説明

装置、システム、方法、記録媒体、画像処理装置及び画像処理方法

【課題】文書全体の印刷(バリアブルページと非バリアブルページの両印刷)とバリアブルページのみの印刷を簡易に実現可能な印刷システムを提供することにある。
【解決手段】文書に対応する文書データと、バリアブルページ情報を作成する手段と、文書データとバリアブルページ情報を関連付けて登録する手段と、文書データの印刷とバリアブルページの印刷とを実行可能な手段を備える。登録する手段は、文書内のバリアブルページの印刷の指示を受け付けた場合に、文書に対応する文書データに関連付けられたバリアブルページ情報を解析し、文書内のバリアブルページのデータを印刷手段に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書データを印刷するための印刷システム及び印刷方法に関し、より詳細には、文書データの特性に応じて文書データの全部又は一部を選択的に印刷する印刷装置、印刷システム及び印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multifunction Peripheral)等の印刷装置が、LAN等のネットワークを介して、パーソナルコンピュータから文書データを受け取り、それを印刷する形態の印刷システムが存在する。また、文書登録サーバに予め登録されている複数の文書データの中から、ユーザが印刷する文書データを選択する一方、印刷装置が、ユーザが選択した文書データを文書登録サーバから受け取り印刷する形態の印刷システムも存在する。
【0003】
これらの印刷システムを用いて文書の印刷を行うにあたり、ユーザにとっては、文書の全ページの印刷を望む場合と、文書の中の特定のページのみの印刷を望む場合とがある。また、同じ文書を印刷する場合であっても、その文書の用途に応じて、文書の印刷体裁(カラー製本印刷、モノクロ2UP印刷等)の変更を望む場合もある。
【0004】
文書の中の特定ページのみを印刷する方法としては、ユーザがその特定ページのページ番号を指定して印刷するという技術(従来技術1)が一般的には知られている。
【0005】
また、文書データ登録時に特定の文字データ又は特定の画像データを印刷対象のページに付加しておき、印刷時にそれらのデータが検出されたページのみを印刷するという技術(従来技術2)が特許文献1に開示されている。この技術によれば、ユーザは印刷する度にページ番号の指定を行わなくてもすむため、ユーザは必要なページだけを簡単にかつ素早く印刷することができる。
【0006】
また、同じ文書を用途に応じて異なる印刷体裁で印刷する場合や、必要なページだけを印刷する場合に、ジョブチケットを複数種保持しておくか、もしくは、文書自体を複数種作成し、文書登録サーバに登録しておく技術(従来技術3)も知られている。尚、ジョブチケットとは、例えば、両面印刷、製本印刷等の印刷設定情報が記述された文書のことである。
【0007】
一方、帳票文書の一種である請求書を自動的に生成する技術(従来技術4)も知られている。例えば、請求書のフォームファイル(帳票のレイアウトや固定データを示す帳票テンプレート)とフィールドデータとをライブラリを用いて合成し、請求書の出力フォームを作成する技術が知られている(図28参照)。この技術によれば、請求書のフォームファイル内の所定のフィールド図形にフィールドデータ(例えば、顧客毎に異なる金額や名前等)を挿入して印刷用の請求書を生成することができる。
【0008】
【特許文献1】特開平06−180662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した通り、帳票文書等の書類の印刷において、ユーザは書類のすべてのページの印刷を望む場合と、ある特定のページのみの印刷を望む場合とがある。保険外交員による保険の営業を例として挙げると、通常、保険外交員は、顧客と打ち合わせするにあたり、見積書を2部準備する。1部は顧客用であり、もう1部は本人用である。しかしこの2部の見積書は必ずしも同じ印刷体裁のものである必要はない。例えば、保険の約款や注意事項等の一般的内容が記載されたページは顧客用の見積書には含まれている必要があるが、本人用の見積書に不要である。なぜなら、保険の専門家である保険外交員は一般的内容を熟知しているためそのようなページを読む必要がないからである。つまり、保険外交員用にとっては、一般的内容が記載されたページは不要であり、氏名、契約内容、見積もり内容等の顧客情報が記載されたページのみが含まれた書類で足りる。以降の説明においては、顧客情報等が記載されたページを「バリアブルページ」と称し、一般的内容が記載されたページを「非バリアブルページ」と称す。
【0010】
また、顧客用の見積書は製本され、かつ、カラー表現された見栄えが良いものにするのが効果的であるが、本人用の見積書は、簡易印刷(例えばモノクロ印刷、未製本)されたもので足り、また、その方が印刷コストを抑えることができるため望ましい。また、保険外交員用の見積書は、保険外交員がその日に回る複数の顧客の顧客用見積書から、バリアブルページのみを抜き出し、それらを1つにまとめたものであるのが望ましい(図24〜図27参照)。
【0011】
ところが、上述の従来技術を用いて顧客用見積書の印刷(バリアブルページと非バリアブルページの両方の印刷)と保険外交員用見積書の印刷(バリアブルページのみの印刷)を行う場合、以下に挙げる課題がある。
【0012】
従来技術1では、1つの文書の中から不連続の一部のページのみを印刷する際、ユーザは、その文書全体をディスプレイに一旦表示させてから当該一部のページをページ単位で指定しなければならないため効率が悪く、ユーザへの負担も大きい。
【0013】
従来技術2では、文書データ登録時に、印刷予定のページに付加される特定文字データや特定画像データを予め設定する必要があり、ユーザへの負担が大きい。
【0014】
従来技術3では、ジョブチケット(印刷設定情報)や印刷文書自体を複数作成・保持しなくてはならず、ユーザへの負担が大きく、かつ、処理すべきデータ量が著しく増大する。
【0015】
従来技術4では、フォームファイルとフィールドデータから作成した帳票文書はPDFなどの汎用ファイルフォーマットであるため、作成後の帳票文書の中のどのデータがフィールドデータであったかを認識することができない。つまり、顧客用見積書と外交員用見積書には同じバリアブルページが含まれるが、従来技術4では、どのページがバリアブルページであるかを認識できない。したがって、同じバリアブルページに関して、プリンタが解釈可能なプリンタコードへ変換する処理を2回しなければならないことになる。これは印刷パフォーマンスを低下させる。
【0016】
