説明

表示装置

【課題】冷却部の安全性を確保しつつ、継続的に画像を表示する表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置1は、放熱によって冷媒を凝縮させる凝縮器33と、冷媒を蒸発させることにより吸熱する蒸発器31と、蒸発器31から発生した蒸気を吸引し蒸気が凝縮するまで圧力を高めるための圧縮器32を含むコンプレッサ式冷却機30を備え、第1の所定温度以上の場合に圧縮器32を停止させる。表示装置1は、凝縮器33の温度を監視する温度センサーと、バックライト13を備えており、凝縮器33が、第1の所定温度よりも低い第2の所定温度以上になると、バックライト13のレベルを下げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置などの表示装置が、デジタルサイネージ(画像を利用した広告媒体)などの用途で、街中に設置されている。通常、このような表示装置は、屋内だけでなく屋外にも設置され得るため、水や埃の進入を防ぐ密閉構造になっている。また、このような表示装置は、屋外での視認性を確保するため、高輝度で表示可能な構成になっている。
【0003】
表示装置が高輝度で画像を表示したり、表示装置に太陽光が照射したりすると、筺体の内部で熱が発生する。表示装置が上記のごとく密閉構造であると、筺体内部で発生した熱が、筺体の外部に放出されにくい。これにより筺体内部の温度が上がり、液晶表示装置の液晶が液体に変化して配向性が失われ、表示を行うことができなくなる場合がありうる。
【0004】
そこで、特許文献1では、コンプレッサを用いた冷却装置により液晶を冷却する構成の液晶表示装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−164884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、安全性の観点から上記コンプレッサは、周囲温度が一定値以上になると停止する構成になっている。そして、例えば夏場の暑い時期には、(1)日光による熱負荷が上がる、(2)周囲温度が上がる、(3)冷却機の凝縮温度が上がる、(4)冷媒の一部が上記になったことにより圧力が過剰に向上する、(5)高圧の安全装置により冷却機(コンプレッサ)が停止する、というサイクルが働く恐れがある。その結果、筺体内部が冷却されなくなり、液晶による画像の表示ができなくなる恐れがある。
【0007】
そこで、本発明は、冷却機の安全性を確保しつつ、継続的に画像を表示する表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明における表示装置は、放熱によって冷媒を凝縮させる凝縮器と、冷媒を蒸発させることにより吸熱する蒸発器と、蒸発器から発生した蒸気を吸引し蒸気が凝縮するまで圧力を高めるための圧縮器を含むコンプレッサ式冷却機を備え、第1の所定温度以上の場合に圧縮器を停止させる表示装置であって、更に、凝縮器の温度を監視する温度センサーと、バックライトを備えており、前記凝縮器が、第1の所定温度よりも低い第2の所定温度以上になると、バックライトのレベルを下げることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の構成とすると、冷却機の安全性を確保しつつ、表示装置が画像を継続的に表示することが可能になる。
【0010】
本発明の意義ないし効果は、以下に示す実施の一形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下説明する実施の形態は、あくまでも本発明の実施の形態の一つであって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】は、本発明の実施の一形態における表示装置の概略構造を示す斜視図である。
【図2】は、本発明の実施の一形態における表示装置の概略構造を示す断面図である。
【図3】は、本発明の実施の一形態における表示装置の概略構造を示す断面図である。
【図4】は、図2に示した冷却機の概略構造を示す図である。
【図5】は、本発明の実施の一形態における表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】は、本発明の実施の一形態における表示装置の温度制御動作の第1例を示すフローチャートである。
