説明

表面活性成分組成物

本発明は、下記成分を下記の体積分率で分散して成る水を含むベース液相を含む表面活性成分組成物であって、ベース液相には塩化ナトリウム及びアルキルエーテル硫酸ナトリウムが溶解され、ベース液相と塩化ナトリウム及びアルキルエーテル硫酸ナトリウムとの比が、1:1:1.5〜1:1:5の範囲内である、表面活性成分組成物を提供する。
塩化ナトリウム:1〜3%、マグネシウム:1〜2%、カルシウム:1〜2%、カリウム:1〜2%、サルファート:1〜2%、炭素:0.5〜1%、ニトラート:1〜2%、ホスファート:1〜2%。更に、本発明は該組成物を製造するプロセスと該組成物の使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表面活性成分組成物に関する。
特に、本発明は液体を含む粒子に添加して、液体中の粒子上に作用する立体電荷を中和し、その作用によって液体中の粒子によって誘起される付着力を減少する表面活性成分組成物に関する。本発明は又、該組成物を製造するためのプロセスにも関する。
【背景技術】
【0002】
液体を含む粒子を包含する種々のプロセスに関連して、関与成分(parties)が表面張力と界面張力を上昇させて液体内で作用する場合において、粒子上に作用する立体電荷を中和し、その結果粒子間に作用する付着力の低下に繋がることが有益であることは知られている。例えばこれは、粒子の湿潤が必要なプロセスに関連して、乳化が必ず起こるプロセス及び解凝集を考慮しなければならないプロセスを含むことに適用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
液体中で粒子上に作用する立体電荷の中和及びその結果生ずる粒子上に作用する付着力の低下は、要件が異なれば異なる組成物を使用することになるが、比較的高価であり、しかも必ずしも効果的でなく(或いは可能であっても)、この点に関連して存在することが知られている問題点を少なくとも改善することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第一の観点に拠れば、下記成分を下記の体積分率で分散する水の形態としてベース液相を含み;ベース液相中に塩化ナトリウム及びアルキルエーテル硫酸ナトリウムが溶解し;ベース液相と塩化ナトリウム及びアルキルエーテル硫酸ナトリウムとの比が1:1:1.5〜1:1:5の範囲内である、表面活性組成物を提示する。
塩化ナトリウム:1〜3%、
マグネシウム:1〜2%、
カルシウム:1〜2%、
カリウム:1〜2%、
サルファート:1〜2%、
炭素:0.5〜1%、
ニトラート:1〜2%、及び
ホスファート:1〜2%。
ベース液相と塩化ナトリウム及びアルキルエーテル硫酸ナトリウムとの比は、好ましくは1:1:3のオーダーである。
ベース液相の組成が一般に海水と関連する範囲において、本発明の表面活性成分組成物のベース液相は海水であってもよい。使用される海水の組成がベース液相の定義された範囲外である場合は、海水の組成は、定義されるベース液相中の何れかの元素を添加及び/或いは除去することにより、海水の組成を調整することも可能である。
【0005】
本発明の第二の観点に拠れば、本発明の第一の観点に従って、表面活性成分組成物の製造プロセスを提示する。即ちそれは、組成物のベース液相を供給し;ベース液相の温度を50℃〜100℃の間に加温し;加温されたベース液相の該温度において、高速分散により塩化ナトリウムをベース液相中に溶解し;加温されたベース液相の該温度において、高速分散によりアルキルエーテル硫酸ナトリウムをベース液相中に溶解し;そして、組成物を冷却する、という工程を含む。
ベース液相は好ましくは、80℃〜90℃の間の温度に加温され、その温度で塩化ナトリウムとアルキルエーテル硫酸ナトリウムをベース液相中に溶解する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
製造される組成物のベース液相が海水である場合、本発明のプロセスは、定義されるベース液相を供給するため、定義されるベース液相中の何れかの元素を添加及び/或いは除去することにより、海水の組成を調整する工程を含んでもよい。ベース液相が海水ではない場合、ある容積の水中に各元素を高速分散により混合して、ベース液相を形成させてもよい。
本発明の表面活性成分組成物は、苛性ソーダを製造される組成物中の体積分率として0.1%オーダーで含んでも良く、該苛性ソーダは高速分散により製造される組成物中に混合される。組成物の使用に影響を与えることができる微生物が組成物中に存在する場合、苛性ソーダが微生物を石鹸に変換させるのに作用するので、苛性ソーダは特に必要である。
