説明

装着装置、基板、液体情報を変更する方法

【課題】装着装置を液体噴射装置に装着した状態で、装着装置または液体容器に対して何らかの作業をする際に、液体噴射装置の動作によって不都合が生じることを抑制する。
【解決手段】液体を収容する液体容器に接続されたチューブを介して液体容器に収容された液体を液体噴射装置に供給する際に前記液体噴射装置に装着される装着装置は、装着状態通知部を備える。装着状態通知部は、装着装置が液体噴射装置に装着されている装着状態において装着状態を液体噴射装置に認識させることと、装着状態において装着装置が液体噴射装置に装着されていない非装着状態を液体噴射装置に認識させることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着装置、基板、液体情報を変更する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタには、インクが収容されたインク容器が装着される。ここで、インクの残量を示す残量情報を記録するメモリを搭載するインク容器に、該インク容器にインクを再充填したときに押されるリセットボタンを設ける技術が知られている(例えば、特許文献1)。この技術では、リセットボタンを押すとメモリ上の残量情報が、プリンタが正常に動作するように書き換えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−202900号公報
【特許文献2】特開2004−98564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、インク容器をプリンタに装着した状態で、メモリ上の残量情報を書き換えると、書き換えている間にプリンタが当該メモリにアクセスするおそれがあった。そうすると、当該メモリにおいて、正常な読み書きが阻害され、データ化けなどが発生するおそれがあった。このような課題は、インク容器に限らず、液体を収容する液体容器に接続された液体供給管を介して前記液体容器に収容された液体を前記液体噴射装置に供給する際に前記液体噴射装置に装着される装着装置にも共通する課題であった。また、このような課題は、メモリの書き換えに限らず、装着容器を液体噴射装置に装着した状態で、装着装置または液体容器に対してなんらかの作業をする際に共通する課題であった。
【0005】
この発明は、装着装置を液体噴射装置に装着した状態で、装着装置または液体容器に対して何らかの作業をする際に、液体噴射装置の動作によって不都合が生じることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]液体を収容する液体容器に接続された液体供給管を介して前記液体容器に収容された液体を液体噴射装置に供給する際に前記液体噴射装置に装着される装着装置であって、
前記装着装置が前記液体噴射装置に装着されている装着状態において前記装着状態を前記液体噴射装置に認識させることと、前記装着状態において前記装着装置が前記液体噴射装置に装着されていない非装着状態を前記液体噴射装置に認識させることが可能な装着状態通知部を備える、装着装置。
こうすれば、液体噴射装置に装着装置が装着されていても、装着装置が装着されていないと液体噴射装置に認識させることができる。この結果、液体噴射装置に装着したままで装着装置または液体容器に対して何らかの作業を行っているときに、非装着を認識させることにより液体噴射装置が装着時の動作を行うことを抑制することができる。
【0008】
[適用例2]適用例1に記載の装着装置は、さらに、
前記装着状態において、前記液体噴射装置が前記液体に関する液体情報を読み書きするためのメモリと、
前記液体噴射装置による読み書きとは無関係に、前記メモリ上の前記液体情報を変更する情報変更部と、
を備え、
前記情報変更部が前記液体情報の変更を行っているときに、前記装着状態通知部は、前記非装着状態を前記液体噴射装置に認識させる、装着装置。
こうすれば、液体噴射装置とは無関係にメモリ上の液体情報を変更しているときに、液体噴射装置がメモリにアクセスすることを抑制することができる。
【0009】
[適用例3]適用例1に記載の装着装置は、さらに、
前記装着状態において、前記液体噴射装置が前記液体に関する液体情報を読み書きするためのメモリと、
前記装着状態通知部が、前記非装着状態を前記液体噴射装置に判定させているときに、前記メモリ上の前記液体情報を変更する情報変更部と、
を備える、装着装置。
こうすれば、非装着状態を液体噴射装置に判定させているときに、メモリ上の液体情報を変更するので、メモリ上の液体情報を変更しているときに、液体噴射装置がメモリにアクセスすることを抑制することができる。
【0010】
[適用例4]適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の装着装置は、さらに、
前記装着状態において、前記液体噴射装置に電気的に接続されると共に、前記液体噴射装置によって前記装着状態か否かの判定に用いられる判定用端子を備え、
前記装着状態通知部は、前記判定用端子をハイインピーダンス状態にすることによって、前記非装着状態を前記液体噴射装置に判定させる、装着装置。
こうすれば、液体噴射装置は、判定用端子に対応する装置側端子に判定用端子が接触していることを判定できないので、液体噴射装置に非装着状態であると判定させることができる。
【0011】
[適用例5]適用例4に記載の装着装置において、
前記判定用端子は、前記液体噴射装置から前記装着状態か否かの判定のための入力信号を受ける入力端子と、前記入力信号に応じて前記装着状態を示す応答信号を出力する出力端子とを含み、
前記装着状態通知部は、前記入力端子および前記出力端子の少なくとも一方をハイインピーダンス状態にすることによって、前記非装着状態を前記液体噴射装置に判定させる、装着装置。
こうすれば、液体噴射装置は、出力端子から応答信号を受信できないので、液体噴射装置に非装着状態であると判定させることができる。
【0012】
[適用例6]適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の装着装置は、さらに、
前記装着状態において、前記液体噴射装置に電気的に接続されると共に、前記液体噴射装置によって前記装着状態か否かの判定に用いられる判定用端子を備え、
前記装着状態通知部は、前記判定用端子を介して前記非装着状態を示す信号を出力することによって、前記非装着状態を前記液体噴射装置に判定させる、装着装置。
こうすれば、液体噴射装置は非装着状態を示す信号を受け取るので、液体噴射装置に非装着状態であると判定させることができる。
【0013】
[適用例7]適用例6に記載の装着装置において、
前記判定用端子は、前記液体噴射装置から前記装着状態か否かの判定のための入力信号を受ける入力端子と、前記入力信号に応じて前記装着状態を示す応答信号を出力する出力端子とを含み、
前記装着状態通知部は、前記出力端子から前記応答信号に代えて前記非装着状態を示す信号を出力することによって、前記非装着状態を前記液体噴射装置に判定させる、装着装置。
こうすれば、液体噴射装置は非装着状態を示す信号を受け取るので、液体噴射装置に非装着状態であると判定させることができる。
【0014】
[適用例8]適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の装着装置は、さらに、
前記装着状態において、前記液体噴射装置に電気的に接続される第1の端子を備え、
前記第1の端子の電位が所定電位か否かにより、前記装着状態か前記非装着状態かを判定させる、液体容器。
【0015】
[適用例9]適用例8に記載の装着装置は、さらに、
前記装着状態において、前記所定電位が供給される第2の端子を備え、
前記装着状態通知部は、前記第1の端子と前記第2の端子との間を導通状態と非導通状態とに切り換える第1の切換部である、装着装置。
こうすれば、簡便な構成で非装着状態通知部および非装着状態通知部を実現することができる。
【0016】
[適用例10]適用例2にまたは適用例3記載の装着装置は、さらに、
利用者の操作を受け付けるための操作受付部と、
前記情報変更部は、前記利用者の操作が受け付けられた場合に前記液体情報を変更する装着装置。
こうすれば、利用者の操作により、液体噴射装置とは無関係に液体情報を変更できる。
【0017】
[適用例11]適用例2または適用例3に記載の装着装置において、
前記情報変更部は、前記液体情報の値が所定の条件を満たした場合に前記液体情報を変更する装着装置。
こうすれば、液体噴射装置とは無関係に、自動で液体情報を変更できる。
【0018】
[適用例12]適用例2または適用例3に記載の装着装置において、
前記情報変更部は、前記液体噴射装置による前記メモリ上の前記液体情報の更新回数が所定回数を超えた場合に、前記液体情報を変更する装着装置。
