説明

表面処理方法及び表面処理装置

【課題】基板等の表面の平坦性を向上させる表面処理方法を提供する。
【解決手段】窒素を含まない原料のガスクラスターイオンビームを発生させ、被処理部材に照射する第1の処理工程と、窒素のガスクラスターイオンビームを発生させ、前記被処理部材に照射する第2の処理工程と、を有することを特徴とする表面処理方法を提供することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面処理方法及び表面処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数個の原子等が凝集してできるガスクラスターは特異な物理化学的挙動を示し、広い分野における利用が検討されている。即ち、ガスクラスターからなるクラスターイオンビームは、従来困難であった固体表面から数ナノメートルの深さの領域で、イオン注入、表面加工、薄膜形成を行うプロセスに適している。
【0003】
このようなガスクラスター発生装置においては、加圧ガスの供給を受けて原子の数が数100〜数1000となるガスクラスターを発生させることが可能である。このように発生させたガスクラスターは、基板等の表面の平坦化に顕著な効果を発揮することから、様々な検討がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−227283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、微細化及び高精細化の要求は、より一層高まる傾向にあり、これにも伴い基板等の表面化も、より一層平坦なものが求められている。例えば、酸素や六フッ化硫黄(SF)のガスクラスターを用いて基板等の表面の平坦化を行った場合、酸素等のガスクラスターによる平坦性には限界があることから、所望の平坦性を得ることは困難であった。また、基板等が硬い(硬度の高い)材料により形成されている場合、CMP(Chemical Mechanical Polishing)により平坦化されたものの表面には研磨キズが形成されるが、このような研磨キズを取り除き、更に平坦化することは、容易ではなかった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、基板等の表面を極めて高い平坦性で平坦化することのできる表面処理方法及び表面処理装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、窒素を含まない原料のガスクラスターイオンビームを発生させ、被処理部材に照射する第1の処理工程と、窒素のガスクラスターイオンビームを発生させ、前記被処理部材に照射する第2の処理工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記被処理部材はCMPによる平坦化処理が行われているものであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記窒素を含まない原料は、アルゴン、酸素、二酸化炭素、水、六フッ化硫黄、三フッ化窒素、キセノンのいずれか1つ、または2以上のものを含むものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記第2の処理工程におけるガスクラスターには、前記第1の処理工程における原料のガスクラスターが含まれていないことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記被処理部材は、シリコンカーバイト、シリコン、石英、ガラス、アルミナ、サファイア、窒化ガリウム、ガリウムヒ素、ダイヤモンドライクカーボン、炭化ホウ素、多結晶ダイヤのいずれか1つ、または2以上のものを含むものであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記第2の処理工程の後、前記窒素のガスクラスターを前記第2の処理工程における加速電圧よりも低い加速電圧で加速し、前記被処理部材に照射する第3の処理工程を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記第2の処理工程の後、前記第2の処理工程におけるガスクラスターよりも大きなガスクラスターを前記被処理部材に照射する第3の処理工程を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、ガスクラスターを生成するためのノズルと、前記ノズルに前記ガスクラスターの原料となるガスを供給する原料ガス供給部と、前記原料ガス供給部より供給されるガスを選択し制御する制御部と、を有し、前記原料ガス供給部は、窒素を含まない原料を供給する第1のガス供給源と、窒素を供給する第2のガス供給源とを有し、前記ガスクラスターを被処理部材に照射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、基板等の表面における平坦性を極めて高い精度で平坦化することのできる表面処理方法及び表面処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態における表面処理装置の構成図
