説明

表面プラズモン増強蛍光センサおよび表面プラズモン増強蛍光センサに用いられるチップ構造体ユニット

【課題】S/Nの値を向上させ、超高精度にアナライトの検出を行うことのできる表面プラズモン増強蛍光センサを提供すること。
【解決手段】金属薄膜12に向かって光源22より励起光を照射し、前記金属薄膜上の電場を増強させて、前記金属薄膜の上面に形成された反応層の反応領域40に保持された蛍光物質を励起させ、これにより増強された蛍光を検出するようにした表面プラズモン増強蛍光センサ10に用いられるチップ構造体ユニットであって、前記チップ構造体ユニット36は、前記金属薄膜12と、前記金属薄膜の下面に形成された誘電体部材16と、前記金属薄膜の上面に形成され反応領域40を有する前記反応層と、から構成されるチップ構造体36と、前記チップ構造体36の反応層と光検出手段30との間に配設され、この蛍光を全反射条件で前記光検出手段に到達させる全反射機能部材32からなる集光部材34と、から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS;Surface Plasmon-field enhanced Fluorescence Spectroscopy)の原理に基づいた表面プラズモン増強蛍光センサおよびこの表面プラズモン増強蛍光センサに用いられるチップ構造体ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS)の原理に基づき、例えば生体内の極微少なアナライトの検出が行われている。
【0003】
表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS)は、光源より照射したレーザ光(励起光)が金属薄膜表面で全反射減衰(ATR;attenuated total reflectance)する条件において、金属薄膜表面に粗密波(表面プラズモン)を発生させることによって、光源より照射したレーザ光(励起光)が有するフォトン量を数十倍〜数百倍に増やし(表面プラズモンの電場増強効果)、これにより金属薄膜近傍の蛍光物質を効率良く励起させることによって、極微量および/または極低濃度のアナライトを検出する方法である。
【0004】
近年、このような表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS)の原理に基づいた表面プラズモン増強蛍光センサの開発が進められており、例えば特許文献1から特許文献3などにその技術開示がなされている。
【0005】
このような表面プラズモン増強蛍光センサ100は、図8に示したように基本的な構造において、まず金属薄膜102と、金属薄膜102の下面に形成された誘電体部材106と、金属薄膜102の上面に形成された反応層104と、を有するチップ構造体108を備えている。
【0006】
なお反応層104は、金属薄膜102上に形成された反応領域128に検出対象となるアナライトを含有してなる試料溶液を流すための流路134を構成するため、流路134用の凹部が設けられた反応領域構成部材130を金属薄膜102上面に配設してなるものである。
【0007】
そして、チップ構造体108の誘電体部材106側には、誘電体部材106内に入射され、金属薄膜102に向かって励起光110を照射する光源112を備え、さらに光源112から照射され金属薄膜102で反射した金属薄膜反射光114を受光する受光手段116が備えられている。
【0008】
一方、チップ構造体108の反応層104側には、反応層104の反応領域128で保持されたアナライトを標識した蛍光物質が発する蛍光118を、検出領域132で受光する光検出手段120が設けられている。
【0009】
なお、反応層104と光検出手段120との間には、蛍光118を効率よく集光するための蛍光集光部材122と、蛍光118以外に含まれる光を除去し、必要な蛍光118のみを選択する波長選択機能部材124が設けられている。
【0010】
そして、表面プラズモン増強蛍光センサ100の使用においては、まず流路134内にあらかじめ蛍光物質で標識されたアナライトを含有した試料溶液を流し、これにより金属薄膜102上の反応領域128において蛍光物質で標識されたアナライトが保持された状
態とする。
【0011】
そして、この状態で光源112より誘電体部材106内に励起光110を照射し、この励起光110が特定の角度(共鳴角)126で金属薄膜102に入射することで、金属薄膜102上に粗密波(表面プラズモン)を生ずることとなる。
【0012】
なお、金属薄膜102上に粗密波(表面プラズモン)が生ずる際には、励起光110と金属薄膜102中の電子振動とがカップリングし、金属薄膜反射光114の光量減少という現象が生ずる。
【0013】
このため、受光手段116で受光される金属薄膜反射光114のシグナルが変化(光量が減少)する地点を見つければ、粗密波(表面プラズモン)が生ずる共鳴角126を得ることができる。
【0014】
