説明

装飾用パネル

【課題】 光透過性基材に形成された装飾模様を可視領域の光を利用して任意の色で輝光表示を可能にし、かつ変化に富んだ見栄えの良い装飾用パネルを提供する。
【解決手段】 基材11の裏面11bに多数の微小反射部121を基材11の裏面11bに沿い連続して配列することで装飾模様12を構成する。多数の微小反射部121は三角屋根型の三次元形状を呈する凹状反射面121aで形成され、この凹状反射面121aで反射される光の輝度に1/fゆらぎの明暗を生じさせて装飾模様12に光の明暗を付け、さらに、多数の微小反射部121の凹状反射面121aと光学装飾膜との界面を透過して光学装飾膜13に入射する入射光のうち、光学装飾膜13の屈折率と膜厚で決定される特定の色の光を光学装飾膜13で分離して微小反射部121に向け反射させることにより、装飾模様12を上記光の明暗に合わせた濃淡色に着色する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用インストルメントパネルの装飾または家具の扉表面や引き出し用鏡板の装飾、携帯電話機本体の表面の装飾、電化製品の表面の装飾などに使用される装飾用パネルに関し、さらに詳しくは、光透過性基材に形成された装飾用の模様パターンを可視領域の色光を利用して任意の色で輝光表示できるようにした装飾用パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の装飾用パネル、例えば自動車用装飾パネルとして、乗用車の後部端のリアコンビネーションランプ間に装着されるガーニッシュが知られている(特許文献1参照)。
この種の装飾パネルは、アクリル等の透明な合成樹脂材からなるカバーと、このカバーを自動車の車体に取り付けるための取付基材とを備え、カバーの外表面は平滑な面に加工されているとともに取付基材と相対向する内表面には細かい凹凸模様(シボ)が形成されている。また、カバーの内表面と相対向する取付基材の表面には平面的に連続した凹球状の魚眼を形成し、さらに、この凹球状の魚眼にシルバーメタリック塗料を塗布してメタリック塗膜面を形成する。
【0003】
このような装飾パネルにおいては、カバーを透過した光はカバー内表面の細かい凹凸模様(シボ)により複雑に散乱され、この散乱光が取付基材のメタリック塗膜面に入射されると、凹球状の魚眼形状からくる凹面鏡の作用によって、その入射光の反射の乱れが集約された反射光となり、これにより、フレネルレンズの効果を出して、奥行きの深さを表現できる装飾パネルを提供できるようにしている。
【特許文献1】特開平4−78632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような従来の装飾パネルは、細かい凹凸模様を有するカバーと、このカバーと対向する表面に形成した凹球状の魚眼にシルバーメタリック塗料を塗布してなるメタリック塗膜面を有する取付基材とから構成されるものであるため、乗用車のガーニッシュなどには好適であるものの、車両用インストルメントパネルの装飾または家具の扉表面や引き出し用鏡板の装飾、携帯電話機本体の表面の装飾などに用いられる装飾パネルには不向きである。なぜならば、装飾パネルはカバーと取付基材とを空間を介して対向配置される構造であるため、装飾パネル自体が厚くなって薄型化できないほか、装飾パネルの構成部品点数が多くなり、コスト高になるという問題がある。
【0005】
また、従来の装飾パネルを構成する取付基材のメタリック塗膜面は凹球状の凹面鏡からなり、この凹面鏡でカバーの凹凸模様で散乱されて入射される光を集約された反射光、すなわち凹面鏡の大きさに応じた径のスポット光として反射するものであるため、このスポット状反射光の輝度はほとんど均一であるとともに、装飾パネルに対し視点を変えてもスポット光の輝度は変化しない。その結果、インストルメントパネルやドアートリムなどの自動車内装部品の装飾や電化製品などの装飾には変化が乏しく、かつ見栄えが低いという問題があった。
【0006】
本発明は上記のような従来の問題を解決するためになされたもので、光透過性基材に形成された装飾模様を可視領域の光を利用して任意の色で輝光表示できるとともに、変化に富んだ見栄えの良い光学的装飾を可能にし、併せて見る者の視覚に作用して、癒し、くつろぎ、または安らぎを与える光学的装飾効果を発揮できる装飾用パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために請求項1の発明は、装飾用パネルであって、光が入射される面と反対の面に装飾模様を有する透明な板状の基材と、前記基材の光入射面と反対の面及び前記装飾模様の少なくとも前記装飾模様上に形成された着色用の光学装飾膜とを備え、前記装飾模様は、前記光学装飾膜との界面である前記光入射側の面と反対の面に形成された多数の微小反射部を前記反対の面に沿