説明

表示装置及び画像形成装置

【課題】所定の設定内容を設定するために必要な操作に関するナビゲート情報を表示部に表示させることができる表示装置を提供すること。
【解決手段】表示部711と、所定の設定内容を設定可能な入力設定部70と、入力設定部70における操作が所定の設定内容を設定するには必要のない不必要な操作であるか否かを判定する判定部901と、過去情報を記憶する記憶部80と、判定部901により入力設定部70における操作が不必要な操作であると判定された場合に、不必要な操作と所定の設定内容とを関連付けて、過去情報として記憶部80に記憶させる書込部903と、判定部901により入力設定部70における操作が不必要な操作であると判定された場合に、記憶部80に記憶される過去情報に基づいて、所定の設定内容を設定するために必要な操作に関するナビゲート情報を表示部711に表示させる表示制御部904と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の設定内容を設定するために必要な操作に関するナビゲート情報を表示させる表示装置及びこれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示部と、所定の設定内容を設定可能な操作部(入力設定部)と、操作部における操作が所定の設定内容を設定するには必要のない不必要な操作であるか否かを判定する判定部と、その不必要な操作の回数をカウントするカウンターと、カウンターによりカウントされたカウント値が一定の値に達した場合に表示部にヘルプ画面を表示させる制御部と、を備える表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の表示装置においては、前記不必要な操作の回数が一定の回数に達した場合にのみ、ヘルプ画面を表示部に表示させることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−171067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記不必要な操作は、その不必要な操作をした使用者のみならず、他の使用者にとっても分かりにくい設定操作であることが多い。そして、表示装置において、前記不必要な操作が実行された場合には、不必要な操作の回数が一定の回数に達しない場合においても、ナビゲートが可能なナビゲート情報を表示させた方が一般的には好ましい。そのため、所定の設定内容を設定するために必要な操作に関するナビゲート情報を表示させることができる表示装置が望まれている。
【0006】
本発明は、所定の設定内容を設定するために必要な操作に関するナビゲート情報を表示部に表示させることができる表示装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記表示装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数の選択項目を表示可能な表示部と、前記表示部に表示された前記複数の選択項目から1つの選択項目が選択される操作が1回又は複数回実行されることにより、所定の設定内容を設定可能な入力設定部と、前記入力設定部における前記操作が前記所定の設定内容を設定するには必要のない不必要な操作であるか否かを判定する判定部と、過去情報を記憶する記憶部と、前記判定部により前記入力設定部における前記操作が前記不必要な操作であると判定された場合に、前記不必要な操作と前記所定の設定内容とを関連付けて、前記過去情報として前記記憶部に記憶させる書込部と、前記判定部により前記入力設定部における前記操作が前記不必要な操作であると判定された場合に、前記記憶部に記憶される前記過去情報に基づいて、前記所定の設定内容を設定するために必要な操作に関するナビゲート情報を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備える表示装置に関する。
【0008】
また、前記表示部は、階層構造化された設定領域内において前記複数の選択項目を表示可能であり、前記入力設定部は、前記設定領域内において上位層から下位層に移動する操作が実行されることにより、前記所定の設定内容を設定可能であり、前記不必要な操作は、前記設定領域内において下位層から上位層に移動する操作であることが好ましい。
【0009】
また、前記選択項目は、アイコンであることが好ましい。
【0010】
本発明は、前記表示装置を備える画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、所定の設定内容を設定するために必要な操作に関するナビゲート情報を表示部に表示させることができる表示装置を提供することができる。