【図7】は、本発明の実施の一形態における表示装置の温度制御動作の第2例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明における表示装置の実施の一形態について、図面を参照して説明する。最初に、表示装置の概略構造について、図1〜図3を参照して説明する。
【0013】
<表示装置の概略構造>
図1は、本発明の実施の一形態における表示装置の概略構造を示す斜視図である。図1に示すように、表示装置1は、上部に設けられる上部筺体10と、下部に設けられる下部筺体20と、を備える。上部筺体10には、上部筺体10の内部で表示される画像を視認可能にする窓部11が設けられている。窓部11は、ガラス等の可視光に対して透明な材料から成る。
【0014】
図2は、本発明の実施の一形態における表示装置の概略構造を示す断面図であり、図1のA−A断面を示すものである。図1のA−A断面は、画像の表示面(図1の紙面と平行な面)に対して略垂直な断面である。
【0015】
図2に示すように、上部筺体10の内部には、画像を表示する液晶パネル12と、液晶パネル12に対して光を照射するバックライト13と、上部筺体10内の空気を循環させるファン14U,14Dと、上部筺体10内の温度を検知する温度センサー15RU,15RD(詳細は図3参照)と、上部筺体10内を冷却する蒸発器31と、が配置される。
【0016】
また、図2に示すように、下部筺体20の内部には、冷媒を圧縮する圧縮器32と、圧縮器32が圧縮した冷媒を放熱により凝縮する凝縮器33と、凝縮器33が凝縮した冷媒を膨張させる膨張弁34と、を備える。上述の蒸発器31は、膨張弁34が膨張させた冷媒を蒸発させることで吸熱する。また、圧縮器32は、蒸発器31が蒸発させた冷媒を圧縮する。蒸発器31、圧縮器32、凝縮器33及び膨張弁34は、冷却機30に含まれる。なお、冷却機30の構成及び動作の詳細については、後述する。
【0017】
液晶パネル12は、バックライト13が照射する光を、液晶の配向を制御することで選択的に透過させることで、画像を表示する。液晶パネル12が表示する画像は、上部筺体10の外部から、窓部11を通じて視認される。なお、バックライト13は、蛍光管のような線光源を備えるものであっても構わないし、発光ダイオードのような点光源を備えるものであっても構わない。また、バックライト13は、光源から出射された光を拡散することで面状の光を液晶パネル12に照射する拡散板や、光源から出射された光を反射する反射板等を備えても構わない。
【0018】
ファン14Dは、上部筺体10の下部に配置され、蒸発器31が冷却した上部筺体10の下方の空気を、液晶パネル12の表面に拡散させる。また、ファン14Uは、上部筺体10の上部に配置され、上部筺体10の上方の空気を、蒸発器31に送り込む。ファン14D,14Uにより上部筺体10内の空気を循環させることで、液晶パネル12を効果的に冷却し、画像の正常な表示を可能にする。なお、ファン14D,14Uを配置する数や場所は、この例に限られるものではなく、他の配置態様であっても構わない。また、以下では説明の簡略化のため、ファン14D,14Uをまとめて、送風部14と表現する。
【0019】
図3は、本発明の実施の一形態における表示装置の概略構造を示す断面図であり、図1のB−B断面を示すものである。図1のB−B断面は、画像の表示面(図1の紙面と平行な面)に対して略平行な断面である。
【0020】
図3に示すように、上部筺体10の内部であり、窓部11と液晶パネル12(図2参照)との間に、4つの温度センサー15RU,15RD,15LU,15LDが配置される。例えば、温度センサー15RU,15RD,15LU,15LDは、サーミスタなどの温度を検知可能な素子からなる。
【0021】
温度センサー15RUは、窓部11及び液晶パネル12(図2参照)の鉛直上側(以下、上側とする。下側も同様に表現する。)、かつ、上部筺体10の内部から窓部11を見たときの水平方向の右側(以下、右側とする。左側も同様に表現する。)に、配置される。温度センサー15RDは、窓部11及び液晶パネル12の下側かつ右側に配置される。温度センサー15LUは、窓部11及び液晶パネル12の上側かつ左側に配置される。温度センサー15LDは、窓部11及び液晶パネル12の下側かつ左側に配置される。なお、温度センサー15RU,15RD,15LU,15LDを配置する数や場所は、この例に限られるものではなく、他の配置態様であっても構わない。また、以下では説明の簡略化のため、温度センサー15RU,15RD,15LU,15LDをまとめて、筺体内温度センサー15と表現する。
