説明

装着体および濃度測定装置

【課題】良好な濃度測定を再現性よく行うのに適した装置とこれに装着して使用される装着体を提供する。
【解決手段】本発明の濃度測定装置は、測定用具Xを備えた装着体を装着して使用し且つ試料液B中の特定成分の濃度を測定するためのものであって、測定用具Xとして、試料液Bを移動させるためのキャピラリ5と、キャピラリ5に導入すべき試料液Bを保持するための液溜部4と、液溜部4に保持させた試料液Bをキャピラリ5内に導入するか否かを選択するための液導入選択手段12とを備えたものを用い、且つ、キャピラリ5内に試料液Bが導入されるか否かを選択させるための選択手段を更に備える。本発明の装着体7は、キャピラリ5に連通し且つキャピラリ5に導入すべき試料液Bを保持するための液溜部4と、液溜部4に保持させた試料液Bをキャピラリ5内に導入するか否かを選択するための液導入選択手段12とを含む測定用具Xを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料液中の特定成分の濃度を測定する際に用いられる測定用具、これを備えた装着体、装着体を装着して使用する濃度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
濃度測定装置の一例である血糖値測定装置においては、酸化還元酵素を触媒とした酸化還元反応を利用して、血液中に含まれるグルコースの濃度を測定する方法が広く採用されている。血糖値測定装置の使用に際しては、酵素反応場を提供するための測定用具を濃度測定装置に装着した上で、この測定用具に血液を供給することにより血糖値の測定が行われる。血糖値測定装置に用いられる測定用具としては、血液を酵素反応場に導入する際に毛細管現象を利用するキャピラリ方式のバイオセンサなどが広く使用されている。
【0003】
キャピラリ方式を採用したバイオセンサの一例を図16および図17に示した。図16はバイオセンサ90の分解斜視図であり、図17はバイオセンサ90を組立てた状態における図16のXVII−XVII線に沿う断面に相当する断面図である。
【0004】
バイオセンサ90は、基板91に、スペーサ92およびカバー93が積層された構造を有し、これらによってキャピラリ94が構成されている。キャピラリ94は、吸入口94aおよびカバー93に形成された排気口94bにおいて開口している。基板91上には、作用極95、対極96、および試薬部97が設けられている。試薬部97には、酸化還元酵素および電子伝達物質が含まれている。
【0005】
このバイオセンサ90を用いた血糖値測定においては、バイオセンサ90を血糖値測定装置に装着した上で、吸入口94aを介して血液を導入する。導入された血液は、毛細管現象により、キャピラリ94内を移動して試薬部97に達し、試薬部97を溶解して液相反応系を構築する。このとき、酵素の働きによって、血液中のグルコースが酸化される一方、電子伝達物質が還元される。還元された電子伝達物質は、液相反応系に接触する作用極95および対極96に電位が付与されることによって、酸化される。これが血糖値測定装置において酸化電流として測定される。血糖値測定装置においては、測定された酸化電流の値に基づいてグルコース濃度が演算される。
【0006】
バイオセンサ90に導入すべき血液を採取する方法としては、たとえば下記特許文献1に開示されているような、穿刺装置を用いて行うのが一般的である。穿刺装置は、穿刺針によって使用者の皮膚に傷をつけて血液を出液させるためのものである。使用者は、バイオセンサ90の吸入口94aに対して、出液した血液を接触させることよって、吸入口94aを介してキャピラリ94に血液を導入することができる。
【0007】
一方、近年では、たとえば下記特許文献2に開示されているように、ランセットによる皮膚の穿刺(バイオセンサ90への血液の導入)と、血糖値の測定とを1つの装置において行うことができる穿刺機能を有する血糖値測定装置も提案されている。
【0008】
【特許文献1】特開平9−266898号公報
【特許文献2】特開2000−231号公報
【0009】
しかしながら、バイオセンサ90では、血液の導入に際して、小さな吸入口94aに対して適切に血液を接触されなければならない。そのため、穿刺装置を用いて血液を出液させた後にバイオセンサ90に血液を導入する方法では、血液供給における使用者の目視による負担は大きい。
【0010】
一方、穿刺機能を有する血糖値測定装置では、血液の出血位置について目視で確認することが困難な場合が多いため次のような問題が生じうる。第1の問題は、バイオセンサ90への血液供給について、高い再現性を達成することが難しい。第2の問題は、十分な出血量が得られないうちに血液が吸入口94aに接触し、血液供給が行われた場合に生じるものである。このような場合、キャピラリ94に対して測定に必要な量の血液が導入されるのに要する時間は、皮膚からの出液速度に依存する。出液速度は、採血部位によって異なり、また個人差があるため、測定に必要な量の血液を確保する時間がばらつく傾向にある。また、キャピラリ方式を採用した、バイオセンサ90では、キャピラリ94内での血液の移動速度は、血液の粘性に依存する。一方、血液の粘性は、使用者ごとに、または使用者の体調の変化によって、バラツキがある。そのため、血液の粘性のばらつきによっても、細いキャピラリ94に対する血液導入の時間は大きく左右される。