苛性ソーダが組成物中に含まれる場合、組成物の冷却に続いて、組成物のpHを適当な酸、例えば塩酸の添加により中和してもよい。
【0007】
定義したプロセスに従って製造される本発明組成物は、充分に活性化してケン化したアルキル硫酸アルカリ塩生成物を供給し、該生成物は高い水の表面張力の原因である液体の中で粒子に作用して、これらの粒子上の立体電荷を中和し、粒子によって生じる付着力を減少させることができる。これについては後で詳述する。
定義した表面活性成分組成物の製造プロセスが、特に濃縮組成物及び特別な必要条件や用途に関連した使用に供される場合、組成物は適宜希釈される結果、濃縮組成物は典型的には使用される希釈組成物中の0.5%オーダーの濃度となる。濃縮組成物は特に水で希釈される。
【0008】
本発明の他の観点に拠れば、湿潤剤、乳化剤及び解凝集剤の内一つかそれ以上の薬剤として、上記した様な表面活性成分組成物の使用を提示する。
本発明の表面活性成分組成物は、下記の一もしくはそれ以上の工業において用いることが可能である。
・鉱石の泡沫分離(ore frothing)、切断、フライス切削を含む金属工業
・錆とスケール除去及びメッキを含む鋳造業
・パルプ処理、抄紙機械及びカレンダーを含む製紙工業
・顔料調合とラテックスペイントを含む塗料及び保護塗装業
・ワックス及び磨き剤工業
・ドリル液体を含む石油製品工業
・石油採掘井、二次回収、及び精製品を含む井戸の製造業
・原糸製造、染色とプリント、仕上げを含む繊維工業
・リン酸肥料と噴霧使用を含む農業
・舗装とコンクリートを含むビルディング及び建設業
・乳化重合、発泡ポリマー、ラテックス接着剤、樹脂コーテョング及びラミネート、及びプラスチック製品を含むエラストマー及びプラスチック工業
・食品加工プラント、果実と野菜、ベーカリー、アイスクリーム、砂糖の結晶化、及び油脂を含む飲食物工業
・清掃用品(janitorial supplies)、スケール除去剤、及び織物類を含む産業用洗浄工業
・獣皮、なめし、厚皮、及び染色を含む皮革工業
次に続く発明の特定に関する記載は本発明の開示の肝要な部分であり、文脈が許す限り、広義に解釈されるべきである。
【0009】
ここでは、本発明を非限定的例示により説明する。
[例1]
本発明の第一観点に従って表面活性成分組成物の例を、及び本発明の第二観点に従って該組成物を製造するためのプロセスの例を、以下に記載する。
本発明の第一観点に従う表面活性成分組成物の例はベース液相として海水を含み、該ベース液相は塩化ナトリウムを含み、そこにアルキルエーテル硫酸ナトリウムと苛性ソーダが溶解され、塩酸の様な適当な酸により中和されたpHを有する。
該海水は、その内部に下記の成分を下記の体積分率で分散する。
塩化ナトリウム:1〜3%、
マグネシウム:1〜2%、
カルシウム:1〜2%、
カリウム:1〜2%、
サルファート:1〜2%、
炭素:0.5〜1%、
ニトラート:1〜2%、及び
ホスファート:1〜2%。
使用する水の組成がこれらのパラメーター数値に入らない場合は、必要とする何れかの元素を添加するか或いは減少することにより、海水の組成を調整することも可能である。その点で、通常の水に上記で定義された元素の指示された量を分散することによりベース液相を形成できるという目論見も可能である。
【0010】
硫黄含有活性成分組成物の一つの特定の用途のために、ベース液相と塩化ナトリウム及びアルキルエーテル硫酸ナトリウムとの比は1:1:3のオーダーであり、苛性ソーダは組成物の容積の約0.1%を占める。
該表面活性成分組成物は、定義された元素を指示された量で含むベース液相を供給し、しかる後、ベース液相を80℃〜90℃に加温して、その温度で特に高速分散プロセスにより塩化ナトリウム、アルキルエーテル硫酸ナトリウム及び苛性ソーダをベース液相に溶解する。この製造工程に続き、該組成物を冷却し、塩酸を用いて中和する。
記載してきた該表面活性成分組成物の組成は可変であり、特にそれが用いられる用途によって決まってくる、ということを理解しなければならない。また、記載してきた該表面活性成分組成物は濃縮型組成物を形成し、用途に応じて水で希釈して用い、希釈液中に濃縮組成物は典型的には0.5%のオーダーで含まれる。
【0011】
該組成物中の苛性ソーダ成分は、海水中の微生物類を石鹸に変換させるために供給され、そしてこの様な微生物類が存在しない場合は、苛性ソーダの添加及びその結果生じる組成物の中和は明らかに不必要である。
該表面活性成分組成物は、希釈液の形で、特に粒子含有液体と関連した用途に適しており、その様な液体への該組成物の添加によって液体中の粒子によって生じる液体の表面及び界面張力が低下させ、その結果これらの粒子の効果的な濡れと、必要に応じて、液体の乳化を提供する。液体の表面及び界面張力の低下は、液体中に含有される粒子上に作用する立体電荷の中和によって達成され、粒子間の付着力が低下する結果となる。
