説明

表示装置

【課題】信号線の本数を少なくしつつ、表示装置を構成する各表示画素に所望の電圧レベルの表示信号を比較的短時間で書き込むこと。
【解決手段】走査線Gate1、Gate2と信号線SG1、SG2との交点に対応するように、表示画素Green1、Red1、Blue1を配置する。表示画素Green1はTFT1aを介して信号線SG1に接続する。表示画素Red1はTFT4aを介して信号線SR1に接続する。表示画素Blue1は、TFT2aを介して表示画素Green1に接続するとともに、TFT3aを介して表示画素Red2に接続する。表示画素Green1、Blue1、Red1に適正な階調信号が書き込まれるように、走査線Gate1、Gate2の走査信号を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブマトリクス方式の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置等に用いられるアクティブマトリクス方式の表示装置では、表示部の行方向に対して配設される複数の走査線と表示部の列方向に対して配設される複数の信号線との交点に対応する位置に表示画素を配置し、該表示画素に所定の電圧を印加することで表示を行っている。従来の表示装置では、各表示画素のそれぞれに対応する信号線と走査線とを必要としている。したがって、信号線を駆動する信号側駆動装置(ソースドライバ)の出力数も信号線の本数分必要であるとともに、走査線を駆動する走査側駆動装置(ゲートドライバ)の出力数も走査線の本数分必要であった。
【0003】
信号線の本数を減らす提案の1つとして、例えば特許文献1の手法がある。特許文献1では、薄膜トランジスタ(TFT)を介して信号線に接続された表示画素に、別のTFTを介してさらに表示画素を接続しておき、これら2つのTFTを別の走査線によって駆動するようにしている。特許文献1では、このような構成とすることにより、走査線の本数を増大させることなく、信号線の本数を2/3とすることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−19914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、2つのTFTと1つの表示画素を介して信号線に接続される表示画素が存在する。ここで、TFTには寄生容量が存在することが知られており、また、表示画素は等価的には容量負荷であることが知られている。即ち、特許文献1の手法における2つのTFTと1つの表示画素を介して信号線に接続される表示画素は、他の表示画素に比べて、信号線との間に多くの容量負荷が介在していることになる。このため、2つのTFTと1つの表示画素を介して信号線に接続される表示画素は、その時定数が他の表示画素に比べて大きくなり易い。したがって、2つのTFTと1つの表示画素を介して信号線に接続される表示画素は、他の表示画素に比べて所望の電圧レベルの表示信号を書き込むのに時間がかかり易い。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、信号線の本数を少なくしつつ、表示装置を構成する各表示画素に所望の電圧レベルの表示信号を比較的短時間で書き込むことが可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様の表示装置は、所定の方向に延伸配置された第1の走査線及び第2の走査線と、前記第1の走査線及び前記第2の走査線に対して交差するように配置された第1の信号線と、ゲート電極が前記第2の走査線に接続されるとともに、ソース電極及びドレイン電極のうちの一方が前記第1の信号線に接続された第1の薄膜トランジスタと、前記第1の薄膜トランジスタにおける前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちの他方に接続された第1の画素と、ゲート電極が前記第1の走査線に接続されるとともに、ソース電極及びドレイン電極のうちの一方が前記第1の画素に接続された第2の薄膜トランジスタと、前記第2の薄膜トランジスタにおける前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちの他方に接続された第2の画素と、ゲート電極が前記第1の走査線に接続されるとともに、ソース電極及びドレイン電極のうちの一方が前記第2の画素に接続された第3の薄膜トランジスタと、前記第3の薄膜トランジスタにおける前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちの他方に接続された第3の画素と、前記第1の信号線と平行するように配置された第2の信号線と、ゲート電極が前記第2の走査線に接続されるとともに、ソース電極及びドレイン電極のうちの一方が前記第3の画素に接続され、前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちの他方が前記第2の信号線に接続された第4の薄膜トランジスタと、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、信号線の本数を少なくしつつ、表示装置を構成する各表示画素に所望の電圧レベルの表示信号を比較的短時間で書き込むことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る表示装置を備えた電子機器の一例としての携帯電話機の外観を示す図である。
【図2】表示装置の一例としての液晶表示装置の全体構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における表示部中の画素電極の接続構造を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における表示装置の表示動作について示すタイミングチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態における表示部中の画素電極の接続構造を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における表示装置の表示動作について示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の各実施形態に係る表示装置を備えた電子機器の一例としての携帯電話機の外観を示す図である。図1に示す携帯電話機10は、マイクロフォン11と、アンテナ12と、スピーカ13と、液晶表示装置14と、操作部15とを有している。
【0011】
マイクロフォン11は、携帯電話機10の使用者によって入力される音声を電気信号に変換するものである。アンテナ12は、携帯電話機10が図示しない基地局と通信するためのアンテナである。スピーカ13は、別の携帯電話機等から基地局を経由してアンテナ12で受信された音声信号を音声に変換して出力するものである。液晶表示装置14は、各種の画像を表示するものである。操作部15は、携帯電話機10の使用者が携帯電話機10の操作を行うための操作部である。
【0012】
