説明

表示装置

【課題】電気泳動方式の表示装置において、領域の指定を行った際に画像が乱れることを防ぐ。
【解決手段】情報表示装置は、表示画面に表示された画像について領域指定を開始する操作が行われた後、スタイラスペンが画面上に接触させられると、スタイラスペンが接触した位置に画像G1を表示する。また、ユーザーがスタイラスペンを画面上に接触させたまま移動させると、画像G1の位置とスタイラスペンの接触位置とを結ぶ線を対角線とする矩形の白の画像G2を表示する。情報表示装置は、予め定められた周期で画像G1,G2の表示/非表示を繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像内の領域を選択する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像上でユーザーが選択した領域を識別しやすくする装置として、例えば特許文献1に開示された装置がある。この装置においては、画像表示部においてユーザーが選択した領域を示す枠が表示され、マウスがドラッグされることにより、枠の大きさや位置が変更される。また、この装置においては、画像上の暗い部分に枠が位置すると枠の外側の輝度が高くなり、画像上の明るい部分に枠が位置すると枠の外側の輝度が低くなるため、枠で指定された領域をユーザーが識別しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−11499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ドラッグにより黒枠の大きさを変更する場合、領域を確定するまでの間は表示が部分的に何度も書き換えられる。そのため、表示装置としてたとえば電気泳動表示装置やエレクトロクロミック表示装置のように残像が発生する表示装置を用いた場合、黒枠の跡がかすかに残る現象が発生し、表示中の画像が乱れてしまうこととなる。
【0005】
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、電気泳動表示装置やエレクトロクロミック表示装置のように残像が発生する可能性がある表示装置において、領域の指定を行った際に画像が乱れることを防ぐ技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示装置は、黒を含む着色された画像が表示される表示体と、前記表示体の画面内において指定された位置を取得する位置取得部と、前記表示体の画面内において指定された領域を前記位置取得部によって取得された位置を用いて特定し、該特定された領域に予め定められた形状の着色されていない図形が表示されるように、前記表示体の当該領域を制御する制御部とを有する。
本発明によれば、ユーザーにより指定された領域には着色されていない図形が表示されるため、領域の指定に黒枠を使用する場合と比較して、領域の指定を行った際に画像が乱れることがない。
【0007】
また、本発明においては、前記制御部は、前記図形の表示と非表示とが予め定められた周期で交互に行われるように、前記表示体において前記領域を制御する構成としてもよい。
この構成によれば、ユーザーが指定した領域において予め定められた形状の図形の表示と非表示とが繰り返されるため、ユーザーは、指定した領域を容易に認識できる。
【0008】
本発明においては、黒を含む着色された画像が表示される表示体と、前記表示体の画面内において指定された位置を取得する位置取得部と、前記表示体の画面内において指定された領域を前記位置取得部によって取得された位置を用いて特定するとともに、前記表示体に表示された前記画像において、着色された部分の面積と着色されていない部分の面積との比率によって、予め定められた形状の着色された図形と予め定められた形状の着色されていない図形のうちいずれか一方が該特定された領域に表示されるように、前記表示体の当該領域を制御する制御部と、を有する。
この構成によれば、表示されている画像において着色された部分の面積と着色されていない部分の面積との比率によって、領域を示すための図形が着色されるかどうかが選択されるので、領域の指定を行った際の画像の視認性が高くなる。
【0009】
また、本発明においては、操作される操作部と、前記画像を表す画像データを記憶する記憶部と、をさらに有し、前記制御部は、前記操作部にされた操作に応じて、前記記憶部に記憶された前記画像データが表す前記画像が前記表示体に表示されるように前記表示体を制御するとともに、前記着色されていない部分の面積が前記着色された部分の面積より広い場合には前記着色されていない図形が表示され、前記着色されていない部分の面積が前記着色された部分の面積より広くない場合には前記着色された図形が表示されるように、前記表示体の当該領域を制御してもよい。