こうすれば、液体噴射装置とは無関係に、自動で液体情報を変更できる。
【0019】
[適用例13]適用例2または適用例3に記載の装着装置において、
前記液体情報は、前記液体の消費量を特定するための消費情報を含む、装着装置。
こうすれば、液体の消費情報を、液体噴射装置とは無関係に変更することができる。
【0020】
[適用例14]適用例2または適用例3に記載の装着装置は、さらに、
前記装着状態において、前記メモリと前記液体噴射装置とを電気的に接続するためのメモリ端子と、
前記メモリと前記メモリ端子との間を導通状態と非導通状態とに切り換える第2の切換部と、
を備え、
前記情報変更部が前記液体情報を変更しているときに、前記第2の切換部は、前記メモリと前記メモリ端子との間を非導通状態とする、装着装置。
こうすれば、より確実に情報変更部が液体情報を変更しているときに、液体噴射装置がメモリにアクセスすることを抑制することができる。
【0021】
[適用例15]適用例1に記載の装着装置は、さらに、
前記装着状態において、前記液体噴射装置が前記液体に関する液体情報を読み書きするためのメモリと、
前記液体噴射装置による読み書きとは無関係に、前記メモリ上の前記液体情報を変更する情報変更部と、
を備え、
前記情報変更部が前記液体情報の変更を行っている期間を含む所定の期間において、前記装着状態通知部は、前記非装着状態を前記液体噴射装置に認識させる、装着装置。
こうすれば、より確実に情報変更部が液体情報を変更しているときに、液体噴射装置がメモリにアクセスすることを抑制することができる。
【0022】
[適用例16]適用例9に記載の装着装置は、さらに、
前記装着装置の一方の側に配置され、前記液体噴射装置に前記液体を供給するための供給孔を備え、
前記操作受付部は、前記装着装置の前記一方の側の反対側に設けられている、装着装置。
こうすれば、利用者は容易に操作受付部を操作することができる。
【0023】
[適用例17]液体を収容する液体容器に接続された液体供給管を介して前記液体容器に収容された液体を液体噴射装置に供給する際に前記液体噴射装置に装着される装着装置であって、
メモリと、
前記メモリを制御する制御部と、
前記装着装置が前記液体噴射装置に装着された装着状態において、前記液体噴射装置に電気的に接続され、前記液体噴射装置によって前記装着状態か否かの判定に用いられる判定用端子を備え、
前記制御部は、所定の条件を満たした場合に、前記判定用端子をハイインピーダンス状態にすると共に、前記メモリに記憶されたデータを書き換える、装着装置。
こうすれば、所定の条件を満たした場合に非装着状態を液体噴射装置に判定させながら、メモリ上のデータを書き換えるので、所定の条件を満たした場合にメモリ上のデータを安全に書き換えられる。
【0024】
[適用例18]液体を収容する液体容器に接続された液体供給管を介して前記液体容器に収容された液体を液体噴射装置に供給する際に前記液体噴射装置に装着される装着装置であって、
メモリと、
前記メモリを制御する制御部と、
利用者の操作を受け付けるための操作受付部と、
前記液体容器が前記液体噴射装置に装着された装着状態において、前記液体噴射装置に電気的に接続され、前記液体噴射装置によって前記装着状態か否かの判定に用いられる判定用端子を備え、
前記制御部は、前記利用者の操作が受け付けられた場合に、前記判定用端子をハイインピーダンス状態にすると共に、前記メモリに記憶されたデータを書き換える、装着装置。
こうすれば、利用者の操作が受け付けられた場合に非装着状態を液体噴射装置に判定させながら、メモリ上のデータを書き換えるので、利用者の操作が受け付けられた場合にメモリ上のデータを安全に書き換えられる。
【0025】
この発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、液体噴射装置に装着可能な基板、装着装置に搭載される基板、液体容器に収容された液体を液体噴射装置に供給するための装着装置が前記液体噴射装置に装着された装着状態で前記装着装置のメモリに記録された前記液体に関する液体情報を変更する方法、上記装着装置または基板における制御方法などの形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施例としての印刷システムの概略構成を示す説明図。
【図2】第1実施例おけるインク中継カートリッジの外観構成を示す斜視図。
【図3】インク中継カートリッジがキャリッジに取り付けられた状態を示す図。
【図4】基板110の構成について説明する図。
【図5】基板110の表面の9つの端子について説明する図。
【図6】インク中継カートリッジの内部構成を説明する説明図。
【図7】第1実施例のインク中継カートリッジとプリンタの電気的構成を示す図。
【図8】第1実施例のリセット処理の処理ステップを示すフローチャート。
【図9】第2実施例のインク中継カートリッジとプリンタの電気的構成を示す図。
【図10】第2実施例のリセット処理の処理ステップを示すフローチャート。
【図11】第3実施例のインク中継カートリッジとプリンタの電気的構成を示す図。
【図12】第3実施例のリセット処理の処理ステップを示すフローチャート。
【図13】第4実施例のインク中継カートリッジとプリンタの電気的構成を示す図。
【図14】第4実施例のリセット処理の処理ステップを示すフローチャート。
【図15】第5実施例のリセット処理の処理ステップを示すフローチャート。
【図16】第11変形例におけるインク中継カートリッジとプリンタの電気的な構成を示す図。
【図17】第12変形例におけるインク中継カートリッジとプリンタの電気的な構成を示す図。
【図18】第14変形例におけるインク供給システムの概要を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例としての印刷システムの概略構成を示す説明図である。印刷システムは、プリンタ20と、コンピュータ90と、6つのインク容器200を備えている。プリンタ20は、コネクタ80を介して、コンピュータ90と接続されている。6つのインク容器200は、それぞれ、異なる色のインクが収容されている。6つのインク容器200は、それぞれ、一本ずつのチューブ210を介してプリンタ20と接続されている。液体供給管としてのチューブ210は、例えば、ゴム、エラストマーなどの可撓性のある材料で形成されている。
【0028】
プリンタ20は、副走査送り機構と、主走査送り機構と、ヘッド駆動機構と、各機構を制御するための主制御回路40と、を備えている。副走査送り機構は、紙送りモータ22とプラテン26とを備えており、紙送りモータの回転をプラテンに伝達することによって用紙Pを副走査方向に搬送する。主走査送り機構は、キャリッジモータ32と、プーリ38と、キャリッジモータとプーリとの間に張設された駆動ベルト36と、プラテン26の軸と並行に設けられた摺動軸34と、を備えている。摺動軸34は、駆動ベルト36に固定されたキャリッジ30を摺動可能に保持している。キャリッジモータ32の回転は、駆動ベルト36を介してキャリッジ30に伝達され、キャリッジ30は、摺動軸34に沿ってプラテン26の軸方向(主走査方向)に往復動する。ヘッド駆動機構は、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッドユニット60を備えており、印刷ヘッドを駆動して用紙P上にインクを吐出させる。印刷ヘッドユニット60には、後述するように、インク容器200と同数、本実施例では6つのインク中継カートリッジを脱着自在に装着可能である。キャリッジ30には、さらに、キャリッジ回路50が搭載されている。キャリッジ回路50は、主制御回路40と協働して、印刷ヘッドユニット60に装着されたインクカートリッジやインク中継カートリッジ100に関連する制御を行うための回路であり、以下ではサブ制御部ともいう。プリンタ20は、さらに、ユーザがプリンタの各種の設定を行ったり、プリンタのステータスを確認したりするための操作部70を備えている。
【0029】
図2は、第1実施例おけるインク中継カートリッジの外観構成を示す斜視図である。インク中継カートリッジ100は、本体101と、インク供給部102と、基板110と、係合レバー104と、を備えている。インク供給部102は、本体101の底面に設けられ、印刷ヘッドユニット60に装着されたときに、印刷ヘッドユニット60に対してインクを供給する。本体101の上面には、上述したチューブ210のプリンタ20側の端部が接続されている。
【0030】
図3は、インク中継カートリッジがキャリッジに取り付けられた状態を示す図である。キャリッジ30において、印刷ヘッドユニット60の上方にホルダ65が設けられており、インク中継カートリッジ100は、ホルダ65に装着される。インク中継カートリッジ100がホルダ65に装着されると、係合レバー104の突起104aが、ホルダ65に形成された凹部61に係合する。これにより、インク中継カートリッジ100は、ホルダ65に固定される。プリンタ20が印刷を行っているとき、インク中継カートリッジ100は、矢印AR1に示す方向に往復移動する。
