説明

表示装置及び該表示装置を備えた車両用計器装置

【課題】簡単な構成でフラット回路体の接続信頼性を高めて、各種の情報を液晶表示素子に確実に表示させることができる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置1は、各種情報を表示する液晶パネル10と、該液晶パネル10の内部から外部に導出される接続ケーブル10bと、液晶パネル10を保持するホルダ21と、該ホルダ21を覆うカバー部材27とを備えている。ホルダ21は、底壁22と周壁23とを有したケース状に形成されており、底壁22の外縁部から延設され且つ液晶パネル10の接続ケーブル10bを表面上に位置付けて、ホルダ21外部に導出する導出部25を備えている。カバー部材27は、前面壁28と周壁29とを有したケース状に形成されており、周壁29の端部から延設され且つカバー部材27がホルダ21に装着された際に該ホルダ21の導出部25の凹部26の表面上に位置付けられた接続ケーブル10bを覆う覆い部29aを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の情報を表示する液晶表示素子と、この液晶表示素子の背面側に配された光源ユニットと、これら液晶表示素子と光源ユニットとの間に配置された光学シートと、を備えた表示装置、及び、該表示装置を備えた車両用計器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ、各種のコンピュータ、携帯情報端末、カーナビゲーション等に用いられる表示装置において、例えば、軽量化、薄型化、低消費電力化などを図ることができる液晶表示装置(例えば、特許文献1を参照。)が提案されている。
【0003】
特許文献1に開示された液晶表示装置は、一対の透明基板の間に液晶を封入してなる液晶パネルと、この液晶パネルの背面側に配置して該液晶パネルに光を照射する光源ユニットと、液晶パネルと光源ユニットとを互いに積層した状態で収容する背面ケースと、該背面ケースの前面側に取り付けられ且つ液晶パネルの表示面を露出する露出部が設けられた前面カバーとを備えている。
【0004】
液晶パネルは、当該液晶パネルの内部から外部に導出されたフラット回路体(FPC)を備えている。背面ケースは、外表面に当該背面ケースを切り起こして形成された保持部と、この保持部に着脱可能な保護板と、を備えている。
【0005】
前述した構成の液晶表示装置は、背面ケース内に液晶パネルを収容するとともに、背面ケース外にフラット回路体を導出して、このフラット回路体を保持部内に位置付けて該保持部に保護板を取り付けることで、フラット回路体を背面ケースに押し付けた状態で保持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−333606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述した特許文献1に開示された液晶表示装置は、背面ケース外に導出されたフラット回路体を、背面ケースの外表面に設けられた保持部内に位置付け且つ該保持部に保護板を取り付けることで、背面ケースに押し付けた状態で保持しているため、フラット回路体が背面ケース外に露出した状態となり、フラット回路体が破損する虞があった。また、保持部に保護板を取り付けてFPCを保持しているので、組み付け時の作業性が悪く、部品点数が増加する傾向であった。
【0008】
このように、前述した特許文献1に示された液晶表示装置では、組み付け時の作業性が悪く、部品点数が増加するとともに、組み付け時にFPC(フラット回路体)が破損する虞があるという問題があった。
【0009】
したがって、本発明は、上述した問題点に鑑み、簡単な構成でフラット回路体の接続信頼性を高めて、各種の情報を液晶表示素子に確実に表示させることができる表示装置、及び、該表示装置を備えた車両用計器装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、各種の情報を表示する液晶表示素子と、前記液晶表示素子の内部から外部に導出されるフラット回路体と、前記液晶表示素子を保持するホルダと、前記ホルダを覆い且つ前記液晶表示素子を露出する露出部が設けられたカバー部材と、を備えた表示装置1であって、前記ホルダから延設されるとともに、前記フラット回路体を表面上に位置付けて前記ホルダ外部へ導出する導出部と、前記カバー部材から延設されるとともに、前記カバー部材が前記ホルダに取り付けられた際に、前記導出部の前記表面上に位置付けられた前記フラット回路体を覆う覆い部と、を備えていることを特徴とする表示装置である。
