説明

表示装置

【課題】台間スペースを含む遊技機の周囲における情報の表示状態の向上を実現する。
【解決手段】パチンコ台10の台間スペースには台間装置30及び計数装置20が設置されている。この台間装置30は、縦長な矩形の表示画面32を備え、表示画面32の高さh1の値が幅w1の値よりも大きい。この表示画面32に、計数装置20での計数値に応じた数の持玉が玉箱に収納されている状態等の遊技に関連する情報が視認可能に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に対応して設置され、遊技機での遊技に関連する情報を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機に対応して設置され、遊技機での遊技に関連する情報を表示する表示装置が知られている。遊技に関連する情報としては、例えば、遊技機の状態を示す情報、遊技者による遊技の結果を示す情報、遊技機の特徴を示す情報等がある。
【0003】
一般に、遊技場において、遊技機は、1つの遊技島に複数並べて設置され、こうして設置された遊技機と遊技機の間のスペース(以下、「台間スペース」という)には玉貸機構やカード挿入機構を備えた台間装置が設けられている。近年、上述した表示装置として、こうした台間装置の表面に、玉貸機構やカード挿入機構の部位を避けて取り付けられるものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3032427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した台間スペースに用いられる従来の表示装置の構成では、遊技者による玉貸機構やカード挿入機構の使用の妨げとなることを防止する必要があるため、表示装置の占有領域や表示面積は限られたものとならざるを得ず、この結果、遊技者又は遊技場にとって、表示装置での表示状態(例えば、視認性や情報量等)に不十分さを感じさせてしまうという課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記の構成によって生じる課題を解決し、台間スペースを含む遊技機の周囲における情報の表示態様の向上を実現することを目的として、以下の構成を採った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の表示装置は、
遊技機と遊技機の間の台間スペースに設置され、遊技機での遊技に関連する情報を表示する表示装置であって、
前記情報が視認可能に表示される表示画面を前面に備え、
前記表示装置が設置された状態において、前記表示画面の高さが前記表示画面の幅よりも大きいことを要旨とする。
【0008】
台間スペースとは、遊技島に複数並べて設置された遊技機と遊技機の間のスペースを意味する。台間スペースに表示装置を設置する形態としては、表示装置のみを設置する形態のほか、遊技媒体貸与装置等の他の装置と並べて設置する併設形態を考えることができる。こうした併設形態にて表示装置が各遊技機に対応して設置される場合において、表示装置は、遊技機、他の装置、表示装置という順に並べられてもよいし、遊技機、表示装置、他の装置という順に並べられてもよい。
【0009】
遊技媒体は、パチンコ玉のほか、メダル等でもよい。遊技機としては、パチンコ台、スロットマシン、カジノ用マシン、アーケード用あるいは家庭用の各種のゲーム装置などとすることができる。
【0010】
本発明の表示装置によれば、高さが幅よりも大きい所謂縦長の表示画面を用いて、遊技機での遊技に関連する情報が表示される。従って、台間スペースを含む遊技機の周囲における情報の表示態様の向上を実現することができる。
【0011】
こうした台間スペースを含む遊技機の周囲における情報の表示態様を更に向上させるためには、表示画面の高さを表示画面の幅の2倍以上とすることも望ましく、この他、表示装置の前面における表示画面の総面積を0.02平方メートル以上とすることも望ましく、また、表示装置の前面に占める表示画面の総面積の割合を20パーセント以上とすることも望ましい。
【0012】
表示装置が設置された状態において、遊技機の前面と表示画面のなす角度を鈍角とすることも、遊技者の視認性をより高めることができる点で好適である。
【0013】
また、表示画面の向く方向を切り換える方向切換機構を備える構成とすれば、用途に応じて表示画面の向きを変えることが可能となり、表示装置の取り扱いに関する利便性を高めることができる。
