表示装置用パネルおよびその製造方法
【課題】外部配線を直接接続しない基板の「割れ」、「欠け」等を簡単に検出することができる表示装置用パネルおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】表示装置用パネルは、第1電極部11、および該第1電極部11を外部配線に対して電気的に接続する接続部12を含む第1基板10と、第1基板10と対向して設けられた、第2電極部21を含む第2基板20と、第1電極部11と第2電極部21とを電気的に接続するコモン転移材30とを備える。第2電極部21は、第2基板20の損傷を検出するための検出部分を含み、検出部分は、コモン転移材30を介して第1電極部11および外部配線に対して電気的に接続される。
【解決手段】表示装置用パネルは、第1電極部11、および該第1電極部11を外部配線に対して電気的に接続する接続部12を含む第1基板10と、第1基板10と対向して設けられた、第2電極部21を含む第2基板20と、第1電極部11と第2電極部21とを電気的に接続するコモン転移材30とを備える。第2電極部21は、第2基板20の損傷を検出するための検出部分を含み、検出部分は、コモン転移材30を介して第1電極部11および外部配線に対して電気的に接続される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置用パネルおよびその製造方法に関し、特に、基板の損傷の有無を確認するための電極部を有する表示装置用パネルおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平05−346587号公報(特許文献1)には、透明基板の周縁部に割れ検知用電極を敷設した液晶表示素子が示されている。特許文献1では、上記割れ検知用電極の導通検査を行なうことにより、液晶表示素子の破損の検出を電気的に可能なものとして、メンテナンス性を向上させることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−346587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、表示装置用パネルの高精細化、狭額縁化等の理由により、対向する2枚の基板のうち外部配線に接続される端子部を有しない基板(典型的にはカラーフィルタ基板)に「割れ」、「欠け」等検出用電極を設ける必要性が増している。
【0005】
特許文献1は、端子部を有しない基板の「割れ」、「欠け」等検出用電極に通電するための機構を示すものではない。
【0006】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、外部配線を直接接続しない基板の「割れ」、「欠け」等を簡単に検出することができる表示装置用パネルおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る表示装置用パネルは、第1電極部、および該第1電極部を外部配線に対して電気的に接続する接続部を含む第1基板と、第1基板と対向して設けられた、第2電極部を含む第2基板と、第1電極部と第2電極部とを電気的に接続するコモン転移材とを備えた表示装置用パネルであって、第2電極部は、第2基板の損傷を検出するための検出部分を含み、検出部分は、コモン転移材を介して第1電極部および外部配線に対して電気的に接続される。
【0008】
なお、基板の損傷とは、該基板に割れ、欠け、クラックなどが発生することを言う。
1つの実施態様では、上記表示装置用パネルにおいて、検出部分は、第2基板における所定の領域を全周にわたって取り囲むように形成される。
【0009】
1つの実施態様では、上記表示装置用パネルにおいて、第1電極部は、第1基板の損傷を検出するための他の検出部分を含み、他の検出部分は、接続部を避けた位置に設けられる。
【0010】
本発明に係る表示装置用パネルの製造方法は、第1電極部、および該第1電極部を外部配線に対して電気的に接続する接続部を含む第1基板と、第2電極部を含む第2基板とを準備する工程と、第1基板と第2基板とをコモン転移材を介して対向させ、コモン転移材により第1電極部と第2電極部とを電気的に接続させるように第1基板と第2基板とを貼り合わせる工程と、第1基板と第2基板とを貼り合わせた後に、第2電極部の電気的導通性を確認して第2基板の損傷の有無を確認する工程とを備える。
【0011】