【0011】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の発明において、前記導出部が、前記フラット回路体の導出方向に沿って延在し且つ内側に前記覆い部が位置付けられる凹部を備えていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に記載された発明は、請求項2に記載の発明において、前記覆い部が、幅方向の両端から突出したレール部を備え、前記凹部が、前記フラット回路体の導出方向に沿って延在するとともに、前記レール部が侵入して該レール部の移動を案内する案内溝を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項4に記載された発明は、車両に搭載され、文字板に形成された指標部と前記文字板の前方に設けられた指針とが協働して前記車両の状態を示す車両用計器装置において、前記請求項1乃至請求項3に記載の表示装置を備え、前記表示装置が、前記文字板の前記車両の乗員側に配置されていることを特徴とする車両用計器装置である。
【0014】
請求項1に記載された発明によれば、ホルダから延設され且つフラット回路体を表面上に位置付けてホルダ外部へ導出する導出部と、カバー部材から延設され且つカバー部材がホルダに取り付けられた際に該ホルダの導出部の表面上に位置付けられたフラット回路体を覆う覆い部と、を備えているので、カバー部材をホルダに取り付けることで、ホルダの導出部とカバー部材の覆い部とによってホルダ外部に導出されたフラット回路体を保護することができる。このため、部品点数及び組み立て工数を増加させること無く、フラット回路体の破損を防止して該フラット回路体の接続信頼性を向上することができる。
【0015】
請求項2に記載された発明によれば、導出部が、フラット回路体の導出方向に沿って延在し且つ内側に覆い部が位置付けられる凹部を備えているので、カバー部材の覆い部をホルダの導出部の凹部内に位置付けることで、ホルダにカバー部材を位置決めすることができる。このため、ホルダとカバー部材とを容易に組み付けることができるとともに、ホルダとカバー部材との組み付け不良の発生を防止することができる。
【0016】
請求項3に記載された発明によれば、覆い部が幅方向の両端から突出したレール部を備えているとともに、凹部がフラット回路体の導出方向に沿って延在し且つレール部が侵入して該レール部の移動を案内する案内溝を備えているので、カバー部材の覆い部をホルダの導出部の凹部内にフラット回路体の導出方向に沿って挿入することができる。
【0017】
請求項4に記載された発明によれば、車両用計器装置が、請求項1乃至請求項3に記載の表示装置を備えているとともに、該表示装置が文字板の車両の乗員側に配置されているので、簡単な構成でフラット回路体の接続信頼性の向上を図ることで、各種の情報を液晶表示素子に確実に表示させることができ、よって、車両の乗員に対して確実に各種の情報を表示することができる。また、覆い部によりフラット回路体が車両の乗員に対して遮蔽されているため、装飾性を向上することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、請求項1に記載の発明は、カバー部材をホルダに取り付けることで、ホルダの導出部とカバー部材の覆い部とによってホルダ外部に導出されたフラット回路体を保護することができるので、部品点数及び組み立て工数を増加させること無く、フラット回路体の破損を防止して該フラット回路体の接続信頼性を向上することができる。このため、簡単な構成でフラット回路体の接続信頼性を高めて、各種の情報を液晶表示素子に確実に表示させることができる。
【0019】