【0022】
<冷却機の概略構造>
次に、図2に示した冷却機30の概略構造について、図4を参照して説明する。図4は、図2に示した冷却機の概略構造を示す図である。
【0023】
図4に示すように、また図2を参照して説明したように、冷却機30は、蒸発器31、圧縮器32、凝縮器33及び膨張弁34を備える。冷却機30は、一連の冷却動作(冷却サイクル)において、冷媒の出入りがないものである。
【0024】
圧縮器32は、蒸発器31が蒸発させた冷媒を圧縮することで、高温高圧の状態にする。凝縮器33は、圧縮部32が圧縮した冷媒を熱交換(放熱)により凝縮する。なお、凝縮器33における熱交換を促進するためのファンを設けても構わない。
【0025】
膨張弁34は、凝縮器33が凝縮した冷媒を膨張させ、冷媒を低温低圧にする。そして、蒸発器31は、膨張弁34が膨張させた冷媒を、熱交換(吸熱)により蒸発させる。なお、蒸発器31における熱交換を促進するためのファンを設けても構わない。
【0026】
冷却機30は、以上のように冷媒を順次状態変化させるとともに熱交換することで、上部筺体10内の冷却を行う。
【0027】
また、蒸発器31の入口には、蒸発器31の温度を検知する蒸発器温度センサー311Tと、蒸発器31の圧力を検知する蒸発器圧力センサー311Pと、がそれぞれ設けられる。一方、凝縮器33の出口には、凝縮器33の温度を検知する凝縮器温度センサー331Tと、凝縮器33の圧力を検知する凝縮器圧力センサー331Pと、がそれぞれ設けられる。
【0028】
蒸発器温度センサー311Tや凝縮器温度センサー331Tは、例えばサーミスタなどの温度を検知可能な素子を備える。蒸発器温度センサー311Tは、蒸発器31に流入する冷媒の温度(膨張弁34による膨張後かつ蒸発器31による蒸発前の冷媒の温度)を外部から間接的に検知する。凝縮器温度センサー331Tは、凝縮器33から流出する冷媒の温度(凝縮器33による凝縮後かつ膨張弁34による膨張前の冷媒の温度)を外部から間接的に検知する。したがって、蒸発器温度センサー311T及び凝縮器温度センサー331Tは、冷媒の温度を検知していると解釈することも可能である。また、蒸発器圧力センサー311Pや凝縮器圧力センサー331Pは、例えばひずみゲージなどの圧力(冷媒の圧力によるダイヤフラム等の変形)を検知可能な素子を備える。
【0029】
冷却機30から冷媒の出入りがないと(閉じた系であると)、圧力及び温度は1対1の対応関係(一方が決まれば他方が決まる関係)を有する。そのため、蒸発器温度センサー311Tが検知する温度を参照することで、冷媒の圧力を把握可能であり、蒸発器圧力センサー311Pが検知する圧力を参照することで、冷媒の温度を把握可能である。同様に、凝縮器温度センサー331Tが検知する温度を参照することで、冷媒の圧力を把握可能であり、凝縮器圧力センサー331Pが検知する圧力を参照することで、冷媒の温度を把握可能である。
【0030】
<温度制御動作>
また、本発明の実施の一形態における表示装置の温度制御動作について、図5〜図7を参照して説明する。図5は、本発明の実施の一形態における表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【0031】
図5に示すように、表示装置1は、上述の冷却機30、液晶パネル12、バックライト13及び送風部14の動作を制御する制御部16を備える。また、制御部16は、筺体内温度センサー15、蒸発器温度センサー311T及び凝縮器温度センサー331Tのそれぞれの検知結果を取得する。図5に示す制御部16は、主として表示装置1(特に、液晶パネル12やバックライト13が配置される上部筺体10内)の温度の制御を行う(詳細は後述)。
【0032】
冷却機30は、蒸発器圧力センサー311Pが検知する圧力が閾値圧力Pe1以下になると、停止する。例えば、閾値圧力Pe1は、冷却機30の安全性が保証される下限圧力(具体的に例えば、蒸発器の温度−18℃に対応する圧力)であっても構わない。また、冷却機30は、凝縮器圧力センサー331Pが検知する圧力が閾値圧力Pc1以上になると、停止する。例えば、閾値圧力Pc1は、冷却機30の安全性が保証される上限圧力(例えば、後述の閾値温度Tc1に対応する圧力以上。具体的な値の例は後述。)であっても構わない。
【0033】