そして、この粗密波(表面プラズモン)を生ずる現象により、金属薄膜102上の反応領域128の蛍光物質が効率良く励起され、これにより蛍光物質が発する蛍光118の光量が増大することとなる。
【0015】
この増大した蛍光118を、蛍光集光部材122および波長選択機能部材124を介して光検出手段120の検出領域132で受光することで、極微量および/または極低濃度のアナライトを検出することができるようになっている。
【0016】
このように、表面プラズモン増強蛍光センサ100は、特に生体分子間などの微細な分子活動を観察可能とする高感度計測センサである。
【0017】
ところで、上述したような表面プラズモン増強蛍光センサ100では、蛍光集光部材122および波長選択機能部材124の両部材を用いて、増強された蛍光118を光検出手段120で検出するようになっているため、場合によっては反応層104と光検出手段120との間が広くなってしまい、これにより蛍光118の集光効率が落ちてS/Nの値が低下する場合があった。
【0018】
また、このような蛍光集光部材122には通常レンズが用いられているが、レンズは非常に高価であるとともに焦点合わせが非常に大変なものであった。
【0019】
さらにレンズでは十分な集光効率が確保できず、やはりS/Nの値が低くなってしまう場合もあった。
【0020】
そこで、本出願人は、図9に示したように、蛍光集光部材122の替わりに、光検出手段120と反応層104との間に、全反射機能部材136から構成される集光部材138を配設することで、蛍光118の集光効率を上げ、S/Nの値を向上させるようにした表面プラズモン増強蛍光センサ100を既に開発している(特許文献3)。
【0021】
なお、波長選択機能部材124は、集光部材138とは別に設けても、また図9に示したように集光部材138に波長選択機能部材124の機能を持たせた構成としても良いものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特許第3294605号公報
【特許文献2】特開2006−208069号公報
【特許文献3】特願2009−049339号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
しかしながら、上記した集光部材138を用いた表面プラズモン増強蛍光センサ100であっても、極微量のアナライトであると、蛍光118の光量が非常に少なく集光効率が落ちてしまい、検出精度が落ちてしまう場合があった。
【0024】
本発明はこのような現状に鑑みなされたものであって、蛍光の集光効率を高めてS/Nの値を向上させ、超高精度にアナライトの検出を行うことのできる表面プラズモン増強蛍光センサおよび表面プラズモン増強蛍光センサに用いられるチップ構造体ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、前述したような従来技術における問題点を解決するために発明されたものであって、
本発明のチップ構造体ユニットは、
金属薄膜の下面に形成された誘電体部材の外側から、前記金属薄膜に向かって光源より励起光を照射し、前記金属薄膜上の電場を増強させて、前記金属薄膜の上面に形成された反応層の反応領域に保持された蛍光物質を励起させ、これにより増強された蛍光を光検出手段にて検出するようにした表面プラズモン増強蛍光センサに用いられるチップ構造体ユニットであって、
前記チップ構造体ユニットは、
前記金属薄膜と、前記金属薄膜の下面に形成された誘電体部材と、前記金属薄膜の上面に形成され反応領域を有する前記反応層と、から少なくとも構成されるチップ構造体と、
前記チップ構造体の反応層と前記光検出手段との間に配設され、前記励起された蛍光を集光し、この蛍光を全反射条件で前記光検出手段に到達させる全反射機能部材からなる集光部材と、
から構成され、
前記集光部材は、
前記集光部材の上面が光検出手段の検出領域と対向し、下面が前記反応層の反応領域と対向するようになっており、
少なくとも前記集光部材の下面の面積と、前記反応層の反応領域の面積とが、略同面積となるように構成されていることを特徴とする。
【0026】
このように集光部材の下面の面積と反応層の反応領域の面積とが略同面積であれば、反応領域で生じた蛍光をロス無く集光できるため、S/Nの値を向上させ、超高精度にアナライトの検出を行うことができる。
【0027】
また、本発明のチップ構造体ユニットは、
前記集光部材の上面の面積と、前記光検出手段の検出領域の面積とが、略同面積となるように構成されていることを特徴とする。
【0028】
このように集光部材の上面の面積と光検出手段の検出領域の面積とが略同面積であれば、集光部材で集光した蛍光を、ロス無く検出領域で検出できるため、S/Nの値を向上させ、超高精度にアナライトの検出を行うことができる。
【0029】
また、本発明のチップ構造体ユニットは、
前記反応層の反応領域の面積が前記集光部材の下面の面積以下であり、
且つ前記集光部材の上面の面積に対する前記光検出手段の検出領域の面積の比率が、1