請求項2に記載の発明は、カバー部材の覆い部をホルダの導出部の凹部内に位置付けることで、カバー部材とホルダとを位置決めすることができるので、ホルダとカバー部材とを容易に組み付けることができるとともに、ホルダとカバー部材との組み付け不良の発生を防止することができる。このため、組み付け性の向上を図ることができる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、カバー部材の覆い部をホルダの導出部の凹部内にフラット回路体の導出方向に沿って挿入することができるので、カバー部材の覆い部をホルダの導出部の凹部内に位置付けることで、組付け軌跡が規制されて、カバー部材とホルダとを確実に位置決めすることができる。
【0021】
請求項4に記載の発明は、前述した表示装置を備えているとともに、該表示装置が文字板の車両の乗員側に配置されているので、簡単な構成でフラット回路体の接続信頼性の向上を図ることで、各種の情報を液晶表示素子に確実に表示させることができ、よって、車両の乗員に対して確実に各種の情報を表示することができる。また、覆い部によりフラット回路体が車両の乗員に対して遮蔽されているため、装飾性を向上することができる。したがって、視認性及び装飾性に優れた車両用計器装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の表示装置を備えた車両用計器装置の正面を示す平面図である。
【図2】図1に示された表示装置を示す斜視図である。
【図3】図2に示された表示装置のカバー部材を取り外した状態を示す斜視図である。
【図4】図1中のIV−IV線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態にかかる表示装置及び該表示装置を備えた車両用計器装置を、図1乃至図4を参照して説明する。本発明の一実施形態にかかる表示装置1は、自動車等の車両に搭載される公知の車両用計器装置2に用いられる。この車両用計器装置2は、車両の乗員に対して該車両の状況を表示する装置である。
【0024】
車両用計器装置2は、図1又は図4に示すように、指針式の表示計器としての車両の速度を表示するスピードメータ3と、車両の状況を示す各種情報を表示する表示装置1と、各種の電子部品等が実装されたプリント配線板4と、これらスピードメータ3と表示装置1とプリント配線板等を収容する計器ケース5と、計器ケース5の車両の乗員側即ち前面側に配された見返し部材6と、見返し部材6の乗員側即ち前面側を覆う透明カバー7等を備えている。
【0025】
なお、本実施形態では、説明を簡単化するために、車両の速度を示す指針式の表示計器であるスピードメータ3のみ備えた構成としているが、他にも車両のエンジン回転数を示す回転計、エンジンの冷却水温度を示す水温計、燃料残量を示す燃料計等の指針式計器を備えた構成としても良いことは勿論である。
【0026】
スピードメータ3は、図1又は図2に示すように、表面(視認者側の面)に車速度表示用の目盛及び数字、文字又は記号等の指標部31が設けられた文字板30と、この文字板30の視認者側に配される指針32と、この指針32が取り付けられるムーブメント35と、文字板30の指標部31の外周に配される装飾リング37と、を備えている。
【0027】
文字板30は、透光性の合成樹脂等からなり、円盤状に形成されている。文字板30は、表面に遮光層が設けられており、この遮光層の指標部31の部分が除かれることで該指標部31が形成されている。文字板30は、指標部31が指針32の回動許容範囲に対応して略円弧状に配置されているとともに、該指標部31が背後からの光を前方(乗員側)に透過することで車両の乗員(利用者)に発光視認される。
【0028】
指針32は、アクリル樹脂等の透光性を有する材料等から構成されており、中心軸となる基端部33と、該基端部33から直線状に延び且つ前述した指標部31を指示する指示部34と、を備えている。指針32は、文字板30の指標部31の中央部に基端部33が位置した状態で、ムーブメント35の後述する出力軸36に取り付けられて、文字板30の車両の乗員側即ち前面側に配置される。そして、指針32は、ムーブメント35の後述する出力軸36と一体となって回転する。
【0029】
