説明

被覆層を備えた複合材部品

本発明は、少なくとも3つの異なった材料層から成る複合材部品に関し、該複合材部品は、以下の層構造
a)金属又は繊維強化プラスチックから成る支持層又は支持構造
b)エラストマーから成る接着仲介層
c)炭素繊維又は炭素混合繊維強化プラスチックから成る被覆層
を備え、プラスチック及び炭素繊維又は炭素混合繊維の配置が、炭素繊維又は炭素混合繊維が被覆層の表面で視覚的に目で見ることができるように選択される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に従った少なくとも3つの異なった材料層から成る複合材部品、請求項14の前段に従った被覆層を備えた金属板及び/又は繊維強化プラスチックから成る、特にドア、フラップ、又はルーフとしての自動車の表面部品、及び請求項18の前段に従ったこの複合材部品又は表面部品を製造するための有利な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
異なった材料層から成る複合材部品は、軽量構造複合素材として航空宇宙分野、船舶又は自動車製造分野のような異なった技術的応用分野に使用されている。その際ボディ製造では、複合材部品はしばしば表面部品として使用される。
【0003】
高い機械的要求に適合する複合材部品を用意するために、しばしば材料層の1つとして繊維強化された、特に炭素繊維強化されたプラスチック(FRP)が使用される。その場合、よくあるこの種の軽量構造複合素材では、FRPから成る材料層が複合材部品の主要な荷重を支える構成要素である。
【0004】
ここでこの混合構造の重要な目的は常に、FRPの比率をコスト上の理由から可能な限り限定することである。
【0005】
この種の軽量構造複合材部品は、好ましくは自動車ドア、ルーフ部品、トランクリッド又はエンジンフードなどの、薄い自動車表面部品に使用される。ここでは普通、FRP材料層は下側または内側、つまり見える側の反対側に向いて備えられている。FRP材料層が見える側、特に外側又は上側にある場合、これには普通、被覆層、カバーフィルム又はトップコートで覆われ、その結果視覚的には外観には現れない。
【0006】
しかし、FRP材料の構造がデザイン上の目的で視覚的に外観に現れることが望まれる場合もある。繊維強化原材料が高性能原材料として知られているため、FRP材料の視覚的に強調することで複合材部品の高品位の外見性を強めることができる。自動車または車両では、FRP材料の表面品質は、特に塗膜のようなその他の自動車表面と同じ高さが要求される。この高い品質要求は、クラスAの可視表面として知られている。
【0007】
FRP材料から成る装飾的な被覆層を使った軽量構造複合部品の製造は、通常薄いFRP構成部品又はFRPプレートとして被覆層の変形によって及び表面部品への後からの貼り付けによって実施される。この方法は複雑であり、特に幾何学的に要求の多い(面)構成部品にはほとんど適していない。これに関して、自動車ドアのアーチ状に膨らんだ面は幾何学的に要求が多いと見なされる。
【0008】
FRP材料を下地の上にプリプレグの形で、又はそれに類した形で貼り付け、次にこれを下地の上で硬化させるという適用方法がある。その際に問題なのは、特にFRP材料の硬化に伴って生じる収縮及び熱膨張率の調整不良である。その場合大面積の下地はゆがみ、FRP表面には反り及び凸凹が生じ、目に見える面への使用には適さない品質になる。
【0009】
特許文献1では、3層の硬化材料が公知である。この材料は2つのポリマー層及び1つの補強層から構成されている。この場合、補強するべき下地の方を向いたポリマー層はフォーム層であってよく、他方で外側の、柔らかいフォーム層の上に配置されている層は硬質フォーム層である。第三の層は、補強の効果をもたらすガラス繊維層であってよい。
【0010】
特許文献2では、少なくとも2つの熱硬化可能なバインダ層及び繊維を含有する編織布から成る2つの層を含んでいる、平らな下地を補強するための多層の積層板が公知である。この場合、補強するべき下地の方を向いたバインダ層、補強するべき下地とは反対向きのバインダ層、これら2つのバインダ層の間に配置されている、繊維を含有する編織布から成る層、及び補強するべき下地とは反対向きのバインダ層の上に配置されている、編織布から成る第二の層が使用されている。補強するべき下地の方を向いたバインダ層は硬化された状態では、補強するべき下地と付着して結合し、及び同じ又は低いE_モジュールを第二のバインダ層(14)として備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第99/50057号パンフレット