この構成によれば、着色されていない部分の面積が前記着色された部分の面積より広い場合には前記着色されていない図形が表示されるため、領域の指定に着色された図形を使用する場合と比較して、領域の指定を行った際に画像が乱れることがない。また、着色されていない部分の面積が前記着色された部分の面積より広くない場合には、ユーザーにより指定された領域には着色された図形が表示されるが、着色された部分の面積が広いため、ユーザーにより指定された領域を書き換えて残像が発生しても、周囲の着色された部分の画像と差が目立つことがない。
【0010】
また、本発明においては、前記制御部は、前記着色されていない図形または前記着色された図形の表示と非表示とが予め定められた周期で交互に行われるように、前記表示体において前記領域を制御する構成としてもよい。
この構成によれば、ユーザーが指定した領域において予め定められた形状の図形の表示と非表示とが繰り返されるため、ユーザーは、指定した領域を容易に認識できる。
【0011】
また、本発明においては、前記表示体は、前記表示体に表示された前記画像を消去したときに、前記画像の残像が発生する方式の表示体であることが好ましい。
また、本発明においては、前記表示体は電気泳動表示体であることが好ましい。
また、本発明においては、前記表示体はエレクトロクロミック表示体であることが好ましい。
【0012】
また、本発明においては、前記制御部は、前記図形の表示と非表示とが予め定められた周期で交互に行われるように、前記表示体において前記領域を制御する構成としてもよい。
この構成によれば、ユーザーが指定した領域において予め定められた形状の図形の表示と非表示とが繰り返されるため、ユーザーは、指定した領域を容易に認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報表示装置1の外観図。
【図2】情報表示装置1のハードウェア構成を示したブロック図。
【図3】CPU201が行う処理の流れを示すフローチャート。
【図4】表示体100に表示される画面を示した図。
【図5】表示体100に表示される画面を示した図。
【図6】表示体100に表示される画面を示した図。
【図7】CPU201が行う処理の流れを示すフローチャート。
【図8】表示体100に表示される画面を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施形態]
(実施形態の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る情報表示装置1の外観図である。情報表示装置1は、文字や図、写真などの画像を表示する装置である。情報表示装置1は、矩形で板状の形状をしており、画像を表示する表示体100と、情報表示装置1を操作するための操作部として機能するボタン10などを有している。なお、表示体100の表面には、図示を省略した透明なタッチパネルが配置されている。
スタイラスペン2は、タッチパネル上で座標を指定するためのペンである。スタイラスペン2の先端部分は、タッチパネルや表示体100を傷付けないように先端部分が曲面となっている。スタイラスペン2をタッチパネルに接触させることにより、マウスのクリックやドラッグと同様の操作を行うことができる。
【0015】
図2は、情報表示装置1のハードウェア構成を示したブロック図である。表示体100は、マイクロカプセル型の電気泳動素子が2枚の基板に挟まれた電気泳動表示体であり、白、黒およびグレーの画像を表示することができる。ここで、白を非着色状態、黒を着色状態とみなすことができる。表示体100の駆動方式はアクティブマトリクス方式であり、表示体100においては、表示体100の短手方向に延在する複数のアドレス線と、長手方向に延在する複数のデータ線が形成されている。アドレス線駆動部101は、表示体100のアドレス線に電圧を印加する回路を有しており、表示体制御部110の制御の下、アドレス線に電圧を印加する。また、データ線駆動部102は、表示体100のデータ線に電圧を印加する回路を有しており、表示体制御部110の制御の下、アドレス線に電圧を印加する。
【0016】