そして、前述した構成の指針32は、図示しない車速計測手段が計測した計測量に応じてムーブメント35によって回動されて、文字板30に設けられた指標部31と協働して計測量を表示する。また、指針32は、例えば夜間等の暗い時等において、基端部33にプリント配線板4の後述するLED38からの光が入射されて、入射した光を指示部34の先端に向かって反射して該指示部34が光輝する。
【0030】
ムーブメント35は、図2に示すように、プリント配線板4の視認者から離れた側即ち背面側に取り付けられて計器ケース5内に収容されているとともに、車両に搭載された図示しない車速度計測手段と接続されている。ムーブメント35は、車速度計測手段が計測した計測量等に応じて回転する出力軸36を備えている。
【0031】
装飾リング37は、平面形状がリング状に形成されており、文字板30の表面(乗員から視認される面)に取り付けられて、車両の乗員側から見て文字板30の指標部31の外周縁を縁取るように設けられている。
【0032】
表示装置1は、図1又は図4に示すように、前述した指針32の基端部33を覆うように該基端部33の車両の乗員側に配置されている。即ち、表示装置1は、前述した文字板30の車両の乗員側に配置される。そして、表示装置1は、シフトポジション、走行距離、平均速度、燃料残量などの車両の状態を示す各種の情報を表示する。この表示装置1の詳細な構成については後述する。
【0033】
プリント配線板4は、可撓性を有さない比較的硬質な材料からなり、略矩形の平板状に形成されている。プリント配線板4は、前述した指標部31及び指針32等を照明する複数のLED38と、前述したムーブメント35と、これらの複数のLED38とムーブメント35及び表示装置1の後述する液晶パネル10や光源ユニット11等の動作を制御するための制御ユニットなどの電子部品等が、電気的に接続されて実装されている。そして、プリント配線板4は、計器ケース5の後述するケース本体40の前面壁41及び裏カバー45の底壁46と略平行に配されるとともに、ケース本体40と裏カバー45との間に取り付けられて、計器ケース5内に収容される。
【0034】
計器ケース5は、合成樹脂等から形成されており、図4に示すように、ケース本体40と、裏カバー45と、を備えている。ケース本体40は、車両の乗員に相対する前面壁41と、この前面壁41の外周縁から車両の乗員から離れる方向に延びた周壁42と、を備えている。ケース本体40は、乗員から離れる側、即ち、背面側に開口する箱状に形成されている。
【0035】
前面壁41には、前述したムーブメント35の出力軸36を通すとともに、プリント配線板4の複数のLED38からの光を文字板30及び指針32側へ通すための複数の開口部43が設けられている。周壁42は、ケース本体40の外郭を形成する。そして、ケース本体40は、前面壁41の車両の乗員側の面に文字板30が重ねられて、この文字板30を前面壁41との間に挟む格好で装飾リング37が取り付けられる。
【0036】
裏カバー45は、図4に示すように、底壁46と該底壁46の外周縁から立設し且つ車両の乗員側に延びた周壁47とを備えて、視認者側即ちケース本体40側に開口したケース状に形成されている。裏カバー45は、ケース本体40の視認者から離れた側即ち背面側に取り付けられて、該ケース本体40の開口を閉塞する。
【0037】
見返し部材6は、合成樹脂等から形成されており、図4に示すように、スピードメータ3及び表示装置1に対応する部分に開口が設けられている。見返し部材6は、計器ケース5のケース本体40の車両の乗員側即ち前面側に取り付けられて、スピードメータ3及び表示装置1の表示部分以外を車両の乗員に対して遮蔽する。
【0038】
透明カバー7は、透明性を有する樹脂等で構成され且つ平板状に形成されている。透明カバー7は、図4に示すように、計器ケース5のケース本体40の前面壁41との間に見返し部材6を挟む格好で該ケース本体40に取り付けられる。そして、透明カバー7は、スピードメータ3、表示装置1及び見返し部材6等の車両の乗員側即ち前面側を覆って、車両用計器装置2内へ埃等が侵入するのを防ぐ。
【0039】
前述した表示装置1は、図2乃至図4に示すように、液晶表示素子としての液晶パネル10と、前記液晶パネル10の車両の乗員から離れた背面側に配置されて該液晶パネル10を照明する光源ユニット11(図4に示す)と、これら液晶パネル10と光源ユニット11との間に配置された複数のレンズシート17(図4に示す)と、液晶パネル10と複数のレンズシート17と光源ユニット11とを積層した状態で収容するケース20と、を備えている。