.0〜1.5であることを特徴とする。
【0030】
このように設定すれば、反応領域で生じた蛍光をロス無く集光部材に導き、検出領域で検出できるため、S/Nの値を向上させ、超高精度にアナライトの検出を行うことができる。
【0031】
また、本発明のチップ構造体ユニットは、
金属薄膜の下面に形成された誘電体部材の外側から、前記金属薄膜に向かって光源より励起光を照射し、前記金属薄膜上の電場を増強させて、前記金属薄膜の上面に形成された反応層の反応領域に保持された蛍光物質を励起させ、これにより増強された蛍光を光検出手段にて検出するようにした表面プラズモン増強蛍光センサに用いられるチップ構造体ユニットであって、
前記チップ構造体ユニットは、
前記金属薄膜と、前記金属薄膜の下面に形成された誘電体部材と、前記金属薄膜の上面に形成され反応領域を有する前記反応層と、から少なくとも構成されるチップ構造体と、
前記チップ構造体の反応層と前記光検出手段との間に配設され、前記励起された蛍光を集光し、この蛍光を全反射条件で前記光検出手段に到達させる全反射機能部材からなる集光部材と、
から構成され、
前記チップ構造体の反応層の反応領域を構成する反応領域構成部材および前記集光部材の屈折率が、略同値であることを特徴とする。
【0032】
このようにチップ構造体の反応層の反応領域構成部材と集光部材の屈折率が略同値であれば、反応領域で生じた蛍光をロス無く集光部材で集光できるため、S/Nの値を向上させ、超高精度にアナライトの検出を行うことができる。
【0033】
また、本発明のチップ構造体ユニットは、
前記チップ構造体の反応層の反応領域を構成する反応領域構成部材と、前記集光部材の屈折率との差が、5%以内であることを特徴とする。
【0034】
このように屈折率の差が5%以内であれば、反応領域で生じた蛍光をロス無く集光可能である。したがってS/Nの値を向上させ、超高精度にアナライトの検出を行うことができる。
【0035】
また、本発明のチップ構造体ユニットは、
前記反応層において、少なくとも前記反応領域の上方に位置する反応領域構成部材の肉厚が、100〜5000μmの範囲内であることを特徴とする。
【0036】
このように反応領域の上方に位置する反応領域構成部材の肉厚を設定すれば、反応領域で生じた蛍光をロス無く集光可能であるため、S/Nの値を向上させ、超高精度にアナライトの検出を行うことができる。
【0037】
また、本発明のチップ構造体ユニットは、
前記反応領域構成部材の反応領域の上方に位置する部位と、前記集光部材の下面とが、当接されていることを特徴とする。
【0038】
このように反応領域構成部材の反応領域の上方に位置する部位と集光部材の下面とが当接していれば、蛍光を確実に集光部材側に導くことができるため、S/Nの値を向上させ、超高精度にアナライトの検出を行うことができる。
【0039】
また、本発明のチップ構造体ユニットは、
前記チップ構造体の反応層に形成された反応領域を構成する反応領域構成部材において、前記反応領域の上方が薄肉となるように構成された凹部を備え、
前記凹部内に、前記集光部材の下面側が挿入されるよう構成されていることを特徴とする。
【0040】
このように凹部内に集光部材の下面側が挿入されるようになっていれば、反応領域と集光部材との距離が縮まるため、ロス無く効率的に蛍光を集光することができる。
【0041】
また、本発明のチップ構造体ユニットは、
前記反応層の前記反応領域の上方に構成された凹部の立側面と、
前記凹部内に挿入された前記集光部材の外側面との間に、隙間が設けられていることを特徴とする。
【0042】
このように隙間が設けられていれば、反応領域で生じた蛍光が反応領域構成部材側に伝播してしまうことを防止できるため、集光部材側へロス無く蛍光を導くことができ、S/Nの値を向上させて超高精度にアナライトの検出を行うことができる。
【0043】
また、本発明のチップ構造体ユニットは、
前記反応層の前記反応領域の上方に構成された凹部の立側面と、前記凹部内に挿入された前記集光部材の外側面との間に形成された隙間量が、0.1〜5mmの範囲内であることを特徴とする。
【0044】
このように隙間量を設定すれば、反応領域で生じた蛍光が反応領域構成部材側に伝播してしまうことを確実に防止できる。
したがってS/Nの値を向上させ、超高精度にアナライトの検出を行うことができる。
【0045】
また、本発明のチップ構造体ユニットは、
前記チップ構造体の反応層の反応領域を構成する反応領域構成部材において、
前記反応領域を囲うように流路が形成されており、
前記流路を構成する壁面のうち、前記集光部材の下面と対向する天面を除いた部分に、蛍光反射層を有することを特徴とする。
【0046】
このように流路の壁面に蛍光反射層を設ければ、反応領域で生じた蛍光をロス無く集光部材へ導くことができ、S/Nの値を向上させて超高精度にアナライトの検出を行うことができる。
【0047】
また、本発明の表面プラズモン増強蛍光センサは、
