表示装置
【課題】電力供給部の保持状態を瞬時に判別することができる。
【解決手段】本発明に係る表示装置は、表示部と、切替部と、電力供給部と、保持部と、検出部とを備える。表示部は、電子ペーパーで構成される。切替部は、表示部の表示態様を切り替える。電力供給部は、切替部の駆動に用いられる電力を供給する。保持部は、電力供給部を保持する。検出部は、保持部による電力供給部の保持状態を検出する。また、切替部は、検出部による検出に基づき、表示態様を切り替える。
【解決手段】本発明に係る表示装置は、表示部と、切替部と、電力供給部と、保持部と、検出部とを備える。表示部は、電子ペーパーで構成される。切替部は、表示部の表示態様を切り替える。電力供給部は、切替部の駆動に用いられる電力を供給する。保持部は、電力供給部を保持する。検出部は、保持部による電力供給部の保持状態を検出する。また、切替部は、検出部による検出に基づき、表示態様を切り替える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物流センター、配送センターおよび出荷センター等、多種類および多数の物品が扱われる場所では、例えば、特開2007−290803号公報で示すように、多数の表示装置が用いられている。表示装置は、物品に関する情報を表示する装置である。表示装置は、例えば、物品の個数または種類等が表示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、物流センター等における物品の配置変更等に伴って、表示装置の設置場所の変更も必要になる場合がある。配置場所の変更を容易にするため、表示装置が、電力供給部を備え、電力供給部に蓄えられた電力によって駆動するように構成されることが提案されている。さらに、表示装置の消費電力を抑制するため、表示部として電子ペーパーを採用する技術も提案されている。電子ペーパーは、一旦表示部に表示された内容(表示態様)を維持するための電力を必要としないため、消費電力を抑制することができる。
【0004】
しかし、電力供給部の充電のため、多数の表示装置のそれぞれから電力供給部を取り外した場合であっても、各表示装置の表示部は表示態様を維持するため、どの表示装置の電力供給部が取り外され、どの表示装置に電力供給部が取り付けられているかを判別する作業は煩雑となる。
【0005】
そこで、本発明の課題は、電力供給部の取り付け状態を容易に判別できる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示装置は、表示部と、切替部と、電力供給部と、保持部と、検出部とを備える。表示部は、電子ペーパーで構成される。切替部は、表示部の表示態様を切り替える。電力供給部は、切替部の駆動に用いられる電力を供給する。保持部は、電力供給部を保持する。検出部は、保持部による電力供給部の保持状態を検出する。また、切替部は、検出部による検出に基づき、表示態様を切り替える。
【0007】
これにより、電力供給部の保持状態を瞬時に判別することができる。
【0008】
また、検出部は、第1状態から第2状態への変化を検出することが好ましい。第1状態とは、電力供給部が保持部に保持されている状態であり、第2状態とは、電力供給部が前記保持部に保持されていない状態である。切替部は、検出部によって変化が検出されると、表示態様を切り替えることが好ましい。
【0009】
さらに、切替部による表示態様の切り替えは、表示部に所定の内容を表示させること、または、表示部に表示させていた内容を消去することであることが好ましい。
【0010】
また、保持部は、枠体の内部に電力供給部を保持し、遮蔽部と、第1の付勢部と、第2の付勢部とを備えることが好ましい。遮蔽部は、電力供給部を覆う。第1の付勢部は、電力供給部に対して枠体の外側に向けた外方向に第1の力を加える。第2の付勢部は、電力供給部に対して外方向に対向する内方向に第2の力を加える。また、第2の付勢部は、電力供給部が遮蔽部によって覆われているとき、第2の力を電力供給部に加え、電力供給部が遮蔽部によって覆われていないとき、第2の力を電力供給部に加えないことが好ましい。
【0011】
さらに、遮蔽部の第1部分は、遮蔽部が電力供給部を露出させる露出方向にスライドされたとき、第2の付勢部の第1部分と連結され、電力供給部が露出するとき、第2の付勢部も露出方向に移動し、電力供給部に加えていた力を解放することが好ましい。
【0012】
また、保持部は、第3の付勢部をさらに備えることが好ましい。第3の付勢部は、電力供給部に対して外方向に直交する直交方向に第3の力を加える。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る表示装置は、電力供給部の保持状態を瞬時に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ソーティングシステムが用いられる物流センター等の一例を示す図である。
【図2】ソーティングシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】表示装置の正面図である。
【図4】表示装置の斜視図である。
【図5】表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】保持部の構造を示す概略図である。
【図7】保持部の構造を示す概略図である。
【図8】電力供給部が取り外されたときの表示態様の例である。
【図9】電力供給部が挿入されたときの表示態様の例である。
【図10】表示態様の切り替えを説明するためのフローである。
【図11】変形例Bに係る表示態様の例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一の実施形態に係る表示装置14について説明する。
【0016】
本実施形態に係る表示装置14は、物流センター、配送センターおよび出荷センター等、多種類および多数の物品が扱われる場所で、物品を出荷先別(店舗別)仕分けるためのソーティングシステム100に用いられる。
【0017】
(1)ソーティングシステムの概略説明
図1および図2を用いてソーティングシステム100の概略を説明する。図1は、ソーティングシステム100が用いられる物流センター等の一例を示す。また、図2は、ソーティングシステム100の一例を示す。
【0018】
図1に示すように、物流センター等には、物品を仕分けるための仕分けスペースSPが設けられている。仕分けスペースSPは、複数の仕分けゾーンZ1,Z2,・・・に分けられる。各ゾーンZ1,Z2,・・・には、複数の仕分けコンテナ(例えば、カゴ台車)70が設けられる。複数の仕分けコンテナ70は、各ゾーンZ1,Z2,・・・において、複数の列R1〜R4を成して配置される。図1では、ゾーンZ1に、列R1,R2を構成する仕分けコンテナ70が配置され、ゾーンZ2には、列R3,R4を構成する仕分けコンテナ70が配置される。列R1および列R2の間と、列R3および列R4の間とには、それぞれ、作業者OPが台車を押して通過するための搬送経路PAが形成されている。仕分けコンテナ70には、個数表示を行う表示装置14が取り付けられる。個数表示とは、当該場所(コンテナ)に投入されるべき物品の数量に関する表示である。言い換えると、個数表示とは、各物品についての受注量に関する表示である。具体的に、個数表示とは、物品の区分(例えば、ケースまたはバラ)と、物品の数量とについての表示である。作業者OPは、搬送経路PAを通過しながら、台車TCに載せた物品(例えば一種類の物品)の山から、表示装置14の個数表示として表示された数量の物品を、仕分けコンテナ70に分配していく。
【0019】
ソーティングシステム100は、図2に示すように、主として、ホストコンピュータ10と、中継器11と、サブコンピュータ12と、表示コントローラ13と、多数の表示装置14とを含む。図2には、一の仕分けゾーンZ1に対して用いられるソーティングシステム100の構成を示す。他の仕分けゾーンZ2も同様の構成が設けられるものとする。
【0020】
ホストコンピュータ10は、システム全体を統括する。ホストコンピュータ10には、ソーティングシステム100で用いられる基本データおよび仕分けデータが記憶されている。基本データとは、ソーティングシステム100で仕分け対象となる物品の名前、仕分け先となる店舗の名前・住所、店舗ID、仕分けゾーンのアドレス、表示装置14のID、表示装置14のロケーション番号、仕分けゾーンおよび表示装置IDを対応付ける第1対応付け情報等が含まれる。仕分けデータとは、各店舗から受注した物品の種類および各物品の受注量、店舗IDおよび表示装置IDを対応付ける第2対応付け情報を含む情報である。
【0021】
ホストコンピュータ10は、中継器11と通信線で接続されている。ホストコンピュータ10は、中継器11を介してサブコンピュータ12および表示コントローラ13と通信を行う。また、ホストコンピュータ10は、中継器11および表示コントローラ13を介して多数の表示装置14と通信が可能になっている。
【0022】
サブコンピュータ12は、各仕分けゾーンZ1,Z2に一台設けられる。サブコンピュータ12は、各仕分けゾーンZ1,Z2に関連する基本データおよび仕分けデータをホストコンピュータ10からダウンロードして記憶する。サブコンピュータ12は、物品に付されたバーコードを読み取るためのバーコードリーダー12aを備える。作業者OPが物品の仕分けを開始する前に、バーコードリーダー12aを用いて物品のバーコードを読み取ることにより、当該物品に関する仕分けデータがサブコンピュータ12に表示される。