【0040】
液晶パネル10は、背面側からの光が透過可能な周知であるLCD(液晶ディスプレイ)が用いられる。また、液晶パネル10は、当該液晶パネル10の内部から外部に導出されたフラット回路体としての接続ケーブル10bを備えている。接続ケーブル10bは、周知である薄型のFFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)やFPC(フレキシブル・プリント・サーキット)等が用いられる。接続ケーブル10bは、一端部が液晶パネル10と電気的に接続され且つ他端部が前述したプリント配線板4の制御ユニット(図示せず)と電気的に接続されている。
【0041】
前述した構成の液晶パネル10は、接続ケーブル10bを介して前述したプリント配線板4に設けられた制御ユニット(図示せず)と電気的に接続されている。そして、液晶パネル10は、制御ユニットの制御によって、シフトポジション、走行距離、平均速度、燃料残量などの車両の状態を示す各種の情報を表示面10aに表示する。
【0042】
なお、本実施形態では、液晶パネル10としてLCD(液晶ディスプレイ)を用いるが、例えば、TFT液晶(薄膜トランジスタ)やDSTN(Dual-scan Super Twisted Nematic)液晶などを用いても良く、また、蛍光表示管(VFD)等の自発光デバイスを用いることができる。
【0043】
光源ユニット11は、図4に示すように、液晶パネル10の車両の乗員から離れた背面側に対向するように配置されており、液晶パネル10を照明するための光源14が実装された光源用基板13と、前記光源14からの光を液晶パネル10に導く導光板12と、該導光板12の車両の乗員から離れた背面側に配置された反射シート16と、を備えている。
【0044】
光源用基板13は、可撓性を有していない比較的硬質な材料からなり、略矩形の平板状に形成されている。光源用基板13は、図4に示すように、ケース20の後述するホルダ21の基板収容部24内に収容された際に、導光板12の後述する受光部12aと相対する面に、LEDやバルブ等の光源14と、コネクタ15と、が設けられている。そして、光源用基板13は、コネクタ15に電線15a等が接続されて、該電線15aによって前述したプリント配線板4と電気的に接続されている。なお、前記電線15aには、周知である薄型のFFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)やFPC(フレキシブル・プリント・サーキット)等が用いられる。
【0045】
導光板12は、透光性を有する合成樹脂等で構成され且つ平板状に形成されており、図4に示すように、外周の一部に光源14からの光を受光する受光部12aが設けられている。導光板12は、液晶パネル10の車両の乗員から離れた背面側に配置されて、該液晶パネル10と光源14との間に介在するようにケース20の後述するホルダ21内に収容される。そして、導光板12は、受光部12aで受光した光源14からの光を液晶パネル10に向けて出射する。
【0046】
反射シート16は、合成樹脂等からなり、薄膜状に形成されている。反射シート16は、図4に示すように、導光板12の車両の乗員から離れた背面側に配置されて、該導光板12と積層されてケース20の後述するホルダ21内に収容される。そして、反射シート16は、導光板12を透過した光源14からの光を該導光板12に向かって反射する。
【0047】
そして、前述した構成の光源ユニット11は、液晶パネル10が表示を行う際に、前述した制御ユニットの制御によって点灯して、液晶パネル10を透過させるための光、即ち液晶パネル10を発光させるための光を発する。
【0048】
複数のレンズシート17は、透光性を有する合成樹脂等からなり、薄膜状に形成されている。複数のレンズシート17は、外形が前述した液晶パネル10と略等しく形成されている。複数のレンズシート17は、図4に示すように、液晶パネル10と光源ユニット11の導光板12との間に配置されて、これら液晶パネル10及び導光板12と積層された状態でケース20の後述するホルダ21内に収容される。