【0014】
表示装置が、遊技機から払い出された遊技媒体を計数する計数装置に接続され、計数装置による計数の結果を表示画面に表示する計数結果表示手段を備えることも、計数結果の変化を確認し易くなる点で望ましい。更に、この計数結果表示手段を、計数装置による計数の結果として、遊技媒体が箱の中に収納された状態を表す形状を表示画面に表示する手段とすれば、計数結果の確認のし易さをより一層高めることができる。
【0015】
表示装置が、遊技機での遊技に関連する情報を画像として送信するコンピュータに接続され、このコンピュータから送信された画像を受信して表示画面に表示する画像表示手段を備えることも、画像による演出効果を高めることができる点で好適である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の表示装置によれば、高さが幅よりも大きい所謂縦長の表示画面を用いて、遊技機での遊技に関連する情報が表示される。従って、台間スペースを含む遊技機の周囲における情報の表示態様の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】パチンコ台10の台間スペースに、第1実施例の台間装置30及び計数装置20が設置された状態を斜視した様子を示す説明図である。
【図2】台間装置30の正面図である。
【図3】台間装置30の側面図と上面図である。
【図4】図1に示す台間装置30、計数装置20及びパチンコ台10の設置状態を、上方から見たときの様子を示す説明図である。
【図5】台間装置30の制御に関わる構成を示すブロック図である。
【図6】持玉が玉箱に収納されている状態を表示画面32に表示した第1例を示す説明図である。
【図7】持玉が玉箱に収納されている状態を表示画面32に表示した第2例を示す説明図である。
【図8】第2実施例の呼び台間装置130を示す説明図である。
【図9】表示画面132の方向を切り換える動作を、台間装置130、計数装置20及びパチンコ台10の上方から見たときの様子を示す説明図である。
【図10】図1に対して第3実施例の台上装置230を設置したときの様子を示す説明図である。
【図11】図10に示す矢印方向から見たときの台上装置230の側面を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以上説明した本発明の構成及び作用を一層明らかにするために、以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。図1は、パチンコ台10の台間スペースに第1実施例の台間装置30及び計数装置20が設置された状態を斜視した様子を示す説明図である。第1実施例では、台間装置30が特許請求の範囲に記載された表示装置に相当する。
【0019】
計数装置20及び台間装置30の高さは、パチンコ台10の高さと略同一とされている。これにより、島に設置した状態では、それぞれの上面がほぼ凹凸が生じることなく、同一平面上に配置される。
【0020】
パチンコ台10の中央には遊技盤12が設けられている。遊技者はこの遊技盤12に遊技媒体としての玉を発射することによって遊技を行う。玉を発射するためには、遊技盤12の下部から手前側(遊技者側)に突出した状態で設けられた上皿14に玉が投入されている状態で、右斜め下側に設けられた発射ハンドル16を時計回りに回転させる。すると、発射ハンドル16の回転角度に応じた強さで、自動的に遊技盤12に向けて玉が発射されていく。また、遊技盤12上の入賞口への玉の進入に伴って、パチンコ台10裏面の払出ユニットから払出玉が上皿14に払い出される。上皿14のストッパが解除されると、上皿14に貯溜されていた玉は、上皿14の底部から計数装置20の皿部22に落下した後、玉通路部24を通って計数装置20内部の計数部に導かれ、計数部において持玉としての計数がなされる。
【0021】
図1に示すように、計数装置20はパチンコ台10と台間装置30の間に設置されている。なお、第1実施例では、計数装置20を各パチンコ台に対応して設置し、1台のパチンコ台10に対して1台の計数装置20を接続する構成を採用しているが、こうした構成に替えて、複数のパチンコ台10に対して1台の計数装置20を接続する構成を採用することも可能である。
【0022】
