表示装置及び視聴装置
【課題】
ユーザが3D映像を視聴中に、チャネル切替えなどして、2Dに映像に切替わる際に、表示方法の差異やメガネ装着の有無で、映像の明るさに大きく差異を生じてしまう課題がある。さらに、ユーザがメガネを装着しない場合に、3D表示をすると左右の映像が重なった2重像として見えてしまう。
【解決手段】
映像情報が入力される入力部と、入力部に入力された映像情報を表示する表示部とを備え、表示する映像を3D映像から2D映像に切替えると、表示する映像の明るさを所定の時間をかけて変更するように構成する。
ユーザが3D映像を視聴中に、チャネル切替えなどして、2Dに映像に切替わる際に、表示方法の差異やメガネ装着の有無で、映像の明るさに大きく差異を生じてしまう課題がある。さらに、ユーザがメガネを装着しない場合に、3D表示をすると左右の映像が重なった2重像として見えてしまう。
【解決手段】
映像情報が入力される入力部と、入力部に入力された映像情報を表示する表示部とを備え、表示する映像を3D映像から2D映像に切替えると、表示する映像の明るさを所定の時間をかけて変更するように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野は、映像を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「液晶シャッター等の遮光手段を有した眼鏡や偏光板は透過率が本来低いので片側の眼に入る光量は実際の画像の光量の半分以下となるため、暗い画像しか見えない」(特許文献1[0007]参照)こと、「片眼だけで一方のフィールドの画面を見ているので解像度が半分となり、従って輪郭のぼやけた像しか見えない」(特許文献1[0008]参照)こと、「片眼だけでどちらか一方のフィールドの画面を見ているのでフリッカーの多い画面しか見られず、非常に見にくい」(特許文献1[0009]参照)ことを課題とし、その解決手段として「映像信号発信源から入力するインターレース映像信号に基づいて表示画面上に奇数フィールドと偶数フィールドとを所定の周期で交互に表示する主表示手段と、該主表示手段の画面を観察する観察者と該画面との間に配置されて該観察者に対する視認画像を変化させる表示補助手段と、該インターレース映像信号の種類に応じて該主表示手段及び該表示補助手段の少なくとも一方の表示状態を変化させる制御手段と、を有して成り、該制御手段は、該映像信号が立体画像信号であるか否かを検知する立体画像信号検知手段と、該立体画像信号検知手段の検知結果に応じて該主表示手段及び該表示補助手段の少なくとも一方の表示状態を変化させる表示制御手段と、を有し、該立体画像信号検知手段は該映像信号の奇数フィールドと偶数フィールドとの間の相関を求める相関評価手段を有しており、該映像信号が立体画像信号であるか否かに応じて該主表示手段及び該表示補助手段の少なくとも一方の表示状態を変化させることにより、立体画像の観察と平面画像の観察とをそれぞれ鮮明に行なうことができる画像表示装置を提供する」(特許文献1[0014]参照)ことが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、「2D/3Dディスプレイ装置の、2D画像表示モードから3D画像表示モードへの画像モード切替を行ったときも、顕著な輝度の低下を起こさないバックライトモジュール及びそのバックライトモジュールを用いたディスプレイ装置が求められてきた」(特許文献2[0011]参照)ことを課題とし、その解決手段として「ディスプレイ装置の表示パネルに用いるバックライトモジュールであって、前記バックライトモジュールは、前記表示パネルに光を供給する発光ユニット、発光ユニットからの光量を調節する制御ユニットを含み、2D画像表示モード、3D画像表示モード、2D/3D混合画像表示モードのいずれかの表示モードに応じて、前記制御ユニットにより前記発光ユニットからの供給光量を任意に制御すること」(特許文献2[0013]参照)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−336729号公報
【特許文献2】特開2006−228723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザが3D映像を視聴中に、チャネル切替えなどして、2Dに映像に切替わる際に、表示方法の差異やメガネ装着の有無で、映像の明るさに大きく差異を生じてしまう課題がある。さらに、ユーザがメガネを装着したことを確認せずに、3D表示をすると左右の映像が重なった2重像として見えてしまう。
【0006】
特許文献1では、入力が3D映像時は、L/R交互に切替え、眼に入る光量が半分になり暗い映像であるが、入力が2D映像時には、両眼のシャッタを開く方法が提案されているが、入力映像が2Dか3Dかを判定しており、ユーザが3D表示設定をしているかは判定せずに、2Dや3Dに切替わってしまい、ユーザが3Dメガネをかけていない場合の明るさの調整や2重像対策は記載されていない。
【0007】
特許文献2には、2D画像表示モードから3D画像表示モードへの切替えを行った時の、バックライト制御が提案されているが、ユーザ操作に連動した2D、3D切替え時の調光制御に対しての工夫は記載されていないため、ユーザが操作したタイミングで、映像の明るさに差が見えてしまう。
【0008】
さらに、特許文献1、2では、環境光や人の在不在を利用した3D映像表示の調光制御に関しても、記載されていない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一実施の態様は、例えば映像情報が入力される入力部と、入力部に入力された映像情報を表示する表示部とを備え、表示する映像を3D映像から2D映像に切替えると、表示する映像の明るさを所定の時間をかけて変更するように構成する。
【発明の効果】
【0010】
上記手段によれば、ユーザが見やすい映像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施例の表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施例の表示装置の利用構成例を示した図である。
【図3】第1の実施例の表示装置の処理の一例を示した図である。
【図4】第1の実施例の表示装置のL/R分離処理1の動作例を示した図である。
【図5】第1の実施例の表示装置のL/R分離処理2の動作例を示した図である。
【図6】第1の実施例の表示装置のL/R分離処理3の動作例を示した図である。
【図7】第1の実施例の表示装置の処理の一例を示した図である。
【図8】第1の実施例の表示装置の調光制御の一例を示した図である。
【図9】第1の実施例の表示装置のL/R分離処理で行うオーバレイ処理の一例を示した図である。
【図10】第1の実施例の表示装置の表示の一例である。
【図11】第2の実施例の表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図12】第2の実施例の表示装置の処理の一例を示した図である。
【図13】第2の実施例の表示装置の処理の一例を示した図である。
【図14】第3の実施例の表示装置の利用構成例を示す図である。
【図15】第3の実施例の表示装置の処理の一例を示す図である。
【図16】第3の実施例の表示装置の処理の一例を示す図である。
【図17】第4の実施例の表示装置の処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
人間の両眼の視差を利用して、3次元(3D)の立体映像(3D映像)を視聴できるようにした立体映像表示制御方法として、例えば、フレームシーケンシャル方式が用いられ、表示装置において、一画面ごとに、右目用、左目用の画像を交互に出力し、それに合わせてユーザが装着する液晶シャッタを駆動する方法や、表示装置において、フィールドごとに偏光を切り替える方式(円偏光方式など)やピクセルやラインごとに異なる偏光フィルタを設置しておく方式を利用し、円偏光や直線偏光の偏光眼鏡を使って左右画像を分離する方法などがある。
【0013】
これらの方式によって、視差のある左右の映像と、右目、左目に見せることにより、左右視差を脳で立体化することにより、映像を立体的に見せることができる。3D映像の送信手法に関しては様々な方法が存在しているが、右目用と左目用のそれぞれの映像が従来同等のデータレートつまり、従来ストリームの2倍のデータレートで送信する場合や、例えばサイドバイサイドやトップアンドボトムとも呼ばれる右目用と左目用の映像を画面に半々で一度に表示する形式もあり、この場合には、データレートはストリーム1本分となる。
【0014】
また、液晶シャッタ方式では、シャッタが開く瞬間では、片眼にしか光が入らず、実際の映像の光量の半分になってしまい、偏光眼鏡では、透過率が低く、さらに片眼には、一方のフィールドしか見られず、解像度、光量が減ってしまう。そのため、これらの眼鏡を利用して視聴する3D映像は、眼鏡を利用せずに視聴する2次元(2D)映像に比べて、ユーザにとっては暗く見えてしまう。
【0015】
以下、眼鏡を利用した3D映像を表示する実施例を、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0016】
以下、第1の実施例を、図1〜図10を参照して説明する。
【0017】
図1は、第1の実施例の表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
図1において、100は立体表示制御装置であり、101は外部入力部、102は放送受信部、103はネットワーク部、104は映像・音声制御部、105は表示部、106は光センサ部、107はリモコンI /F部、108は調光制御部、109はL/R分離処理部、110は記録再生制御部、111は記録装置、112はオーバレイ処理部、113はシャッタメガネ制御部である。
【0019】
外部入力部101は、光ディスクなどのプレーヤ装置やゲーム機などから映像や音声、文字などのコンテンツの入力ができる。放送受信部102はチューナ装置などを介して、ラジオ、テレビ、CATVなどの映像や音声、電子番組表(Electronic Program Guide:EPG)などのデータを放送波で受信できる。
【0020】
ネットワーク部103は、インターネットやホームネットワークを介して、映像や音声、文字などのコンテンツや情報を受信できる。映像・音声制御部104は、外部入力部101や放送受信部102、ネットワーク部103から入力した映像や音声、文字情報のデコード処理やフロー制御などを行い、表示部105に表示する映像制御や、記録再生制御部110と連携して、記録装置111への映像保存や、保存した映像の再生などを行う。
【0021】
表示部105は、液晶や有機EL、プラズマ、LEDなどの表示装置であり、映像・音声制御部104、オーバレイ処理112で制御された映像を、光センサ106、調光制御108で制御された明るさで映像を表示する。
【0022】
光センサ106は、周囲の明るさを検知するセンサである。一般的には、周囲が暗い場合には、映像を明るく表示してしまうと、ユーザはまぶしさを感じてしまうため、表示部105での明るさを低減し、逆に、周囲が明るい場合には、映像を明るくしないと見づらさを感じてしまう。このように、光センサ106で明るさを検知して、周囲の明るさに合わせた、表示制御をすることで、見づらさを軽減することができる。
【0023】
リモコンI /F部107は、立体表示制御装置を操作するリモコンからの入力などを受け付けるインタフェースである。調光制御部108は、表示部105の映像の明るさを調整する制御部である。表示部105が液晶パネルやLEDパネルであれば、バックライトやLEDの明るさを調整し、映像の明るさを調整できる。プラズマや有機ELなどは、素子の発光出力を調整して、映像の明るさを調整できる。
【0024】
L/R分離処理部109は、図4〜図6に示すように、3Dや2Dのトランスポートストリーム(Transport Stream:TS)を、2つのビデオストリームのバッファに分離して格納していく処理を行う。蓄積されたビデオストリームバッファを、同期を取ってオーバレイ処理112し、表示部105に映像を出力する。
