説明

表示装置及び電子機器

【課題】表示可能な色が増加し、色再現範囲が広がった表示装置を提供する。
【解決手段】第1の色を呈する4つの第1の素子を含む第1の群と、第2の色を呈する4つの第2の素子を含む第2の群と第3の群と第4の群と、第3の色を呈する4つの第3の素子を含む第5の群と第6の群と第7の群と、第4の色を呈する4つの第4の素子を含む第8の群と第9の群とを有し、第1の群は、第2乃至第9の群に囲まれ、第2乃至第4の群は隣接せず、第5乃至第7の群は隣接せず、第8の群と第9の群は隣接せず、第1の群に含まれる第1の素子の1つと、第2の群に含まれる第2の素子の1つと、第5の群に含まれる第3の素子の1つと、第8の群に含まれる第4の素子の1つとで、一の画素を構成している表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関し、特に異なる色の発光を組み合わせることによって多色で構成される画像を表示できる発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロルミネッセンス素子(発光素子)からの発光を利用した発光装置は、高視野角、低消費電力の表示用装置として注目されている装置である。
【0003】
近年、発光装置の開発分野では、テレビ受像機やカーナビゲーションを初めとする各種情報処理機器における表示用装置等としての市場を得るべく、高品質なフルカラー画像を提供できる発光装置の研究開発が盛んに行われている。
【0004】
フルカラー画像を表示するためには、赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色の発光を呈する領域を独立に設け、各々の領域における発光時間、発光輝度を変えることによって表示する色の明度および色度を制御しなければならない。
【0005】
明度および色度を変化させる方法としては、発光素子の発光時間を変えることによって変化させる方法と、発光素子の輝度を変えることによって変える方法とがある。前者の方法を用いる場合、発光色ごとに発光時間を変えることによって赤、緑、青の各発光を種々に組み合わせ、明度や色度を変化させている。
【0006】
ところで、発光素子の発光効率は発光素子に含まれる発光体やその他の物質の特性によって異なる。一つの発光装置においては、各々の発光色を呈する発光素子ごとに発光効率が異なる。このため、所望の輝度の発光を得るために必要な電流は、発光効率の低い発光素子の方が相対的に多くなる。
【0007】
さらに、人間の眼では発光波長ごとに感度が異なり、一般に、赤や青の発光波長よりも緑の発光波長に対する感度が高い。従って、人間の眼に対し、緑と同等の感度となるように青や赤を発光させるためには、青や赤の輝度を緑の輝度よりも相対的に高くする必要がある。
【0008】
発光素子の輝度を高くするために発光素子に多くの電流を流すことは、発光素子の劣化を促進し、また表示装置の消費電力の増加を招く。また、発光素子の劣化に起因して発光波長がシフトすると、発光装置の色再現性が低下し画質が低下することもある。このため、効率よく発光でき、また長寿命な発光体や発光素子の開発が試みられている。例えば、特許文献1においては、光路長を調節することによって発光効率を高める工夫がされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平2002−299062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明では、発光効率の低い発光素子への負担を軽減し、発光素子の劣化や、それに劣化に伴う色再現性の低下、並びに消費電力の増加を抑制できる発光装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の発光装置は、光の三原色に該当する各々の色を発光する発光素子を有するものであり、さらに中間色を発光する発光素子を有することを特徴としている。本発明の発光装置は、光の三原色に該当する各々の色を発光する発光素子と中間色を発光する発光素子とを一組とした複数の画素が配列された構成となっている。
【0012】
各画素では、画素内に含まれる各々の発光素子からの発光の発光時間又は輝度を変えて組み合わせ、明度や色度の異なる複数の色を表示する。なお、中間色を発光する発光素子は、一つの画素に少なくとも一つ含まれていればよい。
【0013】
光の三原色とは、赤、緑、青の三色である。ここで、赤は、CIE−XYZ表色系で表したときに、色度図のxが0.6以上、yが0.35以下の領域に座標を有する色をいう。また、緑は、CIE−XYZ表色系で表したときに、色度図のxが0.3以下、yが0.6以上の領域に座標を有する色をいう。青は、CIE−XYZ表色系で表したときに、色度図のxが0.15以下、yが0.2以下の領域に座標を有する色をいう。なお、CIE−XYZ表色系とは三刺激値X、Y、Zに基づく表色系である。色度図は、三刺激値X、Y、Zに基づいてx、y座標空間で色を表したものである。なお、色度とは、明度を除いた光の色の種別を数量的に規定したものである。
【0014】
また、中間色とは、CIE−XYZ表色系を用いて表したときに、色度図において、上記に示した赤、緑、青を表す領域と異なる領域に座標を有する色をいう。
【0015】
中間色を発光する発光素子は、発光効率の高い発光素子の発光と発光効率の低い発光素子の発光とを組み合わせて中間色を表示するときに、発光効率の低い発光素子に対し補助的な役割を担う。従って、発光効率の低い発光素子においては、三原色を組み合わせて中間色を表示する場合よりも表示に必要な輝度を低くすることができ、発光に係る負担が軽減する。このため、特に発光効率の低い発光素子を長寿命化することができ、発光素子の劣化やそれに起因した画質の低下を抑制することができる。さらに、中間色を発光する発光素子を設けることによって、表示可能な色が増加し、発光装置における色再現範囲が広がる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によって、発光効率の低い発光素子や、人間の眼に対する感度の低い発光色を呈する発光素子に係る負担を軽減することにより、発光素子の劣化やそれに起因した画質の低下を抑制することができる。また、表示可能な色が増加し、色再現範囲が広がった発光装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の発光装置に設けられた画素および画素を構成する発光素子の配置について説明する図。