第1実施例の計数装置20は、計数機能に加え、玉貸及び会員管理(会員ごとの持玉、貯玉の管理を含む)の機能を備えている。計数装置20の前面には、玉貸しに用いるプリペイドカードや会員カードなどの各種カード類を挿入可能なカード挿入口(図示せず)が設けられている。遊技者がこれらのカードをカード挿入口に挿入すると、計数装置20は、カードに記録されたデータを読み取り、貸玉や会員認証等の各種の処理を実行する。
【0023】
計数装置20の前面には、遊技者が操作可能な種々の操作ボタン(図示せず)が設けられている。操作ボタンは、貸玉の払出や、投入したカードの返却、更には、遊技の終了に伴う持玉の精算など、玉貸機能や会員管理機能に関する基本的な動作に応じて設けられている。遊技者は、所定の操作ボタンを操作することによって、計数装置20に対して各種の動作を指示することが可能である。例えば、貸玉の払出に関する操作ボタンが操作されると、計数装置20は、図示しないノズルを介してパチンコ台10の上皿14に玉を供給する。
【0024】
計数装置20で計数された持玉の玉数は、電子的なデータ(以下、「持玉数データ」と呼ぶ)として記憶される。この後、遊技者の操作ボタンの操作により、持玉数データに基づく玉の供給が指示されると、計数装置20は、指示に応じた数の玉を、図示しないノズルを介して上皿14に供給する。
【0025】
次に、台間装置30について説明する。図2は台間装置30の正面図である。この図2に示す正面図において表わされる面が、特許請求の範囲に記載された「前面」に相当する。図3(A)は図2に示す台間装置30を矢印A方向から見たときの左側面を示し、図3(B)は図2に示す台間装置30を矢印B方向から見たときの右側面を示している。図3(C)は、図2に示す台間装置30を矢印C方向から見たときの上面を示している。
【0026】
図示するように、台間装置30は縦長な矩形の表示画面32を備える。この表示画面32に、遊技機での遊技に関連する情報が視認可能に表示される。図2に示すように、表示画面32の画面アスペクト比は、幅と高さの比が1:4.5という値であり、台間装置30が設置された状態において、表示画面32の高さh1の値は表示画面32の幅w1の値の4.5倍となっている。なお、台間スペースにおける情報の表示態様の向上を実現するためには、高さh1の値が幅w1の値よりも大きいことが好ましく、高さh1の値が幅w1の値の2倍以上であることがより好ましい。
【0027】
台間装置30では、その前面における表示画面32の総面積が約0.07平方メートルとされている。なお、台間スペースにおける情報の表示態様の向上を実現するためには、前面における表示画面32の総面積が約0.02平方メートル以上であることが好ましい。
【0028】
台間装置30では、その前面に占める表示画面32の総面積の割合が約66パーセントとされている。なお、台間スペースにおける情報の表示態様の向上を実現するためには、前面に占める表示画面32の総面積の割合が20パーセント以上であることが好ましい。
【0029】
図1及び図3(C)に示すように、台間装置30がパチンコ台10及び計数装置20と共に設置された状態において、台間装置30の表示画面32は、台間装置30に対応するパチンコ台10に向かって左側ほど、パチンコ台10の前面や計数装置20の前面に沿って水平方向に延びた水平ラインXLよりも、椅子50が設置された通路TR方向に突出しており、水平ラインXLと鋭角DAをなして、台間装置30に対応するパチンコ台10の位置する側に向けられている。これにより、パチンコ台10の前面と表示画面32のなす角度SAは鈍角とされている。
【0030】
図3(C)に示すように、台間装置30の左側面34は、上面からみて円弧形状で形成されており、台間装置30の右側面38と背面36を接続する接続面37も、上面からみて円弧形状で形成されている。これらは、第1実施例においては任意の構成であるが、後述する第2実施例においては必須の構成となる。
【0031】
図4は、図1に示す台間装置30、計数装置20及びパチンコ台10の設置状態を、上方から見たときの様子を示す説明図である。図示するように、台間装置30の表示画面32は、台間装置30に対応するパチンコ台10を遊技する遊技者が座る椅子50方向に向いている。従って、遊技中にパチンコ台10の遊技盤12を見ている遊技者は、台間装置30に表示されている情報を見る際に、首を大きく横にすることなく、視線を、鋭角である角度HAだけ左側にずらせばよい。このように、台間装置30の表示画面32は、遊技者が遊技をしながら見やすい角度に配置されている。
【0032】