図2は、本発明の各実施形態に係る表示装置の一例としての液晶表示装置14の全体構成を示す図である。図1に示す液晶表示装置14は、表示部100と、信号側駆動回路200と、走査側駆動回路300と、RGB発生回路400と、共通信号発生回路500と、タイミング制御回路600と、電源発生回路700とを有している。
【0013】
表示部100は、液晶表示装置14の外部から供給される画像信号(アナログ又はデジタル)に基づく画像を表示する表示部である。表示部100は、表示画素側基板101と対向側基板102との間に液晶LCが介在されて構成されている。さらに、表示部100の背面側(図面裏側)にはバックライト104が設けられている。
【0014】
表示部100の表示画素側基板101には、複数の走査線と、複数の信号線と、複数の画素電極とが配設されている。画素電極は、例えばITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電膜で構成されている。
【0015】
また、表示部100の対向側基板102は、表示画素側基板101と対向するように配置されている。この対向側基板102には対向電極が形成されている。対向電極は、共通信号発生回路500によって共通信号VCOMが印加されている。
【0016】
表示画素側基板101と対向側基板102とはシール材103によって接着され、またこのシール材103によって表示画素側基板101と対向側基板102との間から液晶LCが漏れ出さないようにシールされている。
【0017】
このような構成において、表示画素側基板101に形成された画素電極と、表示画素側基板101と対向側基板102との間に狭持された液晶LCと、対向側基板102に形成された対向電極とによって1つの表示画素が構成されている。また、このような表示画素に並列するように補助容量が設けられている。ここで、表示画素の画素電極には信号側駆動回路200によって階調信号Vsigが書き込まれる。このため、画素電極と対向電極とによって狭持された液晶LCには、階調信号Vsigに基づく画素電極電圧Vpixと共通電圧Vcomとの差に対応した電圧VLCDが印加される。液晶は、印加電圧の大きさによって光の透過率特性が変化するため、表示部100の裏面に設けられたバックライト104からの光を表示部100の各表示画素に照射しつつ、液晶の透過率を制御することで、表示画素において所望の階調レベル(輝度)の表示を行うことが可能である。また、階調信号Vsigが画素電極に再び書き込まれるまでの間、液晶LCに書き込まれた電圧VLCDは補助容量により保持される。
【0018】
図3は、第1の実施形態における表示部100中の画素電極(表示画素)の接続構造を示す図である。ここで、図3は、表示部100内の9画素の接続構造を主に示しているが、表示画素の数は9画素に限るものではない。そして、図3に示した以外の表示画素も図3に示したものと同様の接続構造をしている。さらに、図3は、表示部100がカラー表示可能な例を示している。したがって、各表示画素の前面には赤(Red)、緑(Green)、青(blue)の何れかの色のカラーフィルタが配置されている。図3においては、緑表示に係る表示画素をGreenN(図3ではN=1、2、3)、赤表示に係る表示画素をRedN(図3ではN=1、2、3)、青表示に係る表示画素をBlueN(N=1、2、3)として示している。図3に示すように、本実施形態においては、行方向(走査線の延伸方向)の表示画素が例えば緑(Green)、青(Blue)、赤(Red)の順で繰り返すように、且つ列方向(信号線の延伸方向)の表示画素が同一の色成分になるように、カラーフィルタがストライプ配置されている。
【0019】
また、図3においては、4本の走査線を図示しており、それぞれの走査線をGateN(N=1、2、3、4)として示している。同様に、図3においては、3本の信号線を図示しており、それぞれの信号線をSGN(図3ではN=1、2)、SRN(図3ではN=1)として示している。なお、本実施形態においては、信号線SGNが第1の信号線として機能し、信号線SRNが第2の信号線として機能する。
【0020】
本実施形態においては、図3に示すように、走査線Gate1、Gate2、Gate3、Gate4と、信号線SG1、SR1、SG2とが互いに交差するように配設されている。
【0021】
さらに、走査線Gate1、Gate2、Gate3と信号線SG1との各交点に対応するように、表示画素Green1、Green2、Green3が配置されている。これら表示画素Green1、Green2、Green3は、それぞれ、第1の薄膜トランジスタTFT1a、TFT1b、TFT1cを介して、各表示画素を挟むように配設される2本の走査線のうちの下行側の走査線(第2の走査線)に接続されている。さらに、表示画素Green1、Green2、Green3は、それぞれ、第1の薄膜トランジスタTFT1a、TFT1b、TFT1cを介して、信号線SG1にも接続されている。より詳しくは、表示画素Green1、Green2、Green3は、それぞれ、TFT1a、TFT1b、TFT1cのドレイン電極(或いはソース電極)に接続されている。また、TFT1a、TFT1b、TFT1cのソース電極(或いはドレイン電極)は、それぞれ、信号線SG1に接続されている。さらに、TFT1a、TFT1b、TFT1cのゲート電極は、それぞれ、走査線Gate2、Gate3、Gate4に接続されている。
【0022】
また、表示画素Green1、Green2、Green3は、それぞれ、第2の薄膜トランジスタTFT2a、TFT2b、TFT2cにも接続されている。より詳しくは、表示画素Green1、Green2、Green3は、それぞれ、TFT2a、TFT2b、TFT2cのソース電極(或いはドレイン電極)に接続されている。また、TFT2a、TFT2b、TFT2cのドレイン電極(或いはソース電極)は、表示画素Blue1、Blue2、Blue3に接続されている。さらに、TFT2a、TFT2b、TFT2cのゲート電極は、それぞれのTFTが接続されている表示画素GreenN、BlueNを挟むように配設される2本の走査線のうちの上行側の走査線(第1の走査線)に接続されている。即ち、TFT2a、TFT2b、TFT2cのゲート電極は、それぞれ、走査線Gate1、Gate2、Gate3に接続されている。
【0023】
また、表示画素Blue1、Blue2、Blue3は、それぞれ、第3の薄膜トランジスタTFT3a、TFT3b、TFT3cにも接続されている。より詳しくは、表示画素Blue1、Blue2、Blue3は、それぞれ、TFT3a、TFT3b、TFT3cのソース電極(或いはドレイン電極)に接続されている。また、TFT3a、TFT3b、TFT3cのドレイン電極(或いはソース電極)は表示画素Red1、Red2、Red3に接続されている。さらに、TFT3a、TFT3b、TFT3cのゲート電極は、それぞれのTFTが接続されている表示画素BlueN、RedNを挟むように配設される2本の走査線のうちの上行側の走査線(第1の走査線)に接続されている。即ち、TFT3a、TFT3b、TFT3cのゲート電極は、それぞれ、走査線Gate1、Gate2、Gate3に接続されている。
【0024】
