説明

袋体

【課題】本発明は、内容物が、顆粒状、錠剤や液体の場合、それらの包装袋体が、手で掴む面が、平滑で、滑りやすく柔軟なプラスチックフィルムであっても、内容物を、少量ずつ安定して取り出すことのできる袋体を提供することを課題とするものである。
【解決手段】合成樹脂フイルムによる袋体の四方である上部、底部、両サイドが、シールされ、上部のシール部の下には、切り欠きと開口部を設け、その開口部に、再開封用の咬合具を設け、袋体の中位の高さに位置し、袋体の片サイドより前記袋体の内側に突出した流線型のシール突起部を設け、袋体のもう一方の片サイド部から、の外側へ流線形に拡がり部を設け、その二箇所に手を当てて袋体持ち、咬合具を開けて、袋体を少し傾けながら、内容物を少量ずつ、安定して取出せるようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日用雑貨である芳香剤、消臭剤などのビーズ状や医薬品などの錠剤を包装する軟包装パウチ(袋体)において、それを取り出す際、手に持ちにくかったり、多く出し過ぎたりして、必要以外のものを汚して戻してしまうことがなく、少量ずつを安定して取り出すことのできる袋体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、日用雑貨である芳香剤、消臭剤などのビーズ状や医薬品などの錠剤は、紙箱や、紙袋にいれて販売されていたが、湿度を嫌うもの、すなわち湿気で変質し易いやものや、保存期間を長くしたいものは、柔軟なプラスチックを使用した包装袋に入れられることが多い。
【0003】
これら柔軟な包装袋は、内面に熱溶着性を有する包材、例えば、ポリエチレン(以下PEとする)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を用いて、内容物を熱溶着(ヒートシール)によって密封しているものが多い。特に、内容物が食品、液体又は液状製品の場合は、漏れを防止するためにヒートシールによって密封しているのが殆どである。
【0004】
また、内容物が多いものの場合や詰め替え用の場合には、袋体の下方に行くに従って四方に幅が広くなっていて、たくさんの内容物を収納できるようになっている、底部が、しっかりできていて、立てることのできる、いわゆるスタンディングパウチなるものがある。
【0005】
しかし、そのスタンディングパウチは、開口して、内容物を取り出そうとしたり、また、詰め替えようとして、手にもった場合に、袋体が、柔軟なために、掴むことができずに、握ってしまい、袋体をしぼるように変形させてしまい、結果として、内容物を上の開口部から大量にあふれさせ、こぼしてしまうというハンドリング性の悪いものである。
【0006】
また、芳香剤、消臭剤などのビーズ状のもの、および健康サプリメントや医薬品などの錠剤を収納する袋体としては、合掌シールなどをした三方向をシールしたものや四方向をシールしたものがあり、取り出したあとに再開封できるように、ファスナー部を設けたものが使用されている。
【0007】
しかし、これらの上記のビーズ状のものや錠剤が収納された袋体のファスナー部を開封して、内容物を取り出そうとしたり、または、詰め替えようとして、手にもった場合に、これらの袋体も、柔軟なために、掴むことができずに、握ってしまい、袋体をしぼるように変形させてしまい、結果として、内容物を上の開口部から大量にあふれさせ、こぼしてしまいやすいというハンドリング性の悪いものである。
【0008】
特に、これらの袋体の開口部より、健康サプリメントや医薬品などの錠剤がこぼれ落ちた場合、それらを拾って、また、それが入っていた袋体にもどすことが多いように見受けられるが、落ちたところや手についていた雑菌が、こぼれ落ちた錠剤に付着しているので、不衛生なものとなる。
【0009】
これらの袋体は、素材自体が柔軟な上に、内容物も、液体であったり、小さいビーズや錠剤であるために、柔軟であったり、流動的なものであるので、外圧をうけると内部は、すぐ移動、流動し易くなっており、とらえどころがなく、つまり、掴みにくい組み合わせとなっているものである。
【0010】
その上、手で掴む面が、平滑であるため、滑りやすく、つい掴む動作が握る動作になってしまい、袋体をにぎりつぶすように変形させてしまうものである。
【0011】
掴むことはできたとしても、開口部を開封して、内容物を、取り出そうとしたり、詰め替えようとして、これらの袋体を傾けたときに、内容物全体が一気に、開口部に向かい移動、流動するので、結果として、内容物を上の開口部から大量にあふれさせ、こぼしてしまいやすいということとなり、ハンドリング性の悪いものとなるのである。
【0012】
特許文献1、特許文献2や特許文献3に係る発明は、いずれも、これらの問題に鑑みなされたものである。
【0013】