上記のいずれかに記載のチップ構造体ユニットを配設してなることを特徴とする。
【0048】
このように上記したチップ構造体ユニットを配設してなる表面プラズモン増強蛍光センサであれば、S/Nの値を向上させることのできる構造であるため、超高精度な蛍光検出を行うことができる。
【発明の効果】
【0049】
本発明によれば、チップ構造体ユニットが上記したような特徴的な構成を有しているため、従来のように集光効率が落ちてS/Nの値が低下することがなく、超高精度に蛍光検出を行うことのできる表面プラズモン増強蛍光センサおよび表面プラズモン増強蛍光センサに用いられるチップ構造体ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、本発明の表面プラズモン増強蛍光センサの概略図である。
【図2】図2は、本発明の表面プラズモン増強蛍光センサに用いられるチップ構造体ユニットの第1の実施例を説明するための概略図である。
【図3】図3(a)は中実柱状の集光部材の上面図およびA−A断面図、図3(b)は筒状の集光部材の上面図およびB−B断面図である。
【図4】図4は、本発明の表面プラズモン増強蛍光センサに用いられるチップ構造体ユニットの第2の実施例を説明するための概略図である。
【図5】図5は、本発明の表面プラズモン増強蛍光センサに用いられるチップ構造体ユニットの第3の実施例を説明するための概略図である。
【図6】図6は、本発明の表面プラズモン増強蛍光センサに用いられるチップ構造体ユニットの第4の実施例を説明するための概略図である。
【図7】図7は、本発明の表面プラズモン増強蛍光センサに用いられるチップ構造体ユニットの第1から第4の実施例を組み合わせた構成を説明するための概略図である。
【図8】図8は、従来の表面プラズモン増強蛍光センサの概略図である。
【図9】図9は、従来の表面プラズモン増強蛍光センサの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいてより詳細に説明する。
本発明の表面プラズモン増強蛍光センサおよび表面プラズモン増強蛍光センサに用いられるチップ構造体ユニットは、集光効率を高めてS/Nの値を向上させ、超高精度にアナライトの検出を行うことができるものである。
【0052】
<表面プラズモン増強蛍光センサ10>
本発明の表面プラズモン増強蛍光センサ10は、図1に示したように、まず金属薄膜12と、金属薄膜12の下面に形成された誘電体部材16と、上面に形成された反応層14と、を有するチップ構造体18を備えている。
【0053】
ここで反応層14は、金属薄膜12上に形成された反応領域40に検出対象となるアナライトを含有してなる試料溶液を流すための流路58を構成するため、流路58用の凹部が設けられた反応領域構成部材42を金属薄膜12上面に配設してなるものである。
【0054】
そして、チップ構造体18の誘電体部材16側には、誘電体部材16内に入射され、金属薄膜12に向かって励起光20を照射する光源22を備え、さらに光源22から照射され金属薄膜12に反射した金属薄膜反射光24を受光する受光手段26が備えられている。
【0055】
光源22から照射される励起光20としてはレーザ光が好ましく、波長200〜900nm、0.001〜1,000mWのLDレーザ、または波長230〜800nm、0.01〜100mWの半導体レーザが好適である。
【0056】
一方、チップ構造体18の反応層14側には、反応層14の反応領域40で生じた蛍光28を検出領域44で受光する光検出手段30が設けられている。
【0057】
光検出手段30としては、超高感度の光電子増倍管、または多点計測が可能なCCDイメージセンサを用いることが好ましい。
【0058】
なお、本発明の表面プラズモン増強蛍光センサ10においては、チップ構造体18の反応層14と光検出手段30との間に、全反射機能部材32から構成される集光部材34が配設されている。
【0059】
このような集光部材34は、蛍光28を集光し、この蛍光28を全反射条件で光検出手段30に到達させるように構成されたものである。
【0060】
このような集光部材34とチップ構造体18とからなるユニットを、本明細書中ではチップ構造体ユニット36としている。
【0061】
そして、このような表面プラズモン増強蛍光センサ10の使用においては、まず金属薄膜12上の反応領域40に蛍光物質が保持された状態とする。例えば、流路58内にあらかじめ蛍光物質で標識されたアナライトを含有した試料溶液を流し、これにより金属薄膜12上の反応領域40において蛍光物質で標識されたアナライトが捕捉された状態とする。
【0062】
ここで用いられる試料溶液は、検体を用いて調製された溶液であり、例えば検体と試薬とを混合して検体中に含有されるアナライトに蛍光物質を結合させるための処理をしたものが挙げられる。
【0063】
このような検体としては、血液,血清,血漿,尿,鼻孔液,唾液,便,体腔液(髄液,腹水,胸水等)などが挙げられる。
【0064】