【0025】
記録再生制御部110は、外部入力部101、放送受信部102、ネットワーク部103から入力した映像、音声、文字情報を、記録装置111に記録する制御や、映像・音声制御104を利用するなどして、記録装置111に記録した映像、音声、文字情報を再生する制御を行う。記録装置111は、ハードディスク(HDD)やSSD(Solid State Drive(Disk))などの半導体素子でできたメモリなどで構成され、ディレクトリ構成を持ち、ファイル単位で映像、音声、文字情報などを記録できる。
【0026】
オーバレイ処理部112は、L/R分離処理部109にて分離されたビデオストリーム、ユーザが操作するメニュー画面や、映像に重ねて表示する字幕などの表示アイテムを結合し、表示部105に表示する。シャッタメガネ制御部113は、立体表示制御装置100に連動する液晶シャッタメガネの左右の液晶のシャッタの開閉の同期を取るための信号送信を制御する。
【0027】
本構成により、以下図2から図10までの制御を可能とし、ユーザの3D、2D切替え操作と、入力が2Dか3Dかに応じて、表示部での表示方法の切替えと、調光制御を行うことにより、3D観賞用のメガネをかけている際の、2D、3D間の映像の明るさの差異を軽減し、メガネを外してからも違和感なく明るさを調整することが可能となる。
【0028】
図2は、第1の実施例の表示装置の利用構成例を示した図である。図2において、200は液晶シャッタメガネ、201はリモコン装置である。
【0029】
立体表示制御装置100と、液晶シャッタメガネ200、リモコン装置201を利用して、ユーザは3D映像が視聴できる構成例である。リモコン装置201からの信号は、赤外線(IR)信号で、リモコンI/F107に送られ、立体表示制御装置100はリモコン操作に応じた制御を行う。
【0030】
ユーザはリモコン装置201を利用し、3D表示をするか、2D表示をするかを選択する。ユーザが見ようとしている映像が3Dであり、3D表示をさせたい場合には、ユーザはリモコン装置201の3D/2Dボタンを押下し、2D表示から3D表示に切替える。3D表示時は、表示部105に、右眼用画像と左眼用画像が時間的に交互に表示される。
【0031】
表示部105の左右画像表示タイミングと、液晶シャッタメガネ200の液晶シャッタの左右の開閉タイミングを合わせるための制御信号を赤外線などで送信する。それを受信した液晶シャッタメガネ200は、信号と同期を取り左右の液晶シャッタの開閉を制御する。
【0032】
これら動作により、ユーザの右眼には右眼用画像、左眼には左眼用画像を見せることができ、ユーザは、右眼で見た画像と左眼で見た画像を脳の中で構成して、擬似的に立体映像と認識し、3D映像を楽しむことができる。
【0033】
本例では、リモコン操作により3D表示設定のOn、Offを行っているが、表示装置に内蔵されているユーザ操作装置を操作することにより、3D表示設定を変更できても良い。
【0034】
図3は、第1の実施例の表示装置の処理の一例を示した図である。
【0035】
本処理シーケンスは、入力コンテンツの種別(2D/3D)、2D/3D表示のユーザ選択によって、映像信号処理を切替えるシーケンスである。
【0036】
S300で処理開始となり、S301にて、外部入力部101や放送受信部102、ネットワーク部103から入力された映像が、3Dなのか2Dなのかを判定する。この判定には、コンテンツのヘッダ情報に、2D、3Dの情報が含まれていても良いし、TS解析により、単位時間に含まれるフレーム数や、似た2枚の映像が重なっているなどの状況から3Dであることを判定し、それ以外を2Dとしても良い。
【0037】
S301にて、映像が3Dの場合には、S302にて、ユーザが3D表示設定をOnにしているかを判定する。ユーザが3D表示設定をOffにしている場合には、S303にて、図6に示すL/R分離処理3を行い、図8のシーケンスで示す調光制御を行う(S306)。
【0038】
すなわち、表示部105には、入力映像が3Dにも関わらず、2D表示を行い、周囲光に合わせた2D表示時と同等の調光制御を行い、ユーザがメガネをかけずに、普通に2D映像を視聴している時の制御を行う。これにより、入力映像が3Dにも関わらず、ユーザはメガネをかけることなく、映像の明るさの差異なく、映像を2Dとして視聴することができる。
【0039】
S302にて、ユーザが3D表示設定をOnにしている場合には、S304のL/R分離処理1を行い、シャッタメガネ制御部113から液晶シャッタ開閉信号を送信し(S305)、図8のシーケンスで示す調光制御(S306)を行う。
【0040】
すなわち、3Dの入力映像の左右画像を交互に表示部105に表示し、その左右画像にタイミングを合わせて、液晶シャッタを制御して、3Dとして映像を視聴できる。この際、シャッタが開く瞬間では、片眼にしか光が入らず、実際の映像の光量の半分になってしまい、暗い映像になってしまうので、2D表示時よりも、映像の明るさがA倍になるよう調光制御を行う。この際、メガネをかけた瞬間に一瞬に映像が暗くなるので、映像の明るさも一気に上げる調光制御を行う。
【0041】
これにより、ユーザは、メガネを装着し、3D表示開始の準備ができた状態で、3D表示選択をして、左右交互の映像がそれぞれ左右の眼に映り、立体映像として映像を楽しむことができる。
【0042】
S301にて、映像が2Dと判定された場合には、S308にて、ユーザが3D表示設定をOnにしているかを確認し、ユーザが2D表示設定を選択している場合には、S306の中の通常の2D表示時の調光制御を行い、3D処理は実施しない。すなわち、入力映像が2Dであり、ユーザが3D表示設定も選択していない場合には、何もせず、通常の2D表示制御を行う。
【0043】
S308にて、ユーザが3D表示設定を選択している場合には、S309のL/R分離処理2を行い、S306の調光制御を行う。すなわち、入力映像が2Dにも関わらず、ユーザはメガネをかけ3D表示設定を選択している場合であり、この際は、左眼用画像を複製したものを右眼用画像として(右眼用画像を複製しても良い)、LとRを交互に表示させるのではなく、LとLを交互に表示させ、シャッタ開閉制御を行い、メガネをかけたまま2D映像を楽しむことができる。この際、メガネをかけているので、映像が暗くなるので、S306調光制御では、2D表示時よりも、映像の明るさがA倍になるよう調光制御を行う。
【0044】
これにより、メガネをかけて映像を視聴しているにも関わらず、メガネをかけずに2D映像をみているのと同じ明るさで、2D映像を視聴できる。
【0045】
この処理シーケンスにより、ユーザがメガネをかけていない状態で、入力映像が2Dから3Dまたは、3Dから2Dに遷移しても、映像の明るさは一定な2D映像としてユーザは視聴を継続できる。
【0046】
また、ユーザがメガネをかけて3D表示設定をOnにしている際も、入力映像が2D、3D間を遷移しても、映像の明るさは一定な3Dや2D映像の視聴を継続できる。
【0047】
例えば、メガネをかけ3D表示設定をOnにして、3D映像を楽しんでいる途中で、リモコン装置などを用いて、ユーザがチャネルを切替えて、切替えた先が2D映像だった場合に、メガネをかけた状態で2D映像をみると、メガネの透過率も低いので、映像が暗く見えてしまう課題があるが、本制御方式を利用すると、切替えた先が2D映像であっても、L/R分離処理2、シャッタ制御、調光制御を行い、映像の明るさを一定に保ったまま、2D映像を継続視聴できるメリットがある。
【0048】
また、これにより、ユーザが3D表示設定を選択するまでは、2D表示がなされ、L、Rが重なったような二重像の映像が表示されず、ユーザにとって見づらい映像を見せない効果もある。
【0049】
図4は、第1の実施例の表示装置のL/R分離処理1の動作例を示した図である。
【0050】
L/R分離処理1は、入力映像として、3D映像がTS(400)で入力され、3D表示可能なビデオストリームが出力される処理である。L/R分離処理1(401)の入力として、3D映像のTSが入力され、L/R分離処理111内の2つのビデオストリームバッファに、L、Rを分離して映像を蓄える。バッファの映像をL、R表示タイミングと同期して、タイムシーケンシャルに並べていき、メニューや字幕情報などもオフセット情報を付加して、オーバレイ処理をして結合して、ビデオ出力をする。
【0051】
この処理は、例えば、60Hzで入力されるサイドバイサイドのストリームを、L、Rそれぞれを60Hzで分離し、タイムシーケンシャルに並べることにより、120Hz相当のストリームを作成する。
【0052】
動画の解像度を向上させるために、フレームレート変換で倍速表示を行い、240Hz相当で駆動する表示部105に表示させる。液晶シャッタメガネも表示部と同じ240HzでL、Rを交互に開閉制御をして、左右の眼に視差のある映像を見せて、ユーザに3D映像として見せる場合の処理方法である。
【0053】
本例では、入力3D映像をサイドバイサイドで記載しているが、右目用と左目用のそれぞれの映像が従来同等のデータレート送られてくる場合や、サイドバイサイド、トップアンドボトムとも呼ばれる右目用と左目用の映像を画面に半々で一度に表示する形式も同方式で実現可能である(図6も同様)。
【0054】
図5は、第1の実施例の表示装置のL/R分離処理2の動作例を示した図である。
【0055】
L/R分離処理2は、入力映像として、2D映像がTS(500)で入力され、3D表示と同じ方式で、2D表示可能なビデオストリームが出力される処理である。L/R分離処理2(501)の入力として、3D映像のTSが入力され、L/R分離処理111内の2つのビデオストリームバッファに、L(もしくはR)とL(もしくはR)を複製した映像を蓄える。
【0056】
バッファの映像を3D表示でL、R表示するのと同じタイミングで、L(もしくはR)のビデオストリームをタイムシーケンシャルに並べていき、メニューや字幕情報などもオフセット情報を付加して、オーバレイ処理をして結合して、ビデオ出力をする。
【0057】
この処理は、例えば、60Hzで入力される2D映像のストリームを、1フレームとその複製フレームの2つに60Hzで分離し、タイムシーケンシャルに並べることにより、120Hz相当のストリームを作成する。動画の解像度を向上させるために、フレームレート変換で倍速表示を行い、240Hz相当で駆動する表示部105に表示させる。
【0058】
液晶シャッタメガネも表示部と同じ240HzでL、Rを交互に開閉制御をして、左右の眼に視差のある映像を見せて、ユーザに3D映像として見せる場合の処理方法である。
【0059】
図6は、第1の実施例の表示装置のL/R分離処理3の動作例を示した図である。
【0060】
L/R分離処理3は、入力映像として、3D映像がTS(400)で入力され、メガネをかけずに通常2D映像を視聴する方式のビデオストリームが出力される処理である。L/R分離処理3(600)の入力として、3D映像のTSが入力され、L/R分離処理111内の2つのビデオストリームバッファに、L、Rを分離して映像を蓄える。バッファの映像をL、R表示タイミングと同期して、タイムシーケンシャルに並べていく際に、R(もしくはL)を挿入するタイミングで何も挿入しないか、黒映像を挿入し、メニューや字幕情報などもオフセット情報を付加して、オーバレイ処理をして結合して、ビデオ出力をする。
【0061】
この処理は、例えば、60Hzで入力されるサイドバイサイドのストリームを、L、Rそれぞれを60Hzで分離し、タイムシーケンシャルに並べることにより、120Hz相当のストリームを作成するが、ストリームを作成する際に、図4のRを挿入するタイミングで黒フレームを挿入する方法の例である。
【0062】
液晶シャッタメガネも表示部と同じ動作周波数でL、Rを交互に開閉制御をして、左右の眼に視差のある映像を見せて、ユーザに3D映像として見せる場合の処理方法である。
【0063】
図7は、第1の実施例の表示装置の処理の一例を示した図である。
