説明

表示駆動装置

【課題】バックライト減光後の画質を一定レベルに維持するように、バックライト減光率を制御することで、画質と電力削減率とを両立する。
【解決手段】MSE(Mean Square Error)などを画質の指標に用いて、バックライト減光後の画質が一定レベルになるようにデータ伸張率およびバックライト減光率を基準階調制御部(205)で制御する。前フレームのデータ伸張率とバックライト減光率をもとに、表示データを伸張しバックライトを減光した場合の入力表示画像に対する輝度低下量を誤差算出部(203)でMSEとして予め算出し、前記MSEが所定の基準値より大きければ、伸張部(220)によるデータ伸張率および調光制御部(230)によるバックライト減光率を前フレームより小さくする。一方、前記MSEが所定の基準値より小さければ、データ伸張率およびバックライト減光率を前フレームより小さくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データの伸張に応じてバックライトを減光する制御を行うことができる表示駆動装置に関し、例えば液晶表示システムに適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年バッテリ動作の情報機器、携帯電話などに液晶ディスプレイが搭載されている。これらのディスプレイはほとんどがバックライトを必要とする透過型、半透過型であり、現在液晶ディスプレイ部分の消費電力の多くがバックライトで占めるようになっており、この電力を削減する工夫が必要となっている。特に携帯電話においては、TV等の動画像が鑑賞できるようになり、ディスプレイを表示したまま長時間バッテリ駆動が必要となってきている。
【0003】
バックライトの電力削減の工夫としては、特許文献1に示されている方法などがある。例えば、バックライトが100%発光し、手前の液晶セルで80%の透過にした場合、見えるのは、80%の光である。この場合、バックライトが100%発光しているにもかかわらす、液晶セルで20%ダウンさせている。これに対し、バックライトを80%発光にして、液晶セルを100%透過にしている場合、見えるのは同様に80%の光であるが、バックライトの発光を80%に抑えることが出来る。これらの違いを利用して、バックライトの発光量を抑える。
【0004】
ある画像の画素値のヒストグラムが、輝度80%の画素が最大輝度をとっているような場合、表示データを5/4倍に伸張し、バックライトの発光光量を80%に減光することで、全く同一の画像を80%の発光量で表示することが出来る。
【0005】
さらに、ヒストグラムを利用し、最大側からの出現頻度が所定の値x%にあたる階調データDsが最大階調となるように画像データを伸張して、伸張した分バックライトを減光すると、画像の最大輝度を利用している方式に比べ、さらに少ない発光量で表示が可能となる。
【0006】
特許文献2には、階調分布を拡大するように変換された画像データに対して、その拡大に応じてバックライトの光量を制御(調光)するとき、調光による明るさの変化を減少させるように画像データの階調を制御する画像表示の技術が記載される。ここでは、階調分布を拡大するように変換された画像データの階調値の平均値と調光率との積が、変換前の画像データの階調値の平均に近づくように画像データの階調値を補正するものである。
【0007】
【特許文献1】特開平11−65531号公報
【特許文献2】特開2006−308632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者等は本発明に先立って、携帯電話に搭載される液晶ドライバ半導体集積回路の研究・開発に従事した。
【0009】
この研究・開発の途中で、本発明者等は上記特許文献1に記載のバックライト省電力化技術に関する従来技術について、詳細に検討を行った。この従来技術を採用すると、所定の値x%にあたる階調Dsより高階調画素において、表示データを十分に伸張できないため、バックライト減光により高階調画素の輝度が低下すると言う問題が本発明者等による検討によって明らかとされた。また同時に、前記輝度低下量は表示画像によって異なることも明らかになった。このため、従来技術であらゆる表示画像において一定以上の画質を得るためには、輝度低下量がワーストとなる表示画像でもその輝度低下量の絶対量が小さくなるように、前記所定の値x%を小さく設定することが必須である。この場合、一定以上の画質は保証されるが、あらゆる画像でバックライトの電力削減効果は小さくなる。特許文献2においては、階調分布を拡大するように変換処理前後の表示平均値輝度が一致するように画像データの階調値を補正するものであるが、輝度平均によって表示平均値輝度を一致させる制御では、補正後の画質の向上を期待できない場合がある。
【0010】
本発明は、以上のような本発明に先立った本発明者等の検討の結果、なされたものである。
【0011】
本発明の目的とするところは、あらゆる表示画像においてバックライト減光後の画質を一定レベルに維持するように、バックライト減光率を制御することで、画質と電力削減率の両立を可能とする表示駆動装置を提供することである。
【0012】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0014】
すなわち、本願では、例えばMSE(Mean Square Error)又はPSNR(Peak Signal to Noise Ratio)を画質の指標に用いて、バックライト減光後の画質が一定レベルになるようにデータ伸張率およびバックライト減光率を制御することを特徴とする。その制御方法についてMSEを用いた場合を例に簡単に以下に示す。なお、PSNRの場合も同様である。まず前フレームのデータ伸張率とバックライト減光率をもとに、表示データを伸張しバックライトを減光した場合の入力表示画像に対する輝度低下量をMSEとして予め算出し、前記MSEが所定の基準値より大きければ、データ伸張率およびバックライト減光率を前フレームより小さくする。一方、前記MSEが所定の基準値より小さければ、データ伸張率およびバックライト減光率を前フレームより小さくする。以上の制御によれば、表示画像によらず、出力表示画像のMSEまたはPSNR、すなわち画質の指標が、所定の基準値となる。