そこで、本発明の目的は、文書全体の印刷(バリアブルページと非バリアブルページの両印刷)とバリアブルページのみの印刷を簡易に実現可能な印刷システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の印刷装置は、文書内のバリアブルページの印刷の指示を入力する入力手段と、バリアブルページの印刷の指示が入力された場合に、当該文書内のバリアブルページのデータを印刷する印刷手段を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の印刷システムは、文書に対応する文書データと、文書に含まれるページがバリアブルページか否かをページ単位に示すバリアブルページ情報を作成する文書作成手段と、文書データとバリアブルページ情報を関連付けて登録する文書登録手段と、文書データの印刷とバリアブルページの印刷とを実行可能な印刷手段を備え、文書登録手段は、文書内のバリアブルページの印刷の指示を受け付けた場合に、文書に対応する文書データに関連付けられたバリアブルページ情報を解析し、文書内のバリアブルページのデータを印刷手段に送信することを特徴とする。
【0019】
本発明の印刷方法は、文書作成手段と文書登録手段と印刷手段とを備えた印刷システムで用いる印刷方法であって、文書作成手段が、文書に対応する文書データと、文書に含まれるページがバリアブルページか否かをページ単位に示すバリアブルページ情報を作成するステップと、文書登録手段が、文書データとバリアブルページ情報を関連付けて登録し、文書内のバリアブルページの印刷の指示を受け付けた場合に、文書に対応する文書データに関連付けられたバリアブルページ情報を解析し、文書内のバリアブルページのデータを印刷手段に送信するステップと、印刷手段が、文書データの印刷とバリアブルページの印刷のいずれか一方又は両方を行うステップを含むことを特徴とする。
【0020】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータに、上記記載の方法を実行させるためのプログラムを記録することを特徴とする。
【0021】
本発明のプログラムは、コンピュータに、上記記載の方法を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、バリアブルページのみの印刷(例えば、保険外交員用文書の印刷)を簡易に実行できる。
【0023】
本発明によれば、文書全体の印刷と、バリアブルページのみの印刷の両方を行う場合、予め複数種類のデータを作成する必要がないためユーザへの負担が少ない。
【0024】
本発明によれば、文書全体の印刷後にバリアブルページのみを印刷する場合、印刷装置が、文書全体の印刷処理の過程でバリアブルページをメモリに一時保存するため、文書全体の印刷後に、バリアブルページのみの印刷を高速に実行できる。
【0025】
本発明によれば、バリアブルページのみを印刷する場合、バリアブルページのデータのみを印刷装置に送信するため通信路の伝送負荷を軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0027】
〈印刷システムの構成例〉
図1は、本実施形態に係る印刷システムの構成例の概略を示すブロック図である。
【0028】
印刷システムは、文書作成・登録クライアント102、文書提供システムサーバ103、印刷装置104、管理クライアント105を備える。文書作成・登録クライアント102、文書提供システムサーバ103、管理クライアント105は情報処理装置であり、アプリケーションプログラム等の各種のプログラムを実行可能である。また、印刷装置104も情報処理機能を有し、アプリケーションプログラム等の各種のプログラムを実行可能である。文書登録クライアントコンピュータ102、文書提供システムサーバ103、印刷装置104、管理クライアント105は、LAN、WAN、インターネット等のネットワーク101を介して接続され、相互に通信可能である。
【0029】
印刷装置104は、ネットワーク101を介して、各情報処理装置から電子文書、PDLコード化された印刷データ、ジョブチケット(印刷設定情報)を受け取り、内蔵するメモリに記憶する。印刷データとは、文字コード、イメージ、制御コード等からなる印刷情報である。次いで、印刷装置104は、メモリから印刷データを読み出し、印刷データに従って文字パターンや印刷画像等を作成し、用紙に印刷する。
【0030】
尚、本実施形態では、印刷装置104が情報処理機能を有さない場合に、情報処理機能を有する印刷制御コンピュータ(図示せず)を更に設けてもよい。その場合、印刷制御コンピュータは、ユーザからの文書印刷指示の受付け、文書提供システムサーバ103との通信、印刷装置104に対する制御を行う。
【0031】
文書提供システムサーバ103は、ユーザ情報、文書情報、印刷装置情報を管理するための情報処理装置である。文書情報とは、例えば、文書作成者、文書ID、文書名、ジョブチケットであり、他の装置から参照可能な情報である。文書提供システムサーバ103は、文書データ作成用のアプリケーションプログラムも搭載する。また、文書提供システムサーバ103は、Webサーバ機能を有してもよい。その場合、文書作成・登録クライアント102又は管理クライアント105は、Webブラウザ機能を使用して文書提供システムサーバ103にアクセスできる。尚、文書作成・登録クライアント102、印刷装置104、管理クライアント105が、TCP/IPやHTTPなどの通信プロトコルを使用して、各装置が搭載する専用アプリケーションから文書提供システムサーバ103へアクセスする構成であってもよい。
【0032】
文書作成・登録クライアント102は、帳票文書等の印刷対象文書を作成し、文書提供システムサーバ103に登録するための情報処理装置である。ユーザは、印刷対象文書を文書作成・登録クライアント102を用いて作成する。次いで、文書作成・登録クライアント102は、ネットワーク101を介して、印刷対象文書の文書情報や文書ファイルを文書提供システムサーバ103に登録する。
【0033】
ユーザは、印刷装置104のオペレーションパネルを操作して、文書提供システムサーバ103に登録されている文書情報を参照し、必要なデータを文書提供システムサーバ103から印刷装置104にダウンロードして印刷作業を行う。
【0034】
管理クライアント105は、印刷システム全体のジョブの管理を行う情報処理装置である。
【0035】
図2は、上記の各装置の構成例の詳細を示すブロック図である。
【0036】
文書作成・登録クライアント102は、帳票データ管理部1021、帳票作成部1022、Webブラウザ1023を備える。
【0037】
帳票データ管理部1021は、帳票を作成するための帳票テンプレートやフィールドデータを保存、管理する。帳票作成部1022は、帳票データ管理部1021で管理されている帳票テンプレートやフィールドデータを利用して、各種の帳票とバリアブルページ情報を作成する。Webブラウザ1023は、文書作成・登録クライアント102上で動作するWebブラウザである。尚、バリアブルページ情報の詳細については後述する。