【0031】
図4は、基板110の構成について説明する図である。基板110の表面には、9つの端子111が配置されている。基板110の裏面には、制御部130およびメモリ140が配置されている。制御部130は、例えば、ロジック回路により構成されている。制御部130とメモリ140は、電気的に接続されており、制御部130は、メモリ140へのデータの書き込みやメモリ140からのデータの読み出しを始めとするメモリ140の制御処理を実行する。具体的には、例えば、後述するリセット処理を実行する。メモリ140は、例えば、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)やFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)などの書換可能な不揮発性メモリである。制御部130とメモリ140は、それぞれ異なるチップで構成され、配線で接続されていても良いし、一つのチップで構成されていても良い。基板110の裏面には、さらに、4本の配線121〜124を介してリセットボタン120が接続されている。リセットボタン120は、図3に示すように、インク中継カートリッジ100の上面、すなわち、インク供給部102の配置された底面の反対側の面に配置される。なお、図示は省略するが、インク中継カートリッジ100は、電池を備えている。電池は、リセットボタン120が利用者により押下された際に、プリンタ20から電源の供給が無くても後述するリセット処理におけるメモリ140の書き換えを制御部130が行えるように、制御部130およびメモリ140に電源を供給する。
【0032】
図5は、基板110の表面の9つの端子111について説明する図である。各端子は、略矩形状に形成され、挿入方向Rと略垂直な列を2列形成するように配置されている。挿入方向Rは、インク中継カートリッジ100をホルダ65に装着するときの挿入方向を示す。2つの列のうち、挿入方向R側、すなわち、図5における下側に位置する列を下側列と呼び、挿入方向Rの反対側、すなわち、図5における上側に位置する列を上側列と呼ぶ。上側列を形成する端子と、下側列を形成する端子は、互いの端子中心が挿入方向Rに並ばないように、互い違いに配置され、いわゆる千鳥状の配置を構成している。
【0033】
端子111のうち、上側列を形成するように配列されている端子は、左側から、第1のカートリッジアウト端子COA、接地端子VSS、電源端子VDD、第2のカートリッジアウト端子COBである。下側列を形成するように配列されている端子は、左側から、第1のセンサ駆動用端子SN、リセット端子RST、クロック端子SCK、データ端子SDA、第2のセンサ駆動用端子SPである。各端子の電気的な構成については後述する。
【0034】
図6は、インク中継カートリッジ100とインク容器200の内部構成を説明する説明図である。インク中継カートリッジ100の本体101の内部には、インク流路105が形成されている。インク流路105の一方の端部は、チューブ210のプリンタ20側の端部が接続されている。インク流路105の他方の端部は、インク供給部102の供給孔と連通している。
【0035】
インク容器200には、比較的多量のインク5が収容されている。インク容器200の蓋には、大気開放孔205が設けられている。大気開放孔205の一方は、インク容器200の内部インク収容室107に連通し、大気開放孔205の他方は外部に開口している。チューブ210のインク容器200側の端部は、インク容器200の内部において、インク5中に開口している。
【0036】
インク中継カートリッジ100のインク供給部102の供給孔からインク5がプリンタ20に供給される。供給されたインク5がプリンタ20により消費されると、インク容器200において、大気開放孔205から大気がインク容器200に導入される。このようにして、プリンタ20におけるインク5の消費に応じて、インク容器200からインク中継カートリッジ100を中継して、プリンタ20にインク5が供給される。
【0037】
インク中継カートリッジ100の内部には、さらに、インク供給部102の近傍にセンサ150が設けられている。詳細の図示は省略するが、センサ150は、インク供給部付近のインク流路105の一部を形成するキャビティと、キャビティの壁面の一部を形成する振動板と、振動板上に配置された圧電素子とを備えている。プリンタ20は、圧電素子に電気エネルギを与えることにより、圧電素子を介して振動板を振動させることができる。その後、振動板の残留振動の特性(周波数等)を、圧電素子を介して検出することにより、プリンタ20はキャビティにおけるインクの有無を検出することができる。具体的には、本体101に収容されていたインク5が消費されることにより、インク5が満たされた状態から大気が満たされた状態に、キャビティの内部の状態が変化すると、振動板の残留振動の特性が変化する。かかる振動特性の変化を、センサ150(圧電素子)を介して検出することにより、インクジェットプリンタは、キャビティにおけるインクの有無を検出することができる。
【0038】
インク中継カートリッジ100がホルダ65に装着されると、基板110の各端子111は、同数の対応するプリンタ側端子55と接触する。この結果、インク中継カートリッジ100の基板110とプリンタ20のサブ制御部50とが電気的に接続される。
【0039】
図7は、第1実施例のインク中継カートリッジ100とプリンタ20の電気的な構成を示す図である。5つの端子、すなわち、接地端子VSS、電源端子VDD、リセット端子RST、クロック端子CSK、データ端子SDAは、それぞれ、メモリ140に接続されている。下側列の両端に位置する2つの端子、すなわち、第1のセンサ駆動用端子SNおよび第2のセンサ駆動用端子SPは、センサ150の圧電素子の一方の電極および他方の電極にそれぞれ接続されている。第1のカートリッジアウト端子COAは、配線121に接続され、接地端子VSSは、配線122と接続されている。第2のカートリッジアウト端子COBは、本実施例では、どこにも接続されていない。
【0040】
リセットボタン120は、2つのスイッチSWa、SWbを含んでいる。スイッチSWaは、第1のカートリッジアウト端子COAと接地端子VSSとの間を接続状態と非接続状態に切り換えられる構成であれば良い。スイッチSWbは、リセットボタン120がユーザに押下されたことを制御部130に通知できる構成であれば良い。例えば、スイッチSWaは、リセットボタン120がユーザに押下された物理的な変動に応じて切り換えられる機械的なスイッチであっても良く、リセットボタン120がユーザに押下されたことを認識した制御部130によって電気的に制御されるスイッチ(例えば、トランスミッションゲート)であっても良い。スイッチSWbは、リセットボタン120がユーザに押下された物理的な変動に応じて切り換えられる機械的なスイッチであっても良いし、リセットボタン120がユーザに押下されたことを検出して制御部130に通知する電気的なスイッチであっても良い。本実施例では、スイッチSWa、SWbは、機械的なスイッチであるとして説明する。第1のカートリッジアウト端子COAと接地端子VSSは、配線121、第1のスイッチSWa、配線122を介して、互いに接続されている。したがって、第1のスイッチSWaがオンにされると、第1のカートリッジアウト端子COAと接地端子VSSとの間は導通状態となる。そして、第1のスイッチSWaがオフにされると、第1のカートリッジアウト端子COAと接地端子VSSとの間は非導通状態となる。第2のスイッチSWbは、制御部に対して、メモリ140のリセットを指示するスイッチである。第2のスイッチSWbがオンになると、制御部130は、メモリ140のリセットを行う。メモリのリセットについては後述する。
【0041】
サブ制御部50は、主制御回路40とバスを介して通信することができる。サブ制御部50は、プリンタ側端子と、カートリッジ認識部51と、メモリアクセス部52と、センサアクセス部53とを備えている。
【0042】
プリンタ側端子は、一つのインク中継カートリッジ100ごとに9つ設けられている。9つのプリンタ側端子は、インク中継カートリッジ100がプリンタ20に装着された状態で、インク中継カートリッジ100の基板110の9つの端子(図5)にそれぞれ接触する端子である。これにより、プリンタ20とインク中継カートリッジ100は、それぞれ電気的に接続される。以下では、基板110の端子と対応する(接触する)プリンタ側端子を、基板110の端子の符号の頭にPを付した符号で示す。例えば、基板110のクロック端子SCKと対応する(接触する)プリンタ側端子を、プリンタ側端子PSCKと呼ぶ。