1つの実施態様では、上記表示装置用パネルの製造方法において、第2電極部の電気的導通性を確認して第2基板の損傷の有無を確認すると同時に、第1電極部の電気的導通性を確認して第1基板の損傷の有無を確認する。
【0012】
1つの実施態様では、上記表示装置用パネルの製造方法において、第2基板の損傷の有無を確認する工程は、前記表示装置用パネルの点灯試験と同時に行なわれる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、外部配線を直接接続しない第2基板の「割れ」、「欠け」等を簡単に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の1つの実施の形態に係る表示装置用パネルにおける基板の「割れ」、「欠け」等の検出方法を模式的に説明するための図である。
【図2】本発明の1つの実施の形態に係る表示装置用パネルにおける電極部の配置(第1基板)の具体的な一例を示す図である。
【図3】本発明の1つの実施の形態に係る表示装置用パネルにおける電極部の配置の具体的な他の例(第1基板)を示す図である。
【図4】コモン転移材料について説明する図である。
【図5】電極部の配置の変形例を示す図(その1)である。
【図6】電極部の配置の変形例を示す図(その2)である。
【図7】電極部の配置の変形例を示す図(その3)である。
【図8】電極部の配置の変形例を示す図(その4)である。
【図9】電極部の配置の変形例を示す図(その5)である。
【図10】電極部の配置の変形例を示す図(その6)である。
【図11】電極部の配置の変形例を示す図(その7)である。
【図12】電極部の配置の変形例を示す図(その8)である。
【図13】電極部の配置の変形例を示す図(その9)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
【0016】
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る表示装置用パネルにおける基板の「割れ」、「欠け」等の検出方法を模式的に説明するための図である。
【0018】
図1を参照して、本実施の形態に係る表示装置用パネルは、基板1と、電極部2とを含む。
【0019】
図1に示すように、電極部2は、基板1の周縁部に、基板1の外周に沿って形成されている。電極部2は、その両端に端子部2A,2Bを有する。典型的な例では、表示装置用パネルの点灯検査時に、該パネルを検査台3にセットし、端子部2A,2Bを、各々、端子台3の端子部3A,3Bに電気的に接続し、電極部2の電気的導通性を確認する。ここで、基板1の外周部に「割れ」、「欠け」等が生じていると、当該部分において電極部2が分断され、電極部2の電気的導通性が阻害される。このようにして、基板1の「割れ」、「欠け」等の有無を判断することが可能である。
【0020】
基板1は、液晶表示パネルにおけるアレイ基板(TFT基板)であってもよいし、カラーフィルタ基板であってもよい。
【0021】
上記アレイ基板に電極部2を形成する場合、たとえば、薄膜トランジスタ(TFT)の形成時に、併せて電極部2を形成することが可能である。このようにすることで、新たな工程やフォトマスクを追加することなく、電極部2を形成することができる。
【0022】
他方、カラーフィルタ基板に電極部2を形成する場合、たとえば、表示用ITO電極の形成時に、併せて電極部2を形成することが可能である。これに代えて、ブラックマトリックスの形成時に、併せて電極部2を形成することが可能である。さらに、これに代えて、インクジェットにより電極部2を形成することも可能である。
【0023】
図2,図3は、電極部の配置の具体的な例を示す図である。なお、図2,図3に示す基板は、典型的にはアレイ基板(TFT基板)である。
【0024】
たとえば、図2に示す例では、基板110にフレキシブル配線100が接続され、基板110上には基板110の外周に沿って電極部120が形成されている。電極部120は、その両端に端子部120A,120Bを有する。電極部120は、フレキシブル配線100が接続される位置を避けるように、基板110の三辺にわたって形成されている。
【0025】
また、図3に示す例では、基板210にフレキシブル配線200が接続され、基板210上には基板210の外周に沿って電極部220が形成されている。電極部220は、その両端に端子部220A,220Bを有する。電極部220は、フレキシブル配線200が接続される位置を避けるように、基板210の一辺にだけ形成されている。