【0038】
文書提供システムサーバ103は、クライアント側I/F部1031、文書情報管理部1032、ユーザ管理部1034、印刷装置側I/F部1035、送信データ作成部1036を備える。クライアント側I/F部1031は、文書提供システムサーバ103との間の通信を処理するインターフェース部である。クライアント側I/F部1031は、Webサーバの機能を有し、文書作成・登録クライアント102からのHTTP、HTTPSによる要求を受け付ける。文書情報管理部1032は、バリアブルページ情報と、ジョブチケットを含む文書情報と、文書ファイルとを組にして、ユーザIDと関連付けて保存、管理する。ユーザ管理部1034は、ユーザ情報や印刷装置情報を管理する。印刷装置側I/F1035は、印刷装置104との間の通信を処理するインターフェース部である。印刷装置側I/F部1035は、Webサーバの機能を有し、印刷装置104からのHTTP、HTTPSによる要求を受け付ける。送信データ作成部1036は、バリアブルページ情報を解析し、印刷装置104へ送る文書データの作成処理を行う。
【0039】
印刷装置104は、ネットワークI/F部1041、スキャナ1042、プリントエンジン1043、ジョブチケット・文書解析部1044を備える。さらに、印刷装置104は、印刷指示アプリケーション1045、RAM1046、画像メモリ1047、オペレーションパネル1048、FAX機能部1049を備える。
【0040】
ネットワークI/F部1041は、文書提供システムサーバ103との間の通信を処理するインターフェース部である。ジョブチケット・文書解析部1044は、スキャナ1042が読み込んだ画像データやネットワークI/F部1041から受け取った印刷ジョブ(文書ファイル、ジョブチケット、バリアブルページ情報等)の解析を行う。プリントエンジン1043は、ジョブチケット・文書解析部1044が解析した印刷ジョブをインクジェット方式やレーザビーム方式等により用紙に印刷する制御を行う。RAM1046は、印刷ジョブをその出力処理の際に一時記憶する揮発性メモリである。画像メモリ(HDD)1047は、印刷ジョブを記憶する。オペレーションパネル1048は、文書情報や文書ファイルの一覧をユーザに表示し、及び、印刷する文書ファイルの選択及び印刷実行指示といった各種指示をユーザから受け付けるユーザインターフェース機能を備える。
【0041】
印刷指示アプリケーション1045は、オペレーションパネル1048からの印刷指示にしたがい印刷の実行や、ネットワークI/F部1041を介して受け取った印刷ジョブの処理状況を管理する。また、スキャナ1042が読み取った画像データやFAX機能部1049が受け取った画像データの処理もジョブに含まれるため、印刷指示アプリケーション1045は、それらのジョブの処理状況も管理する。
【0042】
尚、ネットワークI/F1041と印刷装置側I/F1035の間の通信は、セキュリティ保護のため、暗号化(HTTPS・IPsec・PPTP・L2TP等)の処理を行うのが望ましい。
【0043】
管理クライアント105は、管理アプリケーション1051を備える。管理アプリケーション1501は、文書提供システムサーバ103内のユーザ管理部1034と共にユーザ管理を実行する。
【0044】
以上が、本実施形態に係わる印刷システムの構成に関する説明である。
【0045】
〈文書情報〉
次に、文書情報管理部1032が作成、管理する文書情報について詳細に説明する。
【0046】
図15は、文書情報管理部1032が保持する文書情報管理テーブルの一例を示す図である。
【0047】
文書情報管理テーブルには、文書ID、文書名、登録ユーザID、ジョブチケット、文書ファイル参照情報、バリアブルページ情報が登録され、それらは互いに関連付けられている。
【0048】
文書IDは、文書単位に割り当てられる識別子である。登録ユーザIDは、文書を登録したユーザに割り当てられる識別子である。文書ファイル参照情報は、文書情報と関連付けて管理される文書ファイルを参照するための情報である。バリアブルページ情報は、文書内の各ページがバリアブルページであるか否かを示す情報である。尚、本例は、文書ファイルを文書情報とは別に管理する構成であるが、文書情報内に文書ファイルを保持する構成であってもよい。また、バリアブルページ情報内にジョブチケットが含まれる構成であってもよい。
【0049】
〈バリアブルページ情報〉
図16は、帳票作成部1022が作成し、文書情報管理部1032が保持するバリアブルページ情報の一例を示す図である。
【0050】
バリアブルページ情報には、ページ毎にバリアブルページであるか否かを示すバリアブル・非バリアブルフィールドが含まれる。このバリアブルページ情報によれば、文書の2ページ目と4ページ目がバリアブルページであり、それ以外のページは非バリアブルページであることがわかる。
【0051】
〈ユーザ情報〉
図17は、ユーザ管理部1034が保持するユーザ情報管理テーブルの一例を示す図である。
【0052】
ユーザ情報管理テーブルには、ユーザを識別するためのユーザID、ログインID、ログインパスワード、ユーザ用ジョブチケットが登録され、それは互いに関連付けられている。ユーザ用ジョブチケットは、文書ファイルと関連付けて管理されているジョブチケットに記述された設定とは異なる設定で印刷したいときに用いられる。
【0053】
〈ジョブチケット〉
図19は、ジョブチケット・文書解析部1044が解析するジョブチケットの一例を示す図である。
【0054】
ジョブチケットは、SGMLやXML等のマークアップ言語を利用したテキストドキュメント形式をとる。ただし、本図で示したものは、本実施形態の説明に必要な部分のみを記述しており、SGMLやXML等の仕様に厳密に従ったものではない。以下、ジョブチケットの記述内容について説明する。
【0055】
本ジョブチケットは19行から成り立つ。ジョブチケットの1行目の<JobTicket>はジョブチケットの記述の開始を意味する。これに対応する表現として、ジョブチケットの19行目の</JobTicket>はジョブチケットの記述の終了を意味する。ジョブチケットの2行目から18行目までの記述は具体的な指示を表す。ジョブチケットの2行目の第二階層のタグに、印刷装置104が行うプロセス名が記述されている。ジョブチケット・文書解析部1044は、ジョブチケットの第二階層のタグから順に処理するよう印刷装置104を制御する。一方、ジョブチケットの第三階層のタグには、各処理の設定パラメータが記述される。例えば、ジョブチケットの3行目から5行目までは「印刷対象文書」を示す。印刷指示アプリケーション1045は、このパラメータに基づいて、印刷対象文書を特定する。ジョブチケットの6行目から8行目は印刷対象のページ番号、9行目から11行目は印刷用紙のサイズ、12行目から14行目は印刷方法(製本印刷、片面印刷、両面印刷等)、15行目から17行目はカラーモード(カラー、モノクロ)を表す。すなわち、このジョブチケットには、「Original.docというファイル名の文書の1ページ目から8ページ目を、A4紙にカラーで製本印刷する」という印刷設定情報が記述されている。