【0043】
プリンタ側接地端子PVSSは、Lレベル(GNDレベル)に接続されている。第1のプリンタ側カートリッジアウト端子PCOAは、プルアップ抵抗R1を介して、Hレベル(VDDレベル)に接続されている。GNDレベルを0Vとすると、VDDレベルは、例えば、3.3Vとされる。
【0044】
カートリッジ認識部51は、第1のプリンタ側カートリッジアウト端子PCOAの電位に基づいて、インク中継カートリッジ100がプリンタ20に装着されているか否かを判断する。第1のプリンタ側カートリッジアウト端子PCOAがHレベルである場合には、カートリッジ認識部51は、インク中継カートリッジ100が装着されていない非装着状態であると判断する。PCOAがLレベルである場合には、カートリッジ認識部51は、インク中継カートリッジ100が装着されている装着状態であると判断する。
【0045】
実際にインク中継カートリッジ100が非装着状態である場合には、第1のプリンタ側カートリッジアウト端子PCOAがハイインピーダンス状態である。したがって、第1のプリンタ側カートリッジアウト端子PCOAはHレベルに維持され、非装着状態であると正しく判断される。
【0046】
インク中継カートリッジ100が装着状態である場合には、第1のスイッチSWaがオン状態であれば、第1のプリンタ側カートリッジアウト端子PCOAはLレベルに維持され、装着状態であると正しく判断される。インク中継カートリッジ100において、第1のカートリッジアウト端子COAと接地端子VSSとが導通状態になるので、第1のプリンタ側カートリッジアウト端子PCOAが、第1のカートリッジアウト端子COAと接地端子VSSとを介して、プリンタ側接地端子PVSSと導通するためである。
【0047】
一方、インク中継カートリッジ100が装着状態であっても、第1のスイッチSWaがオフ状態であれば、第1のプリンタ側カートリッジアウト端子PCOAはHレベルに維持され、非装着状態であると判断される。
【0048】
プリンタ側電源端子PVDD、プリンタ側リセット端子PRST、プリンタ側クロック端子PSCK、プリンタ側データ端子PSDAは、メモリアクセス部52に接続されている。インク中継カートリッジ100が装着状態にあるとき、メモリアクセス部52は、これらの端子を介して、インク中継カートリッジ100のメモリ140にアクセスする。具体的には、メモリアクセス部52は、メモリ140からインク残量情報を読み出したり、メモリ140にインク残量情報を書き込んだりする。インク残量情報は、インク容器200に収容されたインク5の残量を示す値である。インク残量情報の初期値は、例えば、想定している大きさのインク容器200に収容されているインク5の量に対応している。プリンタ20の主制御回路40は、インク容器200のインク残量を管理している。例えば、主制御回路40は、印刷開始前にメモリ140からインク残量情報を読み出してインク残量を把握し、印刷終了後にインク消費量に基づいてインク残量を算出してメモリ140のインク残量情報を更新する。すなわち、主制御回路40は、メモリ140のインク残量情報を、インクの消費に応じて減じていく。主制御回路40は、インク残量が所定値以下になると、利用者にインク容器200の交換ないし再充填を促す。
【0049】
第1のプリンタ側センサ駆動用端子PSNおよび第2のプリンタ側センサ駆動用端子PSPは、センサアクセス部53に接続されている。インク中継カートリッジ100が装着状態にあるとき、センサアクセス部53は、これらの端子を介して、上述したようにセンサ150を操作し、インクの有無を判断する。センサ150による検出結果によりインクが所定値以下であることが検出されると、プリンタ20は、例えば、メモリに記録されたインク残量を所定値に修正するなどの処理が行われる。
【0050】
図8は、第1実施例のリセット処理の処理ステップを示すフローチャートである。リセット処理は、インク中継カートリッジ100において、リセットボタン120が押下されたときに行われる処理である。リセットボタン120が押下されると(ステップS10:YES)、第1のスイッチSWaがオフ状態となり、第1のカートリッジアウト端子COAと接地端子VSSとの間が非導通状態にされる(ステップS20)。ステップS30では、第2のスイッチSWbがオン状態にされたのを検知した制御部130が、メモリ140上のインク残量情報を初期値に変更する。このインク残量情報の変更は、プリンタ20からのアクセスとは無関係に行われる。すなわち、ステップS30では、制御部130が自発的にインク残量情報の変更を行う。ステップS40では、第1のスイッチSWaがオン状態に戻され、第1のカートリッジアウト端子COAと接地端子VSSとの間が導通状態にされる。本実施例では、スイッチSWa、SWbは、機械的なスイッチであるため、ステップS10、ステップS20、ステップS40は、制御部130が行う処理ではない。ステップS10、ステップS20は利用者によるリセットボタン120の押下によって機械的に行われる。ステップS40は利用者がリセットボタン120の押下を止めてリセットボタン120が元の状態に戻ることによって機械的に行われる。すなわち、ステップS30は、利用者によってリセットボタン120を押下され、その後利用者が押下を止めることによってリセットボタン120が元の状態に戻るまでの間に、制御部130によって行われる。
【0051】
以上の説明から解るように、本実施例において、第1のスイッチSWaが請求項における装着状態通知部に対応する。また、本実施例において、制御部130が請求項における情報変更部に対応する。また、本実施例において、第1のカートリッジアウト端子COAが請求項における判定用端子および第1の端子に対応する。また、本実施例において、接地端子VSSが請求項における第2の端子に対応する。また、本実施例において、リセットボタン120が請求項における操作受付部に対応する。
【0052】
以上説明した第1実施例によれば、プリンタ20の誤動作を抑制することができる。例えば、利用者がプリンタ20の認識より大きなインク容器200を使用している場合に、リセットボタン120を押すと、インク残量情報が初期値に戻り、インク容器200に十分にインクがあるのに、プリンタ20がインク切れと判断することを抑制できる。
【0053】
さらに、リセット処理において、メモリ140のインク残量情報を初期値に書き換えるときに、第1のカートリッジアウト端子COAと接地端子VSSとの間を非導通にする。このため、インク残量情報の書き換えが行われている間、プリンタ20は、インク中継カートリッジ100は装着されていない(非装着状態)であると認識する。この結果、インク残量情報の書き換えが行われている間に、プリンタ20が該メモリ140にアクセスしてデータ化けなどの不都合が起こることを抑制することができる。これにより、利用者は、プリンタ20にインク中継カートリッジ100を装着したまま、リセットボタン120を押して、データ化けを起こすことなくインク残量情報などのデータを更新することができる。
【0054】
また、リセットボタン120は、インク中継カートリッジ100の本体101の上面、すなわち、インク供給口102が設けられている底面とは反対側の面に設けられている。この結果、インク中継カートリッジ100をプリンタ20に装着したままで、利用者はリセット処理の指示を容易に行うことができる。
【0055】
B.第2実施例:
図9は、第2実施例のインク中継カートリッジ100aとプリンタ20の電気的な構成を示す図である。プリンタ20の構成は、第1実施例と同一であるので説明を省略する。第2実施例のインク中継カートリッジ100aは、第1実施例と異なり、センサ150を備えておらず、9つの端子の全てがロジック回路である制御部130bに接続されている。また、第2実施例のインク中継カートリッジ100aのリセットボタン120aは、第1実施例と異なり、第1のスイッチSWaを含んでいない。第2実施例では、センサアクセス部53がセンサ駆動用端子SN、SPを介して入力したセンサ駆動信号を制御部130bで受け付け、常にインク容器200にインク5が有ることを示す応答信号を返す。さらに、第2実施例における制御部130aは、所定の期間を測定可能なタイマー機能を備えている。
【0056】