また、本発明によれば、前記表示装置を備える画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】コピー機1の全体構成を説明するための図である。
【図2】コピー機1の機能構成を示すブロック図である。
【図3】表示装置100における階層構造化された設定領域を説明するための図である。
【図4】タッチパネル71に表示されるメインメニューを示す図である。
【図5】タッチパネル71に表示される機能リスト一覧メニューを示す図である。
【図6】タッチパネル71に表示されるナビゲート情報について説明するための図である。
【図7】本発明のコピー機1の表示装置100の動作を説明するフローチャートである。
【図8】設定領域内において不必要な操作として下位層から上位層に移動する例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の表示装置の一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、表示装置が画像形成装置の一例であるコピー機に搭載された場合について説明する。このため、まず、コピー機について説明する。図1は、コピー機1の全体構成を説明するための図である。
【0014】
コピー機1は、原稿搬送部10と、原稿読取部20と、用紙搬送部30と、画像形成部40と、転写部50と、定着部60とを備える。
原稿搬送部10は、ADF(Automatic Document Feeder)であり、原稿載置部11と、第1送りローラー12と、ガイド13と、タイミングローラー対14と、原稿排出部15とを備える。第1送りローラー12は、原稿載置部11に載置された原稿Gを1枚ずつ順にタイミングローラー対14に供給する。タイミングローラー対14は、原稿読取部20が原稿Gの画像を読み取るタイミングと、原稿Gの画像が原稿読取部20によって読み取られる位置(ガイド13が配置されている位置)に原稿Gを供給するタイミングとを合わせるために、原稿Gの搬送又は原稿Gの搬送停止を行う。ガイド13は、搬送された原稿Gを後述する第1読取面21aに導く。原稿排出部15は、原稿読取部20によって画像が読み取られた(ガイド13を通過した)原稿Gをコピー機本体2の外部に排出する。
原稿排出部15におけるコピー機本体2の外側には、原稿集積部16が形成される。原稿集積部16には、原稿排出部15から排出された原稿Gが積層して集積される。
【0015】
原稿読取部20は、第1読取面21aと、第2読取面22aとを備える。第1読取面21aは、ガイド13に対向して配置された第1コンタクトガラス21の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。第2読取面22aは、第1読取面21aに隣接して(図1に示す場合では、第1読取面21aの右側の大部分に亘って)配置される。第2読取面22aは、原稿搬送部10を用いずに原稿Gの画像を読み取る場合に用いられる。第2読取面22aは、原稿Gが載置される第2コンタクトガラス22の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。
【0016】
また、原稿読取部20は、照明部23と、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27と、撮像部28とをコピー機本体2の内部に備える。照明部23と第1ミラー24とは、それぞれ副走査方向Xに移動する。第2ミラー25と第3ミラー26とは、図1において照明部23及び第1ミラー24の左側に配置される。さらに、第2ミラー25及び第3ミラー26は、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27とを介した第1読取面21a又は第2読取面22aから撮像部28までの距離(光路長)を一定に保ちつつ、それぞれ副走査方向Xに移動する。
【0017】
照明部23は、原稿Gに光を照射する光源である。第1ミラー24、第2ミラー25及び第3ミラー26は、光路長を一定に保ちつつ、原稿Gによって反射された光を結像レンズ27に導くためのミラーである。結像レンズ27は、第3ミラー26から入射した光を撮像部28に結像させる。撮像部28は、入射された光を電気信号に変換することにより、結像された光像に基づいて画像データを得るための撮像素子であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサーである。
【0018】
用紙搬送部30は、第2送りローラー31と、第3送りローラー32と、レジストローラー対33と、用紙排出部34とを備える。第2送りローラー31は、給紙カセット36に収容される用紙Tを転写部50に供給する。第3送りローラー32は、手差しトレイ37に載置される用紙Tを転写部50に供給する。レジストローラー対33は、転写部50にトナー画像が形成されるタイミングと、転写部50に用紙Tを供給するタイミングとを合わせるために、用紙Tの搬送又は用紙Tの搬送停止を行う。また、レジストローラー対33は、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正を行う。用紙排出部34は、トナー画像が定着された用紙Tをコピー機本体2の外部に排出する。
