説明

被取付部材の固定機構、取付部材の固定機構並びに部材間の固定構造

【課題】 被取付部材の平坦面に取付部材を組み付けるために、被取付部材の平坦面に対し取付部材の突部が挿着される貫通孔を設ける。この場合でも、組み付け後に突部と貫通孔との隙間からエア漏れが発生するのを防止できる固定構造を提供する。
【解決手段】 被取付部材1は貫通孔8から筒状部9が立設している。この筒状部9の内部は、先端開口側を小径部9B、基端側を大径部9Bとすることで、段差面10を有している。取付部材14の突部22は、小径部9の内周面と略同じ径の筒状のシール部24と、このシール部24から軸方向に延びる可動片25とを有する。この可動片25の先端には段差面10と係合可能な係止部27が形成されている。これにより、突部22を筒状部9内に挿着することで、可動片25の係止部27が筒状部9の段差面10と係合されると共にシール部24の外周面が筒状部9の内周面と気密性良く密着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば空調ユニットの開口部と蓋体とを組み付ける等、一の部材の平坦面に他の部材を組み付けるのに好適な固定構造、並びにそのための被取付部材・取付部材の固定機構の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
空調ケースを上側分割ケース部材と下側分割ケース部材とに分割し、この分割ケース同士を側壁の端部同士をタッピングスクリュー等の固定具なしでワンタッチで固定する構造としては、例えば特許文献1乃至特許文献3に示す固定構造が既に公知となっている。
【0003】
これら特許文献1乃至特許文献3は、一方の側壁端部の他方の側壁端部との突当面に凹部を設け、他方の側壁端部の突当面から前記凹部に挿着される突部を延出させた構造をなしている。また、特許文献2は、一方の側壁部の外面に対し係合用筒状部を設けると共に他方の側壁部の外面に対し先端に鍵爪を有する弾性腕を設け、この弾性腕を係合用筒状部の通孔に挿通させた後、鍵爪を係合用筒状部の通孔の周縁部位に係合させることで弾性腕を係止し、ひいては分割ケース部材同士を固定するものとなっている。
【特許文献1】特開平7−304322号公報
【特許文献2】特開平8−207550号公報
【特許文献3】特開2003−335124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
もっとも、上記した特許文献1から3は、上側分割ケース部材の側壁端部と下側分割ケース部材の側壁端部とを組み付けるための固定構造を提示するものであって、例えば箱状の空調ケース等の取付部材の平坦面に開口部を開口させ、この開口部を蓋体等の被取付部材で閉塞するための機構としてそのまま用いることはできない。
【0005】
すなわち、取付部材の開口部から延出した縁部に被取付部材を引っ掛けるための爪等の部材を設けることは困難である。このため、被取付部材の縁部に取付部材を引っ掛けるためのスライド溝を設けたり、取付部材に突部を形成し被取付部材にこの突部が挿着される通孔を設ける等の工夫が必要となる。
【0006】
しかしながら、スライド溝を開口部の縁部に設けたのでは被取付部材を形成するための金型が複雑化・増加し、金型費用の増大を招く等の不具合があり、貫通孔と突部とのシール性が不十分だと突部と貫通孔との隙間からエア漏れを生ずるという不都合もある。
【0007】
そこで、本発明は、被取付部材の平坦面に取付部材を組み付けるにあたり、取付部材に突状の固定機構を設け、被取付部材にこの取付部材の固定機構が挿着される固定機構を設けても、組み付け後にて両固定機構間からエア漏れを防止することを可能とし、且つ簡易に取り外しのできる被取付部材の固定機構、取付部材の固定機構並びに部材間の固定構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
被取付部材の固定機構は、被取付部材の平坦面に開口した開口部に対し、その周縁近傍部位に設けられた貫通孔と、この貫通孔の周縁からその軸方向に延出した筒状部とから成り、この筒状部は先端側の内径寸法を基端側の内径寸法よりも小さくすることで段差が内部に形成されていることを特徴とする(請求項1)。そして、被取付部材の固定機構は、前記筒状部に対しその基端側から外側に向けて径方向に延びる延出部が設けられ、この延出部の延出方向の先端部位には前記筒状部位の軸方向に延びる突当部が形成されている(請求項2)。この被取付部材としては、例えば車両用空調装置の空調ケース等が挙げられる。
【0009】
