説明

表示装置及び電子機器

【課題】画面から受光素子へ入射する光の光量を制御できる表示装置を提供する。
【解決手段】液晶25の配向の制御により画面5aからの光の出射量を制御する電子機器1は、液晶25の背後に配置され、画面5aから入射した光を検出可能な受光素子15と、受光素子15に重畳する位置の液晶25の配向の制御により受光素子15への光の入射量を制御する制御部61とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面から入射する光を検出可能な表示装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
画面から入射する光を検出可能な表示装置が知られている。例えば、特許文献1の液晶表示装置は、液晶パネル内に、画素毎に設けられた複数の可視光用のセンサ(受光素子)を有しており、画面に対向配置された画像を取り込むスキャナとして機能する。また、特許文献1の液晶表示装置は、液晶パネル内に、画素毎に設けられた複数の非可視光用のセンサ(受光素子)を有しており、バックライトから出射され、画面に近接したユーザの指等の被検出物に反射された非可視光を検出することにより、タッチパネル式の表示装置として機能する。なお、特許文献1の技術は、受光素子上においては、可視光及び非可視光を透過可能なスペーサが配置されており、液晶は配置されていない。
【特許文献1】特開2005−275644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の技術は、非可視光用の受光素子上において、可視光を遮光し、非可視光を透過するフィルタを設けることについて開示されているものの、可視光用又は非可視光用の受光素子に入射する光の量を適宜に制御することについては開示していない。受光素子に入射する光が制御されない場合、種々の問題が生じる。例えば、携帯用の表示装置は、昼間の屋外等の外光強度が高い明環境下で使用されたり、暗い屋内等の外光強度が低い暗環境下で使用されるところ、ダイナミックレンジが一律に設定されていると、明環境下では受光素子が飽和するおそれがあり、暗環境下では受光素子からの信号が微弱になりノイズの影響を受けやすい。異なるダイナミックレンジを有する複数の受光素子を配置する等の方法が考えられるが、そのような方法では、表示を行う画素に対する受光素子の配置領域が大きくなり、その結果、表示品位が低下するおそれがある。
【0004】
本発明の目的は、画面から受光素子へ入射する光の光量を制御可能な表示装置及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の表示装置は、液晶の配向の制御により画面からの光の出射量を制御する表示装置であって、前記液晶の背後に配置され、前記画面から入射した光を検出可能な受光素子と、前記受光素子に重畳する位置の前記液晶の配向の制御により前記受光素子への光の入射量を制御する制御部と、を有する。
【0006】
好適には、前記液晶及び前記受光素子を挟んで互いに対向し、前記画面に亘って設けられた第1及び第2の偏光板と、前記液晶及び前記受光素子との間に、前記画面の前記受光素子に重畳する一部に亘って設けられた第3の偏光板と、を有する。
【0007】
好適には、前記第3の偏光板は、前記第1及び第2の偏光板のうち前記液晶の背後側の偏光板と吸収軸が一致するように配置されている。
【0008】
好適には、前記受光素子とは重畳しない位置に配置され、前記液晶の配向を制御する電界を形成する第1電極と、前記受光素子と重畳する位置に配置され、前記液晶の配向を制御する電界を形成する第2電極と、前記第1及び第2電極に独立に電圧を印加する制御部と、を有する。
【0009】
好適には、前記第2電極は、前記受光素子の投影領域を含む、当該投影領域よりも広い領域に亘って設けられている。
【0010】
好適には、前記受光素子に重畳しないように設けられた、複数の画素毎に設けられた複数の画素電極と、前記複数の画素に共通に設けられた共通電極と、前記受光素子に重畳するように設けられた、前記複数の画素電極と同一の層に前記画素電極とは分離して設けられた検出電極と、前記共通電極と同一の層に前記共通電極と分離して設けられたシールド電極と、を有し、前記共通電極及び前記シールド電極の層は、前記液晶と前記受光素子との間の位置に配置されており、前記制御部は、前記共通電極及び前記複数の画素電極の電位をそれぞれ変動させることにより前記共通電極及び前記複数の画素電極に電圧を印加し、前記シールド電極の電位を固定し、前記検出電極の電位を変動させることにより前記シールド電極及び前記検出電極に電圧を印加する。
【0011】
好適には、前記制御部は、前記受光素子からの信号に基づいて、前記受光素子に重畳する位置の前記液晶の配向を制御する。
【0012】
本発明の電子機器は、液晶の配向の制御により画面からの光の出射量を制御する表示部を有する電子機器であって、前記液晶の背後に配置され、前記画面に入射した光を検出可能な受光素子と、前記受光素子に重畳する位置の前記液晶の配向の制御により前記受光素子への光の入射量を制御する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画面から受光素子へ入射する光の光量を制御できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る表示装置又は電子機器としての電子機器1の外観を示す斜視図である。電子機器1は、例えば、携帯電話機である。
【0015】
電子機器1は、各種の電子部品が内蔵される筐体3を有している。筐体3には、例えば、画面5aに画像を表示する表示部5と、ユーザの操作を受け付ける操作部7とが設けられている。
【0016】