い連続して配列することで構成され、前記多数の微小反射部は、前記基材に入射される入射光を反射または透過するとともに当該反射する光の輝度に1/fゆらぎの明暗を生じさせて前記装飾模様に光の明暗を付ける三次元形状の反射面で形成され、前記光学装飾膜は、前記多数の微小反射部の反射面と前記光学装飾膜との界面を透過して前記光学装飾膜に入射する入射光のうち、特定の色の光を前記微小反射部に向け反射することで前記装飾模様を前記光の明暗に合わせて着色表示するように構成したことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、装飾用パネルであって、一方の面に装飾模様を有する透明または不透明な板状の基材と、前記基材の一方の面及び前記装飾模様の少なくとも前記装飾模様上に形成された着色用の光学装飾膜とを備え、前記装飾模様は、前記光学装飾膜との界面である前記基材の一方の面に形成された多数の微小反射部を前記一方の面に沿い連続して配列することで構成され、前記多数の微小反射部は、前記光学装飾膜を透過して前記基材に入射される入射光を反射または透過するとともに当該反射する光の輝度に1/fゆらぎの明暗を生じさせて前記装飾模様に光の明暗を付ける三次元形状の反射面で形成され、前記光学装飾膜は、該光学装飾膜に入射される入射光のうち、特定の色の光を前記基材と反対の方向へ反射することで前記装飾模様を前記光の明暗に合わせて着色表示するように構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2記載の装飾用パネルにおいて、前記光学装飾膜は、低屈折の薄膜層と高屈折の薄膜層を交互に複数積層することで構成され、前記積層される薄膜層の屈折率と膜厚を変えることで特定の色の光を反射し、それ以外の色の光を透過するようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1または2記載の装飾用パネルにおいて、前記微小反射部は、前記記載の光入射側の面と反対の面もしくは前記基材の一方の面に該面に沿い連続して二次元方向に任意のピッチで形成された三角型、台形型、半球型、半楕円球型、波型等の凹状または凸状の三次元形状を呈することを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1記載の装飾用パネルにおいて、前記基材の光入射側である表面に、加飾用の模様パターンを有する半透明もしくは透明な加飾層が形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1または2項に記載の装飾用パネルにおいて、前記基材は有色透明な材質であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の装飾用パネルによれば、基材の光入射側の面と反対の面に多数の微小反射部を前記反対の面に沿い連続して配列することで装飾模様を構成し、そして、多数の微小反射部を三次元形状の反射面で形成することにより、この三次元形状の反射面で反射される光の輝度に1/fゆらぎの明暗を生じさせて装飾模様に光の明暗を付け、さらに、微小反射部の三次元形状の反射面と光学装飾膜との界面を透過して光学装飾膜に入射する入射光のうち、特定の色の光を光学装飾膜で微小反射部に向け反射することにより、装飾模様を上記光の明暗に合わせた濃淡色にカラー表示するようにしたので、基材に形成された装飾模様を可視領域の光を利用して任意の色で輝光表示させることができるとともに、装飾模様に1/fゆらぎによる変化に富んだ見栄えの良い光学的装飾を可能にし、併せて見る者の視覚に作用して、癒し、くつろぎ、または安らぎを与える光学的装飾効果を発揮できる。
【0014】
また、本発明の装飾用パネルによれば、透明または不透明な板状の基材の一方の面に多数の微小反射部を前記一方の面に沿い連続して配列することで装飾模様を構成し、そして、多数の微小反射部を三次元形状の反射面で形成することにより、この三次元形状の反射面で反射される光の輝度に1/fゆらぎの明暗を生じさせて装飾模様に光の明暗を付け、さらに、光学装飾膜に入射される入射光のうち、特定の色の光を基材と反対の方向へ反射することで装飾模様を上記光の明暗に合わせた濃淡色にカラー表示するようにしたので、基材に形成された装飾模様を可視領域の光を利用して任意の色で輝光表示させることができるとともに、装飾模様に1/fゆらぎによる変化に富んだ見栄えの良い光学的装飾を可能にし、併せて見る者の視覚に作用して、癒し、くつろぎ、または安らぎを与える光学的装飾効果を発揮できる。
【0015】
また、本発明の装飾用パネルによれば、基材の光入射側表面に、模様パターンを有する加飾層を形成したので、加飾層の模様パターンに微小反射部で生成された反射光による1/fゆらぎのランダムに変化する光の明暗を付加され、これにより、装飾模様に立体感を付与し、より見栄えの装飾用パネルを提供できる。
