説明

被着脱部材の着脱装置、記録装置及び液体噴射装置

【課題】被着脱部材を挿入して蓋部材を閉じる着脱装置であって、検出手段が確実に蓋部材の開閉状態を検出することができる着脱装置を提供すること。
【解決手段】挿入開口部271を開閉可能に回動する蓋部材454と、着脱装置本体側に前記蓋部材の閉塞を検出する検出手段451と、前記蓋部材が閉塞していない状態において、前記検出手段によって前記蓋部材の閉塞を誤って検出する誤検出を防止する誤検出防止手段450とを備え、該誤検出防止手段は、前記蓋部材側に設けられ、該蓋部材が閉塞した際に前記検出手段によって検出される被検出部材456と、前記着脱装置本体側に設けられ、該被検出部材が回動する際に挿通する被検出部材挿通開口部453とを備え、前記被検出部材は、少なくとも前記蓋部材が開いているとき、前記被検出部材挿通開口部を塞ぐように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱装置本体に設けられた挿入開口部に被着脱部材を挿入する被着脱部材の着脱装置、該着脱装置を備えた記録装置、および該着脱装置を備えた液体噴射装置に関する。
【0002】
ここで、液体噴射装置とは、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドから記録紙等の被記録材へインクを噴射して被記録材への記録を実行するインクジェット式記録装置、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えて特定の用途に対応する液体を前述した記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから、被記録材に相当する被噴射材に噴射して、液体を被噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。また、液体噴射ヘッドとしては、前述した記録ヘッド以外に、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料を噴射する試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【背景技術】
【0003】
従来技術では、特許文献1のように、記録装置本体側には、インクカートリッジが挿入される挿入開口部が設けられ、挿入開口部を開閉する蓋部材が回動可能に設けられていた。そして、蓋部材が開いた状態で放置されるのを防止するため、蓋部材の開閉を検出する開閉センサが記録装置本体側に設けられていた。一方、蓋部材には、蓋突部が設けられており、蓋部材が閉じる際、蓋突部が挿入開口部近傍に設けられたスリット状のセンサ開口部を介して、開閉センサと当接するように構成されていた。
【0004】
図28に示すのは、従来の蓋部材開閉センサと蓋部材の一例を示す要部拡大斜視図である。図28に示す如く、記録装置500には、インクカートリッジ(図示せず)が挿入可能な挿入開口部503が設けられており、挿入開口部503の下側には、挿入開口部503を開閉可能な蓋部材504が設けられている。そして、図に示すのは蓋部材504が開いた状態である。蓋部材504は蓋軸506を支点に回動するように設けられており、蓋部材504が閉じると蓋部材504に設けられた蓋突部505が、スリット状のセンサ開口部502を介して記録装置本体側に設けられた開閉センサ501と当接するように設けられている。
【0005】
詳しく説明すると、インクカートリッジ(図示せず)を挿入して装填した後に、ユーザが、蓋部材504を閉めるように構成されている。そして、蓋部材504が蓋軸506を支点に回動して閉まる際、蓋突部505が、センサ開口部502を介して奥に配設された開閉センサ501と当接する。開閉センサ501は、該当接によって蓋閉を検出して制御部(図示せず)へ信号を送るように構成されている。そして、信号を受信した制御部(図示せず)は、記録装置500を作動可能な状態にする。
【0006】
【特許文献1】特開2005−254794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図28に示す如く、蓋部材504が開いた状態では、何らかの方法で、外部からセンサ開口部502を介して内部へ異物が侵入して、開閉センサ501と当接する虞がある。また、開閉センサ501が非接触式のセンサであれば、センサ開口部502を介して塵埃等が進入して開閉センサ501が反応してしまう虞がある。かかる場合、蓋部材504が開いた状態であるにもかかわらず、開閉センサ501が蓋閉を誤検出し、記録装置500が誤って作動可能な状態となり、インクカートリッジ(図示せず)が中途半端に装填された状態であればインク漏れ等の虞が生じる。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、被着脱部材を挿入して蓋部材を閉じる着脱装置であって、検出手段が確実に蓋部材の開閉状態を検出することができる被着脱部材の着脱装置、該着脱装置を備えた記録装置及び該着脱装置の備えた液体噴射装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、着脱装置本体に設けられた挿入開口部に被着脱部材を挿入する被着脱部材の着脱装置であって、前記挿入開口部を開閉可能に回動する蓋部材と、前記着脱装置本体側に前記蓋部材の閉塞を検出する検出手段と、前記蓋部材が閉塞していない状態において、前記検出手段によって前記蓋部材の閉塞を誤って検出する誤検出を防止する誤検出防止手段とを備え、該誤検出防止手段は、前記蓋部材側に設けられ、該蓋部材が閉塞した際に前記検出手段によって検出される被検出部材と、前記着脱装置本体側に設けられ、該被検出部材が回動する際に挿通する被検出部材挿通開口部とを備え、前記被検出部材は、少なくとも前記蓋部材が開いているとき、前記被検出部材挿通開口部を塞ぐように構成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、被着脱部材の着脱装置は、前記挿入開口部を開閉可能に回動する蓋部材と、前記着脱装置本体側に前記蓋部材の閉塞を検出する検出手段と、前記蓋部材が閉塞していない状態において、前記検出手段によって前記蓋部材の閉塞を検出する誤検出を防止する誤検出防止手段とを備えている。従って、前記蓋部材が閉塞していない状態において、前記検出手段によって前記蓋部材の閉塞を誤って検出する誤検出を防止することができる。
【0011】
さらに、本態様によれば、第1の態様と同様の作用効果に加え、前記誤検出防止手段は、前記蓋部材側に設けられ、該蓋部材が閉塞した際に前記検出手段によって検出される被検出部材と、前記着脱装置本体側に設けられ、該被検出部材が回動する際に挿通する被検出部材挿通開口部とを備え、前記被検出部材は、少なくとも前記蓋部材が開いているとき、前記被検出部材挿通開口部を塞ぐように構成されている。従って、簡単な構成で前記誤検出防止手段を設けることができる。
また、前記蓋部材が開いているとき、前記被検出部材挿通開口部は、前記被検出部材によって塞がれるので、防塵対策にもなる。
【0012】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記被検出部材の一部は、前記蓋部材の回動支点を支点とする扇状に形成され、常に前記被検出部材挿通開口部を塞ぐように構成されていることを特徴とする。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様と同様の作用効果に加え、前記被検出部材の一部は、前記蓋部材の回動支点を支点とする扇状に形成され、常に前記被検出部材挿通開口部を塞ぐように構成されている。従って、前記誤検出防止手段は、前記蓋部材が中途半端に開いた状態であっても、簡単な構成で、常に前記誤検出を防止することができる。
【0013】
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様において、前記蓋部材は、少なくとも90度回動するように構成されていることを特徴とする。