【図2】第1の実施の形態における表面処理方法のフローチャート
【図3】第1の実施の形態における表面処理方法を説明するAFM像(1)
【図4】第1の実施の形態における表面処理方法を説明するAFM像(2)
【図5】第1の実施の形態における表面処理方法を説明するAFM像(3)
【図6】ガスクラスターにおける減衰定数特性図
【図7】第2の実施の形態における表面処理方法のフローチャート
【図8】第2の実施の形態における表面処理方法を説明するAFM像
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。
【0018】
〔第1の実施の形態〕
(表面処理装置)
最初に、本実施の形態における基板処理方法に用いられる表面処理装置について説明する。この基板処理装置は、ガスクラスターイオンビーム照射装置であり、基板等の表面にガスクラスタービームを照射することが可能な装置である。
【0019】
図1には、ガスクラスタービーム照射装置の構成を示す。この、ガスクラスタービーム照射装置10は、ノズルチャンバー20とソースチャンバー30とメインチャンバー40を有している。ノズルチャンバー20にはガスクラスターを生成するためのノズル21が設けられており、更に、生成されたガスクラスターを選別するためのスキマー22を有している。尚、ノズル21は、ガス供給部23と接続されており、このガス供給部23よりノズル21にガスクラスターを生成するためのソースガスが供給される。ガス供給部23は複数のソースガスを供給することができるように、複数のガス供給源が設けられている。具体的には、図に示されるように、原料となるガスが入れられたガスボンベ等の第1のガス供給源24及び第2のガス供給源25が設けられており、ガス供給部23内に設けられたバルブ26により、第1のガス供給源24におけるガスまたは第2のガス供給源25におけるガスのいずれかを所定量バルブ21に供給することができるように構成されている。本実施の形態では、例えば、第1のガス供給源24はアルゴンガスを供給するためのアルゴンガスボンが用いられており、第2のガス供給源25は窒素ガスを供給するための窒素ガスボンベが用いられている。また、ガス供給部23には制御部27が接続されており、制御部27の制御により、第1のガス供給源24または第2のガス供給源25よりソースガスが供給される。
【0020】
ノズル21において生成されたガスクラスターは、スキマー22において選別され、ソースチャンバー30に導入される。ソースチャンバー30ではガスクラスターをイオン化するためのイオン化部31が設けられており、イオン化部31においてガスクラスターはイオン化され、イオン化されたガスクラスターは、加速部32において加速される。
【0021】
この後、加速されたイオン化されたガスクラスターは、メインチャンバー40内に設けられた電極部41において、所定の大きさのガスクラスター等に選別され、表面処理が行われる基板等の被処理部材50に照射される。
【0022】
尚、本実施の形態におけるガスクラスタービーム照射装置には、ノズル21に数気圧に加圧されたソースガスが供給されており、ノズル21より真空状態のノズルチャンバー20内に超音速でソースガスが噴出されることにより、断熱膨張により急激にソースガスが冷却され、非常に弱い原子間または分子間の結合によりガスクラスターが形成されるものである。
【0023】
(表面処理方法)
次に、図2に基づき本実施の形態における表面処理方法について説明する。本実施の形態では、被処理部材50としてSiC(シリコンカーバイト)基板を用い、このSiC基板の表面を平坦化処理する場合について説明する。ところで、SiCはアルミナ等よりも硬く、ダイヤモンド、炭化ホウ素の次に硬い材料として知られており、高い精度で表面を平坦化することは、容易ではない材料の一種である。
【0024】
最初に、ステップ102(S102)において、機械的平坦化処理として、SiC基板の表面をCMPにより平坦化する。これによりSiC基板の表面は、肉眼においては平坦な状態にすることができる。しかしながら、SiC基板の表面には肉眼では認識できない微細な研磨キズが無数に形成されている。CMP等の研磨方法のみでは、SiC等の硬い材料において、このような研磨キズが形成されることは避けることができな。
【0025】
図3は、CMPによる平坦化処理を行った後のSiC基板の表面のAFM(Atomic Force Microscope:原子間力顕微鏡)像である。尚、原子間力顕微鏡(AFM)とは、「探針と表面間の原子尺度領域で働く力の大きさを、その先に探針をつけたカンチレバーのたわみ、あるいはその共鳴振動数のずれから読み取る」ものである(「岩波理化学事典」岩波書店、「走査型プローブ顕微鏡」の欄より抜粋)。図3(a)は、斜視図であり、図3(b)は上面図である。図3に示されるように、無数の研磨キズが形成されている(図3(b)における矢印では、特に太い研磨キズを示す)。この状態における10μm角の領域の表面粗さは、Rmsが3.34nm、Raが2.53nmである。このため、CMPによる研磨により形成されたSiC基板の表面の平坦性は、高い精度で平坦であるとはいうことができない。
