説明

表面成形装置及び成形方法

【課題】表面処理工程が突然中断した場合でも、処理表面に少なくとも許容し得る程度の部分的矯正が行われる、レーザ切除法によるコンタクトレンズの表面成形方法及び成形装置を得る。
【解決手段】シーケンスジェネレータ(10)が、個々のブロックを所定の順序に整列し、各順序ブロックについて処理表面(4)の完全な部分的矯正が確実に行われるように、シーケンスジェネレータ(10)により伝送される特定の順序ブロックが、レーザビーム偏向ユニット(3)及び成形ユニット(2)に作用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面をレーザーによって切除することによって、コンタクトレンズの表面を眼科学的に正確に成形するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、屈折性角膜切除(PRK)に応用が可能なものであり、既知の技術水準を非正視の矯正について説明する。
【0003】
1980年代半ば以降使用されている、切除法による非正視の矯正はすべて、Munnerlinが最初に報告した、角膜に必要とされる扁平化ないし急峻化の計算式に基づくものである。この計算式によって、近視を矯正する場合は角膜組織の中央部を周辺部より多く切除し、遠視を矯正する場合は周辺部を中央部より多く切除する。このようにして得られる角膜表面の屈折率の増加又は減少は、効果としてはコンタクトレンズのそれに匹敵する。
【0004】
適切な量の角膜を切除することは、本発明に関連する公知の方法ではすべて、常に変化する領野の中の連続する領域ごとに行われる。理論的に最も単純な球面近視の矯正においては、これらの領野は直径が常に増大又は減少する円の連続で表される。最良の治療結果を得るためには、1系列をなすすべての層を完全に除去することが必要である。
【0005】
今日知られている方法の特徴は、これらの系列を常に最初から最後まで定常的に増加又は減少する順序で処理することである。この方法では、非意図的な治療の中断があったときは、角膜表面の形状が不規則となり、通常は著しい視力低下を来たす。このようなして引き起こされた視力障害は不幸にして、眼鏡やコンタクトレンズなどの通常の方法では矯正が不可能あるいは不十分であり、解決方法としては中断した点から治療を再開することしかない。もし中断時点が正確に見出されない、あるいは患者にそのような治療を行う気持ちがない場合は、恒久的な視力障害が残ることになる。
【0006】
既知の技術の包括的な説明はEP 90 308 709.6(対応DE 690 24 558 T2)に見られる。
【0007】
【特許文献1】EP 90 308 709.6
【0008】
US-PS 5,520,679には、スポットスキャニングレーザーを用いた眼科手術の方法が記述されている。この方法は1個のレーザースポットを当てることによって角膜を切除するもので、上に述べたのと同様な切除に加えて、時間的に連続するレーザースポットに一定の重なり関係を持たせることにより、平面的にできるだけ均一な切除を行うことが試みられている。しかしこの方法では、特にエルビウムレーザーを使用した場合、個々の平面領野に対する熱負荷が大きくなる。
【0009】
【特許文献2】US-PS 5,520,679
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、コンタクトレンズの表面を、パルスレーザービームを用いて成形することにより、意図的であるか否かに拘わらず表面処理が突然中断された場合でも、処理表面に少なくとも許容し得る程度の部分的矯正を保証し、矯正結果を改善することである。
【0011】