取付部材の固定機構は、取付部材の側壁から外側に向けて延出した基部と、この基部の一方側面から延出した突部と、前記基部の他方側面から前記突部と反対側に延出した作動用部とから成り、前記突部は、前記基部側にある筒状のシール部と、このシール部から軸方向に延出し、その少なくとも先端部位が径方向に可動可能な可動片とを有し、この可動片の先端には前記シール部よりも径方向外側に突出した係止部が形成されていることを特徴とする(請求項3)。そして、取付部材の固定機構は、前記基部の縁部から前記突部の延出方向と同方向に延出した側壁部を有すると共に、この側壁部の外面から前記突部の径方向に延びる突出部が設けられている(請求項4)。更に、前記突出部は、前記突部の軸方向に沿って延びる通孔を有する(請求項5)。この取付部材としては、例えば開口部を閉塞するための蓋体等が挙げられる。
【0010】
部材間の固定構造は、被取付部材に対し固定機構として貫通孔から延出した筒状部を設け、この筒状部内に段差を形成すると共に、取付部材に対し固定機構として前記筒状部の先端側の内周面と接する外周面を備えたシール部と、このシール部から軸方向に延出し、その少なくとも先端部位が径方向に可動可能な可動片と、この可動片の先端部に前記シール部の外周面よりも外側に突出するように係止部を形成し、前記筒状部に可動片及びシール部を挿入することで、前記シール部の外周面と前記筒状部の先端側の内周面とを密着しつつ、前記係止部を前記筒状部の段差で生じた面に係合させることを特徴とする(請求項6)。より具体的には、部材間の固定構造は、被取付部材の平坦面に開口した開口部に対し、その周縁近傍部位に貫通孔を設け、この貫通孔の周縁から前記被取付部材に対し外側に向けて筒状部を延出させると共に、前記筒状部に対しその先端側の内径寸法を基端側の内径寸法よりも小さくして段差を内部に形成することで被取付部材の固定機構を構成し、取付部材の側壁から外側に向けて延出した基部に対し突部をその一方側面から延出させると共に、前記基部の他方側面から前記突部と反対側に作動用部を延出させ、前記突部は、その外周面が前記筒状部の内周面と接した状態で当該筒状部内に挿通可能な寸法の外径寸法をなす筒状のシール部と、前記突部に対しその軸方向に沿って延びるスリット溝を形成することにより、このシール部から軸方向に延出し、その少なくとも先端部位が径方向に可動可能な可動片とを有し、この可動片の先端に外側に向けて係止部を有することで取付部材の固定機構を構成し、取付部材に被取付部材を組み付けるにあたり、前記筒状部に突部を挿入することで、前記シール部の外周面と前記筒状部の内周面とを密着させつつ、前記係止部を前記筒状部の段差で生じた面に係合させることを特徴とする(請求項7)。
【0011】
更に、部材間の固定構造は、前記被取付部材について、前記筒状部に対しその基端側から外側に向けて径方向に延びる延出部を設け、この延出部の延出方向の先端部位に前記筒状部の軸方向に延びる突当部を形成すると共に、前記取付部材について、前記基部の縁部から前記突部の延出方向と同方向に延出した側壁部を形成すると共に、この側壁部の外面から前記突部の径方向に延びる突出部を設けて、前記取付部材と前記被取付部材とを組み付けた際に、前記被取付部材の延出部に形成した突当部に前記取付部材の突出部が突当するものとなっている(請求項8)。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、これらの発明によれば、取付部材の固定機構の突部を被取付部材の固定機構の筒状部に挿入するにあたり、可動片が押圧により突部の軸方向の中心側に向けて可動するので、可動片の係止部も筒状部の入口周縁及び小径部の内周面に引き掛かることなく、突部がスムーズに挿入されてゆき、しかる後に、可動片の先端が小径部から大径部に至ったときに、可動片が復元力により突部の軸方向の外側に向けて可動し、係止部が筒状部内の小径部と大径部との段差で形成された面に自動的に係合する。その一方で、作動用部を可動片側と反対側に揺動させることにより、基部を介して突部の可動片までその力が伝達されて、可動片は係止部が段差面から外れる方向に可動するので、突部を筒状部から抜き出すことが可能となる。
【0013】
従って、取付部材と被取付部材とを組み付けるにために取付部材の固定機構として突部を形成し、被取付部材の固定機構として貫通孔を形成する場合でも、取付部材に形成された固定機構の筒状体の外周面と被取付部材に形成された固定機構の筒状部の内周面とが密着固定されるので、螺子等で固定する必要がなく組み付け作業が簡易であると共に、被取付部材の貫通孔からエア漏れが生ずることを確実に防止することもできる。しかも、取付部材を被取付部材から外す作業も作動用部を揺動させるのみで行なうことが可能であるので、取付部材を取り外すための器具を不要とし、取付部材の取り外し作業の簡便化、迅速化を図ることができる。