表示体制御部110は、駆動部111、VRAM(Video Random Access Memory)112Aを有している。VRAM112Aは、表示体100に表示する画像を記憶するメモリである。駆動部111は、アドレス線駆動部101とデータ線駆動部102を制御する回路を備えている。駆動部111は、VRAM112Aに記憶されている画像に基づいてアドレス線駆動部101およびデータ線駆動部102を制御し、表示体100に画像を表示させる。
【0017】
制御部200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を有している。また、制御部200には、表示体制御部110、記憶部210、タッチパネル220、操作部230が接続されている。CPU201はROM202に記憶されている制御プログラムに従って動作し、表示体制御部110や記憶部210を制御する。
なお、本実施形態においては、制御部200が表示体制御部110を制御することにより表示体100が制御されて画像が表示されるため、制御部200と表示体制御部110とについては、まとめて表示体100を制御する「制御部」と言うことができる。
【0018】
記憶部210は、不揮発性メモリを有しており、文字や図、写真などの画像を表す画像データを記憶する。透明なタッチパネル220は、表示体100の表面に配置されており、表面に物体が触れると物体が触れた位置を示す位置信号を制御部200へ出力する。また、タッチパネル220は、表示体100が表示した画像を透過する。操作部230は、ボタン10を有しており、ボタン10が操作されると操作されたボタンを示す信号を制御部200へ出力する。CPU201は、タッチパネル220やボタン10から信号が入力されると、表示体制御部110を制御して画像を表示体100に表示させる。
【0019】
(実施形態の動作)
次に、本実施形態に係る情報表示装置1の動作について説明する。
まず、ユーザーが記憶部210に記憶されている画像データの画像の表示を指示する操作を操作部230において行うと、CPU201は、記憶部210から画像データを読み出し、読み出した画像データの画像をVRAM112Aに書き込む。CPU201は、画像のVRAM112Aへの書き込みが終了すると、画像の表示を指示する信号を表示体制御部110へ出力する。
この信号が表示体制御部110に入力されると、駆動部111は、VRAM112Aに記憶された画像に従ってアドレス線駆動部101とデータ線駆動部102を制御する。すると、アドレス線駆動部101とデータ線駆動部102から電圧が表示体100に印加され、VRAM112Aに記憶された画像が表示体100に表示される。例えば、画像データの画像が文字列の画像である場合、文字列が図4に示したように表示される。
【0020】
次に、ユーザーが、表示された画像について領域の指定を開始する操作を操作部230において行った後、スタイラスペン2をタッチパネル220に接触させると、スタイラスペン2が接触した位置を示す信号がタッチパネル220から出力される。この信号が制御部200に入力されると(図3:ステップS101;YES)、CPU201は、スタイラスペン2が触れた位置(領域指定の始点)を示す信号を表示体制御部110へ出力する(ステップS102)。スタイラスペン2が触れた位置を示す信号が表示体制御部110に入力されると、駆動部111は、この信号の示す接触位置を領域指定の始点として記憶する。また、CPU201は、タッチパネル220からの信号が示す位置を、領域指定の始点としてRAM203に記憶させる(ステップS103)。
なお、ここで、ユーザーがスタイラスペン2で指定した位置がタッチパネル220と制御部200とにより取得されることから、タッチパネル220と制御部200は、表示体100の画面内でユーザーが指定した位置を取得する位置取得部として機能している。
【0021】
次に、CPU201が、領域指定の始点を示す画像G1の表示を指示する信号を表示体制御部110へ出力する(ステップS104)。この信号が表示体制御部110に入力されると、駆動部111は、領域指定の始点を示す画像G1が表示されるようにアドレス線駆動部101とデータ線駆動部102を制御する。なお、画像G1を表示させる位置は、駆動部111が領域指定の始点として記憶した位置に対応した位置となる。また、アドレス線駆動部101とデータ線駆動部102は駆動部111により制御され、画像G1を表示させるアドレス線とデータ線についてのみアドレス線とデータ線を駆動し、部分的に表示を書き換える。
すると表示体100においては、図5に示したようにスタイラスペン2の接触位置、つまり領域指定の始点に、この始点を示す画像G1が重畳されて表示される。
【0022】