特許文献1に係る発明は、図5、図6のように、プラスチックフィルムからなる包装袋(30)、(40)の4角形の1箇所の角部を切欠くことにより形成された短辺に沿って咬合具(33)、(42)が取り付けられた構成とすることにより、咬合具(33)、(42)が取り付けられた開口部(31)、(41)の狭い袋とすることができるので、粒状等の内容物を収納した袋とした場合、開口部が小さくされており内容物の取り出しが容易になる。また、咬合具(33)、(42)付き袋(30)、(40)の製造に際し、袋の上部同士を逆さまにひっくり返して突き合わした状態の長方形状に熱接着した後に、個々の袋に断裁する方法にて製造することにより、製造時におけるプラスチックフィルムの無駄をなくすか少なくすることができるとともに、通常の袋を製造するのに使用される汎用の製袋機により効率的に製造できるので低価格の咬合具付き袋とすることができる、というものである。
【0014】
しかし、図5や図6に示された袋体を開口して、内容物をとりだそうと、その袋体をつかんで傾けた場合、一気に内容物全体が、狭い開口部(31)、(41)に向かって、底部(36)、(46)からも、集中移動、流動を始めるので、内容物が、顆粒状、錠剤や液体の場合、少量ずつを安定して取り出しがたいものとなるのである。
【0015】
また、図5や図6に示された袋体は、柔軟なプラスチックフィルムからなり、その上、手で掴む面(35)、(43)、(45)が、平滑で、滑りやすく、つい掴む動作が握る動作になってしまい、袋体をにぎりつぶすように変形させてしまうものである。
【0016】
特許文献2に係る発明は、液体詰め替え時における袋の型崩れを防止することを目的とする。図7に示すように正面から見て矩形で内部に液体が収納される合成樹脂からなる袋(50)を立てた状態において上下方向中央(53)よりやや上方位置で袋内空間を狭めるべく両側(52)のヒートシール部から繋がってヒートシール部が幅広(51)となるように袋を構成する表裏2枚のシート部同志を接着させたヒートシール部を設け、このヒートシール部の先端角部を互いに向き合わせ、袋から液体を取り出すとき、液体は先端角部間で移動量が規制されながら液体取り出し口側に移動し、液体取り出し口側の液体は常に少量を保ち、幅広のヒートシール部が補強効果を発揮することも相まって液体取り出し口側に移動した液体の重量で袋の中央が折れて型崩れが生じるのを防止するようにした。
【0017】
しかし、図7に示された袋体(50)の上方位置で四角形の袋の角の先端部分を鋏などで切断して、小さく開口(56)して、内容物をとりだそうと、その袋体をつかむで傾けた場合、一気に内容物全体が、狭い開口部(56)に向かって、底部(55)からも、集中移動、流動を始めるので、内容物が、顆粒状、錠剤や液体の場合、少量ずつを安定して取り出しがたいものとなるのである。つまり、上方位置において、開口部(56)を小さく設けたことによって、かえって、全体が狭い場所に集中して集まるので、たとえば錠剤を1つ、2つ少量ずつを取出し難いものにしているものである。
【0018】
また、図7に示された袋体(50)は、柔軟なプラスチックフィルムからなり、その上、手で掴む面(53)が、平滑で、滑りやすく、つい掴む動作が握る動作になってしまい、袋体(50)をにぎりつぶすように変形させてしまうものであり、安定した少量ずつの取り出しを困難にしているものである。
【0019】
特許文献3に係る発明は、図8に示すように、開口部内側に合成樹脂製のフアスナー(63)を備えた袋体(60)において、前記フアスナー(63)より上方(61)の開口側に袋体の幅と同等幅の二つ折りにしたフイルム片を、その両側端(64)、(65)を袋体の両側と共に接着し、フイルム片の幅方向の一方の端部を袋体の内面の一方に接着し、他方の端部は袋体の内面の他方に接着可能としたものである。
【0020】
特許文献3に係る発明による袋体(60)は、内容物の生産工場等において、内容物を自動充填装置等で充填するまではフイルム片の幅方向の他方の端部を袋体の内面と接着していない状態とし、内容物を充填する同時に接着する。これによって、フアスナー(63)より上方(61)の袋体の開口部は二つ折りにされたフイルム片とフアスナー(63)の閉鎖とによって密封された状態となる。内容物を取り出すときには、鋏等によってフアスナーより上方の袋体(60)の角部(62)を斜めに切断(67)することによって二つ折りのフイルム片の片隅に小さな開口部(67)ができる。
【0021】
しかし、図8に示された袋体(60)を開口(67)して、内容物をとりだそうと、その袋体をつかむで傾けた場合、一気に内容物全体が、狭い開口部に向かって、底部(68)からも、集中移動、流動を始めるので、内容物が、顆粒状、錠剤や液体の場合、少量ずつを安定して取り出しがたいものとなるのである。つまり、開口部を小さく(67)したことによって、かえって、全体が狭い場所に集中して集まるので、たとえば錠剤を1つ、2つ少量ずつを取出し難いものにしているものである。