次に、台間装置30で実現する主要な機能について説明する。図5は、台間装置30の制御に関わる構成を示すブロック図である。図示するように、台間装置30は、外部機器と内部に収容されている複数の機能部との間で情報の授受を行う。台間装置30には、表示器310と、表示制御基板300と、電源基板320が収容されている。また、台間装置30の筺体には、計数装置20との接続用のコネクタJ1、呼出ランプとの接続用のコネクタJ3、電源コネクタJ4、サーバやコンピュータとのネットワーク接続用の通信コネクタJ2が設けられている。台間装置30には、各種コネクタを介して外部から電源や情報が入力され、内部配線を介して各基板300,320や表示器310に入力される。
【0033】
表示制御基板300には、制御部301と記憶部302が設けられている。制御部301は、図示していないCPU、VDP、ROM、RAM、フラッシュメモリ等の表示制御のための演算処理に必要な各部を備えている。制御部301は、台間装置30の基本的な動作を制御する。記憶部302は、ROMやRAM、フラッシュメモリ等の記憶手段で構成されている。制御部301は、記憶部302にデータを記憶させることができ、記憶部302に記憶されているデータを読み出すことができる。
【0034】
表示器310としては、液晶表示器等を用いている。表示器310の表示面は台間装置30の表示画面32として配置されている。また、第1実施例の台間装置30は表示画面32の回転機能を備えている。即ち、制御部301ROMにはグラフィックドライバが予め格納されており、このグラフィックドライバのリフレッシュレートのパラメータを変更することにより、表示器310に表示させる情報を縦長又は横長のいずれかの設定に切り換えることができる。第1実施例の台間装置30ではデフォルトでは縦長に設定されている。
【0035】
電源基板320は、電源コネクタJ4を介して外部から供給された電源を、台間装置30の内部で用いるレベルの電源に変換する。変換された電源は、内部配線を介して表示制御基板300や表示器310等に供給される。
【0036】
制御部301は、コネクタJ1を介して、計数装置20から持玉の計数情報を取得する。計数情報は、例えば、パルス信号等で計数装置20から出力される。制御部301は、取得した計数情報を表示器310に表示する。この場合に表示されるデータとしては、例えば、持玉数の数値データ、持玉数を量的に表すデータ(例えば、図6、図7に示すような、持玉数に応じて持玉が玉箱に収納されている状態を表すデータ)、持玉数に応じた演出表示用データ、計数装置20に対応するパチンコ台10における本日の持玉の推移を表すデータ等を考えることができる。
【0037】
制御部301は、通信コネクタJ2を介して、サーバやコンピュータから、種々の情報(例えば、パチンコ台の機種コンテンツ、パチンコ台の大当たりやスタート回数等の実績データ、スランプグラフ、遊技店からのメッセージ)を受信して、表示器310に表示させることができる。制御部301は、コンピュータ(サーバを含む)から受信した情報を、必要に応じて記憶部302に記憶させる。
【0038】
制御部301は、コネクタJ3を介して、パチンコ台10の上部幕板等に設置されている呼出ランプと通信を行う。呼出ランプと通信を行うことによって、台間装置30と呼出ランプで連動する演出表示等を行うことができる。また、呼出ランプの呼出ボタンが操作されたら、台間装置30の表示器310に「店員さん、お願いします」等のメッセージを表示してもよい。また、このように接続すると、呼出ランプが、台間装置30を介して、外部機器と通信することができるので、外部機器から台間装置30へのコマンドの送信により、呼出ランプに表示するための情報を更新することができる。
【0039】
制御部301は、持玉数のデータや演出表示データを作成するにあたり、必要な場合には、記憶部302に記憶されている素材やプロセス等を読み出して用いる。例えば、計数情報としての持玉数が、玉箱一箱に収容可能な最大玉数にほぼ等しい場合には、図6に示すように、玉箱一箱一杯に玉を収容した状態の画像データを記憶部302から読み出して表示器310に表示する。この後、計数情報としての持玉数が、玉箱一箱に収容可能な最大玉数の4分の3に減少した場合には、玉箱一箱の4分の3に相当する玉を収容した状態の画像データを記憶部302から読み出して表示器310の表示を更新する。こうした更新のタイミングは、例えば、持玉数が1個変化する度に表示器310の表示を更新する等、適宜定めることができる。
