説明

表示装置

【課題】方向キーと選択キーによるメニュー選択処理は、煩雑である。
【解決手段】テレビ受信機の表示部21には、多数の升目状のグリッド状光受光部21aが表示されている。これらのグリッド状光受光部21aの例えば4隅には、それぞれ上記レーザ光を検知する光センサ41a〜41dが配置されている。隣接する領域の光センサは共有可能である。さらに、図示しないが、光センサ41aから41dまでがセンシングするレーザ光の強度を求めて記憶する機能が、例えば表示部21の裏側に設けられている。1つのグリッド状光受光部21aには、X−Y2次元平面上に配置された第1から第4までのセンサが4隅に設けられている。4つの光センサの測定光量の和を全ての領域で求め、和が最大となる領域を決定することで、いずれの領域にレーザ光が照射されているかを知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置における制御技術に関し、特に、テレビジョン受信機(以下テレビ装置)におけるリモートコントロール装置(以下、リモコン装置)を用いた表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ装置に表示されたメニューやEPGの番組などを、リモコン装置などの方向キーで選択候補にフォーカスを合わせる。次いで、決定キーにより、フォーカスを合わせたメニューや番組を実際に選択する。
【0003】
図7は、一般的なEPG表示に基づくテレビ番組の選択処理の概略を示す図である。図7に示すように、テレビ装置の表示部121に、選択すべき項目の内容が記載された升目が2次元行列のEPG表示されている。ここでは、縦軸がチャネル軸(放送のチャネルが変数)、横軸が放送時間帯となっている。チャネルと時間帯とにより画定される升目のうち斜線が施されている領域が、現在選択候補となっている。選択候補にフォーカスを当てて、enterを押すとその番組を選択することができる。
【0004】
ユーザは、リモコン装置の方向キーにより、フォーカスの当たる位置を変更しながら、自己の選択したい番組にフォーカスを当て、決定キーを押すことにより、その番組の視聴などを行なうことができるようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2000-253325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図8は、リモコンによるEPGの選択の様子を示す図である。図8に示されるように、上下左右の4通りの方向にフォーカスを移動させることができる方向キーと決定キーとによる選択方法では、例えば、番組151の位置151から位置153までフォーカスを移動させる場合には、行方向と列方向のいずれかの移動を1升ずつ行なっていくことになるため(ルート155又はルート157)、ルート161に示すような最短距離でフォーカスを移動させることができないという問題があった。
【0007】
本発明は、表示システムにおけるフォーカスの移動操作をより簡単に行なうことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一観点によれば、表示部と、該表示部への表示を制御する表示制御部と、を有する表示装置であって、前記表示部に画定される複数の領域のそれぞれの少なくとも3隅に設けられる光センサと、該光センサにより検出される光量に基づいて、いずれの領域が選択されたかを判断し、選択された領域に関する表示制御を行なう表示制御部と、を有することを特徴とする表示装置が提供される。
【0009】
また、表示部と、該表示部への表示を制御する表示制御部と、を有する表示装置であって、前記表示部に画定される複数のメニュー表示領域のそれぞれの少なくとも3隅に設けられる光センサと、該光センサにより検出される光量に基づいて、いずれの領域が選択されたかを判断し、選択された領域に関する表示制御を行なう表示制御部と、を有することを特徴とする表示装置が提供される。
【0010】
さらに、表示部と、該表示部への表示を制御する表示制御部と、を有するEPG機能付き表示装置であって、前記表示部に画定される複数の番組のEPG表示領域のそれぞれの少なくとも3隅に設けられる光センサと、該光センサにより検出される光量に基づいて、いずれの領域が選択されたかを判断し、選択された領域に関する表示制御を行なう表示制御部と、を有することを特徴とする表示装置が提供される。
【0011】
上記各表示装置によれば、表示部に表示されている複数の領域を、任意に選択することができる。
ここで、前記光センサの光量の合計が大きい領域を、選択領域として判断することが好ましい。
【0012】