【0022】
また、図8に示された袋体は、柔軟なプラスチックフィルムからなり、その上、手で掴む面(64)、(65)が、平滑で、滑りやすく、つい掴む動作が握る動作になってしまい、袋体(60)をにぎりつぶすように変形させてしまうものであり、安定した少量ずつの取り出しを困難にしているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開2002−225890号
【特許文献2】特開平06−127551号
【特許文献3】特公平01−014107号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明は、従来技術の問題を解決するためになされたものであり、内容物が、顆粒状、錠剤や液体の場合、それらの包装袋体が、手で掴む面が、平滑で、滑りやすく柔軟なプラスチックフィルムであっても、内容物を、少量ずつ安定して取り出すことのできる袋体を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
請求項1の発明は、合成樹脂フイルムからなる袋体であって、その袋体の四方である上部、底部、両サイドが、シールされてなり、
前記袋体の上部のシール部には、吊り下げ用の孔を設け、
前記吊り下げ用の孔の下方に位置し、前記袋体の両サイドに、切り欠きを少なくとも一箇
所ずつ設け、
前記袋体の両サイドに設けた切り欠きの下方に位置し、前記袋体の両サイドのシール部の内側端を繋ぐように開口部を設け、
かつ、その開口部に、咬合具を設け、
前記咬合具の下方に位置し、かつ、前記袋体の中位の高さに位置し、前記袋体の片サイドより前記袋体の内側に突出した流線型のシール部を設け、
前記袋体の中位の高さに位置し、前記袋体のもう一方の片サイド部から、前記袋体の外側に流線形に拡がり部を設けてなることを特徴とする袋体である。
【0026】
請求項2の発明は、前記袋体の両サイドの前記切り欠きを繋ぐ方向に、ミシン目状のハーフカット線を設けたことを特徴とする請求項1に記載の袋体である。
【0027】
請求項3の発明は、前記袋体の四方である上部、底部、両サイドは、シールされてなり、かつ、前記袋体の四方のすべての角部は、曲部をなしていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の袋体である。
【0028】
請求項4の発明は、前記合成樹脂フイルムが可撓性の積層フイルムであって、湿度の透過を抑制するフイルム層を含んでいることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3のいずれかに記載の袋体である。
【0029】
請求項5の発明は、前記合成樹脂フイルムが可撓性の積層フイルムであって、アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着フイルム層を含んでいることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のいずれかに記載の袋体である。
【0030】
請求項6の発明は、前記合成樹脂フイルムが可撓性の積層フイルムであって、酸素の透過を抑制するフイルム層を含んでいることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5のいずれかに記載の袋体である。
【発明の効果】
【0031】
請求項1の発明は、四方をシールされた合成樹脂フイルムによる袋体であって、その袋体の上部のシール部には、吊り下げ用の孔を設け、その袋体の両サイドに、切り欠きを一箇所ずつ設け、その間に、再開封用の咬合具を設け、
前記咬合具の下方に位置し、かつ、前記袋体の中位の高さに位置し、前記袋体の片サイドより前記袋体の内側に突出した流線型のシール部を設け、前記袋体の中位の高さに位置し、前記袋体のもう一方の片サイド部から、前記袋体の外側に流線形の拡がり部を設けることによって、咬合具を開封した時に、芳香剤、消臭剤などのビーズ状のものや、医薬品の錠剤などの内容物が、一辺にたくさん出て行くことがなく、少量ずつ取り出しやすいという効果を有するものである。
【0032】
すなわち、咬合具を開けて、必要量を取り出そうとした際に、従来、袋体の中の内容物すべてが、一辺に、開口部に移動するので、必要量以上のかなりたくさんの内容物が、そとに出てしまい、不必要な余分なものは、汚れてしまってから袋に戻すことになる。
【0033】
そこで、袋体の開口部を狭くすると、咬合具を開けて、必要量を取り出そうとした際に、袋体の中の内容物すべてが、一辺に、開口部に移動するが、開口部が狭くなっているので、一辺に、必要量以上のかなりたくさんの内容物が、外に出ることはないが、開口部が狭くなっているので、少量ずつ取り出す場合には、とりだしずらいという欠点がある。