表示部5は、画面5aに亘って複数の画素9(図1(a)において一部のみ図示する)を有しており、複数の画素9から出射される光の光量を制御することにより任意の形状の画像を表示する。また、表示部5は、画面5aから入射する光を検出可能に構成されている。例えば、表示部5は、タッチセンサ式の表示装置により構成されており、電子機器1は、ユーザの画面5aに対する操作を受け付け可能に構成されている。また、例えば、電子機器1は、画面5aに対向配置された画像を取り込むスキャナとして機能するように構成されている。
【0017】
図1(b)は、画素9を拡大して示す平面図である。
【0018】
画素9は、表示を行うための複数のサブ画素11R、11G、11B(以下、R、G、Bを省略することがある。)と、光を検出するための検出部13とを有している。なお、サブ画素11も画素の一種である。
【0019】
サブ画素11R、11G、11Bは、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応する波長の光を出射する。表示部5は、一の画素9において、サブ画素11R、11G、11Bから出射される光の光量を調整することにより、任意の色をユーザに視認させ、ひいては、画面5a全体において任意の色及び形状の画像をユーザに視認させる。
【0020】
検出部13は、平面視においてサブ画素11と重畳しない位置に設けられており、画面5aから入射する光を受光可能な受光素子(センサ)15を有している。検出部13は、適宜な大きさに設定されてよいが、例えば、平面視においてサブ画素11と同等の大きさを有している。
【0021】
なお、サブ画素11及び検出部13は、平面視において適宜な配列で配置されてよい。すなわち、サブ画素11及び検出部13は、ストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列等の適宜な配列で配置されてよい。また、図1(b)では、サブ画素11及び検出部13が1列に配列されている場合を例示しているが、サブ画素11及び検出部13は、2列に配列されて1つの画素9を構成してもよい。
【0022】
図2(a)は、図1(b)のIIa−IIa線の断面等を示す模式図である。
【0023】
まず、電子機器1における画像の表示に係る構成、換言すれば、サブ画素11に係る構成について説明する。
【0024】
電子機器1の表示部5は、例えば、半透過型又は透過型の液晶表示装置により構成されており、液晶パネル17と、液晶パネル17を覆い、画面5aを構成するカバー部材19(図2(a)では不図示。図1(a)参照)と、液晶パネル17を背後から照明する不図示のバックライトを有している。
【0025】
液晶パネル17は、互いに対向して配置されたアレイ基板21及びカラーフィルタ基板(CF基板)23と、これらの隙間に封入された液晶25とを有している。なお、図2(a)紙面上方側が画面5a側である。すなわち、液晶パネル17は、CF基板23が画面5a側になるように配置されている。
【0026】
アレイ基板21は、基体として第1ガラス基板27を有している。第1ガラス基板27には、各種の部材が積層的に設けられている。具体的には、第1ガラス基板27のバックライト側(図2(a)の紙面下方側)の面には、光を偏光に変換する第1偏光板29が貼り合わされている。また、第1ガラス基板27の液晶25側の面には、図2(a)の紙面下方側から紙面上方側へ順に、不図示のゲート電極等を絶縁するための第1絶縁膜31と、不図示のTFT素子等により生じた凹凸を平坦化するための第1平坦化膜33と、液晶25の配向を制御する電界を形成するために複数の画素9に亘って共通に設けられた共通電極35と、共通電極35等を絶縁するための第2絶縁膜37と、液晶25の配向を制御する電界を形成するためにサブ画素11毎に設けられた画素電極39と、液晶25を一定の方向へ配向させるための第1配向膜41とが積層されている。
【0027】
なお、アレイ基板21には、図示した構成要素以外に、ゲート電極(一般に、Y電極と呼ばれることもある。)、データ電極(一般に、X電極、データ信号線、ソース信号線と呼ばれることもある。)、液晶駆動用のスイッチング素子として機能するTFT素子、アクティブマトリックス動作のための信号保持容量としてのキャパシタ等が設けられる。
【0028】
CF基板23は、基体として第2ガラス基板43を有している。第2ガラス基板43には、各種の部材が積層的に設けられている。具体的には、第2ガラス基板43の液晶25とは反対側の面には、光を偏光に変換する第2偏光板45が貼り合わされている。また、第2ガラス基板43の液晶25側の面には、図2(a)の紙面上方側から紙面下方側へ順に、サブ画素11毎に設けられたカラーフィルタ47と、カラーフィルタ47等による凹凸を平坦化するための第2平坦化膜49と、液晶25を一定の方向に配向させるための第2配向膜51とが積層されている。
【0029】
図2(b)は、画素電極39の平面図である。画素電極39は、例えば、格子状に形成されている。すなわち、画素電極39は、一方向(図2(b)の紙面上下方向)に延びる長尺状の電極構成部がその長手方向に直交する方向(図2(b)の紙面左右方向)に複数(図2(b)では3本を例示)配列されるとともに、その両端が互いに接続されて構成されている。
【0030】
図2(a)に示すように、電子機器1(又は表示部5)は、液晶パネル17の動作を制御するための制御部61を有している。制御部61は、例えば、IC等により構成されており、不図示のCPUやメモリを有している。制御部61は、表示用駆動部63を介して画素電極39及び共通電極35に電圧を印加する。
【0031】