【0026】
次に、ステップ104(S104)において、第1の平坦化処理として、SiC基板の表面にアルゴン(Ar)のガスクラスターを照射する。即ち、CMPにより平坦化されたSiC基板の表面にアルゴンのガスクラスターを照射する。図4は、アルゴンのクラスターを照射した後のSiC基板の表面のAFM像を示すものである。図4(a)は、10μm角の領域を示すものであり、図4(b)は、1μm角の領域を示すものである。図4に示されるように、アルゴンのガスクラスターを照射することにより、CMPによる機械的平坦化処理により形成される研磨キズを取り除くことができ、SiC基板の表面を平坦にすることができる。尚、この状態における10μm角の領域の表面粗さは、Rmsが2.20nm、Raが1.67nmであり、1μm角の領域の表面粗さは、Rmsが2.23nm、Raが1.70nmである。
【0027】
次に、ステップ106(S106)において、第2の平坦化処理として、SiC基板の表面に窒素のガスクラスターを照射する。図5は、窒素のクラスターを照射した後のSiC基板の表面のAFM像を示すものである。図5(a)は、10μm角の領域を示すものであり、図5(b)は、1μm角の領域を示すものである。図5に示されるように、窒素のガスクラスターを照射することにより、Arのガスクラスターを照射した後の状態よりも、更にSiC基板の表面を平坦にすることができる。尚、この状態における10μm角の領域の表面粗さは、Rmsが1.10nm、Raが0.79nmであり、1μm角の領域の表面粗さは、Rmsが0.58nm、Raが0.46nmである。
【0028】
このように、CMPによる機械的平坦化処理を行った後、Ar等のガスクラスターによる第1の平坦化処理、窒素のガスクラスターによる第2の平坦化処理を行うことにより、SiC基板の表面をAr等のガスクラスターのみを用いて平坦化処理を行った場合と比べて、より一層SiC基板の表面を平坦にすることができる。尚、窒素のガスクラスターのみで平坦化を行うことも可能であるかも知れないが、平坦化のために膨大な時間を要するため実用的ではない。
【0029】
本実施の形態における表面処理方法では、SiC基板の表面を第1の平坦化処理工程においてAr等のガスクラスターを用いて平坦化し、この後、第2の平坦化処理工程において窒素等のガスクラスターを用いて平坦化するものである。これは、Ar等のガスクラスターの平坦化処理は、CMPによる研磨により形成されたキズを除去する等の比較的粗い平坦化処理に適しており、窒素等のガスクラスターの平坦化は、比較的微細な平坦化処理に適しているからである。
【0030】
このことを図6に基づき説明する。図6は、一原子当たりのエネルギーと減衰定数との関係を示すものであり、各々のガスクラスターの壊れやすさを示すものである。尚、Va30は加速電圧が30kV、Va20は加速電圧が20kV、Va10は加速電圧が10kVを示す。この図に示されるように、窒素のガスクラスターは、Arのガスクラスターよりも減衰定数が高く破壊され易く、SiC等の基板の表面にガスクラスターが衝突等した際に、ガスクラスターは破壊されてしまうものと考えられる。このためSiC等の基板の表面に窒素のガスクラスターが衝突する際には、比較的弱いエネルギーで衝突するものと考えられ、このため基板等の表面の平坦化をより滑らかに行うことができるものと考えられる。
【0031】
一方、アルゴンのガスクラスターの場合、アルゴンのガスクラスターは比較的破壊され難いため、SiC等の基板の表面にアルゴンのガスクラスターが衝突する際、比較的強いエネルギーで衝突するものと考えられる。よって、CMP等による研磨キズを除去することができるものの、アルゴンのガスクラスターの平坦化による平坦性には一定の限界がある。
【0032】
よって、アルゴンのガスクラスターによる平坦化を行った後、窒素のガスクラスターによる平坦化を行うことにより、CMP等による研磨キズを除去することができ、更に基板等の表面をより一層平坦にすることができる。
【0033】
このように、ガスクラスターにより基板等の表面の表面処理を行う場合、用いられるガスクラスターの減衰定数とガスクラスターにより平坦化されたものの平坦性との間には、相関関係があるものと考えられ、ガスクラスターの減衰定数が高いものほど、基板等の表面における平坦性を向上させることができるものと考えられる。
【0034】
従って、最初に、減衰定数の低い原料のガスクラスターにより基板等の表面の表面処理を行い、次に、減衰定数の高い原料のガスクラスターにより基板等の表面処理を行うことにより、基板等の表面の平坦性をより一層高めることができる。
【0035】