用紙排出部34におけるコピー機本体2の外側には、排紙集積部35が形成される。排紙集積部35には、用紙排出部34から排出された用紙Tが積層して集積される。
【0019】
画像形成部40は、感光体ドラム41と、帯電部42と、レーザースキャナーユニット43と、現像器44と、クリーニング部45と、トナーカートリッジ46と、1次転写ローラー47と、中間転写ベルト48と、対向ローラー49とを備える。
感光体ドラム41(41a,41b,41c,41d)は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローそれぞれのトナー画像を形成するために、感光体又は像担持体として機能する。各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの周囲には、感光体ドラム41の回転方向に沿って上流側から下流側へ順に、帯電部42と、レーザースキャナーユニット43と、現像器44と、クリーニング部45とが配置される。帯電部42は、感光体ドラム41の表面を帯電させる。レーザースキャナーユニット43は、感光体ドラム41の表面から離れて配置され、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに関する画像データに基づいて感光体ドラム41の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム41の表面には、露光された部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。現像器44は、感光体ドラム41の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を形成する。クリーニング部45は、除電器(図示せず)によって感光体ドラム41の表面が除電された後のその表面に残るトナー等を除去する。
トナーカートリッジ46は、現像器44に供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ46と現像器44とは、トナー供給路(図示せず)により接続されている。
【0020】
1次転写ローラー47(47a,47b,47c,47d)は、中間転写ベルト48における各感光体ドラム41a,41b,41c,41dとは反対側にそれぞれ配置される。中間転写ベルト48は、画像形成部40及び転写部50を通過するベルトである。中間転写ベルト48の一部分は、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dと各1次転写ローラー47a,47b,47c,47dとの間に挟み込まれ、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの表面に形成されたトナー画像が1次転写される。対向ローラー49は、環状形状の中間転写ベルト48の内側に配置され、中間転写ベルト48を図1に示す矢印A方向に進行させるための駆動ローラーである。
【0021】
転写部50は、2次転写ローラー51を備える。2次転写ローラー51は、中間転写ベルト48における対向ローラー49とは反対側に配置され、中間転写ベルト48の一部分を対向ローラー49との間に挟みこむ。さらに、2次転写ローラー51は、中間転写ベルト48に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。
【0022】
定着部60は、加熱回転体61と、加圧回転体62とを備える。加熱回転体61と加圧回転体62とは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで、トナーを溶融及び加圧し、そのトナーを用紙Tに定着させる。
【0023】
次に、コピー機1の機能構成について説明する。図2は、コピー機1の機能構成を示すブロック図である。
コピー機1は、上述した構成要素(原稿搬送部10、原稿読取部20、用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60)を備える。用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60によりエンジン部3が構成される。なお、図1を用いて説明した構成要素については、その説明を省略する。
さらに、コピー機1は、上述した機能構成に加えて、操作部70と、記憶部80と、制御部90とを備える。
【0024】
