説明

表面処理銅箔及びその製造方法

【課題】 吸湿性が低く、優れた耐熱性を有する液晶ポリマーフィルムとラミネートして
、ピール強度が大きく、ファインパターン化が可能な基板用複合材とすることのできる表
面処理銅箔を提供すること。
【解決手段】 本発明は、銅箔に粗化粒子を付着して粗化面とした銅箔であって、その表
面粗さRzが1.5〜4.0μmであり、明度値が30以下である粗化処理面である表面
処理銅箔である。粗化粒子から形成される突起物は、その高さが1μm〜5μmであり、
観察断面25μmの範囲に6〜35個の個数で略均等に分布しているものが好ましい。ま
た、各突起物の最大幅が0.01μm以上であり、25μm範囲に存在する突起物の個数
で25μmを割った長さの2倍以下であるものが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシ樹脂・ポリイミド樹脂及び熱可塑性液晶ポリマーを主体としたフィルム(以下液晶ポリマーフィルムと言うこともある)との密着性を改良した表面処理銅箔に関するものであり、更に、該表面処理銅箔と前記フィルムとを積層しフレキシブル基板・高密度実装用多層基板・高周波回路用基板用の表面処理銅箔並びに該表面処理銅箔を用いて形成した回路基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化、軽量化に伴い、最近の各種電子部品は高度に集積化されている。
これらに使用されるフレキシブル基板・高密度実装用多層基板・高周波回路基板等(以下これらを総称してプリント配線板と言うこともある)を製作する基板用複合材は、導体(銅箔)とそれを支持する絶縁基板から構成されており、絶縁基板は、導体間の絶縁を確保し、部品を支持する強度をもたせるなどの役割を果たしている。
また、回路基板を伝わる信号の速度が速くなるに従い、回路基板を構成する絶縁材料の特性インピーダンスや信号伝搬速度などが重要となり、絶縁材料の誘電率、誘電体損失などが関係するのでその特性の向上が要求される。
【0003】
これらの条件を満足させる絶縁材料として提供されている基板用の材料としてはフェノール樹脂材が多く、めっきスルーホールには、エポキシ樹脂材が多い。また、近年では信号の高速伝搬のためには、誘電率が小さく、誘電体損失も小さい絶縁材料が要求され、それに対する材料も開発されている。
また、耐熱性を必要とする基板として、耐熱性エポキシ樹脂、ポリイミドなどの絶縁基板が使われている。この他、寸法安定性のよい材料、反り、ねじれの少ない材料、熱収縮の少ない材料などが開発されている。
【0004】
更に、フレキシブルな基板用複合材で耐熱性を必要とする場合に、或いは半田付けを必要とする場合などには、ポリイミドフィルムが用いられる。一方、カーボンインクなどの印刷で、半田を使わな用途ではポリエステルフィルムが用いられている。近年、フレキシブル基板等も複雑になり、多くの場合、ポリイミドフィルムが使われるようになってきている。
【0005】
しかし、ポリイミドは吸水により誘電特性が大きく変化し、吸水環境下では高周波特性が大きく低下するという問題がある。また、高度な耐熱性を有する反面、熱溶融性がないので、導体である銅箔との複合には、銅箔上に前駆体であるポリアミック酸をキャスティングした後イミド化したり、ポリイミドフィルム上に接着層を設けた後銅箔とラミネートするなどの方法をとる必要があり工程が複雑になる問題がある。
そこで、ポリイミドに比べ、吸湿性が著しく低いために誘電特性の変化が少なく、半田付けに耐えられる耐熱性を有する熱可塑性材料として、液晶ポリマーが注目されている。しかし、この液晶ポリマーからなるフィルムは、銅箔との接着性が低く、銅箔とのピール強度がポリイミドに比較すると弱くなる傾向にある。
【0006】
これらの絶縁基板に張り合わせて導電層として使用される銅箔は主に電解銅箔である。電解銅箔は、通常、図1に示すような電解製箔装置により製箔され、図2に示す表面処理装置により密着性向上のための粗化処理や防錆処理等が施される。
【0007】
図1に示す電解製箔装置は、回転するドラム状のカソード2(表面はSUS又はチタン製)と該カソードに対して同心円状に配置されたアノード1(鉛又は貴金属酸化物被覆チタン電極)からなり、電解液3を流通させつつ両極間に電流を流して、該カソード表面に所定の厚さに銅を析出させ、その後該カソード表面から銅を箔状に剥ぎ取る。この段階の銅箔4が未処理銅箔である。また該未処理銅箔の電解液と接していた面がマット面、回転するドラム状のカソード2と接していた面が光沢面(シャイニー面)である。
【0008】