また、検体中に含有されるアナライトは、例えば、核酸(一本鎖であっても二本鎖であってもよいDNA,RNA,ポリヌクレオチド,オリゴヌクレオチド,PNA(ペプチド核酸)等、またはヌクレオシド,ヌクレオチドおよびそれらの修飾分子),タンパク質(ポリペプチド、オリゴペプチド等),アミノ酸(修飾アミノ酸も含む。),糖質(オリゴ糖,多糖類,糖鎖等),脂質,またはこれらの修飾分子,複合体などが挙げられ、具体的には、AFP(αフェトプロテイン)等のがん胎児性抗原や腫瘍マーカー,シグナル伝達物質,ホルモンなどであってもよく、特に限定されない。
【0065】
さらに蛍光物質としては、所定の励起光20を照射するか、または電界効果を利用することで励起し、蛍光28を発する物質であれば特に限定されないものである。なお本明細書でいう蛍光28とは、燐光など各種の発光も含まれるものである。
【0066】
そして、この状態で光源22より誘電体部材16内に励起光20を照射し、この励起光20が特定の角度(共鳴角38)で金属薄膜12に入射することで、金属薄膜12上に粗密波(表面プラズモン)を生ずるようにすることができる。
【0067】
なお、金属薄膜12上に粗密波(表面プラズモン)が生ずる際には、励起光20と金属薄膜12中の電子振動とがカップリングし、金属薄膜反射光24のシグナルが変化(光量が減少)することとなるため、受光手段26で受光される金属薄膜反射光24のシグナルが変化(光量が減少)する地点を見つければ良い。
【0068】
そして、この粗密波(表面プラズモン)により、金属薄膜12上の反応層14の蛍光物質が効率良く励起され、これにより蛍光物質が発する蛍光28の光量が増大し、この蛍光28を、集光部材34を介して光検出手段30の検出領域44で収集することで、極微量および/または極低濃度のアナライトを検出することができる。
【0069】
なお、チップ構造体18の金属薄膜12の材質としては、好ましくは金,銀,アルミニウム,銅,および白金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなり、より好ましくは金からなり、さらにこれら金属の合金からなることである。
【0070】
このような金属は、酸化に対して安定であり、かつ粗密波(表面プラズモン)による電場増強が大きくなることから金属薄膜12に好適である。
【0071】
また、金属薄膜12の形成方法としては、例えばスパッタリング法,蒸着法(抵抗加熱蒸着法,電子線蒸着法等),電解メッキ,無電解メッキ法などが挙げられる。中でもスパッタリング法,蒸着法は、薄膜形成条件の調整が容易であるため好ましい。
【0072】
さらに金属薄膜12の厚さとしては、金:5〜500nm、銀:5〜500nm、アルミニウム:5〜500nm、銅:5〜500nm、白金:5〜500nm、およびそれらの合金:5〜500nmの範囲内であることが好ましい。
【0073】
電場増強効果の観点からは、金:20〜70nm、銀:20〜70nm、アルミニウム:10〜50nm、銅:20〜70nm、白金:20〜70nm、およびそれらの合金:10〜70nmの範囲内であることがより好ましい。
【0074】
金属薄膜12の厚さが上記範囲内であれば、粗密波(表面プラズモン)が発生し易く好適である。また、このような厚さを有する金属薄膜12であれば、大きさ(縦×横)は特に限定されないものである。
【0075】
また、誘電体部材16としては、光学的に透明な各種の無機物,天然ポリマー,合成ポリマーを用いることができ、化学的安定性,製造安定性および光学的透明性の観点から、二酸化ケイ素(SiO2)または二酸化チタン(TiO2)を含むことが好ましい。
【0076】
さらに、このような表面プラズモン増強蛍光センサ10は、光源22から金属薄膜12に照射される励起光20による表面プラズモン共鳴の最適角(共鳴角38)を調整するため、角度可変部(図示せず)や、受光手段26および/または光検出手段30に入力された情報を処理するためのコンピュータ(図示せず)などを有しても良いものである。
【0077】
ここで、角度可変部(図示せず)は、サーボモータで全反射減衰(ATR)条件を求めるために受光手段26と光源22とを同期し、45〜85°の角度変更を可能とし、分解能が0.01°以上であることが好ましい。
【0078】
このような構成を有する本発明の表面プラズモン増強蛍光センサ10は、上記したようにチップ構造体18と集光部材34からなるチップ構造体ユニット36が特徴的な構造を有している。
【0079】
以下、このようなチップ構造体ユニット36について詳細に説明する。
<チップ構造体ユニット36>
[実施例1]
本発明の第1の実施例におけるチップ構造体ユニット36では、図2に示したように集光部材34の上面48と下面46の面積が、それぞれ反応領域40と検出領域44の大きさに合わせて設定されている。
【0080】
先に本出願人により出願された特許文献3(特願2009−049339号)に記載の集光部材138では、蛍光118を多く取り込むため、集光部材138の径が、反応領域128よりも大径の中実円柱状または円筒状となっていた。