【0012】
このようにして、表面活性成分組成物は活性化してケン化されたアルキル硫酸塩誘導体を含み、比較的低濃度で用いる場合、それは次のような広範囲の応用分野で効用がある。即ち、脱脂、夫々互いに異なる用途における炭素、グラファイト及び顔料のダストの湿潤、塗料・インク・エポキシ及び類似品の工業における乳化と液体中での粒子の効果的な懸濁、である。顔料粒子上での立体障害の形成により、本発明組成物はフライス切削と粉砕での要求条件を実質的に減少させるインパクトをもたらすであろう、一方、該組成物は粒子凝集が問題となる用途に関連して有用であり、該組成物の使用は粒子が懸濁されている液体中で粒子凝集を防止するのに役立つ。
本発明組成物は炭素ダストやグラファイトダストの様な粒子を含む用途や、乳化を考慮しなければならない油と溶媒ベースの粒子に関連して用いることが可能であると認識しなければならない。
【0013】
本発明の表面活性成分組成物は、記載してきた通り、液体を含む粒子に関連した湿潤剤として効果的であり、その機能を発揮して、それらの液体を含むプロセスに関連して要求される表面及び界面張力を低下させる。
本発明の表面活性成分組成物は所望の目的を達成するためには比較的少量の組成物で済むようになっているので、環境適応型に機能を発揮でき、同時に極めて低コストで済むことになる。互いに異なる潜在的用途に関連する本発明組成物の融通性は本発明組成物の大きな特徴としても考慮されるべきである。
【0014】
[例2]
本発明に従って作製される製品を、以下「Marine 3」なる名称でも呼称する。
通常の水道水は水中に溶解する固体塩を少量含んでいる。これらの塩の磁荷は水の表面及び界面張力を上昇させる。
Marine 3製品は、上記の磁荷を中和して表面及び界面張力を低下させる。
・これは液体と固体粒子との親和接着力(adhesion)を向上するが、即ちそれが「湿潤」である。
・それは水滴もしくは油滴をより微細な粒子に分散させ、その分散状態を長期間に亘って維持させる、即ちそれは「乳化」である。
・それは又、解凝集、即ち粒子同士の凝集(flocculate)、クラスター化(cluster)又は塊状化(agglomerate)の防止にも寄与する。
【0015】
即ち、この事は下記を意味する。
・水道水中の固体塩含有率は低いので、その磁荷を中和するには少量で済む結果、非常に便利且つ経済的であり、環境適合性も高い。
・この技術により、下記の用途において、Marine 3は2:1,000の添加率でも湿潤、乳化及び解凝集に対して非常に有効である。
○カーボン、グラファイト、ヘマタイト、硫黄、顔料ダスト等の様な微細な及び極微細な浮遊粒子の湿潤。
○オイル、グリース、油脂、クリーム等の様な、オイルベース物質の水中乳化。
○液体中への顔料粉末分散の様な、懸濁液中への微粒子及び極微粒子の解凝集。
・本発明組成物中には毒性成分は用いられていない。
・本発明組成物において、低い活性成分の使用量及び添加濃度を推奨しているので、本発明組成物には危険性は無く、
・しかも環境適合性が高い。
・本発明製品は植物及び海洋生物の生命力を強化する。即ち、それは生分解プロセスを活性化する。
[用途]
・農業、・一般洗浄、・グリース除去、・衛生洗浄、・ダスト抑制、・マラリア及びコレラ防止。
【0016】
[農業]
本発明製品は規定する配合の範囲内の種々の粒子径と分子構造の粒子間の表面張力を低下する。
・本発明製品は植物及び昆虫による化学物質もしくは養分の吸収を急激に増大する。
・本発明製品は、油分と水を含む全ての液体を完全に混合する。
・本発明製品はロウ質、油性及び空気で満たされている表面と空隙への浸透を可能にする。
・本発明製品は尿素とフミン酸との混合及び植物の葉と茎による吸収を促進する。
それは食品材料と化粧品を含む最も敏感な製品及びその用途に受容可能である。
【0017】
[除草剤]
市場における問題の背景
・除草剤は水に簡単に分散しない。
・適用の際、葉の上に大きな水滴を形成し、除草剤を含む水が下流に流されてしまう。未使用の除草剤をこし取る結果となるので、それは環境に良くないし、コスト的にも無駄になる。
・油性の葉は吸収を妨げる。
本発明組成物によって提示される解決
・本発明組成物をコスト的に有効な水の前処理物質として使用すると、適度な湿潤効果を与えるので分散と植物による吸収を促進し、下流へ流されるロスを極小化できる。
・環境適合性であり、植物による吸収を促進する。
用途
・除草剤、殺草剤、もしくは植物に吸収されることが必要な製品。
・殺虫剤
・肥料
【0018】
[肥料]