【図2】本発明の発光装置に設けられた発光素子とそれを駆動するための回路について説明する図。
【図3】本発明を適用した発光装置を上面からみた模式図。
【図4】本発明を適用した発光装置に設けられた発光素子とそれを駆動するための回路について説明する図。
【図5】本発明を適用した発光装置の画素部の上面図。
【図6】本発明を適用した発光装置の時間経過に伴ったフレームの動作について説明する図。
【図7】本発明を適用した発光装置に設けられた画素および画素を構成する発光素子の配置について説明する図。
【図8】本発明を適用した発光装置の断面構造について説明する図。
【図9】本発明を適用した発光装置の断面構造について説明する図。
【図10】本発明を適用した発光装置に設けられた発光素子とそれを駆動するための回路について説明する図。
【図11】本発明を適用した発光装置の画素部の上面図。
【図12】本発明を適用した発光装置の封止後の断面図。
【図13】本発明を適用して作製した発光装置を実装した電子機器の図。
【図14】三刺激値X、Y、Zに基づいてx、y座標空間で色を表した図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の発光装置の一態様について、図1、2、14を用いて説明する。なお、図14は、三刺激値X、Y、Zに基づいてx、y座標空間で色を表した色度図である。
【0019】
本発明の発光装置は、赤の発光をする第1の発光素子101と、緑の発光をする第2の発光素子102と、青の発光をする第3の発光素子103と、青みを帯びた緑色を発光する第4の発光素子104とを有している。なお、第4の発光素子の発光色は上記のものには限定されず、例えば赤紫や黄橙色等でもよい。
【0020】
ここで、赤は、CIE−XYZ表色系で表したときに、色度図のxが0.6以上、yが0.35以下の領域(図14において、色度図の周囲と点線151と点線152とで囲まれた領域)に座標を有する色をいう。また、緑は、CIE−XYZ表色系で表したときに、色度図のxが0.3以下、yが0.6以上の領域(図14において、色度図の周囲と点線155と点線156とで囲まれた領域)に座標を有する色をいう。青は、CIE−XYZ表色系を表したときに、色度図のxが0.15以下、yが0.2以下の領域(図14において、色度図の周囲と点線153と点線154とで囲まれた領域)に座標を有する色をいう。また、緑と青の中間色は、CIE−XYZ表色系で表したときに、色度図のxが0.1以下、yが0.25以上0.5以下の領域(図14において、色度図の周囲と点線161と点線162と点線163で囲まれた領域)に座標を有する色、好ましくはxが0.1以下yが0.35以上0.45以下の領域に座標を有する色をいう。
【0021】
図1に示すように、本発明の発光装置では、第1の発光素子101と第2の発光素子102と第3の発光素子103と第4の発光素子104とを一組とした複数の画素110が配列されている。
【0022】
なお、図1では、各々の第1の発光素子101〜第4の発光素子104は行方向に並んで配置されているが、配置の仕方について特に限定はなく、例えば列方向に並べて配置されていても良いし、また、赤を発光する発光素子と青を発光する発光する発光素子とが隣接するように配置されていても構わない。また各発光素子の形状についても、図1に示すような長方形に限らず、例えば正方形やその他の多角形あるいは曲率を有する形状であっても構わない。
【0023】
また、図2に示すように、第1の発光素子101〜第4の発光素子104には各々を駆動するための回路が接続されている。
【0024】
各々の発光素子に接続している回路は、映像信号によって前記発光素子の発光・非発光を決定する駆動用トランジスタ121と、前記映像信号の入力を制御するスイッチング用トランジスタ122と、前記映像信号に関わらず前記発光素子を非発光状態にする消去用トランジスタ123と、ソース信号線131と、電流供給線132と、第1の走査線133と、第2の走査線134とで構成されている。
【0025】
ここで、第2の発光素子102が発光するときの駆動方法について説明する。書き込み期間において第1の走査線133が選択されると、第1の走査線133にゲートが接続されているスイッチング用トランジスタ122がオンになる。そして、ソース信号線131に入力された映像信号が、スイッチング用トランジスタ122を介して駆動用トランジスタ121のゲートに入力さることによって電流供給線132から第2の発光素子102へ電流が流れ、緑の発光をする。この時、第2の発光素子102へ流れる電流の大きさによって発光の輝度が決まる。
【0026】
第2の発光素子102と同様にして、第1の発光素子101、第3の発光素子103、第4の発光素子104も駆動する。このように、各々の発光素子は、各々の発光素子に接続された回路によって独立に発光時間を制御され、所望の表示色が得られる。ここで、表示色とは、一画素内に含まれ発光色がそれぞれ異なる複数の発光素子から得られる発光が組合わさり、視覚的に混合された色をいう。
【0027】
なお、駆動方法は、本形態で示したものに限定されるものではなく、上記以外のデジタル駆動方式でもよい。また、アナログ駆動方式で動作させてもよい。
【0028】
また、各トランジスタの素子構造についても特に限定はなく、スタガ型のものでもよいし、逆スタガ型のものでもよい。また、シングルゲート構造のものでもよいし、マルチゲート構造のものでもよい。さらに、LDD(Lightly Doped Drain)構造でもよいし、シングルドレイン構造等でもよい。
【0029】
以上に示した本発明の発光装置において、青みを帯びた緑、つまり中間色を発光する第4の発光素子104は、各々の発光素子からの発光を組み合わせて中間色を表示するときに、例えば、第2の発光素子102と第3の発光素子103の発光効率が異なる場合、発光効率の低い方の発光素子に対し補助的な役割を担う。従って、三原色のみを組み合わせて中間色を表示する場合と比較して、発光効率の低い素子に係る負担が軽減し、素子を長寿命化することができる。従って、素子の劣化による表示不良の抑制された発光装置を得ることができる。また、第4の発光素子104を設けることによって表示可能な色が増加し、発光装置における色再現範囲が広がる。