【0011】
血液毎に血液導入時間が大きく異なってくると、試薬部97が血液に溶解することによって開始される酵素反応の進行の度合いが影響を受け、安定した測定結果を得ることができなくなる。このような血液導入時間のバラツキは、測定時間の短縮化を図るうえで、弊害となる場合が多い。
【発明の開示】
【0012】
本発明は、測定用具に対する試料液の供給に際して目視による厳格な確認を必要とせずに、必要量の試料液をキャピラリに対して適切に導入することができるようにし、良好な測定を再現性よく行うことができるようにすることを目的としている。
【0013】
本発明の第1の側面により提供される測定用具は、試料液を移動させるためのキャピラリと、前記キャピラリに連通し、かつ前記キャピラリに導入すべき試料液を保持するための液溜部と、前記液溜部に保持させた試料液を、前記キャピラリ内に導入するか否かを選択するための液導入選択手段と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
本発明の測定用具は、たとえば基板と、この基板とともにキャピラリを構成するカバーと、を備えたものとして構成される。
【0015】
液溜部は、たとえばキャピラリに連通し、かつ試料液を導入するための導入口を有するものとして構成される。液溜部は、基板およびカバーを、それらの厚み方向に一連に貫通した形態に形成するのが好ましい。液溜部の内部容積は、キャピラリの内部容積と同等またはそれ以上とするのが好ましい。
【0016】
導入口は、たとえば基板またはカバーに形成される。導入口は、キャピラリの入口よりも広く開口したものとして形成するのが好ましい。そうすれば、キャピラリに対して直接試料液を導入する場合に比べて、試料液の導入が容易となる。導入口の近傍には、基板またはカバーよりも皮膚に対する接着性の高い密着層を設けるのが好ましい。接着層は、たとえば導入口に嵌め込まれた密着部材により構成される。密着部材は、導入口の周縁部または周辺部を覆うようにして配置してもよい。
【0017】
液導入選択手段は、たとえばキャピラリ内の気体を排出するための排出口を有するものとして構成される。この場合、導入口および排出口の双方は、基板またはカバーに形成するのが好ましい。そうすれば、試料液としての血液を導入する際に、測定用具を皮膚に密着させた場合に、皮膚によって導入口および排出口の双方を同時に塞ぐことができるようになる。
【0018】
本発明の測定用具は、目的量の試料液が前記液溜部に供給されたか否かを検知するために利用される検知手段を備えたものとして形成するのが好ましい。
【0019】
検知手段は、たとえば第1検知用電極および第2検知用電極を有するものとして構成される。第1および第2検知用電極は、少なくとも一部が液溜部の内部において露出するように形成するのが好ましい。この場合、検知手段は、第1検知用電極と第2検知用電極との間が試料液によって液絡されるか否かを検出することによって、目的量の試料液が液溜部に供給されたか否かが検知できるように構成される。
【0020】
本発明の測定用具は、たとえば電気化学的手法により試料液中の特定成分の濃度を測定できるように、第1測定用電極および第2測定用電極を備えたものとして構成される。この場合、キャピラリの内部には、試薬部が形成される。この試薬部は、キャピラリに試料液が供給されたときに溶解する固体状に形成される。この場合、第1測定用電極および第2測定用電極は、試薬部の溶解時において、試薬部および試料液により構築される反応系に対して電圧を印加するために利用される。この構成においては、第1検知用電極を第1測定用電極に導通接続し、第2検知用電極を第2測定用電極に導通接続するのが好ましい。そうすれば、濃度測定に必要な電気回路を利用して、試料液が供給されたか否かを検知することができるようになる。
【0021】
本発明の第2の側面においては、試料液中の特定成分の濃度を測定するための濃度測定装置に装着して使用される装着体であって、試料液を移動させるためのキャピラリを有する測定用具を備えた装着体において、前記測定用具は、前記キャピラリに連通し、かつ前記キャピラリに導入すべき試料液を保持するための液溜部と、前記液溜部に保持させた試料液を、前記キャピラリ内に導入するか否かを選択するための液導入選択手段と、を備えたことを特徴とする、装着体が提供される。
【0022】
測定用具は、たとえば基板と、この基板とともにキャピラリを構成するカバーと、を備えたものとして構成される。
【0023】