アルゴンのクラスターと同様の減衰定数を有するクラスターとしては、酸素(O)のガスクラスターがあり、アルゴンのガスクラスターよりも減衰定数の低いクラスターとしては、二酸化炭素(CO)のガスクラスターがある。
【0036】
また、窒素のガスクラスターは、実用的なガスクラスターの中では、最も減衰定数の低いガスクラスターの一つである。よって、ガスクラスターによる平坦化を複数の工程において行う際には、最後に、窒素のガスクラスターによる平坦化を行うことが好ましい。
【0037】
尚、本実施の形態における表面処理方法において、第1の平坦化処理を行うのに、好ましい材料としては、アルゴン、酸素、二酸化炭素以外にも、水(HO)、六フッ化硫黄(SF)、三フッ化窒素(NF)、キセノン(Xe)等が挙げられる。
【0038】
また、第2の平坦化処理を行う原料としては窒素が好ましく、特に、第1の平坦化処理に用いられる原料が含まれていないものであることが好ましい。
【0039】
また、表面処理が行われる基板等の材料としては、SiC以外にもシリコン、石英、ガラス、アルミナ、サファイア、窒化ガリウム、ガリウムヒ素、ダイヤモンドライクカーボン、炭化ホウ素、多結晶ダイヤ等が挙げられ、特に、硬い材料の平坦化に適している。
【0040】
また、本実施の形態における表面処理方法が行われる被処理部材50は、基板等に限定されるものではなく、表面の平坦化が必要とされるすべての部材が含まれるものである。
【0041】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における表面処理方法よりも更に平坦性を高めることのできる表面処理方法である。図7に基づき、本実施の形態について説明する。
【0042】
最初に、ステップ202(S202)において、機械的平坦化処理として、SiC基板の表面をCMPにより平坦化する。これにより、SiC基板の表面は、肉眼において、平坦な状態にすることができるものの、SiC基板の表面には肉眼では認識できない微細な研磨キズが無数に形成されている。
【0043】
次に、ステップ204(S204)において、第1の平坦化処理として、SiC基板の表面にアルゴンのガスクラスターを照射する。即ち、CMPにより平坦化されたSiC基板の表面にアルゴンのガスクラスターを照射する。アルゴンのガスクラスターを照射することにより、CMPにおける機械的平坦化処理により形成される研磨キズを除去することができ、SiC基板の表面は平坦化される。
【0044】
次に、ステップ206(S206)において、第2の平坦化処理として、SiC基板の表面に窒素のガスクラスターを照射する。窒素のガスクラスターを照射することにより、Arのガスクラスターを照射した後の状態よりも、SiC基板の表面をより平坦にすることができる。尚、第2の処理工程における窒素のクラスターの加速電圧は、20kVである。
【0045】
次に、ステップ208(S208)において、第3の平坦化処理として、第2の平坦化処理における加速電圧よりも低い10kVの加速電圧で窒素のガスクラスターを照射する。これにより、第2の平坦化処理よりも、更に、SiC基板の表面をより平坦にすることができる。具体的には、ガスクラスターの平坦化処理をする際に、加速電圧を下げることにより、ガスクラスターのエネルギーを低くすることができ、SiC基板にガスクラスターが衝突した際のエネルギーを低くすることができる。このようなガスクラスターを用いてSiC基板の表面を平坦化することにより、SiC基板の表面をより平坦にすることができる。
【0046】
上述した第2の平坦化処理及び第3の平坦化処理について、図8に基づき説明する。図8(a)(b)は、ともにアルゴンの平坦化処理を行った後に、窒素のガスクラスターにより平坦化処理を行ったものである。図8(a)は、窒素のクラスターの加速電圧が20kVで平坦化処理を行った場合のSiC基板の表面のAFM像であり、図8(b)は、窒素のクラスターの加速電圧が10kVで平坦化処理を行った場合のSiC基板の表面のAFM像である。図8に示されるように、同じ原料を用いてガスクラスターを生成した場合においても加速電圧を低くすることにより、SiC基板表面の平坦性をより一層高めることができる。よって、第2の平坦化処理を行い、その後、第3の平坦化処理を行うことにより、SiC基板の表面をより一層平坦にすることができるものと考えられる。
【0047】
また、同じ加速電圧のガスクラスターにおいて、大きなクラスターほど、表面の平坦性を高めることができることも知見として得られている。よって、第2の平坦化処理工程において、小さな窒素のガスクラスターを用いて平坦化を行った後、第3の平坦化処理工程において、大きな窒素のガスクラスターを用いて平坦化を行っても被処理部材の表面における平坦性をより高めることができるものと考えられる。
【0048】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0049】
10 ガスクラスターイオンビーム発生装置
20 ノズルチャンバー
21 ノズル
22 スキマー
23 原料ガス供給部
24 第1のガス供給源
25 第2のガス供給源
26 バルブ
27 制御部