肥料は土壌の自然な地力を強化するか、或いは前回の収穫時に土壌から摂取された化学成分を置換する。
・化学肥料は植物の栄養素として最も重要な三大元素である窒素、リン、カリの内1もしくはそれ以上を含む。
・二次的に重要なのは、硫黄、マグネシウム、カルシウム、なる元素及び微小元素(micro elements)である。
殆どの窒素肥料は合成アンモニアから得られる;この化学物質(NH3)は気体か水溶液中で使用されるか、或いは硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウムの様な塩に変換して用いられる。
粉状であるこれらの物質は水とは混合せず、表面に浮く。
・水中に分散するためには、激しい攪拌を要する。
・一旦形成された凝集塊(flock and agglomeration chais)は、(それが吸収されるためには)植物によって破壊される必要がある。
水を本発明組成物で前処理すると、湿潤能及び乳化力と解凝集能を持つので、これらの物質を分散して(NH3)の形成を防止する。
・凝集塊(the chain)は植物によって吸収され得る(NH2)上に残存する。
【0019】
市場における問題の背景
・肥料と殺虫剤は通常の水道水中には容易に分散しない。
・未処理の水中に配合された肥料と殺虫剤は植物の葉の上に大きな水滴を形成する。このことは植物による水滴表面への吸収を妨害するので、液滴はついには下流系統に流されてしまう。
・これらの製品は水懸濁液中では凝集してしまうので、吸収されにくい。
本発明組成物によって提示される解決
・本発明製品によって水を前処理すると、肥料、フミン酸及び殺虫剤をよく濡らして水中に分散する。
・吸収を大幅に促進するので、植物の成長促進が達成される。
・必要な懸濁液と混合する際に、充分に分散性を良くする。
・乳化力が強いので、油性の葉の上からでも吸収を可能にする。
・水を本発明製品で前処理するとフミン酸と尿素を分散する。農民は同じ肥料を用いても、従来の肥料と比較して200ヘクタール当たり30万ランド(R)節約した。同様に、植物の成長においても大幅な増進が認められた。
【0020】
[フミン酸]
フミン酸(C187H186O89N9S1)は強酸(pH=1)中では不溶である。
・水素:炭素比が1:1であることは相当程度の芳香性を示しており(即ち、分子構造中にベンゼン環がある)、一方、酸素:炭素比が低いということは、腐植土から抽出され得る他の酸性有機ポリマーであるフルボ酸の場合より酸性官能基が少ない、ということを示す。
・遷移金属及び重金属、例えばFe3+もしくはPb2+は、芳香族もしくは疎水性(水不溶性)の化学構造(即ち、有機殺虫剤か生体炭化水素)を有する他の化合物と同様に、フミン酸と激しく反応する。
・この性質が基で、フミン酸は水陸双方の環境における多くの汚染物質を封鎖する効果的な薬剤となる。
本発明製品で前処理して水と混合すると、解凝集効果と共に湿潤性と乳化力を付与して、フミン酸を分散して懸濁液中で凝集塊の生成を防止する。
・このことは容易な分散および応用を可能にする。
・植物への吸収が増進されて、大幅な成長促進となる。
【0021】
総括(General)
フミン酸は、
・窒素を安定化し、窒素の効率を改良する。
・閉じこめられたホスファートの分散に作用して(facilitates the unbinding of locked up phosphate)、植物成長のために役立たせる。
・強力な菌類及び微生物を刺激して、土質力学と健康を増進する。
・植物の新陳代謝を促進して、根の活動を強力にすると共に、酵素形成を促進してビタミン、ショ糖、タンパク質、クロロフィル及びストレス抵抗性を増強する。
・細胞の透過性を増して、養分の吸い上げ接取量を40%増す。
・土壌中の水、酸素及び根の運動を増進する。
・pH緩衝能を有するので、pHが極端に高いもしくは低い場合に伴う問題を中和するのを助けるであろう。
・微生物が必要とする炭素源を供給して窒素を消化させ、それにより土壌からの炭素の離脱を防止する。
・膜浸透性が上昇するので、窒素及びカリウム肥料の吸収効率が40〜100倍アップする。
フミン酸はレオナルダイトと呼ばれる石炭型の堆積物由来の黒色粒状物質であり、本発明製品と結合して容易に水に溶解し、植物の葉によって容易に吸収される。
【0022】
[尿素]
尿素は、カルバミドとも呼ばれ、カルボン酸ジアミドである。(H2NCONH2)
・尿素は、肥料や食品サプリメント、又プラスチックと薬剤工業の出発物質、として重要な用途がある。
・尿素は、全ての哺乳類と幾つかの種類の魚において、タンパク質の新陳代謝的崩壊に伴う主たる窒素性最終製品である。
・タンパク質の崩壊過程においては、アミノ基(NH2)がタンパク質の一部を構成するアミノ酸から離脱する。