本発明の第3の態様によれば、第1または第2の態様と同様の作用効果に加え、前記蓋部材は、少なくとも90度回動するように構成されている。前記蓋部材を、着脱装置本体の端部近傍を支点に90度以上回動させる場合は、前記被検出部材挿通開口部を設ける必要があり、係る場合に有効である。
【0014】
本発明の第4の態様は、第1から第3のいずれか一の態様において、前記被着脱部材は、インクカートリッジであり、該インクカートリッジ側に設けられた電気的な接続端子部と、着脱装置本体側に該接続端子部と接触可能なコネクタ部とを備え、前記接続端子部と前記コネクタ部とが電気的に接触したとき、かつ、前記検出手段が前記蓋部材の閉塞を検出したとき、着脱装置を備えた記録装置が作動するように構成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の第4の態様によれば、第1から第3のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記被着脱部材は、インクカートリッジであり、該インクカートリッジ側に設けられた電気的な接続端子部と、着脱装置本体側に該接続端子部と接触可能なコネクタ部とを備え、前記接続端子部と前記コネクタ部とが電気的に接触したとき、かつ、前記検出手段が前記蓋部材の閉塞を検出したとき、着脱装置を備えた記録装置が作動するように構成されている。例えば、インクカートリッジが中途半端に装填された場合、蓋部材が閉塞しないように構成することができ、かかる場合は記録装置が作動しないので、前記中途半端装填されたことによるインク漏れを防止することができる。
【0016】
本発明の第5の態様は、インクカートリッジをスライドさせて記録装置本体に装填するインクカートリッジの着脱装置を備える記録装置であって、前記インクカートリッジの着脱装置は上記第1から第4のいずれかの態様の被着脱部材の着脱装置であることを特徴とする。
本発明の第5の態様によれば、記録装置は、上記第1から第4の態様のいずれかの前記着脱装置を備えているので、記録装置において、上記第1から第4の態様のいずれかに記載された作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
【0017】
本発明の第6の態様は、液体カートリッジをスライドさせて液体噴射装置本体に装填する液体カートリッジの着脱装置を備える液体噴射装置であって、前記液体カートリッジの着脱装置は上記第1から第3のいずれかの態様の被着脱部材の着脱装置であり、前記被着脱部材は、液体カートリッジであることを特徴とする。
本発明の第6の態様によれば、液体噴射装置は、上記第1から第3の態様のいずれかの前記着脱装置を備えているので、液体噴射装置において、上記第1から第3の態様のいずれかに記載された作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すのは、本発明に係る記録装置の概略を示す全体斜視図である。また、図2に示すのは、本発明に係る記録装置の概略を示す全体平面図である。
【0019】
記録装置100の本体の背面側には、被記録媒体としての用紙が積層されるホッパ101が、上方を支点に揺動可能に設けられている。ホッパ101の最上位に積層された用紙は、給送部144によって、搬送方向下流側である記録部側へ給送される。具体的には、積層された用紙は、給送用モータ104によって駆動する給送ローラ(図示せず)によりピックアップされて、用紙ガイド103に案内されながら搬送方向の下流側の搬送ローラ(図示せず)へと給送される。搬送ローラまで給送された用紙は、搬送用モータ(図示せず)によって駆動する搬送ローラにより、さらに搬送方向の下流側の記録部143へと搬送される。記録部143は、用紙を下方から支持するプラテン105と、プラテン105の上方側に対向するように設けられたキャリッジ107とによって構成される。そのうち、キャリッジ107は、主走査方向へ延びたキャリッジガイド軸(図示せず)に案内されながらキャリッジモータ102によって駆動する。さらに、キャリッジ107の底面部には、用紙へ向かってインクを吐出する記録ヘッド106が設けられている。記録部143で記録された用紙は、さらに下流側へと搬送され排紙ローラ(図示せず)によって記録装置100の正面側から排出される。
【0020】
また、記録装置100の本体下方の着脱装置201には、インクカートリッジ211(図3参照)が装填され、インク供給針411(図7参照)を介してインク供給路(図示せず)へとインクが供給される。さらに、インク供給チューブ110を介してキャリッジ107の記録ヘッド106まで供給される。そして、記録ヘッド106のフラッシング時、およびクリーニング時には、1桁側に設けられ、記録部143の吐出特性を維持する吐出特性維持部としてのインク吸引装置200においてインクの吐出・吸引動作が行われる。インク吸引装置200は、キャップ部213を備え、キャップ部213を上下方向へ移動させて記録ヘッド106を封止することができるように構成されている。
【0021】
図3に示すのは、本発明に係る着脱装置の概略を示す全体斜視図である。
図3に示す如く、インクカートリッジの着脱装置201には、インクカートリッジ211を挿入する挿入開口部271が設けられている。この挿入開口部271は、図1および図2に示す記録装置100の背面側に設けられている。インクカートリッジの着脱装置201は、ユーザが操作するレバーアーム363と、レバーアーム363の動力をインクカートリッジ211の装填に必要な第2の所定ストロークS2(図11参照)の動きに変換する動力伝達変換機構230と、挿入開口部271に第1の所定ストロークS1(図8参照)挿入されたインクカートリッジ211を保持するカートリッジ保持手段210と、排出時にインクカートリッジ211がカートリッジ保持手段210に保持された状態を解除するカートリッジロック解除手段220とを備えている。以下、これらの構造および動作について順に説明する。
【0022】
尚、着脱装置201の上方には用紙を搬送する搬送部や、用紙に記録を実行する記録部等を配設するための金属板で形成されたフレーム部材190が設けられている。フレーム部材190は、インクカートリッジ211が装填された状態の着脱装置201において、インクカートリッジ211と対向しない位置、即ち、着脱装置201の側端近傍の側壁面上の位置と係合するように設けられている。これにより、フレーム部材190に圧し掛かる重さによって着脱装置201が変形し、インクカートリッジ211の挿入、装填および排出の際に着脱装置201とインクカートリッジ211との摩擦が大きくなるのを防止することができる。
また、フレーム部材190と、その上方に配置される他の構造体との締結を、側面から外すことができ、フレーム部材190およびフレーム部材の下方に配置される着脱装置201を単独で外せるように設けられている。即ち、記録装置全体から着脱装置201のみを容易に取り外すことができる。
【0023】
図4に示すのは、インクカートリッジの挿入前であってレバーアームが「リセット位置」の着脱装置を示す前方斜視図である。図5に示すのは、インクカートリッジの挿入途中であってレバーアームが「リセット位置」の着脱装置を示す平面図であり、図6に示すのは図5の側方斜視図であり、図7に示すのは図5の要部側断面図である。
図4〜図7に示す如く、インクカートリッジ211の着脱装置201は、動力伝達変換機構230と、カートリッジ保持手段210と、カートリッジロック解除手段220とを備えている。
【0024】
そのうち、動力伝達変換機構230は、レバーアーム363と、レバーアーム363に設けられた第1ギア231と、第1ギア231と動力伝達可能に接する第2ギア232と、第2ギア232と一体に設けられた第3ギア233と、第3ギア233と動力伝達可能に接する第4ギア234と、第4ギア234と一体に設けられたカム部235と、カム部235と当接するカムフォロアとしてのスライダ部240とから構成される。スライダ部240には第1スライダ開口部246が設けられ、カム部235が第1スライダ開口部246の第1の面246aあるいは第2の面246bと当接・押圧することによって、スライダ部240が装填・排出方向へ移動可能に設けられている。また、カム部235は、後述する偏心カム部235aと同心カム部235bとを備えている(図25参照)。