また、表示画素Red1、Red2、Red3は、それぞれ、第4の薄膜トランジスタTFT4a、TFT4b、TFT4cにも接続されている。より詳しくは、表示画素Red1、Red2、Red3は、それぞれ、TFT4a、TFT4b、TFT4cのソース電極(或いはドレイン電極)に接続されている。また、TFT4a、TFT4b、TFT4cのドレイン電極(或いはソース電極)は信号線SR1に接続されている。さらに、TFT4a、TFT4b、TFT4cのゲート電極は、それぞれのTFTが接続されている表示画素RedNを挟むように配設される2本の走査線のうちの下行側の走査線(第2の走査線)に接続されている。即ち、TFT4a、TFT4b、TFT4cのゲート電極は、それぞれ、走査線Gate2、Gate3、Gate4に接続されている。
【0025】
図3で示したように、本実施形態においては、平行配置された第1の走査線と第2の走査線との間に挟まれるようにして隣接配置された表示画素GreenNと、表示画素BlueNと、表示画素RedNとが、それぞれ、第1の画素、第2の画素、第3の画素として機能する。そして、これら2本の走査線の間に挟まれるようにして隣接配置された、表示画素GreenN、表示画素BlueN、表示画素RedNのうち、赤表示に係る表示画素RedNと緑表示に係る表示画素GreenNとがTFTを介して信号線に接続される。一方、青表示に係る表示画素BlueNについてはTFTを介して信号線には接続されず、表示画素RedNと表示画素GreenNとに接続される。図3のような表示画素の接続構成とすることで、走査線の本数を増やさずに信号線の本数を1行分の表示画素数の2/3本とすることが可能である。
【0026】
図2における信号側駆動回路200は、図3に示した信号線が接続され、タイミング制御回路600からの制御信号(垂直同期信号、水平同期信号等)に基づいて、RGB発生回路400から供給されるR、G、Bの各色に対応した画像データを1行単位で取り込み、取り込んだ画像データに対応する階調信号を対応する信号線に供給する。
【0027】
走査側駆動回路300は、図3に示した走査線が接続され、タイミング制御回路600からの制御信号(垂直同期信号、水平同期信号等)に基づいて、走査線に接続されたTFTに供給されている走査信号をゲートオンレベルVGH又はゲートオフレベルVGLにする。
【0028】
RGB発生回路400は、例えば液晶表示装置の外部から供給される画像信号(アナログ又はデジタル)からR、G、Bの各色に対応した画像データを生成して信号側駆動回路200に出力する。ここで、RGB発生回路400には、所定期間(例えば、1垂直期間や1水平期間)毎にタイミング制御回路600から極性反転制御信号(FRP)が入力される。RGB発生回路400は、極性反転制御信号が入力される毎に信号側駆動回路200に出力する画像データのビット値を反転させる。このようにして所定期間毎に画像データのビット値を反転させることにより、表示画素に印加される階調信号の極性が所定期間毎に反転する。これにより、表示画素を交流駆動することが可能である。
【0029】
共通信号発生回路500は、電圧レベルが階調信号よりも高い正極側の共通電圧VCOM+と電圧レベルが階調信号よりも低い負極側の共通電圧VCOM−との2種の共通電圧VCOMを生成可能になされており、タイミング制御回路600からの極性反転制御信号に応じて正極側の共通電圧VCOM+と負極側の共通電圧VCOM−との何れかを選択して対向側基板102に形成された対向電極に供給する。
【0030】
タイミング制御回路600は、垂直制御信号、水平制御信号、極性反転制御信号等の各種の制御信号を生成して図2の各ブロックに供給する、
電源発生回路700は、階調信号を生成するために必要な電源電圧VSHを生成して信号側駆動回路200に供給するとともに、走査信号を生成するために必要な電源電圧VGH、VGLを生成して走査側駆動回路300に供給する。また、電源発生回路700は、ロジック電源VCCを生成して信号側駆動回路200及び走査側駆動回路300に供給する。
【0031】
次に、本実施形態に係る表示装置の動作について説明する。図4は、本実施形態における表示装置の表示動作について示すタイミングチャートである。図4においては、上から、信号線SG1の階調信号、信号線SR1の階調信号、走査線Gate1の走査信号、走査線Gate2の走査信号、走査線Gate3の走査信号、表示画素Red1の表示状態、表示画素Green1の表示状態、表示画素Blue1の表示状態、表示画素Red2の表示状態、表示画素Green2の表示状態、表示画素Blue2の表示状態、共通信号VCOMを示している。
【0032】
本実施形態においては、奇数列の信号線である信号線SGNについては、画像データを青、緑、青、緑、…の順で1/2水平期間(H)毎に信号側駆動回路200に入力する。一方、偶数列の信号線である信号線SRNについては、画像データを青、赤、青、赤、…の順で1/2水平期間(H)毎に信号側駆動回路200に入力する。ただし、緑表示に係る画像データと、赤表示に係る画像データについては、青表示に係る画像データよりも相対的に1水平期間だけ遅らせて入力する。また、画像データのビット値については1水平期間毎に反転させる。ここで、図4においては、画像データのビット反転を行っていない場合の階調信号に「+」の符号を付し、画像データのビット反転を行った場合の階調信号に「−」の符号を付している。なお、階調信号の極性の反転に伴って、図4に示すように、共通信号VCOMの極性も1水平期間毎に反転させる。
【0033】
以上により、図4に示すように、信号線SG1には階調信号B0−、Dum、B1+、G0+、B2−、G1−、B3+、…が供給され、信号線SR1には階調信号B0−、Dum、B1+、R0+、B2−、R1−、B3+、…が供給される。ここで、Dumはダミーの階調信号であることを示している。このダミー階調信号Dumとしては任意のデータを入力することができる。また、B0−、G0+、R0+は、走査線Gate1の前の行の走査線に接続される表示画素に供給すべき階調信号を示している。したがって、走査線Gate1が表示部100を構成する最初の(例えば一番上の)行である場合、信号線SG1には階調信号をB1+から供給すれば良く、信号線SR1には階調信号をB1+から供給すれば良い。
【0034】
以下の説明においては、走査線Gate1に接続された表示画素Green1、Blue1、Red1及び走査線Gate2に接続された表示画素Green2、Blue2、Red2の表示に関して説明する。その他の行の表示画素についても以下に説明する制御と同様の制御がなされるものである。なお、図4に示すR0、G0、B0に対応した期間については走査線Gate1の前の行以前の表示に係るものであるため説明を省略する。
【0035】
本実施形態においては、各走査線の走査信号を2回ずつゲートオンレベルVGHとする。まず、走査線Gate1の走査信号と走査線Gate2の走査信号とをそれぞれ所定期間だけゲートオンレベルVGHとする。ここで、走査線Gate1の走査信号をゲートオンレベルVGHとする期間は、表示画素Blue1に対応した階調信号B1+の供給が開始した時点から階調信号G0+の供給が終了する直前までの期間とする。また、走査線Gate2の走査信号をゲートオンレベルVGHとする期間は、表示画素Blue1に対応した階調信号B1+の供給が開始した時点から階調信号B1+の供給が終了する直前までの期間とする。なお、走査線Gate1、Gate2の走査信号をゲートオンレベルVGHとする期間を上述した時点よりもさらに1/2水平期間だけ前の期間からとしても良い。図4ではこの期間をD_Cとして示している。