【0023】
表示コントローラ13は、表示装置14の表示を制御する。表示コントローラ13は、多数の表示装置14と無線通信を行う。表示コントローラ13は、サブコンピュータ12および中継器11とそれぞれ通信線で接続されている。表示コントローラ13は、サブコンピュータ12から送られる仕分けデータに基づいて表示装置14に対してコマンドを送信する。また、表示コントローラ13は、中継器11を介してホストコンピュータ10と通信を行う。さらに、表示コントローラ13は、表示装置14から送られる信号を受信し、当該信号を中継器11を介してホストコンピュータ10に送信する。
【0024】
表示コントローラ13は、店舗IDと、表示装置IDとを対応付けるテーブルを記憶している。表示コントローラ13はまた、サブコンピュータ12で読み取られた物品のバーコード、および/または、ホストコンピュータ10から送られる信号に基づき、表示装置14の表示内容の切り替えおよびライトの点灯/消灯に関するコマンドを各表示装置14に送る。ここで、表示内容の切り替えとは、表示装置14に表示させる物品情報(例えば、個数表示、商品コード、販売コード等)の切り替えを意味する。
【0025】
多数の表示装置14は、表示コントローラ13から送られたコマンドに基づき、表示部に表示させる内容(情報)の切り替えおよびライトの点灯/消灯を行う。
【0026】
(2)表示装置の詳細構成
次に、図3〜図9を参照しながら、表示装置14の構成を詳細に説明する。
【0027】
表示装置14は、図3および図4に示すように、仕分け作業に関連する情報が表示される。仕分け作業に関連する情報には、例えば、仕分けコンテナ70の配置場所を示すロケーションID、仕分けコンテナ70に割り当てられた店舗に関する情報、および仕分け対象となる物品に関する情報が含まれる。ここで、店舗に関する情報とは、各店舗に割り当てられた番号(店舗ID)である。また、仕分け対象となる物品に関する情報とは、各物品(または商品)に割り当てられた番号(物品IDまたは商品ID)、物品の個数表示、物品の売価、および物品の仕分け期限等である。なお、個数表示とは、上述したように、各物品についての受注量に関する表示である。具体的に、個数表示とは、物品の区分(例えば、ケースまたはバラ)と、物品の数量とについての表示である。より具体的に、個数表示は、仕分けコンテナ70に割り当てられた店舗から受注された物品の数量(受注量)および区分である。表示装置14に表示される情報は、表示コントローラ13から送られるコマンドおよび作業者OPによる機能スイッチの操作に基づき、切り替えられる。
【0028】
表示装置14は、無線の表示端末であり、可搬性がある。また、表示装置14は、上述したように、仕分けコンテナ70に取り付けられる。
【0029】
次に、図5を参照して、表示装置14の概略構成を説明する。表示装置14は、主として、通信部41と、表示部42と、報知部43と、入力部44と、電力供給部45と、制御装置46とから構成されている。また、これらの構成は、枠体CSおよび枠体CSの内部に取り付けられている。
【0030】
(2−1)通信部
通信部41は、表示コントローラ13や外部端末(例えば、携帯端末)との通信を可能にするための通信インターフェースである。すなわち、通信部41は、無線受信部および無線送信部として機能する。
【0031】
(2−2)表示部
表示部42は、仕分け作業に関連する情報を表示するための画面を構成する。表示部42は、表示コントローラ13から送信されるコマンドおよび作業者OPによる機能スイッチの操作に基づいて表示部42に表示される内容を切り替え、または、更新する。また、表示部42は、後述する表示切替の指令に基づき、表示内容または表示画面の態様を切り替える。
【0032】
表示部42は、電子ペーパーである。電子ペーパーは、マトリクス状に配列された複数の画素で構成された、ドットマトリクス方式の不揮発性表示装置である。電子ペーパーは、駆動電力を与えることなく表示内容を保持することができる。言い換えると、電子ペーパーは、書き換え時を除き、エネルギーを必要としない。
【0033】
(2−3)報知部
報知部43は、物品が投入されるべき仕分けコンテナ70であることを示すためのライトである。報知部43は、表示装置14の枠体CSに取り付けられている(図3および図4参照)。報知部43は、上述したように、表示コントローラ13から送信されるコマンドに基づいて、点灯/消灯を行う。また、報知部43は、作業者OPによって後述する入力部44が操作されることにより消灯する。
【0034】
(2−4)入力部
入力部44は、表示装置14の枠体CSに取り付けられ、作業者OPによる入力を付けつけるスイッチである。入力部44は、電源スイッチ44aと、機能スイッチ44bと、完了スイッチ44cとを含む(図3および図4参照)。
【0035】
電源スイッチ44aは、表示装置14の電源のON/OFFの切り替えに関する入力を受け付けるためのスイッチである。機能スイッチ44bは、表示装置14に表示されている内容の切り替え(情報の切り替え)に関する入力を受け付けるためのスイッチである。完了スイッチ44cは、所定数量の物品の投入が完了した後に押すスイッチである。ここで、「表示装置14に表示されている内容を切り替える」とは、例えば、表示されている内容を商品IDから店舗IDに切り替えたり、商品IDから売価に切り替えたり、個数表示の数を変更したり、受注量から仕分けコンテナ70に投入済みの物品の数を差し引いた数を表示させたりすることである。なお、入力部44が作業者OPからの入力を受け付けた場合には、作業者OPによって入力された情報がホストコンピュータ10に送られる。
【0036】
(2−5)電力供給部
電力供給部45は、充電式のバッテリーである。電力供給部45は、表示装置14の駆動に必要な電力(例えば、表示内容の切り替えおよび通信)を供給する。電力供給部45は、入出力端子を有する。
【0037】
電力供給部45は、保持部47に保持される。保持部47は、枠体CSの内部に設けられる。図6および図7は、保持部47の構造を示す概略図である。図6は、電力供給部45が保持部47内に装着されている状態を示し、図7は、電力供給部45が保持部47から取り出される状態を示す。
【0038】
図6および図7に示すように、保持部47は、主として、挿込口471と、受け部472と、遮蔽部473、第1付勢部474と、第2付勢部475と、第3付勢部476とから構成される。
【0039】
(2−5−1)挿込口
挿込口471は、枠体CSの外部から電力供給部45を枠体CSの内部に挿入するための開口部である。挿込口471は、枠体CSの側部に設けられる。挿入口471には、後述の遮蔽部473が取り付けられている。
【0040】
(2−5−2)受け部
受け部472は、挿込口471に対向する部分に配置される。受け部472から挿込口471までの長さは、保持部47の奥行きとなる。受け部472には、上述の入出力端子を接続するためのコネクタ471aが取り付けられている。
【0041】
(2−5−3)遮蔽部
遮蔽部473は、枠体CSの側部の一部を構成する板状部材である。遮蔽部473は、枠体CSの側部に沿って上下方向にスライド可能な構成である。遮蔽部473は、下方向(露出方向)または上方向(遮蔽方向)にスライドされることにより、挿込口471を開閉する。具体的に、遮蔽部473は、露出方向にスライドされることにより、電力供給部45を露出させる。また、遮蔽部473は、遮蔽方向にスライドされることにより、電力供給部45を覆う。遮蔽部473は、遮蔽方向一端部である上側端部と、露出方向一端部である下側端部(遮蔽部の第1部分)とを有する。下側端部は、後述する第2付勢部475と連結可能な構成になっている。
【0042】
(2−5−4)第1付勢部
第1付勢部474は、受け部472に設けられる。第1付勢部474は、弾力性を利用してエネルギーを吸収・蓄積可能な部材である。例えば、第1付勢部474は、スプリングである。第1付勢部474は、電力供給部45に力を加える。具体的に、第1付勢部474は、電力供給部45に対して、遮蔽部473が開閉する方向(本実施形態では、上下方向)に直交する第1の方向に力を加える。第1の方向とは、電力供給部45を枠体CSの外側に押し出す方向(本実施形態では、水平方向)である。言い換えると、第1の方向とは、外方向である。すなわち、第1付勢部474は、電力供給部45を枠体CSの外側に押し出すように電力供給部45に対して力(第1の力)を加える。
【0043】
(2−5−5)第2付勢部
第2付勢部475は、挿込口471近傍に配置され、電力供給部45が枠体CSの外側に押し出されないように、電力供給部45に対して第2の方向に力を加える部材である。第2の方向とは、第1の方向に対向する方向である。言い換えると、第2の方向とは、内方向である。すなわち、第2付勢部475は、第1付勢部474によって加えられる力を打ち消すように、電力供給部45に対して内側に向けた力(第2の力)を加える。第2付勢部475もまた、弾力性を利用してエネルギーを吸収・蓄積可能な部材である。例えば、第2付勢部475は、スプリングである。
【0044】