以上の構成を有する電子機器1における、表示に係る作用は以下のとおりである。サブ画素11では、画素電極39及び共通電極35に電圧が印加されることにより液晶25の配置空間に電界が形成され、液晶25は、第1配向膜41及び第2配向膜51により規定される向きとは異なる向きへ、画素電極39及び共通電極35に印加された電圧に応じた角度で配向する。これにより、第1偏光板29から第2偏光板45へ進む偏光の旋光する角度が制御され、ひいては、サブ画素11において出射される光の光量が調整される。そして、各カラーフィルタ47では、可視光のうち、R、G又はBに対応する(特定の波長に対応する)光のみが透過されるから、サブ画素11における光の出射量が調整されることにより、各色の光の光量のバランスが調整され、カラー表示がなされる。
【0032】
なお、液晶パネル17は、例えば、いわゆる水平配向モードの液晶パネルにより構成されている。また、液晶パネル17は、いわゆるノーマリブラックの液晶パネルにより構成されている。従って、画素電極39及び共通電極35に電圧が印加されていない状態では、液晶25は、光が第1偏光板29及び第2偏光板45の双方を透過しないようになる方向に配向しており、画素電極39及び共通電極35に印加される電圧が大きくなるほど、光が第1偏光板29及び第2偏光板45の双方を透過するようになる方向へ配向する。
【0033】
次に、電子機器1における画面5aから入射する光の検出に係る構成について説明する。
【0034】
検出部13は、サブ画素11と比較して、受光素子15及び受光素子15からの信号を出力するための信号線53が設けられている点、カラーフィルタ47が省略されている点、第3偏光板55が設けられている点、共通電極35に代えてシールド電極57が設けられている点で相違する。
【0035】
受光素子15は、受光した光量に応じた電気信号を出力するものであり、例えば、a−Siやu−Siを用いたPINフォトダイオードやPDNフォトダイオードを含んで構成されている。受光素子15は、例えば、TFT素子等と同様に、第1ガラス基板27に対するフォトリソグラフィーなどにより形成される。受光素子15は、液晶25の背後に配置されている。例えば、受光素子15は、第1ガラス基板27上に設けられており、第1絶縁膜31や第1平坦化膜33に覆われている。
【0036】
信号線53は、受光素子15の検出した信号を制御部61に出力するためのものであり、例えば、Al等の金属により構成されている。信号線53は、例えば、不図示のゲート電極等と同様に、第1ガラス基板27に対するフォトリソグラフィーなどにより形成される。信号線53は、適宜な位置に設けられてよいが、例えば、第1絶縁膜31上に積層され、第1平坦化膜33に覆われている。
【0037】
検出部13においては、カラーフィルタ47が設けられていないことから、あらゆる波長の光が受光素子15へ入射する。すなわち、可視光及び非可視光の双方が入射可能であり、また、可視光は、白色の可視光が入射可能であり、非可視光は、赤外光及び紫外光の双方が入射可能である。なお、国際照明委員会(CIE:Commission International de 1’Eclairrage)では、紫外光と可視光との波長の境界は360nm〜400nm、可視光と赤外光との波長の境界は760nm〜830nmとしている。ただし、実用的には、350nm以下の波長を紫外光、700nm以上の波長を赤外光としてもよい。
【0038】
第3偏光板55は、第1偏光板29と同様に、液晶25を挟んで、より具体的には、第1配向膜41、液晶25及び第2配向膜51を挟んで、第2偏光板45と対向している。また、第3偏光板55は、例えば、第1偏光板29と吸収軸が一致するように配置されている。すなわち、第3偏光板55及び第1偏光板29は、第3偏光板55を透過する光の振動方向と第1偏光板29を透過する光の振動方向が一致するように配置されている。
【0039】
従って、第3偏光板55は、第1偏光板29と同様の機能を果たす。すなわち、液晶25が、光が第1偏光板29及び第2偏光板45の双方を透過しないようになる方向に配向しているときは、光は第1偏光板29及び第3偏光板55の双方を透過せず、液晶25が、光が第1偏光板29及び第2偏光板45の双方を透過するようになる方向へ配向しているときは、光は第1偏光板29及び第3偏光板55の双方を透過する。
【0040】
第3偏光板55は、第1偏光板29及び第2偏光板45が画面5a(その広さは画像の表示が行われる範囲によって規定される)に亘って設けられているのに対し、受光素子15と重畳する、画面5aの一部に亘って設けられている。また、第3偏光板55は、液晶25と受光素子15との間に配置されている。換言すれば、受光素子15は、液晶25、液晶25を挟む第1配向膜41及び第2配向膜51、並びに、液晶25、第1配向膜41及び第2配向膜51を挟む第2偏光板45及び第3偏光板55の背後に配置されている。従って、液晶25の配向の制御により、受光素子15上の透過率は局部的に制御される。なお、第3偏光板55は、より具体的には、第1配向膜41と画素電極39(第2絶縁膜37)との間に配置されている。
【0041】
シールド電極57は、共通電極35と同様に、検出部13の画素電極39とで液晶25の配向を制御する電界を形成するためのものである。ただし、共通電極35が、複数のサブ画素11、更には、複数の画素9に亘って共通に設けられている(複数の画素9に亘って広がっている)のに対して、シールド電極57は、検出部13においてのみ広がっており、共通電極35とは接続されていない。
【0042】
図2(c)は、受光素子15周辺の平面図(一部透視図)である。第3偏光板55、画素電極39、シールド電極57(図2(c)では不図示)は、例えば、受光素子15よりも外形の面積が広く形成されており、受光素子15を覆うように配置されている。換言すれば、第3偏光板55、画素電極39、シールド電極57(図2(c)では不図示)は、受光素子15を画面5aに直交する方向へ投影した投影領域を含む、当該投影領域よりも広い領域に亘って設けられている
【0043】