【0064】
図7において、横軸が時間方向となっている。外部入力部101や放送受信部102、ネットワーク部103から入力された映像が2Dから3D、さらに2Dと切替るような状況の例である。
【0065】
この映像切替えに関しては、放送局側や映像提供側が3D番組中に2DのCM(広告映像)を挿入する場合や、ユーザがリモコン装置を利用して、3D番組視聴中に2D番組にチャネルを切替える場合などが考えられる。
【0066】
まず、時刻t1より前の期間では、2D映像が入力されている。この際は、L/R分離処理を行なわずに、入力映像をデコードなど2D映像処理して、2D表示を行う。時刻t1にて、ユーザがチャネル切替えなどをして、入力映像が3Dに変わった場合には、L、Rの映像を含んだTSが入力され、2D映像表示と同じ出力処理をするL/R分離処理3を行う。
【0067】
時刻t1では、ユーザがまだ3D表示設定を選択していない状況であるので、3D映像を視聴する準備ができていない(メガネをかけずに、表示装置を視聴している状態)と考えられるため、シャッタ開閉信号送信も開始せず、2D映像表示と同じ出力処理、2D表示時相当の調光制御を行う。
【0068】
これにより、表示部105としては、時刻t1以前の2D表示と同じ表示方法が継続いている状態となり、入力映像が2Dから3Dに切替っても、ユーザは映像の明るさに差異を感じることなく、違和感なく映像の視聴を継続することができる。
【0069】
時刻t1からは入力が3D映像であり、放送局などが映像情報に含まれるであろう “3D”映像を放送しているという画面表示情報などに気づいて、時刻t2にて、ユーザはメガネをかけて、3D表示設定をOnにする操作をした場合の例である。
【0070】
この場合には、ユーザの3D表示設定をOnと連動して、3D映像を視聴できるようにするため、シャッタ開閉信号送信を開始し、3D表示を行うL/R分離処理1を開始する。この際、メガネ装着による映像が暗くなるのを防ぐために、調光制御で映像の明るさをA倍に制御して、ユーザがメガネを通して見てもt2よりも前の時刻に表示していた2D表示と同じ明るさに見えるように調整を行う。
【0071】
これにより、メガネをかけたことによる映像の暗さを解消し、t2以前に視聴していた2Dと同じ明るさで3D映像視聴を開始できる。
【0072】
その後時刻t3にて、ユーザがチャネルを切替えるなどして、入力が3Dから2Dに変わった場合に、入力の3D映像をL/R分離処理して、L、Rの片方のLのみを表示するL/R分離処理2を開始する。
【0073】
この場合、ユーザは3D表示設定をOnにしたままなので、メガネをかけて視聴していると想定されるので、シャッタメガネでの開閉制御、表示部105への表示方法、調光制御は、今まで見ていた3Dと同じ表示方法を行う。L/R分離処理2では図5で示した様に、図4に示した3D表示時のL/R分離処理1と同じ出力タイミングで表示が行われ、シャッタメガネを介して、映像をみることができるが、LとRの映像に視差がないので、3D表示時と映像の明るさを変えることなく、2D表示が可能となる。
【0074】
その後時刻t4で、ユーザが、メガネをかけて視聴していても映像に視差を感じないので、入力映像が2Dと気づき、リモコンを使い、3D表示設定をOffにして2D表示に切替えた場合には、ユーザがメガネを外した状態と想定でき、シャッタ開閉信号送信を停止し、さらにL/R分離処理も停止し、2D表示処理を行う。
【0075】
この際に、t4よりも前の時刻では、メガネをかけている想定で、映像をA倍に明るく調光制御をしているので、ユーザがt4でメガネを外した場合には、映像が明る過ぎて見えてしまうことになる。そのため、t1以前の2D表示時の2D表示調光まで戻す必要があるが、一気に2D表示調光まで戻してしまうと、ユーザは違和感を感じるので、時間Tをかけて調光制御し、徐々に映像の明るさを低減していく。
【0076】
これにより、通常の2D視聴環境と同等の明るさまで違和感なく、調整をすることができる。
【0077】
時刻t2では、メガネをかけているので、一気に映像が明るくなっても、ユーザはあまりまぶしさを感じにくいが、時刻t4でメガネを外している状態で、一気に映像が暗くなると、違和感を感じるので、ユーザが3D表示設定をOffにした場合には、時間Tをかけて調光制御し、徐々に映像の明るさを低減していく工夫を行う。
【0078】
これにより、違和感なく、通常の2D視聴環境に合わせた明るさ調整ができることとなる。
【0079】
図8は、第1の実施例の表示装置の調光制御の一例を示した図である。
【0080】
まず、S801にて、ユーザが3D表示設定をOnにしているかを確認し、3D表示設定がOnの場合には、S802にてL/R分離処理111での処理が、メガネを装着した状態時の処理であるL/R分離処理1か2かどうかを判定する。
【0081】
L/R分離処理1か2の場合には、S803にて光センサ106で周囲光を検知して、周囲光に合わせた2D表示調光を算出する。
【0082】
次にS804にて、S803で算出した2D表示調光を、さらにA倍の調光制御を行う。
【0083】
これにより、メガネをかけても、周囲光に合わせた2D表示時と同じ明るさで映像を表示することが可能となる。
【0084】
A倍調光制御した表示をしている際に、ユーザが3D表示設定をOffにした場合には(S805)、ユーザがメガネを外した状況と考えられる。そのため、A倍調光ではユーザには明る過ぎて見えてしまうので、A倍調光から1倍調光に変化させる必要があるが、一気に調光してしまうと、ユーザは映像が急に暗くなったと違和感を感じるため、時間Tをかけて、入力が2Dの場合の映像表示時と同等になるまで、調光制御を行う(S806)。
【0085】
S801にて、ユーザが3D表示設定をしていない場合や、S802にてメガネを装着していない場合を想定したL/R分離処理3やL/R分離処理なしの場合には、光センサ106にて周囲光を検知して、周囲光に合わせた2D表示調光を算出し(S807)、その算出結果に基づき、入力が2Dの場合の映像表示時の調光制御を行う(S808)。
【0086】
図9は、第1の実施例の表示装置のL/R分離処理で行うオーバレイ処理の一例を示した図である。
【0087】
900はメニュー画面、901は字幕などのサブタイトル、902は左眼用ビデオストリーム、903は右眼用ビデオストリーム、904はメニューの飛び出し表示量を調整するための左右の視差を示すオフセット情報、905はサブタイトル用の飛び出し表示量を調整するための左右の視差を示すオフセット情報、906はオーバレイ処理、907は3Dビデオ表示画面、901はサブタイトル表示画面、900はメニュー表示画面を示している。
【0088】
L、R Video902、903のそれぞれに対して、メニュー、サブタイトルのオフセット904、905を付加したビデオ信号を作成し、左右を交互にシーケンシャルに並べて、表示部で表示させることにより、眼が視差を感じて、立体感のある映像表現が可能となる。
【0089】
オフセット情報904、905のメニューやサブタイトルの飛び出し表示量のオフセット値は、入力映像に含まれても良いし、902、903の左右画像のズレから映像の飛び出し表示量を算出して、その飛び出し表示量に合わせてメニューやサブタイトルのオフセット値を算出しても良い。
【0090】
映像の飛び出し表示量よりも、メニューやサブタイトルの飛び出し表示量を大きくして、映像よりも前面にメニューやサブタイトルを表示するなど、ユーザに見せるための奥行き配置をオーバレイ処理で行う。
【0091】
図10は、第1の実施例の表示装置の表示の一例である。
【0092】
図10の(1)は、図7の時刻t1からt2の間にユーザに提示されるメッセージの例である。入力映像が3Dであるが、ユーザが3D表示設定をOnにしていない状況であり、メガネをかけずに2Dとして映像を視聴している場合である。
【0093】
このような場合には、3Dを楽しめるタイミングでもあるので、ユーザに「3Dメガネをして、3Dボタンを押すと、3D映像が楽しめます。」と促す例である。このメッセージは、2D映像を視聴しつつ、ポップアップ表示のような方式で出力することが考えられる。
【0094】
図10の(2)は、図7の時刻t3からt4の間にユーザに提示されるメッセージの例である。ユーザはメガネをかけて、時刻t3まで3D映像を視聴しているが、番組終了やチャネル切替えにより、視聴映像が2Dに切替わった場合に、視聴映像が2Dであることをユーザに通知するメッセージ「2D」ある。
【0095】
ユーザは、「2D」表示を見て、3D表示設定をOffし、メガネを外す。図3のシーケンスにて、t3からt4の間は、メガネをかけていても2D表示を視聴可能であるが、メガネをかける必要はなくなるので、ユーザにそれを通知するメッセージである。
【0096】
これらメッセージは、図10(1)は、時刻t1からt2の間、図10(2)は、時刻t3からt4の間ずっと表示し続けても良いし、ユーザが手動でメッセージ表示をOffできても良いし、ある期間表示されるが、自動的にメッセージ表示をOffにしても良い。
【実施例2】
【0097】
以下、第2の実施例を、図11〜図13を参照して説明する。
【0098】
図11は、第2の実施例の表示装置の構成の一例を示すブロック図であり、実施例1の構成例図1に、人検知センサ1100を加えた構成である。
【0099】
人検知センサ1100は、人感センサやカメラセンサ、マイクセンサなどで構成され、検知エリア内の人物の在不在や視聴状況、視聴者数、視聴者識別などを検知する。
【0100】
本構成により、3D表示設定On中に、ユーザが不在になった場合に3D表示設定を自動的にOffする機能を可能とする。これは、3D表示中に、ユーザが何かの用事で席を立って、映像視聴エリアから居なくなった場合に、3Dメガネを外す場合が多いと考えられる。
【0101】
3Dメガネを外した状態で、映像視聴エリアに戻って来た時に、3D表示をしている(再開)すると、映像がL、Rが重なった2重像に見えてしまう課題があるので、ユーザが不在になったら、自動的に3D表示設定をOffにして、ユーザが席に戻ってきて、再度、3D表示設定をOnにするまでは、3D表示させないための仕組みとなる。
【0102】
図12は、第2の実施例の表示装置の処理の一例を示した図である。
【0103】
実施例1の図3で説明した処理は、同じ番号を利用している。図3のシーケンスに追加となるのは、S302でユーザが3D表示設定をした場合に、S1201において人検知センサを利用して、人検知の有無を判定する処理である。
【0104】
S1201にて、人検知がないと判定された場合には、S1204にて、自動的に3D表示設定をOffし、L/R分離処理3(S303)を開始し、2D表示を行い、周囲光に合わせた3Dメガネ装着なし時の調光制御を行う(S306)。
【0105】
これにより、ユーザが、映像視聴エリアに戻って来た際も、再度、ユーザがメガネをかけて、3D表示設定をOnにするまでは、3D表示をしないことになり、ユーザはメガネを外して戻って来た際に、L、Rが重なった2重像をみなくて済む。
【0106】
人検知なしの場合には、S303後、自動的に表示画面の輝度を低下させるか、消画することにより、省電力化をする仕組みを有しても良い。この際も、ユーザが戻ってきて、画面を表示した際には、3D表示ではなく、2D表示を行うことで、裸眼でL、Rが重なった2重像をみなくて済む。
【0107】
図13は、第2の実施例の表示装置の処理の一例を示した図である。
【0108】
図13において、横軸が時間方向となっている。外部入力部101や放送受信部102、ネットワーク部103から入力された映像が3Dの例である。例えば、放送波で3D放送を受信して視聴している場面や、3Dで配信されるネットワークコンテンツやメディアに保存された3D映像などを視聴している状況である。
【0109】
時刻t1a以前は、ユーザが3D表示設定をする前の状況であり、図7の時刻t1からt2の処理と同じL/R分離処理3により、2D表示を行う。時刻t1aにおいて、ユーザが3D表示設定をOnにした場合、時刻t1aからt2aまでの期間は、3D表示処理を行い、メガネをしていても明るく見えるよう調光制御を行う。