製箔された未処理銅箔4は、絶縁基板と積層し銅張積層板を製造するのに必要とされる接着強度(ピール強度)を高めるために、図2に示すような表面処理装置により未処理銅箔4に、電気化学的或いは化学的な表面処理を連続的に行う。図2は電気化学的に表面処理を連続的に行う装置を示すもので、未処理銅箔4を電解液5が充填された電解層、電解液6が充填された電解層を連続的に通過させ、電極7をアノードとし、銅箔自体をカソードとして表面処理を施し、絶縁(樹脂)基板と接着させるときの密着性を高めるために、粒状の銅を未処理銅箔4の表面に析出させる。この工程が粗化処理工程であり、粗化処理は、通常、未処理銅箔4のマット面またはシャイニー面に施される。これらの表面処理を施した後の銅箔が表面処理銅箔8であり、絶縁基板と積層して回路基板とする。
【0009】
しかし、エポキシ樹脂・ポリイミド・液晶ポリマーのうち、特に液晶ポリマーは銅箔との接着強度(ピール強度)が出難い樹脂として知られている。一般的に、これらの樹脂等と銅箔のピール強度は銅箔表面粗さRz(ここで表面粗さRzは、JISB 0601−1994「表面粗さの定義と表示」の「5.1 十点平均粗さ」の定義に規定されたRzを言う。)に大きく影響される。銅箔の表面粗さを考える場合は、未処理銅箔の表面粗さRzと、銅箔表面を粗化処理した表面粗化銅箔のRzが挙げられる。従来より、平滑な未処理銅箔において、特にピール強度が出難い樹脂に対するピール強度を高める場合には、粗化処理時に流す電流を大きくし、粗化処理時の粒状銅の付着量を多くし表面粗さRzを増やして対処する方法が行なわれてきている。確かにこの方法は、ピール強度を上げるための目的には適しているが、高周波特性においては、表皮効果の関係上表面粗さRzが大きく、或いは粗化粒子の量が多くなることは好ましくない。
【0010】
また、液晶ポリマー樹脂の種類によっては、表面処理銅箔の表面の粗さRz値をあげてもピール強度に相関が得られないフィルムの種類がある。このようなフィルムについては、粗化粒子において形成される突起物の形状が深く関係があることが分かってきている。
また、プリント配線板における回路パターンも高密度化が要求され、配線は微細な線幅と配線ピッチから成る回路パターンで形成されるいわゆるファインパターンのプリント配線板が要求されるようになってきている。最近では、配線ピッチが50μm〜100μm程度で線幅が30μm前後の高密度極細配線からなるプリント配線板が要求されている。ピール強度を上げるための粗化粒子における表面粗さRzを大きくしたり、付着量を多くすることは、これらのファインパターン化の場合にも不適である。未処理銅箔の表面を粗くし、粗化粒子付着量を減らすことでピール強度を上げることも可能であるが、高周波特性・ファインパターンを作製する上では不適当である。
【0011】
現在、液晶ポリマーとの接着性を改良した銅箔として、特定の元素を含み、特定厚さの表面酸化層や防錆層を設けた銅合金箔が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、液晶ポリマーをフィルム化すると、棒状分子が面方向に配向するために、厚み方向の強度が極端に低下するので、この様な粗化を行わない銅箔では、液晶ポリマーフィルムが銅箔界面との極近傍で容易に破壊してしまうために、結果として十分なピール強度が得られない。
【0012】
また、液晶ポリマーの接着性を改善するために、プラズマ処理(例えば、特許文献2参照)、UV処理(例えば、特許文献3参照)などの表面処理を施す方法も提案されているが、これらの方法を用いても、表面粗さの低い銅箔には十分な接着性が得られていない。
そこで、高周波特性が良いこと、ファインパターンが作製できること、ピール強度を上げることを可能にする銅箔の開発が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2003−064431号公報
【特許文献2】特開2001−049002号公報
【特許文献3】特開2000−233448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消すべくなされたものであり、一般的に使用されているエポキシ樹脂・ポリイミドフィルム及び吸湿性が著しく低いために誘電特性の変化が少なく、半田付けに耐えられる耐熱性を有しながら、加熱により銅箔とラミネートが可能であるが、ピール強度が得られにくい液晶ポリマー樹脂に対し、ピール強度が大きく、ファインパターン化を可能とした表面処理銅箔であり該表面処理銅箔を使用して、高周波特性が良好な回路基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)本発明は、次の組成からなる2種類の表面粗化処理用めっき液(イ)及び表面粗化処理用めっき液(ロ)
表面粗化処理用めっき液(イ)
硫酸銅(Cu金属として) 1〜50g/dm
硫酸、硫酸ニッケル又は硫酸コバルト 1〜120g/dm