図2(a)に示すように、電子機器1(又は表示部5)は、検出部13の画素電極39及びシールド電極57に、制御部61からの電気信号に応じた電圧を印加するための検出用駆動部65を有している。制御部61は、例えば、受光素子15からの信号に基づいて、検出用駆動部65に電気信号を出力する。
【0044】
以上の構成を有する電子機器1における、光の検出に係る作用は以下のとおりである。
【0045】
画面5a(図1(a))から光が入射すると、その光は液晶パネル17を透過して受光素子15に入射し、光量に応じた電気信号に変換され、制御部61に入力される。ただし、第2偏光板45と第3偏光板55との間においては、サブ画素11における第1偏光板29と第2偏光板45との間と同様の作用が生じる。
【0046】
すなわち、画素電極39及びシールド電極57に電圧が印加されることにより液晶25の配置空間には電界が形成され、液晶25は、第1配向膜41及び第2配向膜51により規定される向きとは異なる向きへ、画素電極39及びシールド電極57に印加された電圧に応じた角度で配向する。これにより、第2偏光板45から第3偏光板55へ進む偏光の旋光する角度が制御され、ひいては、画面5aから入射し、第2偏光板45及び第3偏光板55の双方を透過する光の光量が調整される。その結果、受光素子15に入射する光の光量が制御される。
【0047】
図3(a)は、検出部13の画素電極39及びシールド電極57に電圧を印加した状態を示す断面図である。図3(b)は、図3(a)の一部の平面図(一部透視図)である。なお、既出の図2(a)及び図2(c)は、検出部13の画素電極39及びシールド電極57に電圧が印加されていない状態を示している。
【0048】
また、図4は、第2偏光板45、第3偏光板55及び第1偏光板29の吸収軸の方向、並びに、液晶25の配向方向の関係を、画素電極39及びシールド電極57に電圧が印加されていない状態(図2に対応する状態)で示す模式図である。図5は、図4と同様の関係を、画素電極39及びシールド電極57に電圧が印加されている状態(図3に対応する状態)で示す模式図である。
【0049】
更に、図6は、液晶パネル17の受光素子15上の部分の透過率の、画素電極39及びシールド電極57に印加する電圧に対する依存性を例示する図である。図6において、横軸は電圧、縦軸は透過率である。なお、横軸及び縦軸には数値が示されているが、当該数値は一例に過ぎない。
【0050】
上述のように、液晶パネル17は、例えば、いわゆる水平配向モード及びノーマリブラックの液晶パネルにより構成されている。従って、画素電極39及びシールド電極57に電圧が印加されていない状態では、図2及び図4に示すように、液晶25は、光が第2偏光板45及び第3偏光板55の双方を透過しないようになる方向に配向しており、図6の横軸左側において示すように、受光素子15上の透過率は低い。一方、画素電極39及びシールド電極57に印加される電圧が大きくなると、図3及び図5に示すように、液晶25は、光が第2偏光板45及び第3偏光板55の双方を透過するようになる方向へ配向し、図6の横軸右側において示すように、受光素子15上の透過率は高くなる。
【0051】
図7(a)は、サブ画素11における画素電極39及び共通電極35に印加される電圧を示す模式図である。図7(b)は、検出部13における画素電極39及びシールド電極57に印加される電圧を示す模式図である。図7(a)及び図7(b)において、横軸は時間、縦軸は電位を示している。
【0052】
図7(a)において、実線L1は共通電極35における電位を、点線L2は画素電極39における電位を示している。サブ画素11においては、共通電極35及び画素電極39の双方の電位が変動することにより、共通電極35及び画素電極39に電圧が印加されている。このようにすることにより、各電極における電位の変動幅を小さく抑えつつ、両電極の間に印加される電圧(電位差)を高くして、効率的に液晶25の配向を制御することができる。
【0053】
図7(b)において、実線L3はシールド電極57における電位を、点線L4は画素電極39における電位を示している。検出部13においては、シールド電極57は、固定電位となっている。そして、画素電極39の電位が変動することにより、シールド電極57及び画素電極39に電圧が印加されている。このようにすることにより、シールド電極57は、共通電極35に比較して、受光素子15側にノイズとなる電界を生じ難くなっており、また、シールドとしての機能も果たす。
【0054】
以上の実施形態によれば、液晶25の配向の制御により画面5aからの光の出射量を制御する電子機器1(表示部5)は、液晶25の背後に配置され、画面5aから入射した光を検出可能な受光素子15と、受光素子15に重畳する位置の液晶25の配向の制御により受光素子15への光の入射量を制御する制御部61とを有することから、受光素子15に入射する光の光量を好適に制御できる。しかも、表示を行うための液晶25を利用して光量を制限することから、液晶パネル17の構成が簡素である。
【0055】
電子機器1は、液晶25及び受光素子15を挟んで互いに対向し、画面5aに亘って設けられた第1偏光板29及び第2偏光板45と、液晶25及び受光素子15との間に、画面5aの、受光素子15に重畳する一部に亘って設けられた第3偏光板55とを有することから、画質を落とすことなく、受光素子15に入射する光の光量を制御することができ、且つ、受光素子15を設けることが容易である。
【0056】
例えば、第3偏光板55を、第1偏光板29と同様に画面5aに亘って広がるものとすることが考えられる(なお、この例も本発明の一例である。また、この場合、第3偏光板55は省略することができる。)。この場合、第3偏光板55がサブ画素11においても設けられることになるが、第3偏光板55のように、液晶パネル17の内部側に設けられる偏光板は、第1偏光板29のように液晶パネル17の外部側に設けられる偏光板に比較して、製造工程上の理由などから画質の低下を招くおそれがある。しかし、本実施形態では、検出部13のみに重畳するように第3偏光板55を設けていることから、そのようなおそれがない。