【0034】
それに対して、請求項1の発明において、袋体の中位の高さのところに、流線形の窪みと内側へ張り出した流線形の突起状のシール部および外側へ張り出した流線形の拡がり部
を設けたことによって、咬合具を開けて、必要量を取り出そうとした際に、袋体の中の中位の高さ以下の内容物が、一旦、流線形の突起状のシール部のところにぶつかってとまるので、袋体の中の中位の高さから上位の開口部までの内容物が、開口部に移動することになるで、少量ずつでも、取り出し易すいものである。
【0035】
また、袋体の中位の高さのところに、流線形の窪みと外側へ張り出した流線形の拡がり部を設けたことによって、咬合具を開けて、袋体のそれらの箇所を手で持つので、持ちやすく、横に倒して、内容物を取り出すときも、内容物の全体が開口部へ移動するのではないので、可撓性の軟包装袋体のバランスや形状が、くずれにくく、取り出すタイミングをコントロールしやすいという効果を有するものである。
【0036】
請求項2の発明は、前記袋体の両サイドの前記切り欠きを繋ぐ方向に、ミシン目状のハーフカット線を設けたことによって、手でも容易に切ることができ、その下方にある咬合具による再開封が容易となり、少量ずつの取り出しには、好都合であるという効果を有するものである。
【0037】
請求項3の発明は、前記袋体の四方である上部、底部、両サイドのすべての角部を、すべて曲部にすることによって、手で袋体を持つ際に、手などを傷つけることがないという効果を有するものである。
【0038】
請求項4の発明は、前記合成樹脂フイルムが、可撓性の積層フイルムであり、湿度の透過を抑制するフイルム層を含むことによって、内容物が、錠剤などの湿気で変質や使用期間が短くなったりする、いわゆる湿気に弱いものであっても、使用できるという効果を有するものである。
【0039】
請求項5の発明は、前記合成樹脂フイルムが、可撓性の積層フイルムであり、アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着フイルム層を含むことによって、内容物が、錠剤などの光線で変質や使用期間が短くなったりする、いわゆる光に弱いものであっても、使用できるという効果を有するものである。
【0040】
請求項6の発明は、前記合成樹脂フイルムが、可撓性の積層フイルムであり、酸素の透過を抑制するフイルム層を含むことによって、内容物が、錠剤などの酸素で変質や使用期間が短くなったりする、いわゆる酸化されやすいものであっても、使用できるという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本発明の合成樹脂フイルムよりなる袋体の正面模式図である。
【図2】図2は、本発明の合成樹脂フイルムよりなる袋体の正面模式図であり、マル点線により示している箇所、すなわち前記袋体のすべての角部が、すべて曲部になっていることを示したものである。
【図3】図3の(a)は、本発明の合成樹脂フイルムよりなる袋体のA―A’線の位置での断面略図である。図3の(b)は、本発明の袋体に用いる合成樹脂フイルムの断面略図である。
【図4】図4の(a)は、本発明の請求項4の発明における袋体に用いる合成樹脂フイルムの断面略図である。図4の(b)は、本発明の請求項5の発明における袋体に用いる合成樹脂フイルムの断面略図である。図4の(c)は、本発明の請求項5の発明における袋体に用いる合成樹脂フイルムの断面略図である。
【図5】図5は、特許文献1の発明に係る従来袋体の一例の断面略図であり、開口部に近ずくにつれて、開口幅が狭くなっているものである。
【図6】図6は、特許文献1の発明に係る従来袋体の他の例の断面略図であり、開口部に近ずく途中において、急に開口幅が狭くなっているものである。
【図7】図7は、特許文献2の発明に係る従来袋体の一例の断面略図であり、開口部に近ずくにつれて、開口幅が狭くなっているものである。
【図8】図8は、特許文献3に発明に係る従来袋体の一例の正面模式図であり、開口部に近ずくにつれて、一旦、両サイドから開口幅が狭くなっていき、また、両サイドへむけて開口幅が広くなっていくものである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
請求項1の発明は、図1、図2、図3に示すように、四方である上部(5)、(6)、底部(10)、両サイド(8)、(27)が、シールされた合成樹脂フイルム(20)による袋体(1)であって、その袋体(1)の上部のシール部(5)、(6)には、吊り下げ用の孔(2)を設け、その袋体(1)の両サイドに、切り欠き(3)を一箇所ずつ設け、その間に、再開封用の咬合具(4)を設け、