【発明の効果】
【0015】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0016】
すなわち、本発明によれば、表示データを伸張し、バックライトを減光するバックライト省電力化技術において、減光後の画質が一定となるようにバックライトの減光率をコントロールできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0018】
〔1〕本発明に係る表示駆動装置(図2)は、入力される表示データに応じて表示パネルを駆動するものであって、基準階調(Ds(n))を入力し、該基準階調が最大階調になるように前記入力される表示データを伸張する伸張部(220)と、前記基準階調に応じてバックライトを調光するための調光制御部(230)と、前記入力される表示データに対応する表示輝度と、前記バックライトの調光後の表示輝度との誤差を算出する誤差算出部(203)と、前記誤差算出部における誤差の算出結果が、第1の基準値に等しくなるように、前記基準階調を変更する基準階調制御部(205)と、を有する。
【0019】
上記手段によれば、表示データに対応する表示輝度と調光後の表示輝度との誤差が第1の基準値に等しくなるように基準階調を変更して、現表示データに対する伸張率と表示パネルに対する減光率を決めるから、前後の表示平均輝度を単に一致させる制御に比べて、減光後の画質を一定に維持することが容易になる。
【0020】
〔2〕項1の表示駆動装置において、前記伸張部は、該基準階調が最大階調になる係数を、表示データの画素成分毎の値に乗算することによって表示データを伸張する。
【0021】
〔3〕項1の表示駆動装置において、前記誤差算出部は、現表示フレームの表示データの輝度と、現表示フレームの表示データを前の表示フレームの基準階調を用いて伸張して得られる輝度との誤差を算出する。
【0022】
〔4〕項1の表示駆動装置において、前記誤差として平均二乗誤差MSE(Mean Square Error)を用いる。
【0023】
〔5〕項1の表示駆動装置において、前記階調制御部における前記第1の基準値は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定される値で変更可能である。
【0024】
〔6〕項4の表示駆動装置において、前記階調制御部における1フレーム間で変更する前記基準階調の階調数は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定される値、または、前記平均二乗誤差の大きさに応じて変更される。
【0025】
〔7〕別の観点による本発明に係る表示駆動装置(図5)は、入力される表示データに応じて表示パネルを駆動するものであって、基準階調を入力し、該基準階調が最大階調になるように前記入力される表示データを伸張する伸張部(220)と、前記基準階調に応じてバックライトを調光するための調光制御部(230)と、前記入力される表示データに対応する表示輝度と、前記バックライトの調光後の表示輝度との平均二乗誤差MSE(Mean Square Error)を算出する誤差算出部(203)と、1フレームに対して、前記入力される表示データのうち、同一の階調値である割合を判定する同一階調値の割合判定部(501)と、前記同一階調値の割合判定部による判定結果に従って、前記誤差算出部における平均二乗誤差の算出結果が、第1の基準値または第2の基準値に等しくなるように、前記基準階調を変更する階調制御部(205)と、を有する。前記階調制御部は、1フレームに対して、前記入力される表示データのうち、同一の階調値である割合が第3の基準値より小さい場合に前記第1の基準値を使用して前記基準階調を変更し、1フレームに対して、前記入力される表示データのうち、同一の階調値である割合が第3の基準値より大きい場合に前記第2の基準値を使用して前記基準階調を変更する。これによれば、ベタ画像表示において項1の表示駆動装置に比べて低消費電力を実現することができる。
【0026】
〔8〕項7の表示駆動装置において、前記第1の基準値、前記第2の基準値、及び前記第3の基準値は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定される値で変更可能である。
【0027】
〔9〕項8の表示駆動装置において、前記第2の基準値は前記第1の基準値よりも大きい。低消費電力を実現するための一つの条件である。
【0028】
〔10〕項9の表示駆動装置において、前記階調制御部における変更前の基準階調と変更後の基準階調の差分は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定された値、または、前記平均二乗誤差の大きさに応じて変更される。
【0029】
〔11〕更に別の観点による本発明に係る表示駆動装置(図8)は、入力される表示データに応じて表示パネルを駆動するものであって、基準階調を入力し、該基準階調が最大階調になるように前記入力される表示データを伸張する伸張部(220)と、前記基準階調に応じてバックライトを調光するための調光制御部(230)と、前記入力される表示データに対応する表示輝度と、前記バックライトの調光後の表示輝度との平均二乗誤差MSE(Mean Square Error)を算出する誤差算出部(203)と、1フレームに対して、前記入力される表示データのうち、肌色である割合を判定する肌色の割合判定部(801)と、前記肌色の割合判定部による判定結果に従って、前記誤差検出部における平均二乗誤差の算出結果が、第1の基準値、または第4の基準値に等しくなるように、前記基準階調を変更する階調制御部(205)と、を有する。前記階調制御部は、前記入力される表示データのうち、肌色である割合が第5の基準値より小さい場合に前記第1の基準値を使用して前記基準階調を変更し、1フレームに対して、前記入力される表示データのうち、肌色である割合が第5の基準値より大きい場合に前記第4の基準値を使用して前記基準階調を変更する。これによれば、肌色表示において項1の表示駆動装置に比べて高画質を実現することができる。