【0110】
時刻t2aにて、3D表示中に不在にするなどの理由で人検知の反応がなくなった場合には、自動的に3D表示設定をOffにする。またこの際、不在であるので、シャッタ開閉動作もOffにする。
【0111】
不在検知から3D表示設定がOffになるので、映像の明るさを調整して2D表示時相当に落とすが、ユーザは不在であるので、この場合は一気に調光を落とす。
【0112】
時刻t2aにおいて、人検知センサで不在検知のみではなく、カメラなどを使って、メガネをしながらの居眠りを検知した場合には、一気に暗くなるのではなく、ゆっくり暗くしていく方法も考えられる。居眠りといっても、一気に暗くなると、起きてしまう場合があるので、徐々に暗くしていき眠りを覚まさせない工夫も考えられる。
【0113】
ユーザが時刻t3aで、メガネを外して戻って来た際には、2D表示相当の調光で映像を視聴できる。メガネをかけたまま戻って来た場合には、映像が暗く見えるので、それが契機となり、ユーザが3D表示設定をOnにして、3D視聴を再開できる効果もある。
【0114】
時刻t3aでユーザが戻って来た際には、図10(1)のようなメッセージを表示し、ユーザに3D表示設定を促しても良い。これらの促しに応じて、時刻t4aで、ユーザが3D表示設定をOnにした場合には、3D表示処理を開始する。
【実施例3】
【0115】
以下、第3の実施例を、図14〜図16を参照して説明する。
【0116】
図14は、第3の実施例の表示装置の利用構成例を示す図である。
【0117】
1400は3D映像の視聴に用いられる3Dメガネ(視聴装置ともいう)であり、1401は3Dメガネをユーザが装着したことを検知するスイッチである。3Dメガネ1400は、立体表示制御装置100に搭載されたシャッタ開閉信号送信部113からの、左右のシャッタの開閉信号と同期して左右のシャッタの開閉制御を行う。
【0118】
1401としては、静電型のタッチスイッチやリレースイッチなどが考えられる。ユーザがメガネを装着することにより、自動的にスイッチが押される仕組みである。1401はスイッチが押されると、立体表示制御装置100に搭載されたリモコンI/F107に、メガネ装着信号を送信し、ユーザがメガネを装着していることを立体表示制御装置100に伝える。
【0119】
これにより、実施例1、2では、3D表示設定のOn、Offはユーザ操作が必要であったが、ユーザ操作がなくても、ユーザがメガネを装着したことを契機に、3D表示を開始できるメリットがある。
【0120】
また、実施例1、2では、ユーザがメガネをかけているかは実際にはわからない状況でも、ユーザが3D表示設定をOnにしたタイミングで3D表示を始めてしまうため、もしメガネをかけていなければ、L、Rが重なった2重像をユーザに見せてしまうが、メガネに装着の有無を検知できれば、上記課題が解消される。
【0121】
図15は、第3の実施例の表示装置の処理の一例を示す図である。
【0122】
実施例1の図3で説明した処理には同じシーケンス番号を利用している。図3のシーケンスから変更となるのは、S301で入力映像が3Dの場合に、S1501において、3DメガネからリモコンI/Fに送信されるメガネ装着信号、メガネ離脱信号を確認して、離脱信号の場合には、L/R分離処理3(S303)を行い、メガネをしていなくても視聴できる2D表示処理を行い、調光制御を行う(S306)ことである。
【0123】
S1501において、メガネ装着信号の場合には、L/R分離処理1(S304)を行い、3D表示を開始する。また、S301において、入力映像が2Dの場合にも、S1502において、メガネ装着信号、メガネ離脱信号を確認する。離脱信号の場合には、2D表示時の調光制御を行う。メガネ装着信号の場合には、2D表示をメガネをかけて視聴している状況であるので、2Dでも明るさを低下させずに表示するL/R分離処理2(S309)、シャッタ開閉信号送信(S305)、調光制御(S306)処理を行う。
【0124】
これにより、メガネ装着の有無に従い、映像の明るさを一定にして、2D、3D表示を視聴することが可能となる。
【0125】
図16は、第3の実施例の表示装置の処理の一例を示す図である。
【0126】
S1601において、メガネ装着スイッチ1401のスイッチのOn、Offを確認し、スイッチが押下されており、ユーザがメガネを装着したことを検知した場合には、立体表示制御装置100に搭載されたリモコンI/F107に対して、メガネ装着信号を発信する(S1602)。
【0127】
その後、シャッタメガネ制御部113からのL/R切替えの同期を取る信号が受信できるかを確認する(S1603)。S1603にて、L/R切替えの同期信号を受信できない場合には、ユーザは、表示装置をみているかどうかも分からない状況で、メガネを装着した状況であり、両眼シャッタを開く(S1604)ことにより、前方を見易くする。
【0128】
S1603において、L/R切替えの同期信号を受信できる場合には、シャッタ開閉動作を開始する(S105)。L/R切替えの同期信号が送信されている場合には、L/R分離処理1か2が動作しており、シャッタに同期して2Dまたは3Dの視聴が可能である。
【0129】
S1601において、メガネ装着スイッチが押されていない場合には、S1606において、リモコンI/F107に対して、メガネ離脱信号を発信する。
【0130】
スイッチが押されていない間、信号を送信し続けると、3Dメガネ1400の電池の持ちが悪いので、メガネ装着がOnの状態から、Offの状態に切替わる時のみメガネ離脱信号を発信しても良い。
【0131】
メガネ離脱信号を発信後、メガネは利用されないことが多いので、省エネモードや、電力を最大限に抑えるスタンバイモードに遷移する(S1607)。これにより、メガネ未使用時は、電力を消費しない効果がある。
【実施例4】
【0132】
以下、第4の実施例を、図17を参照して説明する。
【0133】
図17は、第4の実施例の表示装置の処理の一例を示す図である。
【0134】
S1701の判定で、3D放送やメディアに記録された3Dコンテンツを入力として、3Dメガネをかけ、3D表示をしている場合に、S1702において、放送受信部102またはネットワーク部103より緊急放送を信号した場合には、S1703にて、2D表示出力を行うL/R分離処理3を行い、S1704にて調光制御を行う。さらに、S1705にて液晶シャッタメガネに対して、両眼のシャッタを開く信号を送信する。これにより、3D表示が2Dになり、緊急放送で送られてきた文字や映像情報を2Dで暗くならずに視聴することができる。
【0135】
また、S1703にて、L/R分離処理2を行い、S1705にて両眼のシャッタを開く信号を送信することも考えられる。この場合の調光制御は、メガネをかけたことを前提としたA倍調光なので、ユーザにとっては明る過ぎて見えてしまうが、緊急性を伝える効果はあると考えられる。
【0136】
上記の各実施例により、例えばユーザが2D、3D切替えをした場合に生じる明るさの差を軽減し、映像の見易さを向上することができる。
【0137】
これら実施例1から4は、利用するメガネは液晶シャッタ方式に関して記載しているが、偏光メガネ方式でも同様な処理が可能である。また、立体表示制御装置で動作するプログラムは、立体表示制御装置内に実装してあっても良いし、記録媒体に記録して提供するようにしても良いし、ネットワークを介してダウンロードして提供するようにしても良い。これら配布形態を限定しないことで、様々な利用形態での提供が可能となり、利用ユーザを増やす効果がある。
【0138】
また、実施例中の3Dメガネとは、例えば右目用シャッタと左目用シャッタとを有する液晶シャッタ方式に対応したメガネや、偏光レンズを有するメガネ等で、3D映像の視聴においてユーザが装着するものを示し、「視聴装置」ともいう。
【符号の説明】
【0139】
100 立体表示制御装置
101 外部入力部
102 放送受信部
103 ネットワーク部
104 映像・音声制御部
105 表示部
106 光センサ部
107 リモコンI/F部
108 調光制御部
109 L/R分離処理
110 記録再生制御部
111 記録装置
112 オーバレイ処理
113 シャッタメガネ制御
200 液晶シャッタメガネ
201 リモコン装置
400 入力3D映像(TS)
401 L/R分離処理1
402 ビデオストリームバッファ
900 メニュー
901 サブタイトル
902 L Videoストリーム
903 R Videoストリーム
904 メニューオフセット情報
905 サブタイトルオフセット情報
906 オーバレイ処理
907 3Dビデオ
1100 人検知センサ
1400 液晶シャッタメガネ
1401 装着有無検知スイッチ
【技術分野】
【0001】
技術分野は、映像を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「液晶シャッター等の遮光手段を有した眼鏡や偏光板は透過率が本来低いので片側の眼に入る光量は実際の画像の光量の半分以下となるため、暗い画像しか見えない」(特許文献1[0007]参照)こと、「片眼だけで一方のフィールドの画面を見ているので解像度が半分となり、従って輪郭のぼやけた像しか見えない」(特許文献1[0008]参照)こと、「片眼だけでどちらか一方のフィールドの画面を見ているのでフリッカーの多い画面しか見られず、非常に見にくい」(特許文献1[0009]参照)ことを課題とし、その解決手段として「映像信号発信源から入力するインターレース映像信号に基づいて表示画面上に奇数フィールドと偶数フィールドとを所定の周期で交互に表示する主表示手段と、該主表示手段の画面を観察する観察者と該画面との間に配置されて該観察者に対する視認画像を変化させる表示補助手段と、該インターレース映像信号の種類に応じて該主表示手段及び該表示補助手段の少なくとも一方の表示状態を変化させる制御手段と、を有して成り、該制御手段は、該映像信号が立体画像信号であるか否かを検知する立体画像信号検知手段と、該立体画像信号検知手段の検知結果に応じて該主表示手段及び該表示補助手段の少なくとも一方の表示状態を変化させる表示制御手段と、を有し、該立体画像信号検知手段は該映像信号の奇数フィールドと偶数フィールドとの間の相関を求める相関評価手段を有しており、該映像信号が立体画像信号であるか否かに応じて該主表示手段及び該表示補助手段の少なくとも一方の表示状態を変化させることにより、立体画像の観察と平面画像の観察とをそれぞれ鮮明に行なうことができる画像表示装置を提供する」(特許文献1[0014]参照)ことが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、「2D/3Dディスプレイ装置の、2D画像表示モードから3D画像表示モードへの画像モード切替を行ったときも、顕著な輝度の低下を起こさないバックライトモジュール及びそのバックライトモジュールを用いたディスプレイ装置が求められてきた」(特許文献2[0011]参照)ことを課題とし、その解決手段として「ディスプレイ装置の表示パネルに用いるバックライトモジュールであって、前記バックライトモジュールは、前記表示パネルに光を供給する発光ユニット、発光ユニットからの光量を調節する制御ユニットを含み、2D画像表示モード、3D画像表示モード、2D/3D混合画像表示モードのいずれかの表示モードに応じて、前記制御ユニットにより前記発光ユニットからの供給光量を任意に制御すること」(特許文献2[0013]参照)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−336729号公報
【特許文献2】特開2006−228723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザが3D映像を視聴中に、チャネル切替えなどして、2Dに映像に切替わる際に、表示方法の差異やメガネ装着の有無で、映像の明るさに大きく差異を生じてしまう課題がある。さらに、ユーザがメガネを装着したことを確認せずに、3D表示をすると左右の映像が重なった2重像として見えてしまう。