モリブデン酸アンモニウム又はメタヴァナジン酸アンモニウム(V金属又はMo金属として) 0.1〜15g/dm
表面粗化処理用めっき液(ロ)
硫酸銅(Cu金属として) 10〜70g/dm
硫酸、硫酸ニッケル又は硫酸コバルト 30〜120g/dm
を用いて、めっき液(イ)めっき液(ロ)の順序で電解処理を行い、その表面に粗化粒子の突起物を形成させることを特徴とする、表面粗さRzが1.5〜4.0μmで、明度値が30以下である表面処理銅箔の製造方法である。
【0016】
(2)また、本発明は、前記電解処理の条件が、表面粗化処理用めっき液(イ)の時が、電流密度が1〜60A/dmで、通電時間が1秒〜2分であり、表面粗化処理用めっき液(ロ)の時が、電流密度が5〜60A/dmで、通電時間が1秒〜2分であることを特徴とする、前記(1)に記載の表面処理銅箔の製造方法である。
【0017】
(3)また、本発明は、前記電解処理時の浴温度が、表面粗化処理用めっき液(イ)が20〜60℃、表面粗化処理用めっき液(ロ)が20〜65℃であることを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の表面処理銅箔の製造方法である。
【0018】
(4)更に、本発明は、次の組成からなる2種類の表面粗化処理用めっき液(イ)及び表面粗化処理用めっき液(ロ)
表面粗化処理用めっき液(イ)
硫酸銅(Cu金属として) 1〜50g/dm
硫酸、硫酸ニッケル又は硫酸コバルト 1〜120g/dm
モリブデン酸アンモニウム又はメタヴァナジン酸アンモニウム(V金属又はMo金属として) 0.1〜15g/dm
表面粗化処理用めっき液(ロ)
硫酸銅(Cu金属として) 10〜70g/dm
硫酸、硫酸ニッケル又は硫酸コバルト 30〜120g/dm
を用いてめっき液(イ)めっき液(ロ)の順序で電解処理を行い、その表面に粗化粒子の突起物を形成させてなる、表面粗さRzが1.5〜4.0μmで、明度値が30以下である表面処理銅箔である。
【0019】
(5)また、本発明は、前記粗化粒子の突起物の付着量が2.5mg/dm以上400mg/dm以下で、その高さが1〜5μmであり、該突起物が100μm×100μmの面積に200〜25000個分布しており、該突起物の最大幅が0.01μm以上で、観察断面25μmの範囲に存在する突起物の個数で25μmを割った長さの2倍以下であることを特徴とする、前記(4)に記載の表面処理銅箔である。
【0020】
(6)更に、本発明は、前記(4)又は(5)に記載の表面処理銅箔を、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂又は液晶ポリマーから選ばれる絶縁基板に貼り合わせて作成したことを特徴とする基板用複合材である。
【0021】
(7)更に、本発明は、前記(6)記載の基板用複合材の前記表面処理銅箔をエッチング処理し、所定の配線パターンを形成したことを特徴とする回路基板である。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、粗化粒子で形成される特定の形状と分布を示す突起物を銅箔表面に形成させた表面処理銅箔であり、該表面処理銅箔は絶縁基板であるエポキシ樹脂・ポリイミドフィルム・吸湿性が著しく低いために誘電特性の変化が少なく、半田付けに耐えられる耐熱性を有する液晶ポリマーに対してピール強度が大きく、ファインパターン化が可能な表面処理銅箔と該表面処理銅箔を用いた、特にファインパターンで高周波特性に優れた回路基板
を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】電解製箔装置の構造を示す断面図である。
【図2】表面処理装置の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の表面処理銅箔の一実施形態の断面観察概略図である。
【図4】本発明の表面処理銅箔の他の実施形態の断面観察概略図である。
【図5】表面処理箔において、突起物が均等に分布していない状態を示す断面観察概略図である。
【図6】エッチング後の断面を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明では、表面処理前の銅箔(未処理銅箔)は、電解もしくは圧延によって製造された銅箔である。その銅箔の厚さは1μm〜200μmであり、少なくとも片面の表面粗さが、Rz:0.01μm〜2μmの銅もしくは銅合金箔であることが好ましい。銅箔の厚みについては、厚さが1μm以下の銅箔に対し、その表面上に粗化処理を行なうことは、非常に難しく、また、高周波プリント配線板用に使用する銅箔としては、200μm以上の箔は現実的でないと考えられるためである。
【0025】