【0030】
〔12〕項11の表示駆動装置において、前記肌色の割合判定部は、前記入力される表示データを色相、彩度、明度のすべて、あるいはいずれかに変換する機能と、前記色相、彩度、明度のすべて、あるいはいずれかから肌色を特定する機能を有する。
【0031】
〔13〕項11の表示駆動装置において、前記第1の基準値、前記第4の基準値、及び前記第5の基準値は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定される値で変更可能である。
【0032】
〔14〕項13の表示駆動装置において、前記第4の基準値は前記第1の基準値よりも小さい。画質向上の一つの条件である。
【0033】
〔15〕項14の表示駆動装置において、前記階調制御部における1フレーム間で変更する前記基準階調の階調数は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定される値、または、前記平均二乗誤差の大きさに応じて変更される。
【0034】
〔16〕更に別の観点による本発明に係る表示駆動装置(図11)は、入力される表示データに応じて表示パネルを駆動するものであって、基準階調を入力し、該基準階調が最大階調になるように前記入力される表示データを伸張する伸張部と、前記基準階調に応じてバックライトを調光するための調光制御部と、前記入力される表示データに対応する表示輝度と、前記バックライトの調光後の表示輝度との平均二乗誤差MSE(Mean Square Error)を、表示パネルの複数の表示領域毎算出する誤差算出部と、前記誤差算出部における表示領域毎の誤差の算出結果の最大値が、第1の基準値に等しくなるように、前記基準階調を変更する基準階調制御部と、を有する。これによれば、表示パネルのどの分割エリア(表示エリア)において誤差が一定基準以上となるようにバックライトの減光率を決定できるので、画像表示の品質を更に良好に維持することができる。
【0035】
〔17〕項16の表示駆動装置において、前記第1の基準値は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定される値で変更可能である。
【0036】
〔18〕項17の表示駆動装置において、前記階調制御部における1フレーム間で変更する前記基準階調の階調数は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定される値、または、前記平均二乗誤差の大きさに応じて変更される。
【0037】
〔19〕更に別の観点による本発明に係る表示駆動装置(図13)は、入力される表示データに応じて表示パネルの複数の表示領域毎に個別に駆動するものであって、前記表示領域毎に基準階調を入力し、該基準階調が最大階調になるように前記入力される表示データを伸張する伸張部と、対応する表示領域の前記基準階調に応じて対応する表示領域のバックライトを調光するための調光制御部と、前記入力される表示データに対応する表示輝度と、前記バックライトの調光後の表示輝度との平均二乗誤差MSE(Mean Square Error)を、表示パネルの複数の表示領域毎算出する誤差算出部と、前記誤差算出部における表示領域毎の誤差の算出結果の最大値が、第1の基準値に等しくなるように、前記基準階調を変更する基準階調制御部と、を前記表示領域毎に有する。これによれば、表示パネルのどの分割エリア(表示エリア)において誤差を一定に保つようにバックライトの減光率を決定できるので、項16の表示駆動装置よりも更に画像表示品質を良好に維持することができる。
【0038】
〔20〕項19の表示駆動装置において、前記第1の基準値は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定される値によって変更可能である。
【0039】
〔21〕項20の表示駆動装置において、前記階調制御部における1フレーム間で変更する前記基準階調の階調数は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定される値、または、前記平均二乗誤差の大きさに応じて変更される。
【0040】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
【0041】
《液晶表示駆動装置》
図1には本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示駆動装置(液晶ドライバ)を適用した液晶表示システムが例示される。図中101は液晶ドライバを表す。102から110までは、液晶ドライバ101の内部ブロックを表している。システムインタフェース102は、表示データや液晶ドライバの各所をコントロールするコントロールレジスタへの書き込みデータなどを液晶ドライバ101の外部から内部ブロックへ受け渡しを行う。コントロールレジスタ103は液晶ドライバ各所のコントロールを行うレジスタの集合である。バックライト制御回路104は、本発明の中心となる回路ブロックであり、システムインタフェース102から来る表示データを受け取り、後述の表示データ伸張処理を行い、グラフィックRAM105へ転送する。また、バックライト電源の電圧を制御する信号をバックライト電源回路110へ送信する。グラフィックRAM105は、表示データを受け取り、蓄積し、ソース線駆動回路108へ表示データを受け渡す、バッファの役割をしている。タイミング発生回路106は、コントロールレジスタ103の内容を元に、液晶ドライバ101全体の動作タイミングを生成している。階調電圧生成回路107は、ソース線駆動回路108で使用する階調電圧を生成している。ソース線駆動回路108は、グラフィックRAM105から来る表示データで、階調電圧生成回路107で生成した階調電圧の中から、特定の電圧を選択し、ソース信号111として液晶パネル115のソース端子に出力している。液晶駆動レベル発生回路109では、液晶の駆動に使用されるゲート信号及びコモン信号112を生成し、液晶パネル115のゲート端子及びコモン端子に出力している。バックライト電源回路110は、バックライト制御回路104からの情報を基に所望の電圧を生成してバックライト電源線113へ供給し、また、コントロールレジスタ103から、点灯、消灯の命令を受け取り、点灯、消灯のための電圧を生成し、バックライト電源線113へ供給する。