【0049】
そして、前述した複数のレンズシート17は、光源ユニット11の導光板12を透過した光源14からの光を液晶パネル10の車両の乗員側即ち前面側に集束させる。なお、本実施形態では、複数のレンズシート17を積層して用いているが、例えば、偏光シートや輝度向上シートなどの光学シートを用いても良く、各々異なる光学特性を有する複数の光学シートを用いることができる。
【0050】
ケース20は、絶縁性の合成樹脂で構成され、図2又は図3に示すように、ホルダ21と、該ホルダ21を覆うカバー部材27と、を備えている。
【0051】
ホルダ21は、図3又は図4に示すように、円盤状の底壁22と、該底壁22の外周縁から立設し且つ車両の乗員側に延びた略円筒状の周壁23とを備えて、乗員側に開口したケース状に形成されている。また、ホルダ21は、液晶パネル10を保持する一対の保持片23aと、光源用基板13を収容する基板収容部24と、液晶パネル10の接続ケーブル10bを当該ホルダ21外部に導出する導出部25と、を備えている。
【0052】
一対の保持片23aは、それぞれ、周壁23の底壁22から離れた端部に突設されている。一対の保持片23aは、周壁23の径方向に相対して配置されている。一対の保持片23aは、互いに離れる方向に弾性変形可能に形成されている。そして、一対の保持片23aは、互いの間に前述した液晶パネル10を挟んで該液晶パネル10を保持する。
【0053】
基板収容部24は、底壁22を貫通して形成されているとともに、周壁23と隣接するように設けられている。基板収容部24は、前述した光源用基板13の光源14を導光板12の受光部12aと相対させた状態で、該光源用基板13を内側に収容する。
【0054】
導出部25は、底壁22の外縁部から車両の乗員から離れる方向に向かって延設されている。即ち、導出部25は、底壁22を挟んで周壁23と反対の方向に延びている。また、導出部25には、外表面から凹状に形成された凹部26が設けられている。凹部26は、導出部25の底壁22と連なる一端から該底壁22から離れた他端に向かって延在している。そして、凹部26は、表面上に前述した接続ケーブル10bが位置付けられて、該接続ケーブル10bをホルダ21外部に導出する。この凹部26の延在方向は、接続ケーブル10bの導出方向となる。
【0055】
また、凹部26には、内面から凹状に形成された案内溝52が設けられている。案内溝52は、凹部26の延在方向、即ち、導出部25の底壁22と連なる一端から該底壁22から離れた他端に向かって延在している。案内溝52は、凹部26に複数設けられており、凹部26の延在方向と直交する幅方向の両側部に、互いに平行に配置されている。そして、案内溝52には、カバー部材27の後述する覆い部29aのレール部51が侵入して、前記覆い部29aを凹部26内に該凹部26の表面に沿って挿入させる。即ち、案内溝52は、内側にレール部51が侵入して、覆い部29aを凹部26内に接続ケーブル10bの導出方向に沿って挿入させる。
【0056】
前述した構成のホルダ21は、周壁23の内側に前述した光源ユニット11の反射シート16及び導光板12と複数のレンズシート17とを収容することで、底壁22の表面に反射シート16と導光板12と複数のレンズシート17とを順次積層した状態で位置付ける。そして、一対の保持片23aにより複数のレンズシート17の前面側に液晶パネル10を重ねた状態で該液晶パネル10を保持するとともに、液晶パネル10の接続ケーブル10bを導出部25の凹部26の表面上に位置付けて当該ホルダ21外部へ導出する。
【0057】
カバー部材27は、車両の乗員に相対する前面壁28と、この前面壁28の外周縁から車両の乗員から離れる方向に延びた周壁29とを備えて、乗員から離れる側即ち背面側に開口したケース状に形成されている。周壁29は、カバー部材27がホルダ21に取り付けられた際に該ホルダ21の周壁23の外周を覆うように設けられており、ケース20の外郭を形成する。
【0058】
また、カバー部材27は、液晶パネル10の表示面10aを車両の乗員に対して露出する露出部28aと、前述した導出部25の凹部26の表面上に位置付けられた接続ケーブルを覆う覆い部29aと、を備えている。露出部28aは、前面壁28を貫通して略円形状に形成されている。