次に、ユーザーがスタイラスペン2をタッチパネル220に接触させたまま移動させると、スタイラスペン2が触れた位置を示す信号がタッチパネル220から出力される。CPU201は、ステップS104の処理を終了した後、タッチパネル220から出力されている信号を受け取り(ステップS105)、タッチパネル220から出力された信号が示す位置を、領域指定の終点位置としてRAM203に記憶させる(ステップS106)。また、CPU201は、この領域指定の終点位置を示す信号を表示体制御部110へ出力する(ステップS107)。この信号が表示体制御部110に入力されると、駆動部111は、この信号の示す位置を領域指定の終点として記憶する。また、CPU201は、表示フラグの値を、表示していることを示す「1」にしてRAM203に記憶させる(ステップS108)。
【0023】
次に、CPU201が、領域指定の始点位置と終点位置とを結ぶ線を対角線とする矩形の画像G2の表示を指示する信号を表示体制御部110へ出力する(ステップS109)。この信号が表示体制御部110に入力されると、駆動部111は、記憶した領域指定の始点位置と終点位置とを結ぶ線を対角線とする矩形の画像G2が表示されるようにアドレス線駆動部101とデータ線駆動部102を制御する。ここでも、アドレス線駆動部101とデータ線駆動部102は駆動部111により制御され、画像G2を表示させるアドレス線とデータ線についてのみ駆動し、部分的に表示を書き換える。すると、図6に示したように、画像G1の位置と移動したスタイラスペン2の接触位置を頂点とする矩形の画像G2が重畳されて表示体100に表示される。表示体100においては、この矩形の画像G2の色は白とされるため、矩形の領域内は表示された文字の画像が消去されることとなる。なお、図6においては画像G2の領域を分かりやすくするために、画像G2の領域が点線で示されているが、実際の表示においては、この点線は表示されない。
【0024】
次に、ユーザーがタッチパネル220からスタイラスペン2を離すと(ステップS110)、CPU201は、タイマー割り込みによって予め定められた周期で図7に示した処理を行う。具体的には、CPU201は、タイマー割り込みが発生すると、まず表示フラグの値を判断する。ここで、上述したように表示フラグの値は「1」であるため(ステップS201;YES)、CPU201は、表示フラグの値を「0」に変更し(ステップS202)、VRAM112Aの画像を表示するよう指示する信号を表示体制御部110へ出力する(ステップS203)。この信号が表示体制御部110に入力されると、駆動部111は、VRAM112Aに記憶された画像に従ってアドレス線駆動部101とデータ線駆動部102を制御する。すると、アドレス線およびデータ線に電圧が印加され、VRAM112Aに記憶された画像(図4)が表示体100に表示される。
なお、ここでアドレス線駆動部101とデータ線駆動部102は、駆動部111により制御され、画像G1と画像G2が表示されていた部分についてのみアドレス線とデータ線を駆動し、部分的に表示を書き換える。
【0025】
次に、タイマー割り込みの周期として予め設定された時間が経過し、再度タイマー割り込みが発生すると、CPU201は、表示フラグの値を判断する。ここで、上述したように表示フラグの値は「0」であるため(ステップS201;NO)、CPU201は、表示フラグの値を「1」に変更し(ステップS204)、画像G1と画像G2の表示を指示する信号を表示体制御部110へ出力する(ステップS205)。この信号が表示体制御部110に入力されると、駆動部111は、画像G1と画像G2が表示されるようにアドレス線駆動部101とデータ線駆動部102を制御する。ここでも、アドレス線駆動部101とデータ線駆動部102は駆動部111により制御され、画像G1と画像G2を表示させるアドレス線とデータ線についてのみ、アドレス線とデータ線を駆動し、部分的に表示を書き換える。すると、図6に示したように、図4の画像に画像G1と画像G2が重畳されて表示される。以下、タイマー割り込みの処理は、予め定められた周期で実行されるため、上述した動作が繰り返し行われ、画像G1および画像G2は表示と非表示を繰り返し、点滅するようにユーザーに視認される。
【0026】
次に、例えば、画像G2内の画像の消去を指示する操作が操作部230において行われると、CPU201は、RAM203に記憶された領域指定の始点位置と終点位置とを結ぶ線を対角線とする矩形の白の画像を、VRAM112Aに書き込む。次に、CPU201が、VRAM112Aの画像の表示を指示する信号を表示体制御部110へ出力すると、駆動部111は、VRAM112Aに記憶された画像に従ってアドレス線駆動部101とデータ線駆動部102を制御する。すると、アドレス線およびデータ線に電圧が印加され、VRAM112Aに記憶された画像が表示体100に表示され、画像G2の領域が消去された画像が表示体100において表示される。