操作部70は、タッチパネル71、テンキー(図示せず)、及びスタートキー(図示せず)等を備える。タッチパネル71は、種々の機能が割り当てられた複数のキー等を表示する(図4参照)。複数のキー等に割り当てられた種々の機能としては、一例として、用紙選択の設定機能や、用紙の縮小又は拡大の設定機能や、印刷濃度の設定機能や、両面印刷又は分割印刷に関する設定機能や、複数のページを1枚の用紙Tに割り付けるページ集約機能(2in1等)や、その他の機能リスト一覧を表示する機能などがある(図4参照)。タッチパネル71に表示されたアイコン110(図4参照、後述)は、種々の機能のうちのいずれかをコピー機1に実行させるために操作される。
【0025】
テンキーは、印刷部数等の数字を入力するために操作される。スタートキーは、印刷を実行させるために操作される。操作部70は、いずれかのキーが操作されることにより、このキーが操作されたことを表す信号を制御部90に出力する。
【0026】
記憶部80は、ハードディスクや半導体メモリー等から構成される。記憶部80は、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに基づく画像データを記憶する。また、記憶部80は、コピー機1において利用される制御プログラム、及びこの制御プログラムによって利用されるデータ等を記憶する。
【0027】
制御部90は、原稿搬送部10、原稿読取部20、エンジン部3、操作部70等を制御する。
【0028】
コピー機1は、表示装置100を備える。表示装置100について説明する。図3は、表示装置100における階層構造化された設定領域を説明するための図である。図4は、タッチパネル71に表示されるメインメニューを示す図である。図5は、タッチパネル71に表示される機能リスト一覧メニューを示す図である。図6は、タッチパネル71に表示されるナビゲート情報について説明するための図である。
【0029】
図2に示すように、表示装置100は、入力設定部としての操作部70と、記憶部80と、制御部90とを備える。操作部70は、タッチパネル71を備える。タッチパネル71は、表示部711を有する。
【0030】
表示部711は、図3に示す階層構造化された設定領域内において、選択項目としての複数のアイコン110を表示可能である。アイコン110は、割り当てられた各機能を示す情報を含んで構成される。アイコン110は、図4及び図5に示すように、表示部711に表示されるボタンのことである。アイコン110は、コピー機1に与える命令について、文書やファイルを処理するための各種の機能等を分かりやすく記号化した図形や絵文字等により構成される。
【0031】
操作部70は、表示部711に表示された複数のアイコン110から1つのアイコン110が選択される操作が1回又は複数回実行されることにより、所定の設定内容を設定可能である。操作部70は、設定領域内において、上位層から下位層に移動する操作が実行されることにより、所定の設定内容を設定可能である。
【0032】
表示装置100における設定領域について詳述する。表示装置100における各種機能を設定可能な設定領域は、図3に示すように、所定の設定内容を設定するために階層構造化されている。各階層における表示部711には、複数のアイコン110が表示される。例えば、本実施形態においては、最も上位の上位層として、「メインメニュー」の階層がある。そして、「メインメニュー」の階層においては、表示部711は、使用される頻度が高い「用紙選択」、「縮小/拡大」、「濃度」、「両面/分割」の機能が割り当てられたアイコン110が選択可能に表示されている。更に、「メインメニュー」の階層においては、表示部711は、その他の複数の機能を選択可能に集約した「機能リスト一覧」を表示させる機能が割り当てられたアイコン110が選択可能に表示されている。
【0033】
各種機能を設定可能な設定領域においては、各階層において表示される複数のアイコン110から1つのアイコン110が選択されることで、設定領域における上位層又は下位層に移動するように構成されている。例えば、「メインメニュー」の階層において、「縮小/拡大」が選択された場合には、「縮小/拡大」の1つ下の下位層であって、「自動倍率」、「縮小/拡大倍率指定」を選択可能な「縮小/拡大設定」の階層に移動する。また、例えば、「メインメニュー」の階層において、「機能リスト一覧」が選択された場合には、「機能リスト一覧」の1つ下の下位層の「機能リスト一覧メニュー」の階層であって、「原稿サイズ」、「原稿セット向き」、「排出先」、「ステープル」、「カラー選択」、「原稿の画質」、「エコプリント」、「色相調整」、「カラーバランス」等を選択可能な階層に移動する。この場合には、表示部711には、図5に示すように、スクロール可能な機能リスト一覧が表示される。
【0034】