【0081】
しかしながら、集光部材138の光検出手段120と対向する側では、径の大きさが光検出手段120の検出領域132よりも遥かに大きくなるため、取り込んだ蛍光118の一部が検出領域132には入らず、集光ロスが生じることとなり、集光効率が落ちてS/
Nの値が低下する場合があることが確認された。
【0082】
このため、本発明の第1の実施例におけるチップ構造体ユニット36では、集光部材34の下面46の面積を、反応層14の反応領域40の面積と略同面積となるように設定し、さらに集光部材34の上面48の面積を、光検出手段30の検出領域44の面積と略同面積となるように設定することにより、反応領域40で生じた蛍光28をロス無く集光でき、これを光検出手段30の検出領域44に導き、S/Nの値を向上させ、超高精度に蛍光検出を行うことができるようにしている。
【0083】
ここで、集光部材34の下面46の面積を反応層14の反応領域40の面積と略同面積になるように設定するとは、集光部材34の下面46の面積が反応層14の反応領域40の面積に対して−20%以上+50%以下の範囲内であることが、蛍光シグナルの減少を抑えつつノイズの増加を防止する上で好ましい。
【0084】
また、集光部材34の上面48の面積を光検出手段30の検出領域44の面積と略同面積になるように設定するとは、光検出手段30の検出領域44の面積が集光部材34の上面48の面積に対して−20%以上+50%以下の範囲内であることが、同様に蛍光シグナルの減少を抑えつつノイズの増加を防止する上で好ましい。
【0085】
さらに反応層14の反応領域40の面積が集光部材34の下面46の面積以下であり、且つ集光部材34の上面48の面積に対する光検出手段30の検出領域44の面積の比率が、1.0〜1.5であることが好ましい。
【0086】
このように設定すれば、反応領域40で生じた蛍光28をロス無く集光部材34に導き、光検出手段30の検出領域44で検出することができる。
【0087】
なお、集光部材34の上面48および下面46の形状は、検出領域44および反応領域40の形状と同様の形状であることが好ましいが、場合によっては、反応領域40の形状が矩形(例えば長方形)や楕円形であるのに対して、集光部材34の下面46の形状が円形であるなど、形状の組み合わせについては特に限定されないものである。
【0088】
また、集光部材34そのものの形状についても、図3(a)に示したように中実柱状であっても図3(b)に示したように筒状であっても良いものである。
【0089】
さらに、集光部材34の断面形状についても、円形,楕円形,矩形など、どのような形状であっても良く、さらに上面48および下面46の形状が同じであっても異なっていても良く、適宜設定が可能なものである。
【0090】
また、特許文献3(特願2009−049339号)にも開示されているように、集光部材34の上面48および下面46に、凹面形状部(図示せず)を形成したり、波長選択機能部材(図示せず)をそれぞれ設けることで、さらに蛍光28の集光効率を高めるようにしても良いことは当然のことである。
【0091】
このように、本発明の第1の実施例によるチップ構造体ユニット36は、上記したように集光部材34の上面48,下面46の面積を、検出領域44,反応領域40の面積と略同面積とすることで、従来よりもさらに効率よく蛍光の集光が可能であり、これにより超高精度にアナライトの検出を行うことができるようになっている。
【0092】
[実施例2]
図4に示したチップ構造体ユニット36は、第1の実施例のチップ構造体ユニットと基
本的には同じ構成であるので、同じ構成部材には同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0093】
第2の実施例におけるチップ構造体ユニット36では、まず反応領域40を有する反応領域構成部材42と集光部材34の屈折率が、略同値に設定されている。
【0094】
このように屈折率を略同値にした場合、両部材間の界面反射を抑えることができるため、反応領域40で生じた蛍光28を効率的に集光部材34で集光することができ、S/Nの値を向上させることができる。
【0095】
なお、反応領域構成部材42と集光部材34の屈折率の差が好ましくは5%以内、より好ましくは1%以内であれば、両部材間における界面反射を確実に抑えることができ好ましい。
【0096】
また、反応領域40の上方に位置する反応領域構成部材42の肉厚t1は100〜5000μmの範囲内に設定することが好ましい。
【0097】
このような肉厚t1に設定すれば、反応領域40で生じた蛍光28をロス無く集光可能であるため、S/Nの値を向上させ、超高精度にアナライト検出を行うことができる。
【0098】
またこのとき、反応領域構成部材42の反応領域40の上方に位置する部位と、集光部材34の下面46とを当接させることで、特に両部材間の界面反射を抑えることができる。
【0099】