【0040】
計数情報としての持玉数が、玉箱一箱に収容可能な最大玉数の5倍にほぼ等しい場合には、図7に示すように、持玉数を玉箱一箱に収容可能な最大玉数で除した商と同じ数の玉箱を積み上げる表示を行う。この場合において、制御部301は、玉箱一箱一杯に玉を収容した状態の画像データを記憶部302から読み出し、この画像データを上記の商の数だけ上に重ねるような画像処理を行う。
【0041】
こうした台間装置30を用いることにより、鉛直方向に玉箱を積み重ねて表示することができるので、リアルなボリュームの出玉表示演出を行うことができる。なお、第1実施例では、表示画面32に玉箱の表示を行う場合を中心に説明したが、鉛直方向に長い表示画面32を活かし、表示領域を縦方向に区分けして、区分けされた領域ごとに異なる種類の情報を表示する構成を採ることも可能である。こうした領域の区分けは、必ずしも固定的である必要はなく、表示させる情報の種類に応じて経時的に変化する構成としてもよい。
【0042】
次に、第2実施例について説明する。図8は第2実施例の台間装置130の正面図である。第2実施例の台間装置130は、表示画面132の向く方向を切り換える方向切換機構を設けた点で、第1実施例の台間装置30と異なる。第2実施例の説明においては、第1実施例と共通する各部につき、符号の下二桁を共通としている。
【0043】
図8に示すように、台間装置130の上面131,底面139には、それぞれ、回転軸61を備えた接続部材60,回転軸63及びストッパを備えた接続部材62が、相互に同軸上となるような位置関係で取り付けられている。一方、台間装置130が設置される位置の島設備側には、回転軸61,回転軸63を嵌合するための軸受部が設けられている。
【0044】
図9は、表示画面132の方向を切り換える動作を、台間装置130、計数装置20及びパチンコ台10の上方から見たときの様子を示す説明図である。図9(A)に示すように、回転軸61,回転軸63が島設備の軸受部に嵌合されると、台間装置130は、接続部材62のストッパにより、回転軸61及び回転軸63の軸心を中心として回転可能な状態で支持される。接続部材62のストッパを解除して、台間装置130が図9(A)の矢印方向に押圧されると、図9(B)に示すように、台間装置130は、回転軸61及び回転軸63の軸心を中心として、押圧された方向に回転する。これにより、表示画面132は、通路TRに突出しない状態となり、パチンコ台10の前面や計数装置20の前面と略同一の平面上の水平ラインXL上に位置することになる。
【0045】
台間装置130の左側面134,接続面137は、第1実施例における説明にて既述したように、上面からみて円弧形状で形成されている(図3(C)を参照)。従って、台間装置130が図9(A)の矢印方向に押圧されて回転する際に、台間装置130の左側面134が隣のパチンコ台11と緩衝したり、台間装置130の接続面137が計数装置20に緩衝したりするということがない。また、台間装置130の左側面134,接続面137以外の側面は、上面からみて円弧形状で形成されていない。従って、接続部材62のストッパを解除した状態においても、図9(A)の矢印方向に押圧された台間装置130が水平ラインXLを超えて回転することは、台間装置130の側面と隣のパチンコ台11との干渉によって規制され、図9(A)の矢印とは反対方向への台間装置130の回転は、台間装置130の側面と計数装置20との緩衝によって規制される。
【0046】
第2実施例の場合に特有の制御について説明する。表示画面132が遊技者側に向く位置(図4を参照)に調整されている場合には、制御部301は、遊技者向け画面を表示器310に表示する。この場合に表示されるデータとしては、例えば、現在の持玉数の数値データ、現在の持玉数を量的に表すデータ、持玉数に応じた演出表示用データ、蓄積ポイント数、貯玉数、現在遊技を行っている遊技者の大当たりやスタートの回数、現在遊技を行っている遊技者が一時的に離席している旨のメッセージ等の現在遊技を行っている遊技者の遊技状態を表す情報を考えることができる。一方、表示画面132が通路側に向く位置(図9(B)を参照)に調整されている場合には、制御部301は、通行者向け画面を表示器310に表示する。この場合に表示されるデータとしては、例えば、パチンコ台の機種コンテンツ、本日のパチンコ台の大当たりやスタート回数等の実績データ、スランプグラフ、遊技店からのメッセージ、計数装置20に対応するパチンコ台10における本日の持玉数の推移等の不特定の顧客への告知を目的とする情報を考えることができる。