【0026】
ところで、近年、配線の簡略化等の理由により、外部配線を接続する接続部(外部端子)が、対向する2つの基板のうち片方にのみ(典型的な例では、アレイ基板(TFT基板)およびカラーフィルタ基板のうちアレイ基板にのみ)設置されている。
【0027】
本実施の形態に係る「割れ」、「欠け」等検出の特徴は、外部配線を接続する接続部(外部端子)が設けられていない基板1の「割れ」、「欠け」等検出の方法、具体的には、後述するコモン転移材を介して電極部2に通電する点にある。
【0028】
図4を参照して、第1基板10(典型的には、アレイ基板(TFT基板))上に第1電極部11が形成され、第2基板20(典型的には、カラーフィルタ基板)上に第2電極部21が形成されている。第2電極部21は、第2基板20の「割れ」、「欠け」等を検知するために設けれた「検出部分」としての電極部2を含んでいる。電極部2は、表示装置用パネルの使用時には、特に機能を有しないダミー電極となる。
【0029】
第1電極部11と第2電極部21とは、コモン転移材30を介して電気的に接続される。第1基板10には、外部配線と接続される接続部12が形成されている。外部配線は、接続部12を介して第1基板10の第1電極部11と電気的に接続され、さらに、コモン転移材30を介して第2基板20の第2電極部21と電気的に接続される。これにより、第2基板20上の第2電極部21は外部配線と接続可能となる。
【0030】
次に、図5〜図14を参照して、第2基板20上に形成される「割れ」、「欠け」等検出用の電極部2の配置の例について説明する。
【0031】
図5〜図14に示すように、外部配線との接続部を有しない第2基板20(TFT基板等)上においては、基板を全周にわたって取り囲む電極部を形成することが可能である。
【0032】
図5の例では、「割れ」、「欠け」等検出用の電極部2は、基板1の外周全周にわたって設けられている。電極部2は、そのラインの両端において端子部2A,2Bを有する。
【0033】
図6から図8に示す例では、電極部2は複数に分割されている。すなわち、図6の例では、電極部2は4つに分割され、図7,図8の例では、電極部2は2つに分割されている。このように、電極部2を複数に分割することで、基板1のどの部分に「割れ」、「欠け」等が生じているかを把握しやすくなる。
【0034】
図6の例では、各々の電極部2は、外周側に位置する部分と内周側に位置する部分との二重構造となっている。このようにすることで、端子部2A,2B間で基板1に「割れ」、「欠け」等が生じた場合にも、当該「割れ」、「欠け」等を検知しやすくなる。
【0035】
図7,図8の例では、電極部2が複数(2つ)に分割されることにより、端子部2A,2Bが形成されている。図8の例では、端子部2A,2Bとの間において、各々の電極部2が外周側と内周側とに重なるように形成されている。このようにすることで、図6の例と同様に、端子部2A,2B間で基板1に「割れ」、「欠け」等が生じた場合にも、当該「割れ」、「欠け」等を検知しやすくなる。
【0036】
なお、端子部2A,2Bの配置は、図5〜図8に示したものに限定されず、たとえば、図9,図10,図11のような設け方も可能である。図10,図11に示す例では、図1の例と同様、1つの電極部2により基板1の全周を囲んでいる。
【0037】
図12に示す例では、基板1の内周側と外周側とに2つの電極部が設けられている。各々の電極部2は、互いに略平行に形成されている。図12の例においても、基板1の「割れ」、「欠け」等を確実に検知できる。
【0038】
図13に示す例では、図5〜図12の例のように、基板1の周縁部に「割れ」、「欠け」等検知用の電極部2を設けるのではなく、基板1の中央部に近い領域に当該電極部2を設けている。
【0039】
なお、電極部2の幅は、たとえば、1mm以上3mm以下程度である。また、端子部2A,2Bは、たとえば、5mm程度角の略正方形形状を有する。電極部2の膜厚は、たとえば、10μm以上20μm以下程度である。
【0040】
なお、電極部2は、基板1の片面のみに形成されていてもよいし、基板1の両面に形成されていてもよい。
【0041】