更に、「機能リスト一覧メニュー」の階層において、「原稿サイズ」、「原稿セット向き」、「排出先」、「ステープル」、「カラー選択」、「原稿の画質」、「エコプリント」、「色相調整」、「カラーバランス」等が選択されることで、それぞれの機能を詳細に設定可能な1つ下の下位層に移動される。
【0035】
制御部90は、操作部70により複数のアイコン110から1つのアイコン110が選択される操作が行われた場合には、各機能又は各設定内容を選択可能な階層を、設定領域において上位層又は下位層に移動させるように制御する。
また、制御部90は、操作部70により複数のアイコン110から1つのアイコンが選択されたときには、アイコン110に割り当てられた設定内容を設定するように制御する。
【0036】
また、制御部90は、図2に示すように、判定部としての第1判定部901と、第2判定部902と、書込部903と、表示制御部904と、検出部905とを有する。
第1判定部901は、操作部70における操作が所定の設定内容を設定するには必要のない不必要な操作であるか否かを判定する。
【0037】
第1判定部901により判定される不必要な操作について詳述する。使用者は、階層構造化された設定領域を上位層から下位層に移動する操作により、所定の設定内容に設定することができる。しかし、アイコン110の形状等が他のアイコンの形状等と紛らわしい場合や、設定内容の名称や観念が紛らわしい場合には、所定の設定内容に設定する際に、不必要な操作がなされて、適切に設定内容を設定することができない場合がある。例えば、所定の設定内容を設定するには必要のない不必要な操作としては、設定領域内において下位層から上位層に移動する操作がある。
【0038】
具体的には、本実施形態のように設定領域が階層構造化されている場合には、階層構造化された設定領域内を上位層から下位層に進む(移動する)操作は、所定の設定内容を設定することに対して、回り道等をすることなく、スムーズに、所定の設定内容を設定することができる操作である。一方、設定領域内を下位層から上位層に戻る(移動する)操作は、所定の設定内容を設定することに対しては必要のない操作である可能性が高い。
従って、第1判定部901は、設定領域内を下位層から上位層に移動する操作を不必要な操作として判定する。そして、第1判定部901が不必要な操作として判定した場合には、後述する表示制御部904は、所定の設定内容を設定するために必要な操作に関するナビゲート情報を表示部711に表示させることができる。
【0039】
第2判定部902は、後述する記憶部80を参照して、所定の設定内容を設定するには必要のない不必要な操作に関連する過去情報があるか否かを判定する。
【0040】
書込部903は、第1判定部901により操作部70における操作が不必要な操作であると判定された場合に、不必要な操作と所定の設定内容とを関連付けて、過去情報として記憶部80(後述)に記憶させる。これにより、記憶部80には、過去情報が蓄積される。
具体的には、例えば、「原稿の画質」、「色相調整」又は「カラーバランス」の設定をする際に、アイコン110の形状等が紛らわしい場合等に、「濃度設定」の階層から1つ上の上位層に戻る操作(不必要な操作)が行われた後に、「原稿の画質」、「色相調整」又は「カラーバランス」の設定がなされる場合がある。この場合には、書込部903は、「濃度設定」の階層から1つ上の上位層に戻る(移動する)操作と、「原稿の画質」、「色相調整」又は「カラーバランス」とを関連付けて、過去情報として記憶部80に記憶させる。
【0041】
表示制御部904は、第1判定部901により操作部70における操作が不必要な操作であると判定された場合に、記憶部80に記憶される過去情報に基づいて、所定の設定内容を設定するために必要な操作に関するナビゲート情報を表示部711に表示させる。
具体的には、例えば、「濃度設定」の階層から1つ上の上位層に戻る不必要は操作が行われた場合には、表示制御部904は、図6に示すように、ナビゲート情報として、「濃度設定」の階層から1つ上の上位層に戻る不必要は操作と関連付けられて記憶部80に記憶された「原稿の画質」、「色相調整」、「カラーバランス」のアイコン110を、表示部711に表示させる。
なお、ナビゲート情報として表示部711に表示させる設定内容のアイコン110の数は、任意に設定することができる。
【0042】
検出部905は、ナビゲート情報として表示部711に表示された設定内容が選択されたか否かを検出する。
【0043】
記憶部80は、過去情報や、表示部711に表示されるアイコン110に関する情報を記憶する。過去情報は、操作部70における不必要な操作と所定の設定内容とを関連付けた情報である。具体的には、例えば、記憶部80は、設定領域内における「濃度設定」の階層から1つ上の上位層に戻る(移動する)操作と、「原稿の画質」、「色相調整」、「カラーバランス」とを関連付けて、過去情報として記憶している。
【0044】