本発明の装着体は、穿刺針を有する穿刺体をさらに備えたものとして構成される。この場合、液溜部は、基板およびカバーを、それらの厚み方向に一連に貫通した形態とされ、穿刺針が挿通できるように構成するのが好ましい。
【0024】
液導入選択手段は、たとえばキャピラリ内の気体を排出するための排出口を有するものとして構成される。この場合、液導入選択手段は、排出口が開放される状態と閉鎖される状態とを選択することにより、キャピラリ内に試料液が導入されるか否かを選択できるように構成される。
【0025】
排出口は、たとえば皮膚などにより開閉するように構成してもよいし、濃度測定装置に対して排出口を開閉する機構を設け、その機構により開閉するように構成してもよい。
【0026】
本発明の第3の側面においては、測定用具を備えた装着体を装着して使用し、かつ試料液中の特定成分の濃度を測定するための濃度測定装置であって、前記測定用具としては、試料液を移動させるためのキャピラリと、前記キャピラリに連通し、かつ前記キャピラリに導入すべき試料液を保持するための液溜部と、前記液溜部に保持させた試料液を、前記キャピラリ内に導入するか否かを選択するための液導入選択手段と、を備えたものが使用され、かつ、前記キャピラリ内に試料液が導入されるか否かを選択させるための選択手段をさらに備えていることを特徴とする、濃度測定装置が提供される。
【0027】
液導入選択手段は、たとえばキャピラリ内の気体を外部に排出するための排出口を有するものとして構成される。これに対して選択手段は、たとえば排出口を開閉するための開閉部材を有するものとして構成される。
【0028】
測定用具が皮膚から採取される試料液を直接供給するように構成されている場合には、排出口は、たとえば試料液を採取する際に、皮膚を当接させるか否かを選択することにより開閉するようにしてもよい。この場合、濃度測定装置において、皮膚を隆起させる程度を選択することにより、排出口に皮膚を当接させるか否かを選択するように構成してもよい。皮膚を隆起させる程度の選択は、たとえば皮膚に作用させる負圧の程度を選択することにより行うことができる。皮膚に負圧を作用させるためには、濃度測定装置に負圧発生部を設ければよい。この場合には、負圧発生部が、キャピラリへの液導入を選択するための選択手段を構成することになる。負圧発生部は、電動式でも手動式でもよい。
【0029】
測定用具としては、目的量の試料液が液溜部に供給されたか否かを検知するために利用される検知手段を備えたものを使用するのが好ましい。この場合、濃度測定装置は、検知手段を利用して、目的量の試料液が液溜部に供給されたか否かを判断するための判断手段をさらに備えたものとして構成される。
【0030】
本発明の第4の側面においては、測定用具を備えた装着体を装着して使用し、かつ試料液中の特定成分の濃度を測定するための濃度測定装置であって、前記測定用具としては、試料液を移動させるためのキャピラリと、前記キャピラリに連通し、かつ前記キャピラリに導入すべき試料液を保持するための液溜部と、目的量の試料液が前記液溜部に供給されたか否かを検知するために利用される検知手段と、を備えたものが使用され、かつ、前記検知手段を利用して、目的量の試料液が前記液溜部に供給されたか否かを判断するための判断手段をさらに備えていることを特徴とする、濃度測定装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しつつ説明する。ただし、以下においては、血糖値を測定するように構成されたバイオセンサ、装着体および血糖値測定装置について説明する。
【0032】
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0033】
図1および図2に示すように、バイオセンサXは、血糖値測定装置に装着されて使用される使い捨てタイプとして構成されたものである。このバイオセンサXは、基板1に対して、スペーサ2を介してカバー3が積層された構造を有し、これらによって液溜部4およびキャピラリ5が構成されている。
【0034】
図2および図3に示したように、基板1は、第1および第2貫通孔11,12を有している。第1貫通孔11は、液溜部4を構成するものであり、液溜部4に対して血液などの試料液を供給する際の導入口としても機能するものである。一方、第2貫通孔12は、キャピラリ5の内部の気体を外部に排出するためのものである。
【0035】
第1貫通孔11は、第1および第2円形凹部11a,11b、これらの間を繋ぐとともに、第1および第2円形凹部11a,11bよりも径の小さい貫通部11cを有している。第1円形凹部11aには、密着部材13が嵌め込まれている。
【0036】