【0056】
図20は、バリアブルページ情報を含んだジョブチケットの一例を示す図である。
【0057】
本ジョブチケットにおいては、印刷対象ページを示すPrintPageがバリアブルページ情報を指すようにしている。それ以外の記述は図19で示したジョブチケットと同じである。
【0058】
〈フィールドデータ情報〉
図21は、帳票データ管理部1021が保持するフィールドデータ情報管理テーブルの一例を示す図である。
【0059】
フィールドデータ情報管理テーブルには、フィールドデータIDと、フィールドデータが登録され、それらは互いに関連付けられている。
【0060】
〈帳票〉
図22は、帳票データ管理部1021が管理する帳票テンプレートの一例を示す図である。帳票テンプレートは、図28に示すフォームファイルに相当する。
【0061】
帳票テンプレートは、可変のフィールドデータが挿入されるフィールド図形と、それ以外の固定データから構成される。各フィールド図形にはフィールドデータIDが付与される。
【0062】
図23は、帳票作成部1022が作成する帳票の一例を示す図である。
【0063】
帳票は、図22に示す帳票テンプレートのフィールド図形の領域に、フィールドIDに対応するフィールドデータが挿入されることにより生成される。すなわち、図22のフィールドID1、ID2、ID3、ID4、ID5の各領域に、「山田太郎」、「2000」、「14000」、「15200」、「下丸子花子」がそれぞれ挿入される。その結果、図23に示す帳票が生成される。
【0064】
〈ユーザ管理〉
次に、管理クライアント105によるユーザ管理について説明する。
【0065】
ユーザ管理を行うユーザは、管理クライアント105の管理アプリケーション1051を操作し、文書提供システムサーバ103のユーザ管理部1034にアクセスする。
【0066】
図18は、ユーザ管理用ダイアログボックスの一例を示す図である。
【0067】
ユーザ管理用ダイアログボックスには、現在登録されているユーザリストが表示される。リスト上のユーザを選択すると、そのユーザの詳細情報が更に別のダイアログボックスに表示され、各種設定を行うことができる。ユーザリストには、図17に示すユーザIDとログインIDが表示される。ユーザは、ユーザ追加、ユーザ削除等のボタンをクリックすることによりユーザの追加や削除を行う。
【0068】
ユーザ管理部1034は、ユーザ追加処理の際、ユーザID毎にログインパスワードを設定し、ユーザ毎にユーザ用ジョブチケットを生成し、それらを関連付けて管理する。
【0069】
なお、ユーザは、印刷装置104にログイン後に、印刷装置104のオペレーションパネル1048を介してユーザ用ジョブチケットを登録してもよい。
【0070】
〈帳票作成処理〉
次に、文書作成・登録クライアント102の帳票作成部1022による帳票作成処理について説明する。
【0071】
図8は、帳票作成部1022による帳票作成処理の流れを示すフローチャートである。
【0072】
帳票を作成するユーザは、文書作成・登録クライアント102を用いて、作成する帳票の帳票テンプレートとフィールドデータを指定し、帳票作成処理を開始する。
【0073】
S801において、帳票作成部1022は、ユーザが指定した帳票テンプレートを帳票データ管理部1021から読み込む。
【0074】
S802、S803において、帳票作成部1022は、帳票テンプレートの1ページ目にフィールド図形が存在するかどうかを判定し、フィールド図形が存在する場合には、S804の処理に進み、存在しない場合には、S807の処理に進む。
【0075】
S804において、帳票作成部1022は、フィールドデータを帳票データ管理部1021から読み込む。
【0076】
S805において、帳票作成部1022は、帳票テンプレートのフィールドIDのフィールドデータをフィールド図形の領域に挿入するオーバーレイ処理を実行することによって、1ページ目のページデータを作成する。
【0077】
S806において、帳票作成部1022は、1ページ目がバリアブルページであるかどうか判定する。例えば、ページ内にフィールドデータが1つでも存在した場合はバリアブルページと判定する。1ページ目がバリアブルページと判定した場合、帳票作成部1022は、文書作成・登録クライアント102内のメモリに1ページ目がバリアブルページであるという情報を一時記憶する。一方、1ページ目がバリアブルページでないと判定した場合、帳票作成部1022は、メモリに1ページ目が非バリアブルページであるという情報を一時記憶する。
【0078】
帳票作成部1022は、帳票の全ページに対してS803〜S806の処理を行い、その処理が完了するとS809の処理に進む。
【0079】
S809において、帳票作成部1022は、メモリに一時記憶していたページ毎の情報に基づいて図16に示すバリアブルページ情報を作成する。
【0080】
帳票データ管理部1021は、バリアブルページ情報と帳票文書とを関連付けて保存する。
【0081】
〈文書登録処理〉
次に、文書作成・登録クライアント102による文書登録処理について説明する。
【0082】
図3〜図7は、文書作成・登録クライアント102による文書登録処理の手順を説明するための図である。これらの図は、文書作成・登録クライアント102のWebブラウザ1023に表示される画面例であって、特に、ユーザに各種入力を促すメニュー画面等である。
【0083】
ユーザは、文書作成・登録クライアント102のWebブラウザ1023を起動し、文書提供システムサーバ103のクライアント側I/F部1031にアクセスする。ユーザが、クライアント側I/F部1031をアクセスすると、メニュー選択フォームが文書提供システムサーバ103から返され、Webブラウザ1023にメニュー画面が表示される。
【0084】
図3は、Webブラウザ1023に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
【0085】
メニューの中には、例えば、「新しい文書を登録する」と、「登録済みの文書リストを表示する」の2種類の選択肢が表示される。ここで、ユーザがメニューの中から「新しい文書を登録する」を選択すると、選択された情報がクライアント側I/F部1031へ送られる。続いて、クライアント側I/F部1031は、ログイン画面フォームを文書作成・登録クライアント102に返し、Webブラウザ1023には、ログイン画面が表示される。