【0030】
さらに、本形態のように、第4の発光素子104が青みを帯びた緑を発光するものである場合には、次のような効果も生じる。人間の眼は、通常、緑に対する感度が高いため、例えば緑と青とを同等の感度となるようにするためには、緑よりも青の輝度を高くする必要がある。つまり、表示動作においては、緑の発光をする第2の発光素子102よりも青の発光をする第3の発光素子103への負担が相対的に大きくなる。しかし、本発明の発光装置のように、青みを帯びた緑を発光する第4の発光素子104を設けることによって、第4の発光素子104が第3の発光素子103に対し補助的な役割をし、第3の発光素子103に係る負担を軽減することができる。
【0031】
以上のように、発光効率の低い発光素子や、人間の眼に対する感度の低い発光色の発光素子に係る負担を軽減することにより、発光素子の劣化やそれに起因した画質の低下を抑制することができる。
【実施例1】
【0032】
本実施例では、本発明の発光装置について説明する。但し、本発明の発光装置は、本実施例に示すものに限定されない。
【0033】
図3は本発明を適用した発光装置を上面からみた模式図である。図3において、点線で示された6510は駆動回路部(ソース側駆動回路)、6511は画素部、6512は駆動回路部(ゲート側駆動回路)である。画素部6511には本発明の発光素子が設けられている。駆動回路部6510および6512は外部入力端子であるFPC6503と基板6500上に形成された配線群を介して接続している。FPC(フレキシブルプリントサーキット)6503からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取ることによって駆動回路部6510及び駆動回路部6512に信号が入力される。またFPC6503にはプリント配線基盤(PWB)6513が取り付けられている。駆動回路部6510には、シフトレジスタ6515、スイッチ6516、メモリ(ラッチ)6517,6518が設けられており、駆動回路部6512にはシフトレジスタ6519、バッファ6520が設けられている。
【0034】
なお、駆動回路部は、上記のように必ずしも画素部6511と同一基板上に設けられている必要はなく、例えば、配線パターンが形成されたFPC上にICチップを実装したもの(TCP)等を利用し、基板外部に設けられていてもよい。また、駆動回路部6510、6512の回路構成についても上記のものに限定されず、上記と異なる機能を有する回路がさらに設けられた構成であってもよい。
【0035】
画素部6511では、列方向に延びた複数のソース信号線331と複数の電流供給線332とが行方向に並んで配列している。また、行方向に延びた複数の第1の走査線333と複数の第2の走査線334とが列方向に並んで配列している。また、第1の発光素子301aと第2の発光素子301bと第3の発光素子301cと第4の発光素子301dとを一組とした複数の画素301がマトリクス状に配列している。
【0036】
さらに、画素310において、第1の発光素子301aと、第2の発光素子301bと、第3の発光素子301cと、第4の発光素子301dとは、図1で示した発光装置と同様に、行方向に順に並んで配置している。
【0037】
各発光素子は、一対の電極間に、発光体を含む発光層が挟まれた構造を有するものである。なお、前記発光層は、発光体を含む層のみで構成された単層のものでもよいし、又は発光体を含む層と、キャリア(電子・正孔)輸送性に優れた物質やキャリア注入性に優れた物質等を含む層とを組み合わせた複数の層からなる多層のものでもよい。
【0038】
第1の発光素子301aは、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン(略称:DCJT)を発光体として含み赤の発光をするものであり、第2の発光素子301bはN,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)を発光体として含み緑の発光をするものであり、第3の発光素子301cは9,9’−ビアントリルを発光体として含み青の発光をするものであり、第4の発光素子301dはクマリン30を発光体として含み青みを帯びた緑色を発光するものである。なお、各々の発光素子に含まれる発光体は、上記のものには限定されず、他のものでもよい。例えば、赤の発光をする発光体としては4−ジシアノメチレン−2−t−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル) −4H−ピラン(略称:DPA)やペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)ベンゼン等、緑の発光をする発光体としてはクマリン6やクマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)等、青を発光する発光体としては9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)や9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)等、青みを帯びた緑を発光する発光体としてはビス(2−メチル−8−キノリノラト) −4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)やビス(2−メチル−8−キノリノラト) −4−フェニルフェノラト−ガリウム(略称:BGaq)等を用いることができる。
【0039】
図4に示すように、第1の発光素子301a乃至第4の発光素子301dには、各々の発光素子を駆動するための回路が接続されている。当該回路は、それぞれ、映像信号によって第1の発光素子301a乃至第4の発光素子301dのそれぞれの発光・非発光を決定する駆動用トランジスタ321(321a、321b、321c、321d)と、前記映像信号の入力を制御するスイッチング用トランジスタ322(322a、322b、322c、322d)と、前記映像信号に関わらず第1の発光素子301a乃至第4の発光素子301dのそれぞれを非発光状態にする消去用トランジスタ323(323a、323b、323c、323d)とを有する。ここで、スイッチング用トランジスタ322のソース(又はドレイン)はソース信号線331と接続し、駆動用トランジスタ321のソース及び消去用トランジスタ323のソースはソース信号線331(331a、331b、331c、331d)と並列するように延びた電流供給線332(332a、332b、332c、332d)と接続し、スイッチング用トランジスタ322のゲートは第1の走査線333と接続し、第1の走査線333と並列に延びた消去用トランジスタ323のゲートは第2の走査線334と接続している。また、駆動用トランジスタ321(321a、321b、321c、321d)と第1の発光素子301a乃至第4の発光素子301dのそれぞれとは直列に接続している。各々の発光素子に接続する回路の構成は、ここで述べたものに限定されず、上記と異なる構成のものであってもよい。