本発明の他の観点によれば、リモコンコードを含む第1のビームを生成する第1ビーム生成部と、前記第1のビームを出射する第1の出射部と、前記第1のビームとは異なる種類の第2のビームを生成する第2ビーム生成部と、前記第2のビームを出射する第2の出射部と、前記第2のビームの出射に関するオンオフを行なう第2のビームスイッチと、を有することを特徴とするリモコン装置が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、リモコン操作に基づいて、表示部に形成された複数の領域のいずれかを任意に指定することができる。従って、多くの領域を有する場合にも、所望の領域を簡単に指定することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態による表示システムについて、テレビ受信機を例にし、かつ、EPGにおける番組の選択を例にして説明を行なう。図1は、本実施の形態によるテレビ装置とリモコン装置とを含むシステムの一構成例を示す機能ブロック図である。図1に示すように、本実施の形態によるシステムは、テレビTV1と、放送局3と、テレビ1を制御するためのリモコン装置5と、を有している。テレビTV1は、放送局3からの放送から番組を選局するチューナー部11と、EPG取得処理を行なうEPG取得処理部15と、映像信号等の信号処理を行なう信号処理部17と、信号に基づく表示を行なう表示部21と、表示に関する制御を行なう表示制御部25と、リモコン装置5からの信号を受光するリモコン受光部23と、全体の機能ブロックを制御する制御部27と、を有している。さらに、表示部21には、後述するように、ビーム位置を検出するためのビーム位置検出用の例えばグリッド状光受光部(光センサ)21aが設けられている。
【0015】
リモコン装置5は、図示しない操作ボタンの操作に応じて赤外線による制御信号を出射する赤外線信号出射部5aと、上記光センサ21aによって検出可能な例えばレーザ光を出射するレーザ光出射部5bとを有している。レーザ光出射部5bからのレーザ光は、上記グリッド状光受光部(センサ)によって検出され、レーザ光の表示部21上における照射位置がわかるようになっている。この点に関しては後述する。
【0016】
図2は、上記リモコン装置5の構成例を示す外観概略図である。図2に示すように、本実施の形態によるリモコン装置5は、操作ボタン31と、選択決定部33と、IRコード出射部5aと、レーザ光出射部5bと、を有している。選択決定部33は、符号33aから33dまでの方向キーと、決定キー35と、レーザ光を出射させるためのレーザ光出射キー37と、を有している。尚、赤外線は、レーザ光に比べて広がりが大きいため、リモコン受光部23に対して赤外線光を受光させることができるリモコンの方向(角度)に関する余裕が比較的大きいのに対して、レーザ光は直進性が高くリモコンの方向によって詳細に方向を制御する必要がある。但し、赤外線よりもレーザ光の方が光の照射方向を精度良く詳細に制御することができる。
【0017】
以下に、本実施の形態による、リモコン装置を利用したテレビ受信機の原理と利用方法とについて、図面を参照しながら説明を行なう。図3Aは、本実施の形態によるテレビ受信機の表示部21の構成例(正面図)であって図8に対応する図であり、図3Bはその断面構成例を示す図である。図4は、表示部21のグリッド状光受光部21aの構成を詳細に説明するための部分的な構成図である。図5は、リモコン装置を用いたユーザ側の処理の流れを示すフローチャート図である。図6は、テレビ受信機側の動作の流れを示すフローチャート図である。
【0018】
図3Aに示すように、本実施の形態によるテレビ受信機の表示部21には、多数の升目状のグリッド状光受光部21aを含む番組表示領域が示されている。これらのグリッド状光受光部21aの例えば4隅には、それぞれ上記レーザ光を検知する光センサ41a〜41dが配置されている。隣接する領域の光センサは共有可能である。さらに、図示しないが、光センサ41aから41dまでがセンシングするレーザ光の強度を求めて記憶する機能が、例えば表示部21の裏側に設けられている。図3Bに示すように、例えば液晶パネル22aの裏面側に光センサ41a、41dなどが配置されており、例えば2次元的なマトリックス構造に対する配線により、これらの光センサの受ける光の強度が光センサにより光電変換され、得られた電気信号に基づいて公知の方法により光強度計測部22bで各光センサの光強度が求められる。
【0019】
図4は、番組表示領域等に含まれる1つのグリッド状光受光部21aの詳細な構成を示す図である。図4に示すように、1つのグリッド状光受光部21aには、X−Y2次元平面上に配置された第1のセンサ41aと、第2のセンサ41bと、第3のセンサ41cと、第4のセンサ41dとが、4隅に設けられている。今、P1(x1,y1)の位置にレーザ光が照射されると、それぞれのセンサ41a〜41dまでによって検出されるレーザ光の強度は、番組表示領域21aに隣接する位置に設けられている光センサ(2つの光センサは共通になる)の例えば合計の光強度よりも必ず大きくなる。従って、例えば、表示制御部25(図1)において、4つの光センサ41a〜41dまでの測定光量の和を全ての領域で求め、和が最大となる領域を決定することで、いずれの領域にレーザ光が照射されているかを知ることができる。
【0020】
このようにすれば、リモコンの方向キーによるフォーカス位置の移動(符号55、57)を図3Aに示すように行なわなくても、レーザ光をフォーカスしたい番組表示領域53に直接移動させることができる(符号61、63)。
【0021】
ユーザ側の操作手順としては、図5に示すように、ステップS1において処理を開始し、ステップS2において、表示部にEPG(又はメニュー)表示を行ない、ステップS3において、光スイッチを押してレーザ光による光ビームを所望の番組に向けて照射する。ステップS4において決定キーを押し、処理を終了する(ステップS5)。図6に示すように、テレビ受信機側の処理においては、ステップS11でレーザ光のビーム位置を検出し、ステップS12において光ビームの位置を一般的なリモコンコマンドに変換する。或いは、番組を選択、表示する。これにより、この位置にEPG表示されている番組を選択して出力する。ステップS13において、コマンドに基づく処理を実行する。ステップS14において、処理を終了する。