【0059】
覆い部29aは、帯板状に形成されているとともに、周壁29の前面壁28から離れた端部に、該周壁29の前面壁28から立設する方向に沿って延設されている。覆い部29aは、カバー部材27が前述したホルダ21に取り付けられた際に、該ホルダ21の導出部25の凹部26内に位置付けられる。
【0060】
また、覆い部29aには、幅方向の両端部から凸状に形成されたレール部51が設けられている。レール部51は、覆い部29aの延設方向に沿って延在しているとともに、覆い部29aの幅方向の両側部に互いに平行に配置されている。そして、レール部51は、前述した導出部25の凹部26に設けられた案内溝52内に侵入して、覆い部29aを凹部26内に該凹部26の表面に沿って挿入させる。即ち、レール部51は、案内溝52内に侵入して、覆い部29aを凹部26内に接続ケーブル10bの導出方向に沿って挿入させる。
【0061】
以下に、前述した構成の表示装置1を組み立てる方法を説明する。
【0062】
まず、反射シート16と導光板12とを順次ホルダ21の底壁22の表面に重ねるとともに、光源用基板13をホルダ21の基板収容部24内に収容し且つ電線15aを基板収容部24内を通してホルダ21外部に導出させて、ホルダ21内に光源ユニット11を収容する。そして、複数のレンズシート17を光源ユニット11の導光板12の前面側に順次重ねて、光源ユニット11の導光板12と複数のレンズシート17とを互いに積層させた状態で、ホルダ21内に収容する。
【0063】
次に、液晶パネル10をホルダ21内に収容された複数のレンズシート17の前面側に重ねて、ホルダ21の一対の保持片23aの間に液晶パネル10を挟むことで、該液晶パネル10を一対の保持片23a即ちホルダ21が保持するとともに、接続ケーブル10bをホルダ21の導出部25の凹部26の表面上に位置付けて該ホルダ21外部に導出させる。
【0064】
最後に、図3に示すように、ホルダ21とカバー部材27とを同軸上に並ぶように相対させて、ホルダ21の導出部25の凹部26に設けられた案内溝52内にカバー部材27の覆い部29aに設けられたレール部51を侵入させることで、カバー部材27の覆い部29aをホルダ21の導出部25の凹部26内に該凹部26の表面に沿って挿入していき、カバー部材27をホルダ21に取り付ける。
【0065】
すると、カバー部材27がホルダ21を覆って、カバー部材27の露出部28aから液晶パネル10の表示面10aが露出するとともに、カバー部材27の覆い部29aがホルダ21の導出部25の凹部26内に位置付けられて、覆い部29aが導出部25の凹部26の表面上に位置付けられた接続ケーブル10bを覆う。こうして、表示装置1が組み立てられる。
【0066】
本実施形態によれば、ホルダ21から延設され且つ接続ケーブル10bを表面上に位置付けてホルダ21外部へ導出する導出部25と、カバー部材27から延設され且つカバー部材27がホルダ21に取り付けられた際に該ホルダ21の導出部25の表面上に位置付けられた接続ケーブル10bを覆う覆い部29aと、を備えている。
【0067】
このため、カバー部材27をホルダ21に取り付けることで、ホルダ21の導出部25とカバー部材27の覆い部29aとによってホルダ21外部に導出された接続ケーブル10bを保護することができるので、部品点数及び組み立て工数を増加させること無く、接続ケーブル10bの破損を防止して該接続ケーブル10bの接続信頼性を向上することができる。したがって、簡単な構成で接続ケーブル10bの接続信頼性を高めて、各種の情報を液晶パネル10に確実に表示させることができる。
【0068】
また、導出部25が、接続ケーブル10bの導出方向に沿って延在し且つ内側に覆い部29aが位置付けられる凹部26を備えているので、カバー部材27の覆い部29aをホルダ21の導出部25の凹部26内に位置付けることで、カバー部材27とホルダ21とを位置決めすることができる。このため、ホルダ21とカバー部材27とを容易に組み付けることができるとともに、ホルダ21とカバー部材27との組み付け不良の発生を防止することができる。したがって、組み付け性の向上を図ることができる。