図10は、第2実施例のリセット処理の処理ステップを示すフローチャートである。利用者によりリセットボタンが押下されると、第2のスイッチSWbが機械的にオン状態になるため、制御部130aは、リセットボタンが押下されたことを検知することができる。制御部130aはリセットボタンが押下されたことを検知すると(ステップS110:YES)、リセット処理を始める。ステップS120では、制御部130aは、タイマーTのカウントを開始する。ステップS130では、制御部130aは、第1のカートリッジアウト端子COAと接地端子VSSを非導通状態にする。具体的には、制御部130a内部のトランジスタにより構成されたスイッチにより第1のカートリッジアウト端子COAと接地端子VSSを非導通状態にする。ステップS140では、制御部130aは、第1のカートリッジアウト端子COAと接地端子VSSを除く他の7つの端子と制御部130aとの間を非導通状態にする。ステップS150では、制御部130aは、メモリ140a上のインク残量情報を初期値に変更する。ステップS160では、制御部130aはタイマーTが所定値以上であるか否かを判断する。所定値は、例えば、メモリ140aが次のアクセスを受け付けられる状態になるまでに必要な時間より長い時間に対応する値とされる。タイマーTが所定値に達していないと判断すると(ステップS160:NO)、制御部130aは待機する。タイマーTが所定値以上であると判断すると(ステップS160:YES)、制御部130aは、上述の7つの端子と制御部130aとの間を導通状態に戻す(ステップS170)。ステップS180では、制御部130aは、第1のカートリッジアウト端子COAと接地端子VSSとの間を導通状態に戻してリセット処理を終了する。
【0057】
以上の説明から解るように、本実施例において、制御部130aが請求項における装着状態通知部に対応する。また、本実施例において、制御部130aが請求項における情報変更部に対応する。
【0058】
以上説明した第2実施例によれば、第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに、第2実施例では、メモリ140a上のインク残量情報を初期値に戻すときに、プリンタ20がメモリやセンサにアクセスするための7つの端子を制御部130bから切り離す(非導通にする)。このため、メモリ140a上のインク残量情報を初期値に戻す間にプリンタ20が誤ってアクセスした場合に、より確実にデータ化けなどの不具合を抑制することができる。
【0059】
C.第3実施例:
図11は、第3実施例のインク中継カートリッジ100bとプリンタ20の電気的な構成を示す図である。プリンタ20の構成は、第1実施例と同一であるので説明を省略する。第3実施例のインク中継カートリッジ100bは、第1実施例と異なり、リセットボタン120を備えておらず、第1のカートリッジアウト端子COAと接地端子VSSは、ロジック回路である制御部130bに接続されている。その他の構成は、第1実施例と同じである。
【0060】
図12は、第3実施例のリセット処理の処理ステップを示すフローチャートである。制御部130bは、インク中継カートリッジ100bが装着状態にあるとき、インク残量情報を定期的に、あるいは、更新される度にチェックしており、インク残量情報が規定値以下であるか否かを判断する(ステップS210)。インク残量情報が規定値を超えている場合には(ステップS210:NO)、すなわち、インク残量情報が「インク容器200に収容されたインク5の量が所定量を超えていること」を表している場合には、制御部130bは待機する。一方、インク残量情報が規定値以下である場合には(ステップS210:YES)、すなわち、インク残量情報が「インク容器200に収容されたインク5の量が所定量以下であること」を表している場合には、制御部130bは、第1のカートリッジアウト端子COAと接地端子VSSを非導通状態にする(ステップS220)。ステップS230では、制御部130bは、メモリ140b上のインク残量情報を初期値に変更する。インク残量情報の変更後のステップS240では、制御部130bは、第1のカートリッジアウト端子COAと接地端子VSSとの間を導通状態に戻してリセット処理を終了する。
【0061】
以上の説明から解るように、本実施例において、制御部130bが請求項における装着状態通知部に対応する。また、本実施例において、制御部130bが請求項における情報変更部に対応する。
【0062】
以上説明した第3実施例によれば、インク残量情報が所定値以下になった場合に、自動的にインク残量情報が初期値に変更されるので、利用者が大容量のインク容器200を使用していたり、インク容器200にインク5を適宜補充していても、問題なくプリンタ20の印刷を続けることができる。
【0063】
さらに、第1実施例と同様に、リセット処理において、メモリ140のインク残量情報を初期値に書き換えるときに、第1のカートリッジアウト端子COAと接地端子VSSとの間を非導通にする。この結果、この結果、インク残量情報の変更が行われている間に、プリンタ20が該メモリ140にアクセスしてデータ化けなどの不都合が起こることを抑制することができる。
【0064】
D.第4実施例:
図13は、第4実施例のインク中継カートリッジ100aとプリンタ20の電気的な構成を示す図である。プリンタ20の構成は、第1実施例と同一であるので説明を省略する。第4実施例のインク中継カートリッジ100cは、第2実施例と異なり、リセットボタン120bを備えていない。その他の構成は、第2実施例と同じである。
【0065】
図14は、第4実施例のリセット処理の処理ステップを示すフローチャートである。第3実施例同様に、制御部130cは、インク中継カートリッジ100cが装着状態にあるとき、インク残量情報を定期的に、あるいは、更新される度にチェックしており、インク残量情報が規定値以下であるか否かを判断する(ステップS310)。インク残量情報が規定値を超えている場合には(ステップS310:NO)、制御部130cは待機する。一方、インク残量情報が規定値以下である場合には(ステップS310:YES)、制御部130cは、処理をステップS320に移行する。ステップS320〜S380までの処理は、第2実施例におけるステップS120〜S180(図10)までの処理と同一である。
【0066】
以上の説明から解るように、本実施例において、制御部130cが請求項における装着状態通知部に対応する。また、本実施例において、制御部130cが請求項における情報変更部に対応する。
【0067】
以上説明した第4実施例によれば、第3実施例と同様の作用効果を奏する。さらに、第4実施例では、メモリ140c上のインク残量情報を初期値に戻すときに、プリンタ20がメモリやセンサにアクセスするための7つの端子を制御部130cから切り離す(非導通にする)。このため、メモリ140c上のインク残量情報を初期値に戻す間にプリンタ20が誤ってアクセスした場合に、より確実にデータ化けなどの不具合を抑制することができる。
【0068】
E.第5実施例:
図15は、第5実施例におけるリセット処理の処理ステップを示すフローチャートである。第5実施例におけるプリンタおよびインク中継カートリッジの構成は、第4実施例の構成(図13)と同一であるので、以下では第4実施例と同一の符号を用いて説明する。第5実施例において、インク中継カートリッジ100cが装着状態にあるとき、制御部130cは、インク残量情報がプリンタ20により更新された回数(書き込み回数)をチェックしており、インク残量情報に対する書き込み回数が所定回以上であるか否かを判断する(ステップS410)。このような、書き込み回数は、メモリ140cのインク残量情報が記録される領域とは異なる領域に記憶されても良い。
【0069】
インク残量情報の書き込み回数が所定回より少ない場合には(ステップS410:NO)、制御部130cは待機する。一方、インク残量情報の書き込み回数が所定回以上である場合には(ステップS410:YES)、制御部130cは、処理をステップS420に移行する。ステップS420〜S360までの処理は、それぞれ第2実施例におけるステップS130、S140、S150、S170、S180(図10)の処理と同一である。以上説明した第5実施例によれば、第4実施例と同様の作用効果を奏する。
【0070】
F.変形例:
・第1変形例:
上記各実施例のリセット処理では、インク残量情報の値を初期値に戻しているが、これに代えて、例えば、インク残量が想定されているインク容器200の容量の半分程度の量であることを表す値に変更しても良いし、インク残量を所定量だけ増やした値に変更しても良い。このように、一般的には、インクがある程度存在することを表す所定の値に変更されれば良い。
【0071】
・第2変形例:
上記各実施例のリセット処理では、インク残量情報の値を変更しているが、これに代えて、インク消費量情報の値を変更しても良い。この場合は、例えば、インク消費量情報を表す値が所定値以上になった場合、あるいは、リセットボタンが押下された場合、インク消費量情報の値を初期値に戻しても良い。一般的には、リセット処理に限らず、インクに関連するインク情報をプリンタ20からのアクセスとは無関係に変更する処理に対して、本発明を適用することができる。例えば、インク容器200に当初とは、異なる色のインクを充填した場合に、インクの色を表す色情報を、充填したインクの色に合わせて変更する処理などが考えられる。このような場合に、上記発明を適用することによって、データ化けなどの不具合を抑制することができる。