【0027】
本実施形態によれば、ユーザーが選択した領域は白で表示されるため、黒の枠を表示する態様と比較して、ユーザーが選択した領域に領域を表す画像が残ることがなく、表示中の画像が乱れることがない。また、ユーザーが選択した領域においては白の画像が点滅するため、ユーザーに対して、選択された領域を容易に視認させることができる。
【0028】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。
【0029】
上述した実施形態においては、領域指定の始点の位置に画像G1を表示しているが、画像G1を表示しないようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、画像G1と画像G2について、定められた周期で表示と非表示が繰り返されるようになっているが、タイマー割り込みによる処理を行わず、画像G1と画像G2を表示したままとしてもよい。
また、上述した実施形態においては、スタイラスペン2をタッチパネル220から離すまでの間、即ち、領域を指定している最中においても、画像G1と画像G2を予め定められた周期で表示/非表示を切り替えてもよい。なお、この場合、スタイラスペン2をタッチパネル220から離すまでの間(領域指定中)と、離した後(領域指定後)とで表示/非表示を切り替える期間を異ならせてもよい。
また、上述した実施形態においては、ユーザーが指定した領域内の文字の色をグレーで表示するようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、画像G2の輪郭部分のみ表示/非表示を切り替えるようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、表示体100は、白、黒およびグレーの表示を行うものであるが、カラーの画像を表示するものであってもよい。
また、上述した実施形態においては、画像G1は黒であり、画像G2は白で表示されるが、いずれの画像も中間階調(例えばグレー)で表示してもよい。
【0030】
上述した実施形態においては、CPU201は、画像G2を表示する前に、VRAM112Aへ書き込んだ画像における黒の部分の面積と、白の部分の面積とを算出してもよい。そして、CPU201は、黒部分の面積と白部分の面積とを比較し、黒部分の面積が広い場合には画像G2の色を黒とし、一方、白部分の面積が広い場合には画像G2の色を白としてもよい。
【0031】
上述した実施形態においては、ユーザーが指定した領域は、白の矩形の画像G2として表示されているが、図8に示したように、領域指定の始点と終点とを結ぶ線を対角線とする矩形の白枠の画像G3を画像G2に替えて表示してもよい。なお、図8においては、画像G3を分かりやすくするために、白枠の領域が点線で示されているが、実際の表示においては、この点線は表示されない。
また、白枠の画像G3を表示する場合、予め定められた周期で画像G3の表示と非表示を繰り返してもよい。
また、画像G3を表示する場合、枠の頂点部分に黒の十字の画像や、黒またはグレーの鉤括弧を表示してもよい。
また、画像G3は、枠の頂点付近については枠の太さを太くしてもよい。
【0032】
上述した実施形態においては、制御部200と表示体制御部110とが別々のブロックとなっているが、制御部200と表示体制御部110と纏めて一つのブロックとし、表示体100を制御する制御部としてもよい。なお、上述した実施形態においても、制御部200と表示体制御部110は、まとまって表示体100を制御するため、制御部200と表示体制御部110とを、表示体100を制御する制御部ということができる。
【0033】
上述した実施形態においては、表示体100として、電気泳動表示体を用いたが、本発明は、残像が発生しうる他の表示体にも適用できる。たとえば、電気泳動表示体の代わりに、残像が発生しうるエレクトロクロミック表示体を用いても良い。周知の通り、エレクトロクロミック材料を挟持する2つの電極間に電圧を印加するとエレクトロクロミック材料に電流が流れ、エレクトロクロミック材料が固有の色を発色する。また、2つの電極間に逆向きの電圧を印加するとエレクトロクロミック材料に逆向きの電流が流れてその色が消去される。そのため、エレクトロクロミック材料を用いた表示体においても、一旦表示された画像は電流を流すのを停止しても保持される。そして、電気泳動表示体と同様、画像を消去したとき残像が発生する。そこで、上述した実施形態における電気泳動表示体の代わりに、複数の画素がマトリクス駆動されるエレクトロクロミック表示体を用いた情報表示装置1においても本発明を実施することができる。ただし、上述した実施形態で用いた電気泳動表示体は、白と黒とで画像を表示するものであったが、エレクトロクロミック表示体は、エレクトロクロミック材料固有の色によって着色された状態と非着色状態とで画像を表示する、という点が異なる。そのため、エレクトロクロミック表示体における非着色状態と着色状態はそれぞれ、電気泳動表示体における白と黒に対応する。