【0042】
外部ブロックとして、制御プロセッサ114、液晶パネル115、及びバックライトモジュール116が配置される。制御プロセッサ114は、表示データを液晶ドライバ101へシステムインタフェース102を介して転送する。液晶パネル115は、液晶ドライバ101からソース信号111と、ゲート信号及びコモン信号112とを受け取り、表示を行う。また、バックライトモジュール116は、液晶ドライバ101からのバックライト電源線113を通じて電源を受け、所望の明るさでバックライトを点灯して、液晶パネル115を照射する。これによって、液晶パネル115の表示を可視光として見ることが出来る。
【0043】
これらのブロックを使用し、液晶ドライバ101は、以下のように動作する。システムインタフェース102を介し、外部から表示データを取り込み、バックライト制御回路104へ転送する。バックライト制御回路104では、後述する表示データの伸張処理を行い、グラフィックRAM105へ蓄積する。タイミング発生回路106でグラフィックRAM105の読み出しタイミングを発生し、そのタイミングで表示データをソース線駆動回路108に転送する。そこでは、階調電圧生成回路107で生成した階調電圧から前述の表示データで電圧を選択し、ソース信号111として液晶パネル115に送信する。また、タイミング発生回路106で作成したタイミングを使用し、液晶駆動レベル発生回路109でゲート信号及びコモン信号112を作成し、これも液晶パネル115へ送信する。また、バックライト制御回路104からの情報により、バックライト電源回路110で電圧を生成し、バックライト電源線113に印加する。これにより、バックライトモジュール116を点灯させる。点灯したバックライトは液晶パネル115を照射し、これにより表示を見ることが出来る。また、制御プロセッサ104から、バックライトの点灯、消灯を行う場合、システムインタフェース102を介し、コントロールレジスタ104にその情報が書き込まれ、これがバックライト電源回路110に伝えられ、バックライト電源回路110は、点灯、消灯の電圧を生成し、これがバックライト電源線113に印加されて、バックライトモジュール116が点灯、消灯する。この動作は、バックライト制御回路104が生成するバックライト電源の電圧を制御する信号より優先される。
【0044】
《バックライト制御回路》
図2と図3を用いてバックライト制御回路104の第1の具体例について説明する。バックライト制御回路104は、バックライト省電力化技術において、表示画像における画素の輝度(階調)のヒストグラムによらず現出力画像とその前の画像との間のMSEまたはPSNRが一定値となるように表示データの伸張率とバックライトの減光率を制御するものであり、以下の構成で実現される。
【0045】
バックライト制御回路104は、誤差算出部としてのMSE算出回路203、基準階調制御部としてのDs制御回路205、及び伸張部としてのデータ伸張回路220、及び調光制御部としてのバックライト電圧生成回路230を備える。
【0046】
MSE算出回路203では、入力表示データDin(200)と、1フレーム期間を示すフレームSYNC201と、前フレームからフィードバックされた202で示されるDs(n−1)を入力とし、202で示されるDs(n−1)に基づきデータを伸張してバックライトを減光した場合、どの程度輝度低下するかの指標として、MSE(Mean Square Error:平均二乗誤差)を算出し、算出した結果を後段のDs制御回路205に転送する。Dsは、バックライト減光率と表示データの拡張率を決めるための基準とされる基準階調を意味する。例えば表示の階調が256階調のときDsは、0<Ds<255の値とされる。
【0047】
MSE算出回路203について図3A乃至図3Cを参照しながら説明する。表示部における輝度低下量は、γ特性を考慮すれば、入力データ値に置き換えることができる。そこで、前記MSEを求める手段として、まず図3Aに示す座標(i,j)の輝度低下量を図3Bに示す表示データの低下値Error(i,j)に変換する。この変換は、数1の式に従った図3Cの変換テーブルを用いる。輝度低下をデータ値に変換する形態であればそのようなテーブルを使用しない方法であっても構わない。次に、全画素のError(i,j)をもとに数2の式に従ってMSEを算出する。
【0048】
【数1】

【0049】
【数2】

【0050】
Ds制御回路205では、MSE算出回路203からのMSEと202で示されるDs(n−1)と外部からのMSE基準値k(204)を入力とし、前記MSEがMSE基準値k(204)になるように202で示されるDs(n−1)を加減算し、その結果であるDs(n)を後段のデータ伸張部220とバックライト制御回路230に転送する。より好適な実施の形態では、数3の式の条件に従い、前記MSEがMSE基準値kより大きければ202で示されるDs(n−1)をA階調大きくし、MSE基準値kより小さければ、202で示されるDs(n−1)をA階調小さくする。
【0051】
【数3】

【0052】
上記MSE算出回路203とDs制御回路205の形態によれば、表示画像によらず、MSEがMSE基準値k(204)に収束する方向に206で示されるDs(n)が動作する。なお、MSE基準値kは図4Aのように外部レジスタで変更可能とする。また、Aについては外部のコントロールレジスタ103で任意の定数に変更可能である。
【0053】
本実施の形態では、A>1で、MSEが“MSE基準値k+A”と204で示されるMSE基準値kの間に位置するとき、MSEが収束しないため、MSEが“MSE基準値k+B(任意の定数)”の範囲にあるときは伸張率および減光率を変更しないことが好ましい。あるいは、本実施の形態ではAを任意の定数としたが、MSEの値とMSE基準値k(204)の差が小さいとき、Aを小さく動作させてもよい。
【0054】