なお、第2付勢部475は、ヘッド部475aを有する。ヘッド部475aは、電力供給部45に接触し、電力供給部45が保持部47から出ないようにストッパーとして機能する。ヘッド部475aは、傾斜した上面と、連結部(第2付勢部の第1部分)とを有する。連結部は、上面に対して反対側の端部近傍に配置される。傾斜した上面は、挿込口471側が低く、受け部472側が高くなっている。遮蔽部473が閉じられているとき、受け部472側のヘッド部475a上面が電力供給部45に接触し、電力供給部45に第2の力を加える。
【0045】
連結部は、遮蔽部473が遮蔽方向に移動したとき(すなわち、遮蔽部473が開かれたとき)、遮蔽部473の下側端部(第1部分)と連結される。これにより、遮蔽部473が下方向(第3の方向)にスライドされて電力供給部45が露出するとき、第2付勢部475は圧縮されてヘッド部475aを下方向(第3の方向)に移動させて、電力供給部45に加える第2の力を解放する。言い換えると、第2付勢部475は、電力供給部45に第2の力を加えない。すなわち、電力供給部45は、第1付勢部474によって加えられた第1の力により、枠体CSの外側に押し出される。一方、遮蔽部473が上方向にスライドされ遮蔽部473が電力供給部45を覆うとき、第2付勢部475は伸長されてヘッド部475aを上方向に移動させ、第2の力を電力供給部45に加える。
【0046】
(2−5−6)第3付勢部
第3付勢部476は、挿込口471に対して第2付勢部475の後方に配置される。言い換えると、第3付勢部476は、保持部47の奥行き方向において、第2付勢部475よりも受け部472側に配置される。第3付勢部476は、電力供給部45に対して、常時一定の力を加え続ける部材である。第3付勢部476は、電力供給部45に対して第1の方向に直交する方向(第4の方向)に力を加える。言い換えると、第3付勢部476は、電力供給部45に対して、上方向に力を加え、摩擦力を発生させる。すなわち、第3付勢部476は、第1付勢部474によって加えられる水平方向の力を低減させるように、電力供給部45に対して力(第3の力)を加える。第3付勢部476もまた、弾力性を利用してエネルギーを吸収・蓄積可能な部材である。例えば、第3付勢部476は、スプリングである。
【0047】
なお、第3付勢部476もまた、ヘッド部476aを有する。ヘッド部476aは、電力供給部45に接触する。ヘッド部476aは、傾斜した上面と、連結部とを有する。連結部は、上面に対して反対側の端部近傍に配置される。傾斜した上面は、挿込口471側が低く、受け部472側が高くなっている。遮蔽部473が閉じられているとき、受け部472側のヘッド部476a上面が電力供給部45に接触して第3の力を加え、電力供給部45との間で摩擦力を発生させる。一方、遮蔽部473が開かれた状態で電力供給部45が挿込口471から挿入される時、挿込口471側のヘッド部476a上面と電力供給部45とが接触し、第3付勢部476は電力供給部45によって圧縮されヘッド部476aが下方向に押し下げられる。
【0048】
(2−6)制御装置
制御装置46は、表示装置14の駆動部として機能する。具体的に、制御装置46は、CPU,RAM,ROM,およびハードディスクによって構成されている。
【0049】
また、制御装置46は、表示部42の表示画面を管理するためのプログラムの他、各表示装置14に固有の装置ID、画面を構成するための情報、表示コントローラ13から送られた直近のコマンド等を記憶している。画面を構成するための情報とは、表示画面のどの部分にどのような情報を表示させるか等の表示領域に関する情報である。
【0050】
さらに、制御装置46は、補助電力供給部464を有する。補助電力供給部464は、電力供給部45から供給された電力の一部を回路内に蓄える。具体的に、補助電力供給部464は、コンデンサである。補助電力供給部464は、微量の電力を回路内に蓄える。ここで、微量とは、電力供給部45が表示装置14から取り外された後であっても、表示部42に表示された内容を数回変更できる程度の量である。
【0051】
さらに、制御装置46は、主として、表示切替部461、送信部462、および電圧検出部463として機能する。
【0052】
(2−6−1)表示切替部
表示切替部461は、表示コントローラ13から送られるコマンドおよび入力部44で受け付けた信号(作業者OPによる入力部44の入力)に基づいて、表示部42に表示させる内容(表示内容)を切り替える。また、表示切替部461は、後述する電圧検出部463による検出結果に基づき、表示内容または表示画面の態様を切り替える。具体的に、表示切替部461は、電圧検出部463から送られる表示切替の指令に基づき、表示内容および表示画面の態様を切り替える。ここで、表示内容または表示画面の態様の切り替えとは、画面に表示させる内容自体の変更または表示させる内容の表示方法の変更等を含む。
【0053】
(2−6−2)送信部
送信部462は、表示切替部461によって表示部42の表示が切り替えられたことを示す信号を、通信部41を介してホストコンピュータ10に向けて送信する。
【0054】
(2−6−3)電圧検出部
電圧検出部463は、電力供給部45の有無および電力供給部45から回路に供給される電圧の値を検出する。電力供給部45の有無とは、電力供給部45が保持部47に保持されているか否かである。すなわち、電圧検出部463は、保持部47による電力供給部45の保持状態を検出する。具体的には、電力供給部45が保持部47によって保持されている状態(第1の状態)と、電力供給部45が保持部47によって保持されていない状態(第2の状態)とを検出する。さらに、電圧検出部463は、保持部47による電力供給部45の保持の状態変化を検出する。電圧検出部463は、第1の閾値を用いて、第1の状態と、第2の状態とを区別する。具体的には、電力供給部45が保持されていない状態の電圧値(ゼロ)を第1の閾値とし、検出される電圧値に変化があった場合(すなわち、電圧値が0を上回った場合)に、第2の状態であるものと判断する。
【0055】
また、電圧検出部463は、電力供給部45が保持部47によって保持されていないと判断した場合(すなわち、バッテリーが外されている場合)には、表示切替部461に対して表示切替の指令を送る。具体的に、電圧検出部463は、表示切替部461に対し、表示部42に「BAT OUT」を表示させるように指令する(図8参照)。すなわち、表示部42には、バッテリーが外された状態である旨を示す表示がされる。
【0056】
さらに、電圧検出部463は、電力供給部45が保持部47によって保持されていないと判断した後、電力供給部45から供給される電圧を検出した場合には、表示切替部461に対してさらに表示切替の指令を送る。具体的に、電圧検出部463は、表示切替部461に対し、表示部42に「BAT IN」を表示させるように指令する(図9参照)。すなわち、表示部42には、バッテリーが挿入された状態である旨を示す表示がされる。
【0057】
また、電圧検出部463は、電力供給部45が保持部47によって保持されていると判断した場合には、検出された電圧の値と、第2の閾値とを比較する。第2の閾値とは、ユーザーが任意で設定した値である。ここで、検出された電圧の値が第2の閾値以下である場合、電圧検出部463は、表示切替部461に対し表示切替の指令を送る。具体的に、電圧検出部463は、表示切替部461に対し、表示部42に「要充電」を表示させるように指令する(図4参照)。一方、検出された電圧の値が第2の閾値を上回っている場合には、表示切替部461に対し表示切替の指令は送らない。
【0058】
(3)表示態様の切り替え
次に、図10を用いて表示態様の切り替えについて説明する。なお、表示内容および表示態様の切り替えは、電力供給部45が取り付けられている間は、電力供給部45によって供給される電力を用いて行われ、電力供給部45が取り外された後は、補助電力供給部464によって供給される電力を用いて行われる。
【0059】
まず、ステップS1で、電圧検出部463によって電力供給部45が保持されているか否かが判断される。具体的には、検出される電圧値が、第1の閾値を上回るかどうかが判断される。言い換えると、電圧値が検出されるかどうかが判断される。電圧検出部463によって電力供給部45が保持されている(第1の状態)と判断された場合には、ステップS2に進み、電力供給部45が保持されていない(第2の状態)と判断された場合には、ステップS4に進む。
【0060】
ステップS2では、検出した電圧の値と、第2の閾値とが比較される。検出した値が第2の閾値より大きい場合、ステップS1に戻る。一方、検出した値が第2の閾値以下であった場合、ステップS3に進む。
【0061】
ステップS3では、電圧検出部463から表示切替部461に対して表示切替の指令が送られる。具体的には、表示部42に「要充電」を表示させる指令が送られる。その後、ステップS1に戻る。
【0062】
一方、ステップS4(電力供給部45が保持されていないと判断された場合)では、電圧検出部463から表示切替部461に対して表示切替の指令が送られる。具体的には、表示部42に「BAT OUT」を表示させる指令が送られる。その後、ステップS5に進む。
【0063】
ステップS5では、電圧検出部463によって電力供給部45が保持されているか否かが判断される。電圧検出部463によって電力供給部45が保持されていると判断された場合には、ステップS6に進み、電力供給部45が保持されていないと判断された場合には、待機する。
【0064】