【特許文献2】欧州特許第1556213B1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、高品位の原材料の外見を備えた低コストの軽量構造複合素材、特にドア、フラップ又はルーフのような、金属板及び/又は繊維強化プラスチックから成るの自動車のための表面部品を提供し、及びそのための適切な低コストの製造方法を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題は、
a)金属又は繊維強化プラスチックから成る支持層又は支持構造
b)エラストマーから成る接着仲介層
c)炭素繊維又は炭素混合繊維強化プラスチックから成る被覆層
から成る層構成を備えた少なくとも3つの異なった材料層から成る複合材部品によって解決され、該被覆層の、プラスチック及び炭素繊維又は炭素混合繊維の配置は、請求項1の特徴によって炭素繊維又は炭素混合繊維が被覆層の表面で視覚的に目で見ることができるように選ばれる。
【0014】
本課題のその他の解決法は、金属板及び/又は繊維強化プラスチックから成る自動車用表面部品により与えられる。この表面部品は炭素繊維強化プラスチック製の被覆層を備えており、この被膜層はエラストマー中間層によって結合されており、その際請求項14の特徴によって被覆層の炭素繊維は視覚的に認識できるように浮かび上がる。
【0015】
方法に関する本課題の解決法は、請求項18の特徴に従った複合材部品又は表面部品の製造方法によって与えられる。
【0016】
本発明に従い、第一の実施形態は少なくとも3つの異なった材料層から成る複合材部品を備えている。その際、以下の層構造が選択される。
a)金属又は繊維強化プラスチックから成る支持層又は支持構造、
b)エラストマーから成る接着仲介層、
c)炭素繊維又は炭素混合繊維強化プラスチックから成る被覆層。
【0017】
構成部品の視覚的及び装飾的特性のためには、被覆層での表面のプラスチック及び炭素繊維又は炭素混合繊維強化材(まとめて炭素(混合)繊維強化材と呼ぶ)の繊維配置が、炭素繊維又は炭素混合繊維が視覚的に目に見えるように選ばれる事が重要である。これはプラスチックにとっては特に、プラスチックが透明又は半透明であり及び普通でない高い比率では被覆層内に存在していないことを意味している。他方で炭素(混合)繊維を表面へ視覚的に目に見えるように配置した状態とは、繊維が表面から外へ出てくることであるとは理解し得ない。むしろ、被覆層は滑らかな表面を備え、この表面は少なくとも薄いプラスチック又は樹脂層で密封されている。特に被覆層の品質はクラスA可視面である。
【0018】
滑らかで高品位の被覆層を形成するためには、エラストマー中間層が特に重要である。複合材料内では、エラストマー中間層は異なった原材料の間の接着仲介層の機能を持っている。材料積層内では、エラストマー中間層は一般に下地と被覆層の相性の悪い材料を接着し、これら原材料の間で異なる熱応力を調整する。このことは特に、被覆層又は下地が製造時に反応収縮する樹脂で形成されている場合に重要である。
【0019】
好ましい実施形態では、被覆層は硬く、傷がつきにくく、耐候性を備えている。これに関して、適切な公知の樹脂組成を用いてよい。この実施形態は特に自動車のドア、フラップ又はルーフへの使用が有利である。
【0020】
特に好ましくは表面が未処理状態で使用可能な被覆層が適用される。別法として例えばクリアコート層を塗布した層も可能である。
【0021】
本発明の好ましい実施形態では、支持層又は支持構造が金属から形成されている。自動車用表面部品では、通常流通している自動車又は車両に関してであってよい。支持層又は支持構造の金属は、好ましくは鋼及び/又はアルミニウム合金から形成される。これには、金属複合構造も含まれる。この変形例では、金属又は金属板には荷重を支える機能の相当な割合がかかってくる。しかし自動車鋼板の厚みは、被覆層の機能の強化により、同程度の応用と比べていくらか低減される。
【0022】
本発明のさらに別の実施形態では、支持層又は支持構造(以下では下地とも呼ぶ)は繊維強化プラスチック、特に炭素強化、アラミド及び/又はガラス繊維強化のプラスチックから形成される。この変形例でも、接着仲介層の存在は格段に有利な影響を被覆層の表面品質の質と耐性に与える。
【0023】
別の一実施形態では、支持層又は支持構造はSMC(シートモールディングコンパウンド)、BMC(バルク成形コンパウンド)又はRTM(レジンインジェクション成形)方法に従って形成された繊維強化プラスチックから成る。ここでは被覆層の装飾的な機能が特に重要となる。一方では下地原材料自体がすでに比較的硬く、被覆層による追加の機械的強化を必要とせず、他方では上述の方法に従って製造された原材料の表面は自動車ボディの目に見える範囲に品質的に適していない。これは一般に再加工を行わないとクラスA表面の要求を満たさない。
【0024】
下地の別の実施形態では、金属及び繊維強化プラスチックから成る混合構造も考えられる。
【0025】