データ伸張部220では、入力表示データとDs制御回路205からのDs(n)206を入力とし、Ds(n)206が最大階調となるように表示データを伸張し、グラフィックRAM105に出力する。
【0055】
データ伸張部220について更に説明する。まず、表示データ伸張係数計算部221で、Ds(n)206を用い、255/Ds(n)を行い、Ds(n)206が最大階調となるように表示データ伸張係数e222を算出する。次に乗算部223において、表示データ伸張係数e222を入力表示データDi200に掛算し、その掛算結果が255を超える場合に255とする飽和演算を演算器224で行う224。最後に演算器225で小数点以下を切り捨て、得られた伸張表示データをグラフィックRAM105に出力する。演算器223による乗算は画像データのRGBの画素単位で行う。ここでは、RGBで決まる色に応じて256の範囲の中で階調が割当てられている。したがって、表示データに対する表示データ伸張係数の乗算は画素の階調の変更、即ち、画素の輝度変更とされる。
【0056】
バックライト電圧生成回路230では、207で示されるDs(n)を入力とし、このDs(n)を参照して、テーブル231を使用してバックライト電圧選択信号232をバックライトモジュール116に出力する。
【0057】
上記一連の形態の動作の実施により、出力表示は、入力表示データに対してMSE基準値kに相当するPSNRの画質に数フレームかけて収束する。MSE値とPSNR値との対応関係は図4Aに例示される。204で示されるMSE基準値kを6.5に設定した場合を例に図4Bを用いて説明すると、k=6.5はPSNR40[dB]に相当し、バックライト減光後の画質は、表示画像における輝度の分布によらず、前フレームの画像データに対して入力表示データが40[dB]となる。
【0058】
《ベタ画像への対応》
ベタ画像を考慮したバックライト制御回路の第2の具体例について説明する。入力表示画像が同色同階調で構成される所謂ベタ画像の場合には、他画像と比べて輝度低下を視認しにくいことが発明者等の検討から判っている。そこで、図2のバックライト制御回路104に比べて、表示画像が全面ベタ画像、或いはベタ表示領域の占有率が高い画像(これらを単にベタ画像と総称する。)において、このデータの伸張率およびバックライトの減光率を大きくするように調整する機能を追加したバックライト制御回路について説明する。
【0059】
図5にはベタ画像に対してデータの伸張率およびバックライトの減光率を大きくするように調整する機能を追加したバックライト制御回路が例示される。これは、MSE算出回路203、Ds制御回路205、データ伸張回路220、及びバックライト電圧生成回路230から構成されるのは図2と同様であるが、さらに割合判定部としてのベタ画像判定回路501と基準値加重回路504を備える。
【0060】
図2との相違点について説明する。ベタ画像判定回路501では、入力表示データDin200と502で示されるベタ画像基準値Esを入力とし、入力表示データがベタ画像であるかを判定し、503で示される判定信号Bjを出力する。ベタ画像判定回路501の内部動作を図6を参照しながら説明する。まず、図6Aのように、表示データDin(i、j)に例えば上と左で隣接する表示データDin(i、j−1)とDin(i−1、j)との間で階調差があるか否かを把握する。これに従って処理手順を示す図6Bにおいて、入力表示データの水平方向i番目、垂直方向j番目の表示データDin(i、j)が、Din(i、j−1)とDin(i−1、j)と同値であれば、エッジのカウント値Edge(i、j)を0とし、同値でない場合は、その数に応じて1または2とし、その値をEdge(i、j)とする。次に、1フレームの表示データの全画素についてEdge(i、j)を累計した値EdgeSumを算出し、EdgeSumが所定の定数Esより小さければ、入力表示データはベタ画像であると判定し、503の判定信号Bj=0を出力する。また、EdgeSumが定数Esより大きければ、入力表示データはベタ画像以外と判定し、503の判定信号Bj=1を出力する。なお、502のEsは外部のコントロールレジスタ103で変更可能な定数とする。
【0061】
基準値加重回路504では、外部から入力される505の基準値加重係数Lとベタ画像判定回路501からの判定信号Bj(503)を入力とし、Bj=0のときはMSE基準値kをL倍(L>1)し、Bj=1のときは1倍し、後段のDs制御回路205へ出力する。また、MSE基準値加重係数L(505)はコントロールレジスタ103で図7に示すように設定を変更できるものとする。
【0062】
上記構成により、表示画像がベタ画像の場合において、図2の場合より更にバックライトの減光率を大きくすることができる。
【0063】
なお、本実施の別の形態として、表示画像がベタ画像の場合に、基準値加重回路504の代わりに、MSE算出回路203の後段で判定信号BjとMSEを入力とし、MSEを加重する回路を備え、MSEをP倍(P<1)しても構わない。
【0064】
《肌色の多い画像への対応》
図2のバックライト制御回路では肌色画素を多く含む人物画像は他画像に比べてその輝度低下を視認しやすい。図2のバックライト制御回路に対して、表示画像が肌色画素を含むとき、肌色画素の輝度が低下しないように、バックライトの減光率を調整する機能を更に備えたバックライト制御回路の第3の具体例について説明する。図8にはそのようなバックライト制御回路が例示される。図8のバックライト制御回路104は、MSE算出回路203、Ds制御回路205、データ伸張回路220、及びバックライト電圧生成回路230から構成されるのは第1の実施の形態と同様であるが、更に、肌色の割合判定部としての肌色検出回路801と基準値加重回路804を備える。以下、図2との相違点について説明する。
【0065】
肌色検出回路801では、入力表示データを入力とし、数4の式に従って画素毎に色相Hを算出し、その色相Hが肌色の色相領域である0から30の間であるとき、判定信号Hj=0を出力し、色相Hが30から360の値をとるときHj=1を出力する。なお、ここでは、肌色の特定に色相を用いたが、肌色を特定可能であれば彩度や明度、RGBを用いるほかの方法またはこれらの組合せで実現しても構わない。