上述した内容について要約すると、以下のようになる。すなわち、本実施の形態に係る表示装置用パネルは、第1電極部11(たとえば、図2,図3に示す電極部120,220)、および該第1電極部11を外部配線(たとえば、図2,図3に示すフレキシブル配線100,200)に対して電気的に接続する接続部12を含む第1基板10(たとえば、図2,図3に示す基板110,210)と、第1基板10と対向して設けられた、第2電極部21を含む第2基板20と、第1電極部11と第2電極部21とを電気的に接続するコモン転移材30とを備えた表示装置用パネルであって、第2電極部21は、第2基板20の損傷を検出するための「検出部分」としての電極部2を含み、電極部2は、コモン転移材30を介して第1電極部11および外部配線に対して電気的に接続される。
【0042】
典型的な例では、「検出部分」としての電極部2は、第2基板における所定の領域を全周にわたって取り囲むように形成されるが、本発明の範囲は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0043】
典型的な例では、第1電極部11(たとえば、電極部120,220)は、第1基板10(たとえば、基板110,210)の損傷を検出するための部分(他の検出部分)を含み、当該部分は、接続部12を避けた位置に設けられる(図2,図3参照)が、本発明の範囲は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0044】
本発明に係る表示装置用パネルの製造方法は、第1電極部11(たとえば、電極部120,220)、および該第1電極部11を外部配線(たとえば、フレキシブル配線100,200)に対して電気的に接続する接続部12を含む第1基板10(たとえば、基板110,210)と、第2電極部21を含む第2基板20とを準備する工程と、第1基板10と第2基板20とをコモン転移材30を介して対向させ、コモン転移材30により第1電極部11と第2電極部21とを電気的に接続させるように第1基板10と第2基板20とを貼り合わせる工程と、第1基板10と第2基板20とを貼り合わせた後に、第2電極部21の電気的導通性を確認して第2基板20の損傷の有無を確認する工程とを備える。
【0045】
典型的な例では、第2電極部21の電気的導通性を確認して第2基板20の損傷の有無を確認すると同時に、第1電極部11の電気的導通性を確認して第1基板10の損傷の有無を確認するが、本発明の範囲は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0047】
1,110,210 基板、2,120,220 電極部、2A,2B,3A,3B,120A,120B,220A,220B 端子部、2C 凹部、3 検査台、10 第1基板、11 第1電極部、12 接続部、20 第2基板、21 第2電極部、30 コモン転移材、100,200 フレキシブル配線。
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置用パネルおよびその製造方法に関し、特に、基板の損傷の有無を確認するための電極部を有する表示装置用パネルおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平05−346587号公報(特許文献1)には、透明基板の周縁部に割れ検知用電極を敷設した液晶表示素子が示されている。特許文献1では、上記割れ検知用電極の導通検査を行なうことにより、液晶表示素子の破損の検出を電気的に可能なものとして、メンテナンス性を向上させることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−346587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、表示装置用パネルの高精細化、狭額縁化等の理由により、対向する2枚の基板のうち外部配線に接続される端子部を有しない基板(典型的にはカラーフィルタ基板)に「割れ」、「欠け」等検出用電極を設ける必要性が増している。
【0005】
特許文献1は、端子部を有しない基板の「割れ」、「欠け」等検出用電極に通電するための機構を示すものではない。
【0006】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、外部配線を直接接続しない基板の「割れ」、「欠け」等を簡単に検出することができる表示装置用パネルおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る表示装置用パネルは、第1電極部、および該第1電極部を外部配線に対して電気的に接続する接続部を含む第1基板と、第1基板と対向して設けられた、第2電極部を含む第2基板と、第1電極部と第2電極部とを電気的に接続するコモン転移材とを備えた表示装置用パネルであって、第2電極部は、第2基板の損傷を検出するための検出部分を含み、検出部分は、コモン転移材を介して第1電極部および外部配線に対して電気的に接続される。