【0006】
特許文献1では、入力が3D映像時は、L/R交互に切替え、眼に入る光量が半分になり暗い映像であるが、入力が2D映像時には、両眼のシャッタを開く方法が提案されているが、入力映像が2Dか3Dかを判定しており、ユーザが3D表示設定をしているかは判定せずに、2Dや3Dに切替わってしまい、ユーザが3Dメガネをかけていない場合の明るさの調整や2重像対策は記載されていない。
【0007】
特許文献2には、2D画像表示モードから3D画像表示モードへの切替えを行った時の、バックライト制御が提案されているが、ユーザ操作に連動した2D、3D切替え時の調光制御に対しての工夫は記載されていないため、ユーザが操作したタイミングで、映像の明るさに差が見えてしまう。
【0008】
さらに、特許文献1、2では、環境光や人の在不在を利用した3D映像表示の調光制御に関しても、記載されていない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一実施の態様は、例えば映像情報が入力される入力部と、入力部に入力された映像情報を表示する表示部とを備え、表示する映像を3D映像から2D映像に切替えると、表示する映像の明るさを所定の時間をかけて変更するように構成する。
【発明の効果】
【0010】
上記手段によれば、ユーザが見やすい映像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施例の表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施例の表示装置の利用構成例を示した図である。
【図3】第1の実施例の表示装置の処理の一例を示した図である。
【図4】第1の実施例の表示装置のL/R分離処理1の動作例を示した図である。
【図5】第1の実施例の表示装置のL/R分離処理2の動作例を示した図である。
【図6】第1の実施例の表示装置のL/R分離処理3の動作例を示した図である。
【図7】第1の実施例の表示装置の処理の一例を示した図である。
【図8】第1の実施例の表示装置の調光制御の一例を示した図である。
【図9】第1の実施例の表示装置のL/R分離処理で行うオーバレイ処理の一例を示した図である。
【図10】第1の実施例の表示装置の表示の一例である。
【図11】第2の実施例の表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図12】第2の実施例の表示装置の処理の一例を示した図である。
【図13】第2の実施例の表示装置の処理の一例を示した図である。
【図14】第3の実施例の表示装置の利用構成例を示す図である。
【図15】第3の実施例の表示装置の処理の一例を示す図である。
【図16】第3の実施例の表示装置の処理の一例を示す図である。
【図17】第4の実施例の表示装置の処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
人間の両眼の視差を利用して、3次元(3D)の立体映像(3D映像)を視聴できるようにした立体映像表示制御方法として、例えば、フレームシーケンシャル方式が用いられ、表示装置において、一画面ごとに、右目用、左目用の画像を交互に出力し、それに合わせてユーザが装着する液晶シャッタを駆動する方法や、表示装置において、フィールドごとに偏光を切り替える方式(円偏光方式など)やピクセルやラインごとに異なる偏光フィルタを設置しておく方式を利用し、円偏光や直線偏光の偏光眼鏡を使って左右画像を分離する方法などがある。
【0013】
これらの方式によって、視差のある左右の映像と、右目、左目に見せることにより、左右視差を脳で立体化することにより、映像を立体的に見せることができる。3D映像の送信手法に関しては様々な方法が存在しているが、右目用と左目用のそれぞれの映像が従来同等のデータレートつまり、従来ストリームの2倍のデータレートで送信する場合や、例えばサイドバイサイドやトップアンドボトムとも呼ばれる右目用と左目用の映像を画面に半々で一度に表示する形式もあり、この場合には、データレートはストリーム1本分となる。
【0014】
また、液晶シャッタ方式では、シャッタが開く瞬間では、片眼にしか光が入らず、実際の映像の光量の半分になってしまい、偏光眼鏡では、透過率が低く、さらに片眼には、一方のフィールドしか見られず、解像度、光量が減ってしまう。そのため、これらの眼鏡を利用して視聴する3D映像は、眼鏡を利用せずに視聴する2次元(2D)映像に比べて、ユーザにとっては暗く見えてしまう。
【0015】
以下、眼鏡を利用した3D映像を表示する実施例を、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0016】
以下、第1の実施例を、図1〜図10を参照して説明する。
【0017】
図1は、第1の実施例の表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
図1において、100は立体表示制御装置であり、101は外部入力部、102は放送受信部、103はネットワーク部、104は映像・音声制御部、105は表示部、106は光センサ部、107はリモコンI /F部、108は調光制御部、109はL/R分離処理部、110は記録再生制御部、111は記録装置、112はオーバレイ処理部、113はシャッタメガネ制御部である。
【0019】
外部入力部101は、光ディスクなどのプレーヤ装置やゲーム機などから映像や音声、文字などのコンテンツの入力ができる。放送受信部102はチューナ装置などを介して、ラジオ、テレビ、CATVなどの映像や音声、電子番組表(Electronic Program Guide:EPG)などのデータを放送波で受信できる。
【0020】
ネットワーク部103は、インターネットやホームネットワークを介して、映像や音声、文字などのコンテンツや情報を受信できる。映像・音声制御部104は、外部入力部101や放送受信部102、ネットワーク部103から入力した映像や音声、文字情報のデコード処理やフロー制御などを行い、表示部105に表示する映像制御や、記録再生制御部110と連携して、記録装置111への映像保存や、保存した映像の再生などを行う。
【0021】
表示部105は、液晶や有機EL、プラズマ、LEDなどの表示装置であり、映像・音声制御部104、オーバレイ処理112で制御された映像を、光センサ106、調光制御108で制御された明るさで映像を表示する。
【0022】
光センサ106は、周囲の明るさを検知するセンサである。一般的には、周囲が暗い場合には、映像を明るく表示してしまうと、ユーザはまぶしさを感じてしまうため、表示部105での明るさを低減し、逆に、周囲が明るい場合には、映像を明るくしないと見づらさを感じてしまう。このように、光センサ106で明るさを検知して、周囲の明るさに合わせた、表示制御をすることで、見づらさを軽減することができる。
【0023】
リモコンI /F部107は、立体表示制御装置を操作するリモコンからの入力などを受け付けるインタフェースである。調光制御部108は、表示部105の映像の明るさを調整する制御部である。表示部105が液晶パネルやLEDパネルであれば、バックライトやLEDの明るさを調整し、映像の明るさを調整できる。プラズマや有機ELなどは、素子の発光出力を調整して、映像の明るさを調整できる。
【0024】
L/R分離処理部109は、図4〜図6に示すように、3Dや2Dのトランスポートストリーム(Transport Stream:TS)を、2つのビデオストリームのバッファに分離して格納していく処理を行う。蓄積されたビデオストリームバッファを、同期を取ってオーバレイ処理112し、表示部105に映像を出力する。
【0025】
記録再生制御部110は、外部入力部101、放送受信部102、ネットワーク部103から入力した映像、音声、文字情報を、記録装置111に記録する制御や、映像・音声制御104を利用するなどして、記録装置111に記録した映像、音声、文字情報を再生する制御を行う。記録装置111は、ハードディスク(HDD)やSSD(Solid State Drive(Disk))などの半導体素子でできたメモリなどで構成され、ディレクトリ構成を持ち、ファイル単位で映像、音声、文字情報などを記録できる。
【0026】
オーバレイ処理部112は、L/R分離処理部109にて分離されたビデオストリーム、ユーザが操作するメニュー画面や、映像に重ねて表示する字幕などの表示アイテムを結合し、表示部105に表示する。シャッタメガネ制御部113は、立体表示制御装置100に連動する液晶シャッタメガネの左右の液晶のシャッタの開閉の同期を取るための信号送信を制御する。
【0027】
本構成により、以下図2から図10までの制御を可能とし、ユーザの3D、2D切替え操作と、入力が2Dか3Dかに応じて、表示部での表示方法の切替えと、調光制御を行うことにより、3D観賞用のメガネをかけている際の、2D、3D間の映像の明るさの差異を軽減し、メガネを外してからも違和感なく明るさを調整することが可能となる。
【0028】
図2は、第1の実施例の表示装置の利用構成例を示した図である。図2において、200は液晶シャッタメガネ、201はリモコン装置である。
【0029】
立体表示制御装置100と、液晶シャッタメガネ200、リモコン装置201を利用して、ユーザは3D映像が視聴できる構成例である。リモコン装置201からの信号は、赤外線(IR)信号で、リモコンI/F107に送られ、立体表示制御装置100はリモコン操作に応じた制御を行う。
【0030】
ユーザはリモコン装置201を利用し、3D表示をするか、2D表示をするかを選択する。ユーザが見ようとしている映像が3Dであり、3D表示をさせたい場合には、ユーザはリモコン装置201の3D/2Dボタンを押下し、2D表示から3D表示に切替える。3D表示時は、表示部105に、右眼用画像と左眼用画像が時間的に交互に表示される。
【0031】
表示部105の左右画像表示タイミングと、液晶シャッタメガネ200の液晶シャッタの左右の開閉タイミングを合わせるための制御信号を赤外線などで送信する。それを受信した液晶シャッタメガネ200は、信号と同期を取り左右の液晶シャッタの開閉を制御する。
【0032】
これら動作により、ユーザの右眼には右眼用画像、左眼には左眼用画像を見せることができ、ユーザは、右眼で見た画像と左眼で見た画像を脳の中で構成して、擬似的に立体映像と認識し、3D映像を楽しむことができる。
【0033】
本例では、リモコン操作により3D表示設定のOn、Offを行っているが、表示装置に内蔵されているユーザ操作装置を操作することにより、3D表示設定を変更できても良い。
【0034】
図3は、第1の実施例の表示装置の処理の一例を示した図である。
【0035】
本処理シーケンスは、入力コンテンツの種別(2D/3D)、2D/3D表示のユーザ選択によって、映像信号処理を切替えるシーケンスである。
【0036】
S300で処理開始となり、S301にて、外部入力部101や放送受信部102、ネットワーク部103から入力された映像が、3Dなのか2Dなのかを判定する。この判定には、コンテンツのヘッダ情報に、2D、3Dの情報が含まれていても良いし、TS解析により、単位時間に含まれるフレーム数や、似た2枚の映像が重なっているなどの状況から3Dであることを判定し、それ以外を2Dとしても良い。
【0037】
S301にて、映像が3Dの場合には、S302にて、ユーザが3D表示設定をOnにしているかを判定する。ユーザが3D表示設定をOffにしている場合には、S303にて、図6に示すL/R分離処理3を行い、図8のシーケンスで示す調光制御を行う(S306)。
【0038】
すなわち、表示部105には、入力映像が3Dにも関わらず、2D表示を行い、周囲光に合わせた2D表示時と同等の調光制御を行い、ユーザがメガネをかけずに、普通に2D映像を視聴している時の制御を行う。これにより、入力映像が3Dにも関わらず、ユーザはメガネをかけることなく、映像の明るさの差異なく、映像を2Dとして視聴することができる。
【0039】