集光部材34と反応領域構成部材42とを当接させる際には、当接面を有機溶剤またはプラズマ処理などで表面処理した後、加熱、加圧することで行うことが好ましい。しかしながら、これにより限定されるものではなく、例えば両部材と同様の屈折率を有する光学接着剤を介して接着することも可能である。このとき光学接着剤としては、公知の屈折液やエポキシ系,アクリル系の接着剤を用いることが好ましい。
【0100】
[実施例3]
図5に示したチップ構造体ユニット36は、第1の実施例のチップ構造体ユニットと基本的には同じ構成であるので、同じ構成部材には同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0101】
第3の実施例におけるチップ構造体ユニット36では、図5に示したように集光部材34が、反応領域構成部材42において、反応領域40の上方が薄肉(薄肉部分54)となるように構成された凹部50内に、集光部材34の下面46側が挿入された形態であることが好ましい。
【0102】
また、反応領域40の上方に構成された凹部50の立側面60と、集光部材34の外側面62との間に、隙間52を設けることが好ましい。
【0103】
この隙間52は、反応領域40で生じた蛍光28が、集光部材34側ではなく、反応領域構成部材42側に伝播してしまい、集光ロスを生ずることを防止するためのものであり、この隙間52により蛍光28を確実に集光部材34側に伝播させることができるようになっている。
【0104】
ここで隙間量t2は、0.1〜5mmの範囲内に設定することが好ましく、このような隙間量t2であれば、反応領域40で生じた蛍光28が反応領域構成部材42側に伝播し
てしまうことを確実に防止できる。なお隙間量t2の下限値は、一般的な機械加工の際の最小寸法公差の値であり、上限値はこの部位において強度を保持するのに必要な値である。
【0105】
[実施例4]
図6に示したチップ構造体ユニット36は、第3の実施例のチップ構造体ユニットと基本的には同じ構成であるので、同じ構成部材には同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0106】
本発明の第4の実施例におけるチップ構造体ユニット36では、実施例3の構成に加え、図6に示したように、反応領域40を構成する反応領域構成部材42において、反応領域40を囲うように流路58が形成されており、この流路58を構成する壁面のうち、集光部材34の下面46と対向する天面を除いた部分に、蛍光反射層56が形成されている。
【0107】
このように蛍光反射層56が設けられていれば、反応領域40で生じた蛍光28を、さらに確実に集光部材34側に導くことができるため、S/Nの値を向上させることができる。
【0108】
なお、このような蛍光反射層56としては、公知の反射材を用いることができ、中でも金属および半導体材料などの高い反射率を持つ材料、またはこれらの合金を用いることができ、特にアルミニウムや銀を用いることが好ましい。
【0109】
以上、本発明における表面プラズモン増強蛍光センサ10およびこれに用いられるチップ構造体ユニット36の好ましい形態について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではないものである。
【0110】
例えば、図7に示したように実施例1から実施例4の構成を組み合わせ、反応領域40で生じた蛍光28を効率良く集光部材34側に導き、またこの蛍光28を光検出手段30の検出領域44に確実に導くことができる構造としても良いものである。
【0111】
さらに、実施例1において、集光部材34と反応領域構成部材42の屈折率を略同値にすることで、より蛍光28のS/Nの値を向上させるようにするなど、要は上記した実施例を適宜組み合わせた形態であっても良いものである。
【0112】
また、本発明の表面プラズモン増強蛍光センサ10では、集光部材34で集光された蛍光28は直接検出領域44に導かれるよう構成されているが、場合によってはさらに蛍光集光部材(図示せず)や波長選択機能部材(図示せず)を配設しても良いものである。
【0113】
さらに波長選択機能部材は、集光部材34とは別に設けても、また集光部材34に波長選択機能部材の機能を持たせた構成としても良いものであるなど、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能なものである。
【符号の説明】
【0114】
10・・・表面プラズモン増強蛍光センサ
12・・・金属薄膜
14・・・反応層
16・・・誘電体部材
18・・・チップ構造体
20・・・励起光
22・・・光源
24・・・金属薄膜反射光
26・・・受光手段
28・・・蛍光
30・・・光検出手段
32・・・全反射機能部材
34・・・集光部材
36・・・チップ構造体ユニット
38・・・共鳴角
40・・・反応領域
42・・・反応領域構成部材
44・・・検出領域
46・・・下面
48・・・上面
50・・・凹部