【0072】
・第3変形例:
上記実施例では、第1のカートリッジアウト端子COAと接地端子VSSとの間を非導通状態にすることにより、装着状態にも関わらず、プリンタ20に非装着状態を認識させている。これに代えて、例えば、装着状態では、インク中継カートリッジの制御部から何らかの装着連絡信号を定期的におくることにより装着状態を通知し、該連絡情報を停止することによりプリンタ20に非装着状態を認識させても良い。一般的に言えば、インク中継カートリッジが現実には装着状態である場合において、プリンタ20に対して装着状態を通知する手段と、非装着状態を通知する手段とを有していればよい。また、これらの手段は、装着状態をプリンタ20に認識させた状態と、非装着状態をプリンタ20に認識させた状態とを、二者択一に排他的に切り換えられることが好ましい。
【0073】
・第4変形例:
上記各実施例では、メモリ上のインク残量情報の値を変更する際に、インク中継カートリッジが装着状態であるにも関わらずプリンタ20に非装着状態を認識させているが、異なる場合にプリンタ20に非装着状態を認識させても良い。例えば、プリンタ20にインク中継カートリッジを装着したままで、しばらく使用しない場合において、インク中継カートリッジが装着状態であるにも関わらずプリンタ20に非装着状態を認識させても良い。プリンタ20が、例えば、インク中継カートリッジが非装着状態であると認識しているときは、印刷動作をしないように設定されていれば、不使用時のプリンタ20の誤動作をより確実に抑制できる。
【0074】
・第5変形例:
上記各実施例では、例えば、リセットボタン120が押下されたとき、インク残量情報が所定値以下になったときに、インク残量情報を変更しているが、これに代えて、他の所定の条件を満たしたときに、インク残量情報を変更しても良い。
【0075】
・第6変形例:
上記第1実施例では、圧電素子を用いたセンサ150が用いられているが、これに代えて、例えば、常にインクがあることを示す周波数の応答信号を返す発振回路などの発振装置を用いても良く、サブ制御部50と何らかの遣り取りを行うCPUやASICなどのプロセッサや、より簡易なICを用いても良い。
【0076】
・第7変形例:
上記実施例では、1つのインクタンクを1つのインク中継カートリッジとして構成しているが、複数のインクタンクを1つのインク中継カートリッジとして構成しても良い。
【0077】
・第8変形例:
上記実施例は、インクジェット式のプリンタと、インク容器とインク中継カートリッジが採用されているが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置と、その液体を収容した液体容器と、液体容器とチューブを介して接続されると共に、液体噴射装置に装着可能な液体中継装置を採用しても良い。ここでいう液体は、溶媒に機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェル状のような流状体を含む。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の噴射装置、該液体のための液体中継装置に本発明を適用することができる。
【0078】
・第9変形例:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしても良い。
【0079】
・第10変形例:
上記各実施例のリセット処理では、インク残量情報の値を変更しているが、インク残量情報と共に、または、インク残量情報に代えて、メモリ140上に記憶された他の液体情報の値を変更しても良い。例えば、プリンタ20がリセット処理後において、新たなインク中継カートリッジ100が装着されたと認識するように、メモリ140上に記憶された各種の液体情報を変更しても良い。具体的には、メモリ140には、プリンタ20が印刷を実行するたびにインクリメントされる使用履歴情報や、各インク中継カートリッジ100に固有のID情報が記録されている場合がある。この場合、例えば、リセット処理において、制御部130は、使用履歴情報を初期値に書き換えることとしても良いし、ID情報を異なる値に書き換えることとしても良い。
【0080】
・第11変形例:
上記各実施例では、プリンタ20のカートリッジ認識部51は、第1のカートリッジアウト端子COAの電位(第1のプリンタ側カートリッジアウト端子PCOAの電位)が接地電位であるか電源電位であるかによって、インク中継カートリッジ100が装着されているか否かを判定しているが、インク中継カートリッジ100の装着の有無を判定する手法はこれに限られない。プリンタによるインク中継カートリッジの装着の有無の判定手法に応じて、インク中継カートリッジが装着状態において、プリンタに装着状態および非装着状態を判定させる構成は適宜に変更され得る。その一例を第11変形例および第12変形例として説明する。
【0081】
図16は、第11変形例におけるインク中継カートリッジとプリンタの電気的な構成を示す図である。図16において、第1実施例の電気的構成(図7)と異なる構成については符号の末尾に「d」を付し、同一の構成については図7と同一の符号を付した。第11変形例におけるインク中継カートリッジ100dは、第1のカートリッジアウト端子COAおよび第2のカートリッジアウト端子COBを有していない。インク中継カートリッジ100dでは、センサ駆動用端子SNは、第1のスイッチSWaの一端に配線121dを介して接続されている。第1のスイッチSWaの他端は、センサ150の圧電素子の一方の電極板に接続されている。第2のセンサ駆動用端子SPは、第1実施例と同様にセンサ150の圧電素子の一方の電極板に接続されている。その他のインク中継カートリッジ100dの構成は、第1実施例と同様であるのでその説明を省略する。
【0082】
第11変形例におけるプリンタ20dは、第1および第2のプリンタ側カートリッジアウト端子PCOA、PCOBを有していない。第11変形例におけるカートリッジ認識部51dは、第1のプリンタ側センサ駆動用端子PSNおよび第2のプリンタ側センサ駆動用端子PSPに接続されている。カートリッジ認識部51dは、第1のプリンタ側センサ駆動用端子PSNにパルス信号を入力信号として入力する。カートリッジ認識部51dは、パルス信号の入力に応じて、入力したパルス信号と同様の応答信号が第2のプリンタ側センサ駆動用端子PSPに現れた場合にインク中継カートリッジ100dが装着されていると判定する。一方、カートリッジ認識部51dは、パルス信号を入力しても、第2のプリンタ側センサ駆動用端子PSPに応答信号が現れない場合にインク中継カートリッジ100dが装着されていないと判定する。センサ150として圧電素子が用いられている場合、圧電素子はコンデンサの一種であるため、このような判定が可能である。すなわち、インク中継カートリッジ100dが装着されており、第1のスイッチSWaがオン状態である場合、第1のプリンタ側センサ駆動用端子PSNに入力されたパルス信号は、第1のセンサ駆動用端子SNとスイッチSWaを介して、センサ150の圧電素子の一方の電極板に供給される。すると、センサ150の圧電素子の他方の電極板は、パルス信号の電位とは正負が逆の電位になる。そうすると、電荷量保存の法則によりセンサ150の圧電素子の他方の電極板に接続された第2のセンサ駆動用端子SPには、パルス信号と同様の電位が現れる。第2のセンサ駆動用端子SPに現れた電位を、応答信号として第2のプリンタ側センサ駆動用端子PSPを介して検出することにより、カートリッジ認識部51dはインク中継カートリッジ100dが装着されていると判定する。
【0083】
ここで、第1のスイッチSWaがオフ状態である場合、すなわち、第1のプリンタ側センサ駆動用端子PSNおよび第1のセンサ駆動用端子SNがハイインピーダンス状態(フローティング状態)にされる場合には、第1のプリンタ側センサ駆動用端子PSNからパルス信号が入力されたとしても、第2のプリンタ側センサ駆動用端子PSPには応答信号が現れない。したがって、第1のスイッチSWaがオフ状態である場合、インク中継カートリッジ100dがプリンタ20dに装着されていても、プリンタ20dは、インク中継カートリッジ100dは装着されていないと判定する。第1実施例と同様に、インク中継カートリッジ100dでは、リセットボタン120が押下されていないときは、第1のスイッチSWaがオン状態、第2のスイッチSWbがオフ状態とされる。そして、第1実施例と同様に、インク中継カートリッジ100dでは、リセットボタン120が押下されているときは、第1のスイッチSWaがオフ状態、第2のスイッチSWbがオン状態とされる。
【0084】