未処理銅箔の表面粗さについては、Rz:0.01μm以下の箔は、現実的に製造も困難であり、もし製造できても製造コストがかかることから現実的に不適であり、また、Rz:2.0μm以上の未処理銅箔を使用してもよいが、高周波特性及びファインパターン化を考えると未処理銅箔の表面粗さが2μm以下であると更に好ましい。
本発明においては、上記した未処理銅箔について表面処理を行う。未処理銅箔の表面を表面粗化処理は、未処理銅箔の表面に粗化粒子を付着させ、その表面粗さがRz:1.5〜4.0μmの粗化面とする。
【0026】
未処理銅箔の表面を粗化処理し、表面粗化粒子を付着させて突起物を形成した粗化面の表面粗さはRzが1.5〜4.0μmである。Rz:1.5μm未満では、ピール強度が低いためその目的を果たす表面処理銅箔としては満足でなく、また、Rz:4.0μmより大きいと、高周波特性が低下するうえにファインパターン化に不向きとなるためである。
また、本発明の未処理銅箔上に行なう表面処理において付着させる銅もしくは銅合金量
は、2mg/dm〜400mg/dmが好ましい。付着量が2mg/dm未満ではピール強度が低いためその目的を果たす表面処理銅箔としては満足でなく、また400mg/dmより大きいと、高周波特性が低下するうえにファインパターン化に不向きとなるためである。
【0027】
また、本発明においては表面粗化処理を行った粗化処理銅箔は、明度値が30以下である必要がある。本発明における明度とは、通常、表面の粗さを見る指標として使用されている明度であり、測定方法としては、測定サンプル表面に光をあて光の反射量を測定し明度値として表す方法である。この方法で表面処理銅箔の処理面の明度を測定すると、表面粗さのRzが大きいかまたは粗化粒子間の溝の深さが深い時は、光の反射量が少なくなるため明度値が低くなり、平滑な場合では光の反射量が大きくなり明度が高くなる傾向がある。絶縁基板(液晶ポリマーフィルム)とのピール強度を向上させるためには明度を30以下とすると良い。また、明度31以上では、粗化面を大きなRzとしても凹凸がなだらかな凹凸となるため表面処理銅箔と絶縁基板(液晶ポリマーフィルム)との食いつきが悪く、ピール強度が向上しないためである。
【0028】
なお、明度の測定は、被測定銅箔に
Ni: 0.01〜0.5mg/dm2
Zn: 0.01〜0.5mg/dm2
Cr: 0.01〜0.3mg/dm2
の範囲内の防錆処理を施した後、明度計(スガ試験機株式会社製、機種名:SMカラーコンピューター、型番SM−4)を使用して明度を測定した。
【0029】
以上のような表面粗さ(Rz)および明度値を兼ね備えた本発明の表面処理銅箔は、液晶ポリマーフィルムと積層・複合化されて、接着性に難点のある液晶ポリマーフィルムの欠点を補い、後記する実施例・比較例から明らかなように、優れたピール強度およびファインパターン特性を有する銅張積層板を提供することができる。
【0030】
本発明においては、上記したように、未処理銅箔の表面を粗化処理したものであるが、さらに優れたピール強度およびファインパターン特性を得るために、下記する粗化粒子から形成される突起物を略均等に存在(分布)することが好ましい。突起物の高さは、1.0μm乃至5.0μmのものがよい。該未処理銅箔表面に形成される突起物の高さが、1.0μm以下では、高さが低いためピール強度を上げる効果が得られず、5.0μm以上では突起物の分布が均一にならず、表面処理箔の表面粗さRzが範囲毎にバラツキが大きくなるため、安定性のあるピール強度が保てず、また高周波特性が低下するうえに、ファインパターン化に不向きとなるためである。尚、ここでいう高さとは、未処理銅箔の表面と突起物の頂点との距離をいう。
【0031】
また、突起物の個数は、数が少なければ、ピール強度が出せず、また個数が多いと銅箔表面と突起物との密着性が弱く数が多くてもその効果は逆に減少する。本発明においては、上記したように、未処理銅箔の表面を粗化処理し、その表面における均一なピール強度を得るために粗化粒子から形成される突起物は、100μm×100μmの面内に200〜25000個存在することが望ましい。突起物の個数が200個より少ないと突起物間の隙間が広くなりファインパターンをきることができず、25000個以上であると突起物と突起物との間隔が狭まりピール強度が低下してしまうことから好ましくない。
また、本発明において、突起物の個数は、観察断面25μm内に6個〜35個存在することが好適であり、特に10個〜20個が最適である。
【0032】