S302にて、ユーザが3D表示設定をOnにしている場合には、S304のL/R分離処理1を行い、シャッタメガネ制御部113から液晶シャッタ開閉信号を送信し(S305)、図8のシーケンスで示す調光制御(S306)を行う。
【0040】
すなわち、3Dの入力映像の左右画像を交互に表示部105に表示し、その左右画像にタイミングを合わせて、液晶シャッタを制御して、3Dとして映像を視聴できる。この際、シャッタが開く瞬間では、片眼にしか光が入らず、実際の映像の光量の半分になってしまい、暗い映像になってしまうので、2D表示時よりも、映像の明るさがA倍になるよう調光制御を行う。この際、メガネをかけた瞬間に一瞬に映像が暗くなるので、映像の明るさも一気に上げる調光制御を行う。
【0041】
これにより、ユーザは、メガネを装着し、3D表示開始の準備ができた状態で、3D表示選択をして、左右交互の映像がそれぞれ左右の眼に映り、立体映像として映像を楽しむことができる。
【0042】
S301にて、映像が2Dと判定された場合には、S308にて、ユーザが3D表示設定をOnにしているかを確認し、ユーザが2D表示設定を選択している場合には、S306の中の通常の2D表示時の調光制御を行い、3D処理は実施しない。すなわち、入力映像が2Dであり、ユーザが3D表示設定も選択していない場合には、何もせず、通常の2D表示制御を行う。
【0043】
S308にて、ユーザが3D表示設定を選択している場合には、S309のL/R分離処理2を行い、S306の調光制御を行う。すなわち、入力映像が2Dにも関わらず、ユーザはメガネをかけ3D表示設定を選択している場合であり、この際は、左眼用画像を複製したものを右眼用画像として(右眼用画像を複製しても良い)、LとRを交互に表示させるのではなく、LとLを交互に表示させ、シャッタ開閉制御を行い、メガネをかけたまま2D映像を楽しむことができる。この際、メガネをかけているので、映像が暗くなるので、S306調光制御では、2D表示時よりも、映像の明るさがA倍になるよう調光制御を行う。
【0044】
これにより、メガネをかけて映像を視聴しているにも関わらず、メガネをかけずに2D映像をみているのと同じ明るさで、2D映像を視聴できる。
【0045】
この処理シーケンスにより、ユーザがメガネをかけていない状態で、入力映像が2Dから3Dまたは、3Dから2Dに遷移しても、映像の明るさは一定な2D映像としてユーザは視聴を継続できる。
【0046】
また、ユーザがメガネをかけて3D表示設定をOnにしている際も、入力映像が2D、3D間を遷移しても、映像の明るさは一定な3Dや2D映像の視聴を継続できる。
【0047】
例えば、メガネをかけ3D表示設定をOnにして、3D映像を楽しんでいる途中で、リモコン装置などを用いて、ユーザがチャネルを切替えて、切替えた先が2D映像だった場合に、メガネをかけた状態で2D映像をみると、メガネの透過率も低いので、映像が暗く見えてしまう課題があるが、本制御方式を利用すると、切替えた先が2D映像であっても、L/R分離処理2、シャッタ制御、調光制御を行い、映像の明るさを一定に保ったまま、2D映像を継続視聴できるメリットがある。
【0048】
また、これにより、ユーザが3D表示設定を選択するまでは、2D表示がなされ、L、Rが重なったような二重像の映像が表示されず、ユーザにとって見づらい映像を見せない効果もある。
【0049】
図4は、第1の実施例の表示装置のL/R分離処理1の動作例を示した図である。
【0050】
L/R分離処理1は、入力映像として、3D映像がTS(400)で入力され、3D表示可能なビデオストリームが出力される処理である。L/R分離処理1(401)の入力として、3D映像のTSが入力され、L/R分離処理111内の2つのビデオストリームバッファに、L、Rを分離して映像を蓄える。バッファの映像をL、R表示タイミングと同期して、タイムシーケンシャルに並べていき、メニューや字幕情報などもオフセット情報を付加して、オーバレイ処理をして結合して、ビデオ出力をする。
【0051】
この処理は、例えば、60Hzで入力されるサイドバイサイドのストリームを、L、Rそれぞれを60Hzで分離し、タイムシーケンシャルに並べることにより、120Hz相当のストリームを作成する。
【0052】
動画の解像度を向上させるために、フレームレート変換で倍速表示を行い、240Hz相当で駆動する表示部105に表示させる。液晶シャッタメガネも表示部と同じ240HzでL、Rを交互に開閉制御をして、左右の眼に視差のある映像を見せて、ユーザに3D映像として見せる場合の処理方法である。
【0053】
本例では、入力3D映像をサイドバイサイドで記載しているが、右目用と左目用のそれぞれの映像が従来同等のデータレート送られてくる場合や、サイドバイサイド、トップアンドボトムとも呼ばれる右目用と左目用の映像を画面に半々で一度に表示する形式も同方式で実現可能である(図6も同様)。
【0054】
図5は、第1の実施例の表示装置のL/R分離処理2の動作例を示した図である。
【0055】
L/R分離処理2は、入力映像として、2D映像がTS(500)で入力され、3D表示と同じ方式で、2D表示可能なビデオストリームが出力される処理である。L/R分離処理2(501)の入力として、3D映像のTSが入力され、L/R分離処理111内の2つのビデオストリームバッファに、L(もしくはR)とL(もしくはR)を複製した映像を蓄える。
【0056】
バッファの映像を3D表示でL、R表示するのと同じタイミングで、L(もしくはR)のビデオストリームをタイムシーケンシャルに並べていき、メニューや字幕情報などもオフセット情報を付加して、オーバレイ処理をして結合して、ビデオ出力をする。
【0057】
この処理は、例えば、60Hzで入力される2D映像のストリームを、1フレームとその複製フレームの2つに60Hzで分離し、タイムシーケンシャルに並べることにより、120Hz相当のストリームを作成する。動画の解像度を向上させるために、フレームレート変換で倍速表示を行い、240Hz相当で駆動する表示部105に表示させる。
【0058】
液晶シャッタメガネも表示部と同じ240HzでL、Rを交互に開閉制御をして、左右の眼に視差のある映像を見せて、ユーザに3D映像として見せる場合の処理方法である。
【0059】
図6は、第1の実施例の表示装置のL/R分離処理3の動作例を示した図である。
【0060】
L/R分離処理3は、入力映像として、3D映像がTS(400)で入力され、メガネをかけずに通常2D映像を視聴する方式のビデオストリームが出力される処理である。L/R分離処理3(600)の入力として、3D映像のTSが入力され、L/R分離処理111内の2つのビデオストリームバッファに、L、Rを分離して映像を蓄える。バッファの映像をL、R表示タイミングと同期して、タイムシーケンシャルに並べていく際に、R(もしくはL)を挿入するタイミングで何も挿入しないか、黒映像を挿入し、メニューや字幕情報などもオフセット情報を付加して、オーバレイ処理をして結合して、ビデオ出力をする。
【0061】
この処理は、例えば、60Hzで入力されるサイドバイサイドのストリームを、L、Rそれぞれを60Hzで分離し、タイムシーケンシャルに並べることにより、120Hz相当のストリームを作成するが、ストリームを作成する際に、図4のRを挿入するタイミングで黒フレームを挿入する方法の例である。
【0062】
液晶シャッタメガネも表示部と同じ動作周波数でL、Rを交互に開閉制御をして、左右の眼に視差のある映像を見せて、ユーザに3D映像として見せる場合の処理方法である。
【0063】
図7は、第1の実施例の表示装置の処理の一例を示した図である。
【0064】
図7において、横軸が時間方向となっている。外部入力部101や放送受信部102、ネットワーク部103から入力された映像が2Dから3D、さらに2Dと切替るような状況の例である。
【0065】
この映像切替えに関しては、放送局側や映像提供側が3D番組中に2DのCM(広告映像)を挿入する場合や、ユーザがリモコン装置を利用して、3D番組視聴中に2D番組にチャネルを切替える場合などが考えられる。
【0066】
まず、時刻t1より前の期間では、2D映像が入力されている。この際は、L/R分離処理を行なわずに、入力映像をデコードなど2D映像処理して、2D表示を行う。時刻t1にて、ユーザがチャネル切替えなどをして、入力映像が3Dに変わった場合には、L、Rの映像を含んだTSが入力され、2D映像表示と同じ出力処理をするL/R分離処理3を行う。
【0067】
時刻t1では、ユーザがまだ3D表示設定を選択していない状況であるので、3D映像を視聴する準備ができていない(メガネをかけずに、表示装置を視聴している状態)と考えられるため、シャッタ開閉信号送信も開始せず、2D映像表示と同じ出力処理、2D表示時相当の調光制御を行う。
【0068】
これにより、表示部105としては、時刻t1以前の2D表示と同じ表示方法が継続いている状態となり、入力映像が2Dから3Dに切替っても、ユーザは映像の明るさに差異を感じることなく、違和感なく映像の視聴を継続することができる。
【0069】
時刻t1からは入力が3D映像であり、放送局などが映像情報に含まれるであろう “3D”映像を放送しているという画面表示情報などに気づいて、時刻t2にて、ユーザはメガネをかけて、3D表示設定をOnにする操作をした場合の例である。
【0070】
この場合には、ユーザの3D表示設定をOnと連動して、3D映像を視聴できるようにするため、シャッタ開閉信号送信を開始し、3D表示を行うL/R分離処理1を開始する。この際、メガネ装着による映像が暗くなるのを防ぐために、調光制御で映像の明るさをA倍に制御して、ユーザがメガネを通して見てもt2よりも前の時刻に表示していた2D表示と同じ明るさに見えるように調整を行う。
【0071】
これにより、メガネをかけたことによる映像の暗さを解消し、t2以前に視聴していた2Dと同じ明るさで3D映像視聴を開始できる。
【0072】
その後時刻t3にて、ユーザがチャネルを切替えるなどして、入力が3Dから2Dに変わった場合に、入力の3D映像をL/R分離処理して、L、Rの片方のLのみを表示するL/R分離処理2を開始する。
【0073】
この場合、ユーザは3D表示設定をOnにしたままなので、メガネをかけて視聴していると想定されるので、シャッタメガネでの開閉制御、表示部105への表示方法、調光制御は、今まで見ていた3Dと同じ表示方法を行う。L/R分離処理2では図5で示した様に、図4に示した3D表示時のL/R分離処理1と同じ出力タイミングで表示が行われ、シャッタメガネを介して、映像をみることができるが、LとRの映像に視差がないので、3D表示時と映像の明るさを変えることなく、2D表示が可能となる。
【0074】
その後時刻t4で、ユーザが、メガネをかけて視聴していても映像に視差を感じないので、入力映像が2Dと気づき、リモコンを使い、3D表示設定をOffにして2D表示に切替えた場合には、ユーザがメガネを外した状態と想定でき、シャッタ開閉信号送信を停止し、さらにL/R分離処理も停止し、2D表示処理を行う。
【0075】
この際に、t4よりも前の時刻では、メガネをかけている想定で、映像をA倍に明るく調光制御をしているので、ユーザがt4でメガネを外した場合には、映像が明る過ぎて見えてしまうことになる。そのため、t1以前の2D表示時の2D表示調光まで戻す必要があるが、一気に2D表示調光まで戻してしまうと、ユーザは違和感を感じるので、時間Tをかけて調光制御し、徐々に映像の明るさを低減していく。
【0076】
これにより、通常の2D視聴環境と同等の明るさまで違和感なく、調整をすることができる。
【0077】
時刻t2では、メガネをかけているので、一気に映像が明るくなっても、ユーザはあまりまぶしさを感じにくいが、時刻t4でメガネを外している状態で、一気に映像が暗くなると、違和感を感じるので、ユーザが3D表示設定をOffにした場合には、時間Tをかけて調光制御し、徐々に映像の明るさを低減していく工夫を行う。
【0078】
これにより、違和感なく、通常の2D視聴環境に合わせた明るさ調整ができることとなる。
【0079】
図8は、第1の実施例の表示装置の調光制御の一例を示した図である。