ステップS6では、電圧検出部463から表示切替部461に対して表示切替の指令が送られる。具体的には、表示部42に「BAT IN」を表示させる指令が送られる。その後、ステップS7に進む。
【0065】
ステップS7では、検出した電圧の値と、第2の閾値とが比較される。検出した値が第2の閾値より大きい場合、ステップS1に戻る。一方、検出した値が第2の閾値以下であった場合、ステップS3に進む。
【0066】
(4)特徴
(4−1)
上記実施形態に係る表示装置14は、電力供給部45が取り付けられた状態と、電力供給部45が取り外された状態とで、表示画面の態様を変更する。上記実施形態に係る表示装置14では、消費電力を抑制するため、表示画面に電子ペーパーを用いている。電子ペーパーは、一旦表示画面に情報を表示させると、当該情報の表示を維持するために電力を必要としない。したがって、省電力および省コストの実益が高い。ところで、上記実施形態に係る表示装置14は、取り外し可能な電力供給部45を備える。また、電力供給部45は充電式のバッテリーである。すなわち、電力供給部45が有線により電力を供給するものではないため、電力供給部45を充電するために、表示装置14から取り外す必要がある。したがって、所定時間間隔毎(例えば、一日一回)に電力供給部45を取り外し充電する必要が生じる。ここで、物流センター等で多数の表示装置14を用いる場合に、取り外し、充電、および取り付けの作業を、各表示装置14の電力供給部45のそれぞれに対して行うよりも、全表示装置14の電力供給部45をまとめて取り外し、充電し、さらに取り付ける方が、効率がよい。しかし、上記実施形態に係る表示装置14は、電子ペーパーを用いるため、電力供給部45が取り外された表示装置14と、電力供給部45が取り外されていない表示装置14との区別は容易ではない。すなわち、電力供給部45が取り外された表示装置14であっても、電力供給部45が取り外される前に表示していた情報を画面に表示し続けるため、画面を見ただけでは電力供給部45が取り外されたか否かを判別することは難しい。したがって、どの表示装置14の電力供給部45を取り外したかが不明になった場合には、各表示装置14の保持部47を確認する必要が生じ、作業が煩雑になる。
【0067】
しかし、上記実施形態に係る表示装置14は、電力供給部45が取り外された場合に、表示部42の態様が切り替えられる。すなわち、画面に表示されていた個数表示等の情報に代えて、電力供給部45が取り外されたことを示す態様に切り替えられる。具体的には、画面に表示される個数表示等の情報が、「BAT OUT」の文字に切り替えられる。これにより、電力供給部45の入れ替え等を行う作業者OPは、電力供給部45の保持状態を瞬時に判別することができる。これにより、作業効率を向上させることができる。
【0068】
(4−2)
また、上記実施形態に係る表示装置14では、電力供給部45の保持部47が第1付勢部474と第2付勢部475とを有する。第1付勢部474は、電力供給部45を枠体CSの外側に押し出す方向に力(第1の力)を加える。第2付勢部475は、電力供給部45が遮蔽部473によって覆われているとき、第1付勢部474によって電力供給部45に加えられた力を打ち消すように、電力供給部45に力(第2の力)を加える。すなわち、遮蔽部473が閉じられているとき、第2付勢部475は、電力供給部45を保持部47の内部に留める。また、第2付勢部475は、電力供給部45が遮蔽部473によって覆われていないとき、電力供給部45に力を加えない。すなわち、遮蔽部473が開けられると、電力供給部45は第1付勢部474の力により挿入口471の方向に押し出される。
【0069】
これにより、枠体CSの内部に装着された電力供給部45を、容易に取り外すことができる。
【0070】
(4−3)
また、上記実施形態に係る表示装置14は、保持部47に、第3付勢部476をさらに有する。第3付勢部476は、電力供給部45に加えられた外方向の力を低減させる力(第3の力)を、電力供給部45に常時加える。したがって、遮蔽部473が開けられた場合(すなわち、遮蔽部473が下方向にスライドされた場合)であっても、電力供給部45が保持部47から飛び出すことを防止することができる。
【0071】
(5)変形例
(5−1)変形例A
上記実施形態では、物品を仕分けるシステムとしてソーティングシステムを例に挙げて説明したが、物品を仕分けるシステムとしてピッキングシステムを採用する場合にも上記実施形態に係る表示装置14を用いることができる。ピッキングシステムは、物品の種類別に設けられた備え付けコンテナ(例えば、カゴ台車)70から、各店舗に配送すべき物品を取り出して、作業者OPによって搬送される台車TCに当該物品を載せていくことにより、出荷先別に物品を仕分けるシステムである。
【0072】
(5−2)変形例B
また、上記実施形態では、電力供給部45が取り外された場合に表示画面の態様として、表示部42に「BAT OUT」を表示させたが、図11に示すように、電力供給部45が取り外された場合に画面に何も表示させなくてもよい。すなわち、表示切替部461は、電力供給部45が取り外されたことを示す文字を表示する代わりに、表示画面に表示させていた内容を消去してもよい。これによっても、電力供給部45が取り外されたか否かの判別が容易にできるため、電力供給部45の取り付け・取り外し作業を円滑に行うことができる。
【0073】
(5−3)変形例C
また、電力供給部45が取り外された場合に、表示部42に表示されている仕分け作業に関連する情報のうち一部の情報については、表示状態を維持してもよい。例えば、表示部42に表示された個数表示は消去し、ロケーションID(ロケーション番号)、店舗ID(店番号)、商品ID(商品番号)等の表示状態は維持するように設計してもよい。さらに、電力供給部45が取り外された場合に、個数表示以外の全ての情報が表示されるように設計されていてもよい。これによっても、バッテリーが取り外された場合に、表示装置14の表示態様が変化するので、電力供給部45の取り付け作業および取り外し作業を円滑に行うことができる。
【0074】
(5−4)変形例D
上記実施形態では、電圧検出部463によって検出される値と第1の閾値とを比較して、保持部47による電力供給部45の保持状態(第1状態または第2状態)の変化を検出した。しかし、保持部47にスイッチ機構を設け、保持部47による電力供給部45の保持状態によってスイッチがオン/オフ状態を切り替えるように設計されていてもよい。これにより、電圧検出部463によって電圧値をみることなく、表示画面の態様を変化させることができる。また、スイッチ機構を設けることにより、制御装置を駆動させることなく、表示部42単体で表示態様を変化させることができる。
【符号の説明】
【0075】
10 ホストコンピュータ
11 中継器
12 サブコンピュータ
13 表示コントローラ
14 表示装置
41 通信部
42 表示部
43 報知部
44(44a−44c) 入力部
45 電力供給部
46 制御装置
100 仕分けシステム
461 表示切替部
462 送信部
463 電圧検出部
464 補助電力供給部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0076】
【特許文献1】特開2007−290803号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物流センター、配送センターおよび出荷センター等、多種類および多数の物品が扱われる場所では、例えば、特開2007−290803号公報で示すように、多数の表示装置が用いられている。表示装置は、物品に関する情報を表示する装置である。表示装置は、例えば、物品の個数または種類等が表示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、物流センター等における物品の配置変更等に伴って、表示装置の設置場所の変更も必要になる場合がある。配置場所の変更を容易にするため、表示装置が、電力供給部を備え、電力供給部に蓄えられた電力によって駆動するように構成されることが提案されている。さらに、表示装置の消費電力を抑制するため、表示部として電子ペーパーを採用する技術も提案されている。電子ペーパーは、一旦表示部に表示された内容(表示態様)を維持するための電力を必要としないため、消費電力を抑制することができる。
【0004】
しかし、電力供給部の充電のため、多数の表示装置のそれぞれから電力供給部を取り外した場合であっても、各表示装置の表示部は表示態様を維持するため、どの表示装置の電力供給部が取り外され、どの表示装置に電力供給部が取り付けられているかを判別する作業は煩雑となる。
【0005】
そこで、本発明の課題は、電力供給部の取り付け状態を容易に判別できる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示装置は、表示部と、切替部と、電力供給部と、保持部と、検出部とを備える。表示部は、電子ペーパーで構成される。切替部は、表示部の表示態様を切り替える。電力供給部は、切替部の駆動に用いられる電力を供給する。保持部は、電力供給部を保持する。検出部は、保持部による電力供給部の保持状態を検出する。また、切替部は、検出部による検出に基づき、表示態様を切り替える。
【0007】
これにより、電力供給部の保持状態を瞬時に判別することができる。
【0008】
