説明

表示装置

【課題】表示装置において、複数の画面を同時に表示できるようにして表示効果を向上させること。
【解決手段】本発明では、支持体に複数の横桟を上下に間隔を開けて配設するとともに、各横桟に発光素子を左右に間隔を開けて配設して、マトリクス状に配置された一群の前記発光素子によって画像を表示する発光素子群を構成した表示装置において、各横桟に複数の発光素子から構成した画素群を左右に間隔を開けて配設し、画素群を構成する各発光素子ごとに指向方向の異なる複数の発光素子群を構成することにした。特に、各画素群を構成するいずれか1個の発光素子を順次点灯して、複数の発光素子群で同時に画像を表示することにした。また、各発光素子群の画像表示範囲が重畳しないように各画素群を構成する発光素子を配置することにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関するものであり、特に、支持体に複数の横桟を上下に間隔を開けて配設するとともに、各横桟に発光素子を左右に間隔を開けて配設して、マトリクス状に配置された一群の前記発光素子によって画像を表示する発光素子群を構成した表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、発光ダイオードに代表される発光素子をマトリクス状に配置して、屋外での宣伝広告用に用いられる大画面の表示装置を形成したものが知られている。
【0003】
特に、近年では、矩形枠状の支持体に複数の横桟を上下に間隔を開けて配設し、各横桟に発光素子を左右に間隔を開けて配設して、マトリクス状に配置された一群の発光素子によって画像を表示する発光素子群を構成したブラインド型の表示装置が考案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−184561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記従来の表示装置では、一群の発光素子により一画面の画像だけしか表示できないものであったため、表示装置の画像を見る位置によっては画像が見にくく或いは全く見えないものであり、大掛かりな装置でコストが高い割には表示効果が低いものであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、請求項1に係る本発明では、支持体に複数の横桟を上下に間隔を開けて配設するとともに、各横桟に発光素子を左右に間隔を開けて配設して、マトリクス状に配置された一群の前記発光素子によって画像を表示する発光素子群を構成した表示装置において、各横桟に複数の発光素子から構成した画素群を左右に間隔を開けて配設し、画素群を構成する各発光素子ごとに指向方向の異なる複数の発光素子群を構成することにした。
【0007】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、各画素群を構成するいずれか1個の発光素子を順次点灯して、複数の発光素子群で同時に画像を表示することにした。
【0008】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、各発光素子群の画像表示範囲が重畳しないように各画素群を構成する発光素子を配置することにした。
【発明の効果】
【0009】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0010】
すなわち、本発明では、支持体に複数の横桟を上下に間隔を開けて配設するとともに、各横桟に発光素子を左右に間隔を開けて配設して、マトリクス状に配置された一群の前記発光素子によって画像を表示する発光素子群を構成した表示装置において、各横桟に複数の発光素子から構成した画素群を左右に間隔を開けて配設し、画素群を構成する各発光素子ごとに指向方向の異なる複数の発光素子群を構成しているために、複数の発光素子群によって複数画面の画像を同時に表示することができるので、画像を見ることができる範囲を広くでき、それに応じてより多くの人に対して画像を表示することができて表示効果を増大させることができる。
【0011】
また、本発明では、各画素群を構成するいずれか1個の発光素子を順次点灯して、複数の発光素子群で同時に画像を表示することにしているために、各画素群を構成する複数の発光素子が同時に点灯してそれぞれの照射光が干渉して見にくくなってしまうのを未然に防止することができる。
【0012】
また、本発明では、各発光素子群の画像表示範囲が重畳しないように各画素群を構成する発光素子を配置することにしているために、各発光素子群からの照射光が干渉して見にくくなってしまうのを未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明に係る表示装置の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1〜図4に示すように、表示装置1は、矩形枠状の支持体2に複数本の中空円筒状の横桟3を上下に間隔を開けてそれぞれ回動自在に取付けるとともに、各横桟3に指向方向(照射範囲)が異なる複数個(ここでは、2個)の発光素子(発光ダイオード)4,5で構成する画素群6を左右に間隔を開けて配置している。
【0015】
ここで、各横桟3は、図3に示すように、中空部に配線基板7を収容固定するとともに、外周部に上下に間隔を開けて形成した複数個(ここでは、2個)の円形状の開口8,9を左右に間隔を開けて形成し、配線基板7に取付けた発光素子4,5を各開口8,9から外部に露出させている。
【0016】
また、表示装置1は、全ての横桟3を同時に回転する連動回転機構10を設けており、この連動回転機構10は、図4に示すように、各横桟3の端部にピニオンギヤ11を取付けるとともに、支持体2の内部にラックギヤ12を上下に伸延させた状態で上下摺動自在に取付け、このラックギヤ12に各ピニオンギヤ11を噛合させ、ラックギヤ12を上下に移動させることによって、各ラックギヤ12とともに各横桟3が連動して回動するようにしている。図中13はベアリングである。
【0017】