【0057】
また、例えば、第3偏光板55を省略するとともに、受光素子15を第1偏光板29よりも背後に設けることが考えられる(なお、この例も本発明の一例である。)。この場合、受光素子15をフォトリソ等により液晶パネル17に設けることが困難になる。しかし、本実施形態では、第3偏光板55を設けることにより、受光素子15を液晶パネル17に設けることを容易にしている。
【0058】
第3偏光板55は、液晶25の背後側の第1偏光板29と吸収軸が一致するように配置されていることから、表示用の光の出射量を制御するための第2偏光板45を、検出用の光の入射量を制御する偏光板に兼用させることができ、構成が簡素である。すなわち、検出部13において、第1偏光板29とは別個に、第3偏光板55と液晶25を挟んで対向する偏光板を設ける構成(なお、この例も本発明の一例である。)に比較して構成が簡素である。
【0059】
電子機器1は、受光素子15とは重畳しない位置に配置され、液晶25の配向を制御する電界を形成する、サブ画素11の画素電極39と、受光素子15と重畳する位置に配置され、液晶25の配向を制御する電界を形成する、検出部13の画素電極39とを有することから、サブ画素11における光の出射量の制御と、検出部13における光の入射量の制御とを同時的に独立して行うことができる。従って、サブ画素11及び検出部13に共有される画素電極が設けられる構成(この場合、例えば、表示と検出とが時分割により交互に行われる。また、この例も本発明の一例である。)に比較して、画質の維持及び制御が容易である。
【0060】
検出部13の画素電極39は、受光素子15の投影領域を含む、当該投影領域よりも広い領域に亘って設けられていることから、受光素子15に対して斜めに入射するような光の光量も調整することができる。
【0061】
電子機器1は、受光素子15に重畳しないように、複数の画素9に共通に設けられた共通電極35及び複数の画素9毎に設けられたサブ画素11の複数の画素電極39と、受光素子15に重畳するように、共通電極35と同一の層に共通電極35と分離して設けられたシールド電極57及び検出部13の複数の画素電極39とを有し、共通電極35及びシールド電極57の層は、液晶25と受光素子15との間の位置に配置されており、制御部61は、共通電極35及びサブ画素11の画素電極39の電位をそれぞれ変動させることにより共通電極35及びサブ画素11の画素電極39に電圧を印加し、シールド電極57の電位を固定し、検出部13の画素電極39の電位を変動させることによりシールド電極57及び検出部13の画素電極39に電圧を印加することから、従来の共通電極35及び画素電極39を有する液晶パネルの構成から大きく設計変更することなく、画面5aからの光の入射量を制限するための電極を構成することができ、且つ、上述のように、シールド電極57のシールド効果により受光素子15におけるノイズを低減できる。
【0062】
制御部61は、受光素子15からの信号に基づいて、受光素子15に重畳する位置の液晶25の配向を制御することから、例えば、外光強度が高い明環境では、図2及び図4に示すように、受光素子15に入射する光量を少なくして受光素子15の飽和を防止し、外光強度が低い暗環境では、図3及び図5に示すように、受光素子15に入射する光量を多くしてSN比を高くすることができる。
【0063】
なお、このような光量の制御は、明環境と暗環境との間における2段階の制御に限らず、明環境と暗環境との間における複数段階の制御であってもよいし、連続的な制御であってもよい。また、制御部61は、光量を変化させるか否かについて、及び/又は、受光素子が飽和したか否かについて、一の受光素子15からの信号に基づいて判定してもよいし、複数の受光素子15からの信号に基づいて(撮像画像に基づいて)判定してもよいし、有効画素内の受光素子15からの信号に基づいて判定してよいし、有効画素外の受光素子15からの信号に基づいて判定してもよい。光の入射量の制限量は、全ての画素において同量に設定されてもよいし、画素毎に制限量が異なっていてもよい。
【0064】
なお、以上の実施形態において、電子機器1は本発明の電子機器及び表示装置の一例であり、表示部5は本発明の表示装置の一例であり、サブ画素11の画素電極39は本発明の第1電極の一例であり、検出部13の画素電極39は本発明の第2電極及び検出電極の一例である。
【0065】
(第2の実施形態)
図8〜図12は、第2の実施形態を説明する図であり、それぞれ、第1の実施形態における図2〜6に対応している。ただし、図8において、サブ画素の図示は一部を除いて省略している。
【0066】
なお、本実施形態及び後述する実施形態において、第1の実施形態の構成要素と概ね同等の機能を有する構成要素については、厳密には、材質、形状、位置等が第1の実施形態の構成要素とは異なっていても、本実施形態等と第1の実施形態との対応関係を容易に把握して、本実施形態等の理解を迅速化するために、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
第1の実施形態では、液晶パネル17が水平配向モードの液晶パネルにより構成されていたのに対し、第2の実施形態は、液晶パネル217が、垂直配向モードの液晶パネルにより構成されている点で第1の実施形態と相違する。
【0068】
図8(a)に示すように、第2の実施形態では、共通電極35は、CF基板223に設けられており、液晶25を挟んで画素電極39と対向している。また、第2絶縁膜37は省略されている。共通電極35は、図8においては不図示のサブ画素及び検出部213に亘って設けられており、第1の実施形態のようにシールド電極57は設けられていない。なお、共通電極35にはホールが形成されている。また、画素電極39は、例えば、矩形状に形成されている。なお、第2の実施形態では、検出部213においては、サブ画素と同様に、画素電極39及び共通電極35の電位を変化させることにより、画素電極39及び共通電極35に電圧が印加される。