【0016】
また、本発明の装飾用パネルによれば、基材を有色透明な材質で成形することにより、装飾用パネルの見栄えを色彩の面から強調することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明にかかる装飾用パネルの実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明の装飾用パネルは、以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明にかかる実施の形態1を示す装飾用パネルの平面図、図2は図1の2−2線に沿う拡大断面図、図3は本実施の形態1における装飾用パネルの光学装飾膜を取り除いて微小反射部を基材の裏面側から見た時の一例を示す一部拡大斜視図、図4は図3の4−4線に沿う拡大断面図、図5は図3の5−5線に沿う拡大断面図、図6は本実施の形態1における装飾用パネルの微小反射部及び光学装飾膜の光に対する作用を模式的に示す断面図である。
【0018】
本実施の形態1に示す装飾用パネル10は、図1及び図2に示すように、アクリルやポリカーボネートなどの透明な合成樹脂材またはガラス等の透明材からなる一定厚さの板状の基材11を備える。この基材11の光入射側の面(表面)11aと反対の面である裏面11bには、例えばモルフォ蝶をデザイン化してなる装飾模様12が形成されており、さらに、この装飾模様12の表面を含む基材11の裏面11bには、装飾模様12を含む装飾用パネル10全体をカラー表示する光学装飾膜13が形成されている。
なお、装飾用パネル10の照明光15には、各種照明灯の光または太陽光等の自然光などが用いられる。
【0019】
前記装飾模様12は、図1及び図2に示すように、光学装飾膜13との界面である基材11の裏面11bに形成された多数の微小反射部121を基材11の裏面11bに沿い連続して配列することで構成される。この多数の微小反射部121は、基材11に入射される入射光を反射または透過するとともに当該反射する光の輝度に1/fゆらぎの明暗を生じさせて装飾模様12に光の明暗を付ける三角屋根型を呈する三次元形状の反射面121aで形成される。また、光学装飾膜13は、微小反射部121の反射面121aと光学装飾膜13との界面を透過して光学装飾膜13に入射する入射光のうち、光学装飾膜13で決定された特定の色の光を微小反射部121に向け反射することにより、装飾模様12を光の明暗に合わせて着色表示するように構成されている。
【0020】
前記光学装飾膜13は、図6に示すように、低屈折の薄膜層131と高屈折の薄膜層132を交互に複数、例えば5〜10層積層することで構成される。このような光学装飾膜13は、積層される薄膜層131,132の屈折率と膜厚を変えることで特定の色の光を反射し、それ以外の色の光を透過するようになっている。
【0021】
次に、微小反射部121で生成される反射光の輝度に不規則に変化する明暗を生じさせる場合の具体例について図3〜図5を参照して説明する。
微小反射部121は、図3に示すように、三角屋根型の基本形状を呈し、この基本形状に1/fゆらぎを付与することにより、図4及び図5に示すように、三角屋根型の三次元形状に造形された、平面的に連続する凹状反射面121aから構成される。この凹状反射面121aは、その反射による輝度に木漏れ日または小川の水の流れに似た不規則に変化する明暗を生じせるものであり、その形状は次式に示す1/fゆらぎ関数f(x)より決定される。
【数1】

すなわち、1/fゆらぎ関数f(x)で決定される凹状反射面121aは、周波数の違う複数のサイン曲線(2x:周波数)に適当な係数2−i(2−i:振幅)をかけて加算した形状となる。これをグラフに表すと図7に示す曲線711のようになる。また、符号712は周波数の異なる複数のサイン曲線を示す。
【0022】
上記微小反射部121は、図3〜図5に示すように、予め決めた一定の間隔L(0<L<10mm)で行、列方向に連続して配列され、そして、互いに隣接する各行の微小反射部121cは列方向に1L分ずらして配列されている。また、凹状反射面121aの深さhは、0≦h≦20mmの範囲に設定される。また、凹状反射面121aの反射角θ1は、その材質がポリカーボネートの場合、約40度であり、凹状反射面121aの傾斜角θ2は、0≦θ2≦90°の範囲に設定される。
【0023】
このような本実施の形態1に示す装飾用パネル10において、図2に示すように、基材11の光入射側の面(表面)11aが照明光15により照射されると、この照明光15は図6に示すように入射光15aとなって基材11内を進行し多数の微小反射部121に達する。そして、微小反射部121に達した入射光15aの一部は1/fゆらぎ関数f(x)より決定された微小反射部121の凹状反射面121aの形状に応じて矢印15bのように基材11の表面11a側へ反射される。これに伴い、基材11の表面11aから出射される反射光15bの輝度に1/fゆらぎ関数f(x)に応じて不規則に変化する明暗パターンを生じさせるとともに光波長のシフトによる色収差を生じさせる。