更に他の目的は、処理表面の熱負荷、特にエルビウムレーザー使用時のそれを可能な限り減少させることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これらの目的は請求項1に示した装置又は請求項8に示した方法により達成される。更に望ましい実施態様はそれぞれの下位の請求項に示されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明による方法及びそれを実施するための装置によれば、処理表面の各層は予め定めた順序で除去することにより、水晶体の表面を成形する場合に置き換えて表すれば、予想外の施術中断による視力低下の危険を最小限にすることができる。ある方法では、光学的に完全な球状の角膜表面は最後になって所定の矯正を伴って実現するのに対して、ここに提案する方法を提案する装置で実行した場合には、可能な限り多くの部分的矯正がなされ、許容し得る程度の中間結果が得られる。したがって処理が突然中断した場合にも、処理面があまりに不規則な状態になることはなく、目的とする矯正が完全には実現しないにせよ、残る視力障害は眼鏡又はコンタクトレンズで容易に矯正することができる。更に後日PRKを再度実施する際にも、他の方法による器具を用いても容易に実施することができる。
【0014】
本発明による方法は、水晶体の表面を成形する場合に置き換えて表すれば、現在使用されているすべてのPRK法、たとえば領野切除、スリットスキャニング、及びスモールスポットスキャニングに適用でき、切除においても角膜表面のほか、LASIK法あるいはピコセカンドレーザーと組み合わせて基質内部の組織切除にも適用できる。本発明による方法と、領野切除の原理による装置で時に行われるマルチパス法との差異は、前者が意図的に極めて多数の、できる限り小さい部分的矯正を行う点にある。マルチパス法での部分的矯正は典型的には2〜3個に分割されるにすぎない。またマルチパス法では、領野切除法に典型的な副作用、たとえば強度の乾燥や組織の過熱あるいはセントラルアイランドの出現などを避けることが第一に試みられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を一つの模式的な実施の形態に基づいて説明する。
【0016】
図1に本発明による装置の主要構成要素をブロック図として示す。この装置はまず、それ自体としては既知である、レーザースキャニング用のパルスレーザー1を有する。このレーザーとしては、使用目的に適した波長と強度ないしエネルギーを有するパルス出力のレーザー、たとえばエキシマーレーザーなどのUVレーザー、Er:YAGレーザー、又はQスイッチ(gutegeschaltetem)レーザーが適している。このレーザー1に続いて設けられたビーム形成ユニット2は、従来の技術で知られているようにレンズ、鏡、プリズムから構成されている。これに続いて設けられた、レーザーパルスに同期したレーザービーム偏向ユニット3により、レーザービームは正確に処理表面4に向けられる。レーザービーム偏向ユニット3とビーム形成ユニット2は制御ユニット5を介して結合されている。制御ユニット5を制御するために第1の入カユニット6が設けられ、処理表面4の屈折入力値(dpt,sph,zylなど)を入力する。これらの出力パラメータは差し当たり通常は処理装置と無関係に定められる。更に第2の入力ユニット7が設けられ、主としてレーザーに関係するデータを入力する。このようなデータとしては、レーザービームの直径、レーザービームのエネルギー密度、レーザービーム断面内のエネルギー分布、重なり係数などがあり、個別にも全体としても予め指定することができる。両入カユニット6,7は計算ユニット8に接続され、処理表面4全体に対する必要なレーザー入射点の座標がすべて同計算ユニット内で相互に関係づけられる。すなわち表面4を所定の最終状態に導くために、何個のレーザースポットを処理表面のどの部分に当てるかがレーザーパラメータの関数として定められる。計算ユニット8にはいわゆるブロックジェネレータ9が続き、計算ユニット8から送られたデータにより、予め指定され得る除去すべき表面の層(たとえば図3a,bに示した、ステップxで示される任意の領域)に対するレーザー入射点の座標を、時間的に連続するレーザースポットが重ならないように相互に関係づける(ブロック内に集約する)。このような関係付けは確立分布によって実現するのが好適であり、この方法の実行の際に切除部分の熱負荷が小さい利点がある。ブロックジェネレータ9に続いて最後にプロセスジェネレータ10が設けられ、ブロックジェネレータ9で生成された各ブロックを統合して、本発明の一つにおいて基本的である順序に整列する。この順序は図3に示す処理段階(ステップ1〜6、7〜12、13〜18、19〜24、25〜30、31〜36、37〜42、43〜48、49〜54)に対応するブロック配列を表し、各ステップはそれ自体完結した部分的矯正をなす。以上説明したユニットの協働によりプロセスジェネレータ10から制御ユニット5へ送られた一定のブロック配列は、一方ではレーザービーム偏向ユニット3の制御に、他方ではビーム形成ユニット2の制御に用いられ、後者では特にビーム形成ユニット2内に設けられた開口度可変の絞21の制御に用いられる。この絞の機能については更に後述する。以上に加えて中央演算ユニット11が設けられ、制御ユニット5からの制御データに基づいて、少なくともレーザーユニット1、ビーム形成ユニット2,21、レーザービーム偏向ユニット3を制御し、その方法は予め指定することができる。