【0008】
なお、基板の損傷とは、該基板に割れ、欠け、クラックなどが発生することを言う。
1つの実施態様では、上記表示装置用パネルにおいて、検出部分は、第2基板における所定の領域を全周にわたって取り囲むように形成される。
【0009】
1つの実施態様では、上記表示装置用パネルにおいて、第1電極部は、第1基板の損傷を検出するための他の検出部分を含み、他の検出部分は、接続部を避けた位置に設けられる。
【0010】
本発明に係る表示装置用パネルの製造方法は、第1電極部、および該第1電極部を外部配線に対して電気的に接続する接続部を含む第1基板と、第2電極部を含む第2基板とを準備する工程と、第1基板と第2基板とをコモン転移材を介して対向させ、コモン転移材により第1電極部と第2電極部とを電気的に接続させるように第1基板と第2基板とを貼り合わせる工程と、第1基板と第2基板とを貼り合わせた後に、第2電極部の電気的導通性を確認して第2基板の損傷の有無を確認する工程とを備える。
【0011】
1つの実施態様では、上記表示装置用パネルの製造方法において、第2電極部の電気的導通性を確認して第2基板の損傷の有無を確認すると同時に、第1電極部の電気的導通性を確認して第1基板の損傷の有無を確認する。
【0012】
1つの実施態様では、上記表示装置用パネルの製造方法において、第2基板の損傷の有無を確認する工程は、前記表示装置用パネルの点灯試験と同時に行なわれる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、外部配線を直接接続しない第2基板の「割れ」、「欠け」等を簡単に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の1つの実施の形態に係る表示装置用パネルにおける基板の「割れ」、「欠け」等の検出方法を模式的に説明するための図である。
【図2】本発明の1つの実施の形態に係る表示装置用パネルにおける電極部の配置(第1基板)の具体的な一例を示す図である。
【図3】本発明の1つの実施の形態に係る表示装置用パネルにおける電極部の配置の具体的な他の例(第1基板)を示す図である。
【図4】コモン転移材料について説明する図である。
【図5】電極部の配置の変形例を示す図(その1)である。
【図6】電極部の配置の変形例を示す図(その2)である。
【図7】電極部の配置の変形例を示す図(その3)である。
【図8】電極部の配置の変形例を示す図(その4)である。
【図9】電極部の配置の変形例を示す図(その5)である。
【図10】電極部の配置の変形例を示す図(その6)である。
【図11】電極部の配置の変形例を示す図(その7)である。
【図12】電極部の配置の変形例を示す図(その8)である。
【図13】電極部の配置の変形例を示す図(その9)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
【0016】
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る表示装置用パネルにおける基板の「割れ」、「欠け」等の検出方法を模式的に説明するための図である。
【0018】
図1を参照して、本実施の形態に係る表示装置用パネルは、基板1と、電極部2とを含む。
【0019】
図1に示すように、電極部2は、基板1の周縁部に、基板1の外周に沿って形成されている。電極部2は、その両端に端子部2A,2Bを有する。典型的な例では、表示装置用パネルの点灯検査時に、該パネルを検査台3にセットし、端子部2A,2Bを、各々、端子台3の端子部3A,3Bに電気的に接続し、電極部2の電気的導通性を確認する。ここで、基板1の外周部に「割れ」、「欠け」等が生じていると、当該部分において電極部2が分断され、電極部2の電気的導通性が阻害される。このようにして、基板1の「割れ」、「欠け」等の有無を判断することが可能である。
【0020】
基板1は、液晶表示パネルにおけるアレイ基板(TFT基板)であってもよいし、カラーフィルタ基板であってもよい。
【0021】