【0036】
走査線Gate1の走査信号がゲートオンレベルVGHとなることにより、TFT2aとTFT3aがそれぞれオン状態となる。また、走査線Gate2の走査信号がゲートオンレベルVGHとなることにより、TFT1a、TFT4a、TFT2b、TFT3bがそれぞれオン状態となる。これにより、信号線SG1に供給されていた階調信号B1+と信号線SR1に供給されていた階調信号B1+の両方が表示画素Green1、Blue1、Red1に書き込まれ、表示画素Green1、Blue1、Red1において階調信号B1+に対応した表示が行われる。なお、各書き込まれる階調信号は表示画素Nlue1に対応した階調信号B1+であるが、実際の表示はカラーフィルタを通したものとなる。したがって、階調信号B1+が書き込まれたとしても表示画素Green1については緑色の表示がなされ、表示画素Red1については赤色の表示がなされる。また、詳細は後述するが、表示画素Green1及び表示画素Red1の表示状態は階調信号B1+の書き込み終了から1水平期間後に適正な状態となるため、表示上の問題も殆どない。
【0037】
また、走査線Gate3の走査信号がゲートオフレベルVGLのままであるので、TFT2b、TFT3bがオン状態であっても、TFT1b、TFT4bはオフ状態となっている。したがって、信号線SG1に供給されていた階調信号B1+と信号線SR1に供給された階調信号B1+は、表示画素Green2、Blue2、Red2には書き込まれない。ただし、表示画素Green2と表示画素Blue2との間はTFT2bを介して導通状態となり、表示画素Blue2と表示画素Red2との間はTFT3bを介して導通状態となるため、表示画素Green2、Blue2、Red2の電圧レベルは、それぞれ、前のフレームにおいて表示画素Green2、Blue2、Red2にそれぞれ印加されていた電圧(補助容量に保持された電圧。図4ではoldR2、oldG2、oldB2として示している)が合成されて、各表示画素に印加されていた電圧の平均値となる。図4では、この合成電圧をoldRGB2として示している。また、図4ではoldR1、oldG1、oldB1も示している。これらは前フレームにおいて表示画素Red1、Green1、Blue1に保持されていた電圧を示している。
【0038】
走査線Gate1の走査信号がゲートオンレベルVGHのままで走査線Gate2の走査信号がゲートオフレベルVGLとなると、TFT2aとTFT3aがオン状態となって表示画素Green1、Blue1、Red1の電圧が合成(平均化)される。ただし、直前の1/2水平期間において、表示画素Green1、Blue1、Red1にはともに表示画素Blue1に対応した階調信号B1+が供給されているので、電圧が平均化された後も表示画素Green1、Blue1、Red1の電圧は階調信号B1+に対応した電圧のままとなる。また、表示画素Green2、Blue2、Red2の電圧については、表示画素Green2、Blue2、Red2に接続されたTFTがそれぞれ再びオン状態となるまで補助容量によって保持される。
【0039】
走査線Gate1の走査信号がゲートオフレベルVGLとなると、表示画素Green1、Blue1、Red1に接続されたTFTが再びオン状態となるまで、表示画素Green1、Blue1、Red1の電圧が補助容量によって保持される。
【0040】
次の水平期間において、走査線Gate2の走査信号と走査線Gate3の走査信号とをそれぞれ所定期間だけゲートオンレベルVGHとする。ここで、走査線Gate2の走査信号をゲートオンレベルVGHとする期間は、表示画素Blue2に対応した階調信号B2−の供給が開始した時点から表示画素Green1に対応した階調信号G1−及び表示画素Red1に対応した階調信号R1−の供給が終了する直前までの期間とする。また、走査線Gate3の走査信号をゲートオンレベルVGHとする期間は、表示画素Blue2に対応した階調信号B2−の供給が開始した時点から階調信号B2−の供給が終了する直前までの期間とする。
【0041】
走査線Gate2の走査信号がゲートオンレベルVGHとなることにより、上述したように、TFT2b、TFT3bがオン状態となる。また、走査線Gate3の走査信号がゲートオンレベルVGHとなることにより、TFT1b、TFT4bがオン状態となる。これにより、信号線SG1に供給されていた階調信号B2−が表示画素Green1、Green2、Blue2、Red2に書き込まれ、また、信号線SR1に供給されていた階調信号B2−が表示画素Red1、Green2、Blue2、Red2に書き込まれる。これにより、表示画素Green1、Red1、Green2、Red2、Blue2において表示画素Blue2に対応した階調信号B2−に対応した表示が行われる。なお、TFT2a、TFT3aがともにオフ状態であるので、表示画素Blue1については階調信号の書き込みが行われない。また、走査線Gate4の走査信号がゲートオフレベルVGLのままであるので、TFT2c、TFT3cがオン状態であっても、TFT1c、TFT4cはオフ状態となっている。したがって、信号線SG1に供給されていた階調信号B2−と信号線SR1に供給された階調信号B2−は、表示画素Green3、Blue3、Red3には書き込まれない。代わりに、表示画素Green3、Blue3、Red3においては上述したようにして電圧が合成(平均化)される。
【0042】
走査線Gate2の走査信号がゲートオンレベルVGHのままで走査線Gate3の走査信号がゲートオフレベルVGLとなると、TFT1aがオン状態となり、信号線SG1に供給されていた表示画素Green1に対応した階調信号G1−が表示画素Green1に書き込まれる。これにより、表示画素Green1における表示画素Blue2に対応した階調信号B2−の書き込み状態が解消され、表示画素Green1において適正な表示がなされる。同様に、TFT4aがオン状態となり、信号線SR1に供給されていた表示画素Red1に対応した階調信号R1−が表示画素Red1に書き込まれる。これにより、表示画素Red1における表示画素Blue2に対応した階調信号B2−の書き込み状態が解消され、表示画素Red1において適正な表示がなされる。なお、TFT1a、4aがオン状態であっても、TFT2a、3aはオフ状態であるため、表示画素Blue1に階調信号が書き込まれることはない。
【0043】
以上のようにして、表示画素Red1、Green1、Blue1において画像信号に応じた適正な階調表示がなされることになる。即ち、本実施形態においては、表示画素Red1、Green1については、表示画素Blue1よりも1水平期間だけ遅れて適正な表示がなされる。
【0044】
また、走査線Gate2の走査信号がゲートオンレベルVGHのままで走査線Gate3の走査信号がゲートオフレベルVGLとなると、TFT2bとTFT3bがオン状態となって電圧が合成(平均化)される。ただし、直前の1/2水平期間において、表示画素Green2、Blue2、Red2にはともに階調信号B2−が供給されているので、電位の合成がなされた後も、表示画素Green2、Blue2、Red2の電圧は階調信号B2−に対応した電圧のままとなる。また、表示画素Green3、Blue3、Red3の電圧は、表示画素Green3、Blue3、Red3に接続されたTFTが再びオン状態となるまで補助容量によって保持される。