【0047】
上記の第2実施例において、表示画面132が遊技者に向く方向に調整されているか否かは、機構的なスイッチや近接スイッチ等で検出してもよいし、電気的なスイッチで検出してもよい。また、第2実施例では、台間装置130の回転を手動としたが、台間装置130が外部からの制御信号を入力したことをトリガとして自動で回転する構成としても差し支えない。
【0048】
上記した第2実施例の台間装置13によれば、例えば、遊技機での遊技に関連する情報を表示する場合や遊技場の閉店後におけるメンテナンス等の場合に、遊技場の通路TRでの通行や作業の妨げになることを防止することができる。また、表示画面32の向きに応じて適切かつ効果的な情報の表示を行うことができる。
【0049】
次に、第3実施例について説明する。図10は、図1に示すパチンコ台10、台間装置30及び計数装置20が設置された状態において、更に第3実施例の台上装置230を設置したときの状態を正面から見たときの様子を示す説明図である。この図10に示す正面図において表わされる面が、特許請求の範囲に記載された「前面」に相当する。
【0050】
第3実施例の台上装置230は、第1実施例の台間装置30を横向きにしてパチンコ台10の台上のスペースに設置するために、第1実施例の台間装置30について次の(1)〜(3)の点を変更したものであり、その他の構成については第1実施例の台間装置30と同様である。なお、第3実施例の説明においては、第1実施例と共通する各部につき、符号の下二桁を共通としている。
(1)表示画面32の高さh1の値を小さくし、この値を、横向き設置を考慮して、幅w2の値として再定義した点
(2)表示画面32の幅w1の値を、横向き設置を考慮して、高さh2の値として再定義した点
(3)既述したグラフィックドライバのリフレッシュレートの変更により表示器310に表示させる情報が横長に設定されている点。
【0051】
図示するように、台上装置230は横長な矩形の表示画面232を備える。この表示画面232に、遊技機での遊技に関連する情報が視認可能に表示される。図10に示すように、表示画面232の画面アスペクト比は、幅と高さの比が1:2.9という値であり、台上装置230が設置された状態において、表示画面232の幅w2の値は表示画面232の高さh2の値の2.9倍となっている。なお、台上スペースにおいて台間スペースと連動させた情報の表示を実現するためには、台上装置230の高さh2の値と台間装置30の幅w1の値につき、小さい方の値が大きい方の値の50%以下であることが好ましく、台上装置230の高さh2の値が台間装置30の幅w1の値と略同等であることがより好ましい。
【0052】
台上装置230では、その前面における表示画面232の総面積が約0.05平方メートルとされている。なお、台上スペースにおいて台間スペースと連動させた情報の表示を実現するためには、前面における表示画面232の総面積が約0.02平方メートル以上であることが好ましい。
【0053】
なお、台上装置230に店員の呼び出し機能を設ける場合には、表示画面232をタッチセンサパネルとして呼び出しキーを設けてもよいし、台上装置230の前面における表示画面232以外の領域に機構的なスイッチを設けてもよい。この場合において、台上装置230を台間装置30のコネクタJ3に接続すれば、台間装置30と台上装置230との間で通信を行うことが可能となり、台間装置30と台上装置230で連動する演出表示等を行うことができる。
【0054】
図11は、図10に示す白抜きの矢印方向から見たときの台上装置230の側面を示す説明図である。図11に示すように、台上装置230がパチンコ台10、計数装置20及び台間装置30と共に設置された状態において、台上装置230の表示画面232は、台上装置230に対応するパチンコ台10から離間した上側ほど、パチンコ台10の前面に沿って鉛直方向に延びた垂直ラインYLよりも、椅子50が設置された通路TR方向に突出しており、垂直ラインYLと鋭角CAをなして、台上装置230に対応するパチンコ台10の位置する側に向けられている。これにより、パチンコ台10の前面と表示画面232のなす角度RAは鈍角とされている。
【0055】