密着部材13は、中央部に貫通孔13aが形成された円環状の形態を有しており、たとえば70μm程度の厚みに形成されている。密着部材13の外径は第1円形凹部11aの径に対応しており、密着部材13の内径(貫通孔13aの径)は貫通部11cの径に対応している。密着部材13は、図2に良く表れているように、吸水層13bを一対の接着層13c,13dにより挟み込んだ構成とされている。吸水層13bは、たとえば不織布によって50μm程度の薄い膜状に形成されている。接着層13c,13dは、皮膚と適度に密着する程度の接着性を有している。密着部材13は、接着層13cを介して基板1に対して貼着されており、接着層13dの表面は、基板1の下面と略面一とされている。血糖値測定を行う場合には、密着部材13の接着層13dが使用者の皮膚Sに密着するため、液溜部4に一旦保持された血液が外部に漏洩することを抑制することができる。
【0037】
密着部材13は、基板1に設けられた第1円形凹部11aに嵌め込まれていたが、基板に第1円形凹部に相当するものを設けることなく、基板の下面に貼着するようにしてもよい。密着部材としては、上述の構成に代えて、シリコンゴムなどの充分な弾力性を有する部材を用いることもできる。
【0038】
図3によく表れているように、基板1の上面には、作用極14、対極15、おおよびこれらの端部を繋ぐ試薬部16が設けられている。作用極14および対極15は、それぞれ、基板1の一端縁部1aから基板1の長手方向に延びている。作用極14および対極15の一端部14a,15aは、基板1の短手方向に延びるように折れ曲がっており、その一部は、図2に良く表れているようにキャピラリ5の内部に臨んでいる。血糖値測定においては、両電極14,15の一端部14a,15aの間に生じた電位差が試料液に与えられる。一方、作用極14および対極15の他端部は、図1および図3に示したように端子部14b,15bとされ、それぞれ、図4に示したように血糖値測定装置の端子66aとの電気的接続を図るために利用される。
【0039】
図2および図3に示した試薬部16は、酸化還元酵素および電子伝達物質を含んだ固形状とされている。試薬部16は、図2に良く表れているように作用極14および対極15の一端部14a,15aに接しつつ、キャピラリ5内に設けられている。酸化還元酵素としては、たとえば、血液中のグルコースをグルコン酸に酸化するとともに電子伝達物質を還元するグルコースオキシダーゼを用いることができる。一方、電子伝達物質としては、たとえばフェリシアン化カリウムを用いることができる。
【0040】
スペーサ2は、基板1よりやや短い長矩形状とされている。スペーサ2には、基板1の第1および第2貫通孔11,12に連通するスリット20が形成されている。スリット20は、その一端部20aが、基板1における第1貫通孔11の直上に位置するように設けられている。スペーサ2の一端縁部2aには、図3に示したように一対の導通部21,22が設けられている。これらの導通部21,22は、導電性を有しており、図3および図4に示したようにスペーサ2の上面、側面および下面に連続して延びている。
【0041】
カバー3は、図3に示したようにスペーサ2と略同寸法の長矩形状とされている。カバー3には、図2に良く表れているように基板1における第1貫通孔11の直上に位置するように貫通孔30が形成されている。貫通孔30は、液溜部4を構成するものである。貫通孔30は、後述する血糖値測定装置に設けられた穿刺体の穿刺針を挿通させるためのものである。貫通孔30はさらに、液溜部4に対して血液を導入する際には、液溜部4の内部の空気を排出するために利用される。
【0042】
図2および図3に示すように、カバー3の下面には、一対の検知電極31,32が設けられている。これらの検知電極31,32は、図2に良く表れているように一端部31a,32aが液溜部4に露出するようにして設けられている。検知電極31,32は、各々、貫通孔30付近からカバー3の一端縁部3aに至るまで延びている。
【0043】
図4に示すように、検知電極31は、カバー3の一端縁部3aにおいて、スペーサ2に設けられた導通部21に導通接続されている。導通部21は、基板1に設けられた作用極14に導通接続されている。導通部21と、検知電極31および作用極14との接続は、たとえば導電性接着剤を用いて達成されている。図面上には表れていないが、検知電極32は、導通部22を介して対極15に導通接続されている。したがって、作用極14および対極15の端子部14a,15aを利用して、検知電極31,32の間が導通(液絡)しているか否かを検知することができる。
【0044】
図2に示したように、液溜部4は、キャピラリ5に供給すべき血液を一端保持するためのものである。この液溜部4は、基板1の第1貫通孔11、スペーサ2におけるスリット
20の一端部20a、およびカバー3の貫通孔30により構成されている。したがって、液溜部4は、バイオセンサXの厚み方向に貫通した形態を有し、上方および下方に開放したものとされている。液溜部4の内部容積は、たとえば1.5〜2.5μLとされる。
【0045】
液溜部4の第1円形凹部11aおよび密着部材13の貫通孔13aは、キャピラリ5の入口よりも広く開口するように形成されている。これにより、バイオセンサXへの血液の供給は、キャピラリ5に対して直接的に供給する場合に比べて、容易かつ確実に行うことができるようになる。