【0045】
走査線Gate2の走査信号がゲートオフレベルVGLとなると、表示画素Green2、Blue2、Red2の電圧は、表示画素Green2、Blue2、Red2に接続されたTFTが再びオン状態となるまで補助容量によって保持される。
【0046】
また、次の水平期間においては、図4においては図示を省略しているが、上述したのと同様に、走査線Gate3の走査信号がゲートオンレベルVGHで走査線Gate4の走査信号がゲートオフレベルVGLとなったときに、信号線SG1に印加されていた階調信号G2+が表示画素Green2に書き込まれるとともに、信号線SR1に印加されていた階調信号R2+が表示画素Red2に書き込まれる。このようにして、表示画素R2、G2、B2において映像信号に基づいた表示すべき適正な階調表示がなされる。
【0047】
以後の水平期間についても上述と同様の制御がなされ、各表示画素において画像信号に基づいた表示すべき適正な階調表示がなされる。
【0048】
以上説明したように、本実施形態においては、赤表示に係る表示画素RedNと緑表示に係る表示画素GreenNについてはTFTを介して信号線に接続する一方で、青表示に係る表示画素BlueNについてはTFTを介して表示画素RedNと表示画素GreenNとに接続するようにしている。このような表示画素の接続構成とすることで、走査線の本数を増やさずに信号線の本数を1行分の表示画素数の2/3本とすることが可能である。
【0049】
また、図3に示すように、表示画素BlueNについては、信号線との間に2つのTFTと1つの表示画素とが介在することになるが、表示画素BlueNについては当該表示画素BlueNを挟むようにして配置される2本の信号線の両方から階調信号を書き込んでいるため、表示画素BlueNにおける時定数を小さくして、表示画素BlueNへの所望のレベルの階調信号の書き込みが完了するまでの期間を短くすることが可能である。
【0050】
[第2の実施形態]
次に本発明の第2の実施形態について説明する。ここで、第2の実施形態において、液晶表示装置の全体構成については上述した第1の実施形態と同様であり、表示部100中の画素電極(表示画素)の接続構造、及びそれに伴う液晶表示装置の動作のみが異なる。以下の説明では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0051】
図5は、本実施形態における表示部100中の画素電極(表示画素)の接続構造を示す図である。ここで、図5においても、表示部100内の9画素の接続構造を主に示している。また、図5においては、3本の走査線を図示しており、それぞれの走査線をGateN(N=1、2、3)として示している。同様に、図5においては、3本の信号線を図示しており、それぞれの信号線をSGN(図5ではN=1、2)、SRN(図5ではN=1)として示している。なお、本実施形態においては、信号線SGNが第1の信号線として機能し、信号線SRNが第2の信号線として機能する。
【0052】
図5においても、走査線Gate1、Gate2、Gate3と、信号線SG1、SR1、SG2とは互いに交差するように配設されている。
【0053】
さらに、走査線Gate1、Gate2、Gate3と信号線SG1との各交点に対応するように、表示画素Green1、Green2、Green3が配置されている。これら表示画素Green1、Green2、Green3は、それぞれ、第1の薄膜トランジスタTFT1a、TFT1b、TFT1cを介して、各表示画素GreenNの1行上の表示画素(図5ではGreen1の1行上の表示画素については図示していない)を挟むように配設される2本の走査線のうちの下行側に存在する走査線(第2の走査線)に接続されている。さらに、表示画素Green1、Green2、Green3は、それぞれ、第1の薄膜トランジスタTFT1a、TFT1b、TFT1cを介して、信号線SG1にも接続されている。より詳しくは、表示画素Green1、Green2、Green3は、それぞれ、TFT1a、TFT1b、TFT1cのドレイン電極(或いはソース電極)に接続されている。また、TFT1a、TFT1b、TFT1cのソース電極(或いはドレイン電極)は、それぞれ、信号線SG1に接続されている。さらに、TFT1a、TFT1b、TFT1cのゲート電極は、それぞれ、走査線Gate1、Gate2、Gate3に接続されている。
【0054】
また、表示画素Green2、Green3は、第2の薄膜トランジスタTFT2a、TFT2bにも接続されている。より詳しくは、TFT2a、TFT2bのソース電極(或いはドレイン電極)は、走査線Gate2、Gate3を跨ぐように延伸されて表示画素Green2、Green3に接続されている。なお、Green1の上行にも表示画素が存在する場合にはGreen1も第2の薄膜トランジスタのソース電極に接続される。また、TFT2a、TFT2b、TFT2cのドレイン電極(或いはソース電極)は、表示画素Blue1、Blue2、Blue3に接続されている。さらに、TFT2a、TFT2b、TFT2cのゲート電極は、それぞれのTFTが接続されている表示画素BlueNを挟むように配設される2本の走査線のうちの上行側の走査線(第1の走査線)に接続されている。即ち、TFT2a、TFT2b、TFT2cのゲート電極は、それぞれ、走査線Gate1、Gate2、Gate3に接続されている。
【0055】
また、表示画素Blue1、Blue2、Blue3は、それぞれ、第3の薄膜トランジスタTFT3a、TFT3b、TFT3cにも接続されている。より詳しくは、表示画素Blue1、Blue2、Blue3は、それぞれ、TFT3a、TFT3b、TFT3cのソース電極(或いはドレイン電極)に接続されている。また、TFT3a、TFT3bのドレイン電極(或いはソース電極)は走査線Gate2、Gate3を跨ぐように延伸されて表示画素Red2、Red3に接続されている。なお、Red1の上行に表示画素が存在する場合にはRed1にも第3の薄膜トランジスタのドレイン電極が接続される。さらに、TFT3a、TFT3b、TFT3cのゲート電極は、それぞれのTFTが接続されている表示画素BlueNを挟むように配設される2本の走査線のうちの上行側の走査線(第1の走査線)に接続されている。即ち、TFT3a、TFT3b、TFT3cのゲート電極は、それぞれ、走査線Gate1、Gate2、Gate3に接続されている。
【0056】
また、表示画素Red1、Red2、Red3は、それぞれ、第4の薄膜トランジスタTFT4a、TFT4b、TFT4cにも接続されている。より詳しくは、表示画素Red1、Red2、Red3は、それぞれ、TFT4a、TFT4b、TFT4cのソース電極(或いはドレイン電極)に接続されている。また、TFT4a、TFT4b、TFT4cのドレイン電極(或いはソース電極)は信号線SR1に接続されている。さらに、TFT4a、TFT4b、TFT4cのゲート電極は、各表示画素RedNの1行上の表示画素(図5ではRed1の1行上の表示画素については図示していない)を挟むように配設される2本の走査線のうちの下行側に存在する走査線(第2の走査線)に接続されている。
