電界により制御されるベンド配向の液晶(TBA(Transverse Bend Alignment)とも呼ばれる)を用いる構成としてもよい。
【0191】
なお、第1の基板4001、第2の基板4006としては、透光性を有するガラス、プラスチックなどを用いることができる。プラスチックとしては、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。また、アルミニウムホイルをPVFフィルムやポリエステルフィルムで挟んだ構造のシートを用いることもできる。
【0192】
また、液晶層4008の膜厚(セルギャップ)を制御するために設けられている柱状のスペーサ4035は、絶縁膜を選択的にエッチングすることにより設けることができる。なお、柱状のスペーサ4035の代わりに、球状のスペーサを用いてもよい。
【0193】
図14においては、トランジスタ4010、4011上方を覆うように遮光層4034が第2の基板4006側に設けられている。遮光層4034を設けることにより、トランジスタ特性の安定化の効果を高めることができる。この遮光層4034は第1の基板4001に設けられてもよい。この場合、第2の基板4006側から紫外線を照射して高分子安定化を行ったときに遮光層4034上の液晶もブルー相で高分子安定化することができる。
【0194】
保護膜として機能する絶縁層4020でトランジスタ4010、4011を覆う構成としてもよいが、特に限定されない。
【0195】
なお、保護膜は、大気中に浮遊する有機物や金属物、水蒸気などの汚染不純物の侵入を防ぐためのものであり、緻密な膜が好ましい。保護膜は、スパッタ法を用いて、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、又は窒化酸化アルミニウム膜の単層、又は積層で形成すればよい。
【0196】
また、保護膜を形成した後に、半導体層の加熱(300℃〜400℃)を行ってもよい。
【0197】
画素電極層4030、共通電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
【0198】
また、画素電極層4030、共通電極層4031として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。
【0199】
また、別途形成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004または画素部4002に与えられる各種信号及び電位は、FPC4018から供給されている。
【0200】
また、トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、ゲート線またはソース線に対して、駆動回路保護用の保護回路を同一基板上に設けることが好ましい。保護回路は、酸化物半導体を用いた非線形素子を用いて構成することが好ましい。
【0201】
図14では、接続端子電極4015が、画素電極層4030と同じ導電膜から形成され、端子電極4016は、トランジスタ4010、4011のソース電極層及びドレイン電極層と同じ導電膜で形成されている。
【0202】
接続端子電極4015は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介して接続されている。
【0203】
また、図14においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の基板4001に実装している例を示しているが、この構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装してもよいし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形成して実装してもよい。
【0204】
図15は液晶表示装置の断面構造の一例であり、素子基板2600と対向基板2601がシール材2602により固着され、その間にトランジスタ等を含む素子層2603、液晶層2604が設けられる。
【0205】
上記実施の形態で説明したカラースキャンバックライト駆動を行うために、バックライトユニットの光源として複数の色を発光する発光ダイオードを配置する。複数種の発光色としては、赤の発光ダイオード2910R、緑の発光ダイオード2910G、青の発光ダイオード2910Bを配置する。
【0206】
対向基板2601の外側には偏光板2606が設けられ、素子基板2600の外側には偏光板2607、拡散シート2613が配設されている。光源は赤の発光ダイオード2910R、緑の発光ダイオード2910G、青の発光ダイオード2910Bと反射板2611により構成され、回路基板2612に設けられたバックライト駆動制御回路2912は、フレキシブル配線基板2609により素子基板2600の配線回路部2608と接続され、さらにコントロール回路や電源回路などの外部回路が組みこまれている。
【0207】
このバックライト駆動制御回路2912によってバックライトユニットの光源は、領域毎に異なる色の発光をするよう制御される。
【0208】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0209】
(実施の形態7)
本明細書に開示する表示装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等のカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。上記実施の形態で説明した表示装置を具備する電子機器の例について説明する。
【0210】