前記咬合具(4)の下方に位置し、かつ、前記袋体の中位の高さ(7)に位置し、前記袋体(1)の片サイドより前記袋体(1)の内側に突出した流線型のシール部(13)を設け、前記袋体(1)の中位の高さ(7)に位置し、前記袋体のもう一方の片サイド部(8)から、前記袋体(1)の外側に流線形の拡がり部(14)を設けることによって、咬合具(4)を開封した時に、芳香剤、消臭剤などのビーズ状のものや、医薬品の錠剤などの内容物が、一辺にたくさん出て行くことがなく、少量ずつを取り出しやすくしたものである。
【0043】
請求項2の発明は、図1に示すように、前記袋体(1)の両サイドの前記切り欠き(3)を繋ぐ方向に、ミシン目状のハーフカット線を設けたことによって、手でも容易に切ることができ、その下方にある咬合具(4)による再開封が容易となり、少量ずつの取り出しを容易にしたものである。
【0044】
請求項3の発明は、図2に示すように、前記袋体(1)の四方である上部(15)、(16)、底部(17)、(18)、両サイド(13)、(14)のすべての角部を、すべて曲部にすることによって、手で袋体を持つ際に、手などを傷つけることがないというものである。
【0045】
請求項4の発明は、図(3)に示すように、前記合成樹脂フイルム(20)が、可撓性の積層フイルムであり、図(4)の(a)に示すように湿度の透過を抑制するフイルム層(24)を含むことによって、内容物が、錠剤などの湿気で変質や使用期間が短くなったりする、いわゆる湿気に弱いものであっても、使用できるものである。
【0046】
請求項5の発明は、図(3)に示すように、前記合成樹脂フイルム(20)が、可撓性の積層フイルムであり、図(4)の(b)に示すように光の透過を抑制するアルミニウム箔(25)またはアルミニウム蒸着フイルム層(25)を含むことによって、内容物が、錠剤などの光線で変質や使用期間が短くなったりする、いわゆる光に弱いものであっても、使用できるものである。
【0047】
請求項6の発明は、図(3)に示すように、前記合成樹脂フイルム(20)が、可撓性の積層フイルムであり、図(4)の(c)に示すように酸素の透過を抑制するフイルム層(26)を含むことによって、内容物が、錠剤などの酸素で、変質したり、使用期間が短くなったりする、いわゆる酸化されやすいものであっても、使用できるものである。
【0048】
本発明の袋体(1)を構成する前記合成樹脂フイルム(20)としては、図1のA−A
’断面線(12)や、図3の(a)や(b)に示すように、内容物に接する側より、ヒートシール性を有するフイルム層(21)と、湿気、光や酸素などの通過を抑制するバリアーフイルム層(22)と、袋体の外側、外面となるフイルム層(23)とをこの順に積層した、少なくとも3層以上の可撓性の積層フイルム(20)が用いられる。
【0049】
前記袋体(1)の外側、外面となるフイルム層(23)としては、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート、2軸延伸ポリプロピレン、2軸延伸ナイロン等の2軸延伸フイルムが使用される。
【0050】
前記内容物に接する側の、ヒートシール性を有するフイルム層(21)としては、すなわち、熱接着性樹脂フイルム層としては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等が使用される。
【0051】
前記湿気、光や酸素などの通過を抑制するバリアーフイルム層(22)としては、すなわち、ガスバリヤー層としてはアルミニウム箔、アルミニウム蒸着2軸延伸ポリエチレンテレフタレート、アルミニウム蒸着線状低密度ポリエチレン、アルミニウム蒸着ポリプロピレン、酸化珪素蒸着2軸延伸ポリエチレンテレフタレート等が使用される。
【0052】
上記の少なくとも3層以上の可撓性の積層フイルム、すなわち、前記合成樹脂フイルム(20)の構成としては、例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム箔/線状低密度ポリエチレン、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム箔/ポリプロピレン、2軸延伸ナイロン/アルミニウム箔/線状低密度ポリエチレン、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム蒸着2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/線状低密度ポリエチレン、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/酸化珪素蒸着2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/線状低密度ポリエチレン等である。
【0053】