○これらのアミノ基は毒性のあるアンモニア(NH3)に変換されるので、尿素に変換されなければならない。
現在、商業的に尿素は液体アンモニアと液体二酸化炭素とから多量に生産されている。
・窒素含有率が高く、直ちに土壌中でアンモニアに変換されるので、尿素は最も濃縮された窒素肥料の一種である。
・尿素は安価な化合物として、混合肥料に混ぜるか単独で土壌に適用されたり、群葉植物に散布される。
本発明製品で前処理して尿素を混合した水は、NH2からNH3への転換を防止してNH2の効力と吸収を促進する結果、植物へのエネルギーを節約して植物の成長に有効に用いられる。
・その結果、NH2上に分子鎖が残留して(the chain thus remains on NH2)、植物に摂取可能となる。
本発明製品を使用しないと分散と吸収が不足になるので、多量の肥料が下流の系統に流出してしまう。
・この結果、コスト的にも環境にも悪影響を与える。
本発明製品で混合水を前処理すると、分散と吸収が増進される。
・その結果、効率がアップすると共に、コストを削減し環境適合性も増す。
【0023】
総括(General)
尿素は、
・本発明製品の存在下で同化作用を増進する。
・植物の葉に対する養分として尿素を用いると、植物は、土壌からのNa2を同化作用のためのニトラートタンパク質としてNa4に転換する代わりに、Na4として窒素を直接吸収するので変換の際にエネルギーロスが無い。
・尿素は植物に直接吸収されるので、雨と灌漑によって浸出されない。
・尿素は植物の成長にフルに利用され、作物の残留物が分解する際にも固定化されない。
本発明製品の存在下であれば水と良く混じるので、何れの清浄な粒状尿素でも使用可能である。
【実施例】
【0024】
[ケース・スタディ]
従来の尿素の適用
尿素価格:3,200ランド/トン、即ち3.20ランド/kgとすると、1ヘクタール当たり150kg適用すると、1ヘクタール当たりのコストは480ランドとなる。
1ヘクタール当たり、本発明製品(400mL)+フミン酸(2kg)+尿素(20kg)を水200Lに入れて適用すると、1ヘクタール当たりのコストは136ランドとなる。
[1ヘクタール当たり適用する場合の年間コスト]
尿素単独(1ヘクタール当たり150kg):57.6万ランド
本発明製品+フミン酸+尿素だと:16.32万ランド
[葉に散布する場合の混合]
混合1
・フルボ酸:1.120g、
・尿素:18kg、
・最高増強剤(maxi boost):250mL、
・カルテック(caltec):250g。
・方法に関するコメント;
§数値は全てヘクタール当たり。
§タンクに水を充填する。
§水に対して、容積率0.2%の本発明製品を添加する。(2mL:1L)
§水をゆっくり循環している間にフルボ酸を添加する。
§残余の本発明製品を添加する。
混合2
・フミン酸:2.600g、
・尿素:18kg、
・方法に関するコメント;
§数値は全てヘクタール当たり。
§タンクに水を充填する。
§水に対して、容積比0.2%の本発明製品を添加する。(2mL:1L)
§水をゆっくり循環している間に残余の本発明製品を添加する。
【0025】
[一般洗浄]
市場における問題の背景
・市場に現存する湿潤剤は環境適合でない。
・それらは性能的にも限界があり、炭素、グラファイトもしくはヘマタイトを濡らすことができない。
・それらは凝集塊を作り易い。
本発明組成物によって提示される解決
・水の前処理、湿潤、乳化及び解凝集の分野で、環境に有害且つ毒性がある製品を置き換えることができる。
・洗浄や液体中への粒子分散、すなわち懸濁のために強力な湿潤効果が必要な分野で、環境適合性があり、有機溶媒、アンモニア及びグリコールフリーな代替製品を提供する。
・本発明製品は非常に性能が良いため、市場にある従来の湿潤剤の代替として推奨されるものであり、コストを低下させ、環境受容性をアップする。
・本発明製品は大幅なコスト削減の他に、石鹸洗剤工業や懸濁液及びその混合物類の分野で利点を発揮する。
・高速攪拌下の水性懸濁液において、本発明製品は良好な泡性能を発揮する。
・本発明製品は殆どの消泡剤と非常に相性がよく、泡立ちを抑制するために用いることができる。
本発明製品は、オールパーパス洗浄に許容できるユニークな水系前処理効果を提供する。
・本発明製品は洗浄力強化剤として洗浄剤に例えば30%〜70%の範囲で添加可能であり、いずれの洗浄用途にも水にただ加えるだけで良い。
・本発明製品は、全ての種類の非湿潤性物質及び塵埃の除去(lifting and removal)を促進し、洗浄水によって油と油脂ベースの物質の乳化も強化促進する。
・本発明製品は乾燥を速め、洗浄後の清浄な表面に静電気防止性を残すので、洗浄表面に塵埃と汚れが付着するのを防止する。