ここで、スライダ部240の移動方向は、スライダ部240に移動方向に沿って設けられた2つのガイドスリット241a、241bに、軸262a、262bが挿通されることによって規制されている。
【0025】
本実施形態において、レバーアーム363はレバー支軸364を支点に回動するように設けられ、図4〜図10に示すレバーアーム363の位置をレバーアームの「リセット位置」、図13〜図16に示すレバーアーム363の位置をレバーアームの「セット位置」とする。また、レバーアーム363の回動範囲は、着脱装置本体側の基体387に設けられたレバー回動規制突起369と、レバーアーム363に設けられた2箇所のレバー回動規制部366とによって規制されている。従って、レバーアーム363は、「セット位置」と「リセット位置」との間でのみ回動することができる。
【0026】
また、カートリッジ保持手段210は、着脱装置側の2つの爪部251、251が形成されたラッチプレート250を備えたスライダ部240と、爪部251、251と係合可能なインクカートリッジ側の2箇所の凹部211a、211aとから構成される。ラッチプレート250は、爪部251、251と反対側のラッチプレート係合部254と、スライダ部側のスライダ係合部245とを係合させた位置を支点に、爪部側が図7における上下方向にスライダ部240に対して揺動可能に設けられている。このとき、ラッチプレート250はスライダ部240の上面に配設され、ラッチプレート250の2つの爪部251、251は、スライダ部240の2つの第2スライダ開口部247を介して下方へ突出するように設けられている。このとき、着脱装置201の基体387にも基体開口部387aが、爪部251、251と凹部211a、211aとの係合を妨げないように設けられている。
【0027】
スライダ部240の装填方向の中央部には、曲げ加工によってスライダ係合部245が形成され、スライダ係合部245は、ラッチプレート250の装填方向の上流側のラッチプレート係合部254と係合可能に設けられている。本願において、第1の係合手段は、スライダ係合部245とラッチプレート係合部254とから構成されている。そして、ラッチプレート250は、第1の係合手段の係合させた位置を支点に揺動可能に設けられている。
尚、本願において、「第1の係合手段の係合」とは、スライダ係合部245とラッチプレート係合部254とが面接触している状態をいう。
【0028】
また、スライダ部240には、装填方向と直交する方向の曲げ加工によって、装填方向およびラッチプレート250の揺動方向に延設されたスライダ突部242が形成され、スライダ突部242は、ラッチプレート250の装填方向に延設された穴状のラッチプレートスリット255と係合可能に設けられている。本願において、第2の係合手段は、スライダ突部242とラッチプレートスリット255とから構成されている。そして、ラッチプレートばね256は、ラッチプレート250に何ら外力が作用しないとき、ラッチプレート250とスライダ部240とが第1の係合手段で係合するように付勢するように設けられていると共に、ラッチプレート250の爪部251、251を下方へ付勢するようにも設けられている。
尚、本願において、「第2の係合手段の係合」とは、スライダ突部242が、ラッチプレートスリット255の装填方向側の面を押圧して面接触している状態をいう。
【0029】
またさらに、カートリッジロック解除手段220は、ラッチプレート250に形成された傾斜部253と、装填方向に対する幅方向においてラッチプレート250の両側に設けられ、インクカートリッジ211を排出する際のみに傾斜部253と当接してラッチプレート250を上方へ押し上げるキャンセルアーム260a、260bとから構成される。
このうち、キャンセルアーム260a、260bは、軸262a、262cを支点にキャンセルアームばね261の付勢力に抗して回動可能に設けられている。
【0030】
さらに詳しい構造の説明については、着脱装置201の動作について説明しながら述べることにする。
尚、本実施形態において、スライダ部240およびラッチプレート250は、金属板で形成されているため、ラッチプレート250の位置を精度良く、所謂、リジッドに位置決めすることができる。また、高温の条件下で放置された場合であっても、変形する虞がない。
【0031】
[インクカートリッジの挿入]
続いて動作について、インクカートリッジ211の挿入、装填、排出のそれぞれの状態に分けて説明する。
先ず、図4に示すインクカートリッジ211が着脱装置201の外部にある状態から、インクカートリッジ211を挿入開口部271に挿入する。このとき、レバーアーム363のアーム本体363bの先端側に形成されたつまみ部363aのレバー突起部363cには案内面363dが設けられており、案内面363dは、ユーザがインクカートリッジ211を挿入開口部271へ挿入する際、インクカートリッジ211を挿入開口部271へ案内するように設けられている。具体的には、挿入開口部271から対向する方向へ延びる進入路Aからはみ出たインクカートリッジ211を、挿入開口部271へ近づくにしたがって徐々に進入路Aへ押し戻すように案内面363dは、インクカートリッジ211の装填方向に対して傾斜して設けられている。
ここで、「装填方向」とは、インクカートリッジ211が挿入開口部271を進入して奥にあるインク供給針411に向かう方向をいう。具体的には、図5において矢印が示す図面下側から上側へ向かう方向である。
【0032】
インクカートリッジ211の先端側を挿入開口部271へ挿入していくと、インクカートリッジ211の先端部が、挿入開口部271の奥に設けられた排出レバー385に度当たる。排出レバー385は、排出レバー軸386を支点に回動し図示しないばねによってインクカートリッジ211を排出する排出方向へ付勢するように設けられている。
ここで、「排出方向」とは、装填方向と逆向きの方向をいう。
【0033】
そして、度当たって停止した状態が図5〜図7に示す状態である。この状態では、レバー突起部363cの軌道をインクカートリッジ211の側面が遮っているので、「リセット位置」にあるレバーアーム363を「セット位置」側へ回動させることができない。従って、ユーザがレバー突起部363cでインクカートリッジ211を装填方向へ押し込むという操作、所謂、誤操作(アブノーマル操作)を防止することができる。
【0034】
図8に示すのは、インクカートリッジの挿入完了時であってレバーアームの「リセット位置」の着脱装置を示す平面図であり、図9に示すのは図8の側方斜視図であり、図10に示すのは図8の要部側断面図である。
図5〜図7に示す状態から、排出レバー385の付勢力に抗してインクカートリッジ211をさらに押し込んで第1の所定ストロークS1分挿入すると、図8〜図10に示すインクカートリッジ211の挿入完了状態となる。
【0035】
具体的には、図5〜図7に示す状態から、インクカートリッジ211をさらに押し込むと、インクカートリッジ211の先端部が、スライダ部240の第2スライダ開口部247を介して下方へ突き出たラッチプレート250の爪部251、251と当接する。そして、インクカートリッジ211の先端部がラッチプレートばね256の付勢力に抗して爪部251、251を上方へ押し上げて、2つの爪部251、251とインクカートリッジ側の2箇所の凹部211a、211aとが係合する。即ち、スライダ部240がラッチプレート250を介してインクカートリッジ211を一体に保持する。そして、この状態がインクカートリッジ211の挿入完了状態である。
【0036】