【0086】
図4は、Webブラウザ1023に表示されるログイン画面の一例を示す図である。
【0087】
本画面上で、ユーザがログインIDとパスワードを入力し、「ログインする」ボタンをクリックすると、ログイン情報がクライアント側I/F部1031へ送られる。クライアント側I/F部1031は、受け取ったログイン情報をユーザ管理部1034に渡す。ユーザ管理部1034は、受け取ったログイン情報に基づきユーザ認証を行い、認証結果をクライアント側I/F部1031に返す。ユーザ認証を行った結果ユーザがシステムに登録されているユーザであることが確認されると、文書情報管理部1032は、登録文書指定フォームをWebブラウザ1023に返す。
【0088】
図5は、Webブラウザ1023に表示される登録文書指定画面の一例を示す図である。
【0089】
ユーザが、本画面内の空欄部に登録する予定の文書の文書ファイル名を指定し、「次へ進む」ボタンをクリックすると、指定された文書ファイルがクライアント側I/F部1031へ送られる。このとき、帳票データ管理部1021は、指定された文書ファイルと関連付けられて保存されているバリアブルページ情報(図16)も送る。
【0090】
クライアント側I/F部1031は、受け取った文書ファイル、バリアブルページ情報を文書情報管理部1032に送る。
【0091】
文書情報管理部1032は、受け取った文書ファイル、バリアブルページ情報をメモリに保存する。
【0092】
次に、クライアント側I/F部1031は、文書属性情報指定フォームをWebブラウザ1023に返す。
【0093】
図6は、Webブラウザ1023に表示される文書属性情報指定画面の一例を示す図である。
【0094】
本画面で、ユーザは、文書印刷時の印刷設定(文書属性情報)を指定する。印刷設定の内容としては、印刷サイズ(A3、A4等)、印刷面(片面/両面)、ページレイアウト、カラー/モノクロ印刷等がある。また、印刷設定として「印刷時の体裁変更を許可しない」を選択可能である。この場合、文書登録時に既に指定されている印刷体裁で印刷が行われる。また、文書のセキュリティ保護のために文書に対してパスワードを設定することも可能である。文書に対してパスワードが設定されると、文書は暗号化され文書提供システムサーバ103に保存される。当該暗号化された文書を印刷する場合には、ユーザはパスワードを入力し、正しいパスワードが入力された場合にのみ印刷が許可される。印刷装置104は、印刷する際に入力されたパスワードで文書を復号化し印刷処理を行う。
【0095】
ユーザが、印刷設定を指定し、「次へ進む」ボタンをクリックすると、指定された印刷設定がクライアント側I/F部1031へ送られる。
【0096】
クライアント側I/F部1031は、文書情報を作成し、ログイン中のユーザのユーザIDと共に文書情報管理部1032に送る。
【0097】
文書情報管理部1032は、文書を登録したユーザのユーザIDと、文書情報と、バリアブルページ情報と、文書ファイルとを関連付けて保存し、更に、文書IDを発行してクライアント側I/F部1031に返す。
【0098】
次に、クライアント側I/F部1031は、文書IDを含む文書ID通知フォームを作成し、Webブラウザ1023に返す。
【0099】
図7は、Webブラウザ1023に表示される文書ID通知画面の一例を示す図である。
【0100】
ユーザは、文書を印刷時に、文書ID通知画面に表示された文書IDを使用する。
【0101】
以上が、文書作成・登録クライアント102による文書登録処理の手順である。
【0102】
〈文書印刷処理〉
次に、印刷装置104と文書提供システムサーバ103による文書印刷処理の流れを説明する。
【0103】
ユーザは、印刷装置104のオペレーションパネル1048から印刷指示アプリケーション1045を起動して文書印刷要求を行う。
【0104】
印刷指示アプリケーション1045が起動すると、オペレーションパネル1048には、ログイン画面が表示される。
【0105】
図12は、オペレーションパネル1048に表示されるログイン画面の一例を示す図である。
【0106】
ユーザが、ログイン画面からユーザID(ユーザ名)とパスワードを入力すると、印刷指示アプリケーション1045は、文書提供システムサーバ103の印刷装置側I/F部1035にユーザIDとパスワードを送る。印刷装置側I/F部1035は、受け取ったユーザIDとパスワードを文書情報管理部1032に送る。
【0107】
文書情報管理部1032は、受け取ったユーザIDとパスワードをユーザ管理部1034に送り、ユーザ認証を要求する。ユーザ認証要求を受け取ったユーザ管理部1034は、ユーザIDに関連付けられたユーザ情報を検索し、印刷システムに登録されているユーザであること及びパスワードが正当であるかを認証する。ユーザ管理部1034は、ユーザIDとパスワードが正しければ、ログインしたユーザが正当なユーザと判断し、ログインを許可し、そうでなければ再度ログイン画面をオペレーションパネル1048に表示する。
【0108】
ログインしたユーザが正当なユーザであると判断すると、文書情報管理部1032は、登録済みの文書を検索し、文書リスト作成し、印刷装置側I/F部1035に送る。
【0109】
印刷装置側I/F部1035は、文書リストを印刷指示アプリケーション1045に送り、印刷指示アプリケーション1045は、オペレーションパネル1048に文書リストを表示する。
【0110】
図13は、オペレーションパネル1048に表示される文書リストのダイアログボックスの一例を示す図である。
【0111】
文書リストには、登録されている文書のファイル名と入稿日(登録日)が含まれる。
【0112】
ユーザは、文書リストに対して印刷する文書のファイル名を指定する。尚、ユーザは、同時に複数文書を指定してもよい。また、ユーザは「詳細情報」のボタンをクリックすることにより、別のダイアログボックスに各文書の詳細情報を表示させることもできる。
【0113】
本ダイアログボックスにおいて、文書ファイルを指定後、「次へ」ボタンをクリックすると、印刷指示アプリケーション1045は、オペレーションパネル1048に印刷モード選択ダイアログボックスを表示する。
【0114】
図14は、オペレーションパネル1048に表示される印刷モード選択ダイアログボックスの一例を示す図である。
【0115】
印刷モードとしては、「通常印刷」、「バリアブルページ印刷」、「通常印刷+バリアブルページ印刷」の3つがある。「通常印刷」とは、例えば顧客向け文書を印刷するモードである。「バリアブルページ印刷」とは、例えば保険外交員向け文書を印刷するモードである。「通常印刷+バリアブルページ印刷」とは、例えば、顧客向け文書及び保険外交員向け文書を印刷するモードである。