【0017】
本発明の範囲内において、第1及び第2の入カユニット6,7、計算ユニット8、ブロックジェネレータ9、プロセスジェネレータ10、制御ユニット5を、中央演算装置11に接続された第2の計算ユニットに従属させることが可能である。また上記各ユニットを中央演算ユニット11内に統合することもできる。
【0018】
以上説明した各ユニットに加えて監視ユニット12を設け、処理表面4の偶然的な不規則運動を検知し、制御ユニット5を介してそれに対応する補正信号をレーザービーム偏向ユニット3に送るようにすることが望ましい。このような監視ユニットは、たとえばA.Unkrothら、”Corneal surgery by two-dimensionally scanning of a low-nenrgy excimer laser beam”,SPIE Vol.2126,Ophthalmic Technol.IV 1994,p.217ffに記述されている。
【0019】
本発明をより良く理解するため、まず、図2a,bに例示した、従来のスモールスポットスキャニング法による近視矯正に必要な処理ステップの系列を説明する。図2において個々の切除層が、スモールスポットスキャニング法による球面近視の矯正に使用されるような系列に配列されている。個々の点は直径1〜2mmの円形断面のレーザービームによる切除の中心を示す。適切な重なり係数と適切なビームのプロフィル(たとえばGauss分布)を選べば、各層に対するこれら個々のレーザー光入射のすべてによって、目的とする矯正にある程度適合し、領野内での屈折性を可能な限り均一とした切除が行われる。領野切除法ではそのような領野は1個のレーザーパルスに対応する。中央部の切除量がより多い、目的とする矯正は、図2に例示した44段階のようなステップがすべて完了して始めて達成され、最後のステップに到達する以前に作業が中断すると、前述のような問題点が現れる。
【0020】
これに対して本発明による方法を、図3a,bに例示したスモールスポットスキャニング法による近視矯正に応用した場合におけるそれに必要な処理ステップの系列によって説明する。図3a,bには本方法で使用される個々の切除層の順序が示されている。本発明による層の切除の一連の段階(ステップ1〜6、7〜12、13〜18、19〜24、25〜30、31〜36、37〜42、43〜48、49〜54)の各々により部分矯正が実現される。部分矯正ごとの層の正確な数は領域によって異なるが、球面への理論的近似が可能であるために必要な最小数を下回ってはならず、また処理の中断によって残る表面の不均一性の結果が、妥当な程度に小さい屈折範囲に収まらなければならない。
【0021】
意味のある値としては、最小数は5層、最大数は約1/2ジオプトリーの矯正に相当する値である。5mmの近視治療においては、典型的な層の厚さ0.3μmに対して、切除の深さを9μm/dptとすれば、この最大数は15層となる。
【0022】
目的に適した波長と強度ないしエネルギーのパルス出力ビームを発生するレーザー1、たとえばエキシマーレーザー等のUVレーザー、Er:YAGレーザー、又はQスイッチレーザーと、レーザーのパルス列に同期したレーザービーム偏向ユニット3(回転鏡又は類似の方法によって構成することができる)を用いて、要求値と異なる水晶体形状(近視、遠視、乱視、角膜損傷など)に対して下記のステップを実施できるようにレーザースポットを処理箇所に当てることができる。
a)与えられた最初の領域内に数個のレーザースポットを、平面的になるべく均一に、かつランダムに分布するように順次当てる。
b)最初の領域より大きい、又は小さい第2の領域に、最初の領域と同様に上記a)と同様の基準で、最初の領域のレーザースポットと重ならないように、同数又は異なる数のレーザースポットを当てる。