尚、ラッチプレート250の2箇所の爪部251、251は、ラッチプレート250と一体に形成されている。そして、ラッチプレート250の2箇所の爪部251、251は、インクカートリッジ211の装填方向に対する幅方向の略中央部に設けられた2箇所の凹部211a、211aと係合するように設けられている。従って、インクカートリッジ211の向きが、装填方向に対してある程度傾いていた場合であっても、2箇所の爪部251、251は、2箇所の凹部211a、211aと係合することができる。さらに、2箇所の爪部251、251は、一体に形成されていることにより同期するので、一方のみが凹部211a、211aと係合し、他方が凹部211a、211aと係合しない状態、所謂、片側ラッチの状態となる虞がない。
【0037】
また、図8〜図10に示すインクカートリッジ211の位置よりさらに奥側へ手でインクカートリッジ211を押し込もうとしても、インクカートリッジ211の先端側がスライダ部240に設けられた度当て部243によって規制される。このとき、スライダ部240は、後述するカム部235の形状(図25参照)によってレバーアーム363を回動させない限り、移動しないように設けられている。
【0038】
[インクカートリッジの装填]
図11に示すのは、インクカートリッジの装填途中の着脱装置を示す平面図であり、図12に示すのは図11の要部側断面図である。
図11に示す如く、図8に示す「リセット位置」からレバーアーム363を、レバー支軸364を支点に反時計方向へ回動させると、前述したように第1ギア231が第2ギア232へ動力を伝達し、第2ギア232と一体に設けられた第3ギア233が第4ギア234へ動力を伝達する。第4ギア234と一体に設けられたカム部235が、第1スライダ開口部246の第1の面246aと当接・押圧してスライダ部240を装填方向へ移動させる。このとき、スライダ部240にはガイドスリット241a、241bが装填方向に沿って直列に2箇所設けられている。そして、基体387に設けられた軸262a、262bがガイドスリット241a、241bに挿通されることによって、スライダ部240の移動方向が規制されている。
【0039】
このとき、カム部235は、スライダ部240の装填方向に対する幅方向中央部を押圧するように構成されている。また、ラッチプレート250との位置関係については、前記幅方向において、カム部235のスライダ部240を押圧する箇所の位置が、ラッチプレート250の2箇所の爪部251、251の略中心線上の位置となるように構成されている。さらに、図12に示す如く、爪部251、251におけるインクカートリッジ211を押圧する面は、装填方向に対して直交するように設けられている。従って、インクカートリッジ211、ラッチプレート250およびスライダ部240の姿勢を安定させると共に、カム部235の動力を効率よくインクカートリッジ211まで伝達することができる。
【0040】
スライダ部240が装填方向へ移動すると、ラッチプレート250の爪部251、251に保持されたインクカートリッジ211も一体となって移動する。このとき、インクカートリッジ211の自重によって、第1の係合手段であるスライダ係合部245とラッチプレート係合部254との係合は緩み、第2の係合手段において、ラッチプレートスリット255と係合するスライダ突部242が、ラッチプレートスリット255の装填方向側の面を押圧する。この押圧力が爪部251、251を介してインクカートリッジ211を装填方向へ移動させる。インクカートリッジ211の移動に伴って、装填方向先端側に設けられたインク供給針411がインクカートリッジ211に徐々に突き刺さる。
【0041】
このとき、インクカートリッジ211にインク供給針411を突き刺すには、大きな押し込み力を必要とする。そこで、スライダ突部242は、前述したように装填方向と直交する方向への曲げ加工によって設けられているので、大きな力が作用しても撓んだり変形したりする虞がない。即ち、スライダ突部242は、ラッチプレートスリット255の装填方向側の面と面接触して確実にラッチプレート250を介してインクカートリッジ211に押し込み力を伝達することができる。さらに、スライダ突部242は変形しないので、ラッチプレート250の位置を精度良く、所謂、リジッドに決めることができる。
【0042】
このように第1の係合手段と第2の係合手段とによってラッチプレート250をスライダ部240に係合させる構成としたのは、仮にラッチプレート250の揺動に支軸を設けた場合、インクカートリッジ211を装填する際に必要な大きな押し込み力が支軸に集中し、該支軸が変形してしまうことによって、インクカートリッジ211を押し込む際の押し込み力および押し込む距離の精度を確保できない虞が生じるためである。そこで、支軸を設けずに、ラッチプレート250の動作によって係合する箇所を変えることで、ラッチプレート250の揺動機能を備えたままで、確実に押し込み力および押し込む距離(第2の所定ストロークS2)を確保することができる。
【0043】
さらに、第1の係合手段であるスライダ係合部245およびラッチプレート係合部254、並びに第2の係合手段であるスライダ突部242およびラッチプレートスリット255は、爪部251、251に対して装填方向に直列に設けられているので、ラッチプレート250の爪部251、251の位置をより一層精度良くリジッドに決めることができる。また、第1の係合手段および第2の係合手段は、装填方向に対して幅方向に一対設けられているので、ラッチプレート250の姿勢を安定させることができる。またさらに、第2の係合手段については、爪部251、251に対して装填方向に直列に設けられているので、より一層に押し込み力を爪部251、251に効率よく伝達することができる。
【0044】
また、第2の係合手段のスライダ突部242およびラッチプレートスリット255は、ラッチプレート250のスライダ部240に対する前記幅方向の位置を規制する。従って、前述したインクカートリッジ211の挿入時に、インクカートリッジ211の凹部211a、211aと、ラッチプレートの爪部251、251とを確実に対向させて係合させることができる。
【0045】
爪部251、251と凹部211a、211aとの係合する位置については、インクカートリッジ211の高さ方向(図12の図面上下方向)において、インク供給針411がインクカートリッジ211に突き刺さる位置に近いほど、インクカートリッジ211の姿勢を安定させると共に、装填する際のカム部235の動力である押し込み力を効率よくインクカートリッジ211まで伝達することができる。後述する排出時のラッチプレート250の上方への揺動の際の爪部251、251の下方先端の軌道との関係もあるが、爪部251、251と凹部211a、211aとの係合位置は、インクカートリッジ211の高さ方向において、インク供給針411と対向する位置関係に構成するのが望ましい。
【0046】
続けてレバーアーム363を「セット位置」側へ回動すると、スライダ部240の装填方向への移動に伴って、スライダ部240に設けられた肩部252が、キャンセルアーム260a、260bの先端当接部260cと当接して、キャンセルアーム260a、260bを、スリット241cに挿通された軸262cおよびガイドスリット241aに挿通された軸262aを支点にキャンセルアームばね261の付勢力に抗してそれぞれ回動させる(図11参照)。このとき、肩部252は先端当接部260cから押圧力を受けるので、スライダ突部242とラッチプレートスリット255の装填方向側の面との当接をより確実にすることができる。即ち、キャンセルアームばね256の付勢力によって、ラッチプレート250の姿勢を安定させることができる。
【0047】
さらに、スライダ部240が装填方向へ移動して肩部252がキャンセルアーム260a、260bの先端当接部260cを通過すると、キャンセルアーム260a、260bは、キャンセルアームばね261の付勢力によってもとの状態(図5、図8、図14参照)に戻る。キャンセルアーム260a、260bについては、インクカートリッジ211を排出する際、ラッチプレート250に作用する部材であるので、後の排出時に説明する。