【0024】
また、多数の微小反射部121の凹状反射面121aと光学装飾膜13との界面を透過して光学装飾膜13に入射する入射光15cのうち、光学装飾膜13の屈折率と膜厚で決定される特定の色の光、例えば青色の波長に相当する光が光学装飾膜13で分離され微小反射部121に向け反射される。これにより、装飾用パネル10の表面には、図1に示すように、モルフォ蝶をデザイン化してなる装飾模様12が表示される。そして、この装飾模様12を構成する微小反射部121の凹状反射面121aに応じて不規則に変化する光の明暗と光学装飾膜13で分離された光色とが合成された濃淡色に装飾模様12が着色される。
【0025】
上記のような本実施の形態1に示す装飾用パネル10によれば、基材11の光入射側である表面11aと反対の面である裏面11bに多数の微小反射部121を基材11の裏面11bに沿い連続して配列することで装飾模様12を構成し、そして、多数の微小反射部121を三角屋根型の三次元形状を呈する凹状反射面121aで形成することにより、この凹状反射面121aで反射される光の輝度に1/fゆらぎの明暗を生じさせて装飾模様12に光の明暗を付け、さらに、多数の微小反射部121の凹状反射面121aと光学装飾膜との界面を透過して光学装飾膜13に入射する入射光のうち、光学装飾膜13の屈折率と膜厚で決定される特定の色の光を光学装飾膜13で分離して微小反射部121に向け反射させることにより、装飾模様12を上記光の明暗に合わせた濃淡色に着色するように構成したので、基材11に形成された装飾模様12を可視領域の光を利用して任意の色で輝光表示させることができるとともに、装飾模様12に1/fゆらぎによる変化に富んだ見栄えの良い光学的装飾を可能にし、併せて装飾用パネル10を見る者の視覚に作用して、癒し、くつろぎ、または安らぎを与える光学的装飾効果を発揮させることができる。
(実施の形態2)
次に、本発明にかかる装飾用パネルの実施の形態2について図8〜図10を参照して説明する。
【0026】
図8は本実施の形態2における装飾用パネルの光学装飾膜を取り除いて微小反射部を基材の裏面側から見た時の他の例を示す一部拡大斜視図、図9は図8の8−8線に沿う拡大断面図、図10は図8の10−10線に沿う拡大断面図である。
【0027】
この実施の形態2に示す装飾用パネル20は、図8に示すように、アクリルやポリカーボネートなどの透明な合成樹脂材またはガラス等の透明材からなる一定厚さの板状の基材21を備える。この基材21の光入射側の面(表面)21aと反対の面である裏面21bには、例えばモルフォ蝶などをデザイン化してなる装飾模様22が形成されている。また、この装飾模様22の表面を含む基材21の裏面21bには、図9及び図10に示すように、装飾模様22を含む装飾用パネル20全体を着色表示する光学装飾膜23が形成されている。
なお、装飾用パネル20の照明光15には、各種照明灯の光または太陽光等の自然光などが用いられる。
【0028】
前記装飾模様22は、図9及び図10に示すように、光学装飾膜23との界面である基材21の裏面21bに形成された多数の微小反射部221を基材21の裏面21bに沿い連続して配列することで構成される。この多数の微小反射部221は、基材21に入射される入射光を反射または透過するとともに当該反射する光の輝度に1/fゆらぎの明暗を生じさせて装飾模様22に光の明暗を付ける台形屋根型の三次元形状の反射面221aで形成される。また、光学装飾膜23は、微小反射部221の反射面221aと光学装飾膜23との界面を透過して光学装飾膜23入射する入射光のうち、光学装飾膜23で決定された特定の色の光を微小反射部221に向け反射することにより、装飾模様22を光の明暗に合わせて着色表示するように構成されている。
【0029】
前記光学装飾膜23は、図6に示す場合と同様に、低屈折の薄膜層と高屈折の薄膜層を交互に複数、例えば5〜10層積層することで構成される。このような光学装飾膜23は、積層される薄膜層の屈折率と膜厚を変えることで特定の色の光を反射し、それ以外の色の光を透過するようになっている。
【0030】
次に、微小反射部221で生成される反射光の輝度に不規則に変化する明暗を生じさせる場合の具体例について、図9及び図10を参照して説明する。
微小反射部221は、図9に示すように、台形屋根型の基本形状を呈し、この基本形状に1/fゆらぎを付与することで、図8〜図10に示すように、台形屋根型の三次元形状に造形された、平面的に連続する凹状反射面221aから構成される。この凹状反射面221aは、その反射による輝度に木漏れ日または小川の水の流れに似た不規則に変化する明暗を生じせるものであり、その形状は、上記数1に示す1/fゆらぎ関数f(x)より決定される。