【0014】
特に、請求項2、請求項4及び請求項8に記載の発明によれば、前記被取付部材の延出部に形成した突当部に前記取付部材の突出部が突当することで、取付部材が複数の支点にて支持されるので、被取付部材に取付部材が組み付けられた後において取付部材がガタつくことを防止することができる。
【0015】
特に、請求項5に記載の発明によれば、通孔により取付部材の突出部の撓みを増進させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1及び図2において、この発明に係る被取付部材1が示されている。この被取付部材1は、例えば車両用空調ユニットの空調ケース等であって、その内部に空間2が画成されているもので、平坦面3Aを有する壁部3と、この平坦面3Aに開口した開口部4とを備えて構成されている。開口部4はこの実施形態では略四角形状をなしているがこれに限定されず略円形状、楕円形状等であっても良い。そして、開口部4の周縁から反空間側となる被取付部材1の外側に向けて挿着部5が当該開口部4の全周に渡って立設している。この挿着部5は、例えば図2に示されるように、その先端側に進むに従って細くなっている。
【0017】
被取付部材1は、前記開口部4の挿着部5よりも外周側で且つ当該開口部4の中心から見て対峙する位置に一対の固定機構7が形成されている。この固定機構7は、壁部3に貫通孔8を形成すると共に、この貫通孔8から筒状部9を挿着部5と同じく外側に向けて延出させることで基本的に構成されている。筒状部9は、延出方向先端側の径寸法を壁部3側の径寸法よりも小さくすることで、大径部9Aと小径部9Bとを備えていると共に、大径部9Aの内周面と小径部9Bの内周面との段差が形成されて、筒状部9の開口と対峙する段差面10を筒状部9の内部に有したものとなっている。
【0018】
そして、この実施形態では、筒状部9のうち大径部9Aの外周面から挿着部5とは反対方向に延出部11が壁部3と一体に延出形成されていると共に、この延出部11の延出方向先端から挿着部5と同じく外側に向けて突当部12が突出している。
【0019】
また、図3から図5において、この発明に係る取付部材14が示されている。この取付部材14は、例えば上記空調ケース等の被取付部材1の開口部4を閉塞するための蓋体等であって、図3に示されるように、被取付部材1の開口部4と略同形状の縁部15と、この縁部15から若干外側に向けて膨出したドーム形状の蓋体本体16とで基本的に構成されている。そして、縁部15の挿着部5側には、挿着部5と突当した際に当該挿着部5の先端部位に外挿することが可能な溝部17が形成されている。これにより、縁部15と挿着部5との間のシール性を高めている。
【0020】
取付部材14は、前記縁部15及び蓋体本体16の外側で且つ蓋体本体16の中心から見て対峙する位置に固定機構18が形成されている。この固定機構18は、図4及び図5に示されるように、取付部材14の蓋体本体16の側壁から外側に向けて延出した基部19を有している。
【0021】
この基部19は、主要な部分において平なプレート状をなしているが、取付部材14側近傍部位が溝部17側に向けて曲折しており、これに伴い、溝部17と反対方向に開口した窪み部20が形成されると共に、固定機構18は厚みの薄い連結部21にて取付部材14と連結された構成となっている。従って、固定機構18は、連結部21を中心に揺動することが可能である。
【0022】
そして、基部19のうち溝部17の開口側と同じ側の面から突部22が突出形成されている。この突部22は、基部19側の一定幅を残して当該突部22に対しその軸方向に沿って延びるスリット溝23を形成することにより、円筒状のシール部24と、このシール部24から軸方向に延出し、その少なくとも先端部位が径方向に可動可能な可動片25と、この可動片25以外をなす円弧状部26とを有したものとなっている。可動片25の先端には、突部22の径方向外側に向けて突出した係止部27が形成されている。
【0023】
また、基部19のうち窪み部20の開口側と同じ側の面から前記突部22と軸方向反対側となる位置にて作動用部29が突出形成されている。作動用部29は、この実施形態では、取付部材14の蓋体本体16の側面と略同じ方向に延びるプレート部29Aと、このプレート部29Aから基部19の先端側に向けて、暫時その高さを低くしながら延びる、三角形状の支持部29Bとで構成されている。
【0024】