【0057】
図5で示したように、本実施形態においては、平行配置された第1の走査線と第2の走査線との間に挟まれるようにして配置された表示画素BlueNが第2の画素として機能する。また、第2の画素としての表示画素BlueNとの間に第2の走査線を挟むようにして配置される表示画素GreenN、表示画素RedNがそれぞれ第1の画素、第3の画素として機能する。そして、これら表示画素GreenN、表示画素BlueN、表示画素RedNのうち、赤表示に係る表示画素RedNと緑表示に係る表示画素GreenNとがTFTを介して信号線に接続される。一方、青表示に係る表示画素BlueNについては、当該表示画素BlueNの1行下に存在する表示画素GreenN、RedNに接続される。図5のような表示画素の接続構成とすることでも、走査線の本数を増やさずに信号線の本数を1行分の表示画素数の2/3本とすることが可能である。
【0058】
次に、本実施形態に係る表示装置の動作について説明する。図6は、本実施形態における表示装置の表示動作について示すタイミングチャートである。図6においても、上から、信号線SG1の階調信号、信号線SR1の階調信号、走査線Gate1の走査信号、走査線Gate2の走査信号、走査線Gate3の走査信号、表示画素Red1の表示状態、表示画素Green1の表示状態、表示画素Blue1の表示状態、表示画素Red2の表示状態、表示画素Green2の表示状態、表示画素Blue2の表示状態、共通信号VCOMを示している。
【0059】
本実施形態においては、奇数列の信号線である信号線SGNについては、画像データを青、緑、青、緑、…の順で1/2水平期間(H)毎に信号側駆動回路200に入力する。一方、偶数列の信号線である信号線SRNについては、画像データを青、赤、青、赤、…の順で1/2水平期間(H)毎に信号側駆動回路200に入力する。また、画像データのビット値については1水平期間毎に反転させる。ここで、図6においても、画像データのビット反転を行っていない場合の階調信号に「+」の符号を付し、画像データのビット反転を行った場合の階調信号に「−」の符号を付している。なお、階調信号の極性の反転に伴って、図6に示すように、共通信号VCOMの極性も1水平期間毎に反転させる。
【0060】
以上により、図6に示すように、信号線SG1には階調信号B0−、G0−、B1+、G1+、B2−、G2−、B3+、…が供給され、信号線SR1には階調信号B0−、R0−、B1+、R1+、B2−、R2−、B3+、…が供給される。ここで、B0−、G0−、R0−は、走査線Gate1の前の行の走査線に接続される表示画素に供給すべき階調信号を示している。なお、本実施形態においてはダミーの階調信号を入力する必要はない。また、走査線Gate1が表示部100を構成する最初の(例えば一番上の)行である場合、信号線SG1には階調信号をB1+から供給すれば良く、信号線SR1には階調信号をB1+から供給すれば良い。
【0061】
以下の説明においては、走査線Gate1に接続された表示画素Green1、Blue1、Red1及び走査線Gate2に接続された表示画素Green2、Blue2、Red2の表示に関して説明する。その他の行の表示画素についても以下に説明する制御と同様の制御がなされるものである。なお、図6に示すR0、G0、B0に対応した期間についても走査線Gate1の前の行以前の表示に係るものであるため説明を省略する。
【0062】
本実施形態においては、各走査線の走査信号を2回ずつゲートオンレベルVGHとする。まず、走査線Gate1の走査信号と走査線Gate2の走査信号とをそれぞれ所定期間だけゲートオンレベルVGHとする。ここで、走査線Gate1の走査信号をゲートオンレベルVGHとする期間は、表示画素Blue1に対応した階調信号B1+の供給が開始した時点から階調信号G1+の供給が終了する直前までの期間とする。また、走査線Gate2の走査信号をゲートオンレベルVGHとする期間は、表示画素Blue1に対応した階調信号B1+の供給が開始した時点から階調信号B1+の供給が終了する直前までの期間とする。なお、走査線Gate1、Gate2の走査信号をゲートオンレベルVGHとする期間を上述した時点よりもさらに1/2水平期間だけ前の期間からとしても良い。図6ではこの期間をD_Cとして示している。
【0063】
走査線Gate1の走査信号がゲートオンレベルVGHとなることにより、TFT1a、TFT2a、TFT3a、TFT4aがそれぞれオン状態となる。また、走査線Gate2の走査信号がゲートオンレベルVGHとなることにより、TFT1b、TFT2b、TFT3b、TFT4bがそれぞれオン状態となる。これにより、信号線SG1に供給されていた階調信号B1+が表示画素Green1に書き込まれるとともに、信号線SR1に供給されていた階調信号B1+が表示画素Red1に書き込まれ、表示画素Green1、Red1において階調信号B1+に対応した表示が行われる。また、表示画素Blue1については、信号線SG1に供給されていた階調信号B1+がTFT1bを介して表示画素Green2に書き込まれるととともに、信号線SR1に供給されていた階調信号B1+がTFT4bを介して表示画素Red2に書き込まれる。ここで、TFT2a、TFT3aがオン状態となって表示画素Green2と表示画素Blue1との間、表示画素Red2と表示画素Blue1との間がそれぞれ導通状態となっている。さらに、表示画素Green2と表示画素Red2とは同じ階調信号B1+が書き込まれる。したがって、表示画素Blue1の電位も、表示画素Green2及び表示画素Red2とは同じ電位である階調信号B1+に対応した電位となる。なお、各書き込まれる階調信号は表示画素Blue1に対応した階調信号B1+であるが、実際の表示はカラーフィルタを通したものとなる。したがって、階調信号B1+が書き込まれたとしても表示画素Green1については緑色の表示がなされ、表示画素Red1については赤色の表示がなされる。また、詳細は後述するが、表示画素Green1及び表示画素Red1の表示状態は階調信号B1+の書き込み終了から1/2水平期間後に適正な状態となるため、表示上の問題も殆どない。
【0064】
ここで、走査線Gate2がゲートオンレベルVGHとなっているので、表示画素Green3と表示画素Blue2との間はTFT2bを介して導通状態となり、表示画素Red3と表示画素Blue2との間はTFT3bを介して導通状態となる。このため、表示画素Blue2の電圧レベルは、前のフレームにおいて表示画素Green3、Blue2、Red3にそれぞれ印加されていた電圧(補助容量に保持された電圧)が合成されて、各表示画素に印加されていた電圧の平均値となる。図6では、この合成電圧をoldRG3B2として示している。また、図6における他のoldで示した部分は前フレームの表示に係る部分である。
【0065】