【0069】
さらに、覆い部29aが幅方向の両端から突出したレール部51を備えているとともに、凹部26がフラット回路体10bの導出方向に沿って延在し且つレール部51が侵入して該レール部51の移動を案内する案内溝52を備えているので、カバー部材27の覆い部29aをホルダ21の導出部25の凹部26内にフラット回路体10bの導出方向に沿って挿入することができる。このため、カバー部材27の覆い部29aをホルダ21の導出部25の凹部26内に位置付けることで、組付け軌跡が規制されて、カバー部材27とホルダ21とを確実に位置決めすることができる。
【0070】
また、本実施形態の車両用計器装置2は、前述した表示装置1を備えているとともに、該表示装置1が文字板30の車両の乗員側に配置されているので、簡単な構成で接続ケーブル10bの接続信頼性の向上を図ることで、各種の情報を液晶パネル10に確実に表示させることができ、よって、車両の乗員に対して確実に各種の情報を表示することができる。また、覆い部29aにより接続ケーブル10bが車両の乗員に対して遮蔽されているため、装飾性を向上することができる。したがって、視認性及び装飾性に優れた車両用計器装置2とすることができる。
【0071】
前述した実施形態では、液晶パネル10を照明するための光源ユニット11が、光源用基板13に実装された光源14が、導光板12の外周の一部に設けられた受光部12aと相対するように配置された、サイドライト方式が用いられている。しかしながら、本発明では、光源ユニットは、液晶パネル10の背面側に拡散板を配置するとともに、拡散板の背面側に複数の冷陰極管等が配置された、直下型方式が用いられていても良い。
【0072】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 表示装置
2 計器装置
10 液晶パネル(液晶表示素子)
10b 接続ケーブル(フラット回路体)
21 ホルダ
25 導出部
26 凹部
27 カバー部材
28a 露出部
29a 覆い部
30 文字板
31 指標部
32 指針
51 レール部
52 案内溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種の情報を表示する液晶表示素子と、前記液晶表示素子の内部から外部に導出されるフラット回路体と、前記液晶表示素子を保持するホルダと、前記ホルダを覆い且つ前記液晶表示素子を露出する露出部が設けられたカバー部材と、を備えた表示装置であって、
前記ホルダから延設されるとともに、前記フラット回路体を表面上に位置付けて前記ホルダ外部へ導出する導出部と、
前記カバー部材から延設されるとともに、前記カバー部材が前記ホルダに取り付けられた際に、前記導出部の前記表面上に位置付けられた前記フラット回路体を覆う覆い部と、
を備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記導出部が、前記フラット回路体の導出方向に沿って延在し且つ内側に前記覆い部が位置付けられる凹部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記覆い部が、幅方向の両端から突出したレール部を備え、
前記凹部が、前記フラット回路体の導出方向に沿って延在するとともに、前記レール部が侵入して該レール部の移動を案内する案内溝を備えたことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
車両に搭載され、文字板に形成された指標部と前記文字板の前方に設けられた指針とが協働して前記車両の状態を示す車両用計器装置において、
前記請求項1乃至請求項3に記載の表示装置を備え、
前記表示装置が、前記文字板の前記車両の乗員側に配置されていることを特徴とする車両用計器装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−59136(P2011−59136A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205208(P2009−205208)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】