【0040】
なお、図5は、本実施例の発光装置の画素部6511の上面図である。図5では、画素部6511の一部のみを図示している。なお、発光装置の画素部の構成は、図5に示したものに、限定されるものではなく、その他の構成のものであってもよい。図5において、81は半導体層、82は、駆動用トランジスタ321、スイッチング用トランジスタ322、消去用トランジスタ323、第1の走査線333、第2の走査線334等のゲート(ゲート電極)として機能する導電膜、83はソース信号線331、電流供給線332等として機能する導電膜である。また、84は、一対の電極間に発光層が挟まれた積層構造を有する部分である。
【0041】
以下に、本実施例の発光装置の動作について図6を用いて説明する。図6は時間経過に伴ったフレームの動作について説明する図であり、図6において、横方向は時間経過を表し、縦方向は走査線の走査方向を表している。
【0042】
本実施例の発光装置において、1フレームは、図6に示すように書き込み期間501a、502a、503a、504aと保持期間501b、502b、503b、504bとを含む4つのサブフレーム501、502、503、504に時分割されている。発光するための信号を与えられた発光素子は、保持期間において発光状態となっている。各々のサブフレームにおける保持期間の長さの比は、第1のサブフレーム501:第2のサブフレーム502:第3のサブフレーム503:第4のサブフレーム504=23:22:21:20=8:4:2:1となっている。これによって4ビット階調を表現することができる。但し、ビット数及び階調数はここに記すものに限定されず、例えば8つのサブフレームを設け8ビット階調を行えるようにしてもよい。
【0043】
1フレームにおける動作について説明する。まず、サブフレーム501において、1行目から最終行まで順に書き込み動作が行われる。従って、行によって書き込み期間の開始時間が異なる。書き込み期間501aが終了した行から順に保持期間501bへと移る。
当該保持期間において、発光するための信号を与えられている発光素子は発光状態となっている。また、保持期間501bが終了した行から順に次のサブフレーム502へ移り、サブフレーム501の場合と同様に1行目から最終行まで順に書き込み動作が行われる。
以上のような動作を繰り返し、サブフレーム504の保持期間504b迄終了する。サブフレーム504における動作を終了したら次のフレームにおける動作へ移る。このように、各サブフレームにおいて発光した時間の積算時間が、1フレームにおける各々の発光素子の発光時間となる。この発光時間を発光素子ごとに変えて一画素内で様々に組み合わせることによって、明度および色度の異なる様々な表示色を形成することができる。
【0044】
なお、1行目の書き込み期間から最終行までの書き込み期間を含めた書き込み期間501c、502c、503cよりも保持期間が短いサブフレーム504においては、保持期間504bの後に消去期間504dを設け、強制的に非発光の状態となるように制御している。これによって、サブフレーム504の書き込み期間とその次のサブフレームの書き込み期間とが重畳することを防げる。
【0045】
なお、本実施例では、サブフレーム501乃至504は保持期間の長いものから順に並んでいるが、必ずしも本実施例のような並びにする必要はなく、例えば保持期間の短いものから順に並べられていてもよいし、または保持期間の長いものと短いものとがランダムに並んでいてもよい。
【0046】
次に、書き込み期間における回路動作について説明する。書き込み期間において、n行目(nは自然数)の第1の走査線333が選択され、当該第1の走査線333に接続したスイッチング用トランジスタ322がオンになる。この時、1列目から最終列目迄のソース信号線に同時に映像信号が入力される。但し、各列のソース信号線331から入力される映像信号は互いに独立したものである。ソース信号線331から同時に入力された映像信号は、各々のソース信号線に接続したスイッチング用トランジスタ322を介して駆動用トランジスタ321のゲートに入力される。この時駆動用トランジスタ321に入力された信号に応じて第1の発光素子301a〜第4の発光素子301dそれぞれの発光・非発光が決まる。
【0047】
ソース信号線への書き込みが終了すると共に、n行目(nは自然数)における書き込み期間は終了し保持期間へと移る。次に、n+1行目が書き込み期間になり、上記と同様の書き込み動作が行われる。以上のような動作を繰り返して1行目から最終行まで書き込み動作が行われる。
【0048】
以上のような構成を有する本発明を適用した発光装置は、発光効率の低い発光素子や、人間の眼に対する感度の低い発光色の発光素子に係る負担を軽減することにより、発光素子の劣化やそれに起因した画質の低下を抑制されたものである。また、表示可能な色が増加し、色再現範囲が広がったものである。
【実施例2】
【0049】
本実施例では、一画素内における発光素子の配置が、図1に示したものと異なる発光装置について説明する。
【0050】
本実施例の発光装置は、図7に示すように、赤の発光をする第1の発光素子701と、緑の発光をする第2の発光素子702と、青の発光をする第3の発光素子703と、青みを帯びた緑色を発光する第4の発光素子704を有するものである。
【0051】
本実施例の発光装置では、行方向及び列方向に2つずつ並べて配置された4つの第1の発光素子701〜第4の発光素子704を一組とした複数の画素705が配列されている。言い換えると、第1の発光素子701〜第4の発光素子704はそれぞれ4つの発光素子を有しており、それらは行方向及び列方向に2列ずつ並べて配列されている。画素705は4つの発光素子、即ち第1の発光素子701〜第4の発光素子704を有している。