以上に説明したように、表示装置1は、上下に間隔を開けて配置した複数本の横桟3に複数の画素群6を左右に間隔を開けて配置しており、これにより、画素群6をマトリクス状に配置している。
【0018】
しかも、表示装置1は、各画素群6を指向方向が異なる2個の発光素子4,5で構成しているために、指向方向が同一となる一群の発光素子4又は発光素子5によって指向方向が異なる2個の発光素子群14,15を構成することになる。
【0019】
ここでは、発光素子4の指向方向を正面前側に向け、発光素子5の指向方向を正面下側に向けており、上下及び左右に間隔を開けてマトリクス状に配置された全ての発光素子4の集合によって指向方向を正面前側に向けた発光素子群14を構成するとともに、上下及び左右に間隔を開けてマトリクス状に配置された全ての発光素子5の集合によって指向方向を正面下側に向けた発光素子群15を構成している。
【0020】
これにより、表示装置1は、図2に示すように、発光素子群14によって正面前側に向けて一画面分の画像を表示する画像表示範囲(図2中、一点鎖線で示す範囲。)と、発光素子群15によって正面下側に向けて一画面分の画像を表示する画像表示範囲(図2中、二点鎖線で示す範囲。)とを形成している。
【0021】
このように、上記表示装置1では、支持体2に複数の横桟3を上下に間隔を開けて配設するとともに、各横桟3に発光素子4(5)を左右に間隔を開けて配設して、マトリクス状に配置された一群の発光素子4(5)によって画像を表示する発光素子群14(15)を構成している。
【0022】
しかも、上記表示装置1では、各横桟3に複数の発光素子4,5から構成した画素群6を左右に間隔を開けて配設し、画素群6を構成する各発光素子4,5ごとに指向方向の異なる複数の発光素子群14,15を構成している。
【0023】
そのため、上記表示装置1では、複数の発光素子群14,15によって複数画面の画像を同時に表示することができるので、画像を見ることができる範囲を広くでき、それに応じてより多くの人に対して画像を表示することができて表示効果を増大させることができる。
【0024】
そして、表示装置1は、各発光素子4,5に駆動回路を接続し、各発光素子4,5を公知のスタティック駆動又はダイナミック駆動によって点灯して、発光素子群14と発光素子群15とで二画面分の画像を同時に表示するようにしている。
【0025】
ここで、表示装置1は、各発光素子群14,15を正面に向かって左上の発光素子4,5から右方向に順次点灯した後に、一段下の左端の発光素子4,5から右端の発光素子4,5を順次点灯していくスキャン方式で表示させるようにしており、発光素子群14のスキャンを開始してから所定時間経過後に発光素子群15のスキャンを開始することにより、各発光素子群14,15のスキャン開始のタイミングをずらすようにしている。これにより、表示装置1は、一個の画素群6を構成する2個の発光素子4と発光素子5とが同時に点灯しないようにしている。
【0026】
このように、上記表示装置1では、各画素群6を構成するいずれか1個の発光素子4(5)を順次点灯して、複数の発光素子群14,15で同時に画像を表示することにしているために、各画素群6を構成する複数の発光素子4,5が同時に点灯してそれぞれの照射光が干渉して見にくくなってしまうのを未然に防止することができる。
【0027】
なお、上記表示装置1では、正面前側を指向方向とする発光素子群14と正面下側を指向方向とする発光素子群15とを用いているために、表示装置1の近傍では発光素子群14による画像表示範囲と発光素子群15による画像表示範囲とが一部重畳しているが、図5に示すように、正面側を指向方向とする発光素子群16と背面側を指向方向とする発光素子群17とを用いて、発光素子群16による画像表示範囲(図5中、一点鎖線で示す範囲。)と発光素子群17による画像表示範囲(図5中、二点鎖線で示す範囲。)とが全く重畳しないようにすることもできる。
【0028】
このように、各発光素子群16,17の画像表示範囲が重畳しないように各画素群を構成する発光素子を配置した場合には、各発光素子群16,17からの照射光が干渉して見にくくなってしまうのを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】表示装置を示す正面図。
【図2】同側面図。
【図3】画素群を示す側面図。
【図4】同正面図。
【図5】表示装置を示す側面図。
【符号の説明】
【0030】
1 表示装置
2 支持体
3 横桟
4,5 発光素子
6 画素群
7 配線基板
8,9 開口
10 連動回転機構
11 ピニオンギヤ
12 ラックギヤ
13 ベアリング
14,15,16,17 発光素子群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体に複数の横桟を上下に間隔を開けて配設するとともに、各横桟に発光素子を左右に間隔を開けて配設して、マトリクス状に配置された一群の前記発光素子によって画像を表示する発光素子群を構成した表示装置において、
各横桟に複数の発光素子から構成した画素群を左右に間隔を開けて配設し、画素群を構成する各発光素子ごとに指向方向の異なる複数の発光素子群を構成することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
各画素群を構成するいずれか1個の発光素子を順次点灯して、複数の発光素子群で同時に画像を表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
各発光素子群の画像表示範囲が重畳しないように各画素群を構成する発光素子を配置したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−268279(P2008−268279A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−107314(P2007−107314)
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(507124449)
【Fターム(参考)】