【0022】
以上の処理により、本実施の形態によるリモコン装置とテレビ受信機とによる、EPG又はメニュー選択を行なうことができる。
【0023】
本実施の形態による表示システムによれば、リモコン操作に基づいて、表示部に形成された複数の領域のいずれかを任意に指定することができる。従って、多くの領域を有する場合にも、所望の領域を簡単に指定することができるという利点がある。
【0024】
尚、上記の実施の形態では、図3に示すように、1つの領域とそれに隣接する領域とでセンサを共有させることも可能であり(センサ共有型)、それぞれの領域毎に4隅にセンサを配置する構成(センサ占有型)も可能である。また、各領域の4隅にセンサを設置したが3隅にセンサを配置する構成でも良い。3隅にセンサを配置する場合において、センサ共有型では、列方向と行方向とにそれぞれ隣接する4つの領域の全てが共有する交点に配置するセンサの設置を省くことができる。一方、センサ占有型では、領域毎に任意の位置の1つのセンサの設置を省くことができる。
【0025】
また、光量の最大の領域を選択領域とする方法以外に、光量の大小に基づいて、選択領域の順番を決めるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明はテレビ受信機のEPG表示やメニュー表示における選択技術として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施の形態によるテレビ装置とリモコン装置とを含むシステムの一構成例を示す機能ブロック図である。
【図2】リモコン装置の構成例を示す外観概略図である。
【図3A】本実施の形態によるテレビ受信機の表示部の構成例(正面図)であって図8に対応する図である。
【図3B】図3Aの断面構成例を示す図である。
【図4】表示部のグリッド状光受光部の構成を詳細に説明するための部分的な構成図である。
【図5】図5は、リモコン装置を用いたユーザ側の処理を流れを示すフローチャート図である。
【図6】図6は、テレビ受信機側の動作の流れを示すフローチャート図である。
【図7】一般的なEPG表示に基づくテレビ番組の選択処理の概略を示す図である。
【図8】リモコンによるEPGの選択の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
1…テレビTV、3…放送局、5…リモコン装置、11…チューナー部、15…EPG取得処理部、17…信号処理部、21…表示部、21a…グリッド状光受光部(光センサ)、23…リモコン受光部、25…表示制御部、27…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、該表示部への表示を制御する表示制御部と、を有する表示装置であって、
前記表示部に画定される複数の領域のそれぞれの少なくとも3隅に設けられる光センサと、
該光センサにより検出される光量に基づいて、いずれの領域が選択されたかを判断し、選択された領域に関する表示制御を行なう表示制御部と
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
表示部と、該表示部への表示を制御する表示制御部と、を有する表示装置であって、
前記表示部に画定される複数のメニュー表示領域のそれぞれの少なくとも3隅に設けられる光センサと、
該光センサにより検出される光量に基づいて、いずれの領域が選択されたかを判断し、選択された領域に関する表示制御を行なう表示制御部と
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
表示部と、該表示部への表示を制御する表示制御部と、を有するEPG機能付き表示装置であって、
前記表示部に画定される複数の番組のEPG表示領域のそれぞれの少なくとも3隅に設けられる光センサと、
該光センサにより検出される光量に基づいて、いずれの領域が選択されたかを判断し、選択された領域に関する表示制御を行なう表示制御部と
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項4】
前記光センサの光量の合計が大きい領域を、選択領域として判断することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
リモコンコードを含む第1のビームを生成する第1ビーム生成部と、
前記第1のビームを出射する第1の出射部と、
前記第1のビームとは異なる種類の第2のビームを生成する第2ビーム生成部と、
前記第2のビームを出射する第2の出射部と、
前記第2のビームの出射に関するオンオフを行なう第2のビームスイッチと
を有することを特徴とするリモコン装置。
【請求項6】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の表示装置と、
請求項5に記載のリモコン装置と
を有する表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−281960(P2007−281960A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−106773(P2006−106773)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】