ここで、本発明でいう観察断面内に存在する突起物の概念について説明する。1つの突起物と該突起物と隣接する突起物の間に形成される溝部の底と突起物の頂点との距離(以下、溝深さということがある。)が0.3μm未満の場合、このような突起物は隣接する突起物と合わせて1つの突起物として把握し、また、溝深さが0.3μm以上の場合、このような突起物は隣接する突起物も独立した突起物として2つの突起物として把握する。この溝深さは、前記した突起物の高さが未処理銅箔の表面と突起物の頂点との距離をいうのに対し、表面粗化処理を行った後の溝部の底と突起物の頂点との距離をいう点で異なる。
【0033】
突起物の数を数える方法としては、表面処理銅箔を樹脂に埋め、研磨を行った後断面SEM観察を行い観察写真にて、25μmの長さで上記定義する突起物の数が何個あるかを数える方法が挙げられる。本発明は、この方法を用いて測定した数を実施例の表に記載した。また、断面観察の概略図を図3、図4、図5に記載した。
さらに、高さが、1.0μm〜5.0μmである突起物の個数が、25μm内に6個〜35個存在し、該突起物間に深さが0.3μm以上の溝を存在させて略均等に分布させることは、突起物が25μm以内で部分的に集中することを避けることができ、銅箔の幅方向・長手方向でピール強度の安定化が図れる。
【0034】
本発明で記載している「略均等に分布している」とは、「突起物の頂点と銅箔表面の間の高さが1.0μm〜5.0μmである突起物の個数をn(個)とし、突起物を断面観察したときの観察幅を25(μm)とした時に、25/n(μm)の幅の領域に、少なくとも該突起物の1つの一部分がその領域に存在している」ことをいう。
【0035】
また、ピール強度の安定化を図るためには、形成する突起物の幅に均一性があることが望ましく、各突起物の最大幅が、0.01μm以上であり、25μmの範囲内に存在する突起物の個数で25μmを割った長さの2倍以下の幅であることが好ましい。尚、ここでいう最大幅とは、前記した断面のSEM観察において、突起物の高さ方向と垂直な方向の距離の最大値をいう。
また突起物間の溝深さにおいては、突起物間の平均溝深さが、0.5μm以上であると更に好ましい。
【0036】
突起物間の平均溝深さは、溝の深さが0.3μm以上の突起物n個に対して、各突起物の両サイドの溝深さを測定し、その時の値を A1(μm) B1(μm)・・・・・・・An(μm) Bn(μm)とした時、次式により求めた値である。
((A1+B1)+・・・・・・+(An+Bn))/2/nで求める。
【0037】
図3は本発明の実施形態に適合した表面処理銅箔の観察断面の図であり、突起の数は25μm以内に6個以上存在し、その高さは1〜5μmの範囲に入っており、溝深さは0.3μm以上であり、突起物の最大幅は0.01μm以上、25μmの範囲内に存在する突起物の個数で25μmを割った長さの2倍以下の幅となっている。
図4は、突起の最大幅が0.01μm以上、25μmの範囲内に存在する突起物の個数で25μmを割った長さの2倍以下の幅以上の幅の突起物が一部存在する断面を示し、図5は、突起物が均等に分布していない断面を示している。
【0038】
このように、図3に示す断面形状の表面処理銅箔は液晶ポリマーフィルムとの密着性が良く、ファインパターンの回路構成が可能である。図4に示す断面形状の表面処理銅箔は幅の広い突起物が一部に存在し、部分的に液晶ポリマーフィルムとの密着性がよくない部分が存在するためハイパターン回路では支障が出ることもあるが、他の一般的な用途には支障とならない程度である。図5に示すように、突起物が均等に分布されていない場合には液晶ポリマーフィルムとの密着性に支障が生じ、ファインパターンの回路構成ができない恐れが生じる。
【0039】
本発明の表面処理箔の突起物を形成する粗化粒子は、Cu又はCuとMoの合金粒子、あるいはCuとNi、Co、Fe、Cr、V及びWの群から選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいるものである。
Cu粒子又はCuとMoの合金粒子で所望の突起物は得られるが、Cu粒子又はCuとMoの合金粒子にNi、Co、Fe、Cr、V及びWの群から選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいる2種類以上の合金粗化粒子で形成された突起物は更に均一性のある突起物を形成できるためより効果的である。これらの突起物を形成する粗化粒子は、化学結合を樹脂と行うため、ピール強度を増大させると考えられる。樹脂種にもよるが、ピール強度を化学結合で増大させる粒子としてCu−Mo合金、Cu−Ni合金、Cu−Co合金、Cu−Fe合金、Cu−Cr合金、Cu−Mo−Ni合金、Cu−Mo−Cr合金、Cu−Mo−Co合金、Cu−Mo−Fe合金などが挙げることができる。
【0040】