【0066】
【数4】

【0067】
基準値加重回路804では、外部からの基準値加重係数V(803)と肌色検出回路801からの判定信号Hj(802)を入力とし、Hj=0のときはMSE基準値kをV倍(V<1)し、Hj=1のときは1倍し、後段のDs制御回路205へ出力する。また、基準値加重係数V(803)はコントロールレジスタ103で図9に示すように設定を変更できるものとする。
【0068】
上記により、表示画像が肌色画素を多く含む場合において、図2のバックライト制御回路よりバックライト減光率が小さくなり、出力表示の画質を向上することができる。
【0069】
なお、図8の構成において、表示画像が肌色画素を含む場合に、基準値加重回路804の代わりに、MSE算出回路203の後段で、MSEおよび判定信号Hi(802)を入力し、MSEを加重する回路を備え、MSEをQ倍(Q>1)するようにしてもよい。
【0070】
《分割エリア毎に算出した誤差の最大誤差に基づくバックライト制御》
図2のバックライト制御回路において、出力表示のMSEは設定値に収束するが、表示画像の局所エリアにおけるMSEが大きく、表示の一部で輝度低下が知覚しやすい可能性がある。ここでは、図10に示すように、表示パネルを複数エリアに分割し、どのエリアでもMSEが設定値以上にならないようにバックライト減光率を調整する機能を備えたバックライト制御回路の第4の具体例について説明する。図11にはそのようなバックライト制御回路104の構成が例示される。同図に示されるバックライト制御回路104は、Ds制御回路205、データ伸張回路220、及びバックライト電圧生成回路230から構成されるのは図2と同様であるが、MSE算出回路1002を、分割したデータに対応して複数備え、また最大MSE選択回路1004と表示データのエリア分割回路1001を追加して備える点が図2と相違される。
【0071】
表示データのエリア分割回路1001では、分割した表示エリアに対応するように表示データを分割し、次に分割した表示データをもとにMSE算出回路1002で分割エリア毎にMSEを算出する。これら各エリアのMSE(t)のうち、最大MSE選択回路1003で分割エリア毎のMSE(t)の中から最大のMSE(MSEmax)を選択して、後段のDs制御回路205に出力する。この例において図10に図示されていない回路要素には図1乃至図4に基づいて説明した構成を適用することができる。
【0072】
これによれば、後段のDs制御回路205では上記MSEmaxをもとにDsを制御するため、表示パネルのどの分割エリアにおいてもMSEまたはPSNRが一定基準以上となるように、バックライトの減光率が決定される。
【0073】
《分割エリア毎に算出した誤差に基づく分割エリア毎のバックライト制御》
図13には分割エリア毎にMSEまたはPSNRが一定値を保てるようにした液晶ドライバによる表示システムの例が示される。図12Aには図13を適用した場合における表示画像の画質を示し、図12Bはそのときのバックライト光量を表示パネルのエリア毎に示している。
【0074】
図13の表示システムは、表示エリアを分割したエリア毎にバックライトモジュールを備え、エリア毎に発光光量を独立に調光できる液晶ドライバ101を備える。この液晶ドライバ101は、入力表示データを表示エリア毎に分割する表示エリア分割回路1300を備え、分割されるエリア毎に、図1のバックライト制御回路104、グラフィックRAM105、タイミング発生回路106、階調電圧生成回路107,ソース線駆動回路108、液晶駆動レベル発生回路109,バックライト電源回路110と同じ構成を有し、表示エリア毎でPSNRを一定値に保つようになっている。表示エリア分割回路1300は、入力表示データを表示エリア毎に分割して、対応する後段のバックライト制御回路104へ対応する分割表示データを転送する。バックライト制御回路104、グラフィックRAM105、タイミング発生回路106、階調電圧生成回路107,ソース線駆動回路108、液晶駆動レベル発生回路109,バックライト電源回路110は分割したデータを用いること以外は図1と同じ動作を行い、液晶パネル表示エリア1301とバックライトモジュール1302に転送する。これにより、分割した表示エリアについて、どのエリアでも出力表示のPSNRを一定値に保つことが可能である。尚、図13の場合、グラフィックRAM105は分割表示エリア毎のRAMエリア(記憶領域)を意味する。この例において図13に図示されていない回路要素には図1乃至図4に基づいて説明した構成を適用することができる。
【0075】
ここでは、バックライト制御回路104、グラフィックRAM105、タイミング発生回路106、階調電圧生成回路107,ソース線駆動回路108、液晶駆動レベル発生回路109,バックライト電源回路110を分割エリア毎に備える場合について説明したが、1組だけ備えて、表示エリア毎のデータを時分割に処理するように構成することも可能である。
【0076】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0077】
例えば、以上の説明ではバックライト調光後の表示輝度との誤差をMSEとしたが、輝度差を表すものであれば、MSE以外の指標を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は第1の例に係る液晶ドライバを用いた液晶表示システムのブロック図である。
【図2】図2は図1の液晶ドライバに適用されるバックライト制御回路の第1の例を示すブロック図である。
【図3A】図3Aは第1の例のバックライト制御回路におけるMSE算出回路の内部動作として入力表示データの階調値と表示輝度との関係を示す説明図である。
【図3B】図3Bは第1の例のバックライト制御回路におけるMSE算出回路の内部動作として入力表示データの階調値と出力階調との関係を示す説明図である。
【図3C】図3Cは第1の例のバックライト制御回路におけるMSE算出回路の内部動作として入力表示データの階調値とエラー値との関係を示す説明図である。
【図4A】図4Aは第1の例のバックライト制御回路における出力表示の画質の設定方法としてレジスタ値と誤差との関係を例示する説明図である。