【0116】
ユーザが印刷モードを選択して「プリント開始」ボタンをクリックすると、印刷指示アプリケーション1045は、印刷装置側I/F部1035に文書IDを指定して文書ファイル取得要求を送る。文書ファイル取得要求を受けた印刷装置側I/F部1035は、文書情報管理部1032に文書ファイル取得要求を送る。
【0117】
文書情報管理部1032は、指定された文書IDに関連付けられた文書の文書情報を検索し、文書情報より登録ユーザIDを取得し、ユーザ管理部1034に送る。ユーザ管理部1034は、登録ユーザIDと現在ログインしているユーザIDを比較し、一致すれば印刷を開始する。
【0118】
図9は、印刷装置104と文書提供システムサーバ103による文書印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【0119】
S901において、印刷指示アプリケーション1045は、ユーザがオペレーションパネル1048上で選択した印刷モードを文書情報管理部1032に送る。
【0120】
S902において、文書情報管理部1032は、印刷モードが「バリアブルページ印刷」あるいは「通常印刷+バリアブルページ印刷」であるかどうか判定する。「バリアブルページ印刷」あるいは「通常印刷+バリアブルページ印刷」であればS903の処理に進み、そうでなければS904の処理に進む。
【0121】
S903において、送信データ作成部1036は,文書の中からバリアブルページのみを抽出し、印刷装置104へ送る文書データを作成する。
【0122】
図10は、S903の処理の流れを詳細に示すフローチャートである。
【0123】
S1001において、送信データ作成部1036は、文書に関するバリアブルページ情報(図16)の内容を文書情報管理部1032から読み出す。
【0124】
S1002〜S1004において、送信データ作成部1036は、バリアブルページ情報のバリアブル・非バリアブルデータフィールドを参照して1ページ目がバリアブルページであるか否かを判定する。1ページ目がバリアブルページであれば、1ページ目を印刷装置104へ送る送信データとして設定する。
【0125】
送信データ作成部1036は、文書の2ページ目以降のページに対して、上記と同じ処理を行う。
【0126】
S1006において、送信データ作成部1036は、文書の全ページに対してS1003〜S1004の処理を行ったか否かを判定する。
【0127】
S1007において、送信データ作成部1036は、ユーザが選択した全ての文書に対してS1003〜S1004の処理を行ったか否かを判定する。
【0128】
以上の処理により、送信データ作成部1036は、ユーザが選択した全ての文書に含まれるバリアブルページを送信データとして設定する。
【0129】
以上が、S903の処理の流れの詳細である。
【0130】
引き続いて、図9に戻って、印刷装置104と文書提供システムサーバ103による文書印刷処理の流れを説明する。
【0131】
S904において、文書情報管理部1032は、印刷モードが「バリアブルページ印刷」又は「通常印刷+バリアブルページ印刷」の場合、S1003で作成されたバリアブルページをジョブチケットを含む文書情報(図15)と共に印刷装置104に送る。また、印刷モードが「通常印刷」あるいは「通常印刷+バリアブルページ印刷」の場合には、ユーザが文書リスト(図13)上で選択した全ての文書ファイルを、ジョブチケットを含む文書情報と共に印刷装置104へ送る。
【0132】
このように、本実施形態では、印刷モードがバリアブルページ印刷の場合には、文書全体ではなく、バリアブルページのみを印刷装置104に送信するため、通信回線の伝送負荷を軽減できる。また、印刷モードがバリアブルページ印刷の場合、非バリアブルページを印刷しないため、印刷容量を削減することができる。
【0133】
S905において、印刷指示アプリケーション1045は、文書ファイルと文書情報を受け取る。
【0134】
S906において、印刷指示アプリケーション1045は、受け取った文書ファイルと文書情報を画像メモリ(HDD)1047に保存する。
【0135】
S907において、印刷指示アプリケーション1045は、印刷モードを判定し、印刷モードが「通常印刷+バリアブルページ印刷」であればS908の処理に進み、それ以外のモードであればS909の処理に進む。
【0136】
S908において、ジョブチケット・文書解析部1044は、文書情報に含まれるジョブチケットを解析し、文書の面付け情報等を用いて、文書全体をプリントエンジン1043が解釈可能なプリンタコードへ変換し、プリントエンジン1043に送る。プリンタコードを受け取ったプリントエンジン1043は、文書全体を用紙に印刷する制御を行う。それと並行して、ジョブチケット・文書解析部1044は、プリンタコードに変換されたバリアブルページのデータを画像メモリ(HDD)1047に保存する。
【0137】
図11は、S908の処理の流れを詳細に示すフローチャートである。
【0138】
S1101において、印刷指示アプリケーション1045は、ジョブチケット・文書解析部1044を制御して、選択された文書のバリアブルページ情報を読み込む。
【0139】
S1102、S1103において、印刷指示アプリケーション1045は、ジョブチケットを解析し文書の面付け情報等を用いて、文書の1ページ目をプリントエンジン1043が解釈可能なプリンタコードへ変換し、プリントエンジン1043に送る。プリンタコードを受け取ったプリントエンジン1043は、文書全体を用紙に印刷する制御を行う。
【0140】
S1104において、印刷指示アプリケーション1045は、1ページ目がバリアブルページであるか否かをバリアブルページ情報のバリアブル・非バリアブルデータフィールドを参照して判定する。そして、1ページ目がバリアブルページの場合には、S1105の処理に進み、非バリアブルページの場合には、S1106の処理に進む。
【0141】
S1105において、印刷指示アプリケーション1045は、プリンタコードに変換されたバリアブルページのデータを画像メモリ(HDD)1047に保存する。
【0142】
印刷指示アプリケーション1045は、文書の全ページに対してS1103〜S1105の処理を行う(S1107)。
【0143】
印刷指示アプリケーション1045は、ユーザが選択した全ての文書に対してS1103〜S1105の処理を行う(S1108)。
【0144】
以上の処理(S908)により、印刷指示アプリケーション1045は、文書全体を印刷すると共に、バリアブルページを画像メモリに保存する。
【0145】
以上が、S908の処理の流れの詳細である。
【0146】
引き続いて、図9に戻って、印刷装置104と文書提供システムサーバ103による文書印刷処理の流れを説明する。