【0080】
まず、S801にて、ユーザが3D表示設定をOnにしているかを確認し、3D表示設定がOnの場合には、S802にてL/R分離処理111での処理が、メガネを装着した状態時の処理であるL/R分離処理1か2かどうかを判定する。
【0081】
L/R分離処理1か2の場合には、S803にて光センサ106で周囲光を検知して、周囲光に合わせた2D表示調光を算出する。
【0082】
次にS804にて、S803で算出した2D表示調光を、さらにA倍の調光制御を行う。
【0083】
これにより、メガネをかけても、周囲光に合わせた2D表示時と同じ明るさで映像を表示することが可能となる。
【0084】
A倍調光制御した表示をしている際に、ユーザが3D表示設定をOffにした場合には(S805)、ユーザがメガネを外した状況と考えられる。そのため、A倍調光ではユーザには明る過ぎて見えてしまうので、A倍調光から1倍調光に変化させる必要があるが、一気に調光してしまうと、ユーザは映像が急に暗くなったと違和感を感じるため、時間Tをかけて、入力が2Dの場合の映像表示時と同等になるまで、調光制御を行う(S806)。
【0085】
S801にて、ユーザが3D表示設定をしていない場合や、S802にてメガネを装着していない場合を想定したL/R分離処理3やL/R分離処理なしの場合には、光センサ106にて周囲光を検知して、周囲光に合わせた2D表示調光を算出し(S807)、その算出結果に基づき、入力が2Dの場合の映像表示時の調光制御を行う(S808)。
【0086】
図9は、第1の実施例の表示装置のL/R分離処理で行うオーバレイ処理の一例を示した図である。
【0087】
900はメニュー画面、901は字幕などのサブタイトル、902は左眼用ビデオストリーム、903は右眼用ビデオストリーム、904はメニューの飛び出し表示量を調整するための左右の視差を示すオフセット情報、905はサブタイトル用の飛び出し表示量を調整するための左右の視差を示すオフセット情報、906はオーバレイ処理、907は3Dビデオ表示画面、901はサブタイトル表示画面、900はメニュー表示画面を示している。
【0088】
L、R Video902、903のそれぞれに対して、メニュー、サブタイトルのオフセット904、905を付加したビデオ信号を作成し、左右を交互にシーケンシャルに並べて、表示部で表示させることにより、眼が視差を感じて、立体感のある映像表現が可能となる。
【0089】
オフセット情報904、905のメニューやサブタイトルの飛び出し表示量のオフセット値は、入力映像に含まれても良いし、902、903の左右画像のズレから映像の飛び出し表示量を算出して、その飛び出し表示量に合わせてメニューやサブタイトルのオフセット値を算出しても良い。
【0090】
映像の飛び出し表示量よりも、メニューやサブタイトルの飛び出し表示量を大きくして、映像よりも前面にメニューやサブタイトルを表示するなど、ユーザに見せるための奥行き配置をオーバレイ処理で行う。
【0091】
図10は、第1の実施例の表示装置の表示の一例である。
【0092】
図10の(1)は、図7の時刻t1からt2の間にユーザに提示されるメッセージの例である。入力映像が3Dであるが、ユーザが3D表示設定をOnにしていない状況であり、メガネをかけずに2Dとして映像を視聴している場合である。
【0093】
このような場合には、3Dを楽しめるタイミングでもあるので、ユーザに「3Dメガネをして、3Dボタンを押すと、3D映像が楽しめます。」と促す例である。このメッセージは、2D映像を視聴しつつ、ポップアップ表示のような方式で出力することが考えられる。
【0094】
図10の(2)は、図7の時刻t3からt4の間にユーザに提示されるメッセージの例である。ユーザはメガネをかけて、時刻t3まで3D映像を視聴しているが、番組終了やチャネル切替えにより、視聴映像が2Dに切替わった場合に、視聴映像が2Dであることをユーザに通知するメッセージ「2D」ある。
【0095】
ユーザは、「2D」表示を見て、3D表示設定をOffし、メガネを外す。図3のシーケンスにて、t3からt4の間は、メガネをかけていても2D表示を視聴可能であるが、メガネをかける必要はなくなるので、ユーザにそれを通知するメッセージである。
【0096】
これらメッセージは、図10(1)は、時刻t1からt2の間、図10(2)は、時刻t3からt4の間ずっと表示し続けても良いし、ユーザが手動でメッセージ表示をOffできても良いし、ある期間表示されるが、自動的にメッセージ表示をOffにしても良い。
【実施例2】
【0097】
以下、第2の実施例を、図11〜図13を参照して説明する。
【0098】
図11は、第2の実施例の表示装置の構成の一例を示すブロック図であり、実施例1の構成例図1に、人検知センサ1100を加えた構成である。
【0099】
人検知センサ1100は、人感センサやカメラセンサ、マイクセンサなどで構成され、検知エリア内の人物の在不在や視聴状況、視聴者数、視聴者識別などを検知する。
【0100】
本構成により、3D表示設定On中に、ユーザが不在になった場合に3D表示設定を自動的にOffする機能を可能とする。これは、3D表示中に、ユーザが何かの用事で席を立って、映像視聴エリアから居なくなった場合に、3Dメガネを外す場合が多いと考えられる。
【0101】
3Dメガネを外した状態で、映像視聴エリアに戻って来た時に、3D表示をしている(再開)すると、映像がL、Rが重なった2重像に見えてしまう課題があるので、ユーザが不在になったら、自動的に3D表示設定をOffにして、ユーザが席に戻ってきて、再度、3D表示設定をOnにするまでは、3D表示させないための仕組みとなる。
【0102】
図12は、第2の実施例の表示装置の処理の一例を示した図である。
【0103】
実施例1の図3で説明した処理は、同じ番号を利用している。図3のシーケンスに追加となるのは、S302でユーザが3D表示設定をした場合に、S1201において人検知センサを利用して、人検知の有無を判定する処理である。
【0104】
S1201にて、人検知がないと判定された場合には、S1204にて、自動的に3D表示設定をOffし、L/R分離処理3(S303)を開始し、2D表示を行い、周囲光に合わせた3Dメガネ装着なし時の調光制御を行う(S306)。
【0105】
これにより、ユーザが、映像視聴エリアに戻って来た際も、再度、ユーザがメガネをかけて、3D表示設定をOnにするまでは、3D表示をしないことになり、ユーザはメガネを外して戻って来た際に、L、Rが重なった2重像をみなくて済む。
【0106】
人検知なしの場合には、S303後、自動的に表示画面の輝度を低下させるか、消画することにより、省電力化をする仕組みを有しても良い。この際も、ユーザが戻ってきて、画面を表示した際には、3D表示ではなく、2D表示を行うことで、裸眼でL、Rが重なった2重像をみなくて済む。
【0107】
図13は、第2の実施例の表示装置の処理の一例を示した図である。
【0108】
図13において、横軸が時間方向となっている。外部入力部101や放送受信部102、ネットワーク部103から入力された映像が3Dの例である。例えば、放送波で3D放送を受信して視聴している場面や、3Dで配信されるネットワークコンテンツやメディアに保存された3D映像などを視聴している状況である。
【0109】
時刻t1a以前は、ユーザが3D表示設定をする前の状況であり、図7の時刻t1からt2の処理と同じL/R分離処理3により、2D表示を行う。時刻t1aにおいて、ユーザが3D表示設定をOnにした場合、時刻t1aからt2aまでの期間は、3D表示処理を行い、メガネをしていても明るく見えるよう調光制御を行う。
【0110】
時刻t2aにて、3D表示中に不在にするなどの理由で人検知の反応がなくなった場合には、自動的に3D表示設定をOffにする。またこの際、不在であるので、シャッタ開閉動作もOffにする。
【0111】
不在検知から3D表示設定がOffになるので、映像の明るさを調整して2D表示時相当に落とすが、ユーザは不在であるので、この場合は一気に調光を落とす。
【0112】
時刻t2aにおいて、人検知センサで不在検知のみではなく、カメラなどを使って、メガネをしながらの居眠りを検知した場合には、一気に暗くなるのではなく、ゆっくり暗くしていく方法も考えられる。居眠りといっても、一気に暗くなると、起きてしまう場合があるので、徐々に暗くしていき眠りを覚まさせない工夫も考えられる。
【0113】
ユーザが時刻t3aで、メガネを外して戻って来た際には、2D表示相当の調光で映像を視聴できる。メガネをかけたまま戻って来た場合には、映像が暗く見えるので、それが契機となり、ユーザが3D表示設定をOnにして、3D視聴を再開できる効果もある。
【0114】
時刻t3aでユーザが戻って来た際には、図10(1)のようなメッセージを表示し、ユーザに3D表示設定を促しても良い。これらの促しに応じて、時刻t4aで、ユーザが3D表示設定をOnにした場合には、3D表示処理を開始する。
【実施例3】
【0115】
以下、第3の実施例を、図14〜図16を参照して説明する。
【0116】
図14は、第3の実施例の表示装置の利用構成例を示す図である。
【0117】
1400は3D映像の視聴に用いられる3Dメガネ(視聴装置ともいう)であり、1401は3Dメガネをユーザが装着したことを検知するスイッチである。3Dメガネ1400は、立体表示制御装置100に搭載されたシャッタ開閉信号送信部113からの、左右のシャッタの開閉信号と同期して左右のシャッタの開閉制御を行う。
【0118】
1401としては、静電型のタッチスイッチやリレースイッチなどが考えられる。ユーザがメガネを装着することにより、自動的にスイッチが押される仕組みである。1401はスイッチが押されると、立体表示制御装置100に搭載されたリモコンI/F107に、メガネ装着信号を送信し、ユーザがメガネを装着していることを立体表示制御装置100に伝える。
【0119】
これにより、実施例1、2では、3D表示設定のOn、Offはユーザ操作が必要であったが、ユーザ操作がなくても、ユーザがメガネを装着したことを契機に、3D表示を開始できるメリットがある。
【0120】
また、実施例1、2では、ユーザがメガネをかけているかは実際にはわからない状況でも、ユーザが3D表示設定をOnにしたタイミングで3D表示を始めてしまうため、もしメガネをかけていなければ、L、Rが重なった2重像をユーザに見せてしまうが、メガネに装着の有無を検知できれば、上記課題が解消される。
【0121】
図15は、第3の実施例の表示装置の処理の一例を示す図である。
【0122】
実施例1の図3で説明した処理には同じシーケンス番号を利用している。図3のシーケンスから変更となるのは、S301で入力映像が3Dの場合に、S1501において、3DメガネからリモコンI/Fに送信されるメガネ装着信号、メガネ離脱信号を確認して、離脱信号の場合には、L/R分離処理3(S303)を行い、メガネをしていなくても視聴できる2D表示処理を行い、調光制御を行う(S306)ことである。
【0123】
S1501において、メガネ装着信号の場合には、L/R分離処理1(S304)を行い、3D表示を開始する。また、S301において、入力映像が2Dの場合にも、S1502において、メガネ装着信号、メガネ離脱信号を確認する。離脱信号の場合には、2D表示時の調光制御を行う。メガネ装着信号の場合には、2D表示をメガネをかけて視聴している状況であるので、2Dでも明るさを低下させずに表示するL/R分離処理2(S309)、シャッタ開閉信号送信(S305)、調光制御(S306)処理を行う。
【0124】
これにより、メガネ装着の有無に従い、映像の明るさを一定にして、2D、3D表示を視聴することが可能となる。
【0125】
図16は、第3の実施例の表示装置の処理の一例を示す図である。
【0126】
S1601において、メガネ装着スイッチ1401のスイッチのOn、Offを確認し、スイッチが押下されており、ユーザがメガネを装着したことを検知した場合には、立体表示制御装置100に搭載されたリモコンI/F107に対して、メガネ装着信号を発信する(S1602)。
【0127】