更に、基部19は、突部22と先端側との間の部位において、内側縁が突部の外周縁にに沿い外側縁が基部19の外周縁に沿った通孔31が形成されている。そして、基部19の周縁から突部22と同じ方向に側壁部32が延出しており、更に、側壁部32のうち基部19の先端側となる部位の外面には、突部22に対し径方向に延びる略プレート状の突出部33が設けられている。突出部33は、この実施形態では、突出部33が撓みやすくなるように貫通孔34が形成されていると共に、突当部12の幅と略同じ幅の切欠き35が形成されている。
【0025】
以上の構成によれば、被取付部材1の開口部4周縁の挿着部5に縁部15の溝部17が外挿するように取付部材14を組み合わせることにより、図5に示されるように、被取付部材1の筒状部9内に取付部材14の突部22が挿入することで、可動片25がその際の押圧により突部22の軸方向の中心側に向けて可動するので、可動片25の係止部27が筒状部9の開口入口周縁及び小径部9Bの内周面に引き掛かることなく、突部22の挿入がスムーズに行なわれる。そして、可動片25の先端が小径部9Bから大径部9Aに至ったときに、復元力により突部22の軸方向の外側に向けて可動片25は可動し、係止部27が小径部9Bと大径部9Aとの境界に形成された段差面10に自動的に係合されると共に、被取付部材1の筒状部9の内周面と取付部材14のシール部24の外周面とが気密性良く密着する。これにより、取付部材14と被取付部材1との固定が完了する。
【0026】
また、被取付部材1の延出部11に形成した突当部12に対し、取付部材14の突出部33の特に切欠き35の面が突当するこので、取付部材1を支える支点が増加することから、被取付部材1に取付部材14が組み付けられた後に、取付部材14がガタつくことを防止することができる。
【0027】
これに対し、取付部材14と被取付部材1との固定を解除するには、作動用部29を通孔31側に揺動させることにより、基部19を介して突部22の可動片25までその力が伝達されて、係止部27が段差面10から外れる方向に可動して係止部27の段差面10からの係合が解除されるので、取付部材14の突部22を被取付部材1の筒状部9から抜き出すことが可能となり、取付部材14と被取付部材1との固定も解除される。
【0028】
しかるに、平坦面3Aの開口部4を閉塞すべく、取付部材14の固定機構18として突部22を形成し、被取付部材1の固定機構7として貫通孔8を形成する構成を採った場合でも、螺子等で固定する必要がなく組み付け作業が簡易であると共に、被取付部材1の貫通孔8からエア漏れが生ずることを確実に防止することができる。しかも、取付部材14を被取付部材1から外す作業も作動用部29を揺動させるのみで行なうことが可能であるので、取付部材14を取り外すための器具を不要とし、取付部材14の取り外し作業の簡便化、迅速化を図ることができる。更に、被取付部材1の固定機構7及び取付部材14の固定機構18の構造は相対的に簡略であるので、これらの固定機構7、18を採用しても被取付部材1及び取付部材14の重量の増大を著しく小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、この発明に係る被取付部材の開口部近傍部位における構成を示す説明図であり、図1(A)はその平面図で、図1(B)はそのI−I線断面図である。
【図2】図2は、被取付部材の固定機構の構成を示す要部拡大図で、図2(A)はその固定機構を斜め上方から見た斜視図で、図2(B)はその固定機構を斜め下方から見た斜視図である。
【図3】図3は、この発明に係る取付部材の概略構成を示す説明図であり、図3(A)はその平面図で、図3(B)はその側面図で、図3(C)はその底面図である。
【図4】図4は、取付部材の固定機構の構成を示す要部拡大図であり、図4(A)はその固定機構を斜め上方から見た斜視図で、図4(B)はその固定機構を図4(A)に対し上下方向反対にして斜め上方から見た斜視図である。
【図5】図5は、取付部材の固定機構の側方断面図である。
【図6】図6は、取付部材の固定機構と被取付部材の固定機構とを組み合わせた状態の説明図であり、図6(A)はその正面図で、図6(B)はその平面図で、図6(C)はその側方断面図で、図6(D)は底方から見た一部断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 被取付部材
2 空間
3 壁部
3A 平坦面
4 開口部
5 挿着部
7 被取付部材の固定機構
8 貫通孔
9 筒状部
9A 大径部
9B 小径部
10 段差面
11 延出部
12 突当部
14 取付部材
15 縁部
16 蓋体本体
17 溝部
18 取付部材の固定機構
19 基部
20 窪み部
21 連結部
22 突部
23 スリット溝
24 シール部
25 可動片
26 円弧状部
27 係止部
29 作動用部
29A プレート部
29B 支持部
31 通孔
32 側壁部
33 突出部
34 貫通孔