・本発明製品は、その添加により水質を強化し、適用に際しては湿潤性と乳化力をアップする。
【0026】
洗浄剤や化学物質に本発明製品を添加すると、湿潤、乳化、土壌粒子の懸濁性能がアップする結果、充分に効能を強化するであろう。
・本発明製品は種々の家庭用及び工業用洗浄剤への添加剤として用いることができる。
・本発明製品は、カーボン、グラファイトもしくはヘマタイト汚れを除去する特殊な用途や、脱脂用途に用いることができる。
応用
本発明製品は、
・洗浄剤や洗浄に対して付加的性質を提供する。
・懸濁液中で湿潤剤を置換できる。
これは多くの問題点や困難を解決する
・埃や望ましくない物質を、除去もしくは混合する目的で水と混ぜることができる。
・埃が洗浄表面に付着しない。
・洗浄水中で土壌を懸濁させる。
【0027】
[脱脂]
市場における問題の背景
・市場に現存する乳化剤及び湿潤剤は環境適合ではない。
・水は油もしくは溶剤ベースの物質とは混ざらない。
・乳化液や懸濁液中の顔料及び塵の分散は難しい。
・代替製品は凝集塊を形成する。
本発明組成物によって提示される解決
・特別にエンジニアリングされた水処理によって、懸濁液、エマルション及び脱脂液に対して、湿潤、乳化及び解凝集の効果を同時に発現させることができる。
・本発明製品は適用に際して優れた性能を発揮して、微粒子や極微粒子を粉砕及び混合した後、懸濁液中で安定に保持することができる。
・粒子凝集(flock)と再凝集(re-agglomeration)の防止は粒子成長を防止する、よって、(粒子の)沈降(sagging)、水の流出(flooding)、及び分離(segregation)を防止する。
・本発明製品は石灰、シリカ、ヘマタイト、クロム、白金及びチタンの懸濁液に推奨される。
・本発明製品はこれらの物質を運送する際に、沈降を防止する優れた性能を発揮する。
・塵埃や望ましくない物質も、除去もしくは混合の目的で水と混合可能である。
・油性の塵埃や望ましくない物質も、除去もしくは混合の目的で水と混合可能である。
・よって、油、グリースもしくは脂は表面からすくい取ることができる。(can now be lifted from surfaces)
応用
本発明製品は、
・懸濁液中に粉体と顔料を分散する。
・エマルションを形成する。
【0028】
[衛生洗浄]
市場における問題の背景
・細菌類はその周囲をエアポケット(嚢)によって囲まれているので、濡れない。
・よって、消毒剤は細菌類と接触しない。
○クリームやミルクの結晶は水と混合しないので、細菌類の生息箇所になっている。
○乳石(milkstone)とカルシウム層が設備面の上に形成する。
・これらすべてが高い細菌数の原因になっている。
我々の解決
本発明製品は、
・SABSは食品工業で清浄にするため、水の前処理を認めた。
・危険なアルカリや酸性の化学物質の使用を代替するユニークな製品である。
・コスト的に有効で且つ少ない使用量で済む入手可能で有効な製品である。
・湿潤しない細菌類を除去し、油性ベースの細菌生息箇所を高性能土壌懸濁液と共に洗浄水中に乳化分散する。
・環境適合性のある生分解性スラッジのダムや池を可能にする。
応用
本発明製品は、
・食品工業での洗浄に適用可能。その他、日用品、と殺場、果実、パン製造etc。
これは多くの問題点と困難を解決する
・湿潤性が無い細菌や昆虫が濡れて、除去できるようになる。
・油性ベースの細菌生息箇所を除去できる(ミルク、クリーム、油etc)。
【0029】
[塵埃抑制]
市場における問題の背景
・微細な或いは極微細な塵埃は通常の水道水に混合せず、水面上に浮くだけである。
・塵埃は水:塵埃=4:1の比率になると通常の水に濡れる。
・これらの微細粒子が煙のように空気で運ばれる際、それらはスプレー液滴とは混合しない。それらは互いに衝突して跳ね返り合うだけで、互いに混合はしない。
・同様の現象が油や溶剤ベースの物質に生じる。即ち、それらの蒸気が空気で運ばれる溶剤の液滴であり、水滴とは混合し合わない。
本発明組成物によって提示される解決
本発明製品は、
・強力な水の前処理剤であり、濡れ性が無いカーボン、グラファイト、硫黄、ヘマタイト、顔料埃に対して低添加量で湿潤性を付与するので、環境適合性を増しつつ、コストは低減させる。
・水道水に添加すると、可溶性塩上に静電気防止性を付与することにより、水に対して湿潤性と乳化性を付与する。
・このことは、全ての非湿潤性且つ油ベース物質を水中に組み込むことを可能にする。
・処理された水の湿潤性が塵埃の無い粉体にして廃棄し易くする。
・本発明製品の存在下で、塵埃は、水:塵埃=1:1の比率で湿潤することができる。
応用
・煙突中の煙とガス、貯蔵原料の塵埃及び塵埃流出(dust spillage)の抑制.