【図4B】図4Bは第1の例のバックライト制御回路における出力表示の画質一定の場合に表示画像に応じてバックライトの電力削減率が異なることを示す説明図である。
【図5】図5は図1の液晶ドライバに適用されるバックライト制御回路の第2の例を示すブロック図である。
【図6A】図6Aはベタ画像判定処理において用いる隣接画像データ間の輝度の相違を把握するときの概念を例示する説明図である。
【図6B】図6Bは図5におけるベタ画像判定処理手順を例示する説明図である。
【図7】図7は図5における基準値加重係数の設定方法を示す説明図である。
【図8】図8は図1の液晶ドライバに適用されるバックライト制御回路の第3の例を示すブロック図である。
【図9】図9は図8における基準値加重係数の設定方法を示す説明図である。
【図10】図10は図11のバックライト制御回路における効果を説明するための図である。
【図11】図11は図1の液晶ドライバに適用されるバックライト制御回路の第4の例を示すブロック図である。
【図12A】図12Aは図13の液晶ドライバにより夫々の分割エリアで誤差が均一となる効果を説明する図である。
【図12B】図12Bは図13の液晶ドライバにより夫々の分割エリアの輝度が別々にされるという効果を説明する図である。
【図13】図13は第2の例に係る液晶ドライバを用いた液晶表示システムのブロック図である。
【符号の説明】
【0079】
101 液晶ドライバ
102 システムインタフェース
103 コントロールレジスタ
104 バックライト制御回路
105 グラフィックRAM
106 タイミング発生回路
107 階調電圧生成回路
108 ソース線駆動回路
109 液晶駆動レベル発生回路
110 バックライト電源回路
111 液晶ソース信号
112 液晶ゲート信号、コモン信号
113 バックライト電源線
114 制御プロセッサ
115 液晶パネル
116 バックライトモジュール
200 入力表示データ
201 フレームSYNC
202 前フレームのDs信号
203 MSE算出回路
204 MSE基準値
205 Ds制御信号
206 Ds信号
220 データ伸張部
221 表示データ伸張係数計算回路
222 伸張係数
223 入力ピクセルデータ×ピクセル伸張係数の計算部
224 飽和演算処理部
225 小数点以下切捨て部
226 伸張表示データ
230 バックライト電圧生成回路
231 電圧選択テーブル
232 バックライト電圧選択信号
501 ベタ画像判定回路
502 ベタ画像基準値
503 判定信号
504 基準値加重係数
505 基準値加重回路
801 肌色検出回路
802 判定信号
803 基準値加重係数
804 基準値加重回路
1001 エリア分割回路
1002 MSE算出回路
1003 MSE(t)
1004 最大MSE選択回路
1300 表示エリア分割回路
1301 液晶パネル表示エリア
1302 バックライトモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される表示データに応じて表示パネルを駆動する表示駆動装置であって、
基準階調を入力し、該基準階調が最大階調になるように前記入力される表示データを伸張する伸張部と、
前記基準階調に応じてバックライトを調光するための調光制御部と、
前記入力される表示データに対応する表示輝度と、前記バックライトの調光後の表示輝度との誤差を算出する誤差算出部と、
前記誤差算出部における誤差の算出結果が、第1の基準値に等しくなるように、前記基準階調を変更する基準階調制御部と、を有する表示駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示駆動装置において、
前記伸張部は、該基準階調が最大階調になる係数を、表示データの画素成分毎の値に乗算することによって表示データを伸張する、表示駆動装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表示駆動装置において、
前記誤差算出部は、現表示フレームの表示データの輝度と、現表示フレームの表示データを前の表示フレームの基準階調を用いて伸張して得られる輝度との誤差を算出する、表示駆動装置。
【請求項4】
請求項1に記載の表示駆動装置において、
前記誤差として平均二乗誤差MSE(Mean Square Error)を用いる表示駆動装置。
【請求項5】
請求項1に記載の表示駆動装置において、
前記階調制御部における前記第1の基準値は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定される値で変更可能である、表示駆動装置。
【請求項6】
請求項4に記載の表示駆動装置において、
前記階調制御部における1フレーム間で変更する前記基準階調の階調数は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定される値、または、前記平均二乗誤差の大きさに応じて変更される、表示駆動装置。
【請求項7】
入力される表示データに応じて表示パネルを駆動する表示駆動装置であって、
基準階調を入力し、該基準階調が最大階調になるように前記入力される表示データを伸張する伸張部と、
前記基準階調に応じてバックライトを調光するための調光制御部と、
前記入力される表示データに対応する表示輝度と、前記バックライトの調光後の表示輝度との平均二乗誤差MSE(Mean Square Error)を算出する誤差算出部と、
1フレームに対して、前記入力される表示データのうち、同一の階調値である割合を判定する同一階調値の割合判定部と、
前記同一階調値の割合判定部による判定結果に従って、前記誤差算出部における平均二乗誤差の算出結果が、第1の基準値または第2の基準値に等しくなるように、前記基準階調を変更する階調制御部と、を有し、
前記階調制御部は、1フレームに対して、前記入力される表示データのうち、同一の階調値である割合が第3の基準値より小さい場合に前記第1の基準値を使用して前記基準階調を変更し、1フレームに対して、前記入力される表示データのうち、同一の階調値である割合が第3の基準値より大きい場合に前記第2の基準値を使用して前記基準階調を変更する、表示駆動装置。