図1や図2に示すように、本発明において、袋体の中位の高さ(7)のところに、内側へ張り出した流線形の突起状のシール部(13)および外側へ張り出した流線形の拡がり部(14)を設けたことによって、咬合具(4)を開けて、必要量を取り出そうとした際に、袋体(1)の中の中位の高さ(7)以下の内容物が、一旦、流線形の突起状のシール部(13)のところにぶつかってとまるので、袋体(1)の中の中位の高さ(7)から上位の開口部までの内容物が、開口部に移動することになるで、少量ずつでも、取り出し易すいものである。
【0054】
また、袋体の中位の高さ(7)のところに、流線形の窪み(9)と外側へ張り出した流線形の拡がり部(14)を設けたことによって、咬合具を開けて、袋体(1)のそれらの箇所を手で持つので、持ちやすく、横に倒して、内容物を取り出すときも、内容物の全体が開口部へ移動するのではないので、可撓性の軟包装袋体(1)のバランスや形状が、くずれにくく、取り出すタイミングをコントロールしやすいというものである。
【符号の説明】
【0055】
1、袋体
2、吊り下げ孔
3、切欠き
4、咬合具
5、上部のシール部
6、袋体の上部
7、袋体の中位部
8、袋体の中位部のシール部
9、袋体の中位部の片側より内側へ張り出した流線形の窪み部
10、袋体の底部
12、袋体の切断面位置を示すA−A’点線
13、流線形の突出したシール部
14、流線形の幅拡がり部
15、上部の片側の角部の曲部
16、上部の他片側の角部の曲部
17、底部の片側の角部の曲部
18、底部の他片側の角部の曲部
20、合成樹脂フイルム
21、フイルム層
22、中間のフイルム層
23、内側(内容物に接する面)のフイルム層
24、湿度の透過を抑制できるフイルム層
25、光の透過を抑制できるフイルム層
26、酸素の透過を抑制できるフイルム層
27、A−A’点線位置の切断面のヒートシール部
31、上部
33、咬口具
35、中位部のシール部
36、底部のシール部
41、上部のシール部
42、咬口具
43、中位部の角部
45、中位部
46、底部
51、上部のシール部
52、シール部
53、中位部
55、底部
56、開口部の予定線
61、上部のシール部
62、角部
63、ファスナー部
64、片側サイドのシール部
65、シール部
67、角部を切断して設けた狭い開口部
68、底部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂フイルムからなる袋体であって、その袋体の四方である上部、底部、両サイドが、シールされてなり、
前記袋体の上部のシール部には、吊り下げ用の孔を設け、
前記吊り下げ用の孔の下方に位置し、前記袋体の両サイドに、切り欠きを少なくとも一箇所ずつ設け、
前記袋体の両サイドに設けた切り欠きの下方に位置し、前記袋体の両サイドのシール部の内側端を繋ぐように開口部を設け、
かつ、その開口部に、咬合具を設け、
前記咬合具の下方に位置し、かつ、前記袋体の中位の高さに位置し、前記袋体の片サイドより前記袋体の内側に突出した流線型のシール部を設け、
前記袋体の中位の高さに位置し、前記袋体のもう一方の片サイド部から、前記袋体の外側に流線形に拡がり部を設けてなることを特徴とする袋体。
【請求項2】
前記袋体の両サイドの前記切り欠きを繋ぐ方向に、ミシン目状のハーフカット線を設けたことを特徴とする請求項1に記載の袋体。
【請求項3】
前記袋体の四方である上部、底部、両サイドは、シールされてなり、
かつ、前記袋体の四方のすべての角部は、曲部をなしていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の袋体。
【請求項4】
前記合成樹脂フイルムが可撓性の積層フイルムであって、湿度の透過を抑制するフイルム層を含んでいることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3のいずれかに記載の袋体。
【請求項5】
前記合成樹脂フイルムが可撓性の積層フイルムであって、アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着フイルム層を含んでいることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のいずれかに記載の袋体。
【請求項6】
前記合成樹脂フイルムが可撓性の積層フイルムであって、酸素の透過を抑制するフイルム層を含んでいることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5のいずれかに記載の袋体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−28384(P2013−28384A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166660(P2011−166660)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】