これは多くの問題点と困難を解決する
本発明製品は、
・煙粒子を含む空中の微細及び極微細な塵埃を濡らして抑制することができる。
・空中の微細及び極微細な球が水滴の中に乳化され得る。(気体)
・火の中では、燃焼する浮遊物質が濡れて、燃焼し浮遊する油ベース物質が乳化される一方、煙と蒸気及び気体類の発生は抑制される。
【0030】
[マラリアおよびコレラ対策]
市場における問題の背景
・細菌はその周囲をエアポケット(嚢)で囲まれているので、水に濡れない。
・よって、消毒剤は細菌類に接触しない。
これは多くの問題点と困難を解決する
本発明製品によれば、
・化学的強化が達成できる。
・非湿潤性の細菌類と昆虫類は湿潤するようになり、殺菌剤や他の化学物質に曝されるようになる。
・毒薬もしくは殺草剤入りの水が昆虫や葉の表面に直接接触する。
【0031】
[必要量に関する一般情報]
下図は(本発明製品の)濃度と表面張力の関係を示すが、平衡値に達するのは、0.16%である。

但し、水の組成は日々振れるので、0.2%を推奨する。
懸濁液もしくはエマルションの作製
使用量は0.2%〜0.5%の間であり、添加する物質のタイプによって決定されるであろう。
炭素系顔料は酸化物顔料より多くの使用量を要するであろう。
添加する油ベースの物質のタイプによって、樹脂は他の溶媒と異なってくるであろう。 必要とする添加量は採用される技術によっても影響されるであろう。例えば、粉砕時点での予備添加と全体量に対する後添加でも、異なってくる。
必要とする添加量は用途によっても影響されるであろう。
洗浄や脱脂には、油ベース物質だけが限られた時間内にエマルション中に乳化すればよいので添加量は少なくてもよいが、それに対して、塗料の様な永久的懸濁液やエマルションの場合、長い寿命が必要なので、添加量が多く必要になる。
他の化学物質との適合性
他の化学物質に対する一般的強化効果(general enhancement)は30%〜70%の間で認められた。
立体電荷の中和は大幅な強化効果を呈し、効能を増した。
表面張力と界面張力の低下は乾燥表面に対する適用においても効果を強化する。
pH3とpH15において、本発明製品の性能は安定で調和が取れていた。
推奨される低添加量と組成物中の成分が低濃度であれば、他の化学物質との相互作用は認められなかった。
これはナトリウムが問題となる耐火レンガの様な典型的製品に推奨される。
硫酸アルミニウムを使用すると充分に粒子凝集を促進する。
大きな凝集粒子が速く分散するのが観察された。
本発明組成物のさらなる応用例を下記の表1に掲載する。
【0032】
【表1】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分を下記の体積分率で分散して成る水を含むベース液相を含む表面活性成分組成物であって、ベース液相には塩化ナトリウム及びアルキルエーテル硫酸ナトリウムが溶解され、ベース液相と塩化ナトリウム及びアルキルエーテル硫酸ナトリウムとの比が、1:1:1.5〜1:1:5の範囲内である、表面活性成分組成物。
塩化ナトリウム:1〜3%、
マグネシウム:1〜2%、
カルシウム:1〜2%、
カリウム:1〜2%、
サルファート:1〜2%、
炭素:0.5〜1%、
ニトラート:1〜2%、及び
ホスファート:1〜2%。
【請求項2】
ベース液相と塩化ナトリウム及びアルキルエーテル硫酸ナトリウムとの比が、1:1:3のオーダーである、請求項1記載の表面活性成分組成物。
【請求項3】
ベース液相が海水である請求項1もしくは2記載の表面活性成分組成物。
【請求項4】
用いられる海水の組成がベース液相の規定されたパラメーター範囲に含まれない場合、定義されるベース液相中の何れかの元素を添加及び/或いは除去することにより、海水の組成を調整して得られる請求項3記載の表面活性成分組成物。
【請求項5】
組成物のベース液相を供給する工程と;
該ベース液相を50〜100℃に加熱する工程と;
塩化ナトリウムが必要な場合、ベース液相の該加熱温度において、高速分散により塩化ナトリウムをベース液相中に溶解する工程と;