【0069】
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。すなわち、画素電極39及び共通電極35に電圧が印加されていない状態では、図8及び図10に示すように、液晶25は、光が第2偏光板45及び第3偏光板55の双方を透過しないようになる方向に配向しており、図11の横軸左側において示すように、受光素子15上の透過率は低い。一方、画素電極39及び共通電極35に印加される電圧が大きくなると、図9及び図11に示すように、液晶25は、光が第2偏光板45及び第3偏光板55の双方を透過するようになる方向へ配向し、図12の横軸右側において示すように、受光素子15上の透過率は高くなる。従って、表示用の液晶25を利用して、受光素子15に入射する光の光量を調整することがきる。
【0070】
(第3の実施形態)
図13〜図17は、第3の実施形態を説明する図であり、それぞれ、第1の実施形態における図2〜6に対応している。ただし、図13において、サブ画素の図示は一部を除いて省略している。また、図13、図14、図15、図16は、電圧が画素電極等に印加されているか否かの観点では図2、図3、図4、図5に対応し、液晶パネルを透過する光量が多いか否かの観点では図3、図2、図5、図4に対応する。
【0071】
第1の実施形態では、液晶パネル17が水平配向モードの液晶パネルにより構成されていたのに対し、第3の実施形態は、液晶パネル317がTNモードの液晶パネルにより構成されている点で第1の実施形態と相違する。また、第1の実施形態では、液晶パネル17がノーマリブラックの液晶パネルにより構成されていたのに対し、第3の実施形態は、液晶パネル317がノーマリホワイトの液晶パネルにより構成されている点で第1の実施形態と相違する。
【0072】
第3の実施形態では、図8(a)に示す第2の実施形態と同様に、図13(a)に示すように、共通電極35は、CF基板223に設けられるとともに、不図示のサブ画素及び検出部313に亘って設けられており、第1の実施形態の第2絶縁膜37は省略され、シールド電極57は設けられていない。
【0073】
第3の実施形態においても、第1及び第2の実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。すなわち、画素電極39及び共通電極35に電圧が印加されていない状態では、図13及び図15に示すように、液晶25は、光が第2偏光板45及び第3偏光板55の双方を透過するようになる方向に配向しており、図17の横軸左側において示すように、受光素子15上の透過率は高い。一方、画素電極39及び共通電極35に印加される電圧が大きくなると、図14及び図16に示すように、液晶25は、光が第2偏光板45及び第3偏光板55の双方を透過しないようになる方向へ配向し、図17の横軸右側において示すように、受光素子15上の透過率は低くなる。従って、表示用の液晶25を利用して、受光素子15に入射する光の光量を調整することがきる。
【0074】
以上の各実施形態において、第3偏光板55や第2偏光板45には、透過率に適宜な波長依存性を有するものが用いられてよい。
【0075】
図18は、偏光板の波長依存性の例を示す図である。横軸は光の波長、縦軸は光の透過率を示している。
【0076】
図18に示される波長依存性を有する偏光板は、一般の表示装置に用いられているものであり、可視光の波長域においては光を偏光することから50%程度の透過率となっており、また、赤外光の波長域においては100%程度の透過率となっている。
【0077】
図19及び図20は、図18に示される波長依存性を有する偏光板により第3偏光板55や第2偏光板45を構成した場合の作用を説明する図である。具体的には、第1の実施形態の構成を例にとり、図19は、画素電極等に電圧が印加されていない状態を、図20は、画素電極等に電圧が印加されている状態を示している。
【0078】
図19に示すように、画素電極等に電圧が印加されていない状態では、可視光の受光素子15への入射量が制限され、赤外光の受光素子15への入射量は制限されない。また、図20に示すように、画素電極等に電圧が印加されている状態では、可視光及び非可視光双方の入射量が制限されない。
【0079】
このような作用を奏する場合、例えば、バックライトから出射され、画面5aに近接又は接触した被検出物により反射した光(可視光及び非可視光を含む)を検出して、被検出物の近接又は接触を検出する構成において、可視光の外光強度が高く、赤外光の外光強度が低い環境下においては、図19に示すように、可視光の受光素子15への入射量を制限して非可視光のみにより被検出物を検出し、受光素子15の飽和を防止するとともにノイズを低減し、可視光の外光強度が低い環境下においては、図20に示すように、可視光及び非可視光の双方の受光素子15への入射量を許容して可視光及び非可視光の双方により被検出物を検出し、SN比を向上させることができる。
【0080】
図21は、偏光板の波長依存性の他の例を示す図である。横軸は光の波長、縦軸は光の透過率を示している。
【0081】
図21に示される波長依存性を有する偏光板は、赤外光を偏光するように構成されたものであり、赤外光の波長域においては35%程度の透過率となっている。また、可視光の波長域においては透過率が非常に小さくなっている。すなわち、図21に示される波長依存性を有する偏光板は、可視光は概ね遮光し、赤外光を偏光に変換する。
【0082】