次に、本実施形態における表示装置100の動作について、フローチャートを用いて説明する。図7は、本発明のコピー機1の表示装置100の動作を説明するフローチャートである。図8は、設定領域内において不必要な操作として下位層から上位層に移動する例を説明するための図である。
【0045】
使用者は、操作部70を操作することで、所望(所定)の設定内容を設定する操作を開始する。操作部70のタッチパネル71(表示部711)には、「メインメニュー」の階層において、複数のアイコン110が表示されている。
【0046】
図7に示すように、ステップST1において、使用者が所望の設定内容を設定するための操作を行うことにより、制御部90は、各機能又は各設定内容を選択可能な階層を、設定領域において上位層又は下位層に移動させるように制御する。例えば、使用者は、コピー機1においてコピーされる印刷物を読み取る際の「原稿の画質」(設定内容)の設定(変更)したい場合には、設定領域において、「原稿の画質」を設定することができる機能が割り当てられたアイコン110を選択する。本実施形態においては、設定領域は、階層構造化されている。また、アイコン110の形状等が他のアイコン110の形状等と紛らわしい場合や、「原稿の画質」の設定内容を別の機能と取り違える場合がある。
本実施形態においては、「原稿の画質」を設定するためには、図8において、「メインメニュー」の階層において「機能リスト一覧」を選択して、「機能リスト一覧メニュー」の階層に移動(図8における矢印B1の移動)した後に、「機能リスト一覧メニュー」の階層において「原稿の画質」を選択(図8における矢印B2の移動)することが必要である。
【0047】
ステップST2において、第1判定部901は、使用者の操作が所望の設定内容を設定するには必要のない不必要な操作であるか否かを判定する。具体的には、本実施形態においては、不必要な操作とは、図8に示すように、例えば、使用者が、「原稿の画質」を設定したかったが、「メインメニュー」の階層において、「濃度」のアイコン110を「原稿の画質」のアイコン110と間違えて、「濃度」のアイコン110を選択して「濃度設定」の階層に移動(図8における矢印C1の移動)する操作等が挙げられる。この場合に、使用者は、「原稿の画質」を設定するには上位層に戻る必要があることに気づき、その後、「濃度設定」の階層から1つ上の上位層である「メインメニュー」の階層に戻る(移動する)操作(図8における矢印C2の移動)をする場合がある。この場合には、設定領域において下位層から上位層への移動する操作であるため、第1判定部901は、不必要な操作であると判定する。
第1判定部901により不必要な操作であると判定された場合(YES)には、この不必要な操作に関連する過去情報があるときにナビゲート情報を表示部711に表示させるため、処理は、ステップST3に進む。一方、第1判定部901により不必要な操作でないと判定された場合(NO)には、使用者が設定内容を設定するための操作を継続するため、処理は、ステップST9に進む。
【0048】
ステップST3において、第2判定部902は、記憶部80を参照して、不必要な操作に関連する過去情報があるか否かを判定する。具体的には、第2判定部902は、記憶部80を参照して、「濃度設定」の階層から1つ上の上位層である「メインメニュー」の階層に戻る(移動する)操作に関連する過去情報があるか否かを判定する。表示制御部904は、「濃度設定」から1つ上の上位層に戻る操作に関連する過去情報があると第2判定部902が判定した場合(YES)には、表示部711にナビゲート情報を表示させるため、処理は、ステップST4に進む。一方、「濃度設定」から1つ上の上位層に戻る操作に関連する過去情報がないと第2判定部902が判定した場合(NO)には、設定内容を設定するための操作を継続するため、処理は、ステップST8に進む。
【0049】
ステップST4において、表示制御部904は、ナビゲート情報を表示部711に表示させる。具体的には、記憶部80には、「濃度設定」の階層から1つ上の上位層に戻る操作に関連する過去情報として、「原稿の画質」、「色相調整」、「カラーバランス」の設定内容が記憶されている。そのため、図6に示すように、表示制御部904は、ナビゲート情報として、「原稿の画質」、「色相調整」、「カラーバランス」のアイコン110を、表示部711に表示させる。
なお、「原稿の画質」、「色相調整」、「カラーバランス」の設定内容を表示させる順番としては、例えば、不必要な操作の後に設定される設定内容として頻度が高い順に、表示部711に表示させることができる。また、ナビゲート情報として表示部711に表示させる設定内容の数は、任意に設定することができる。
【0050】