30 ソースチャンバー
31 イオン化部
32 加速部
40 メインチャンバー
41 電極部
50 被処理部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素を含まない原料のガスクラスターイオンビームを発生させ、被処理部材に照射する第1の処理工程と、
窒素のガスクラスターイオンビームを発生させ、前記被処理部材に照射する第2の処理工程と、
を有することを特徴とする表面処理方法。
【請求項2】
前記被処理部材はCMPによる平坦化処理が行われているものであることを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
【請求項3】
前記窒素を含まない原料は、アルゴン、酸素、二酸化炭素、水、六フッ化硫黄、三フッ化窒素、キセノンのいずれか1つ、または2以上のものを含むものであることを特徴とする請求項1または2に記載の表面処理方法。
【請求項4】
前記第2の処理工程におけるガスクラスターには、前記第1の処理工程における原料のガスクラスターが含まれていないことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の表面処理方法。
【請求項5】
前記被処理部材は、シリコンカーバイト、シリコン、石英、ガラス、アルミナ、サファイア、窒化ガリウム、ガリウムヒ素、ダイヤモンドライクカーボン、炭化ホウ素、多結晶ダイヤのいずれか1つ、または2以上のものを含むものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の表面処理方法。
【請求項6】
前記第2の処理工程の後、前記窒素のガスクラスターを前記第2の処理工程における加速電圧よりも低い加速電圧で加速し、前記被処理部材に照射する第3の処理工程を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の表面処理方法。
【請求項7】
前記第2の処理工程の後、前記第2の処理工程におけるガスクラスターよりも大きなガスクラスターを前記被処理部材に照射する第3の処理工程を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の表面処理方法。
【請求項8】
ガスクラスターを生成するためのノズルと、
前記ノズルに前記ガスクラスターの原料となるガスを供給する原料ガス供給部と、
前記原料ガス供給部より供給されるガスを選択し制御する制御部と、
を有し、
前記原料ガス供給部は、窒素を含まない原料を供給する第1のガス供給源と、窒素を供給する第2のガス供給源とを有し、
前記ガスクラスターを被処理部材に照射することを特徴とする表面処理装置。
【請求項9】
前記被処理部材はCMPによる平坦化処理が行われているものであることを特徴とする請求項8に記載の表面処理装置。
【請求項10】
前記窒素を含まない原料は、アルゴン、酸素、二酸化炭素、水、六フッ化硫黄、三フッ化窒素、キセノンのいずれか1つ、または2以上のものを含むものであることを特徴とする請求項8または9に記載の表面処理装置。
【請求項11】
前記第2の供給源におけるガスは、前記第1の供給源におけるガスが含まれていないことを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の表面処理装置。
【請求項12】
前記被処理部材は、シリコンカーバイト、シリコン、石英、ガラス、アルミナ、サファイア、窒化ガリウム、ガリウムヒ素、ダイヤモンドライクカーボン、炭化ホウ素、多結晶ダイヤのいずれか1つ、または2以上のものを含むものであることを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の表面処理装置。
【請求項13】
前記第2のガス供給源から供給された窒素により生成された窒素のガスクラスターは、前記ガスクラスターに印加される印加電圧を変化させて前記被処理部材に照射することを特徴とする請求項8から12のいずれかに記載の表面処理装置。
【請求項14】
前記第2のガス供給源から供給された窒素により生成された窒素のガスクラスターは、前記ガスクラスターの大きさを変化させて前記被処理部材に照射することを特徴とする請求項8から12のいずれかに記載の表面処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図7】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−246761(P2011−246761A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120920(P2010−120920)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(592216384)兵庫県 (258)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】