c)n個(nは5以上)の領域に対してそれぞれa)b)の基準により、処理すべき領域全体が1回覆われ、なるべく均一な屈折性を持つようになるまで、順次レーザースポットを当てる。
d1)この段階で必要があれば切除を一旦中断することもできる。これによって少なくとも部分的な矯正は達成することができる。あるいは、
d2)処理領域の表面全体が目的とする要求値に達するまで上記a)〜c)の作業を繰り返し、処理表面4の屈折的切除、特に球面的切除が達成される。
【0023】
図3a,bからわかるように、最初の段階(ステップ1)では、a)の基準に従い、時間的に連続する4個のレーザースポットが当てられる。すなわち、1つのレーザースポットを当てた後、次のスポットはそれからなるべく離れた場所に当てるのが望ましく、これによって狭い領野の中に数個のスポットが当たることによって起こる局部的過熱が有効に防止される。それに続く切除層(ステップ2,...,n)の各々においては、制御ユニット5により、その前の切除領域との部分的な重なりを許すことが望ましい。ステップ1に続く第2の処理段階(ステップ2)では、数個のレーザースポットがやや広い領域に当てられ、ステップ1に対応して中心部に当てられる4個のスポットはステップ2ではステップ1とは異なった位置に当てられる。同様にステップ1以後に中心部に当てられるレーザースポットに着目すると(ステップ3〜6)、レーザースポットの数と座標が更に変化していることがわかる。同じことは中心部を囲む他の領域についても言える。このように実施された切除の第1の系列(ステップ1〜6)は既に第1の部分的矯正となっており、基準d1)によって、仮に必要に応じて成形を中断しても悪影響を残さない。図3a,bに例示した方法を1つのブロック系列の最後の段階まで検討すれば、レーザースポットの数と座標を常に変化させ、かつ中央部分には各ステップにおいてレーザースポットを当てることにより、中央部分の切除量の多い、かつ形状の均一な切除が実現できることが理解される。このようにしてこの例においては正確に球状の水晶体矯正が実施される。
【0024】
更に本発明の範囲内において、レーザー1及び/又はビーム形成ユニット2の然るべき制御により、成形処理中にレーザースポットの直径、レーザービームのエネルギー密度、及び/又はレーザースポットのプロフィルをa)〜c)に従いつつ変化させ、まず第1のパラメータで処理を少なくとも1回実施した後パラメータを変化させてa)〜c)の作業を、基準d1)による部分的矯正又は基準d2)による全面的矯正が達成されるまで繰り返し続行することができる。
【0025】
本発明の範囲内において特に、直径の異なるレーザースポットを用いることができる。少なくとも1回の作業サイクルa)〜c)を大直径のレーザースポットを用いて行い、その後の作業を小直径のスポットを用いて行うことが望ましい。異なる直径のレーザースポットを用いた作業サイクルの組み合わせにより、所定のパラメータによる成形切除を達成できると同時に、作業時間を短縮することができる。たとえば精密切除の場合に直径1mmのレーザースポットを使用するならば、その前に少なくともより大きな切除を必要とする領域において少なくとも1回、a)〜c)の基準に従い、より大きな、たとえば直径2mmのレーザースポットによる成形切除を行うことができる。
【0026】
更に別の実施態様においては、レーザー1と処理表面4との間に、レーザービームのエネルギー密度に影響を与える要素を置くことにより、所定の切除を確実に実施すると同時に作業時間を短縮することができる。このような要素としては、たとえば機械的又は可変光学的減衰器が使用できる。また1回の作業サイクルa)〜c)を高いエネルギー密度で行い、その後の作業を低いエネルギー密度で行うことが本発明の範囲内で可能である。
【0027】
本発明は以上述べた実施例に限定されるものではない。たとえばビーム形成ユニット2,21及び/又はレーザービーム偏向ユニット3を用いて閉じた環状部分あるいはギャップのある切除ゾーンを形成することも、本発明の範囲内で可能である。このように本発明により、球状と異なる任意の要求値の水晶体矯正を実施することができる。
【0028】