ステップST5において、検出部905は、ナビゲート情報として表示部711に表示された設定内容が選択されたか否かを検出する。具体的には、例えば、表示部711に表示された「原稿の画質」、「色相調整」又は「カラーバランス」のアイコン110が使用者により選択された場合には、検出部905においては、ナビゲート情報として表示された設定内容が選択されたことが検出される。また、表示部711に表示された「メインメニューに戻る」のアイコン110が選択された場合には、検出部905においては、使用者によりナビゲート情報として表示された設定内容が選択されたことが検出されない。ナビゲート情報として表示部711に表示された設定内容が選択されたと検出部905が検出した場合(YES)には、その所望の設定内容を設定するため、処理は、ステップST6に進む。一方、ナビゲート情報として表示部711に表示された設定内容が選択されたと検出部905が検出しない場合(NO)には、使用者が設定内容を設定するための操作を継続するため、処理は、ステップST8に進む。
【0051】
ステップST6において、制御部90は、選択されたアイコン110に割り当てられた設定内容を設定するように制御する。具体的には、例えば、表示部711に表示されたナビゲート情報において、「原稿の画質」のアイコン110が選択されたと検出部905が検出した場合には、制御部90は、「原稿の画質」を設定する。このように、ナビゲート情報を表示部711に表示させることにより、「原稿の画質」の設定を容易に行うことができる。従って、所望の設定内容を効率よく設定することができる。
【0052】
ステップST7において、書込部903は、「濃度設定」の階層(下位層)から「メインメニュー」の階層(上位層)に移動する不必要な操作と、所定(所望)の設定内容(「原稿の画質」の設定)とを関連付けて、過去情報として、記憶部80に記憶させる。
その後、処理は終了する。
【0053】
ステップST3における「濃度設定」の階層から1つ上の上位層に戻る操作に関連する過去情報がないと判定された場合(NO)、及び、ステップST5におけるナビゲート情報として表示部711に表示された設定内容が選択されたと検出されない場合(NO)におけるステップST8において、使用者が操作部70を操作して設定領域内を移動させることにより、制御部90は、所定の設定内容として正しい設定内容である「原稿の画質」を設定する。
【0054】
その後、ステップST7において、書込部903は、「濃度設定」の階層(下位層)から「メインメニュー」の階層(上位層)に移動する不必要な操作と、所定(所望)の設定内容(「原稿の画質」の設定)とを関連付けて、過去情報として、記憶部80に記憶させる。
【0055】
ステップST2における第1判定部901により不必要な操作でないと判定された場合(NO)におけるステップST9において、所望の設定内容を設定できる階層に移動したか否かを判定する。所望の設定内容を設定できる階層に移動した場合(YES)には、処理は、ステップST10に進む。
【0056】
ステップST10において、使用者は、所望の設定内容を設定する。その後、処理は終了する。この場合には、使用者は、不必要な操作をすることなく、「メインメニュー」の階層から「機能リスト一覧」を選択して、「機能リスト一覧メニュー」の階層に移動している。そして、「機能リスト一覧メニュー」の階層において「原稿の画質」を選択することで、所望の設定内容である「原稿の画質」を設定している。
一方、所望の設定内容を設定できる階層に移動していない場合(NO)には、所望の設定内容を設定する操作を更に継続して行う必要があるため、処理は、ステップST1に戻る。
【0057】
以上説明したように、本実施形態の表示装置100によれば、例えば、以下の効果が奏される。
本実施形態の表示装置100においては、操作部70における操作が所定の設定内容を設定するには必要のない不必要な操作であるか否かを判定する第1判定部901と、過去情報を記憶する記憶部80と、第1判定部901により操作部70における操作が不必要な操作であると判定された場合に、不必要な操作と所定の設定内容とを関連付けて、過去情報として記憶部80に記憶させる書込部903と、第1判定部901により操作部70における操作が不必要な操作であると判定された場合に、記憶部80に記憶される過去情報に基づいて、所定の設定内容を設定するために必要な操作に関するナビゲート情報を表示部711に表示させる表示制御部904と、を備える。そのため、表示制御部904は、記憶部80に記憶される過去情報に基づいて、ナビゲート情報を表示部711に表示させることができる。従って、使用者が所定の設定内容の操作について迷った際においても、所定の設定内容を正しく効率よく設定することができる。
さらに、書込部903は、所定の設定内容を設定するには必要のない不必要な操作に関連する情報を過去情報として記憶部80に記憶させる。そのため、不必要な操作に関連する情報は、過去情報として記憶部80に蓄積される。これにより、記憶部80に記憶された蓄積された過去情報を参照して、ナビゲート情報を表示部711に表示させることができる。