第11変形例におけるインク中継カートリッジ100dの制御部130dは、第1実施例と同様に、リセットボタン120が利用者によって押下されると、第2のスイッチSWbを介して、リセットボタン120が押下されたことを認識して、メモリ140dのインク残量情報を初期値に書き換える。インク残量情報の書き換えは、リセットボタン120が利用者によって押下されている間に実行される。リセットボタン120が利用者によって押下されている間は、第1実施例と同様に第1のスイッチSWaはオフ状態にされるので、プリンタ20dは、インク中継カートリッジ100dは装着されていないと判定する。以上説明した第11変形例は、第1実施例と同様の作用・効果を奏する。
【0085】
なお、上述した第11変形例では、リセットボタン120が利用者によって押下されている間に第1のセンサ駆動用端子SNがハイインピーダンス状態(フローティング状態)になるように、第1のセンサ駆動用端子SNとセンサ150との間に第1のスイッチSWaを配置しているが、これに代えて、第2のセンサ駆動用端子SPがハイインピーダンス状態(フローティング状態)になるように、第2のセンサ駆動用端子SPとセンサ150との間に第1のスイッチSWaを配置しても良い。また、第2のセンサ駆動用端子SPとセンサ150との間と、第1のセンサ駆動用端子SNとセンサ150との間の両方にそれぞれスイッチを配置しても良い。一般的には、入力信号を入力して応答信号を受け取ることによって、インク中継カートリッジの装着の有無を検出するプリンタに装着されるインク中継カートリッジにおいて、入力信号を受け取る端子と応答信号を出力する端子の少なくとも一方をハイインピーダンス状態(フローティング状態)とすることが可能なように、構成すれば良い。
【0086】
・第12変形例:
図17は、第12変形例におけるインク中継カートリッジとプリンタの電気的な構成を示す図である。第12変形例におけるプリンタ50dの構成および動作は、第11変形例と同様であるので、その説明を省略する。図17に示す第12変形例のインク中継カートリッジ100eにおいて、第11実施例のインク中継カートリッジ100dの電気的構成(図7)と異なる構成については符号の末尾に「e」を付し、同一の構成については図16と同一の符号を付した。第12変形例のインク中継カートリッジ100eが第11実施例のインク中継カートリッジ100dと異なる点は、インク中継カートリッジ100eはリセットボタン120、第1のスイッチSWa、SWbを有していない点と、第1のスイッチSWaに代えて、制御部130eの制御によって動作するスイッチSWeを備える点である。スイッチSWeは、第1のセンサ駆動用端子SNとセンサ150の圧電素子の一方の電極板との間に配置されており、第1のセンサ駆動用端子SNとセンサ150の圧電素子の一方の電極板との間を導通状態と非導通状態に切り換え可能である。
【0087】
制御部130eは、通常は、スイッチSWeをオン状態に制御している。制御部130eは、所定の条件が満たされたとき、例えば、メモリ140に記録されたインク残量情報が規定値以下になった場合に、スイッチSWeをオフ状態にして、メモリ140に記録されたインク残量情報を初期値に書き換える。制御部130eは、インク残量情報を初期値に書き換えた後に、スイッチSWeをオン状態に戻す。すなわち、制御部130eは、所定の条件が満たされたときに、第1のセンサ駆動用端子SNをハイインピーダンス状態(フローティング状態)にし、第1のセンサ駆動用端子SNをハイインピーダンス状態(フローティング状態)に維持している間に、メモリ140の書き換えを行う。以上説明した第12変形例は、第2実施例と同様の作用・効果を奏する。
【0088】
第12変形例におけてスイッチSWeは、第2のセンサ駆動用端子SPとセンサ150との間に配置されても良いし、第2のセンサ駆動用端子SPとセンサ150との間と、第1のセンサ駆動用端子SNとセンサ150との間の両方にそれぞれ配置されても良い。
【0089】
以上の説明から解るように、第11変形例および第12変形例において、センサ駆動用端子SNおよび第2のセンサ駆動用端子SPが請求項における判定用端子に対応する。
【0090】
・第13変形例:
上記第4実施例において、制御部130cは、第1のカートリッジアウト端子COAを、接地端子VSSから切り離し、ハイインピーダンス状態とすることで、非装着状態をプリンタ20に認識させているが、これに代えて、制御部130cは第1のカートリッジアウト端子COAに対してHレベルの信号を入力することによって、非装着状態をプリンタ20に認識させても良い。例えば、制御部130cは、ドライバを用いて、Hレベルの電圧を第1のカートリッジアウト端子COAに対してHレベルの信号を入力することによって、非装着状態をプリンタ20に認識させても良い。また、上記第4実施例のように、第1のセンサ駆動用端子SNおよび第2のセンサ駆動用端子SPが制御部130cに接続されている構成において、上記第11変形例のように、第1のセンサ駆動用端子SNおよび第2のセンサ駆動用端子SPを介してインク中継カートリッジの装着の有無を判定する場合を考える。その場合、制御部130cは、第1のセンサ駆動用端子SNを介してパルス信号を受け付けた場合に制御部130cにおいて生成したパルス信号を第2のセンサ駆動用端子SPから出力することによって装着状態をプリンタに判定させると共に、第1のセンサ駆動用端子SNを介してパルス信号を受け付けた場合にLレベルの信号を第2のセンサ駆動用端子SPから出力することによって非装着状態をプリンタに判定させても良い。一般的に言えば、プリンタがインク中継カートリッジの装着の有無を判定するための判定用端子に、インク中継カートリッジの非装着を示す信号を、インク中継カートリッジ側から入力することによって、非装着状態をプリンタに判定させても良い。
【0091】
・第14変形例:
上記実施例では、チューブ210は、インク中継カートリッジ100に接続されており、インク容器200内のインク5は、チューブ210とインク中継カートリッジ100内のインク流路105とを介して、印刷ヘッドユニット60に供給されているが、これに限られない。図18は、第14変形例におけるインク供給システムの概要を示す図である。第14変形例におけるインク供給システムでは、チューブ210は、印刷ヘッドユニット60に直接に接続されている。そして、チューブ210とは別に、第2実施例における基板110a(図9)が搭載されたアタッチメント100fがホルダ65に装着される。アタッチメント100fは、係止部106によって、ホルダ65に固定され、アタッチメント100fの基板110aは、第2実施例と同様に、プリンタ側端子55を介してサブ制御部50と電気的に接続される。アタッチメント100fに搭載された基板110aのメモリ140a、制御部130a、リセットボタン120の動作は、第2実施例と同様(図10)であるので説明を省略する。
【0092】
このように、基板110aを搭載した装置は、必ずしもチューブ210と印刷ヘッドユニット60との間を中継する必要はなく、インク5を収容するインク容器200に接続されたチューブ210を介してインク5をプリンタ20に供給する際にプリンタ20に装着される装着装置で有ればよい。すなわち、上記実施例のようなインク中継カートリッジ100でも良く、本変形例のようなアタッチメント100fであっても良い。
【0093】
以上、本発明の実施例および変形例について説明したが、本発明はこれらの実施例および変形例になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様での実施が可能である。
【符号の説明】
【0094】
5…インク、20…プリンタ、22…モータ、26…プラテン、30…キャリッジ、32…キャリッジモータ、34…摺動軸、36…駆動ベルト、38…プーリ、40…主制御回路、50…サブ制御部、51…カートリッジ認識部、52…メモリアクセス部、53…センサアクセス部、60…印刷ヘッドユニット、61…凹部、65…ホルダ、70…操作部、80…コネクタ、90…コンピュータ、100、100a、100b、100c…インク中継カートリッジ、101…本体、102…インク供給部、103…フィルム、104…係合レバー、105…インク流路、110…基板、111…端子、120…リセットボタン、120a…リセットボタン、120b…リセットボタン、121〜124…配線、130、130a、130b、130c…制御部、140、140a、140b、140c…メモリ、150…センサ、200…インク容器、205…大気開放孔、210…チューブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容する液体容器に接続された液体供給管を介して前記液体容器に収容された液体を液体噴射装置に供給する際に前記液体噴射装置に装着される装着装置であって、