そして、レバーアーム363を反時計方向へ回動させて「セット位置」まで操作するとインクカートリッジ211の装填完了状態となる。
【0048】
図13に示すのは、インクカートリッジの装填完了であってレバーアームが「セット位置」の着脱装置を示す前方斜視図であり、図14に示すのは図13の平面図、図15に示すのは図13の側方斜視図、図16に示すのは図13の要部側断面図である。
図13〜図16に示す如く、図11および図12の状態からレバーアーム363をさらに回動させて「セット位置」まで操作すると、インクカートリッジ211は、インクカートリッジ211の挿入完了状態(図8〜図10参照)から第2の所定ストロークS2装填方向へ移動してインク供給針411が完全にインクカートリッジ211に突き刺さった状態、即ち、インクカートリッジ211の装填完了状態となる。
【0049】
また、インクカートリッジ211の装填完了する直前に、インクカートリッジ211の前方右側側面に設けられたインク残量情報端子212は、着脱装置本体側に設けられたコネクタ部412と電気的に接続するように設けられている。コネクタ部412は、装填方向に一定距離だけ移動可能に設けられ、コネクタ部412の装填方向先端側にインクカートリッジ211の先端側面と当接する当接面およびコネクタばね413によって、インクカートリッジ211が装填完了する直前から装填完了までの僅かなストローク分、インクカートリッジ211の移動に対して追従可能に設けられている。
尚、コネクタ部412が、インク残量情報端子212と電気的に接続する際、および接続を解除する際、コネクタ部412とインクカートリッジ211との間に摩擦が生じる。
【0050】
またさらに、インクカートリッジ211の装填完了する直前に、インクカートリッジ211の先端側は、着脱装置本体側に設けられたインク流路弁(図示せず)の開閉を切り替える弁レバー(図示せず)と当接する。弁レバーは、排出レバー385と同様にばね(図示せず)によってインクカートリッジ211を排出方向へ付勢するように設けられている。インクカートリッジ211の先端側が弁レバーと当接していないとき、インク流路弁は閉塞状態となり、一方、インクカートリッジ211の装填完了する際、インクカートリッジ211の先端側が弁レバーと当接して付勢力に抗して弁レバーを移動させると、インク流路弁が開放状態となるように構成されている。
【0051】
[インクカートリッジの排出]
図17に示すのは、インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す平面図であり、図18に示すのは図17の要部側断面図である。
インクカートリッジ211を排出する際は、レバーアーム363を図13に示す「セット位置」から図5および図8に示す「リセット位置」まで時計方向へ回動する。この際、着脱装置201の動作が複雑であるので、段階ごとに分けて以下説明する。
【0052】
図17および図18に示す如く、レバーアーム363を「セット位置」から「リセット位置」側へ僅かに回動すると、レバーアーム363の回動の動力が前述したようにカム部235へ伝達される。カム部235は、スライダ部240に設けられた第1スライダ開口部246の第2の面246bと当接・押圧して、スライダ部240を排出方向へ僅かに移動させる。このとき、インクカートリッジ211は、インク供給針411が突き刺さっているので、スライダ部240の装填方向先端側に設けられた度当て部243と当接するまで、移動しない(図18参照)。そして、スライド部の排出方向への僅かな移動に伴って、ラッチプレート250も排出方向へ僅かに移動する。このとき、ラッチプレート250の爪部251、251と、インクカートリッジ211の凹部211a、211aとの係合が緩み、爪部251、251と凹部211a、211aとの間に隙間、所謂、クリアランスが生ずる。
【0053】
従って、爪部251、251は、インクカートリッジ211から何ら力を受けない状態となる。すると、ラッチプレートばね256がラッチプレート250に作用することによって、装填の際に当接したラッチプレートスリット255の装填方向先端側とスライダ突部242とが離間すると共に、ラッチプレート250は、第1の係合手段でスライダ部240と係合する。
尚、排出レバー385の付勢力はインクカートリッジ211とインク供給針411との摩擦力より小さいため、インクカートリッジ211は移動しない。
【0054】
図19に示すのは、インクカートリッジの排出途中の着脱装置を示す要部側断面図である。
図19に示す如く、図17および図18の状態からレバーアーム363をさらに「リセット位置」側へ徐々に回動すると、スライダ部240はさらに排出方向である図面左側へ徐々に移動する。このとき、スライダ部240に設けられた度当て部243が、インクカートリッジ211の先端部と当接・押圧している。従って、インクカートリッジ211とインク供給針411との摩擦力に抗して、度当て部243が、インクカートリッジ211を排出方向である図面左側へ徐々に移動させる。このとき、度当て部243は、2つの爪部251、251と対向する位置に設けられている。そして、装填の際に爪部がインクカートリッジ211の姿勢を安定させながら押し込んだことと同様に、排出の際、2つの度当て部243、243は、インクカートリッジ211の姿勢を安定させながら排出方向へインクカートリッジ211を移動させることができる。
【0055】
また、スライダ部240の排出方向への移動に伴って、ラッチプレート250の一対の傾斜部253、253が、キャンセルアーム260a、260bの先端当接部260c、260cを徐々に乗り上げる。このとき、先端当接部260c、260cは、傾斜部253、253を介してラッチプレート250を第1の係合手段で係合させるように付勢すると共に、傾斜部253、253を介してラッチプレート250を上方へ押し上げる。すると、ラッチプレート250は、第1の係合手段であるスライダ係合部245とラッチプレート係合部254とが係合した位置を支点に上方へ揺動し始める。
【0056】
このとき、爪部251、251は下方へ延びているので、爪部251、251の下方先端の軌道の径は他の箇所より大きくなるが、前述した爪部251、251と凹部211a、211aとの隙間により、爪部251、251は摩擦抵抗を受けることなく、上昇することができるように設けられている。ここで、前記隙間は極僅かな間隔であるが、第1の係合手段が面接触であり爪部251、251の位置および軌道をリジッドに決めることができるので、ラッチプレート250が上方へ揺動する際、爪部251、251と凹部211a、211aとの間に摩擦が生じる虞がない。
【0057】
図20に示すのは、インクカートリッジの排出途中の着脱装置を示す側方斜視図であり、図21に示すのは図20の要部側断面図である。
図20および図21に示す如く、図19に示す状態からレバーアーム363をさらに「リセット位置」側へ徐々に回動すると、スライダ部240はさらに排出方向へ徐々に移動する。このとき、ラッチプレート250の傾斜部253、253は、キャンセルアーム260a、260bの先端当接部260c、260cに完全に乗り上げる。従って、ラッチプレート250は上方へ揺動の最高点に達し、爪部251、251は、凹部211a、211aから完全に抜け切れて係合が解除された状態となる。
ここで、ラッチプレート250の上方への揺動は、爪部251、251と凹部211a、211aとの間の隙間を必要とするので、度当て部243、243がインクカートリッジ211を排出方向へ移動させている間に行われるように構成されている。
【0058】
一方、度当て部243、243は、インク供給針411がインクカートリッジ211から殆ど抜けきり、インクカートリッジ211とインク供給針411との比較的大きい摩擦抵抗が無くなるまで、インクカートリッジ211を排出方向へ移動させる。