また、検出部は、第1状態から第2状態への変化を検出することが好ましい。第1状態とは、電力供給部が保持部に保持されている状態であり、第2状態とは、電力供給部が前記保持部に保持されていない状態である。切替部は、検出部によって変化が検出されると、表示態様を切り替えることが好ましい。
【0009】
さらに、切替部による表示態様の切り替えは、表示部に所定の内容を表示させること、または、表示部に表示させていた内容を消去することであることが好ましい。
【0010】
また、保持部は、枠体の内部に電力供給部を保持し、遮蔽部と、第1の付勢部と、第2の付勢部とを備えることが好ましい。遮蔽部は、電力供給部を覆う。第1の付勢部は、電力供給部に対して枠体の外側に向けた外方向に第1の力を加える。第2の付勢部は、電力供給部に対して外方向に対向する内方向に第2の力を加える。また、第2の付勢部は、電力供給部が遮蔽部によって覆われているとき、第2の力を電力供給部に加え、電力供給部が遮蔽部によって覆われていないとき、第2の力を電力供給部に加えないことが好ましい。
【0011】
さらに、遮蔽部の第1部分は、遮蔽部が電力供給部を露出させる露出方向にスライドされたとき、第2の付勢部の第1部分と連結され、電力供給部が露出するとき、第2の付勢部も露出方向に移動し、電力供給部に加えていた力を解放することが好ましい。
【0012】
また、保持部は、第3の付勢部をさらに備えることが好ましい。第3の付勢部は、電力供給部に対して外方向に直交する直交方向に第3の力を加える。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る表示装置は、電力供給部の保持状態を瞬時に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ソーティングシステムが用いられる物流センター等の一例を示す図である。
【図2】ソーティングシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】表示装置の正面図である。
【図4】表示装置の斜視図である。
【図5】表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】保持部の構造を示す概略図である。
【図7】保持部の構造を示す概略図である。
【図8】電力供給部が取り外されたときの表示態様の例である。
【図9】電力供給部が挿入されたときの表示態様の例である。
【図10】表示態様の切り替えを説明するためのフローである。
【図11】変形例Bに係る表示態様の例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一の実施形態に係る表示装置14について説明する。
【0016】
本実施形態に係る表示装置14は、物流センター、配送センターおよび出荷センター等、多種類および多数の物品が扱われる場所で、物品を出荷先別(店舗別)仕分けるためのソーティングシステム100に用いられる。
【0017】
(1)ソーティングシステムの概略説明
図1および図2を用いてソーティングシステム100の概略を説明する。図1は、ソーティングシステム100が用いられる物流センター等の一例を示す。また、図2は、ソーティングシステム100の一例を示す。
【0018】
図1に示すように、物流センター等には、物品を仕分けるための仕分けスペースSPが設けられている。仕分けスペースSPは、複数の仕分けゾーンZ1,Z2,・・・に分けられる。各ゾーンZ1,Z2,・・・には、複数の仕分けコンテナ(例えば、カゴ台車)70が設けられる。複数の仕分けコンテナ70は、各ゾーンZ1,Z2,・・・において、複数の列R1〜R4を成して配置される。図1では、ゾーンZ1に、列R1,R2を構成する仕分けコンテナ70が配置され、ゾーンZ2には、列R3,R4を構成する仕分けコンテナ70が配置される。列R1および列R2の間と、列R3および列R4の間とには、それぞれ、作業者OPが台車を押して通過するための搬送経路PAが形成されている。仕分けコンテナ70には、個数表示を行う表示装置14が取り付けられる。個数表示とは、当該場所(コンテナ)に投入されるべき物品の数量に関する表示である。言い換えると、個数表示とは、各物品についての受注量に関する表示である。具体的に、個数表示とは、物品の区分(例えば、ケースまたはバラ)と、物品の数量とについての表示である。作業者OPは、搬送経路PAを通過しながら、台車TCに載せた物品(例えば一種類の物品)の山から、表示装置14の個数表示として表示された数量の物品を、仕分けコンテナ70に分配していく。
【0019】
ソーティングシステム100は、図2に示すように、主として、ホストコンピュータ10と、中継器11と、サブコンピュータ12と、表示コントローラ13と、多数の表示装置14とを含む。図2には、一の仕分けゾーンZ1に対して用いられるソーティングシステム100の構成を示す。他の仕分けゾーンZ2も同様の構成が設けられるものとする。
【0020】
ホストコンピュータ10は、システム全体を統括する。ホストコンピュータ10には、ソーティングシステム100で用いられる基本データおよび仕分けデータが記憶されている。基本データとは、ソーティングシステム100で仕分け対象となる物品の名前、仕分け先となる店舗の名前・住所、店舗ID、仕分けゾーンのアドレス、表示装置14のID、表示装置14のロケーション番号、仕分けゾーンおよび表示装置IDを対応付ける第1対応付け情報等が含まれる。仕分けデータとは、各店舗から受注した物品の種類および各物品の受注量、店舗IDおよび表示装置IDを対応付ける第2対応付け情報を含む情報である。
【0021】
ホストコンピュータ10は、中継器11と通信線で接続されている。ホストコンピュータ10は、中継器11を介してサブコンピュータ12および表示コントローラ13と通信を行う。また、ホストコンピュータ10は、中継器11および表示コントローラ13を介して多数の表示装置14と通信が可能になっている。
【0022】
サブコンピュータ12は、各仕分けゾーンZ1,Z2に一台設けられる。サブコンピュータ12は、各仕分けゾーンZ1,Z2に関連する基本データおよび仕分けデータをホストコンピュータ10からダウンロードして記憶する。サブコンピュータ12は、物品に付されたバーコードを読み取るためのバーコードリーダー12aを備える。作業者OPが物品の仕分けを開始する前に、バーコードリーダー12aを用いて物品のバーコードを読み取ることにより、当該物品に関する仕分けデータがサブコンピュータ12に表示される。
【0023】
表示コントローラ13は、表示装置14の表示を制御する。表示コントローラ13は、多数の表示装置14と無線通信を行う。表示コントローラ13は、サブコンピュータ12および中継器11とそれぞれ通信線で接続されている。表示コントローラ13は、サブコンピュータ12から送られる仕分けデータに基づいて表示装置14に対してコマンドを送信する。また、表示コントローラ13は、中継器11を介してホストコンピュータ10と通信を行う。さらに、表示コントローラ13は、表示装置14から送られる信号を受信し、当該信号を中継器11を介してホストコンピュータ10に送信する。
【0024】
表示コントローラ13は、店舗IDと、表示装置IDとを対応付けるテーブルを記憶している。表示コントローラ13はまた、サブコンピュータ12で読み取られた物品のバーコード、および/または、ホストコンピュータ10から送られる信号に基づき、表示装置14の表示内容の切り替えおよびライトの点灯/消灯に関するコマンドを各表示装置14に送る。ここで、表示内容の切り替えとは、表示装置14に表示させる物品情報(例えば、個数表示、商品コード、販売コード等)の切り替えを意味する。
【0025】
多数の表示装置14は、表示コントローラ13から送られたコマンドに基づき、表示部に表示させる内容(情報)の切り替えおよびライトの点灯/消灯を行う。
【0026】
(2)表示装置の詳細構成
次に、図3〜図9を参照しながら、表示装置14の構成を詳細に説明する。
【0027】
表示装置14は、図3および図4に示すように、仕分け作業に関連する情報が表示される。仕分け作業に関連する情報には、例えば、仕分けコンテナ70の配置場所を示すロケーションID、仕分けコンテナ70に割り当てられた店舗に関する情報、および仕分け対象となる物品に関する情報が含まれる。ここで、店舗に関する情報とは、各店舗に割り当てられた番号(店舗ID)である。また、仕分け対象となる物品に関する情報とは、各物品(または商品)に割り当てられた番号(物品IDまたは商品ID)、物品の個数表示、物品の売価、および物品の仕分け期限等である。なお、個数表示とは、上述したように、各物品についての受注量に関する表示である。具体的に、個数表示とは、物品の区分(例えば、ケースまたはバラ)と、物品の数量とについての表示である。より具体的に、個数表示は、仕分けコンテナ70に割り当てられた店舗から受注された物品の数量(受注量)および区分である。表示装置14に表示される情報は、表示コントローラ13から送られるコマンドおよび作業者OPによる機能スイッチの操作に基づき、切り替えられる。
【0028】
表示装置14は、無線の表示端末であり、可搬性がある。また、表示装置14は、上述したように、仕分けコンテナ70に取り付けられる。
【0029】
次に、図5を参照して、表示装置14の概略構成を説明する。表示装置14は、主として、通信部41と、表示部42と、報知部43と、入力部44と、電力供給部45と、制御装置46とから構成されている。また、これらの構成は、枠体CSおよび枠体CSの内部に取り付けられている。