すなわち、1/fゆらぎ関数f(x)で決定される凹状反射面221aは、周波数の違う複数のサイン曲線(2x:周波数)に適当な係数2−i(2−i:振幅)をかけて加算した形状となる。
【0031】
上記微小反射部221は、図8〜図10に示すように、予め決めた一定の間隔L(0<L<10mm)で行、列方向に連続して配列され、そして、互いに隣接する各行の微小反射部221cは列方向に1L分ずらして配列されている。また、凹状反射面221aの深さhは、0≦h≦20mmの範囲に設定される。また、凹状反射面221aの反射角θ1は、その材質がポリカーボネートの場合、約40度であり、凹状反射面221aの傾斜角θ2は、0≦θ2≦90°の範囲に設定される。
【0032】
このような第2の実施の形態に示す装飾用パネル20において、図9及び図10に示すように、基材21の光入射側の面(表面)21aが照明光15により照射されると、この照明光15は、上記実施の形態1に示す場合と同様に入射光15aとなって基材21内を進行し多数の微小反射部221に達する。そして、微小反射部221に達した入射光15aの一部は1/fゆらぎ関数f(x)より決定された微小反射部221の凹状反射面221aの形状に応じて基材21の表面21a側へ反射される。これに伴い、基材21の表面21aから出射される反射光15bの輝度に1/fゆらぎ関数f(x)に応じて不規則に変化する明暗パターンを生じさせるとともに光波長のシフトによる色収差を生じさせる。
【0033】
また、多数の微小反射部221の凹状反射面221aと光学装飾膜23との界面を透過して光学装飾膜23に入射する入射光15cのうち、光学装飾膜23の屈折率と膜厚で決定される特定の色の光、例えば青色の波長に相当する光15dが光学装飾膜13で分離され微小反射部221に向け反射される。これにより、装飾用パネル20の表面には、図1に示すようなモルフォ蝶をデザイン化してなる装飾模様22が表示される。そして、この装飾模様22を構成する微小反射部221の凹状反射面221aに応じて不規則に変化する光の明暗と光学装飾膜22で分離された光色とが合成された濃淡色に装飾模様22が着色される。
【0034】
したがって、本実施の形態2に示す装飾用パネル20によれば、基材21の光入射側である表面21aと反対の面である裏面21bに多数の微小反射部221を基材21の裏面21bに沿い連続して配列することで装飾模様22を構成し、そして、多数の微小反射部221を台形屋根型の三次元形状を呈する凹状反射面221aで形成することにより、この凹状反射面221aで反射される光の輝度に1/fゆらぎの明暗を生じさせて装飾模様22に光の明暗を付け、さらに、多数の微小反射部221の凹状反射面221aと光学装飾膜との界面を透過して光学装飾膜23に入射する入射光のうち、光学装飾膜23の屈折率と膜厚で決定される特定の色の光を光学装飾膜23で分離して微小反射部221に向け反射させることにより、装飾模様22を上記光の明暗に合わせた濃淡色に着色するように構成したので、基材21に形成された装飾模様22を可視領域の光を利用して任意の色で輝光表示させることができるとともに、装飾模様22に1/fゆらぎによる変化に富んだ見栄えの良い光学的装飾を可能にし、併せて、装飾用パネル20を見る者の視覚に作用して、癒し、くつろぎ、または安らぎを与える光学的装飾効果を発揮させることができる。
(実施の形態3)
次に、本発明にかかる装飾用パネルの実施の形態3について図11〜図13を参照して説明する。
【0035】
図11は本実施の形態3における装飾用パネルの光学装飾膜を取り除いて微小反射部を基材の裏面側から見た時の他の例を示す一部拡大斜視図、図12は図11の12−12線に沿う拡大断面図、図13は図11の13−13線に沿う拡大断面図である。
【0036】
この実施の形態3に示す装飾用パネル30は、図11に示すように、アクリルやポリカーボネートなどの透明な合成樹脂材またはガラス等の透明材からなる一定厚さの板状の基材31を備える。この基材31の光入射側の面(表面)31aと反対の面である裏面31bには、例えばモルフォ蝶などをデザイン化してなる装飾模様32が形成されている。また、この装飾模様32の表面を含む基材31の裏面31bには、図11及び図12に示すように、装飾模様32を含む装飾用パネル30全体を着色表示する光学装飾膜33が形成されている。
なお、装飾用パネル30の照明光15には、各種照明灯の光または太陽光等の自然光などが用いられる。
【0037】