【0147】
S909において、ジョブチケット・文書解析部1044は、ジョブチケットを解析し文書の面付け情報等を用いて、文書をプリントエンジン1043が解釈可能なプリンタコードへ変換し、プリントエンジン1043に送る。プリンタコードを受け取ったプリントエンジン1043は、文書全体を用紙に印刷する制御を行う。このとき、印刷モードが「通常印刷」の場合には、文書毎に用意されている文書情報内のジョブチケットを用いて印刷する。また、印刷モードが「バリアブルページ印刷」の場合には、ユーザ情報内のジョブチケットを用いて印刷する。
【0148】
印刷指示アプリケーション1045は、選択されたすべての文書に対してS907〜S909を行う(S910)。
【0149】
S911、S912において、印刷アプリケーション1045は、印刷モードが「通常印刷+バリアブル印刷」であれば、画像メモリ(HDD)1047に保存してあるバリアブルページのデータをユーザ情報内のジョブチケットを用いて印刷する。
【0150】
上述した実施形態は、文書作成・登録クライアント102の帳票作成部1022は、ページ内にフィールドデータ(バリアブルデータ)が1つでも存在した場合はバリアブルページと判定するものである。しかし、例えば、保険外交員の名前等のようにフィールドデータではあるが、そのフィールドデータのみしかないページをバリアブルページであると判定させたくない場合もある。そこで、図8に示すバリアブルページ判定処理(S806)において、図29に示すフィールドデータ情報を用いる。図29に示すフィールドデータ情報の各フィールドIDに対して、フィールドデータレベル(重要度)を予め設定しておき、そのフィールドデータレベルに基づきバリアブルページか否か判定する。例えば、ページ内のフィールドデータのフィールドデータレベルが”LOW”のものしかなかった場合、非バリアブルページであると判定する。
【0151】
(他の実施例)
本発明は、システム、装置、方法、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能な記録媒体の実施形態をとることができる。また、本発明は、複数の機器から構成されるシステム又は1つの装置に適用可能である。
【0152】
本発明の実施形態には、記録媒体又はネットワークを介して、前述した本発明の機能を実現するコンピュータプログラムをシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置が備えるコンピュータがそのプログラムを実行することが含まれる。記録媒体はコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。よって、実施例には、本発明の機能を実現するコンピュータプログラム自体も含まれる。コンピュータプログラムは、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等を含む。記録媒体は、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD等である。プログラムの供給方法としては、例えば、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットからハードディスク等の記録媒体にダウンロードする方法がある。この方法では、インターネットからコンピュータプログラムのファイル、又は、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをダウンロードする。また、実施形態には、コンピュータプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、各ファイルを異なるサーバからダウンロードすることが含まれる。また、実施形態には、コンピュータプログラムのファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるサーバも含まれる。
【0153】
コンピュータが、コンピュータプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現され得る。また、そのコンピュータプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行うことによっても、前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0154】
記録媒体から読み出されたコンピュータプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後においても前述した実施形態の機能が実現され得る。すなわち、コンピュータプログラムの指示に基づき、機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行うことによっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】本実施形態に係る印刷システムの構成例の概略を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る印刷システムが備える装置の構成例の詳細を示すブロック図である。
【図3】Webブラウザ1023に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
【図4】Webブラウザ1023に表示されるログイン画面の一例を示す図である。
【図5】Webブラウザ1023に表示される登録文書指定画面の一例を示す図である。
【図6】Webブラウザ1023に表示される文書属性情報指定画面の一例を示す図である。
【図7】Webブラウザ1023に表示される文書ID通知画面の一例を示す図である。
【図8】帳票作成部1022による帳票作成処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】印刷装置104と文書提供システムサーバ103による文書印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】図9のS903の処理の流れを詳細に示すフローチャートである。
【図11】図9のS908の処理の流れを詳細に示すフローチャートである。
【図12】オペレーションパネル1048に表示されるログイン画面の一例を示す図である。
【図13】オペレーションパネル1048に表示される文書リストのダイアログボックスの一例を示す図である。
【図14】オペレーションパネル1048に表示される印刷モード選択ダイアログボックスの一例を示す図である。
【図15】文書情報管理部1032が保持する文書情報管理テーブルの一例を示す図である。