【0046】
キャピラリ5は、上述したように液溜部4および基板1の第2貫通孔12に連通している。したがって、キャピラリ5は、液溜部4に保持された血液を吸引した後、その血液を内部に保持することができる。キャピラリ5は、その内部容積が液溜部4の内部容積よりも小さくされており、その内部容積は、たとえば0.9〜1.0μLに設定される。
【0047】
液溜部4およびキャピラリ5の外延を構成する面には、良好な試料液供給を図るために、親水処理を施すなどして親水性の高いものとしておくのが好ましい。親水処理としては、ビニロン製フィルムを設けたり、界面活性剤をコーティングする方法が挙げられる。
【0048】
バイオセンサXでは、液溜部4に供給された試料液を、毛細管現象によりキャピラリ5へと導入することが可能なように構成されている。キャピラリ5内への試料液導入過程においては、試料液が試薬部16を溶解させ、キャピラリ5内に液相反応系を構築する。このとき、酸化還元酵素により試料中の特定成分から電子が取り出されて特定成分が酸化され、その電子を電子伝達物質に供給することにより電子伝達物質が還元される。一方、作用極14および対極15に電圧を印加すれば、電子伝達物質が受け取った電子は、電子伝達物質から放出され、酸化還元電流が生じる。
【0049】
図5に示したように、血糖値測定装置6は、装着体7を装着して使用するものであり、穿刺(採血)機能と血糖値測定機能とを併せ持っている。この血糖値測定装置6は、表示部61、操作スイッチ62、押圧スイッチ63、装着部64を備えている。
【0050】
表示部61は、測定結果などを表示するためのものであり、たとえば液晶表示器やLED表示器からなる。操作スイッチ62は、血糖値測定に係る一連の過程を開始するときなどに操作されるものである。押圧スイッチ63は、穿刺動作を開始する際に操作されるものである。装着部64は、装着体7を装着するための部位である。
【0051】
図6に示したように、装着体7は、上述したバイオセンサXおよび本体70を備えている。本体70は、円筒部71および底壁部72を有している。円筒部71は、装着部64の先端部を外套しうるように構成されている。底壁部72は、上方に向けて膨出した凸部73を有している。凸部73は、穿刺針74aを有する穿刺体74を保持するためのものであり、その開口部が底壁部72に貼着されたバイオセンサXによって覆われている。凸部73の上壁には穿刺体74の被押圧部74bを挿通するため貫通孔73aが設けられ、凸部73の周壁部には後述するポンプPの駆動時などにおける気体の移動を許容するための貫通孔73bが設けられている。凸部73内には、穿刺体74のフランジ部74cとバイオセンサXとの間に配置されたコイルバネ75が付勢状態で収容されている。このため、穿刺体74は、コイルバネ75によってフランジ部74cが凸部73の底壁に上方に向けて押し付けられた状態で保持されている。
【0052】
血糖値測定装置6はさらに、押圧ロッド65および一対のコネクタ66(図中には1つのコネクタのみ示している)を有している。押圧ロッド65は、押圧スイッチ63の操作によって先端方向に向けて駆動されるものである。押圧ロッド65は、たとえば公知のラ
ッチ機構や電磁石を利用した機構により駆動される。各コネクタ66は、図外の電気回路に導通しており、上下方向に往復移動可能なコネクタピン66aを有している。各コネクタピン66aは、血糖値測定装置6に装着体7を装着したときに、バイオセンサXの端子部14b,15bに接触させるためのものである。
【0053】
装着部64には、その内部に連通する接続管67を介して、ポンプPが接続されている。接続管67には、装着部64の内部の圧力を検知するための圧力センサ67aが設けられている。ポンプPは、装着部64の内部の気体を外部に排出し、装着部64の内部を減圧するためのものである。ポンプPは、血糖値測定装置6の内部に収容されていてもよいし、血糖値測定装置6の外部に配置されていてもよい。ポンプPは、電動ポンプであっても、手動式のものであってもよい。ただし、本実施の形態においては、電動ポンプが採用されているものとする。
【0054】
装着部64には、開放弁68が設けられている。この開放弁68は、外部の空気を吸入し、装着部64の内部における圧力を大気圧に戻すためのものである。開放弁68は、たとえば電磁弁からなる。ただし、開放弁68は、手動により開放されるように構成されていてもよい。
【0055】
図7は、血糖値測定装置6の概略ブロック図である。血糖値測定装置6は、上述した表示部61、操作スイッチ62および圧力センサ67aの他に、制御部80、電流値測定部81、ポンプ駆動部82、開放弁駆動部83、および記憶部84を備えている。
【0056】
制御部80は、各部61,62,67a,81〜84の動作を制御するためのものであり、たとえばCPUによって構成されている。
【0057】