前記装飾模様32は、図12及び図13に示すように、光学装飾膜33との界面である基材31の裏面31bに形成された多数の微小反射部321を基材31の裏面31bに沿い連続して配列することで構成される。この多数の微小反射部321は、基材31に入射される入射光を反射または透過するとともに当該反射する光の輝度に1/fゆらぎの明暗を生じさせて装飾模様32に光の明暗を付ける半球型の三次元形状の反射面321aで形成される。また、光学装飾膜33は、微小反射部321の反射面321aと光学装飾膜33との界面を透過して光学装飾膜33に入射する入射光のうち、光学装飾膜33で決定された特定の色の光を微小反射部321に向け反射することにより、装飾模様32を光の明暗に合わせて着色表示するように構成されている。
【0038】
前記光学装飾膜33は、図6に示す場合と同様に、低屈折の薄膜層と高屈折の薄膜層を交互に複数、例えば5〜10層積層することで構成される。このような光学装飾膜33は、積層される薄膜層の屈折率と膜厚を変えることで特定の色の光を反射し、それ以外の色の光を透過するようになっている。
【0039】
次に、微小反射部321で生成される反射光の輝度に不規則に変化する明暗を生じさせる場合の具体例について、図12及び図13を参照して説明する。
微小反射部321は、図12に示すように、半球型の基本形状を呈し、この基本形状に1/fゆらぎを付与することで、図11〜図13に示すように、半球型の三次元形状に造形された、平面的に連続する凹状反射面321aから構成される。この凹状反射面321aは、その反射による輝度に木漏れ日または小川の水の流れに似た不規則に変化する明暗を生じせるものであり、その形状は、上記数1に示す1/fゆらぎ関数f(x)より決定される。
すなわち、1/fゆらぎ関数f(x)で決定される凹状反射面321aは、周波数の違う複数のサイン曲線(2x:周波数)に適当な係数2−i(2−i:振幅)をかけて加算した形状となる。
【0040】
上記微小反射部321は、図11〜図13に示すように、予め決めた一定の間隔L(0<L<10mm)で行、列方向に連続して配列され、そして、互いに隣接する各行の微小反射部321cは列方向に1L分ずらして配列されている。また、凹状反射面321aの深さhは、0≦h≦20mmの範囲に設定される。また、凹状反射面321aの反射角θ1は、その材質がポリカーボネートの場合、約40度であり、凹状反射面321aの傾斜角θ2は、0≦θ2≦90°の範囲に設定される。
【0041】
このような第3の実施の形態に示す装飾用パネル30において、図12及び図13に示すように、基材31の光入射側の面(表面)31aが照明光15により照射されると、この照明光15は、上記実施の形態1に示す場合と同様に入射光15aとなって基材31内を進行し多数の微小反射部321に達する。そして、微小反射部321に達した入射光15aの一部は1/fゆらぎ関数f(x)より決定された微小反射部321の凹状反射面321aの形状に応じて基材31の表面31a側へ反射される。これに伴い基材31の表面31aから出射される反射光15bの輝度に1/fゆらぎ関数f(x)に応じて不規則に変化する明暗パターンを生じさせるとともに光波長のシフトによる色収差を生じさせる。
【0042】
また、多数の微小反射部321の凹状反射面321aと光学装飾膜33との界面を透過して光学装飾膜33に入射する入射光15cのうち、光学装飾膜33の屈折率と膜厚で決定される特定の色の光、例えば青色の波長に相当する光15dが光学装飾膜33で分離され微小反射部321に向け反射される。これにより、装飾用パネル30の表面には、図1に示すようなモルフォ蝶をデザイン化してなる装飾模様32が表示される。そして、この装飾模様32を構成する微小反射部321の凹状反射面321aに応じて不規則に変化する光の明暗と光学装飾膜32で分離された光色とが合成された濃淡色に装飾模様32が着色される。
【0043】
したがって、本実施の形態3に示す装飾用パネル30によれば、基材31の光入射側である表面31aと反対の面である裏面31bに多数の微小反射部321を基材31の裏面31bに沿い連続して配列することで装飾模様32を構成し、そして、多数の微小反射部321を半球型の三次元形状を呈する凹状反射面321aで形成することにより、この凹状反射面321aで反射される光の輝度に1/fゆらぎの明暗を生じさせて装飾模様32に光の明暗を付け、さらに、多数の微小反射部321の凹状反射面321aと光学装飾膜33との界面を透過して光学装飾膜33に入射する入射光のうち、光学装飾膜33の屈折率と膜厚で決定される特定の色の光を光学装飾膜33で分離して微小反射部321に向け反射させることにより、装飾模様32を上記光の明暗に合わせた濃淡色に着色するように構成したので、基材31に形成された装飾模様32を可視領域の光を利用して任意の色で輝光表示させることができるとともに、装飾模様32に1/fゆらぎによる変化に富んだ見栄えの良い光学的装飾を可能にし、併せて、装飾用パネル30を見る者の視覚に作用して、癒し、くつろぎ、または安らぎを与える光学的装飾効果を発揮させることができる。