そして、インクカートリッジ211とインク供給針411との摩擦抵抗が無くなった後は、スライダ部240の設けられた押出レバー401が作用して、インクカートリッジ211をカートリッジ保持手段210であるスライダ部240に対して排出方向へ強制的に移動させる。押出レバー401は、前述したインクカートリッジ211とコネクタ部412との比較的小さい摩擦抵抗に抗して、インクカートリッジ211を移動させるように設けられている。
【0059】
ここで、押出レバー401は、一端にインクカートリッジ211と当接して押し出す押出部401b(図22参照)と、他端に着脱装置201の基体387に設けられた突起(図示せず)と当接・係合する当接部401a(図22参照)とを備え、スライダ部240を支点に回動するように設けられている。そして、回動した押出レバー401は、突起(図示せず)と当接部401aとの係合が解除されると、押出レバーばね402によってもとの位置(図17に示す位置)に戻るように構成されている。具体的な動作については、スライダ部240が排出方向へ移動すると、スライダ部240と共に移動する押出レバー401の当接部401aが基体387の突起(図示せず)と係合することにより、当接部401aがてこの原理の力点となり、押出レバー401が回動する。そして、押出部401bがてこの原理の作用点となり、インクカートリッジ211を強制的にスライダ部240に対して第3の所定ストロークS3(図22、図23参照)排出方向へ移動させる。
【0060】
このとき、押出レバー401がインクカートリッジ211をスライダ部240に対して排出方向へ第3の所定ストロークS3分移動させるので、レバーアーム363を「セット位置」側へ反転回動させる操作、所謂、誤操作(アブノーマル操作)によって、ラッチプレート250が下方へ揺動した場合であっても、爪部251、251と凹部211a、211aとが再度係合する虞がない。
ここで、「第3の所定ストロークS3」とは、インクカートリッジ211のスライダ部240に対する移動距離であって、爪部251、251と凹部211a、211aとが係合する位置から係合しない位置まで移動距離をいう。
【0061】
尚、図21では、インク供給針411がインクカートリッジ211に突き刺さっているように見えるが、インクカートリッジ側のインク供給針411が挿通する開口のパッキン(図示せず)からは抜けきった状態であり、インクカートリッジ211とインク供給針411との摩擦抵抗は既に無い状態となっている。
また、本実施形態では、押出レバー401は、インクカートリッジ211とコネクタ部412との比較的小さい摩擦抵抗に抗して作用するように構成されているが、インクカートリッジ211とインク供給針411との比較的大きい摩擦抵抗に抗して作用するように構成してもよいのは勿論である。
【0062】
図22に示すのは、インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す平面図であり、図23に示すのは図22の要部側断面図である。
図22および図23に示す如く、図20および図21に示す状態からレバーアーム363をさらに「リセット位置」側へ徐々に回動すると、スライダ部240はさらに排出方向へ徐々に移動する。そして、押出レバー401がインクカートリッジ211とコネクタ部412との比較的小さい摩擦抵抗に抗してインクカートリッジ211をスライダ部240に対して移動させた後は、インクカートリッジ211と着脱装置201との間に摩擦抵抗が殆どない状態となる。従って、排出レバー385の付勢力が、まさにインクカートリッジ211を排出方向へ押し出そうとする。
【0063】
図24に示すのは、インクカートリッジの排出途中の着脱装置を示す要部側断面図である。図24に示す如く、図22および図23に示す状態からレバーアーム363をさらにリセット側へ徐々に回動すると、スライダ部240はさらに排出方向へ徐々に移動する。このとき、インクカートリッジ211は、排出レバー385の付勢力によって排出方向へ押し出される。その後、ラッチプレート250の傾斜部253、253がキャンセルアーム260a、260bの先端当接部260c、260cを乗り越える。従って、ラッチプレート250は、インクカートリッジ211が排出レバー385によって排出方向へ移動した後に下方へ揺動する。
【0064】
排出レバー385の付勢力によって排出方向へ移動したインクカートリッジ211は、半身ほど挿入開口部271から飛び出して、レバーアーム363のレバー突起部363cと当接して停止する。
そして、レバーアーム363を完全に「リセット位置」(図4〜図6、図8および図9参照)まで回動しレバー突起部363cを進入路Aの外側へ移動させると、インクカートリッジ211を挿入開口部271から取り出すことができる。
【0065】
図25に示すのは、本発明に係るカム部の形状を示す平面図である。
図25に示す如く、カム部235は、カム軸235cを支点に回動するように設けられており、カム軸235cに対して偏心した偏心カム部235aと、カム軸235cと同心の同心カム部235bとを備えている。前述したようにレバーアーム363を「リセット位置」から「セット位置」側へ回動すると、カム部235が図25(A)に示す如く反時計方向へ回動する。このとき、偏心カム部235aが第1スライダ開口部246の第1の面246aを押圧するので、スライダ部240は、ガイドスリット241a、241bと軸262a、262bとに案内されながら矢印の装填方向へ移動する。
【0066】
そして、レバーアーム363が「セット位置」の直前の位置のとき、同心カム部235bが第1の面246aと当接する。さらにレバーアーム363を回動して「セット位置」まで回動すると、図25(B)に示す状態となる。即ち、レバーアーム363が「セット位置」の直前の位置のときに、既にスライダ部240は装填に必要な第2の所定ストロークS2移動し終わった状態となる。その後、レバーアーム363を「セット位置」の直前の位置から「セット位置」まで回動しても、同心カム部235bが第1の面246aと当接しているので、スライダ部240は移動することはない。即ち、さらにレバーアーム363が回動したとしても、スライダ部240の移動距離は、所謂、オーバーストロークにならない。
【0067】
これにより、一定の範囲においてレバーアーム363の位置(位相)に、スライダ部240が追従しないように構成することができる。即ち、数度程度の「あそび」を設けることでレバーアーム363を完全に「セット位置」まで回動しなくとも、スライダ部240を第2の所定ストロークS2装填方向へ移動させることが可能であり、その際、完全に「セット位置」まで回動したとしてもスライダ部240の移動距離は第2の所定ストロークS2のままである。従って、インクカートリッジ211が装填される際のスライダ部240の移動距離を容易に管理することができる。
【0068】
例えば、インクカートリッジ211を装填する際、ユーザが、レバーアーム363を正確に「セット位置」まで回動せずに「セット位置」の直前の位置で操作を止めてしまった場合でも、スライダ部240を確実に第2の所定ストロークS2移動させることができる。即ち、ユーザがレバーアーム363の操作を止めてしまう位置にバラツキがある場合であっても、確実にスライダ部240を第2の所定ストロークS2だけ移動させてインクカートリッジ211を装填することができる。
【0069】
ここで、「セット位置の直前の位置」とは、「リセット位置」と「セット位置」との間の中間位置であって、「セット位置」側に偏倚した位置である。偏倚の程度は、インクカートリッジ211を装填する際にユーザがレバーアーム363を止める傾向にある位置で、既に同心カム部235bが第1の面246aと当接するように偏倚させるのが望ましい。
【0070】