【図16】帳票作成部1022が作成し、文書情報管理部1032が管理するバリアブルページ情報の一例を示す図である。
【図17】ユーザ管理部1034が保持するユーザ情報管理テーブルの一例を示す図である。
【図18】ユーザ管理用ダイアログボックスの一例を示す図である。
【図19】ジョブチケット・文書解析部1044が解析するジョブチケットの一例を示す図である。
【図20】バリアブルページ情報を含んだジョブチケットの一例を示す図である。
【図21】帳票データ管理部1021が保持するフィールドデータ情報管理テーブルの一例を示す図である。
【図22】帳票データ管理部1021が管理する帳票テンプレートの一例を示す図である。
【図23】帳票作成部1022が作成する帳票の一例を示す図である。
【図24】保険外交員用の見積書の一例を示す図である。
【図25】保険外交員用の見積書の一例を示す図である。
【図26】保険外交員用の見積書の一例を示す図である。
【図27】保険外交員用の見積書の一例を示す図である。
【図28】フォームファイルとフィールドデータから出力フォームを作成する方法を示した概念図である。
【図29】フィールドデータ情報を示す図である。
【符号の説明】
【0156】
101 LAN
102 文書作成・登録クライアント
103 文書提供システムサーバ
104 印刷装置
105 管理クライアント
1021 帳票データ管理部
1022 帳票作成部
1023 Webブラウザ
1031 クライアント側I/F部
1032 文書情報管理部
1034 ユーザ管理部
1035 印刷装置側I/F部
1036 送信データ作成部
1041 ネットワークI/F部
1042 スキャナ
1043 プリントエンジン
1044 ジョブチケット・文書解析部
1045 印刷指示アプリケーション
1046 RAM
1047 画像メモリ
1048 オペレーションパネル
1049 FAX機能部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書内のバリアブルページの印刷の指示を入力する入力手段と、
前記バリアブルページの印刷の指示が入力された場合に、当該文書内のバリアブルページのデータを印刷する印刷手段と
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
文書に対応する文書データと、当該文書に含まれるページがバリアブルページか否かをページ単位に示すバリアブルページ情報を作成する文書作成手段と、
前記文書データと前記バリアブルページ情報を関連付けて登録する文書登録手段と、
前記文書データの印刷と前記バリアブルページの印刷とを実行可能な印刷手段を備え、
前記文書登録手段は、
文書内のバリアブルページの印刷の指示を受け付けた場合に、当該文書に対応する文書データに関連付けられたバリアブルページ情報を解析し、当該文書内のバリアブルページのデータを前記印刷手段に送信することを特徴とする印刷システム。
【請求項3】
前記文書登録手段は、
文書全体の印刷の指示と前記文書内のバリアブルページの印刷の指示とを受け付けた場合に、当該文書に対応する文書データと、当該文書データに関連付けられたバリアブルページ情報を前記印刷手段に送信し、
前記印刷手段は、
前記バリアブルページ情報を解析することにより得られた前記文書内のバリアブルページのデータを保存するメモリを備え、前記文書データを印刷し、当該メモリから当該バリアブルページのデータを読み出し、印刷することを特徴とする請求項2記載の印刷システム。
【請求項4】
前記文書作成手段は、
ページ内にバリアブルデータが存在する場合に、当該ページをバリアブルページと判定することを特徴とする請求項2又は3に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記文書作成手段は、
ページ内のバリアブルデータに予め設定された重要度に基づき当該ページがバリアブルページか否かを判定することを特徴とする請求項2又は3に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記バリアブルページ情報は、ジョブチケットに含まれることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項7】
文書作成手段と文書登録手段と印刷手段とを備えた印刷システムで用いる印刷方法であって、
前記文書作成手段が、文書に対応する文書データと、当該文書に含まれるページがバリアブルページか否かをページ単位に示すバリアブルページ情報を作成するステップと、
前記文書登録手段が、前記文書データと前記バリアブルページ情報を関連付けて登録し、文書内のバリアブルページの印刷の指示を受け付けた場合に、当該文書に対応する文書データに関連付けられたバリアブルページ情報を解析し、当該文書内のバリアブルページのデータを前記印刷手段に送信するステップと、
前記印刷手段が、前記文書データの印刷と前記バリアブルページの印刷のいずれか一方又は両方を行うステップ
を含むことを特徴とする印刷方法。
【請求項8】
前記文書登録手段が、文書全体の印刷の指示と前記文書内のバリアブルページの印刷の指示とを受け付けた場合に、当該文書に対応する文書データと、当該文書データに関連付けられたバリアブルページ情報を前記印刷手段に送信するステップと、
前記印刷手段が、前記バリアブルページ情報を解析して前記文書内のバリアブルページのデータをメモリに保存し、前記文書データを印刷し、当該メモリから当該バリアブルページのデータを読み出し、印刷するステップ
を更に含むことを特徴とする請求項7記載の印刷方法。
【請求項9】
前記文書作成手段は、ページ内にバリアブルデータが存在する場合に、当該ページをバリアブルページと判定することを特徴とする請求項7又は8に記載の印刷方法。
【請求項10】
前記文書作成手段は、ページ内のバリアブルデータに予め設定された重要度に基づき当該ページがバリアブルページか否かを判定することを特徴とする請求項7又は8に記載の印刷方法。
【請求項11】
前記バリアブルページ情報は、ジョブチケットに含まれることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項12】
コンピュータに、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項13】
コンピュータに、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2009−116688(P2009−116688A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−289956(P2007−289956)
【出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】