電流値測定部81は、バイオセンサXの作用極14および対極15に対して電圧を印加して、試薬部16に流れる電流を測定するためのものである。電流値測定部81は、装着部64に装着体7を装着した場合に、一対のコネクタ66を介してバイオセンサXの作用極14および対極15と導通するように構成されている。
【0058】
ポンプ駆動部82は制御部80の指示に基づいてポンプPを駆動するためのものであり、開放弁駆動部83は制御部80の指示に基づいて開放弁68を駆動するためのものである。
【0059】
記憶部84は、たとえばROMおよびRAMからなり、制御部80における制御に必要なプログラム、検量線データが記憶されている。記憶部84は、プログラムの実行時に必要な情報を一時的に記憶する役割も有している。検量線データは、たとえば測定された電流値が変換されて求められる電圧値とグルコース濃度との対応関係を示すものとして記憶されている。検量線データは、たとえば数式や対応テーブルとして記憶されている。
【0060】
次いで、血糖値測定装置6および装着体7を用いた血糖値測定動作を説明する。まず、図6R>6に示すように、血糖値測定装置6に対して装着体7を装着した上で、装着体7の先端を、使用者の皮膚Sの適当な部位、たとえば腕や指先に押し当てる。このとき、装着体7の先端開口が皮膚Sにより閉塞される。
【0061】
次に、血糖値測定装置6の操作スイッチ62を押下する。すると、制御部80は、ポンプ駆動部82に対して制御信号を送り、ポンプPを駆動させる。これにより、装着部64および装着体7の内部は、徐々に減圧状態となる。この間、制御部80は、圧力センサ67aからの出力値を常時監視している。皮膚Sは、減圧に伴って徐々に隆起し、図8に示すように、バイオセンサXと当接する。このとき、バイオセンサXの第1および第2貫通孔11,12は皮膚Sにより塞がれる。
【0062】
ポンプPの駆動は、圧力センサ67aが、バイオセンサXに密着するまで皮膚Sが隆起する圧力として予め設定された圧力を検知した時点で停止され、減圧過程は終了する。このとき、減圧過程が終了した情報は、たとえば表示部61において表示される。
【0063】
次に、使用者の操作によって血糖値測定装置6の押圧スイッチ63が押圧され、押圧ロッド65が瞬間的に移動させられる。使用者は、表示部61の表示にしたがって減圧終了を確認した後、押圧スイッチ63を押圧すればよい。これにより、押圧ロッド65が穿刺体74の被押圧部74bに当接し、穿刺体74を皮膚Sに向けて押し出す。このとき、穿刺体74の穿刺針74aは、バイオセンサXの貫通孔30から液溜部4に入り込んで第1貫通孔11から抜け出し、図9に示すように皮膚Sを穿刺する。ただし、本発明ではこのような構成に代えて、ポンプPによる減圧開始から数秒後、自動的に穿刺針74aが皮膚Sを穿刺するように構成してもよい。
【0064】
次に、図10に示すように、押圧ロッド65は、たとえば図示しないバネの付勢力によって元の位置まで復帰動する。また、穿刺針74aは、バネ75の付勢力によって、元の位置に復帰し、皮膚Sから穿刺針74aが抜き取られる。このとき、穿刺針74aにより適度に穿刺された皮膚Sからは、血液Bが出液する。図11に示したように、皮膚Sにおける穿刺箇所は、バイオセンサXの液溜部4に臨んでいるので、皮膚Sから出液した血液Bは、直ちに、液溜部4に導入され、液溜部4に保持される。このとき、第1貫通孔11が皮膚Sにより塞がれているので、液溜部4内に保持された血液は、外部に漏洩することが抑制されている。
【0065】
目的量の血液Bが液溜部4に蓄積されたとき、液溜部4に露出する一対の検知電極31,32の一端部31a,32aが液絡する。この液絡は、検知用電極31,32およびコネクタピン66aを介して制御部80(図7参照)により検出される。制御部80が検知用電極31,32の液絡を検知した場合には、制御部80からの命令に基づいて開放弁68が開放され、装着体7の内部が大気開放される(図7および図8参照)。これにより、図1212に示すように、装着部64(図6参照)の内部の負圧状態が解除されて皮膚Sの隆起がなくなり、バイオセンサXの第1および第2貫通孔11,12が開放される。負圧の解除は、使用者自身が装着体7から皮膚Sを離すことにより行ってもよい。
【0066】
第2貫通孔12が開放された場合には、液溜部4に保持していた血液Bは、毛細管現象により、キャピラリ5に対して勢いよく即座に導入される。このようにバイオセンサXでは、目的量の血液Bが液溜部4に確保されてから、この血液Bがキャピラリ5内部に対して勢いよく即座に導入されるため、血液Bの粘度などによって血糖値測定における血液導入時間が大きく左右されるのを適切に抑制することができる。
【0067】