複数の画素705が配列されている。
【0052】
また、本実施例の発光装置では、点線706で囲まれた第1の発光素子701、第1の発光素子707、第1の発光素子708、第1の発光素子709のように、同じ発光色を呈する4つの発光素子を一組として含み、前記4つの発光素子は行方向及び列方向に2つずつ並べて配置された群として設けられている。なお、前記群は、各々の発光色を呈する発光素子ごと(つまり、同色の発光を呈する発光素子ごと)に設けられており、第1の発光素子701のように赤の発光をする発光素子を4つ含む第1の群と、第2の発光素子702のように緑の発光をする発光素子を4つ含む第2の群と、第3の発光素子703のように青の発光をする発光素子を4つ含む第3の群と、第4の発光素子704のように青みを帯びた緑色の発光をする発光素子を4つ含む第4の群とを一組とした第5の群720において、第1乃至第4の群は 行方向及び列方向に2群ずつ並べて配置されている。そして、第1の群に含まれる或るひとつの発光素子と、第2の群に含まれる或るひとつの発光素子と、第3の群に含まれる或るひとつの発光素子と、第4の群に含まれる或るひとつの発光素子とを一組としてひとつの画素を構成している。
【0053】
なお、ひとつの群に含まれる発光素子の間の幅は、それぞれ異なる群に含まれ隣接した発光素子の素子間の幅よりも狭くなるように構成されている。
【0054】
換言すると、本実施例の発光装置では、発光色が同じであり且つ隣接した発光素子の素子間の幅は、発光色が異なり且つ隣接した発光素子の素子間の幅よりも狭くなるように発光素子が配置されている。
【0055】
蒸着法により発光層を形成する場合、金属製のマスク等を用いることによって各々の発光色を呈する発光素子に対応した発光層を作り分ける。この時、異なる発光色を呈する発光素子の発光層がマスクの縁から互いに回り込み混色してしまうこと等を防止するために、異なる発光色を呈し互いに隣接した発光素子の素子間の幅は20〜30μm程度で設けられている。
【0056】
しかし、図7に示すような構成の発光装置とすることによって、同じ発光色を呈し互いに隣接した発光素子の素子間においては、混色の防止について考慮する必要がないため、異なる発光色を呈し互いに隣接した発光素子よりも素子間の幅を狭くすることができる。
従って、各々の発光素子の発光面積(発光を取り出すことのできる電極面の面積)を拡大することができ、その結果、発光効率、特に発光の取り出し効率を高くすることができる。
【0057】
なお、図7に示す画素は、正方形の形状をしているが、これに限らず円状のもの等でもよい。特に円状にした場合には、発光素子の劣化が進行しにくいという効果が得られる。
【0058】
以上のような構成を有する本発明を適用した発光装置は、発光効率の低い発光素子や、人間の眼に対する感度の低い発光色の発光素子に係る負担を軽減することにより、発光素子の劣化やそれに起因した画質の低下を抑制されたものである。また、表示可能な色が増加し、発光装置の色再現範囲が広がったものである。
【実施例3】
【0059】
本実施例では、本発明を適用した発光装置の断面構造について説明する。但し、本発明の発光装置の構造および発光装置を構成する物質等は、本実施例に示すものに限定されるものではない。
【0060】
図8において、点線で囲まれているのは、発光素子12を駆動するために設けられているトランジスタ11である。なお、発光素子12は実施例1に示す第1の発光素子301a〜第4の発光素子301dのいずれかに該当し、トランジスタ11は、実施例1に示す駆動用トランジスタ321a〜駆動用トランジスタ321dのいずれか一に該当する。発光素子12は第1の電極13と第2の電極14とこれらの電極に挟まれた発光層15で構成されている。トランジスタ11のドレインと第1の電極13とは、第1層間絶縁膜16(16a、16b、16c)を貫通している配線17によって電気的に接続されている。
また、発光素子12は、隔壁層18によって、隣接して設けられている別の発光素子と分離されている。このような構成を有する本発明の発光装置は、本実施例において、基板10上に設けられている。
【0061】
発光素子12において発光層15は、発光体とキャリア輸送性に優れた物質とを組み合わせた混合層と、キャリア(電子・正孔)輸送性に優れた物質からなる層と、キャリア注入性に優れた物質からなる層とを積層した複数の層からなる。発光素子12の発光色は、発光層15中に含まれる発光体によって決まる。なお、発光層15を構成する物質の組み合わせは、発光素子ごとに異なっていてもよい。なお、発光体としては、実施の形態において示したものを用いればよい。また、キャリア輸送性に優れた物質のうち、特に電子輸送性に優れた物質としては、例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等が挙げられる。また正孔輸送性に優れた物質としては、例えば4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)や4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)や4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)などの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物が挙げられる。また、キャリア注入性に優れた物質のうち、特に電子注入性に優れた物質としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物が挙げられる。また、この他、Alq3のような電子輸送性の高い物質とマグネシウム(Mg)のようなアルカリ土類金属との混合物であってもよい。また、正孔注入性の高い物質としては、例えば、モリブデン酸化物(MoOx)やバナジウム酸化物(VOx)、ルテニウム酸化物(RuOx)、タングステン酸化物(WOx)、マンガン酸化物(MnOx)等の金属酸化物が挙げられる。また、この他、フタロシアニン(略称:H2Pc)や銅フタロシアニン(CuPC)等のフタロシアニン系の化合物が挙げられる。
【0062】