【0030】
(2−1)通信部
通信部41は、表示コントローラ13や外部端末(例えば、携帯端末)との通信を可能にするための通信インターフェースである。すなわち、通信部41は、無線受信部および無線送信部として機能する。
【0031】
(2−2)表示部
表示部42は、仕分け作業に関連する情報を表示するための画面を構成する。表示部42は、表示コントローラ13から送信されるコマンドおよび作業者OPによる機能スイッチの操作に基づいて表示部42に表示される内容を切り替え、または、更新する。また、表示部42は、後述する表示切替の指令に基づき、表示内容または表示画面の態様を切り替える。
【0032】
表示部42は、電子ペーパーである。電子ペーパーは、マトリクス状に配列された複数の画素で構成された、ドットマトリクス方式の不揮発性表示装置である。電子ペーパーは、駆動電力を与えることなく表示内容を保持することができる。言い換えると、電子ペーパーは、書き換え時を除き、エネルギーを必要としない。
【0033】
(2−3)報知部
報知部43は、物品が投入されるべき仕分けコンテナ70であることを示すためのライトである。報知部43は、表示装置14の枠体CSに取り付けられている(図3および図4参照)。報知部43は、上述したように、表示コントローラ13から送信されるコマンドに基づいて、点灯/消灯を行う。また、報知部43は、作業者OPによって後述する入力部44が操作されることにより消灯する。
【0034】
(2−4)入力部
入力部44は、表示装置14の枠体CSに取り付けられ、作業者OPによる入力を付けつけるスイッチである。入力部44は、電源スイッチ44aと、機能スイッチ44bと、完了スイッチ44cとを含む(図3および図4参照)。
【0035】
電源スイッチ44aは、表示装置14の電源のON/OFFの切り替えに関する入力を受け付けるためのスイッチである。機能スイッチ44bは、表示装置14に表示されている内容の切り替え(情報の切り替え)に関する入力を受け付けるためのスイッチである。完了スイッチ44cは、所定数量の物品の投入が完了した後に押すスイッチである。ここで、「表示装置14に表示されている内容を切り替える」とは、例えば、表示されている内容を商品IDから店舗IDに切り替えたり、商品IDから売価に切り替えたり、個数表示の数を変更したり、受注量から仕分けコンテナ70に投入済みの物品の数を差し引いた数を表示させたりすることである。なお、入力部44が作業者OPからの入力を受け付けた場合には、作業者OPによって入力された情報がホストコンピュータ10に送られる。
【0036】
(2−5)電力供給部
電力供給部45は、充電式のバッテリーである。電力供給部45は、表示装置14の駆動に必要な電力(例えば、表示内容の切り替えおよび通信)を供給する。電力供給部45は、入出力端子を有する。
【0037】
電力供給部45は、保持部47に保持される。保持部47は、枠体CSの内部に設けられる。図6および図7は、保持部47の構造を示す概略図である。図6は、電力供給部45が保持部47内に装着されている状態を示し、図7は、電力供給部45が保持部47から取り出される状態を示す。
【0038】
図6および図7に示すように、保持部47は、主として、挿込口471と、受け部472と、遮蔽部473、第1付勢部474と、第2付勢部475と、第3付勢部476とから構成される。
【0039】
(2−5−1)挿込口
挿込口471は、枠体CSの外部から電力供給部45を枠体CSの内部に挿入するための開口部である。挿込口471は、枠体CSの側部に設けられる。挿入口471には、後述の遮蔽部473が取り付けられている。
【0040】
(2−5−2)受け部
受け部472は、挿込口471に対向する部分に配置される。受け部472から挿込口471までの長さは、保持部47の奥行きとなる。受け部472には、上述の入出力端子を接続するためのコネクタ471aが取り付けられている。
【0041】
(2−5−3)遮蔽部
遮蔽部473は、枠体CSの側部の一部を構成する板状部材である。遮蔽部473は、枠体CSの側部に沿って上下方向にスライド可能な構成である。遮蔽部473は、下方向(露出方向)または上方向(遮蔽方向)にスライドされることにより、挿込口471を開閉する。具体的に、遮蔽部473は、露出方向にスライドされることにより、電力供給部45を露出させる。また、遮蔽部473は、遮蔽方向にスライドされることにより、電力供給部45を覆う。遮蔽部473は、遮蔽方向一端部である上側端部と、露出方向一端部である下側端部(遮蔽部の第1部分)とを有する。下側端部は、後述する第2付勢部475と連結可能な構成になっている。
【0042】
(2−5−4)第1付勢部
第1付勢部474は、受け部472に設けられる。第1付勢部474は、弾力性を利用してエネルギーを吸収・蓄積可能な部材である。例えば、第1付勢部474は、スプリングである。第1付勢部474は、電力供給部45に力を加える。具体的に、第1付勢部474は、電力供給部45に対して、遮蔽部473が開閉する方向(本実施形態では、上下方向)に直交する第1の方向に力を加える。第1の方向とは、電力供給部45を枠体CSの外側に押し出す方向(本実施形態では、水平方向)である。言い換えると、第1の方向とは、外方向である。すなわち、第1付勢部474は、電力供給部45を枠体CSの外側に押し出すように電力供給部45に対して力(第1の力)を加える。
【0043】
(2−5−5)第2付勢部
第2付勢部475は、挿込口471近傍に配置され、電力供給部45が枠体CSの外側に押し出されないように、電力供給部45に対して第2の方向に力を加える部材である。第2の方向とは、第1の方向に対向する方向である。言い換えると、第2の方向とは、内方向である。すなわち、第2付勢部475は、第1付勢部474によって加えられる力を打ち消すように、電力供給部45に対して内側に向けた力(第2の力)を加える。第2付勢部475もまた、弾力性を利用してエネルギーを吸収・蓄積可能な部材である。例えば、第2付勢部475は、スプリングである。
【0044】
なお、第2付勢部475は、ヘッド部475aを有する。ヘッド部475aは、電力供給部45に接触し、電力供給部45が保持部47から出ないようにストッパーとして機能する。ヘッド部475aは、傾斜した上面と、連結部(第2付勢部の第1部分)とを有する。連結部は、上面に対して反対側の端部近傍に配置される。傾斜した上面は、挿込口471側が低く、受け部472側が高くなっている。遮蔽部473が閉じられているとき、受け部472側のヘッド部475a上面が電力供給部45に接触し、電力供給部45に第2の力を加える。
【0045】
連結部は、遮蔽部473が遮蔽方向に移動したとき(すなわち、遮蔽部473が開かれたとき)、遮蔽部473の下側端部(第1部分)と連結される。これにより、遮蔽部473が下方向(第3の方向)にスライドされて電力供給部45が露出するとき、第2付勢部475は圧縮されてヘッド部475aを下方向(第3の方向)に移動させて、電力供給部45に加える第2の力を解放する。言い換えると、第2付勢部475は、電力供給部45に第2の力を加えない。すなわち、電力供給部45は、第1付勢部474によって加えられた第1の力により、枠体CSの外側に押し出される。一方、遮蔽部473が上方向にスライドされ遮蔽部473が電力供給部45を覆うとき、第2付勢部475は伸長されてヘッド部475aを上方向に移動させ、第2の力を電力供給部45に加える。
【0046】
(2−5−6)第3付勢部
第3付勢部476は、挿込口471に対して第2付勢部475の後方に配置される。言い換えると、第3付勢部476は、保持部47の奥行き方向において、第2付勢部475よりも受け部472側に配置される。第3付勢部476は、電力供給部45に対して、常時一定の力を加え続ける部材である。第3付勢部476は、電力供給部45に対して第1の方向に直交する方向(第4の方向)に力を加える。言い換えると、第3付勢部476は、電力供給部45に対して、上方向に力を加え、摩擦力を発生させる。すなわち、第3付勢部476は、第1付勢部474によって加えられる水平方向の力を低減させるように、電力供給部45に対して力(第3の力)を加える。第3付勢部476もまた、弾力性を利用してエネルギーを吸収・蓄積可能な部材である。例えば、第3付勢部476は、スプリングである。
【0047】
なお、第3付勢部476もまた、ヘッド部476aを有する。ヘッド部476aは、電力供給部45に接触する。ヘッド部476aは、傾斜した上面と、連結部とを有する。連結部は、上面に対して反対側の端部近傍に配置される。傾斜した上面は、挿込口471側が低く、受け部472側が高くなっている。遮蔽部473が閉じられているとき、受け部472側のヘッド部476a上面が電力供給部45に接触して第3の力を加え、電力供給部45との間で摩擦力を発生させる。一方、遮蔽部473が開かれた状態で電力供給部45が挿込口471から挿入される時、挿込口471側のヘッド部476a上面と電力供給部45とが接触し、第3付勢部476は電力供給部45によって圧縮されヘッド部476aが下方向に押し下げられる。
【0048】
(2−6)制御装置
制御装置46は、表示装置14の駆動部として機能する。具体的に、制御装置46は、CPU,RAM,ROM,およびハードディスクによって構成されている。