キャピラリ5内へ導入された血液Bは、試薬部16を溶解させ、キャピラリ5内に液相反応系を構築する。このとき、血液Bに含まれるグルコースは、試薬部16に含まれていた酸化還元酵素の作用により酸化される。この反応によってグルコースから取り出される電子は、酵素を介して電子伝達物質に渡される。すなわち、酵素によって、電子伝達物質が還元される。この後、一対のコネクタ66を介して、作用極14および対極15に所定の電位を付与すると(図4参照)、液相反応系から酸化電流が取り出される。電流値測定部81は、この酸化電流を測定し、制御部80は、酸化電流、および記憶部84に格納されている検量線、演算用プログラムに基づいてグルコース濃度を演算する(図7参照)。
【0068】
制御部80で処理された演算結果は、表示部61にて表示され、使用者に知らされる(図5R>5および図7参照)。使用済みのバイオセンサXおよび穿刺体74は、使用者が血糖値測定装置6から装着体7を取り外すことにより、血糖値測定装置6から取り除かれる。
【0069】
次に、本発明の第2の実施の形態について、図13ないし図15を参照して説明する。これらの図においては、本発明の第1の実施に形態において説明した部材または要素と同様なものについては同一の符号を付してあり、それらについては、本実施の形態における重複説明は省略する。
【0070】
図13および図14に示すように、本実施の形態に係るバイオセンサX′では、キャピラリ5内の気体を排出するための空気抜き穴39′が基板1′ではなく、カバー3′に設けられている。空気抜き穴39′は、外部に向けて広がるようにテーパ状に開口しており、キャピラリ5に連通している。装着体7の底壁72′には、空気抜き穴39′に対応する部分に貫通孔79′が形成されている。血糖値測定装置6′の装着部64′には、空気抜き穴39′および貫通孔79′に繋がる貫通孔64a′が形成されている。貫通孔64a′はさらに、貫通孔64b′を介して装着部64′の内部と連通している。空気抜き穴39′、貫通孔64a′,79′には、開閉ピン69′が嵌め込まれている。開閉ピン69′は、制御部80(図7参照)からの命令に基づいて、図外の駆動機構によって往復移動可能なように構成されている。したがって、開閉ピン69′を往復駆動させることにより、バイオセンサX′の空気抜き穴39′を開閉することができる。
【0071】
次いで、血糖値測定装置6′および装着体7′を用いた血糖値測定動作について説明する。目的量の血液Bが液溜部4に蓄積され、それが制御部80(図7参照)において検知されるまでの動作は、本発明の第1の実施の形態と同様である。
【0072】
目的量の血液が液溜部4に蓄積されたことが検知された場合には、制御部80(図7参照)からの命令に基づいて、開閉ピン69′は図中の上方へと変位し、空気抜き穴39′が開放される。開閉ピン69′の先端が、貫通孔64b′を超えるまで変位すると、空気抜き穴39′が装着部64′の内部と連通する。これにより、液溜部4に滞留していた血液Bは、図15に示すように、毛細管現象により、キャピラリ5の内部へと勢いよく即座に導入される。これ以降の過程については、本発明の第1の実施の形態と同様である。
【0073】
血糖値測定装置6′および装着体7′を用いた血糖値測定においても、目的量の血液Bが液溜部4に確保されてから、この血液Bがキャピラリ5の内部に対して勢いよく即座に導入されるため、血液Bの粘度によって、血糖値測定における血液導入時間が大きく左右されるのを適切に抑制することができ、その結果、良好な測定を再現性よく行うことが可能となる。
【0074】
上述の説明においては、特定物質の濃度を測定する手段として、電極を用いて酸化電流を検出する方法を述べたが、本発明ではこれに限らず、比色により濃度を測定するように構成することもできる。具体的には、測定対象物質の酸化や還元に伴って還元や酸化される物質として、当該酸化還元反応において変色ないし吸収スペクトルの変化を伴う物質を使用することにより、比色測定による濃度測定を行うことができる。
【0075】
以上、血糖値測定に供されるバイオセンサ、装着体、および濃度測定装置を例にして、本発明を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。たとえば、グルコース濃度に代わり、コレステロールや乳酸値等の濃度を求める場合に上記実施形態の構成を用いてもよいし、また、試薬部に酵素などを含まない非バイオ的なセンサとして構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係るバイオセンサの一例を示す全体斜視図である。
【図2】図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図3は、図1に示すバイオセンサの分解斜視図である。
【図4】図4は、図1のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施の形態に係る濃度測定装置の全体斜視図である。
【図6】図6は、図5のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図7は、図5に示す濃度測定装置のブロック図である。