なお、赤外光を偏光するように構成される偏光板は、可視光も偏光するように構成されてもよい。換言すれば、可視光の波長域における透過率と赤外光の波長域における透過率とが同等になるように構成されてもよい。偏光板は、例えば、ヨウ素の分子が何個繋がっているかによって偏光に変換される波長が決定されるから、そのヨウ素の分子が繋がる数が異なるものを適宜に組み合わせることにより、可視光及び非可視光の波長において光を偏光に変換することができる偏光板が形成される。
【0083】
図22及び図23は、赤外光を偏光に変換可能な偏光板により第3偏光板55や第2偏光板45を構成した場合の作用を説明する図である。具体的には、第1の実施形態の構成を例にとり、図22は、画素電極等に電圧が印加されていない状態を、図23は、画素電極等に電圧が印加されている状態を示している。
【0084】
なお、第2偏光板45は、表示を行うサブ画素11における偏光板も兼ねるものであるから、可視光も偏光に変換できる(可視光を透過させる)偏光板により構成されている。なお、検出部13において、第2偏光板45とは別個に第3偏光板55に対向する偏光板が設けられる場合には、その対向する偏光板は、可視光を透過しないものであってもよい。
【0085】
図22に示すように、画素電極等に電圧が印加されていない状態では、可視光及び非可視光の双方の受光素子15への入射量が制限される。また、図23に示すように、画素電極等に電圧が印加されている状態では、可視光(破線L11で示す。)及び非可視光双方の受光素子15への入射が許容される。
【0086】
このような作用を奏する場合、例えば、バックライトから出射され、画面5aに近接又は接触した被検出物により反射した光(可視光及び非可視光を含む)を検出して、被検出物の近接又は接触を検出する構成において、可視光及び赤外光の外光強度が高い環境下においては、図22に示すように、可視光及び赤外光の双方の受光素子15への入射量を制限して受光素子15の飽和を防止し、可視光及び赤外光の外光強度が低い環境下においては、図23に示すように、可視光及び非可視光の双方の受光素子15への入射量を許容してSN比を向上させることができる。
【0087】
なお、第3偏光板55及びこれに対向する偏光板が、可視光を透過せず、赤外光を偏光に変換するものである場合には、図23において点線L13で示すように可視光の受光素子15への入射は制限され、赤外光のみ受光素子15への入射が許容される。このような作用を奏する場合、例えば、赤外光のみにより被検出物を検出する場合に、赤外光の外光強度に応じて受光素子15への入射量を制御し、受光素子15の飽和を防止したり、SN比を向上させることができる。
【0088】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
【0089】
本発明の電子機器又は表示装置は、あらゆる電子機器に適用されてよい。例えば、本発明の電子機器は、携帯電話機、デジタルカメラ、PDA、ノートパソコン、ゲーム機、テレビ、カーナビゲーション、ATMに適用されてよい。
【0090】
液晶パネルは、複数の画素により画像を表示するものに限定されない。例えば、液晶パネルは、セグメント表示を行うものであってもよい。複数の画素によりカラー画像を表示する場合、サブ画素は、3色に対応するものに限定されない。例えば、画素は、白色に対応するサブ画素を含んでいてもよい。また、液晶パネルは、透過型や半透過型のものに限定されず、反射型のものであってもよい。
【0091】
受光素子は、適宜な数で適宜な位置に設けられてよく、画素毎に設けられるものに限定されない。例えば、受光素子は、一の画面に対して一つのみ設けられてもよいし、少数の画素(画面全体に配列された複数の画素の一部)に対して一つずつ設けられてもよいし、複数のサブ画素毎に設けられてもよい。
【0092】
受光素子は、バックライトからの反射光を検出することを目的として設けられるものであってもよいし、他の機器等から放射された光を検出することを目的として設けられるものであってもよい。また、受光素子は、可視光を検出することを目的として設けられるものであってもよいし、非可視子を検出することを目的として設けられるものであってもよいし、可視光及び非可視光の双方を検出することを目的として設けられるものであってもよい。受光素子は、被検出物の検出やスキャニングの他に、通信等の適宜な目的で設けられてよい。
【0093】
画面と受光素子との間には、液晶、液晶を挟む2枚の配向膜、液晶及び配向膜を挟む2枚の偏光板があれば、液晶の配向の制御により画面から受光素子へ入射する光の光量を制御できるから、液晶パネルは、第1〜第3の偏光板を有するものに限定されず、例えば、実施形態においても述べたように、第3の偏光板を有しないものであってもよいし、逆に、第3の偏光板に対向する第4の偏光板を有するものであってもよい。
【0094】
第1の実施形態では、シールド電極を共通電極から分離して、シールド電極の電位を固定電位とする例を示したが、シールド電極を省略して、サブ画素及び検出部において、共通電極を固定電位とし、画素電極のみの電位を変動させてもよい。
【0095】
第3偏光板、シールド電極及び検出電極は、画素毎に設けられていなくてもよい。すなわち、サブ画素や検出部の配列によっては(例えば、ストライプ配列など)、隣接する画素の第3偏光板、シールド電極及び検出電極と一体化させることができる。この場合、受光素子に対して第3偏光板等を広く形成しやすくなり、受光素子に対して斜めに入射する光の入射量を制御しやすくなる。
【0096】
液晶の配向の制御は、受光素子の信号に基づいて行われるものに限定されず、ユーザの操作に基づいて行われるものであってもよい。
【0097】
受光素子上には、非可視光のみを透過するフィルタや、特定の波長(色)の可視光のみを透過するフィルタ(カラーフィルタ)や、カラーフィルタを積層したフィルタ等が設けられてもよい。換言すれば、受光素子の検出対象の光は、適宜な波長とされてよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子機器を示す斜視図及び一部拡大図。