【0049】
また、制御装置46は、表示部42の表示画面を管理するためのプログラムの他、各表示装置14に固有の装置ID、画面を構成するための情報、表示コントローラ13から送られた直近のコマンド等を記憶している。画面を構成するための情報とは、表示画面のどの部分にどのような情報を表示させるか等の表示領域に関する情報である。
【0050】
さらに、制御装置46は、補助電力供給部464を有する。補助電力供給部464は、電力供給部45から供給された電力の一部を回路内に蓄える。具体的に、補助電力供給部464は、コンデンサである。補助電力供給部464は、微量の電力を回路内に蓄える。ここで、微量とは、電力供給部45が表示装置14から取り外された後であっても、表示部42に表示された内容を数回変更できる程度の量である。
【0051】
さらに、制御装置46は、主として、表示切替部461、送信部462、および電圧検出部463として機能する。
【0052】
(2−6−1)表示切替部
表示切替部461は、表示コントローラ13から送られるコマンドおよび入力部44で受け付けた信号(作業者OPによる入力部44の入力)に基づいて、表示部42に表示させる内容(表示内容)を切り替える。また、表示切替部461は、後述する電圧検出部463による検出結果に基づき、表示内容または表示画面の態様を切り替える。具体的に、表示切替部461は、電圧検出部463から送られる表示切替の指令に基づき、表示内容および表示画面の態様を切り替える。ここで、表示内容または表示画面の態様の切り替えとは、画面に表示させる内容自体の変更または表示させる内容の表示方法の変更等を含む。
【0053】
(2−6−2)送信部
送信部462は、表示切替部461によって表示部42の表示が切り替えられたことを示す信号を、通信部41を介してホストコンピュータ10に向けて送信する。
【0054】
(2−6−3)電圧検出部
電圧検出部463は、電力供給部45の有無および電力供給部45から回路に供給される電圧の値を検出する。電力供給部45の有無とは、電力供給部45が保持部47に保持されているか否かである。すなわち、電圧検出部463は、保持部47による電力供給部45の保持状態を検出する。具体的には、電力供給部45が保持部47によって保持されている状態(第1の状態)と、電力供給部45が保持部47によって保持されていない状態(第2の状態)とを検出する。さらに、電圧検出部463は、保持部47による電力供給部45の保持の状態変化を検出する。電圧検出部463は、第1の閾値を用いて、第1の状態と、第2の状態とを区別する。具体的には、電力供給部45が保持されていない状態の電圧値(ゼロ)を第1の閾値とし、検出される電圧値に変化があった場合(すなわち、電圧値が0を上回った場合)に、第2の状態であるものと判断する。
【0055】
また、電圧検出部463は、電力供給部45が保持部47によって保持されていないと判断した場合(すなわち、バッテリーが外されている場合)には、表示切替部461に対して表示切替の指令を送る。具体的に、電圧検出部463は、表示切替部461に対し、表示部42に「BAT OUT」を表示させるように指令する(図8参照)。すなわち、表示部42には、バッテリーが外された状態である旨を示す表示がされる。
【0056】
さらに、電圧検出部463は、電力供給部45が保持部47によって保持されていないと判断した後、電力供給部45から供給される電圧を検出した場合には、表示切替部461に対してさらに表示切替の指令を送る。具体的に、電圧検出部463は、表示切替部461に対し、表示部42に「BAT IN」を表示させるように指令する(図9参照)。すなわち、表示部42には、バッテリーが挿入された状態である旨を示す表示がされる。
【0057】
また、電圧検出部463は、電力供給部45が保持部47によって保持されていると判断した場合には、検出された電圧の値と、第2の閾値とを比較する。第2の閾値とは、ユーザーが任意で設定した値である。ここで、検出された電圧の値が第2の閾値以下である場合、電圧検出部463は、表示切替部461に対し表示切替の指令を送る。具体的に、電圧検出部463は、表示切替部461に対し、表示部42に「要充電」を表示させるように指令する(図4参照)。一方、検出された電圧の値が第2の閾値を上回っている場合には、表示切替部461に対し表示切替の指令は送らない。
【0058】
(3)表示態様の切り替え
次に、図10を用いて表示態様の切り替えについて説明する。なお、表示内容および表示態様の切り替えは、電力供給部45が取り付けられている間は、電力供給部45によって供給される電力を用いて行われ、電力供給部45が取り外された後は、補助電力供給部464によって供給される電力を用いて行われる。
【0059】
まず、ステップS1で、電圧検出部463によって電力供給部45が保持されているか否かが判断される。具体的には、検出される電圧値が、第1の閾値を上回るかどうかが判断される。言い換えると、電圧値が検出されるかどうかが判断される。電圧検出部463によって電力供給部45が保持されている(第1の状態)と判断された場合には、ステップS2に進み、電力供給部45が保持されていない(第2の状態)と判断された場合には、ステップS4に進む。
【0060】
ステップS2では、検出した電圧の値と、第2の閾値とが比較される。検出した値が第2の閾値より大きい場合、ステップS1に戻る。一方、検出した値が第2の閾値以下であった場合、ステップS3に進む。
【0061】
ステップS3では、電圧検出部463から表示切替部461に対して表示切替の指令が送られる。具体的には、表示部42に「要充電」を表示させる指令が送られる。その後、ステップS1に戻る。
【0062】
一方、ステップS4(電力供給部45が保持されていないと判断された場合)では、電圧検出部463から表示切替部461に対して表示切替の指令が送られる。具体的には、表示部42に「BAT OUT」を表示させる指令が送られる。その後、ステップS5に進む。
【0063】
ステップS5では、電圧検出部463によって電力供給部45が保持されているか否かが判断される。電圧検出部463によって電力供給部45が保持されていると判断された場合には、ステップS6に進み、電力供給部45が保持されていないと判断された場合には、待機する。
【0064】
ステップS6では、電圧検出部463から表示切替部461に対して表示切替の指令が送られる。具体的には、表示部42に「BAT IN」を表示させる指令が送られる。その後、ステップS7に進む。
【0065】
ステップS7では、検出した電圧の値と、第2の閾値とが比較される。検出した値が第2の閾値より大きい場合、ステップS1に戻る。一方、検出した値が第2の閾値以下であった場合、ステップS3に進む。
【0066】
(4)特徴
(4−1)
上記実施形態に係る表示装置14は、電力供給部45が取り付けられた状態と、電力供給部45が取り外された状態とで、表示画面の態様を変更する。上記実施形態に係る表示装置14では、消費電力を抑制するため、表示画面に電子ペーパーを用いている。電子ペーパーは、一旦表示画面に情報を表示させると、当該情報の表示を維持するために電力を必要としない。したがって、省電力および省コストの実益が高い。ところで、上記実施形態に係る表示装置14は、取り外し可能な電力供給部45を備える。また、電力供給部45は充電式のバッテリーである。すなわち、電力供給部45が有線により電力を供給するものではないため、電力供給部45を充電するために、表示装置14から取り外す必要がある。したがって、所定時間間隔毎(例えば、一日一回)に電力供給部45を取り外し充電する必要が生じる。ここで、物流センター等で多数の表示装置14を用いる場合に、取り外し、充電、および取り付けの作業を、各表示装置14の電力供給部45のそれぞれに対して行うよりも、全表示装置14の電力供給部45をまとめて取り外し、充電し、さらに取り付ける方が、効率がよい。しかし、上記実施形態に係る表示装置14は、電子ペーパーを用いるため、電力供給部45が取り外された表示装置14と、電力供給部45が取り外されていない表示装置14との区別は容易ではない。すなわち、電力供給部45が取り外された表示装置14であっても、電力供給部45が取り外される前に表示していた情報を画面に表示し続けるため、画面を見ただけでは電力供給部45が取り外されたか否かを判別することは難しい。したがって、どの表示装置14の電力供給部45を取り外したかが不明になった場合には、各表示装置14の保持部47を確認する必要が生じ、作業が煩雑になる。
【0067】
しかし、上記実施形態に係る表示装置14は、電力供給部45が取り外された場合に、表示部42の態様が切り替えられる。すなわち、画面に表示されていた個数表示等の情報に代えて、電力供給部45が取り外されたことを示す態様に切り替えられる。具体的には、画面に表示される個数表示等の情報が、「BAT OUT」の文字に切り替えられる。これにより、電力供給部45の入れ替え等を行う作業者OPは、電力供給部45の保持状態を瞬時に判別することができる。これにより、作業効率を向上させることができる。
【0068】
(4−2)