52・・・隙間
54・・・薄肉部分
56・・・蛍光反射層
58・・・流路
60・・・立側面
62・・・外側面
t1・・肉厚
t2・・隙間量
100・・・表面プラズモン増強蛍光センサ
102・・・金属薄膜
104・・・反応層
106・・・誘電体部材
108・・・チップ構造体
110・・・励起光
112・・・光源
114・・・金属薄膜反射光
116・・・受光手段
118・・・蛍光
120・・・光検出手段
122・・・蛍光集光部材
124・・・波長選択機能部材
126・・・共鳴角
128・・・反応領域
130・・・反応領域構成部材
132・・・検出領域
134・・・流路
136・・・全反射機能部材
138・・・集光部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属薄膜の下面に形成された誘電体部材の外側から、前記金属薄膜に向かって光源より励起光を照射し、前記金属薄膜上の電場を増強させて、前記金属薄膜の上面に形成された反応層の反応領域に保持された蛍光物質を励起させ、これにより増強された蛍光を光検出手段にて検出するようにした表面プラズモン増強蛍光センサに用いられるチップ構造体ユニットであって、
前記チップ構造体ユニットは、
前記金属薄膜と、前記金属薄膜の下面に形成された誘電体部材と、前記金属薄膜の上面に形成され反応領域を有する前記反応層と、から少なくとも構成されるチップ構造体と、
前記チップ構造体の反応層と前記光検出手段との間に配設され、前記励起された蛍光を集光し、この蛍光を全反射条件で前記光検出手段に到達させる全反射機能部材からなる集光部材と、
から構成され、
前記集光部材は、
前記集光部材の上面が光検出手段の検出領域と対向し、下面が前記反応層の反応領域と対向するようになっており、
少なくとも前記集光部材の下面の面積と、前記反応層の反応領域の面積とが、略同面積となるように構成されていることを特徴とするチップ構造体ユニット。
【請求項2】
前記集光部材の上面の面積と、前記光検出手段の検出領域の面積とが、略同面積となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のチップ構造体ユニット。
【請求項3】
金属薄膜の下面に形成された誘電体部材の外側から、前記金属薄膜に向かって光源より励起光を照射し、前記金属薄膜上の電場を増強させて、前記金属薄膜の上面に形成された反応層の反応領域に保持された蛍光物質を励起させ、これにより増強された蛍光を光検出手段にて検出するようにした表面プラズモン増強蛍光センサに用いられるチップ構造体ユニットであって、
前記チップ構造体ユニットは、
前記金属薄膜と、前記金属薄膜の下面に形成された誘電体部材と、前記金属薄膜の上面に形成され反応領域を有する前記反応層と、から少なくとも構成されるチップ構造体と、
前記チップ構造体の反応層と前記光検出手段との間に配設され、前記励起された蛍光を集光し、この蛍光を全反射条件で前記光検出手段に到達させる全反射機能部材からなる集光部材と、
から構成され、
前記チップ構造体の反応層の反応領域を構成する反応領域構成部材および前記集光部材の屈折率が、略同値であることを特徴とするチップ構造体ユニット。
【請求項4】
前記反応領域構成部材の反応領域の上方に位置する部位と、前記集光部材の下面とが、当接されていることを特徴とする請求項3に記載のチップ構造体ユニット。
【請求項5】
前記チップ構造体の反応層に形成された反応領域を構成する反応領域構成部材において、前記反応領域の上方が薄肉となるように構成された凹部を備え、
前記凹部内に、前記集光部材の下面側が挿入されるよう構成されていることを特徴とする請求項3または4に記載のチップ構造体ユニット。
【請求項6】
前記反応層の前記反応領域の上方に構成された凹部の立側面と、
前記凹部内に挿入された前記集光部材の外側面との間に、隙間が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のチップ構造体ユニット。
【請求項7】
前記チップ構造体の反応層の反応領域を構成する反応領域構成部材において、
前記反応領域を囲うように流路が形成されており、
前記流路を構成する壁面のうち、前記集光部材の下面と対向する天面を除いた部分に、蛍光反射層を有することを特徴とする請求項3から6のいずれかに記載のチップ構造体ユニット。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のチップ構造体ユニットを配設してなることを特徴とする表面プラズモン増強蛍光センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−257216(P2011−257216A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130806(P2010−130806)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】