走査線Gate1の走査信号がゲートオンレベルVGHのままで走査線Gate2の走査信号がゲートオフレベルVGLとなると、信号線SG1に供給されていた階調信号G1+がTFT1aを介して表示画素Green1に書き込まれるととともに、信号線SR1に供給されていた階調信号R1+がTFT4aを介して表示画素Red1に書き込まれる。走査線Gate1の走査信号がゲートオンレベルVGHのままでも、走査線Gate2の走査信号がゲートオフレベルVGLとなってTFT1b、TFT4bがオフ状態となるので、表示画素Blue1については表示画素Green2及び表示画素Red2と同電位、即ち階調信号B1+に対応した電位のままとなる。このような動作により、表示画素Green1における表示画素Blue1に対応した階調信号B1+の書き込み状態が解消され、表示画素Green1において適正な表示がなされる。同様に、表示画素Red1における表示画素Blue1に対応した階調信号B2+の書き込み状態が解消され、表示画素Red1において適正な表示がなされる。
【0066】
走査線Gate1の走査信号がゲートオフレベルVGLとなると、表示画素Green1、Blue1、Red1に接続されたTFTが再びオン状態となるまで、表示画素Green1、Blue1、Red1の電圧が補助容量によって保持される。
【0067】
次の水平期間において、走査線Gate2の走査信号と走査線Gate3の走査信号とをそれぞれ所定期間だけゲートオンレベルVGHとする。ここで、走査線Gate2の走査信号をゲートオンレベルVGHとする期間は、表示画素Blue2に対応した階調信号B2−の供給が開始した時点から表示画素Green2に対応した階調信号G2−及び表示画素Red2に対応した階調信号R2−の供給が終了する直前までの期間とする。また、走査線Gate3の走査信号をゲートオンレベルVGHとする期間は、表示画素Blue2に対応した階調信号B2−の供給が開始した時点から階調信号B2−の供給が終了する直前までの期間とする。
【0068】
走査線Gate2の走査信号がゲートオンレベルVGHとなることにより、上述したように、TFT1b、TFT2b、TFT3b、TFT4bがオン状態となる。また、走査線Gate3の走査信号がゲートオンレベルVGHとなることにより、TFT1c、TFT2c、TFT3c、TFT4cがオン状態となる。これにより、信号線SG1に供給されていた階調信号B2−が表示画素Green2、Green3に書き込まれ、また、信号線SR1に供給されていた階調信号B2−が表示画素Red2、Red3に書き込まれる。また、表示画素Green3と表示画素Blue2との間及び表示画素Red3と表示画素Blue2との間がそれぞれ導通状態となることにより、表示画素Blue2の電位が表示画素Green3及び表示画素Red3と同電位、即ち階調信号B2−に対応した電位となる。これにより、表示画素Green2、Blue2、Red2において表示画素Blue2に対応した階調信号B2−に対応した表示が行われる。
【0069】
走査線Gate2の走査信号がゲートオンレベルVGHのままで走査線Gate3の走査信号がゲートオフレベルVGLとなると、信号線SG1に供給されていた表示画素Green2に対応した階調信号G2−が表示画素Green2に書き込まれる。これにより、表示画素Green2における表示画素Blue2に対応した階調信号B2−の書き込み状態が解消され、表示画素Green2において適正な表示がなされる。同様に、信号線SR1に供給されていた表示画素Red2に対応した階調信号R2−が表示画素Red2に書き込まれる。これにより、表示画素Red2における表示画素Blue2に対応した階調信号B2−の書き込み状態が解消され、表示画素Red2において適正な表示がなされる。なお、表示画素Blue2については表示画素Green3、表示画素Red3と同電位、即ち階調信号B2−に対応した電位を維持する。
【0070】
走査線Gate2の走査信号がゲートオフレベルVGLとなると、表示画素Green2、Blue2、Red2の電圧は、表示画素Green2、Blue2、Red2に接続されたTFTが再びオン状態となるまで補助容量によって保持される。
【0071】
以後の水平期間についても上述と同様の制御がなされ、各表示画素において画像信号に基づいた表示すべき適正な階調表示がなされる。
【0072】
以上説明したように、本実施形態においても、赤表示に係る表示画素RedNと緑表示に係る表示画素GreenNについてはTFTを介して信号線に接続する一方で、青表示に係る表示画素BlueNについてはTFTを介して表示画素RedNと表示画素GreenNとに接続するようにしている。このような表示画素の接続構成とすることで、走査線の本数を増やさずに信号線の本数を1行分の表示画素数の2/3本とすることが可能である。
【0073】
また、本実施形態においても、図5に示すように、表示画素BlueNについては、信号線との間に2つのTFTと1つの表示画素とが介在することになるが、表示画素BlueNについては当該表示画素BlueNを挟むようにして配置される2本の信号線の両方から階調信号を書き込んでいるため、表示画素BlueNにおける時定数を小さくして、表示画素BlueNへの所望のレベルの階調信号の書き込みが完了するまでの期間を短くすることが可能である。
【0074】
さらに、第1の実施形態では、表示画素BlueNに対して、表示画素GreenNと表示画素RedNとは1水平期間だけ遅れて適正な表示となる。これに対し、第2の実施形態では、表示画素BlueNに対して、表示画素GreenNと表示画素RedNとは1/2水平期間だけ遅れて適正な表示となる。このように、第2の実施形態では、第1の実施形態に比べてより高速に適正な階調信号を表示画素に書き込んで表示を行うことが可能である。
【0075】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0076】
上述した実施形態では、表示画素に印加される電圧VLCDの極性(階調信号と共通信号の大小関係)が1水平期間毎に反転するライン反転駆動によって表示画素を駆動している。これに対し、表示データのビット値と共通信号VCOMの極性を1フレーム毎に反転させるようにすれば、表示画素をフレーム反転駆動で駆動することも可能である。
【0077】
また、図3及び図5では、走査線Gate1、Gate2と信号線SG1、SG2との交点に対応するように、表示画素Green1、Blue1、Red1をこの順に配置して、表示画素Green1はTFT1aを介して信号線SG1に接続する。表示画素Red1はTFT4aを介して信号線SR1に接続する。表示画素Blue1は、TFT2aを介して表示画素Green1に接続するとともに、TFT3aを介して表示画素Red2に接続しているが、カラーフィルタの色の順番はこの順番に限るものではない。
【0078】
ただし、表示画素BlueNは、表示画素GreenN及び表示画素RedNに比べて人間の眼に対する視感度が小さいため、表示画素GreenN及び表示画素RedNに比べて早い時期から正しい階調信号を、当該表示画素BlueNを挟むようにして配置される2本の信号線の両方から書き込んでおくことが望ましい。
【0079】
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0080】
10…携帯電話機、11…マイクロフォン、12…アンテナ、13…スピーカ、14…液晶表示装置、15…操作部、100…表示部、200…信号側駆動回路、300…走査側駆動回路、400…RGB発生回路、500…共通信号発生回路、600…タイミング制御回路、700…電源発生回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の方向に延伸配置された第1の走査線及び第2の走査線と、