また、上記実施形態に係る表示装置14では、電力供給部45の保持部47が第1付勢部474と第2付勢部475とを有する。第1付勢部474は、電力供給部45を枠体CSの外側に押し出す方向に力(第1の力)を加える。第2付勢部475は、電力供給部45が遮蔽部473によって覆われているとき、第1付勢部474によって電力供給部45に加えられた力を打ち消すように、電力供給部45に力(第2の力)を加える。すなわち、遮蔽部473が閉じられているとき、第2付勢部475は、電力供給部45を保持部47の内部に留める。また、第2付勢部475は、電力供給部45が遮蔽部473によって覆われていないとき、電力供給部45に力を加えない。すなわち、遮蔽部473が開けられると、電力供給部45は第1付勢部474の力により挿入口471の方向に押し出される。
【0069】
これにより、枠体CSの内部に装着された電力供給部45を、容易に取り外すことができる。
【0070】
(4−3)
また、上記実施形態に係る表示装置14は、保持部47に、第3付勢部476をさらに有する。第3付勢部476は、電力供給部45に加えられた外方向の力を低減させる力(第3の力)を、電力供給部45に常時加える。したがって、遮蔽部473が開けられた場合(すなわち、遮蔽部473が下方向にスライドされた場合)であっても、電力供給部45が保持部47から飛び出すことを防止することができる。
【0071】
(5)変形例
(5−1)変形例A
上記実施形態では、物品を仕分けるシステムとしてソーティングシステムを例に挙げて説明したが、物品を仕分けるシステムとしてピッキングシステムを採用する場合にも上記実施形態に係る表示装置14を用いることができる。ピッキングシステムは、物品の種類別に設けられた備え付けコンテナ(例えば、カゴ台車)70から、各店舗に配送すべき物品を取り出して、作業者OPによって搬送される台車TCに当該物品を載せていくことにより、出荷先別に物品を仕分けるシステムである。
【0072】
(5−2)変形例B
また、上記実施形態では、電力供給部45が取り外された場合に表示画面の態様として、表示部42に「BAT OUT」を表示させたが、図11に示すように、電力供給部45が取り外された場合に画面に何も表示させなくてもよい。すなわち、表示切替部461は、電力供給部45が取り外されたことを示す文字を表示する代わりに、表示画面に表示させていた内容を消去してもよい。これによっても、電力供給部45が取り外されたか否かの判別が容易にできるため、電力供給部45の取り付け・取り外し作業を円滑に行うことができる。
【0073】
(5−3)変形例C
また、電力供給部45が取り外された場合に、表示部42に表示されている仕分け作業に関連する情報のうち一部の情報については、表示状態を維持してもよい。例えば、表示部42に表示された個数表示は消去し、ロケーションID(ロケーション番号)、店舗ID(店番号)、商品ID(商品番号)等の表示状態は維持するように設計してもよい。さらに、電力供給部45が取り外された場合に、個数表示以外の全ての情報が表示されるように設計されていてもよい。これによっても、バッテリーが取り外された場合に、表示装置14の表示態様が変化するので、電力供給部45の取り付け作業および取り外し作業を円滑に行うことができる。
【0074】
(5−4)変形例D
上記実施形態では、電圧検出部463によって検出される値と第1の閾値とを比較して、保持部47による電力供給部45の保持状態(第1状態または第2状態)の変化を検出した。しかし、保持部47にスイッチ機構を設け、保持部47による電力供給部45の保持状態によってスイッチがオン/オフ状態を切り替えるように設計されていてもよい。これにより、電圧検出部463によって電圧値をみることなく、表示画面の態様を変化させることができる。また、スイッチ機構を設けることにより、制御装置を駆動させることなく、表示部42単体で表示態様を変化させることができる。
【符号の説明】
【0075】
10 ホストコンピュータ
11 中継器
12 サブコンピュータ
13 表示コントローラ
14 表示装置
41 通信部
42 表示部
43 報知部
44(44a−44c) 入力部
45 電力供給部
46 制御装置
100 仕分けシステム
461 表示切替部
462 送信部
463 電圧検出部
464 補助電力供給部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0076】
【特許文献1】特開2007−290803号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ペーパーで構成される表示部と、
前記表示部の表示態様を切り替える切替部と、
前記切替部の駆動に用いられる電力を供給する電力供給部と、
前記電力供給部を保持する保持部と、
前記保持部による前記電力供給部の保持状態を検出する検出部と、
を備え、
前記切替部は、前記検出部による検出に基づき、前記表示態様を切り替える、
表示装置14。
【請求項2】
前記検出部は、前記電力供給部が前記保持部に保持されている第1状態から前記電力供給部が前記保持部に保持されていない第2状態への変化を検出し、
前記切替部は、前記検出部によって前記変化が検出されると、前記表示態様を切り替える、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記切替部による前記表示態様の切り替えは、前記表示部に所定の内容を表示させること、または、前記表示部に表示させていた内容を消去することである、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記保持部は、
枠体の内部に前記電力供給部を保持し、
前記電力供給部を覆う遮蔽部と、
前記電力供給部に対して前記枠体の外側に向けた外方向に第1の力を加える第1の付勢部と、
前記電力供給部に対して前記外方向に対向する内方向に第2の力を加える第2の付勢部と
を備え、
前記第2の付勢部は、
前記電力供給部が前記遮蔽部によって覆われているとき、前記第2の力を前記電力供給部に加え、
前記電力供給部が前記遮蔽部によって覆われていないとき、前記第2の力を前記電力供給部に加えない、
請求項1から3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記遮蔽部の第1部分は、前記遮蔽部が前記電力供給部を露出させる露出方向にスライドされたとき、前記第2の付勢部の第1部分と連結され、
前記電力供給部が露出するとき、前記第2の付勢部も前記露出方向に移動し、前記電力供給部に加えていた力を解放する、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記保持部は、
前記電力供給部に対して前記外方向に直交する直交方向に第3の力を加える第3付勢部をさらに備える、
請求項4または5に記載の表示装置。
【請求項1】
電子ペーパーで構成される表示部と、
前記表示部の表示態様を切り替える切替部と、
前記切替部の駆動に用いられる電力を供給する電力供給部と、
前記電力供給部を保持する保持部と、
前記保持部による前記電力供給部の保持状態を検出する検出部と、
を備え、
前記切替部は、前記検出部による検出に基づき、前記表示態様を切り替える、
表示装置14。
【請求項2】
前記検出部は、前記電力供給部が前記保持部に保持されている第1状態から前記電力供給部が前記保持部に保持されていない第2状態への変化を検出し、
前記切替部は、前記検出部によって前記変化が検出されると、前記表示態様を切り替える、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記切替部による前記表示態様の切り替えは、前記表示部に所定の内容を表示させること、または、前記表示部に表示させていた内容を消去することである、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記保持部は、
枠体の内部に前記電力供給部を保持し、
前記電力供給部を覆う遮蔽部と、
前記電力供給部に対して前記枠体の外側に向けた外方向に第1の力を加える第1の付勢部と、
前記電力供給部に対して前記外方向に対向する内方向に第2の力を加える第2の付勢部と
を備え、
前記第2の付勢部は、
前記電力供給部が前記遮蔽部によって覆われているとき、前記第2の力を前記電力供給部に加え、
前記電力供給部が前記遮蔽部によって覆われていないとき、前記第2の力を前記電力供給部に加えない、
請求項1から3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記遮蔽部の第1部分は、前記遮蔽部が前記電力供給部を露出させる露出方向にスライドされたとき、前記第2の付勢部の第1部分と連結され、
前記電力供給部が露出するとき、前記第2の付勢部も前記露出方向に移動し、前記電力供給部に加えていた力を解放する、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記保持部は、
前記電力供給部に対して前記外方向に直交する直交方向に第3の力を加える第3付勢部をさらに備える、
請求項4または5に記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−20156(P2013−20156A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154384(P2011−154384)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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