上記アレイ基板に電極部2を形成する場合、たとえば、薄膜トランジスタ(TFT)の形成時に、併せて電極部2を形成することが可能である。このようにすることで、新たな工程やフォトマスクを追加することなく、電極部2を形成することができる。
【0022】
他方、カラーフィルタ基板に電極部2を形成する場合、たとえば、表示用ITO電極の形成時に、併せて電極部2を形成することが可能である。これに代えて、ブラックマトリックスの形成時に、併せて電極部2を形成することが可能である。さらに、これに代えて、インクジェットにより電極部2を形成することも可能である。
【0023】
図2,図3は、電極部の配置の具体的な例を示す図である。なお、図2,図3に示す基板は、典型的にはアレイ基板(TFT基板)である。
【0024】
たとえば、図2に示す例では、基板110にフレキシブル配線100が接続され、基板110上には基板110の外周に沿って電極部120が形成されている。電極部120は、その両端に端子部120A,120Bを有する。電極部120は、フレキシブル配線100が接続される位置を避けるように、基板110の三辺にわたって形成されている。
【0025】
また、図3に示す例では、基板210にフレキシブル配線200が接続され、基板210上には基板210の外周に沿って電極部220が形成されている。電極部220は、その両端に端子部220A,220Bを有する。電極部220は、フレキシブル配線200が接続される位置を避けるように、基板210の一辺にだけ形成されている。
【0026】
ところで、近年、配線の簡略化等の理由により、外部配線を接続する接続部(外部端子)が、対向する2つの基板のうち片方にのみ(典型的な例では、アレイ基板(TFT基板)およびカラーフィルタ基板のうちアレイ基板にのみ)設置されている。
【0027】
本実施の形態に係る「割れ」、「欠け」等検出の特徴は、外部配線を接続する接続部(外部端子)が設けられていない基板1の「割れ」、「欠け」等検出の方法、具体的には、後述するコモン転移材を介して電極部2に通電する点にある。
【0028】
図4を参照して、第1基板10(典型的には、アレイ基板(TFT基板))上に第1電極部11が形成され、第2基板20(典型的には、カラーフィルタ基板)上に第2電極部21が形成されている。第2電極部21は、第2基板20の「割れ」、「欠け」等を検知するために設けれた「検出部分」としての電極部2を含んでいる。電極部2は、表示装置用パネルの使用時には、特に機能を有しないダミー電極となる。
【0029】
第1電極部11と第2電極部21とは、コモン転移材30を介して電気的に接続される。第1基板10には、外部配線と接続される接続部12が形成されている。外部配線は、接続部12を介して第1基板10の第1電極部11と電気的に接続され、さらに、コモン転移材30を介して第2基板20の第2電極部21と電気的に接続される。これにより、第2基板20上の第2電極部21は外部配線と接続可能となる。
【0030】
次に、図5〜図14を参照して、第2基板20上に形成される「割れ」、「欠け」等検出用の電極部2の配置の例について説明する。
【0031】
図5〜図14に示すように、外部配線との接続部を有しない第2基板20(TFT基板等)上においては、基板を全周にわたって取り囲む電極部を形成することが可能である。
【0032】
図5の例では、「割れ」、「欠け」等検出用の電極部2は、基板1の外周全周にわたって設けられている。電極部2は、そのラインの両端において端子部2A,2Bを有する。
【0033】
図6から図8に示す例では、電極部2は複数に分割されている。すなわち、図6の例では、電極部2は4つに分割され、図7,図8の例では、電極部2は2つに分割されている。このように、電極部2を複数に分割することで、基板1のどの部分に「割れ」、「欠け」等が生じているかを把握しやすくなる。
【0034】
図6の例では、各々の電極部2は、外周側に位置する部分と内周側に位置する部分との二重構造となっている。このようにすることで、端子部2A,2B間で基板1に「割れ」、「欠け」等が生じた場合にも、当該「割れ」、「欠け」等を検知しやすくなる。
【0035】
図7,図8の例では、電極部2が複数(2つ)に分割されることにより、端子部2A,2Bが形成されている。図8の例では、端子部2A,2Bとの間において、各々の電極部2が外周側と内周側とに重なるように形成されている。このようにすることで、図6の例と同様に、端子部2A,2B間で基板1に「割れ」、「欠け」等が生じた場合にも、当該「割れ」、「欠け」等を検知しやすくなる。