被覆層を下地に結合するために接着仲介層が重要である。発明に従い、接着仲介層はエラストマー層から形成されている。これは均一材料形成されなくてよい。この層は例えば片面又は両面に接着層が付いていてもよい。接着層は、金属、プラスチック又は炭素(混合)繊維強化樹脂の各材料表面への最適な結合が行われるように、エラストマー層の層特性を変化させる。エラストマーはそれ自身も、硬化後にエラストマー特性を備える接着剤から形成されてよい。
【0026】
通常、エラストマーはゴム、シリコンゴム又はラバーから形成される。適切なゴムには、特にポリブタジエンゴム(BR)、スチレン‐ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、オリゴマーシロキサン又は環状ジメチルポリシロキサン(SI)及びアクリレートゴム(ACM)がある。
【0027】
特に加熱プレスによる複合材部品の製造技術に関して、熱可塑性エラストマー(TPE)もよく適している。というのは、TPEは熱影響下及びその後の冷却において可塑加工されるからである。適切なTPEとしては特に、コポリエステル、ポリエーテルブロックアミド、又はスチレンブロックコポリマーなどがある。
【0028】
エラストマー層の厚みは、通常その被覆層と同じ寸法である。しかし、好ましくはエラストマー層は被覆層より格段に薄い。
【0029】
この被覆層は発明に従い、炭素繊維又は炭素混合繊維強化プラスチックから形成される。この場合繊維は普通の加工形状において繊維束として又はより糸として存在する。
【0030】
炭素繊維によって強化された、純粋なプラスチックと並んで、炭素繊維及び他の強化繊維からなる混合形状が使用されてもよい(炭素混合繊維強化プラスチックに該当)。その他の強化繊維の多くは、炭素繊維と異なって染色されており、このことによって有利には被覆層の視覚的な全体印象が、混合比の選択によって、合同又は別々の繊維束への混合又は分離によって、又はその幾何学的配置(例えば織物形状など)によって、広い範囲でさまざまに異なる。
【0031】
従って繊維強化材は、炭素繊維とその他の強化繊維、好ましくはアラミド繊維、ガラス繊維、金属繊維、ポリマー繊維又は天然繊維、特に麻繊維、亜麻繊維、セルロース繊維、又は木綿繊維との混合物を含み、その際すべての繊維タイプは個別の繊維房として隣り合って又はしかし1つの繊維房に混合されて配置されていてよい。特に好ましくは混合物は炭素繊維及びアラミド繊維から成る。
【0032】
繊維強化材又は繊維の幾何学的配置は、織物、ニット地又は編地によって形成される。特に好ましい実施形態では、これは繊維の規則的な配置である。特にこれによって被覆層表面に視覚的に認識可能な模様又は規則性が形成される。
【0033】
別の実施形態では、繊維は絡まった状態で配置される。ここでは繊維、繊維含有率及び方法実施の選択において、またもや複合材部品表面の視覚的印象に重きが置かれる。特に、天然繊維が高い比率の場合、繊維の絡みは浮かび上がった外観をもたらすことができる。
【0034】
被覆層中の繊維比率は、FRPによくある比率を示してよい。
【0035】
被覆層のプラスチックとしては、FRP加工の技術で知られている熱硬化性プラスチックが主に使用されている。その他のプラスチックとして、例えばポリカーボネート、PMMA、エラストマーのような熱可塑性樹脂が適している。
【0036】
被覆層の厚みは、被覆層の持つ荷重を支える機能又は強化する機能が、下位的な意味が認められるにすぎない程度まで低減される。一般に、視覚的な効果を際立たせるには、少ない繊維束又は糸の重なりで、例えば2つ、好ましくは3〜10で十分である。その場合に下地の厚みは被膜層の厚みの何倍も上回る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】支持層(1)、エラストマー接着仲介層(2)、被覆層(3)を備えた、面形状の複合材部品の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図に示された厚みの比率は本発明の好ましい実施形態に対応する。
【0039】
有利には、被覆層が透明又は半透明の塗膜を備えるか又はそれで補強されている。これは、複合材部品が自動車の表面部品として使用されている場合に特に有利である。
【0040】
さらに、複合材部品は自動車ボディの内側部分にも配置されてよく、その結果被覆層は車両の内側からも見ることができる。平らな、又はプレート状の形状と並んで、ここでは円柱状に又は棒状に形成された形状も重要である。複合材部品はここでは例えば乗用車のA、B又はCピラーとして使用されてよい。
【0041】
一方で複合材部品の構造は3層に限定されない。こうして下地として例えば自身もやはり層状の材料積層が使用されてよい。好ましい実施形態では、多層構造において個々の層が何重にもなって複合材部品内にあり、その際少なくとも各支持層と被覆層の間に1つのエラストマー層が配置されている。この配置の典型的な実施形態は、1つのエラストマー層によって結合された2つの金属板から成る1つの支持層に、エラストマーと被覆層が続く。この配置のその他の典型的な実施形態は、1つのエラストマー層を介して結合された2つのSMCプレートから成る1つの支持層にエラストマーと被覆層が続く。この配置のその他の典型的な一実施形態は、金属板、エラストマー層及び被覆層から成る1つの支持層にエラストマーと被覆層が続く。