前記第1の走査線及び前記第2の走査線に対して交差するように配置された第1の信号線と、
ゲート電極が前記第2の走査線に接続されるとともに、ソース電極及びドレイン電極のうちの一方が前記第1の信号線に接続された第1の薄膜トランジスタと、
前記第1の薄膜トランジスタにおける前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちの他方に接続された第1の画素と、
ゲート電極が前記第1の走査線に接続されるとともに、ソース電極及びドレイン電極のうちの一方が前記第1の画素に接続された第2の薄膜トランジスタと、
前記第2の薄膜トランジスタにおける前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちの他方に接続された第2の画素と、
ゲート電極が前記第1の走査線に接続されるとともに、ソース電極及びドレイン電極のうちの一方が前記第2の画素に接続された第3の薄膜トランジスタと、
前記第3の薄膜トランジスタにおける前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちの他方に接続された第3の画素と、
前記第1の信号線と平行するように配置された第2の信号線と、
ゲート電極が前記第2の走査線に接続されるとともに、ソース電極及びドレイン電極のうちの一方が前記第3の画素に接続され、前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちの他方が前記第2の信号線に接続された第4の薄膜トランジスタと、
を具備することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第1の画素には、前記第1の信号線に供給される階調信号が前記第1の薄膜トランジスタを介して供給され、
前記第2の画素には、前記第1の信号線に供給される階調信号が前記第1の薄膜トランジスタと、前記第1の画素と、前記第2の薄膜トランジスタとを順に介して供給されるとともに、前記第2の信号線に供給される階調信号が前記第4の薄膜トランジスタと、前記第3の画素と、前記第3の薄膜トランジスタとを順に介して供給され、
前記第3の画素には、前記第2の信号線に供給される階調信号が前記第4の薄膜トランジスタを介して供給される、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1の画素と、前記第2の画素と、前記第3の画素とは前記第1の走査線と前記第2の走査線との間に挟まれるように、前記第1の走査線と前記第2の走査線の延伸方向に沿って隣接配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2の画素に保持させる階調信号を前記第1の信号線と前記第2の信号線とにそれぞれ供給した後に、前記第1の画素に保持させる階調信号を前記第1の信号線に供給するとともに前記第3の画素に保持させる階調信号を前記第2の信号線に供給する信号側駆動回路と、
前記信号側駆動回路により前記第1の信号線に前記第2の画素に保持させる階調信号が供給されているときに、前記第2の走査線に前記第1の薄膜トランジスタと前記第4の薄膜トランジスタとをそれぞれオン状態にする走査信号を供給するとともに前記第1の走査線に前記第2の薄膜トランジスタと前記第3の薄膜トランジスタをそれぞれオン状態にする走査信号を供給し、前記信号側駆動回路により前記第1の信号線に前記第1の画素に保持させる階調信号が供給され前記第2の信号線に前記第3の画素に保持させる階調信号が供給されているときに、前記第2の走査線に前記第1の薄膜トランジスタと前記第4の薄膜トランジスタとをそれぞれオフ状態にする走査信号を供給するとともに前記第1の走査線に前記第2の薄膜トランジスタと前記第3の薄膜トランジスタとをそれぞれオン状態にする走査信号を供給する走査側駆動回路と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記信号側駆動回路は、前記第1の画素に保持させる階調信号と前記第3の画素に保持させる階調信号とを、前記第2の画素に保持させる階調信号に比べて1水平期間だけ遅らせて供給することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2の画素は、前記第1の走査線と前記第2の走査線との間に挟まれるように、前記第1の走査線と前記第2の走査線の延伸方向に沿って隣接配置され、
前記第1の画素と前記第3の画素とは、前記第2の画素との間に前記第2の走査線を挟むように前記第1の走査線と前記第2の走査線の延伸方向に沿って配置されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2の画素に保持させる階調信号を前記第1の信号線と前記第2の信号線とにそれぞれ供給した後に、前記第1の画素に保持させる階調信号を前記第1の信号線に供給するとともに前記第3の画素に保持させる階調信号を前記第2の信号線に供給する信号側駆動回路と、
前記信号側駆動回路により前記第1の信号線に前記第2の画素に保持させる階調信号が供給されているときに、前記第2の走査線に前記第1の薄膜トランジスタと前記第4の薄膜トランジスタとをそれぞれオン状態にする走査信号を供給するとともに前記第1の走査線に前記第2の薄膜トランジスタと前記第3の薄膜トランジスタをそれぞれオン状態にする走査信号を供給し、前記信号側駆動回路により前記第1の信号線に前記第1の画素に保持させる階調信号が供給され前記第2の信号線に前記第3の画素に保持させる階調信号が供給されているときに、前記第2の走査線に前記第1の薄膜トランジスタと前記第4の薄膜トランジスタとをそれぞれオフ状態にする走査信号を供給するとともに前記第1の走査線に前記第2の薄膜トランジスタと前記第3の薄膜トランジスタとをそれぞれオン状態にする走査信号を供給する走査側駆動回路と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記信号側駆動回路は、前記第1の画素に保持させる階調信号と前記第3の画素に保持させる階調信号とを、前記第2の画素に保持させる階調信号に比べて1/2水平期間だけ遅らせて供給することを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1の画素と、前記第2の画素と、前記第3の画素とは、互いに異なる色成分に対応していることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の表示装置。
【請求項10】
前記第2の画素は、青色成分に対応していることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−257647(P2011−257647A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133270(P2010−133270)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】