なお、冷却機30が、蒸発器圧力センサー311Pが検知する圧力が閾値圧力Pe2以上になるときに、停止しても構わない。例えば、閾値圧力Pe2は、冷却機30が冷却能力を発揮可能な上限圧力(例えば、後述の閾値温度Te2に対応する圧力以上)であっても構わない。また、冷却機30が、凝縮器圧力センサー331Pが検知する圧力が閾値圧力Pc2以下になるときに、停止しても構わない。例えば、閾値圧力Pc2は、冷却機30が冷却能力を発揮可能な下限圧力であっても構わない。
【0034】
また、上記の圧力に応じた停止制御を、制御部16が行っても構わない。この場合、制御部16は、蒸発器温度センサー311T及び凝縮器温度センサー331Tの検知結果だけでなく、蒸発器圧力センサー311P及び凝縮器圧力センサー331Pの検知結果をも参照する。このように構成すると、制御部16は、後述する温度に応じた制御と、上記の圧力に応じた制御とを一元的に行う。
【0035】
[第1例]
図6は、本発明の実施の一形態における表示装置の温度制御動作の第1例を示すフローチャートである。なお、図6に示す温度制御動作は、表示装置1の動作中に、制御部16によって反復的に行われ得るものである。
【0036】
図6に示すように、制御部16は、温度制御動作を開始すると、最初に筺体内温度センサー15の検知結果を参照することで、上部筺体10内の温度を確認する(STEP1)。例えば、制御部16は、筺体内温度センサー15を成す4つの温度センサー15RU,15RD,15LU,15LDのそれぞれの検知結果を、参照する。
【0037】
制御部16は、確認した上部筺体10内の温度が、閾値温度Th以上か否かを確認する(STEP2)。例えば、制御部16は、筺体内温度センサー15を成す4つの温度センサ15RU,15RD,15LU,15LDの少なくとも一つが検知した温度が、閾値温度Th以上か否かを確認する。例えば、閾値温度Thは、液晶パネル12の正常な表示が保証される上限温度である。具体的に例えば、閾値温度Thは43℃である。
【0038】
制御部16は、上部筺体10内の温度が閾値温度Thよりも小さいことを確認すると(STEP2、NO)、冷却機30の駆動を停止(または、駆動停止状態を継続)して(STEP3)、温度制御動作を終了する。このとき、制御部16は、冷却機30に連動して送風部14の駆動を停止(または、駆動停止状態を継続)しても構わない。
【0039】
一方、制御部16は、上部筺体10内の温度が閾値温度Th以上であることを確認すると(STEP2、YES)、冷却機30を駆動(または、駆動状態を継続)する(STEP4)。このとき、制御部16は、冷却機30に連動して送風部14を駆動(または、駆動状態を継続)しても構わない。そして、制御部16は、凝縮器温度センサー331Tの検知結果を参照することで、凝縮器33の温度を確認する(STEP5)。
【0040】
制御部16は、確認した凝縮器33の温度が、閾値温度Tc2以上か否かを確認する(STEP6)。例えば、閾値温度Tc2は、対応する圧力が冷却機30(特に、凝縮器33)の安全性が十分に保証される範囲内であるが、当該範囲の上限圧力に対応する上限温度(例えば、後述の閾値温度Tc1)に近い温度である。換言すると、閾値温度Tc2は、凝縮器33の温度がそれ以上であるときに、表示装置1の動作をそのまま継続すると、凝縮器33の温度が当該上限温度以上になることが予期される温度である。
【0041】
制御部16は、凝縮器33の温度が閾値温度Tc2よりも小さいことを確認すると(STEP6、NO)、温度制御動作を終了する。一方、制御部16は、凝縮器33の温度が閾値温度Tc2以上であることを確認すると(STEP6、YES)、バックライト13のレベル制御を行う(または、レベル制御を継続する)(STEP7)。バックライト13のレベル制御とは、バックライト13の出力(照射する光量)の制御であり、バックライト13に供給する電力の制御とも解釈され得る。
【0042】
具体的に例えば、制御部16は、凝縮器33の温度が55℃以上であることを確認すると、バックライト13のレベル(最大時を100%とする。以下同じ。)が65%程度になるように調整する。さらに、制御部16は、凝縮器33の温度が58℃以上であることを確認すると、バックライト13のレベルが25%程度になるように調整する。なお、バックライト13のレベルが上記値よりも小さく設定されている場合、制御部16が、バックライト13のレベルを上記値に近づけなくても構わない。即ち、上記値を上限値としても構わない。
【0043】