前記装着装置が前記液体噴射装置に装着されている装着状態において前記装着状態を前記液体噴射装置に判定させることと、前記装着状態において前記装着装置が前記液体噴射装置に装着されていない非装着状態を前記液体噴射装置に判定させることが可能な装着状態通知部を備える、装着装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装着装置は、さらに、
前記装着状態において、前記液体噴射装置が前記液体に関する液体情報を読み書きするためのメモリと、
前記液体噴射装置による読み書きとは無関係に、前記メモリ上の前記液体情報を変更する情報変更部と、
を備え、
前記情報変更部が前記液体情報の変更を行っているときに、前記装着状態通知部は、前記非装着状態を前記液体噴射装置に判定させる、装着装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装着装置は、さらに、
前記装着状態において、前記液体噴射装置が前記液体に関する液体情報を読み書きするためのメモリと、
前記装着状態通知部が、前記非装着状態を前記液体噴射装置に判定させているときに、前記メモリ上の前記液体情報を変更する情報変更部と、
を備える、装着装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の装着装置は、さらに、
前記装着状態において、前記液体噴射装置に電気的に接続されると共に、前記液体噴射装置によって前記装着状態か否かの判定に用いられる判定用端子を備え、
前記装着状態通知部は、前記判定用端子をハイインピーダンス状態にすることによって、前記非装着状態を前記液体噴射装置に判定させる、装着装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装着装置において、
前記判定用端子は、前記液体噴射装置から前記装着状態か否かの判定のための入力信号を受ける入力端子と、前記入力信号に応じて前記装着状態を示す応答信号を出力する出力端子とを含み、
前記装着状態通知部は、前記入力端子および前記出力端子の少なくとも一方をハイインピーダンス状態にすることによって、前記非装着状態を前記液体噴射装置に判定させる、装着装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の装着装置は、さらに、
前記装着状態において、前記液体噴射装置に電気的に接続されると共に、前記液体噴射装置によって前記装着状態か否かの判定に用いられる判定用端子を備え、
前記装着状態通知部は、前記判定用端子を介して前記非装着状態を示す信号を出力することによって、前記非装着状態を前記液体噴射装置に判定させる、装着装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装着装置において、
前記判定用端子は、前記液体噴射装置から前記装着状態か否かの判定のための入力信号を受ける入力端子と、前記入力信号に応じて前記装着状態を示す応答信号を出力する出力端子とを含み、
前記装着状態通知部は、前記出力端子から前記応答信号に代えて前記非装着状態を示す信号を出力することによって、前記非装着状態を前記液体噴射装置に判定させる、装着装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の装着装置は、さらに、
前記装着状態において、前記液体噴射装置に電気的に接続される第1の端子を備え、
前記第1の端子の電位が所定電位か否かにより、前記装着状態か前記非装着状態かを判定させる、液体容器。
【請求項9】
請求項8に記載の装着装置は、さらに、
前記装着状態において、前記所定電位が供給される第2の端子を備え、
前記装着状態通知部は、前記第1の端子と前記第2の端子との間を導通状態と非導通状態とに切り換える第1の切換部である、装着装置。
【請求項10】
請求項2または請求項3に記載の装着装置は、さらに、
利用者の操作を受け付けるための操作受付部と、
前記情報変更部は、前記利用者の操作が受け付けられた場合に前記液体情報を変更する装着装置。
【請求項11】
請求項2または請求項3に記載の装着装置において、
前記情報変更部は、前記液体情報の値が所定の条件を満たした場合に前記液体情報を変更する装着装置。
【請求項12】
請求項2または請求項3に記載の装着装置において、
前記情報変更部は、前記液体噴射装置による前記メモリ上の前記液体情報の更新回数が所定回数を超えた場合に、前記液体情報を変更する装着装置。
【請求項13】
請求項2または請求項3に記載の装着装置において、
前記液体情報は、前記液体の消費量を特定するための消費情報を含む、装着装置。
【請求項14】
請求項2または請求項3に記載の装着装置は、さらに、
前記装着状態において、前記メモリと前記液体噴射装置とを電気的に接続するためのメモリ端子と、
前記メモリと前記メモリ端子との間を導通状態と非導通状態とに切り換える第2の切換部と、
を備え、
前記情報変更部が前記液体情報を変更しているときに、前記第2の切換部は、前記メモリと前記メモリ端子との間を非導通状態とする、装着装置。
【請求項15】
請求項1に記載の装着装置は、さらに、
前記装着状態において、前記液体噴射装置が前記液体に関する液体情報を読み書きするためのメモリと、
前記液体噴射装置による読み書きとは無関係に、前記メモリ上の前記液体情報を変更する情報変更部と、
を備え、
前記情報変更部が前記液体情報の変更を行っている期間を含む所定の期間において、前記装着状態通知部は、前記非装着状態を前記液体噴射装置に認識させる、装着装置。
【請求項16】
請求項9に記載の装着装置は、さらに、
前記装着装置の一方の側に配置され、前記液体噴射装置に前記液体を供給するための供給孔を備え、
前記操作受付部は、前記装着装置の前記一方の側の反対側に設けられている、装着装置。
【請求項17】
液体を収容する液体容器に接続された液体供給管を介して前記液体容器に収容された液体を液体噴射装置に供給する際に前記液体噴射装置に装着される装着装置に搭載するための基板であって、
前記装着装置が前記液体噴射装置に装着されている装着状態において前記装着状態を前記液体噴射装置に判定させることと、前記装着状態において前記装着装置が前記液体噴射装置に装着されていない非装着状態を前記液体噴射装置に判定させることが可能な装着状態通知部を備える、基板。
【請求項18】
液体を収容する液体容器に接続された液体供給管を介して前記液体容器に収容された液体を液体噴射装置に供給する際に前記液体噴射装置に装着される装着装置のメモリに記録された前記液体に関する液体情報を変更する方法であって、(a)前記装着状態において、前記装着装置が前記液体噴射装置に装着されていない非装着状態を前記液体噴射装置に判定させる工程と、(b)前記液体噴射装置が前記非装着状態を認識している間に、前記メモリ上の前記液体情報を、前記液体噴射装置とは無関係に変更する工程と、(c)前記工程(b)の後に、前記装着状態を前記液体噴射装置に判定させる工程と、
を備える方法。
【請求項19】
液体を収容する液体容器に接続された液体供給管を介して前記液体容器に収容された液体を液体噴射装置に供給する際に前記液体噴射装置に装着される装着装置であって、
メモリと、
前記メモリを制御する制御部と、
前記装着装置が前記液体噴射装置に装着された装着状態において、前記液体噴射装置に電気的に接続され、前記液体噴射装置によって前記装着状態か否かの判定に用いられる判定用端子を備え、
前記制御部は、所定の条件を満たした場合に、前記判定用端子をハイインピーダンス状態にすると共に、前記メモリに記憶されたデータを書き換える、装着装置。
【請求項20】
液体を収容する液体容器に接続された液体供給管を介して前記液体容器に収容された液体を液体噴射装置に供給する際に前記液体噴射装置に装着される装着装置であって、
メモリと、
前記メモリを制御する制御部と、
利用者の操作を受け付けるための操作受付部と、
前記液体容器が前記液体噴射装置に装着された装着状態において、前記液体噴射装置に電気的に接続され、前記液体噴射装置によって前記装着状態か否かの判定に用いられる判定用端子を備え、
前記制御部は、前記利用者の操作が受け付けられた場合に、前記判定用端子をハイインピーダンス状態にすると共に、前記メモリに記憶されたデータを書き換える、装着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−32015(P2013−32015A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−222832(P2012−222832)
【出願日】平成24年10月5日(2012.10.5)
【分割の表示】特願2009−53449(P2009−53449)の分割
【原出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】