前記突起物を形成する合金粒子に含まれるMo、Ni、Co、Fe、Cr、V及びWの群から選ばれる少なくとも1種の元素は、Cuの存在量に対し0.01ppm〜20%を占めることが好ましい。存在量が20%を越える合金組成では、後工程で回路パターンをエッチングする際に、溶解しにくくなるためであり、更に、均一な突起物を得るために、各種電解液により、電流密度、液温、処理時間を最適にすることが望ましい。
【0041】
また、突起物を設けた表面に、粉落ち性・耐塩酸性・耐熱性・導電性を向上させることを目的にNi、Ni合金、Zn、Zn合金、Agの群から選ばれる少なくとも1種の金属メッキ層を設けると良い。更に、突起物を設けていない方の表面にも耐塩酸性・耐熱性・導電性を向上させることを目的にNi、Ni合金、Zn、Zn合金、Agの少なくとも1種の金属メッキ層を付着させると良い。これらの目的を果たすためには、付着金属量として 0.05mg/dm以上、10mg/dm以下であることが望ましい。
特に液晶ポリマー樹脂等におけるNi金属またはNi合金は、ピール強度を高める効果がある。
【0042】
上記構成からなる粗化面の箔上にCrおよび/またはクロメート被膜を形成させ防錆処理を行ない、又は、必要に応じシランカップリング処理または防錆処理+シランカップリングを施す。
【0043】
絶縁基板としては、エポキシ樹脂・ポリイミドフィルム・液晶ポリマーを50%以上含む組成物からなるフィルムなどが用いられる。液晶ポリマーの組成物には、線膨張係数制御、接着性改善、物性改善等の目的で、無機フィラーやポリエーテルサルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑ポリイミド等の熱可塑性樹脂を混合することもできる。しかし、液晶ポリマーの含有量が50%を下回ると、低吸水性、耐熱性、誘電特性などの面で液晶ポリマーの特性が失われてしまい好ましくない。
【0044】
ここで用いられる液晶ポリマーを50%以上含む組成物(以下単に液晶ポリマーという)は、加熱溶融状態で液晶性を示す熱可塑性液晶ポリマーを指し、溶液中で液晶性を示すが、加熱溶融をおこさない芳香族ポリアミドのようなライオトロピック型の液晶ポリマーは用いない。この様な液晶ポリマーの代表例としては、モノマーとして芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール等を単独、もしくは共重合した全芳香族ポリエステルが挙げられる。
【0045】
この絶縁基板としての液晶ポリマーフィルムと表面粗化銅箔を貼り合わせる方法としては、熱プレス方式、連続ロールラミネート方式、連続ベルトプレス方式などが用いられ、接着剤等を介さずに熱圧着する。
【実施例1】
【0046】
以下に、本発明を実施形態に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施例においては、銅箔、粗化処理用めっき液、絶縁基板用フィルムとして、以下に記載したものを用いた。
【0047】
(イ)銅箔:
(i)原箔1
厚さ:12μmで、マット面粗度:Rz=1.26μm、光沢面粗度:Rz=1.82μmの未処理電解銅箔、及び未処理圧延銅箔を用意した。
(ii)原箔2
厚さ:12μmで、マット面粗度:Rz=1.52μm、光沢面粗度:Rz=1.46μmの未処理電解銅箔を用意した。
(iii)原箔3
厚さ:12μmで、マット面粗度:Rz=1.86μm、光沢面粗度:Rz=1.2μmの未処理電解銅箔を用意した。
【0048】
(ロ)表面粗化処理用めっき液およびめっき条件:
(i)電気めっきA
めっき浴1
硫酸銅(Cu金属として) 5〜10g/dm
硫 酸 30〜120g/dm
モリブデン酸アンモニウム(Mo金属として) 0.1〜5.0g/dm
電流密度 10〜60A/dm
通電時間 1秒〜2分
浴 温 20〜60℃
めっき浴2
硫酸銅(Cu金属として) 20〜70g/dm
硫 酸 30〜120g/dm
電流密度 5〜60A/dm
通電時間 1秒〜2分
浴温 20℃〜65℃
【0049】
(ii)電気めっきB
めっき浴1
硫酸銅(Cu金属として) 1〜50g/dm
硫酸ニッケル(Ni金属として) 2〜25g/dm
メタパナジン酸アンモニウム(V金属として) 0.1〜15g/dm
pH 1.0〜4.5
電流密度 1〜60A/dm
通電時間 1秒〜2分
浴 温 20℃〜60℃
めっき浴2
硫酸銅(Cu金属として) 10〜70g/dm
硫 酸 30〜120g/dm
電流密度 5〜60A/dm
通電時間 1秒〜2分
浴 温 20℃〜65℃
【0050】
(iii)電気めっきC
めっき浴1
硫酸銅(Cu金属として) 1〜50g/dm
硫酸コバルト(Co金属として) 1〜50g/dm
モリブデン酸アンモニウム(Mo金属として) 0.1〜10g/dm
pH 0.5〜4.0
電流密度 1〜60A/dm
通電時間 1秒〜2分
浴 温 20℃〜60℃
めっき浴2
硫酸銅(Cu金属として) 10〜70g/dm