ベース液相の該加熱温度において、高速分散により、アルキルエーテル硫酸ナトリウムをベース液相に溶解する工程と;
生成した組成物を冷却する工程とを含む請求項1〜4の何れか記載の表面活性成分組成物の製造プロセス。
【請求項6】
ベース液相を80℃〜90℃に加熱し、該加熱温度において、添加が必要な場合、塩化ナトリウムとアルキルエーテル硫酸ナトリウムをベース液相に溶解する請求項5記載のプロセス。
【請求項7】
製造される組成物のベース液相が海水であって、定義されるベース液相を供給するため、定義されるベース液相中の何れかの元素を添加及び/或いは除去することにより、海水の組成を調整する工程を含む、請求項5もしくは6記載のプロセス。
【請求項8】
本発明の表面活性成分組成物が、製造される組成物の体積に対して0.1%オーダーの量になるように苛性ソーダを含み、該苛性ソーダを高速分散により該組成物に混合させる、請求項5乃至7の何れか記載のプロセス。
【請求項9】
苛性ソーダを組成物中に含み、組成物の冷却後、適当な酸の添加により組成物のpHを中和する、請求項8記載のプロセス。
【請求項10】
該プロセスの生成物が、適宜希釈後、特定の用途に用いられる濃縮された表面活性成分組成物であって、該濃縮組成物は典型的に0.5%オーダーに希釈して用いられる、請求項5乃至9の何れか記載のプロセス。
【請求項11】
湿潤剤、乳化剤、解凝集剤の内の、一もしくはそれ以上の用途としての、請求項1乃至4の何れか記載の表面活性成分組成物の使用。
【請求項12】
湿潤剤、乳化剤及び解凝集剤として兼用される、請求項11記載の表面活性成分組成物の使用。
【請求項13】
添加剤で適当に希釈及び/もしくは添加剤と混合して、下記の1もしくはそれ以上の工業で表面活性成分組成物が用いられる、請求項11もしくは12記載の使用。
・鉱石の泡沫分離(ore frothing)、切断、フライス切削を含む金属工業
・錆とスケール除去及びメッキを含む鋳造業
・パルプ処理、抄紙機械及びカレンダーを含む製紙工業
・顔料調合とラテックスペイントを含む塗料及び保護塗装業
・ワックス及び磨き剤工業
・ドリル液体を含む石油製品工業
・石油採掘井、二次回収、及び精製品を含む井戸の製造業
・原糸製造、染色とプリント、仕上げを含む繊維工業
・リン酸肥料と噴霧使用を含む農業
・舗装とコンクリートを含むビルディング及び建設業
・乳化重合、発泡ポリマー、ラテックス接着剤、樹脂コーテョングとラミネート、及びプラスチック製品を含むエラストマー及びプラスチック工業
・食品加工プラント、果実と野菜、ベーカリー、アイスクリーム、砂糖の結晶化、及び油脂を含む飲食物工業
・清掃用品(janitorial supplies)、スケール除去剤、及び織物類を含む産業用洗浄工業
・獣皮、なめし、厚皮、及び染色を含む皮革工業
【請求項14】
実質的に本明細書中に記載され、説明されている、請求項1記載の表面活性成分組成物。
【請求項15】
実質的に本明細書中に記載され、説明されている、請求項5記載のプロセス。
【請求項16】
実質的に本明細書中に記載され、説明されている、請求項11記載の使用。
【請求項17】
実質的にここまでに記載されている、新規な表面活性成分組成物、新規なプロセス、もしくは新規な使用。

【公表番号】特表2010−528827(P2010−528827A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512338(P2009−512338)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【国際出願番号】PCT/ZA2007/000032
【国際公開番号】WO2007/137307
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(508345955)マリン 3 テクノロジーズ ホールディングス (プロプライエタリー) リミテッド (1)
【Fターム(参考)】