上記の具体値は一例に過ぎず、制御部16は、バックライト13が照射する光量を調整する際に、どのような値を採用しても構わない。ただし、制御部16は、凝縮器33の温度が大きくなるほど、バックライト13のレベルが小さくなるように調整する。なお、凝縮器33の温度と、制御部16が調整するバックライト13のレベルと、の関係は線形であっても非線形であっても構わない。
【0044】
さらに、制御部16は、確認した凝縮器33の温度が、上記の閾値温度Tc2よりも大きい閾値温度Tc1以上か否かを確認する(STEP8)。例えば、閾値温度Tc1は、冷却機30(特に、凝縮器33)の安全性が十分に保証される範囲の上限圧力に対応する上限温度である。具体的に例えば、閾値温度Tc1は60℃である。なお、本例の場合、冷却機30が停止する閾値圧力Pc1に対応する凝縮器33の温度が、65℃であっても構わない。
【0045】
制御部16は、凝縮器33の温度が閾値温度Tc1よりも小さいことを確認すると(STEP8、NO)、温度制御動作を終了する。一方、制御部16は、凝縮器33の温度が閾値温度Tc1以上であることを確認すると(STEP8、YES)、冷却機30を停止させて(STEP9)、温度制御動作を終了する。このとき、制御部16は、冷却機30の停止に併せて、液晶パネル12やバックライト13などをも停止させても構わない。
【0046】
以上のように構成すると、冷却機の安全性を確保しつつ、表示装置1が画像を継続的に表示することが可能になる。
【0047】
[第2例]
図7は、本発明の実施の一形態における表示装置の温度制御動作の第2例を示すフローチャートである。なお、第1例と同様に図7に示す温度制御動作も、表示装置1の動作中に、制御部16によって反復的に行われ得るものである。また、以下の第2例の温度制御動作の説明において、第1例と同様の動作については、詳細な説明を省略する。
【0048】
図7に示すように、制御部16は、温度制御動作を開始すると、最初に上部筺体10内の温度を確認する(STEP11)。また、制御部16は、確認した上部筺体10内の温度が、閾値温度Th以上か否かを確認する(STEP12)。制御部16は、上部筺体10内の温度が閾値温度Thよりも小さいことを確認すると(STEP12、NO)、冷却機30の駆動を停止し(STEP13)、温度制御動作を終了する。一方、制御部16は、上部筺体10内の温度が閾値温度Th以上であることを確認すると(STEP12、YES)、冷却機30を駆動する(STEP14)。なお、これらのSTEP11〜14は、第1例のSTEP1〜STEP4と同様である。
【0049】
冷却機30が駆動すると、制御部16は、冷却機30が継続して10分以上駆動しているか否かを確認する(STEP15)。制御部16は、冷却機30が継続して閾値時間t以上駆動していないことを確認すると(STEP15、NO)、温度制御動作を終了する。例えば、閾値時間tは、冷却機30が駆動を開始してから、蒸発器31内の温度が十分に低下するまでに要する時間である。具体的に例えば、閾値時間tは10分である。
【0050】
一方、制御部16は、冷却機30が継続して閾値時間t以上駆動していることを確認すると(STEP15、YES)、蒸発器温度センサー311Tの検知結果を参照することで、蒸発器31の温度を確認する(STEP16)。
【0051】
制御部16は、確認した蒸発器31の温度が、閾値温度Te1以上か否かを確認する(STEP17)。例えば、閾値温度Te1は、冷却機30が十分な冷却能力を発揮可能な範囲内であるが、当該範囲の上限温度に近い温度である。換言すると、閾値温度Te1は、蒸発器31の温度がそれ以上であるときに、表示装置1の動作をそのまま継続すると、蒸発器31の温度が当該上限温度以上になることが予期される温度である。
【0052】
制御部16は、蒸発器31の温度が閾値温度Te1よりも小さいことを確認すると(STEP17、NO)、温度制御動作を終了する。一方、制御部16は、蒸発器31の温度が閾値温度Te1以上であることを確認すると(STEP17、YES)、バックライト13のレベル制御を行い(または、レベル制御を継続し)(STEP18)、温度制御動作を終了する。バックライト13のレベル制御自体は、第1例のSTEP7で述べたものと同様である。ただし、バックライト13のレベル制御の内容が、第1例と第2例とで異なる。
【0053】
具体的に例えば、制御部16は、蒸発器31の温度が12℃以上であることを確認すると、バックライト13のレベルが65%程度になるように調整する。さらに、制御部16は、蒸発器31の温度が15℃以上であることを確認すると、バックライト13のレベルが25%程度になるように調整する。なお、バックライト13のレベルが上記値よりも小さく設定されている場合、制御部16が、バックライト13のレベルを上記値に近づけなくても構わない。即ち、上記値を上限値としても構わない。