図16(A)は、電子書籍の一例を示している。図16(A)に示す電子書籍は、筐体1700及び筐体1701の2つの筐体で構成されている。筐体1700及び筐体1701は、蝶番1704により一体になっており、開閉動作を行うことができる。このような構成により、書籍のような動作を行うことが可能となる。
【0211】
筐体1700には表示部1702が組み込まれ、筐体1701には表示部1703が組み込まれている。表示部1702及び表示部1703は、続き画面を表示する構成としてもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(図16(A)では表示部1702)に文章を表示し、左側の表示部(図16(A)では表示部1703)に画像を表示することができる。
【0212】
また、図16(A)では、筐体1700に操作部等を備えた例を示している。例えば、筐体1700は、電源入力端子1705、操作キー1706、スピーカ1707等を備えている。操作キー1706により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングディバイス等を備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、及びUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能な端子等)、記録媒体挿入部等を備える構成としてもよい。さらに、図16(A)に示す電子書籍は、電子辞書としての機能を持たせた構成としてもよい。
【0213】
図16(B)は、表示装置を用いたデジタルフォトフレームの一例を示している。例えば、図16(B)に示すデジタルフォトフレームは、筐体1711に表示部1712が組み込まれている。表示部1712は、各種画像を表示することが可能であり、例えば、デジタルカメラ等で撮影した画像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
【0214】
なお、図16(B)に示すデジタルフォトフレームは、操作部、外部接続用端子(USB端子、USBケーブル等の各種ケーブルと接続可能な端子等)、記録媒体挿入部等を備える構成とする。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像データを取り込み、取り込んだ画像データを表示部1712に表示させることができる。
【0215】
図16(C)は、表示装置を用いたテレビジョン装置の一例を示している。図16(C)に示すテレビジョン装置は、筐体1721に表示部1722が組み込まれている。表示部1722により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド1723により筐体1721を支持した構成を示している。表示部1722は、上記実施の形態に示した表示装置を適用することができる。
【0216】
図16(C)に示すテレビジョン装置の操作は、筐体1721が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機により行うことができる。リモコン操作機が備える操作キーにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部1722に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機に、当該リモコン操作機から出力する情報を表示する表示部を設ける構成としてもよい。
【0217】
図16(D)は、表示装置を用いた携帯電話機の一例を示している。図16(D)に示す携帯電話機は、筐体1731に組み込まれた表示部1732の他、操作ボタン1733、操作ボタン1737、外部接続ポート1734、スピーカ1735、及びマイク1736等を備えている。
【0218】
図16(D)に示す携帯電話機は、表示部1732がタッチパネルになっており、指等の接触により、表示部1732の表示内容を操作することができる。また、電話の発信、或いはメールの作成等は、表示部1732を指等で接触することにより行うことができる。
【0219】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0220】
10 画素部
11 走査線駆動回路
12 信号線駆動回路
13 走査線
14 信号線
15 画素
16 トランジスタ
17 容量素子
18 液晶素子
20 パルス出力回路
21 端子
22 端子
23 端子
24 端子
25 端子
26 端子
27 端子
31 トランジスタ
32 トランジスタ
33 トランジスタ
34 トランジスタ
35 トランジスタ
36 トランジスタ
37 トランジスタ
38 トランジスタ
39 トランジスタ
40 バックライトユニット
101 領域
102 領域
103 領域
120 シフトレジスタ
121 トランジスタ
211 斜辺
221 太線
222 平行斜線
231 斜辺
241 表示部
243 眼鏡
901 画像信号処理回路
902 表示パネル
903 バックライトユニット
904 表示制御回路
905 パネル制御回路
906 フォーマット変換回路
907 2D/3D画像信号変換回路
908 メモリ制御回路
909 フレームメモリ
910 画像信号変換メモリ
911 バックライトユニット制御回路
1501 太線
1502 平行斜線
1601 斜辺
1700 筐体
1701 筐体
1702 表示部
1703 表示部
1704 蝶番
1705 電源入力端子
1706 操作キー
1707 スピーカ
1711 筐体
1712 表示部
1721 筐体
1722 表示部
1723 スタンド
1731 筐体
1732 表示部
1733 操作ボタン
1734 外部接続ポート
1735 スピーカ
1736 マイク
1737 操作ボタン
201A 太線
201B 太線
202A 平行斜線
202B 平行斜線
242A 左目シャッター