(実施の形態4)
次に、本発明にかかる装飾用パネルの実施の形態4について図14及び図15を参照して説明する。
【0044】
図14は本発明の実施の形態4における装飾用パネルの要部の拡大断面図、図15は同じく実施の形態4における装飾用パネルの要部の拡大断面図である。
【0045】
この実施の形態4は、上記実施の形態1における装飾用パネル10の装飾模様12を構成する微小反射部121の変形例を示すもので、この微小反射部121は、図4及び図5に示す場合と同様に、三角屋根型の基本形状に1/fゆらぎを付与することにより、三角屋根型の三次元形状に造形された、平面的に連続する凹状反射面121aを有しており、この凹状反射面12aには光学装飾膜13が形成され、さらに、基材11の光入射側である表面11aには、木目や花柄または幾何学模様などの加飾用の模様パターンを有する半透明もしくは透明な加飾層18が形成されている。
【0046】
このような第4の実施の形態における装飾用パネルによれば、基材11の光入射側表面11aに、模様パターンを有する加飾層18を形成したので、加飾層18の模様パターンに微小反射部121で生成された反射光による1/fゆらぎのランダムに変化する光の明暗を付加され、これにより、装飾模様12に立体感を付与し、より見栄えの装飾用パネルを提供できる。
(実施の形態5)
次に、本発明にかかる装飾用パネルの実施の形態5について、図16を参照して説明する。
【0047】
図16は本発明の実施の形態5における装飾用パネルの微小反射部及び光学装飾膜の光に対する作用を模式的に示す断面図である。
この実施の形態5に示す装飾用パネル40は、図16に示すように、アクリルやポリカーボネートなどの透明な合成樹脂材またはガラス等の透明材または不透明材からなる一定厚さの板状の基材41を備える。この基材41の光入射側である一方の面41aには、例えばモルフォ蝶などをデザイン化してなる装飾模様42が形成されている。また、この装飾模様42の一方の面41aには、装飾模様42を含む装飾用パネル40全体を着色表示する光学装飾膜43が形成されている。
なお、装飾用パネル40の照明光15には、各種照明灯の光または太陽光等の自然光などが用いられる。
【0048】
前記装飾模様42は、光学装飾膜43との界面である基材41の一方の面41aに形成された多数の微小反射部421を一方の面41aに沿い連続して配列することで構成される。この多数の微小反射部421は、基材41に入射される入射光を反射または透過するとともに当該反射する光の輝度に1/fゆらぎの明暗を生じさせて装飾模様42に光の明暗を付ける三次元形状の反射面で形成される。また、光学装飾膜43は、この光学装飾膜43に入射される入射光のうち、特定の色の光を基材41と反対の方向へ反射することで装飾模様42を前記光の明暗に合わせて着色表示するように構成されている。
【0049】
前記光学装飾膜43は、図6に示す場合と同様に、低屈折の薄膜層と高屈折の薄膜層を交互に複数、例えば5〜10層積層することで構成される。このような光学装飾膜43は、積層される薄膜層の屈折率と膜厚を変えることで特定の色の光を反射し、それ以外の色の光を透過するようになっている。
【0050】
このような本実施の形態5に示す装飾用パネル40において、図16に示すように、基材41の光学装飾膜43側が照明光15により照射されると、この照明光15は図16に示すように入射光15aとなって光学装飾膜43内を進行し多数の微小反射部421に達する。そして、微小反射部421に達した入射光15aの一部は1/fゆらぎ関数f(x)より決定された微小反射部421の凹状反射面421aの形状に応じて矢印15bのように基材41と反対の側へ反射され、光学装飾膜43の表面から外方へ射出される。これに伴い、光学装飾膜43の表面から出射される反射光15bの輝度に1/fゆらぎ関数f(x)に応じて不規則に変化する明暗パターンを生じさせるとともに光波長のシフトによる色収差を生じさせる。
【0051】
また、光学装飾膜43に入射する入射光15aのうち、光学装飾膜43の屈折率と膜厚で決定される特定の色の光、例えば青色の波長に相当する光が光学装飾膜43で分離されて光学装飾膜43の表面から外方へ向け反射される。これにより、装飾用パネル40の表面には、図1に示すように、モルフォ蝶をデザイン化してなる装飾模様42が表示される。そして、この装飾模様42を構成する微小反射部421の凹状反射面421aに応じて不規則に変化する光の明暗と光学装飾膜43で分離された光色とが合成された濃淡色に装飾模様42が着色される。
【0052】