【0042】
本発明に従った課題のその他の解決方法は、金属板及び/又は繊維強化プラスチックから成る、特にドア、フラップ又はルーフなどの自動車の表面部品にあり、これは炭素繊維強化プラスチック(FRP)から成る被覆層を備え、この被膜層はエラストマー中間層によって結合され、その際被覆層の炭素繊維は視覚的に認識できるよう浮かび上がっている。
【0043】
被覆層は好ましくは透明又は半透明の塗装に被膜される。特に被覆層は自動車のボディトップコートによって被膜される。
【0044】
好ましい実施形態では、被覆層が下位の部分に対してのみ、表面部品全体の荷重を支える機能のために寄与するように表面部品が設計されている。被覆層の厚みは、ここでは好ましくは下地の厚みより薄く選択され、及び表面部品全体の50%未満になる。
【0045】
本発明の別の観点は、詳述した少なくとも3つの異なった材料層から成る複合材部品又は詳述した自動車、特に、ドア、フラップ又はルーフの、金属板及び/又は繊維強化プラスチックから成る表面部品の特に適切な製造方法である。
【0046】
その際この方法にとっては、個別層が1つの共通のプロセスで複合部品又は表面部品へと結合されることが重要である。下地、エラストマー層及び被覆層から成るすべての個別層を1つの共通のプロセス手順で結合することが企図される。
【0047】
このためにまず支持層又は下地、エラストマー材料及び可塑性のFRP材料が1つのプレス型に入れられる。
【0048】
FRP材料とは、炭素(混合繊維)補強材及びプラスチックから成るさらに可塑性の原材料と理解できる。プラスチックとして、特にプレス型の中で冷間又は熱硬化性樹脂が適用される。典型的なFRP材料は、反応性樹脂がしみ込んだ織物、ニット地又は編地又はプリプレグである。
【0049】
エラストマー材料は、特に接着層を備えた、すでに架橋したエラストマーであってよい。これらは、いわば薄いフィルムのように加工され、又はプレスされる。
【0050】
同様にエラストマーは、さらに可塑性の、架橋されていない、又は弱く架橋されたエラストマー材料であってよい。架橋は、必要な限りにおいて、プレスの際に冷間又は温間で実施される。
【0051】
続いて型が閉じられ、FRP材料及び必要に応じてエラストマー又は接着層は圧力がかけられた状態で硬化され、あるいは架橋される。
【0052】
この方法の利点は、最終製品がただ1つの方法ステップで製造可能であること、及び複雑な形状が問題なく写し取れることにある。プレス時にはまだ軟らかいエラストマー及び可塑性FRP材料は、下地の位相形状に理想的に合わせられ、及び望まない不規則性又は粗さが調整される。
【0053】
プレス方法においては、FRP材料で生じる反応収縮はエラストマー層によって大部分が受け止められる。プレス時に型の半分が後から入ることによって、硬化した被覆層の滑らかな表面が保持される。
【符号の説明】
【0054】
1 支持層
2 エラストマー接着仲介層
3 被覆層








【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3つの異なった材料層から成る複合材部品において、以下の層構造、
a)金属又は繊維強化プラスチックから成る支持層又は支持構造、
b)エラストマーから成る接着仲介層、
c)炭素繊維又は炭素混合繊維強化プラスチックから成る被覆層、
を備え、該被覆層のプラスチック及び炭素繊維又は炭素混合繊維の配置が、炭素繊維又は炭素混合繊維が被覆層の表面で視覚的に目で見ることができるように選択されることを特徴とする複合材部品。
【請求項2】
前記支持層又は支持構造の金属が、鋼及び/又はアルミニウム合金で形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の複合材部品。
【請求項3】
前記支持層又は支持構造の繊維強化プラスチックが、炭素強化、アラミド強化及び/又はガラス繊維強化プラスチックから形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の複合材部品。
【請求項4】
前記支持層又は支持構造が、SMC、BMC又はRTM法に従って形成された繊維強化プラスチックから成ることを特徴とする、請求項3に記載の複合材部品。
【請求項5】
前記接着仲介層がエラストマーから形成され、片面または両面に接着層を備えていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合材部品。
【請求項6】
前記エラストマーが接着剤から形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合材部品。