本発明において用いられるレーザーはPRK用又はLASIK法用として提唱されているレーザーで、望ましくは波長193nmのエキシマーレーザー、あるいは波長2940nmのEr:YAGレーザーである。エキシマーレーザーを用いるときは、本発明の方法によって処理表面に注入されるエネルギーは100〜300mJ/cm2とすることが望ましい。処理表面4上のレーザースポットはほぼ円形であり、少なくとも1つの切除層に対して直径は3mmである。その他の層は直径1mmのスポットによって切除することができる。レーザービームのプロフィルは特にGauss分布であるが、矩形分布も可能である。特に広い領域の切除をGauss分布のビームで行い、直径の小さいビームの分布を矩形とすることが本発明の範囲内で可能である。このような組み合わせにより、特に未処理領域に連続的移行部分を形成し、あるいは角膜の不規則性、たとえば傷痕を治療することができる。
【0029】
以上説明した方法を、眼科学的に正確なコンタクトレンズの成形に応用することにより本発明の実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による装置の主要構成要素及びそれらの機能をブロック図として示したものである。
【図2a】現在の技術水準によるスモールスポットスキャニング法を用いた近視の矯正に必要な作業手順を例示したものである。
【図2b】図2aの続きを示したものである。
【図3a】本発明の方法をスモールスポットスキャニング法を用いた近視の矯正に応用した場合におけるそれに必要な作業手順の可能性を示したものである。
【図3b】図3aの続きを示したものである。
【符号の説明】
【0031】
1 レーザーユニット
2 ビーム形成ユニット
3 レーザービーム偏向ユニット
4 処理表面
5 制御ユニット
6 第1の入力ユニット
7 第2の入力ユニット
8 計算ユニット
9 ブロックジェネレータ
10 プロセスジェネレータ
11 中央演算ユニット
12 監視ユニット
21 絞

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常のレーザースキャニング法に用いられる、適切な波長とエネルギーのパルスレーザー(1)、ビーム形成ユニット(2)、及びレーザービームを処理表面(4)上で偏向させるための、レーザーパルスと同期したレーザービーム偏向ユニット(3)から成る、レーザー切除法によりコンタクトレンズの表面を成形する装置であって、
制御装置(5)により、
−処理表面のすべての出力パラメータを含む第1の入力ユニット(6)、
−レーザービームの直径、エネルギー密度、エネルギー分布、個々のレーザースポットに許容される重なり係数などのレーザーに関連するデータを主として入力することのできる第2の入力ユニット(7)、
−第1及び第2の入力ユニット(6,7)からのデータを受けて、処理表面(4)全体との関連においてすべての必要なレーザー入射点の座標を順次割り当てる計算ユニット(8)、
−計算ユニット(8)で得られたデータを受けて、予め任意に定めることのできる切除すべき個々の表面層を切除するための個々のレーザー光入射点の座標の順序を定めるブロックジェネレータ(9)、及び、
−ブロックジェネレータ(9)で生成された、各切除領域に対応してブロックに統合されたデータを受けて、個々のブロックを予め定めることのできる順序に配列するプロセスジェネレータ(10)、
の協働を通じて、レーザービーム偏向ユニット(3)とビーム形成ユニット(2)を制御し、
プロセスジェネレータ(10)からレーザービーム偏向ユニット(3)及びビーム形成ユニット(2)に送られる一定のブロック配列が、各ブロック配列ごとに処理表面の完全な部分的矯正が保証されるように作用すること、及び制御ユニット(5)からの制御データにより少なくともレーザーユニット(1)、ビーム形成ユニット(2,21)及びレーザービーム偏向ユニット(3)を予め定められる方法で制御する中央演算ユニット(11)を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
ビーム形成ユニット(2)が、処理表面(4)上のレーザースポットの大きさ、エネルギー密度、及び/又はプロフィルを変化させる要素を少なくとも1つ含むことを特徴とする、請求項1の装置。
【請求項3】
ビーム形成装置(2)内の上記要素が絞(21)であることを特徴とする、請求項2の装置。
【請求項4】