【図2】図1の電子機器の表示部を説明する図。
【図3】図1の電子機器の表示部を図2とは異なる状態で説明する図。
【図4】図2の表示部の偏光板の位置関係及び液晶の配向方向を説明する図。
【図5】図2の表示部の偏光板の位置関係及び液晶の配向方向を図4とは異なる状態で説明する図。
【図6】図2の表示部の受光素子に入射する光の光量の電圧に対する依存性を例示する図。
【図7】図2の表示部の画素電極等に印加される電圧を説明する模式図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る電子機器の表示部を説明する図。
【図9】図8の電子機器の表示部を図8とは異なる状態で説明する図。
【図10】図8の表示部の偏光板の位置関係及び液晶の配向方向を説明する図。
【図11】図8の表示部の偏光板の位置関係及び液晶の配向方向を図10とは異なる状態で説明する図。
【図12】図8の表示部の受光素子に入射する光の光量の電圧に対する依存性を例示する図。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る電子機器の表示部を説明する図。
【図14】図13の電子機器の表示部を図13とは異なる状態で説明する図。
【図15】図13の表示部の偏光板の位置関係及び液晶の配向方向を説明する図。
【図16】図13の表示部の偏光板の位置関係及び液晶の配向方向を図15とは異なる状態で説明する図。
【図17】図13の表示部の受光素子に入射する光の光量の電圧に対する依存性を例示する図。
【図18】偏光板の波長依存性の例を示す図。
【図19】図18の特性を有する偏光板を用いた場合の作用を説明する図。
【図20】図18の特性を有する偏光板を用いた場合の作用を図19とは異なる状態で説明する図。
【図21】偏光板の波長依存性の他の例を示す図。
【図22】図21の特性を有する偏光板を用いた場合の作用を説明する図。
【図23】図21の特性を有する偏光板を用いた場合の作用を図22とは異なる状態で説明する図。
【符号の説明】
【0099】
1…電子機器(電子機器、表示装置)、5…表示部(表示装置)、15…受光素子、17…液晶パネル、25…液晶、61…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶の配向の制御により画面からの光の出射量を制御する表示装置であって、
前記液晶の背後に配置され、前記画面から入射した光を検出可能な受光素子と、
前記受光素子に重畳する位置の前記液晶の配向の制御により前記受光素子への光の入射量を制御する制御部と、
を有する表示装置。
【請求項2】
前記液晶及び前記受光素子を挟んで互いに対向し、前記画面に亘って設けられた第1及び第2の偏光板と、
前記液晶及び前記受光素子との間に、前記画面の前記受光素子に重畳する一部に亘って設けられた第3の偏光板と、
を有する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第3の偏光板は、前記第1及び第2の偏光板のうち前記液晶の背後側の偏光板と吸収軸が一致するように配置されている
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記受光素子とは重畳しない位置に配置され、前記液晶の配向を制御する電界を形成する第1電極と、
前記受光素子と重畳する位置に配置され、前記液晶の配向を制御する電界を形成する第2電極と、
前記第1及び第2電極に独立に電圧を印加する制御部と、
を有する請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2電極は、前記受光素子の投影領域を含む、当該投影領域よりも広い領域に亘って設けられている
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記受光素子に重畳しないように設けられた、
複数の画素毎に設けられた複数の画素電極と、
前記複数の画素に共通に設けられた共通電極と、
前記受光素子に重畳するように設けられた、
前記複数の画素電極と同一の層に前記画素電極とは分離して設けられた検出電極と、
前記共通電極と同一の層に前記共通電極と分離して設けられたシールド電極と、
を有し、
前記共通電極及び前記シールド電極の層は、前記液晶と前記受光素子との間の位置に配置されており、
前記制御部は、前記共通電極及び前記複数の画素電極の電位をそれぞれ変動させることにより前記共通電極及び前記複数の画素電極に電圧を印加し、前記シールド電極の電位を固定し、前記検出電極の電位を変動させることにより前記シールド電極及び前記検出電極に電圧を印加する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記受光素子からの信号に基づいて、前記受光素子に重畳する位置の前記液晶の配向を制御する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
液晶の配向の制御により画面からの光の出射量を制御する表示部を有する電子機器であって、
前記液晶の背後に配置され、前記画面に入射した光を検出可能な受光素子と、
前記受光素子に重畳する位置の前記液晶の配向の制御により前記受光素子への光の入射量を制御する制御部と、
を有する電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−151020(P2009−151020A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327754(P2007−327754)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】