【請求項7】
前記エラストマーがゴム、シリコンゴム又はラバーから形成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合材部品。
【請求項8】
前記炭素混合繊維強化材が、炭素繊維及びアラミド繊維、ガラス繊維、セルロース、天然繊維及び/又は木綿繊維の混合物から形成され、その際すべての繊維タイプが個々の繊維房として隣り合って又は1つの繊維房として混ざり合って配置可能であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の複合材部品。
【請求項9】
前記繊維強化材が炭素繊維又は炭素混合繊維から成る織物、ニット地又は編地で形成されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の複合材部品。
【請求項10】
前記繊維強化材の繊維が絡まって配置されるのではなく、表面上に認識可能な幾何学的模様が生じることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の複合材部品。
【請求項11】
炭素混合繊維強化材から成る前記繊維強化材が高い比率で天然繊維を備えており、繊維が絡まって配置されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の複合材部品。
【請求項12】
前記個々の層が何重にもなって複合材部品内にあり、少なくとも各支持層と被覆層の間にエラストマー層が配置されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の複合材部品。
【請求項13】
前記支持層の少なくとも1つが前記被覆層と同じ構造を備えていることを特徴とする、請求項12に記載の複合材部品。
【請求項14】
前記支持層がプレート形状に、又は前記支持構造が柱状又は棒状に形成されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の複合材部品。
【請求項15】
金属板及び/又は繊維強化プラスチックから成る自動車の表面部品、特にドア、フラップ又はルーフにおいて、被覆層が炭素繊維強化プラスチックを備え、該被覆層がエラストマー中間層によって結合されており、前記被覆層の前記炭素繊維が視覚的に認識可能に浮かび上がっていることを特徴とする表面部品。
【請求項16】
前記被覆層が透明又は半透明の塗膜で補強されていることを特徴とする、請求項15に記載の表面部品。
【請求項17】
前記被覆層が下位の部分に対してのみ、表面部品全体の荷重を支える機能のために寄与するように設計されていることを特徴とする、請求項15又は16に記載の表面部品。
【請求項18】
前記被覆層の厚さが最大で表面部品全体の50%であることを特徴とする、請求項15〜17のいずれか一項に記載の表面部品。
【請求項19】
複合材部品又は表面部品の製造方法において、前記支持層、エラストマー材料及び可塑性のFRP材料が1つのプレス型に入れられ、続いてプレス加工され、エラストマー材料と被覆層材料の硬化が行われる1つの共通のプロセス手順ですべての個別層a、b及びcが結合されることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記FRP材料が樹脂をしみこませた織物、ニット地又は編地としてプレス型に入れられることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記エラストマーが硬化又は架橋する際に前記支持層と前記被覆層が互いに接着して結合されることを特徴とする、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
硬化が熱によって行われることを特徴とする、請求項19〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
エラストマーとして熱可塑性の変形可能なエラストマーが選択されることを特徴とする、請求項22に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−515667(P2012−515667A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546680(P2011−546680)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000284
【国際公開番号】WO2010/083980
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(598051819)ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 137,70327 Stuttgart,Deutschland
【Fターム(参考)】