なお、トランジスタ11はトップゲート型のものである。但し、トランジスタ11の構造については、特に限定はなく、例えば図9(A)に示すような逆スタガ型のものでもよい。また逆スタガ型の場合には、図9(B)のようにチャネルを形成する半導体層の上に保護膜が形成されたもの(チャネル保護型)でもよいし、或いはチャネルを形成する半導体層の一部が凹状になったもの(チャネルエッチ型)でもよい。なお、21はゲート電極、22はゲート絶縁膜、23は半導体層、24はn型の半導体層、25は電極、26は保護膜である。
【0063】
また、トランジスタ11を構成する半導体層は、結晶性、非結晶性のいずれのものでもよい。また、セミアモルファス等でもよい。
【0064】
なお、セミアモルファスな半導体とは、次のようなものである。非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造を有し、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な領域を含んでいるものである。また少なくとも膜中の一部の領域には、0.5〜20nmの結晶粒を含んでいる。ラマンスペクトルが520cm-1よりも低波数側にシフトしている。X線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。未結合手(ダングリングボンド)の中和剤として水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。所謂微結晶半導体(マイクロクリスタル半導体)とも言われている。珪化物気体をグロー放電分解(プラズマCVD)して形成する。珪化物気体としては、SiH4、その他にもSi26、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることができる。この珪化物気体をH2、又は、H2とHe、Ar、Kr、Neから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈しても良い。希釈率は2〜1000倍の範囲。圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲、電源周波数は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHz。基板加熱温度は300℃以下でよく、好ましくは100〜250℃。膜中の不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分の不純物は1×1020atoms/cm3以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019atoms/cm3以下、好ましくは1×1019atoms/cm3以下とする。なお、セミアモルファスなものを有する半導体を用いたTFT(薄膜トランジスタ)の移動度はおよそ1〜10m2/Vsecとなる。
【0065】
また、半導体層が結晶性のものの具体例としては、単結晶または多結晶性の珪素、或いはシリコンゲルマニウム等から成るものが挙げられる。これらはレーザー結晶化によって形成されたものでもよいし、例えばニッケル等を用いた固相成長法による結晶化によって形成されたものでもよい。
【0066】
なお、半導体層が非晶質の物質、例えばアモルファスシリコンで形成される場合には、トランジスタ11およびその他のトランジスタ(発光素子を駆動するための回路を構成するトランジスタ)は全てNチャネル型トランジスタで構成された回路を有する発光装置であることが好ましい。それ以外については、Nチャネル型またはPチャネル型のいずれか一のトランジスタで構成された回路を有する発光装置でもよいし、両方のトランジスタで構成された回路を有する発光装置でもよい。
【0067】
さらに、第1層間絶縁膜16は、図8(A)、(C)に示すように多層でもよいし、または単層でもよい。なお、16aは酸化珪素や窒化珪素のような無機物から成り、16bはアクリルやシロキサン(シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む物質)、または塗布成膜可能な酸化珪素等の自己平坦性を有する物質から成る。さらに、16cはアルゴン(Ar)を含む窒化珪素膜から成る。
なお、各層を構成する物質については、特に限定はなく、ここに述べたもの以外のものを用いてもよい。また、これら以外の物質から成る層をさらに組み合わせてもよい。このように、第1層間絶縁膜16は、無機物と有機物の両方を用いて形成されたものでもよいし、または無機膜と有機膜のいずれか一で形成されたものでもよい。
【0068】
隔壁層18は、エッジ部において、曲率半径が連続的に変化する形状であることが好ましい。また隔壁層18は、アクリルやシロキサン、レジスト、酸化珪素等を用いて形成される。なお隔壁層18は、無機膜と有機膜のいずれか一で形成されたものでもよいし、または両方を用いて形成されたものでもよい。
【0069】
なお、図8(A)、(C)では、第1層間絶縁膜16のみがトランジスタ11と発光素子12の間に設けられた構成であるが、図8(B)のように、第1層間絶縁膜16(16a、16b)の他、第2層間絶縁膜19(19a、19b)が設けられた構成のものであってもよい。図8(B)に示す発光装置においては、第1の電極13は第2層間絶縁膜19を貫通し、配線17と接続している。
【0070】
第2層間絶縁膜19は、第1層間絶縁膜16と同様に、多層でもよいし、または単層でもよい。19aはアクリルやシロキサン(シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む物質)、塗布成膜可能な酸化珪素等の自己平坦性を有する物質から成る。さらに、19bはアルゴン(Ar)を含む窒化珪素膜から成る。なお、各層を構成する物質については、特に限定はなく、ここに述べたもの以外のものを用いてもよい。また、これら以外の物質から成る層をさらに組み合わせてもよい。このように、第2層間絶縁膜19は、無機物と有機物の両方を用いて形成されたものでもよいし、または無機膜と有機膜のいずれか一で形成されたものでもよい。
【0071】