このように、台上装置230の表示画面232は、台上装置230に対応するパチンコ台10を遊技する遊技者が座る椅子50方向に向いている。従って、遊技中にパチンコ台10の遊技盤12を見ている遊技者は、台上装置230に表示されている情報を見る際に、首を大きく上げることなく、視線を、鋭角である角度GAだけ上側にずらせばよい。このように、台上装置230の表示画面232は、遊技者が遊技をしながら見やすい角度に配置されている。
【0056】
なお、第3実施例の台上装置230に、第2実施例にて既述した方向切換機構を設けても差し支えない。
【0057】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組み合わせに限定されるものではない、また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0058】
例えば、上記各実施例において、計数装置20に組み込まれた機能の一部を計数装置20に替えて台間装置30,130や台上装置230に組み込む構成としても差し支えない。また、計数装置20に組み込まれた機能の全部を台間装置30,130や台上装置230に組み込み、台間装置30,130や台上装置230と計数装置20を一体にして表示画面32,132,232を設ける構成としてもよい。こうすれば、台間スペースや台上スペースにおける情報の表示領域が広がり、より一層多彩な演出を実現ことができる。
【0059】
また、上記実施例では、台間装置30,130や台上装置230の前面に、1つの表示画面32,132,232を設ける構成を採用したが、前面に設けられる表示画面の数を複数に変更しても差し支えない。
【符号の説明】
【0060】
10,11…パチンコ台
12…遊技盤
14…上皿
16…発射ハンドル
20…計数装置
22…皿部
24…玉通路部
30,130…台間装置
31,131…上面
32,132…表示画面
34,134…左側面
36,136…背面
37,137…接続面
38,138…右側面
39,139…底面
50…椅子
60,61…回転軸
62,63…接続部材
230…台上装置
232…表示画面
300…表示制御基板
301…制御部
302…記憶部
310…表示器
320…電源基板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機と遊技機の間の台間スペースに設置され、遊技機での遊技に関連する情報を表示する表示装置であって、
前記情報が視認可能に表示される表示画面を前面に備え、
前記表示装置が設置された状態において、前記表示画面の高さが前記表示画面の幅よりも大きい
表示装置。
【請求項2】
前記表示画面の高さが前記表示画面の幅の2倍以上である請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記前面における前記表示画面の総面積が0.02平方メートル以上である請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記前面に占める前記表示画面の総面積の割合が20パーセント以上である請求項1ないし3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示装置が設置された状態において、遊技機の前面と表示画面のなす角度が鈍角である請求項1ないし4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示画面の向く方向を切り換える方向切換機構を備えた請求項1ないし5のいずれかに記載の表示装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の表示装置であって、
遊技機から払い出された遊技媒体を計数する計数装置に接続され、
前記計数装置による計数の結果を前記表示画面に表示する計数結果表示手段を備えた
表示装置。
【請求項8】
前記計数結果表示手段は、計数装置による計数の結果として、遊技媒体が箱の中に収納された状態を表す形状を、前記表示画面に表示する手段である請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の表示装置であって、
前記遊技機での遊技に関連する情報を画像として送信するコンピュータに接続され、
前記コンピュータから送信された画像を受信して前記表示画面に表示する画像表示手段を備えた
表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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