また、スライダ部240が第2の所定ストロークS2だけ装填方向へ移動した状態では、第1の面246aは、常に同心カム部235bと当接している。この状態において、インクカートリッジ211には、前述したように排出レバー385および弁レバーがインクカートリッジ211を排出方向へ移動させるように付勢力が作用している。さらに、インクカートリッジ211がインク供給針411から抜け出ようとする力が発生し、インクカートリッジ211を排出方向へ移動させようとする虞がある。従って、スライダ部240には、常に排出方向へ移動させようとする力が作用する。本実施形態では、装填移動完了した状態では、常に同心カム部235bが第1の面246aと当接しているので、第1の面246aが同心カム部235bを押圧しても、カム部235にはカム軸235cを支点に回動しようとする力が生じる虞がない。従って、スライダ部240は、外力が作用した場合であっても、「リセット位置」側へレバーアーム363を回動させない限り移動する虞はない。
【0071】
本実施形態では、レバーアーム363を「セット位置」から「リセット位置」側へ回動する場合も、「セット位置」側へ回動する場合と同様に、レバーアーム363が「リセット位置」の直前の位置のとき、同心カム部235bが、第2の面246bと当接する。即ち、レバーアーム363を完全に「リセット位置」まで回動しなくとも、スライダ部240を第2の所定ストロークS2排出方向へ移動させることが可能であり、その際、完全に「リセット位置」まで回動したとしてもスライダ部240の排出方向への移動距離は第2の所定ストロークS2のままである。
【0072】
また、レバーアーム363が「リセット位置」にあるときは、同心カム部235bが第2の面246bと当接している。従って、前述したようにインクカートリッジ211を挿入開口部271から第1の所定ストロークS1分挿入して、インクカートリッジ211がカートリッジ保持手段210によって保持された状態で、さらにインクカートリッジ211を押し込もうとした場合であっても、レバーアーム363を「セット位置」側へ回動しない限り、スライダ部240を装填方向へ移動させることはできない。即ち、インクカートリッジ211を第1の所定ストロークS1以上に押し込もうとした場合であっても、スライダ部240の度当て部243によってインクカートリッジ211の位置は規制される。
【0073】
尚、本発明のカム部の形状および種類は、上記実施例に限定させることはなく、溝カム等であってもよいのは勿論である。
また、本実施形態では、爪部を2つ設けたが、幅方向に延設された爪部を1つ設けてもよいし、幅方向に3つ以上設けてもよいのは勿論である。
またさらに、本実施形態では、ラッチプレートの揺動支点を、装填方向において爪部より上流側に設けたが、下流側であってもよいのは勿論である。
【0074】
続いて、挿入開口部271を開閉する蓋部材について説明する。
図26に示すのは、インクカートリッジの着脱装置の誤検出防止手段を示す要部拡大斜視図である。図27(A)(B)に示すのは、誤検出防止手段を示す側断面図である。このうち(A)は蓋部材が閉じた状態であり、一方(B)は蓋部材が開いた状態である。
【0075】
図26、図27(A)(B)に示す如く、インクカートリッジ211の挿入開口部271の入り口には、挿入開口部271を開閉可能な蓋部材454が設けられている。蓋部材454は蓋軸455を支点に回動し、図27(A)に示す蓋部材454が閉じた状態では、蓋部材454に設けられた蓋レバー456が、スリット状に設けられたセンサ開口部453を介して記録装置本体側に設けられた開閉センサ451のセンサレバー452と当接・押圧する。そして、開閉センサ451は、蓋部材454が閉じたのを検出し制御部457へ信号を送るように構成されている。また、インクカートリッジの着脱装置201には、誤検出防止手段450が設けられ、誤検出防止手段450は、センサ開口部453と蓋レバー456とから構成されている。そして、センサ開口部453は、図27(A)(B)に示す如く、蓋軸455近傍より上側に設けられている。
【0076】
また、図27(A)に示す蓋部材454が閉じた状態では、インクカートリッジ211が前述したように正常に装填されていれば、インクカートリッジ側のインク残量情報端子212と、記録装置側のコネクタ部412とが接続するように設けられている。そして、制御部457が蓋閉およびインク残量情報端子212とコネクタ部412との接続を認識、即ちANDで判断すると、記録装置100が作動可能状態となるように構成されている。従って、インクカートリッジ211が挿入される前であれば、インク残量情報端子212がコネクタ部412と非接続であるので、蓋部材454が閉まっていた場合であっても記録装置100は作動しない。
【0077】
一方、図27(B)に示す蓋部材454が開いた状態では、蓋部材454の反時計方向への回動に伴って蓋レバー456は、開閉センサ451のセンサレバー452から離間する。このとき、蓋レバー456の一部は、着脱装置201に設けられた蓋軸455を支点とした扇状に形成されている。具体的には、扇状における支点(455)から弧を結ぶ部分でセンサ開口部453を塞ぎ、弧の端部でセンサレバー452と当接・押圧するように構成されている。従って、蓋レバー456は、常にセンサ開口部453を塞いだ状態を維持することができる。その結果、異物がセンサ開口部453に進入してセンサレバー452と当接する虞がない。また、塵埃が記録装置内部に進入し易い蓋部材454が開いた状態であっても、蓋レバー456がセンサ開口部453を塞いでいるので、防塵対策にもなる。その結果、蓋部材454が開いた状態で、開閉センサ451が蓋部材454の蓋閉を誤検出するのを防止することができる。
ここで、蓋レバー456が「センサ開口部453を塞いだ状態」とは、蓋部材454の回動を妨げない程度に僅かな隙間(クリアランス)があるが、外部から内部へ殆ど光を通さない程度塞いだ状態をいう。
【0078】
また、本実施形態では、蓋部材454の回動範囲は90度程度であるが、90度以上でもよいのは勿論である。またさらに、開閉センサ451が非接触型のセンサであってもよいのは勿論である。また、本実施形態では、挿入開口部271とセンサ開口部453とを独立して設けたが一体にしてもよい。
【0079】
本実施形態のインクカートリッジの着脱装置201は、着脱装置本体に設けられた挿入開口部271に被着脱部材としてのインクカートリッジ211を挿入するインクカートリッジの着脱装置201であって、挿入開口部271を開閉可能に回動する蓋部材454と、着脱装置本体側に蓋部材454の閉塞を検出する検出手段としての開閉センサ451と、蓋部材454が閉塞していない状態において、開閉センサ451によって蓋部材454の閉塞を誤って検出する誤検出を防止する誤検出防止手段450とを備え、誤検出防止手段450は、蓋部材側に設けられ、蓋部材454が閉塞した際に開閉センサ451によって検出される被検出部材としての蓋レバー456と、着脱装置本体側に設けられ、蓋レバー456が回動する際に挿通する被検出部材挿通開口部としてのセンサ開口部453とを備え、蓋レバー456は、少なくとも蓋部材454が開いているとき、センサ開口部453を塞ぐように構成されていることを特徴とする。
ここで、被着脱部材の一例をインクカートリッジ211としたが、インクカートリッジに限られないのは勿論である。
【0080】
また、本実施形態において、被着脱部材は、インクカートリッジ211であり、インクカートリッジ側に設けられた電気的な接続端子部と、着脱装置本体側に接続端子部と接触可能なコネクタ部412とを備え、接続端子部とコネクタ部412とが電気的に接触し、かつ、検出手段としての開閉センサ451が蓋部材454の閉塞を検出したとき、着脱装置201を備えた記録装置100が作動するように構成されていることを特徴とする。
【0081】
尚、蓋軸455を着脱装置内部、即ち、センサ開口部453より内部に設けてもよい。かかる場合、蓋レバー456は、センサ開口部453を内部から塞ぐことができる。従って、蓋レバー456は、センサ開口部453に進入しようとする異物に付与した外力に対抗することができる。
また、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る記録装置の概略を示す全体斜視図。
【図2】本発明に係る記録装置の概略を示す全体平面図。
【図3】本発明に係る着脱装置の概略を示す全体斜視図。