【図8】図8は、穿刺動作を説明するための図6に相当する断面図である。
【図9】図9は、穿刺動作を説明するための図6に相当する断面図である。
【図10】図10は、穿刺動作を説明するための図6に相当する断面図である。
【図11】図11は、図10の要部拡大断面図である。
【図12】図12は、バイオセンサへの血液導入動作を説明するための図11に相当する要部拡大断面図である。
【図13】図13は、本発明の第2の実施の形態に係る濃度測定装置を説明するための図5のVI−VI線に沿う断面に相当する断面図である。
【図14】図14は、図13の要部拡大断面図である。
【図15】図15は、バイオセンサへの血液導入動作を説明するための図14に相当する要部拡大断面図である。
【図16】図16は、従来のバイオセンサの分解斜視図である。
【図17】図17は、組立てた状態における従来のバイオセンサの、図16のXVII−XVII線に沿う断面に相当する断面図である。
【符号の説明】
【0077】
X バイオセンサ
B 試料液
S 皮膚
1 基板
2 スペーサ
3 カバー
4 液溜部
5 キャピラリ
6 血糖値測定装置
7 装着体
11 第1貫通孔
12 第2貫通孔
13 密着部材
14 作用極
15 対極
20 スリット
31,32 検知電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料液中の特定成分の濃度を測定するための濃度測定装置に装着して使用される装着体であって、試料液を移動させるためのキャピラリを有する測定用具を備えた装着体において、
前記測定用具は、前記キャピラリに連通し、かつ前記キャピラリに導入すべき試料液を保持するための液溜部と、前記液溜部に保持させた試料液を、前記キャピラリ内に導入するか否かを選択するための液導入選択手段と、を備えたことを特徴とする、装着体。
【請求項2】
前記測定用具は、基板と、この基板とともに前記キャピラリを構成するカバーと、を備えている、請求項1に記載の装着体。
【請求項3】
穿刺針を有する穿刺体をさらに備えており、かつ、
前記液溜部は、前記基板および前記カバーを、それらの厚み方向に一連に貫通した形態とされ、前記穿刺針が挿通できるように構成されている、請求項2に記載の装着体。
【請求項4】
前記液導入選択手段は、前記キャピラリ内の気体を排出するための排出口を有し、この排出口が開放される状態と閉鎖される状態とを選択することにより、前記キャピラリ内に試料液が導入されるか否かを選択できるように構成されている、請求項2または3に記載の装着体。
【請求項5】
測定用具を備えた装着体を装着して使用し、かつ試料液中の特定成分の濃度を測定するための濃度測定装置であって、
前記測定用具としては、試料液を移動させるためのキャピラリと、前記キャピラリに連通し、かつ前記キャピラリに導入すべき試料液を保持するための液溜部と、前記液溜部に保持させた試料液を、前記キャピラリ内に導入するか否かを選択するための液導入選択手段と、を備えたものが使用され、かつ、
前記キャピラリ内に試料液が導入されるか否かを選択させるための選択手段をさらに備えていることを特徴とする、濃度測定装置。
【請求項6】
前記液導入選択手段は、前記キャピラリ内の気体を外部に排出するための排出口を有しており、
前記選択手段は、前記排出口を開閉するための開閉部材を有している、請求項5に記載の濃度測定装置。
【請求項7】
前記測定用具としては、目的量の試料液が前記液溜部に供給されたか否かを検知するために利用される検知手段を備えたものが使用され、かつ、
前記検知手段を利用して、目的量の試料液が前記液溜部に供給されたか否かを判断するための判断手段をさらに備えている、請求項5または6に記載の濃度測定装置。
【請求項8】
測定用具を備えた装着体を装着して使用し、かつ試料液中の特定成分の濃度を測定するための濃度測定装置であって、
前記測定用具としては、試料液を移動させるためのキャピラリと、前記キャピラリに連通し、かつ前記キャピラリに導入すべき試料液を保持するための液溜部と、目的量の試料液が前記液溜部に供給されたか否かを検知するために利用される検知手段と、を備えたものが使用され、かつ、
前記検知手段を利用して、目的量の試料液が前記液溜部に供給されたか否かを判断するための判断手段をさらに備えていることを特徴とする、濃度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−66425(P2009−66425A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−291658(P2008−291658)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【分割の表示】特願2003−529138(P2003−529138)の分割
【原出願日】平成14年9月6日(2002.9.6)
【出願人】(000141897)アークレイ株式会社 (288)
【Fターム(参考)】