発光素子12において、第1の電極13および第2の電極14がいずれもインジウム錫酸化物(ITO)のような透光性を有する物質で構成されている場合、図8(A)の白抜きの矢印で表されるように、第1の電極13側と第2の電極14側の両方から発光を取り出すことができる。また、第2の電極14のみが透光性を有する物質で構成されている場合、図8(B)の白抜きの矢印で表されるように、第2の電極14側のみから発光を取り出すことができる。この場合、第1の電極13は反射率の高い材料で構成されているか、または反射率の高い材料から成る膜(反射膜)が第1の電極13の下方に設けられていることが好ましい。また、第1の電極13のみが透光性を有する物質で構成されている場合、図8(C)の白抜きの矢印で表されるように、第1の電極13側のみから発光を取り出すことができる。この場合、第2の電極14は反射率の高い材料で構成されているか、または反射膜が第2の電極14の上方に設けられていることが好ましい。
【0072】
また、発光素子12は、第1の電極13が陽極として機能し、第2の電極14が陰極として機能する構成であってもよいし、或いは第1の電極13が陰極として機能し、第2の電極14が陽極として機能する構成であってもよい。但し、前者の場合、トランジスタ11はPチャネル型トランジスタであり、後者の場合、トランジスタ11はNチャネル型トランジスタである。
【0073】
以上のような構成を有する本発明を適用した発光装置は、発光効率の低い発光素子や、人間の眼に対する感度の低い発光色の発光素子に係る負担を軽減することにより、発光素子の劣化やそれに起因した画質の低下を抑制されたものである。また、表示可能な色が増加し、色再現範囲が広がったものである。
【実施例4】
【0074】
本実施例では、図4に示したものと異なる回路構成を有する発光素子について図10を用いて説明する。
【0075】
図10に示すように、発光素子801には、各々の発光素子を駆動するための回路が接続されている。当該回路は、映像信号によって発光素子801の発光・非発光を決定する駆動用トランジスタ824と、前記映像信号の入力を制御するスイッチング用トランジスタ822と、前記映像信号に関わらず発光素子801を非発光状態にする消去用トランジスタ823と、発光素子801に供給される電流の大きさを制御するための電流制御用トランジスタ821とを有する。ここで、スイッチング用トランジスタ822のソース(又はドレイン)はソース信号線831と接続し、駆動用トランジスタ824のソース及び消去用トランジスタ823のソースはソース信号線831と並列するように延びた電流供給線832と接続し、スイッチング用トランジスタ822のゲートは第1の走査線833と接続し、第1の走査線833と並列に延びた消去用トランジスタ823のゲートは第2の走査線834と接続している。また、駆動用トランジスタ824と発光素子801と間に電流制御用トランジスタ821を挟み、直列に接続している。電流制御用トランジスタ821のゲートは、電源線835に接続している。なお、電流制御用トランジスタ821は、電圧−電流(Vd−Id)特性における飽和領域において電流が流れるように構成、制御されたものであり、これによって、当該電流制御用トランジスタ821に流れる電流値の大きさを決定することができる。
【0076】
発光素子801が発光するときの駆動方法について説明する。書き込み期間において第1の走査線833が選択されると、第1の走査線833にゲートが接続されているスイッチング用トランジスタ822がオンになる。そして、ソース信号線831に入力された映像信号が、スイッチング用トランジスタ822を介して駆動用トランジスタ824のゲートに入力さる。さらに、駆動用トランジスタ824と、電源線835からの信号を受けてオン状態になった電流制御用トランジスタ821とを介して電流供給線832から発光素子801へ電流が流れ、発光に至る。このとき、発光素子へ流れる電流の大きさは、電流制御用トランジスタ821によって決まる。
【0077】
なお、図10では、ひとつの発光素子801について記載しているが、本実施例の発光装置では、当該発光素子に接続されたものと同じ回路によって動作する発光素子が、図4と同様に4つ並んで配置され、これらを一組とした複数の画素が配列されている。なお、一画素内に含まれる発光素子は、それぞれ異なる発光色を呈するものである。
【0078】
図11は、本実施例に示すような回路構成を有する発光装置の画素部の上面図である。
図11では、画素部の一部のみを図示している。なお、発光装置の画素部の構成は、図11に示したものに、限定されるものではなく、その他の構成のものであってもよい。図11において、91は半導体層、92は、電流制御用トランジスタ821、スイッチング用トランジスタ822、消去用トランジスタ823、駆動用トランジスタ824や第1の走査線833、834等のゲート(ゲート電極)として機能する導電膜、93はソース信号線831、電流供給線832、電源線835等として機能する導電膜である。また、94は、一対の電極間に発光層が挟まれた積層構造を有する部分である。
【0079】
以上のような構成を有する本発明を適用した発光装置は、発光効率の低い発光素子や、人間の眼に対する感度の低い発光色の発光素子に係る負担を軽減することにより、発光素子の劣化やそれに起因した画質の低下を抑制されたものである。また、表示可能な色が増加し、色再現範囲が広がったものである。
【実施例5】
【0080】
実施例1〜4で示したような、本発明を適用した発光装置は、外部入力端子の装着および封止後、各種電子機器に実装される。
【0081】
本発明を適用した電子機器は、本発明を適用した発光装置ことによって、発光素子の劣化やそれに起因した画質の低下を抑制され、良好な表示を得ることができるものである。
また、表示可能な色が増加し、色再現範囲が広がったものである。
【0082】
本実施例では、本発明を適用した発光装置およびその発光装置を実装した電子機器について図12、13を用いて説明する。但し、図12、13に示したものは一実施例であり、発光装置および電子機器の構成はこれに限定されるものではない。
【0083】
図12は、本発明を適用した発光装置の封止後の断面図である。なお、図12の上面模式図が先に説明した図3に該当する。トランジスタおよび本発明の発光素子とを間に挟むように基板6500および封止基板6501とがシール材6502によって貼り合わされている。また基板6500の端部には外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)6503が装着されている。なお、基板6500と封止基板6501とに挟まれた領域には、窒素などの不活性ガスまたは樹脂材料で充填された状態となっている。
【0084】