【請求項8】
請求項7に記載の表示駆動装置において、
前記第1の基準値、前記第2の基準値、及び前記第3の基準値は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定される値で変更可能である、表示駆動装置。
【請求項9】
請求項8に記載の表示駆動装置において、
前記第2の基準値は前記第1の基準値よりも大きい、表示駆動装置。
【請求項10】
請求項9に記載の表示駆動装置において、
前記階調制御部における変更前の基準階調と変更後の基準階調の差分は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定された値、または、前記平均二乗誤差の大きさに応じて変更される、表示駆動装置。
【請求項11】
入力される表示データに応じて表示パネルを駆動する表示駆動装置であって、
基準階調を入力し、該基準階調が最大階調になるように前記入力される表示データを伸張する伸張部と、
前記基準階調に応じてバックライトを調光するための調光制御部と、
前記入力される表示データに対応する表示輝度と、前記バックライトの調光後の表示輝度との平均二乗誤差MSE(Mean Square Error)を算出する誤差算出部と、
1フレームに対して、前記入力される表示データのうち、肌色である割合を判定する肌色の割合判定部と、
前記肌色の割合判定部による判定結果に従って、前記誤差検出部における平均二乗誤差の算出結果が、第1の基準値、または第4の基準値に等しくなるように、前記基準階調を変更する階調制御部と、を有し、
前記階調制御部は、前記入力される表示データのうち、肌色である割合が第5の基準値より小さい場合に前記第1の基準値を使用して前記基準階調を変更し、1フレームに対して、前記入力される表示データのうち、肌色である割合が第5の基準値より大きい場合に前記第4の基準値を使用して前記基準階調を変更する、表示駆動装置。
【請求項12】
請求項11に記載の表示駆動装置において、
前記肌色の割合判定部は、前記入力される表示データを色相、彩度、明度のすべて、あるいはいずれかに変換する機能と、前記色相、彩度、明度のすべて、あるいはいずれかから肌色を特定する機能を有する、表示駆動装置。
【請求項13】
請求項11に記載の表示駆動装置において、
前記第1の基準値、前記第4の基準値、及び前記第5の基準値は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定される値で変更可能である、表示駆動装置。
【請求項14】
請求項13に記載の表示駆動装置において、
前記第4の基準値は前記第1の基準値よりも小さい、表示駆動装置。
【請求項15】
請求項14に記載の表示駆動装置において、
前記階調制御部における1フレーム間で変更する前記基準階調の階調数は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定される値、または、前記平均二乗誤差の大きさに応じて変更される、表示駆動装置。
【請求項16】
入力される表示データに応じて表示パネルを駆動する表示駆動装置であって、
基準階調を入力し、該基準階調が最大階調になるように前記入力される表示データを伸張する伸張部と、
前記基準階調に応じてバックライトを調光するための調光制御部と、
前記入力される表示データに対応する表示輝度と、前記バックライトの調光後の表示輝度との平均二乗誤差MSE(Mean Square Error)を、表示パネルの複数の表示領域毎算出する誤差算出部と、
前記誤差算出部における表示領域毎の誤差の算出結果の最大値が、第1の基準値に等しくなるように、前記基準階調を変更する基準階調制御部と、を有する表示駆動装置。
【請求項17】
請求項16に記載の表示駆動装置において、
前記第1の基準値は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定される値で変更可能である、表示駆動装置。
【請求項18】
請求項17に記載の表示駆動装置において、
前記階調制御部における1フレーム間で変更する前記基準階調の階調数は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定される値、または、前記平均二乗誤差の大きさに応じて変更される、表示駆動装置。
【請求項19】
入力される表示データに応じて表示パネルの複数の表示領域毎に個別に駆動する表示駆動装置であって、
前記表示領域毎に基準階調を入力し、該基準階調が最大階調になるように前記入力される表示データを伸張する伸張部と、
対応する表示領域の前記基準階調に応じて対応する表示領域のバックライトを調光するための調光制御部と、
前記入力される表示データに対応する表示輝度と、前記バックライトの調光後の表示輝度との平均二乗誤差MSE(Mean Square Error)を、表示パネルの複数の表示領域毎算出する誤差算出部と、
前記誤差算出部における表示領域毎の誤差の算出結果の最大値が、第1の基準値に等しくなるように、前記基準階調を変更する基準階調制御部と、を前記表示領域毎に有する表示駆動装置。
【請求項20】
請求項19に記載の表示駆動装置において、
前記第1の基準値は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定される値によって変更可能である、表示駆動装置。
【請求項21】
請求項20に記載の表示駆動装置において、
前記階調制御部における1フレーム間で変更する前記基準階調の階調数は、表示駆動装置の外部からレジスタに設定される値、または、前記平均二乗誤差の大きさに応じて変更される、表示駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−139678(P2010−139678A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−315290(P2008−315290)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】