ビーム形成装置(2)内の上記要素が減衰器であることを特徴とする、請求項2の装置。
【請求項5】
処理表面(4)の偶然的な不規則運動を検知し、制御ユニット(5)を介して適切な補正信号をレーザービーム偏向ユニット(3)に送る監視ユニット(12)を更に備えることを特徴とする、請求項1の装置。
【請求項6】
第1及び第2の入力装置(6,7)、計算ユニット(8)、ブロックジェネレータ(9)、プロセスジェネレータ(10)、及び制御ユニット(5)が、中央演算ユニット(11)に接続された第2の計算ユニットに従属することを特徴とする、請求項1の装置。
【請求項7】
第1及び第2の入力装置(6,7)、計算ユニット(8)、ブロックジェネレータ(9)、プロセスジェネレータ(10)、及び制御ユニット(5)が、中央演算ユ二ット(11)に統合されていることを特徴とする、請求項1の装置。
【請求項8】
上記請求項の装置を使用する、レーザ一切除法によりコンタクトレンズの表面を成形する方法であって、
目的とする要求値から外れている処理表面に関係して、
a)与えられた最初の領域内に数個のレーザースポットを、平面的になるべく均一に、かつランダムに分布するように順次当て、
b)最初の領域より大きい、又は小さい第2の領域に、最初の領域と同様に上記a)と同様の基準で、最初の領域のレーザースポットと重ならないように、同数又は異なる数のレーザースポットを当て、
c)n個(nは5以上)の領域に対してそれぞれa)b)の基準により、処理すべき領域全体が1回覆われ、なるべく均一な屈折性を持つようになるまで、順次レーザースポットを当て、
d1)この段階で必要があれば切除を一旦中断することにより、少なくとも部分的な矯正を達成し、あるいは、
d2)処理領域の表面全体が目的とする要求値に達するまで上記a)〜c)の作業を繰り返すことを特徴とする方法。
【請求項9】
時間的に連続する個々のレーザースポットが、各レーザースポットによって生ずる切除領域が相互に重ならない程度に離れていることを特徴とする、請求項8の方法。
【請求項10】
1回の部分的切除サイクルの中で、処理すべき領域全体が1回覆われ、なるべく均一な屈折性を持つようになるまで、予め定めた部分領域に2回以上レーザースポットを当てることを特徴とする、請求項8の方法。
【請求項11】
レーザー(1)又はビーム形成ユニット(2)の適切な制御により、処理段階a)〜c)の実行中にレーザースポットの直径、レーザービームのエネルギー密度、及び/又はレーザースポットのプロフィルを変化させる成形方法において、第1のパラメータによってまず少なくとも1回の処理を行い、ついで異なるパラメータによって段階d1)又はd2)に到達するまで、段階a)〜c)を繰り返し実行することを特徴とする、請求項8の方法。
【請求項12】
少なくともより多くの切除を要する領域において、より大きいレーザースポット直径によって処理段階a)〜c)を少なくとも1回実行し、ついでより小さいレーザースポット直径によって、段階d1)又はd2)に到達するまで、段階a)〜c)を繰り返し実行することを特徴とする、請求項8の方法。
【請求項13】
ビーム形成ユニット(2,21)及び/又はレーザービーム偏向ユニット(3)によって、個々の切除領域を閉じた環状部分として形成することを特徴とする、請求項8又は10の方法。
【請求項14】
ビーム形成ユニット(2,21)及び/又はレーザービーム偏向ユニット(3)によって、個々の切除領域をギャップのある切除ゾーンとして形成することを特徴とする、請求項8又は10の方法。

【図1】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate


【公開番号】特開2007−328349(P2007−328349A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155799(P2007−155799)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【分割の表示】特願平10−520010の分割
【原出願日】平成9年10月22日(1997.10.22)
【出願人】(507195036)エースクラプ メディテック ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】