説明

表示装置

【課題】多方向に立体的な表現が出来、少ないLED発光体でアイキャッチ効果を高めるために必要な鮮やかさを表現出来る装飾部を備えた表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】LED発光体3を備え文字や絵を表示する表示部2と、LED発光体32で装飾発光を行う装飾部41を有している表示装置において、装飾部41には中央部から傾斜して外側に拡がる反射面を有している多面体5を備え、多面体5の中央部や反射面の少なくとも1面に、LED発光体32を配置して構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED発光体をマトリックス状に配置し、文字や図形等を表示する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のLED発光体を備え文字や図形等を表示する表示装置がある。その装置のほとんどは、市街地や大通りといった人や車の往来のある場所に設置され、店の営業宣伝や情報等の文字、店の営業内容をアピール表現するための図形等を表示するために利用されている。また文字や図形を表示する表示部とは別に、R(赤)、G(緑)、B(青)色等の複数種類のLED発光体を用いて装飾発光を行う装飾部を設け、アイキャッチ効果により人の目を向けるようにした装置が主流となっている。
【0003】
例えば、下記特許文献1で開示している表示装置1の外観正面図を図5に示す。下記特許文献では、マトリックス状にLED発光体3を配して構成される表示部2を備え、さらにLED発光体31で装飾発光を行う装飾部4を有した表示装置を開示している。前記装飾部に光源光を縦横四方向に回折する回折格子フィルムを備えることで、LED発光体31が幾重にも点在するかのような発光表示を可能とし、これにより注意喚起力を高めている。
【特許文献1】特開2003―255866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような従来の表示装置では、装飾部のLED発光体を基板1枚に同方向に実装するため、装飾が1方向で平面的な表現しか出来ないという課題が有る。また、アイキャッチ効果を高めるための鮮やかさを求めることが困難となっていた。本発明は、上記課題を解決するために、多方向に立体的な表現が出来、少ないLED発光体を多く見せることでアイキャッチ効果を高めるための鮮やかさを表現出来る装飾部を備えた表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、LED発光体により文字や絵等を表示する表示部と、装飾発光を行う装飾部を有し、前記装飾部の少なくとも1ヶ所に、中央部から傾斜して外側に拡がる反射面を有している多面体を少なくとも1つ備え、前記多面体の中央や少なくとも1面に少なくとも1つのLED発光体を取り付けたことを特徴とする表示装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明は装飾発光を行う装飾部の少なくとも1ヶ所に、中央部から傾斜して外側に拡がる反射面を有している多面体を少なくとも1つ備え、前記多面体の中央や少なくとも1面に少なくとも1つのLED発光体を取り付けたことにより、LED発光体の取付け位置に関して方向や奥行きを与えることを可能とし、1方向で平面的な表現でなく多方向に立体的な装飾表現を可能とした。また、LED発光体自身が多面体の反射面により反射されて映し出される為、数少ないLED発光体で、多くのLED発光体を使用しているかのような表現が出来る。
【0007】
また前記装飾部に備えられた多面体の中央や反射面に取付けられた少なくとも1つのLED発光体を単色とすることでLED発光体の単色強調を可能としている。
【0008】
また前記装飾部に備えられた多面体の中央や反射面に取付けられた少なくとも1つのLED発光体を少なくとも2色以上で配置することで、アイキャッチ効果を高めるために必要な鮮やかさを表現する事を可能としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
(実施の形態1)
図5は従来例の表示装置1を正面より見た外観説明図である。表示装置1はマトリックス状にLED発光体3を配して構成される表示部2を備え、さらにLED発光体31で装飾発光を行う装飾部4を有した表示装置である。前記装飾部に光源光を縦横四方向に回折する回折格子フィルムを備えることで、LED発光体31が幾重にも点在するかのような発光表示を可能としている。
【0011】
しかし、この例では装飾部4のLED発光体31を同方向に実装しているため、装飾が1方向で平面的な表現しか出来ない。また、LED発光体31を幾重にも点在するかのような発光表現を可能としているが、これではまだ鮮やかな表現が困難である。
【0012】
図1は本発明の一実施の形態の表示装置11を正面より見た外観説明図である。本実施の形態では、表示部2の4隅にLED発光体32により装飾発光を行う装飾部41を有している。
【0013】
図2は表示装置11の装飾部41を拡大した正面図である。多面体5は中央部から傾斜して外側に拡がる反射面を有している多面体である。本実施の形態では、多面体5は3面ずつが同形状の6面体で構成されていて、作製方法としては低コストにするために合成樹脂の成形品とし、多面体の内側のみにアルミ蒸着を施したものとする。LED発光体33とLED発光体34は多面体5に設けられた取付け用穴6に取り付けられる。ここで、合成樹脂材を成形し内側にアルミ蒸着を施す手法を用いているが、多面体の構成やアルミ蒸着に限定されることではない。