【図4】挿入前であってレバーリセット位置の着脱装置を示す前方斜視図。
【図5】挿入途中であってレバーリセット位置の着脱装置を示す平面図。
【図6】挿入途中であってレバーリセット位置の着脱装置を示す側方斜視図。
【図7】挿入途中であってレバーリセット位置の着脱装置を示す要部側断面図。
【図8】挿入完了時であってレバーリセット位置の着脱装置を示す平面図。
【図9】挿入完了時であってレバーリセット位置の着脱装置を示す側方斜視図。
【図10】挿入完了時であってレバーリセット位置の着脱装置を示す要部側断面図。
【図11】インクカートリッジ装填途中の着脱装置を示す平面図。
【図12】インクカートリッジ装填途中の着脱装置を示す要部側断面図。
【図13】装填完了であってレバーセット位置の着脱装置を示す前方斜視図。
【図14】装填完了であってレバーセット位置の着脱装置を示す平面図。
【図15】装填完了であってレバーセット位置の着脱装置を示す側方斜視図。
【図16】装填完了であってレバーセット位置の着脱装置を示す要部側断面図。
【図17】インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す平面図。
【図18】インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す要部側断面図。
【図19】インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す要部側断面図(ラッチプレート上昇)。
【図20】インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す側方斜視図(強制押出)。
【図21】インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す要部側断面図(強制押出)。
【図22】インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す平面図(ばね付勢押出)。
【図23】インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す要部側断面図(ばね付勢押出)。
【図24】インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す要部側断面図(ラッチプレート下降)。
【図25】(A)(B)は本発明に係るカム部の形状を示す平面図。
【図26】インクカートリッジの着脱装置の誤検出防止手段を示す要部拡大斜視図。
【図27】(A)(B)は誤検出防止手段を示す側断面図。
【図28】従来の蓋部材開閉センサと蓋部材を示す要部拡大斜視図。
【符号の説明】
【0083】
100 記録装置、101 ホッパ、102 キャリッジモータ、103 用紙ガイド、
104 給送用モータ、105 プラテン、106 記録ヘッド、107 キャリッジ、
110 インク供給チューブ、143 記録部、144 給送部、190 フレーム部材、
200 インク吸引装置、201 着脱装置、210 カートリッジ保持手段、
211 インクカートリッジ、211a 凹部、212 インク残量情報端子、
213 キャップ部、220 カートリッジロック解除手段、230 動力伝達変換機構、
231 第1ギア、232 第2ギア、233 第3ギア、234 第4ギア、
235 カム部、235a 偏心カム部、235b 同心カム部、235c カム軸、
240 スライダ部、241a ガイドスリット、241b ガイドスリット、
241c スリット、242 スライダ突部、243 度当て部、
245 スライダ係合部、246 第1スライダ開口部、246a 第1の面、
246b 第2の面、247 第2スライダ開口部、250 ラッチプレート、
251 爪部、252 肩部、253 傾斜部、254 ラッチプレート係合部、
255 ラッチプレートスリット、256 ラッチプレートばね、
260a キャンセルアーム、260b キャンセルアーム、260c 先端当接部、
261 キャンセルアームばね、262a 軸、262b 軸、262c 軸、
271 挿入開口部、363 レバーアーム、363a つまみ部、
363b アーム本体、363c レバー突起部、363d 案内面、
364 レバー支軸、366 レバー回動規制部、369 レバー回動規制突起、
385 排出レバー、386 排出レバー軸、387 基体、387a 基体開口部、
401 押出レバー、401a 当接部、401b 押出部、402 押出レバーばね、
411 インク供給針、412 コネクタ部、413 コネクタばね、
450 誤検出防止手段、451 開閉センサ、452 センサレバー、
453 センサ開口部、454 蓋部材、455 蓋軸、456 蓋レバー、
457 制御部、500 (従来の)記録装置、501 開閉センサ、
502 センサ開口部、503 挿入開口部、504 蓋部材、505 蓋突部、
506 蓋軸、A 進入路、S1 第1の所定ストローク、S2 第2の所定ストローク、
S3 第3の所定ストローク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱装置本体に設けられた挿入開口部に被着脱部材を挿入する被着脱部材の着脱装置であって、
前記挿入開口部を開閉可能に回動する蓋部材と、
前記着脱装置本体側に前記蓋部材の閉塞を検出する検出手段と、
前記蓋部材が閉塞していない状態において、前記検出手段によって前記蓋部材の閉塞を誤って検出する誤検出を防止する誤検出防止手段とを備え、
該誤検出防止手段は、
前記蓋部材側に設けられ、該蓋部材が閉塞した際に前記検出手段によって検出される被検出部材と、
前記着脱装置本体側に設けられ、該被検出部材が回動する際に挿通する被検出部材挿通開口部とを備え、
前記被検出部材は、少なくとも前記蓋部材が開いているとき、前記被検出部材挿通開口部を塞ぐように構成されていることを特徴とする被着脱部材の着脱装置。
【請求項2】
請求項1において、前記被検出部材の一部は、前記蓋部材の回動支点を支点とする扇状に形成され、常に前記被検出部材挿通開口部を塞ぐように構成されていることを特徴とする被着脱部材の着脱装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記蓋部材は、少なくとも90度回動するように構成されていることを特徴とする被着脱部材の着脱装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、前記被着脱部材は、インクカートリッジであり、
該インクカートリッジ側に設けられた電気的な接続端子部と、着脱装置本体側に該接続端子部と接触可能なコネクタ部とを備え、
前記接続端子部と前記コネクタ部とが電気的に接触したとき、かつ、前記検出手段が前記蓋部材の閉塞を検出したとき、着脱装置を備えた記録装置が作動するように構成されていることを特徴とする被着脱部材の着脱装置。
【請求項5】
インクカートリッジをスライドさせて記録装置本体に装填するインクカートリッジの着脱装置を備える記録装置であって、前記インクカートリッジの着脱装置は請求項1乃至4のいずれか1項に記載の被着脱部材の着脱装置であることを特徴とする記録装置。
【請求項6】
液体カートリッジをスライドさせて液体噴射装置本体に装填する液体カートリッジの着脱装置を備える液体噴射装置であって、前記液体カートリッジの着脱装置は請求項1乃至3のいずれか1項に記載の被着脱部材の着脱装置であり、
前記被着脱部材は、液体カートリッジであることを特徴とする液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2007−190895(P2007−190895A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−13849(P2006−13849)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】