35 切欠き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部材の平坦面に開口した開口部に対し、その周縁近傍部位に設けられた貫通孔と、この貫通孔の周縁からその軸方向に延出した筒状部とから成り、
この筒状部は先端側の内径寸法を基端側の内径寸法よりも小さくすることで段差が内部に形成されていることを特徴とする被取付部材の固定機構。
【請求項2】
前記筒状部に対しその基端側から外側に向けて径方向に延びる延出部が設けられ、この延出部の延出方向の先端部位には前記筒状部位の軸方向に延びる突当部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の被取付部材の固定機構。
【請求項3】
取付部材の側壁から外側に向けて延出した基部と、この基部の一方側面から延出した突部と、前記基部の他方側面から前記突部と反対側に延出した作動用部とから成り、
前記突部は、前記基部側にある筒状のシール部と、このシール部から軸方向に延出し、その少なくとも先端部位が径方向に可動可能な可動片とを有し、
この可動片の先端には前記シール部よりも径方向外側に突出した係止部が形成されていることを特徴とする取付部材の固定機構。
【請求項4】
前記基部の縁部から前記突部の延出方向と同方向に延出した側壁部を有すると共に、この側壁部の外面から前記突部の径方向に延びる突出部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の取付部材の固定機構。
【請求項5】
前記突出部は、前記突部の軸方向に沿って延びる通孔を有することを特徴とする請求項4に記載の取付部材の固定機構。
【請求項6】
被取付部材に対し固定機構として貫通孔から延出した筒状部を設け、この筒状部内に段差を形成すると共に、
取付部材に対し固定機構として前記筒状部の先端側の内周面と接する外周面を備えたシール部と、このシール部から軸方向に延出し、その少なくとも先端部位が径方向に可動可能な可動片と、この可動片の先端部に前記シール部の外周面よりも外側に突出するように係止部を形成し、
前記筒状部に可動片及びシール部を挿入することで、前記シール部の外周面と前記筒状部の先端側の内周面とを密着しつつ、前記係止部を前記筒状部の段差で生じた面に係合させることを特徴とする部材間の固定構造。
【請求項7】
被取付部材の平坦面に開口した開口部に対し、その周縁近傍部位に貫通孔を設け、この貫通孔の周縁から前記被取付部材に対し外側に向けて筒状部を延出させると共に、前記筒状部に対しその先端側の内径寸法を基端側の内径寸法よりも小さくして段差を内部に形成することで被取付部材の固定機構を構成し、
取付部材の側壁から外側に向けて延出した基部に対し突部をその一方側面から延出させると共に、前記基部の他方側面から前記突部と反対側に作動用部を延出させ、前記突部は、その外周面が前記筒状部の内周面と接した状態で当該筒状部内に挿通可能な寸法の外径寸法をなす筒状のシール部と、前記突部に対しその軸方向に沿って延びるスリット溝を形成することにより、このシール部から軸方向に延出し、その少なくとも先端部位が径方向に可動可能な可動片とを有し、この可動片の先端に外側に向けて係止部を有することで取付部材の固定機構を構成し、
取付部材に被取付部材を組み付けるにあたり、前記筒状部に突部を挿入することで、前記シール部の外周面と前記筒状部の内周面とを密着させつつ、前記係止部を前記筒状部の段差で生じた面に係合させることを特徴とする部材間の固定構造。
【請求項8】
前記被取付部材について、前記筒状部に対しその基端側から外側に向けて径方向に延びる延出部を設け、この延出部の延出方向の先端部位に前記筒状部の軸方向に延びる突当部を形成すると共に、前記取付部材について、前記基部の縁部から前記突部の延出方向と同方向に延出した側壁部を形成すると共に、この側壁部の外面から前記突部の径方向に延びる突出部を設けて、前記取付部材と前記被取付部材とを組み付けた際に、前記被取付部材の延出部に形成した突当部に前記取付部材の突出部が突当することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の部材間の固定構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−40356(P2007−40356A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−223616(P2005−223616)
【出願日】平成17年8月2日(2005.8.2)
【出願人】(500309126)株式会社ヴァレオサーマルシステムズ (282)
【Fターム(参考)】