本発明を適用した発光装置を実装した電子機器の一実施例を図13に示す。
【0085】
図13は、本発明を適用して作製したノート型のパーソナルコンピュータであり、本体5521、筐体5522、表示部5503、キーボード5524などによって構成されている。本発明の発光素子を有する発光装置をパーソナルコンピュータに組み込むことで表示装置を完成できる。
【0086】
なお、本実施例では、ノート型のパーソナルコンピュータについて述べているが、この他に携帯電話やテレビ受像機、カーナビゲイション、或いは照明機器等に本発明の発光素子を有する発光装置を実装しても構わない。
【符号の説明】
【0087】
101 第1の発光素子
102 第2の発光素子
103 第3の発光素子
104 第4の発光素子
110 画素
151 点線
152 点線
153 点線
154 点線
155 点線
156 点線
161 点線
162 点線
163 点線
121 駆動用トランジスタ
122 スイッチング用トランジスタ
123 消去用トランジスタ
131 ソース信号線
132 電流供給線
133 第1の走査線
134 第2の走査線
301 画素
301a 第1の発光素子
301b 第2の発光素子
301c 第3の発光素子
301d 第4の発光素子
310 画素
321 駆動用トランジスタ
322 スイッチング用トランジスタ
323 消去用トランジスタ
331 ソース信号線
332 電流供給線
333 第1の走査線
334 第2の走査線
501 サブフレーム
502 サブフレーム
503 サブフレーム
504 サブフレーム
501a 書き込み期間
502a 書き込み期間
503a 書き込み期間
504a 書き込み期間
501b 保持期間
502b 保持期間
503b 保持期間
504b 保持期間
501c 期間
504d 消去期間
701 第1の発光素子
702 第2の発光素子
703 第3の発光素子
704 第4の発光素子
705 画素
706 点線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
色の異なる複数の素子を有する表示装置であって、
第1の色を呈する4つの第1の素子を含み、前記第1の素子を行方向および列方向に2つずつ並べて配置した、第1の群と、
第2の色を呈する4つの第2の素子を含み、前記第2の素子を行方向および列方向に2つずつ並べて配置した、第2の群と第3の群と第4の群と、
第3の色を呈する4つの第3の素子を含み、前記第3の素子を行方向および列方向に2つずつ並べて配置した、第5の群と第6の群と第7の群と、
第4の色を呈する4つの第4の素子を含み、前記第4の素子を行方向および列方向に2つずつ並べて配置した、第8の群と第9の群とを有し、
前記第1の群は、前記第2乃至第9の群に囲まれ、
前記第2乃至第4の群は隣接せず、
前記第5乃至第7の群は隣接せず、
前記第8の群と前記第9の群は隣接せず、
前記第1の群に含まれる第1の素子の1つと、前記第2の群に含まれる第2の素子の1つと、前記第5の群に含まれる第3の素子の1つと、前記第8の群に含まれる第4の素子の1つとで、一の画素を構成していることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
色の異なる複数の素子を有する発光装置であって、
第1の色を呈する4つの第1の素子を含み、前記第1の素子を行方向および列方向に2つずつ並べて配置した、第1の群と、
第2の色を呈する4つの第2の素子を含み、前記第2の素子を行方向および列方向に2つずつ並べて配置した、第2の群と第3の群と第4の群と、
第3の色を呈する4つの第3の素子を含み、前記第3の素子を行方向および列方向に2つずつ並べて配置した、第5の群と第6の群と第7の群と、
第4の色を呈する4つの第4の素子を含み、前記第4の素子を行方向および列方向に2つずつ並べて配置した、第8の群と第9の群とを有し、
前記第1の群は、前記第2乃至第9の群に囲まれ、
前記第2の群は、前記第1の群の左方向に配置され、
前記第3の群は、前記第1の群の右上方向に配置され、
前記第4の群は、前記第1の群の右下方向に配置され、
前記第5の群は、前記第1の群の右方向で配置され、
前記第6の群は、前記第1の群の左上方向に配置され、
前記第7の群は、前記第1の群の左下方向に配置され、
前記第8の群は、前記第1の群の上方向に配置され、
前記第9の群は、前記第1の群の下方向に配置され、
前記第1の群に含まれる第1の素子の1つと、前記第2の群に含まれる第2の素子の1つと、前記第6の群に含まれる第3の素子の1つと、前記第8の群に含まれる第4の素子の1つとで、一の画素を構成していることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
同一の群に含まれ隣接した素子の素子間の幅は、それぞれ異なる群に含まれ隣接した素子の素子間の幅よりも小さいことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一において、
前記第1の色はCIE−XYZ表色系で表したときに、色度図のxが0.6以上、yが0.35以下の領域に座標を有する色であり、
前記第2の色はCIE−XYZ表色系で表したときに、色度図のxが0.3以下、yが0.6以上の領域に座標を有する色であり、
前記第3の色はCIE−XYZ表色系で表したときに、色度図のxが0.15以下、yが0.2以下の領域に座標を有する色であり、
前記第4の色はCIE−XYZ表色系で表したときに、色度図のxが0.1以下、yが0.25以上0.5以下の領域に座標を有する色であることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一に記載の表示装置を含む電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2010−238676(P2010−238676A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144910(P2010−144910)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【分割の表示】特願2004−358476(P2004−358476)の分割
【原出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】