硫 酸 30〜120g/dm
電流密度 5〜60A/dm
通電時間 1秒〜2分
浴 温 20℃〜65℃
【0051】
(iv)電気めっきA’ B’(比較例)
めっき浴3
硫酸銅(Cu金属として) 20〜70g/dm
硫 酸 30〜120g/dm
電流密度 3A/dm
通電時間 2分以上(表面粗さにおいて時間を変更)
浴 温 15℃
【0052】
(ハ)絶縁基板用フィルム:
(i)液晶ポリマーフィルム(絶縁基板)1(以下「フィルム1」とする)
ジャパンゴアテックス(株)製のI型液晶ポリマーフィルム、BIAC BA050F−NTを用いた。
(ii)液晶ポリマーフィルム(絶縁基板)2(以下「フィルム2」とする)
ジャパンゴアテックス(株)製のII型液晶ポリマーフィルム、BIAC BC050F−NTを用いた。
【0053】
銅箔として上記の原箔1〜原箔3を用いて、図2に示す表面処理装置において、上記の電気めっき液A〜Cに示すめっき液組成・浴温度・電流条件範囲のいずれかのものを用いて、めっき浴1→めっき浴2の順番で少なくとも1回のめっきを行った。更に、これらの粗化処理面に、Niめっき(0.3mg/dm)、亜鉛めっき(0.1mg/dm)を施し、その上にクロメート処理を施した。なお、電気めっき液A’,B’の場合には、めっき浴2の代わりにめっき浴3の液組成および条件を用い、比較例の箔を作製した。
このようにして得られた表面粗化処理した銅箔の表面の粗さ等の測定結果を、表面処理の選択条件とともに表1に示す。
【0054】
次に、このようにして得た表面処理銅箔に、以下のようにして液晶ポリマーフィルム(絶縁基板)のラミネートを行なった。
即ち、上記のようにして得た表面処理銅箔と前記フィルム1又はフィルム2のいずれかとを積層し、多段式真空プレス機(北川製作所製ホットアンドコールドプレスVH3−1377)を用いて、前記フィルム1の場合には335℃で4MPaの条件で、前記フィルム2の場合には310℃で4MPaの条件で、5分間保持した後冷却してラミネート処理を行い基板用複合材とした。室温からの昇温は、7℃/分の速度で行った。
【0055】
また、以下のように、液晶ポリマーフィルムの代わりに、ポリイミドフィルムまたはエポキシ樹脂シートを用いて、表面処理銅箔のラミネートを行い、基板用複合材を得た。
即ち、上記のようにして作成した表面処理銅箔を、縦250mm、横250mmに切断した後、極薄銅箔表面(粗化面の側の面)上に厚さ50μmのポリイミドシート(宇部興産製UPILEX−VT)を置き、全体を2枚の平滑なステンレス鋼板で挟み、20torrの真空プレスにより、温度330℃、圧力2kg/cmで10分間熱圧着し、その後、温度330℃、50kg/cmで5分間熱圧着して作成した。
【0056】
エポキシ樹脂シートの場合は、上記のようにして作成した表面処理銅箔を、縦250mm、横250mmに切断したのち、その粗化面の側の面を、熱圧着後に厚さ1mmとなる枚数のガラス繊維エポキシプレプリグシート(FR−4)の上におき、全体を2枚の平滑なステンレス鋼板で挟み、温度170℃、圧力50kg/cmで60分間熱圧着し、キャリア箔付きのFR−4キャリアピール用片面銅張積層板を作成した。
【0057】
この様にして得られた、表面処理箔を用いた液晶ポリマーフィルム、ポリイミドフィルムまたはエポキシ樹脂シートとの基板複合材(銅張積層板)の、ピール強度を測定した。ピール強度の測定は、JIS C6471に準じ、180度方向に引き剥がして行った。
【0058】
また、作成した基板複合材のファインパターン特性を以下の方法によって評価した。
即ち、作成した銅箔をFR4樹脂に貼り付け、図6に断面概略図を示すように銅箔にライン幅:L、スペース幅:Sにてレジストした銅箔を、塩化鉄浴にてエッチングし、ライン幅Lのトップの幅がレジスト幅と同じになるエッチング時間を決定し、各ライン幅L及び各スペース幅S(基板1枚に形成するラインを10本とする)でレジストした基板を各n=10作成し、塩化鉄浴で上記決定した時間、エッチングを行い、各基板において、ライン間にブリッジが発生していないこと、または根残りがないこと、またはラインのトップの幅がレジストと同じになっていることを観察し、n=10作成した各基板にそれらが観察されなかったものの中で最小のLとSの値を求めた。
以上の各実施例、各比較例の条件で行なったピール強度およびファインパターン特性評価の結果を表1に示す。
【0059】
【表1】

【0060】
【表2】

【0061】