242B 右目シャッター
244A 左目
244B 右目
1901 太線
1902 平行斜線
1903 期間
2600 素子基板
2601 対向基板
2602 シール材
2603 素子層
2604 液晶層
2606 偏光板
2607 偏光板
2608 配線回路部
2609 フレキシブル配線基板
2611 反射板
2612 回路基板
2613 拡散シート
2912 バックライト駆動制御回路
4001 基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 シール材
4006 基板
4008 液晶層
4010 トランジスタ
4011 トランジスタ
4013 液晶素子
4015 接続端子電極
4016 端子電極
4018 FPC
4019 異方性導電膜
4020 絶縁層
4030 画素電極層
4031 共通電極層
4034 遮光層
4035 スペーサ
2910B 発光ダイオード
2910G 発光ダイオード
2910R 発光ダイオード
4003a 信号線駆動回路
4003b 信号線駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域において画像を表示するためのフレーム期間は、画像信号の書き込み及び光源の点灯を行う第1乃至第3のサブフレーム期間を有し、
前記第3のサブフレーム期間では、前記表示領域の前半の行の走査線による前記画像信号の書き込み及び前記画像信号に応じた前記光源の点灯をし、且つ前記表示領域の後半の行の前記走査線による前記画像信号の書き込みをし、
前記第1のサブフレーム期間では、直前のフレーム期間における前記第3のサブフレーム期間で前記表示領域の後半の行の前記走査線によって書き込まれた画像信号に応じた前記光源の点灯をすることを特徴とする表示装置の駆動方法。
【請求項2】
表示領域が複数の領域に分割され、前記各領域におけるいずれか一の走査線を領域毎に同時に選択して表示を行い、
前記表示領域において画像を表示するためのフレーム期間は、複数の色要素のいずれか一の画像信号の書き込み及び当該色要素に応じた光源の点灯を行う第1乃至第3のサブフレーム期間で構成され、
前記各領域間では、前記第1乃至第3のサブフレーム期間毎にそれぞれ異なる色要素の前記光源の点灯となるように当該点灯に応じた画像信号の書き込みが行われ、
前記フレーム期間における第3のサブフレーム期間では、前記各領域の前半の行の前記走査線による前記画像信号の書き込み及び前記画像信号に応じた前記光源の点灯をし、且つ前記各領域の後半の行の前記走査線による前記画像信号の書き込みをし、
前記フレーム期間における第1のサブフレーム期間では、直前の前記フレーム期間における第3のサブフレーム期間で前記各領域の後半の行の前記走査線によって書き込まれた画像信号に応じた前記光源の点灯をすることを特徴とする表示装置の駆動方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記第3のサブフレーム期間は、後のフレーム期間に隣接するサブフレーム期間であることを特徴とする表示装置の駆動方法。
【請求項4】
表示領域が複数の領域に分割され、前記各領域におけるいずれか一の走査線を領域毎に同時に選択して表示を行い、
前記表示領域において画像を表示するためのフレーム期間は、複数の色要素のいずれか一の画像信号の書き込み及び当該色要素に応じた光源の点灯を行う第1乃至第4のサブフレーム期間で構成され、
前記各領域間では、前記第1乃至第4のサブフレーム期間毎にそれぞれ異なる色要素の光源の点灯となるように当該点灯に応じた画像信号の書き込みが行われ、
前記フレーム期間における第3のサブフレーム期間では、前記各領域の前半の行の前記走査線による前記画像信号の書き込み及び前記画像信号に応じた前記光源の点灯をし、且つ前記各領域の後半の行の前記走査線による黒表示とするための前記画像信号の書き込みをし、
前記フレーム期間における第4のサブフレーム期間では、前記各領域の前半の行の前記走査線による黒表示とするための前記画像信号の書き込み及び前記光源の消灯をし、且つ前記各領域の後半の行の前記走査線による前記画像信号の書き込みをし、
前記フレーム期間における第1のサブフレーム期間では、直前の前記フレーム期間における第4のサブフレーム期間で前記各領域の後半の行の前記走査線によって書き込まれた画像信号に応じた前記光源の点灯をすることを特徴とする表示装置の駆動方法。
【請求項5】
請求項4において、前記第4のサブフレーム期間は、後の前記フレーム期間に隣接するサブフレーム期間であることを特徴とする表示装置の駆動方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一において、前記第1のサブフレーム期間は、前の前記フレーム期間に隣接するサブフレーム期間であることを特徴とする表示装置の駆動方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一において、前記フレーム期間における前記光源の点灯は、前記フレーム期間で表示が行われる画像を表示するための前記画像信号に応じた光源の点灯のみが行われることを特徴とする表示装置の駆動方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一において、前記光源は、赤色、緑色及び青色の光源であることを特徴とする表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−133336(P2012−133336A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253949(P2011−253949)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】