【0054】
上記の具体値は一例に過ぎず、制御部16は、バックライト13のレベルを調整する際に、どのような値を採用しても構わない。ただし、制御部16は、蒸発器31の温度が大きくなるほど、バックライト13のレベルが小さくなるように調整する。なお、蒸発器31の温度と、制御部16が調整するバックライト13のレベルと、の関係は線形であっても非線形であっても構わない。
【0055】
以上のように構成すると、冷却機30の冷却能力を確保して、表示装置1が画像を継続的に表示することが可能になる。
【0056】
なお、第1例のSTEP8及びSTEP9に相当する動作を、第2例のSTEP18の後に行っても構わない。第1例のSTEP8に相当する動作として、制御部16は、蒸発器31の温度が、上述の閾値温度Te1よりも大きい閾値温度Te2以上か否かを確認する動作を行う。例えば、閾値温度Te2は、冷却機30が十分な冷却能力を発揮可能な範囲の上限温度である。この動作において、制御部16は、蒸発器31の温度が閾値温度Te2よりも小さいことを確認すると、温度制御動作を終了する。一方、制御部16は、蒸発器31の温度が閾値温度Te2以上であることを確認すると、第1例のSTEP9に相当する動作を行い、温度制御動作を終了する。第1例のSTEP9に相当する動作は、第1例のSTEP9と同様の動作である。
【0057】
<変形例>
制御部16は、温度制御動作の第1例及び第2例を、同時に実行することが可能である。この場合、バックライト13のレベル制御(図6のSTEP7、図7のSTEP18)で異なる光量が設定されれば、制御部16は、より小さい光量を選択しても構わない。
【0058】
図6及び図7の温度制御動作において、制御部16が、冷却機30の駆動及び停止が頻繁に行われることを抑制する制御を行っても構わない。例えば、図6のSTEP2及び図7のSTEP12において、冷却機30の駆動時の(冷却機30の駆動を停止するための)閾値温度Thが、冷却機30の駆動停止時の(冷却機30を駆動するための)閾値温度Thよりも十分に大きくなる(例えば、駆動時38℃、停止時43℃)ように設定しても構わない。また例えば、制御部16が、冷却機30を駆動させた後、所定の時間(例えば、10分)を経過しないと、冷却機30を停止させないように制御しても構わないし、その逆の制御(冷却機30の停止後、所定時間経過前には駆動しない)を行っても構わない。
【0059】
以上、本発明における実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実行することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、表示装置に利用可能である。特に、屋内のみならず屋外にも設置可能な表示装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 表示装置
10 上部筺体
11 窓部
12 液晶パネル
13 バックライト
14 送風部
15 筺体内温度センサー
16 制御部
20 下部筺体
30 冷却機
31 蒸発器
311T 蒸発器温度センサー
311P 蒸発器圧力センサー
32 圧縮器
33 凝縮器
331T 凝縮器温度センサー
331P 凝縮器圧力センサー
34 膨張弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放熱によって冷媒を凝縮させる凝縮器と、冷媒を蒸発させることにより吸熱する蒸発器と、蒸発器から発生した蒸気を吸引し蒸気が凝縮するまで圧力を高めるための圧縮器を含むコンプレッサ式冷却機を備え、第1の所定温度以上の場合に圧縮器を停止させる表示装置であって、更に、
凝縮器の温度を監視する温度センサーと、
バックライトを備えており、
前記凝縮器が、第1の所定温度よりも低い第2の所定温度以上になると、バックライトのレベルを下げることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−118128(P2012−118128A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265502(P2010−265502)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】