表1から明らかなように、実施例における表面処理銅箔と比較例における表面処理銅箔とは、その表面粗さが同等でも粗化粒子から形成される突起物の数及びそれに依存する明度によってピール強度が明らかに相違し、実施例の表面処理銅箔の方が向上していることがわかる。比較例7では、粗さが大きい分ピール強度は上がっているが、ファインパターンが切れない欠陥がでてきている。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、粗化粒子で形成されるある特定の形状を示す突起物を銅箔表面に形成させた表面処理銅箔であり、該表面処理銅箔に絶縁基板としてエポキシ樹脂・ポリイミドフィルム・液晶ポリマーを用いることで良好なピール強度を有し、耐熱性に優れ、ファインな配線パターンを作成することができ、かつ高周波特性に優れた基板用複合材及びこれを用いた回路基板を提供することができ、種々の電子回路部品産業の分野での利用が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 電解製箔装置のアノード
2 電解製箔装置のカソード
3 電解製箔装置の電解液
4 未処理銅箔
5 表面処理装置の電解液
6 表面処理装置の電解液
7 表面処理装置のアノード
8 電解銅箔(表面処理銅箔)





【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の組成からなる2種類の表面粗化処理用めっき液(イ)及び表面粗化処理用めっき液(ロ)
表面粗化処理用めっき液(イ)
硫酸銅(Cu金属として) 1〜50g/dm
硫酸、硫酸ニッケル又は硫酸コバルト 1〜120g/dm
モリブデン酸アンモニウム又はメタヴァナジン酸アンモニウム(V金属又はMo金属として) 0.1〜15g/dm
表面粗化処理用めっき液(ロ)
硫酸銅(Cu金属として) 10〜70g/dm
硫酸、硫酸ニッケル又は硫酸コバルト 30〜120g/dm
を用いて、めっき液(イ)めっき液(ロ)の順序で電解処理を行い、その表面に粗化粒子の突起物を形成させることを特徴とする、表面粗さRzが1.5〜4.0μmで、明度値が30以下である表面処理銅箔の製造方法。
【請求項2】
電解処理の条件が、表面粗化処理用めっき液(イ)の時が、電流密度が1〜60A/dmで、通電時間が1秒〜2分であり、表面粗化処理用めっき液(ロ)の時が、電流密度が5〜60A/dmで、通電時間が1秒〜2分であることを特徴とする、請求項1記載の表面処理銅箔の製造方法。
【請求項3】
電解処理時の浴温度が、表面粗化処理用めっき液(イ)が20〜60℃、表面粗化処理用めっき液(ロ)が20〜65℃であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の表面処理銅箔の製造方法。
【請求項4】
次の組成からなる2種類の表面粗化処理用めっき液(イ)及び表面粗化処理用めっき液(ロ)
表面粗化処理用めっき液(イ)
硫酸銅(Cu金属として) 1〜50g/dm
硫酸、硫酸ニッケル又は硫酸コバルト 1〜120g/dm
モリブデン酸アンモニウム又はメタヴァナジン酸アンモニウム(V金属又はMo金属として) 0.1〜15g/dm
表面粗化処理用めっき液(ロ)
硫酸銅(Cu金属として) 10〜70g/dm
硫酸、硫酸ニッケル又は硫酸コバルト 30〜120g/dm
を用いてめっき液(イ)めっき液(ロ)の順序で電解処理を行い、その表面に粗化粒子の突起物を形成させてなる、表面粗さRzが1.5〜4.0μmで、明度値が30以下である表面処理銅箔。
【請求項5】
前記粗化粒子の突起物の付着量が2.5mg/dm以上400mg/dm以下で、その高さが1〜5μmであり、該突起物が100μm×100μmの面積に200〜25000個分布しており、該突起物の最大幅が0.01μm以上で、観察断面25μmの範囲に存在する突起物の個数で25μmを割った長さの2倍以下であることを特徴とする、請求項4記載の表面処理銅箔。
【請求項6】
請求項4又は5記載の表面処理銅箔を、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂又は液晶ポリマーから選ばれる絶縁基板に貼り合わせて作成したことを特徴とする基板用複合材。
【請求項7】
請求項6記載の基板用複合材の前記表面処理銅箔をエッチング処理し、所定の配線パターンを形成したことを特徴とする回路基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−13738(P2010−13738A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−241107(P2009−241107)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【分割の表示】特願2005−12440(P2005−12440)の分割
【原出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】