なお、本発明は電気泳動表示体やエレクトロクロミック表示体に限定されるものではなく、強誘電性液晶を用いた表示体など、残像が発生しうるいかなる表示体にも適用できる。
【符号の説明】
【0034】
1・・・情報表示装置、2・・・スタイラスペン、10・・・ボタン、100・・・表示体、101・・・アドレス線駆動部、102・・・データ線駆動部、110・・・表示体制御部、112A・・・VRAM、111・・・駆動部、200・・・制御部、201・・・CPU,202・・・ROM、203・・・RAM、210・・・記憶部、220・・・タッチパネル、230・・・操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒を含む着色された画像が表示される表示体と、
前記表示体の画面内において指定された位置を取得する位置取得部と、
前記表示体の画面内において指定された領域を前記位置取得部によって取得された位置を用いて特定し、該特定された領域に予め定められた形状の着色されていない図形が表示されるように、前記表示体の当該領域を制御する制御部と
を有する表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記図形の表示と非表示とが予め定められた周期で交互に行われるように、前記表示体において前記領域を制御することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
黒を含む着色された画像が表示される表示体と、
前記表示体の画面内において指定された位置を取得する位置取得部と、
前記表示体の画面内において指定された領域を前記位置取得部によって取得された位置を用いて特定するとともに、前記表示体に表示された前記画像において、着色された部分の面積と着色されていない部分の面積との比率によって、予め定められた形状の着色された図形と予め定められた形状の着色されていない図形のうちいずれか一方が該特定された領域に表示されるように、前記表示体の当該領域を制御する制御部と、
を有する表示装置。
【請求項4】
操作される操作部と、前記画像を表す画像データを記憶する記憶部と、をさらに有し、
前記制御部は、前記操作部にされた操作に応じて、前記記憶部に記憶された前記画像データが表す前記画像が前記表示体に表示されるように前記表示体を制御するとともに、前記着色されていない部分の面積が前記着色された部分の面積より広い場合には前記着色されていない図形が表示され、前記着色されていない部分の面積が前記着色された部分の面積より広くない場合には前記着色された図形が表示されるように、前記表示体の当該領域を制御すること
を特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記着色されていない図形または前記着色された図形の表示と非表示とが予め定められた周期で交互に行われるように、前記表示体において前記領域を制御することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示体は、前記表示体に表示された前記画像を消去したときに、前記画像の残像が発生する方式の表示体であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示体は電気泳動表示体であることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示体はエレクトロクロミック表示体であることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−13660(P2011−13660A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6563(P2010−6563)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】