【0036】
なお、端子部2A,2Bの配置は、図5〜図8に示したものに限定されず、たとえば、図9,図10,図11のような設け方も可能である。図10,図11に示す例では、図1の例と同様、1つの電極部2により基板1の全周を囲んでいる。
【0037】
図12に示す例では、基板1の内周側と外周側とに2つの電極部が設けられている。各々の電極部2は、互いに略平行に形成されている。図12の例においても、基板1の「割れ」、「欠け」等を確実に検知できる。
【0038】
図13に示す例では、図5〜図12の例のように、基板1の周縁部に「割れ」、「欠け」等検知用の電極部2を設けるのではなく、基板1の中央部に近い領域に当該電極部2を設けている。
【0039】
なお、電極部2の幅は、たとえば、1mm以上3mm以下程度である。また、端子部2A,2Bは、たとえば、5mm程度角の略正方形形状を有する。電極部2の膜厚は、たとえば、10μm以上20μm以下程度である。
【0040】
なお、電極部2は、基板1の片面のみに形成されていてもよいし、基板1の両面に形成されていてもよい。
【0041】
上述した内容について要約すると、以下のようになる。すなわち、本実施の形態に係る表示装置用パネルは、第1電極部11(たとえば、図2,図3に示す電極部120,220)、および該第1電極部11を外部配線(たとえば、図2,図3に示すフレキシブル配線100,200)に対して電気的に接続する接続部12を含む第1基板10(たとえば、図2,図3に示す基板110,210)と、第1基板10と対向して設けられた、第2電極部21を含む第2基板20と、第1電極部11と第2電極部21とを電気的に接続するコモン転移材30とを備えた表示装置用パネルであって、第2電極部21は、第2基板20の損傷を検出するための「検出部分」としての電極部2を含み、電極部2は、コモン転移材30を介して第1電極部11および外部配線に対して電気的に接続される。
【0042】
典型的な例では、「検出部分」としての電極部2は、第2基板における所定の領域を全周にわたって取り囲むように形成されるが、本発明の範囲は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0043】
典型的な例では、第1電極部11(たとえば、電極部120,220)は、第1基板10(たとえば、基板110,210)の損傷を検出するための部分(他の検出部分)を含み、当該部分は、接続部12を避けた位置に設けられる(図2,図3参照)が、本発明の範囲は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0044】
本発明に係る表示装置用パネルの製造方法は、第1電極部11(たとえば、電極部120,220)、および該第1電極部11を外部配線(たとえば、フレキシブル配線100,200)に対して電気的に接続する接続部12を含む第1基板10(たとえば、基板110,210)と、第2電極部21を含む第2基板20とを準備する工程と、第1基板10と第2基板20とをコモン転移材30を介して対向させ、コモン転移材30により第1電極部11と第2電極部21とを電気的に接続させるように第1基板10と第2基板20とを貼り合わせる工程と、第1基板10と第2基板20とを貼り合わせた後に、第2電極部21の電気的導通性を確認して第2基板20の損傷の有無を確認する工程とを備える。
【0045】
典型的な例では、第2電極部21の電気的導通性を確認して第2基板20の損傷の有無を確認すると同時に、第1電極部11の電気的導通性を確認して第1基板10の損傷の有無を確認するが、本発明の範囲は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0047】
1,110,210 基板、2,120,220 電極部、2A,2B,3A,3B,120A,120B,220A,220B 端子部、2C 凹部、3 検査台、10 第1基板、11 第1電極部、12 接続部、20 第2基板、21 第2電極部、30 コモン転移材、100,200 フレキシブル配線。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極部、および該第1電極部を外部配線に対して電気的に接続する接続部を含む第1基板と、
前記第1基板と対向して設けられた、第2電極部を含む第2基板と、
前記第1電極部と前記第2電極部とを電気的に接続するコモン転移材とを備えた表示装置用パネルであって、