その後、シャッタメガネ制御部113からのL/R切替えの同期を取る信号が受信できるかを確認する(S1603)。S1603にて、L/R切替えの同期信号を受信できない場合には、ユーザは、表示装置をみているかどうかも分からない状況で、メガネを装着した状況であり、両眼シャッタを開く(S1604)ことにより、前方を見易くする。
【0128】
S1603において、L/R切替えの同期信号を受信できる場合には、シャッタ開閉動作を開始する(S105)。L/R切替えの同期信号が送信されている場合には、L/R分離処理1か2が動作しており、シャッタに同期して2Dまたは3Dの視聴が可能である。
【0129】
S1601において、メガネ装着スイッチが押されていない場合には、S1606において、リモコンI/F107に対して、メガネ離脱信号を発信する。
【0130】
スイッチが押されていない間、信号を送信し続けると、3Dメガネ1400の電池の持ちが悪いので、メガネ装着がOnの状態から、Offの状態に切替わる時のみメガネ離脱信号を発信しても良い。
【0131】
メガネ離脱信号を発信後、メガネは利用されないことが多いので、省エネモードや、電力を最大限に抑えるスタンバイモードに遷移する(S1607)。これにより、メガネ未使用時は、電力を消費しない効果がある。
【実施例4】
【0132】
以下、第4の実施例を、図17を参照して説明する。
【0133】
図17は、第4の実施例の表示装置の処理の一例を示す図である。
【0134】
S1701の判定で、3D放送やメディアに記録された3Dコンテンツを入力として、3Dメガネをかけ、3D表示をしている場合に、S1702において、放送受信部102またはネットワーク部103より緊急放送を信号した場合には、S1703にて、2D表示出力を行うL/R分離処理3を行い、S1704にて調光制御を行う。さらに、S1705にて液晶シャッタメガネに対して、両眼のシャッタを開く信号を送信する。これにより、3D表示が2Dになり、緊急放送で送られてきた文字や映像情報を2Dで暗くならずに視聴することができる。
【0135】
また、S1703にて、L/R分離処理2を行い、S1705にて両眼のシャッタを開く信号を送信することも考えられる。この場合の調光制御は、メガネをかけたことを前提としたA倍調光なので、ユーザにとっては明る過ぎて見えてしまうが、緊急性を伝える効果はあると考えられる。
【0136】
上記の各実施例により、例えばユーザが2D、3D切替えをした場合に生じる明るさの差を軽減し、映像の見易さを向上することができる。
【0137】
これら実施例1から4は、利用するメガネは液晶シャッタ方式に関して記載しているが、偏光メガネ方式でも同様な処理が可能である。また、立体表示制御装置で動作するプログラムは、立体表示制御装置内に実装してあっても良いし、記録媒体に記録して提供するようにしても良いし、ネットワークを介してダウンロードして提供するようにしても良い。これら配布形態を限定しないことで、様々な利用形態での提供が可能となり、利用ユーザを増やす効果がある。
【0138】
また、実施例中の3Dメガネとは、例えば右目用シャッタと左目用シャッタとを有する液晶シャッタ方式に対応したメガネや、偏光レンズを有するメガネ等で、3D映像の視聴においてユーザが装着するものを示し、「視聴装置」ともいう。
【符号の説明】
【0139】
100 立体表示制御装置
101 外部入力部
102 放送受信部
103 ネットワーク部
104 映像・音声制御部
105 表示部
106 光センサ部
107 リモコンI/F部
108 調光制御部
109 L/R分離処理
110 記録再生制御部
111 記録装置
112 オーバレイ処理
113 シャッタメガネ制御
200 液晶シャッタメガネ
201 リモコン装置
400 入力3D映像(TS)
401 L/R分離処理1
402 ビデオストリームバッファ
900 メニュー
901 サブタイトル
902 L Videoストリーム
903 R Videoストリーム
904 メニューオフセット情報
905 サブタイトルオフセット情報
906 オーバレイ処理
907 3Dビデオ
1100 人検知センサ
1400 液晶シャッタメガネ
1401 装着有無検知スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する表示装置であって、
映像情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された映像情報を表示する表示部とを備え、
表示する映像を3D映像から2D映像に切替えると、表示する映像の明るさを所定の時間をかけて変更する表示装置。
【請求項2】
映像を表示する表示装置であって、
映像情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された映像情報を表示する表示部とを備え、
前記入力部に入力された3D映像情報を前記表示部に2D映像として表示する場合に、当該3D映像の左目用映像と右目用映像とを分離し、左目用映像または右目用映像と、黒映像とを交互に表示する表示装置。
【請求項3】
映像を表示する表示装置であって、
映像情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された映像情報を表示する表示部とを備え、
前記表示部が3D映像を表示する状態である場合には、入力された2D映像情報と当該2D映像情報と同じ映像情報とを交互に表示する表示装置。
【請求項4】
映像を表示する表示装置であって、
映像情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された映像情報を表示する表示部とを備え、
前記表示部が3D映像を表示する状態から3D映像を表示しない状態に変更されると、前記表示部で表示する映像の輝度を下げる表示装置。
【請求項5】
請求項4の表示装置であって、
前記映像の輝度は、所定の時間をかけて下げられる表示装置。
【請求項6】
映像を表示する表示装置であって、
映像情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された映像情報を表示する表示部と。
ユーザを検知する検知部とを備え、
前記表示部は3D映像を表示する状態と3D映像を表示しない状態とを有し、
前記検知部がユーザの不在を検知すると、前記表示部を3D映像を表示する状態から3D映像を表示しない状態に変更する
表示装置。
【請求項7】
請求項2の表示装置であって、
前記入力部に入力された3D映像情報を前記表示部に2D映像として表示する場合に、前記表示部を3D映像を表示する状態に変更することを促すメッセージを表示する表示装置。
【請求項8】
請求項3の表示装置であって、
前記表示部が3D映像を表示する状態である場合に前記入力部に2D映像情報が入力されると、前記表示部を3D映像を表示しない状態に変更することを促すメッセージを表示する表示装置。
【請求項9】
右目用シャッタと、
左目用シャッタと、
を有する視聴装置であって、
ユーザが当該視聴装置を装着していることを示す信号を送信する視聴装置。
【請求項10】
映像を表示する表示装置であって、
映像情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された映像情報を表示する表示部とを備え、
ユーザが3D映像を視聴する際に用いる装置から当該装置をユーザが装着したことを示す信号を受信すると、前記表示部を3D映像を表示する状態に切替える表示装置。
【請求項11】
映像を表示する表示装置であって、
映像情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された映像情報を表示する表示部とを備え、
前記表示部に3D映像を表示している場合に、緊急放送を受信すると、前記表示部を3D映像を表示する状態から2D映像を表示する状態に切替える表示装置。
【請求項1】
映像を表示する表示装置であって、
映像情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された映像情報を表示する表示部とを備え、
表示する映像を3D映像から2D映像に切替えると、表示する映像の明るさを所定の時間をかけて変更する表示装置。
【請求項2】
映像を表示する表示装置であって、
映像情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された映像情報を表示する表示部とを備え、
前記入力部に入力された3D映像情報を前記表示部に2D映像として表示する場合に、当該3D映像の左目用映像と右目用映像とを分離し、左目用映像または右目用映像と、黒映像とを交互に表示する表示装置。
【請求項3】
映像を表示する表示装置であって、
映像情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された映像情報を表示する表示部とを備え、
前記表示部が3D映像を表示する状態である場合には、入力された2D映像情報と当該2D映像情報と同じ映像情報とを交互に表示する表示装置。
【請求項4】
映像を表示する表示装置であって、
映像情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された映像情報を表示する表示部とを備え、
前記表示部が3D映像を表示する状態から3D映像を表示しない状態に変更されると、前記表示部で表示する映像の輝度を下げる表示装置。
【請求項5】
請求項4の表示装置であって、
前記映像の輝度は、所定の時間をかけて下げられる表示装置。
【請求項6】
映像を表示する表示装置であって、
映像情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された映像情報を表示する表示部と。
ユーザを検知する検知部とを備え、
前記表示部は3D映像を表示する状態と3D映像を表示しない状態とを有し、
前記検知部がユーザの不在を検知すると、前記表示部を3D映像を表示する状態から3D映像を表示しない状態に変更する
表示装置。
【請求項7】
請求項2の表示装置であって、
前記入力部に入力された3D映像情報を前記表示部に2D映像として表示する場合に、前記表示部を3D映像を表示する状態に変更することを促すメッセージを表示する表示装置。
【請求項8】
請求項3の表示装置であって、
前記表示部が3D映像を表示する状態である場合に前記入力部に2D映像情報が入力されると、前記表示部を3D映像を表示しない状態に変更することを促すメッセージを表示する表示装置。
【請求項9】
右目用シャッタと、
左目用シャッタと、
を有する視聴装置であって、
ユーザが当該視聴装置を装着していることを示す信号を送信する視聴装置。
【請求項10】
映像を表示する表示装置であって、
映像情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された映像情報を表示する表示部とを備え、
ユーザが3D映像を視聴する際に用いる装置から当該装置をユーザが装着したことを示す信号を受信すると、前記表示部を3D映像を表示する状態に切替える表示装置。
【請求項11】
映像を表示する表示装置であって、
映像情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された映像情報を表示する表示部とを備え、
前記表示部に3D映像を表示している場合に、緊急放送を受信すると、前記表示部を3D映像を表示する状態から2D映像を表示する状態に切替える表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−191347(P2011−191347A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55285(P2010−55285)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
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