【0014】
図3は、表示装置11の装飾部41を拡大した側面図である。本実施の形態では、LED発光体34は多面体5の中央から1個、LED発光体33は多面体の3面から内側に向けて1個ずつ取付けられている。またLED発光体33とLED発光体34から制御基板7までは内部配線を保護するために筒形状の部材8により繋ぐ。また筒型状の部材8と制御基板7の間はスペーサ9で固定する。このようにすることで、LED発光体32の取付け位置に方向や奥行きを与えることが可能となり、1方向で平面的な表現でなく多方向に立体的な装飾表現が可能となる。
【0015】
図4は、装飾部41の多面体5の反射面にLED発光体33とLED発光体34が映し出された様子を表した図である。図4に示すように、多面体内部の反射面によりLED発光体33自身が3箇所に反射され、LED発光体33の反射像35が映し出されている。もう2面のLED発光体においても同様なことが言える。また同様に、多面体の中央に取付けられたLED発光体34は反射面により3箇所に反射され、LED発光体34の反射像36が映し出されている。したがって、多面体5にはLED発光体33を3個、LED発光体34を1個しか取付けていないが、各LED発光体が4倍に、つまりLED発光体32の合計が4倍の16個存在しているかのように表現することが出来る。このように数少ないLED発光体32で、多くのLED発光体を使用しているかのような表現を可能としている。
【0016】
また装飾部41に備えられた多面体の中央や反射面に取付けられたLED発光体を単色とすることでLED発光体の単色強調を可能としている。
【0017】
また装飾部41に備えられた多面体の中央や反射面に取付けられたLED発光体を少なくとも2色以上で配置することで、アイキャッチ効果を高めるために必要な鮮やかさを表現する事を可能としている。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明の表示装置は、LED発光体の取付け位置に方向や奥行きを与えることが可能となり、1方向で平面的な表現でなく多方向に立体的な装飾表現が可能となる。また、LED発光体自身が多面体内部の反射面により反射されて映し出される為、数少ないLED発光体で、多くのLED発光体を使用しているかのような表現が出来、単色強調または、アイキャッチ効果を高めるために必要な鮮やかさを表現する事を可能とする。したがって、LED発光体をマトリックス状に配置し、文字や図形を表示する表示装置に利用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施の形態の表示装置11を正面より見た外観説明図
【図2】本発明の一実施の形態の表示装置11の装飾部41を拡大した正面図
【図3】本発明の一実施の形態の表示装置11の装飾部41を拡大した側面図
【図4】本発明の一実施の形態の表示装置11の装飾部41の多面体5の反射面にLED発光体32が映し出された様子を表した図
【図5】従来例の表示装置1を正面より見た外観説明図
【符号の説明】
【0020】
1 従来例の表示装置
2 表示部
3 LED発光体
4 従来例の装飾部
5 本発明の装飾部に備えた多面体
6 取付け用穴
7 制御基板
8 筒形状の部材
9 スペーサ
11 本発明の表示装置
31 従来例の装飾部のLED発光体
32 本発明の装飾部のLED発光体
33 本発明の装飾部の多面体の面に取付けられたLED発光体
34 本発明の装飾部の多面体の中央に取付けられたLED発光体
35 LED発光体33の反射像
36 LED発光体34の反射像
41 本発明の装飾部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED発光体により文字や絵等を表示する表示部と、装飾発光を行う装飾部を有し、前記装飾部は多面体を有していることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記多面体は、中央部から傾斜して外側に拡がる反射面を有したことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記多面体の中央部には、少なくとも1つのLED発光体を取り付けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記多面体の少なくとも1面には、少なくとも1つのLED発光体を取り付けた請求項1乃至請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記多面体に取付けられたLED発光体が、単色であることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
前記多面体に取付けられたLED発光体が、複数色で配置されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−53232(P2009−53232A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217051(P2007−217051)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】