【0058】
また、本実施形態の表示装置100においては、不必要な操作は、設定領域内において下位層から上位層に移動する操作である。そのため、設定領域内において下位層から上位層に移動する操作が実行されたときに、効率よく、ナビゲート情報を表示部711に表示させることができる。
【0059】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、種々の形態で実施することができる。
前述の実施形態では、表示装置100がコピー機に搭載される場合について説明した。しかしながら、本発明の表示装置100は、現金自動預け払い機、自動販売機、自動券売機、携帯電話機、携帯情報端末、デジタルゲーム機、携帯オーディオプレーヤー、カーナビゲーション装置等の電子機器に搭載されてもよい。
【0060】
また、前述の実施形態では、操作部70をタッチパネル71により構成したが、これに制限されない。例えば、操作部70をテンキーにより構成してもよい。
【0061】
また、本実施形態のコピー機1は、カラーコピー機であるが、この形態に限定されることはなく、モノクロコピー機であってもよい。
また、本実施形態のコピー機1は、中間転写ベルト48を介して用紙Tにトナー画像を転写している(間接転写方式)が、この形態に限定されることはなく、感光体ドラムに形成されたトナー画像を直接に用紙Tに転写してもよい(直接転写方式)。
また、本実施形態のコピー機1は、用紙Tの片面を印刷する構成であるが、これに限定されることはなく、用紙の両面を印刷する構成であってもよい。
【0062】
また、本発明の画像形成装置は、上述したコピー機1に限定されることはない。すなわち、本発明の画像形成装置は、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンター機能及びスキャナー機能を備える複合機であってもよく、ファクシミリやプリンターであってもよい。
また、本発明の画像形成装置によってトナー画像が定着される被画像形成媒体は用紙Tに限定されることはなく、例えば、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)シート等のフィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0063】
1…コピー機(画像形成装置)、70…操作部(入力設定部)、80…記憶部、100…表示装置、110…アイコン(選択項目)、711…表示部、901…第1判定部(判定部)、903…書込部、904…表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の選択項目を表示可能な表示部と、
前記表示部に表示された前記複数の選択項目から1つの選択項目が選択される操作が1回又は複数回実行されることにより、所定の設定内容を設定可能な入力設定部と、
前記入力設定部における前記操作が前記所定の設定内容を設定するには必要のない不必要な操作であるか否かを判定する判定部と、
過去情報を記憶する記憶部と、
前記判定部により前記入力設定部における前記操作が前記不必要な操作であると判定された場合に、前記不必要な操作と前記所定の設定内容とを関連付けて、前記過去情報として前記記憶部に記憶させる書込部と、
前記判定部により前記入力設定部における前記操作が前記不必要な操作であると判定された場合に、前記記憶部に記憶される前記過去情報に基づいて、前記所定の設定内容を設定するために必要な操作に関するナビゲート情報を前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備える表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、階層構造化された設定領域内において前記複数の選択項目を表示可能であり、
前記入力設定部は、前記設定領域内において上位層から下位層に移動する操作が実行されることにより、前記所定の設定内容を設定可能であり、
前記不必要な操作は、前記設定領域内において下位層から上位層に移動する操作である
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記選択項目は、アイコンである
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の表示装置を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−25736(P2013−25736A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162874(P2011−162874)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】