前記第2電極部は、前記第2基板の損傷を検出するための検出部分を含み、
前記検出部分は、前記コモン転移材を介して前記第1電極部および前記外部配線に対して電気的に接続される、表示装置用パネル。
【請求項2】
前記検出部分は、前記第2基板における所定の領域を全周にわたって取り囲むように形成される、請求項1に記載の表示装置用パネル。
【請求項3】
前記第1電極部は、前記第1基板の損傷を検出するための他の検出部分を含み、
前記他の検出部分は、前記接続部を避けた位置に設けられる、請求項1または請求項2に記載の表示装置用パネル。
【請求項4】
第1電極部、および該第1電極部を外部配線に対して電気的に接続する接続部を含む第1基板と、第2電極部を含む第2基板とを準備する工程と、
前記第1基板と前記第2基板とをコモン転移材を介して対向させ、前記コモン転移材により前記第1電極部と前記第2電極部とを電気的に接続させるように前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせる工程と、
前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせた後に、前記第2電極部の電気的導通性を確認して前記第2基板の損傷の有無を確認する工程とを備えた、表示装置用パネルの製造方法。
【請求項5】
前記第2電極部の電気的導通性を確認して前記第2基板の損傷の有無を確認すると同時に、前記第1電極部の電気的導通性を確認して前記第1基板の損傷の有無を確認する、請求項4に記載の表示装置用パネルの製造方法。
【請求項6】
前記第2基板の損傷の有無を確認する工程は、前記表示装置用パネルの点灯試験と同時に行なわれる、請求項4または請求項5に記載の表示装置用パネルの製造方法。
【請求項1】
第1電極部、および該第1電極部を外部配線に対して電気的に接続する接続部を含む第1基板と、
前記第1基板と対向して設けられた、第2電極部を含む第2基板と、
前記第1電極部と前記第2電極部とを電気的に接続するコモン転移材とを備えた表示装置用パネルであって、
前記第2電極部は、前記第2基板の損傷を検出するための検出部分を含み、
前記検出部分は、前記コモン転移材を介して前記第1電極部および前記外部配線に対して電気的に接続される、表示装置用パネル。
【請求項2】
前記検出部分は、前記第2基板における所定の領域を全周にわたって取り囲むように形成される、請求項1に記載の表示装置用パネル。
【請求項3】
前記第1電極部は、前記第1基板の損傷を検出するための他の検出部分を含み、
前記他の検出部分は、前記接続部を避けた位置に設けられる、請求項1または請求項2に記載の表示装置用パネル。
【請求項4】
第1電極部、および該第1電極部を外部配線に対して電気的に接続する接続部を含む第1基板と、第2電極部を含む第2基板とを準備する工程と、
前記第1基板と前記第2基板とをコモン転移材を介して対向させ、前記コモン転移材により前記第1電極部と前記第2電極部とを電気的に接続させるように前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせる工程と、
前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせた後に、前記第2電極部の電気的導通性を確認して前記第2基板の損傷の有無を確認する工程とを備えた、表示装置用パネルの製造方法。
【請求項5】
前記第2電極部の電気的導通性を確認して前記第2基板の損傷の有無を確認すると同時に、前記第1電極部の電気的導通性を確認して前記第1基板の損傷の有無を確認する、請求項4に記載の表示装置用パネルの製造方法。
【請求項6】
前記第2基板の損傷の有無を確認する工程は、前記表示装置用パネルの点灯試験と同時に行なわれる、請求項4または請求項5に記載の表示装置用パネルの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−47697(P2013−47697A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288733(P2009−288733)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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