このような本実施の形態5に示す装飾用パネル40によれば、透明または不透明な板状の基材41の一方の面に多数の微小反射部421を前記一方の面41aに沿い連続して配列することで装飾模様42を構成し、そして、多数の微小反射部421を三次元形状の反射面421aで形成することにより、この三次元形状の反射面で反射される光の輝度に1/fゆらぎの明暗を生じさせて装飾模様42に光の明暗を付け、さらに、光学装飾膜43に入射される入射光のうち、特定の色の光を基材41と反対の方向へ反射することで装飾模様42を上記光の明暗に合わせた濃淡色にカラー表示するようにしたので、基材41に形成された装飾模様42を可視領域の光を利用して任意の色で輝光表示させることができるとともに、装飾模様42に1/fゆらぎによる変化に富んだ見栄えの良い光学的装飾を可能にし、併せて見る者の視覚に作用して、癒し、くつろぎ、または安らぎを与える光学的装飾効果を発揮できる。
【0053】
なお、上記実施の形態では、基材に無色透明な材質または不透明な材質により成形した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、基材を有色透明な材質で成形することも可能である。この場合、装飾用パネルの見栄えを色彩の面から強調することができる。
また、本発明にかかる装飾用パネルの小反射部の基本形状は、上記実施の形態に示した三角屋根型、台形屋根型、半球屋根型のものに限らず、小反射部での反射光の輝度に不規則に変化する明暗を生じさせることができる形状のものであれば、どのような形状のものでも良い。
また、本発明にかかる装飾用パネルの微小反射部を形成する三次元の凹状反射面は、数2に示す1/fゆらぎ関数で決定される形状のものに限らず、乱数表を利用して凹状反射面の形状を決定するようにすることもできる。
また、本発明の装飾用パネルに形成される装飾模様は、上記実施の形態に示したモルフォ蝶をデザイン化したものに限らず、車両用インストルメントパネルの装飾または家具の扉表面や引き出し用鏡板の装飾、携帯電話機本体の表面の装飾、電化製品の表面の装飾などに使用される装飾用パネルや、文字、ロゴマーク、木目などをデザイン化したものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明にかかる実施の形態1を示す装飾用パネルの平面図である。
【図2】図1の2−2線に沿う拡大断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1における装飾用パネルの光学装飾膜を取り除いて微小反射部を基材の裏面側から時の一例を示す一部拡大斜視図である。
【図4】図3の4−4線に沿う拡大断面図である。
【図5】図3の5−5線に沿う拡大断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1における装飾用パネルの微小反射部及び光学装飾膜の光に対する作用を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明の1/fゆらぎ関数で決定される凹状反射面の形状特性を表した場合の一例を示すグラフである。
【図8】本発明の実施の形態2における装飾用パネルの光学装飾膜を取り除いて微小反射部を基材の裏面側から時の他の例を示す一部拡大斜視図である。
【図9】図8の8−8線に沿う拡大断面図である。
【図10】図8の10−10線に沿う拡大断面図である。
【図11】本発明の実施の形態3における装飾用パネルの光学装飾膜を取り除いて微小反射部を基材の裏面側から時の他の例を示す一部拡大斜視図である。
【図12】図11の12−12線に沿う拡大断面図である。
【図13】図11の13−13線に沿う拡大断面図である。
【図14】本発明の実施の形態4における装飾用パネルの要部の拡大断面図である。
【図15】本発明の実施の形態4における装飾用パネルの要部の拡大断面図である。
【図16】本発明の実施の形態5における装飾用パネルの微小反射部及び光学装飾膜の光に対する作用を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0055】
10,20,30,40 装飾用パネル
11,21,31、41 基材
11a,21a,31a 表面
11b,21b,31b 裏面
12,22,32,42 装飾模様
121,221,321,421 微小反射部
121a、221a,321a,421a 凹状反射面
13,23,33,43 光学装飾膜
131 低屈折の薄膜層
132 高屈折の薄膜層
18 加飾層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が入射される面と反対の面に装飾模様を有する透明な板状の基材と、
前記基材の光入射面と反対の面及び前記装飾模様の少なくとも前記装飾模様上に形成された着色用の光学装飾膜とを備え、
前記装飾模様は、前記光学装飾膜との界面である前記光入射側の面と反対の面に形成された多数の微小反射部を前記反対の面に沿い連続して配列することで構成され、
前記多数の微小反射部は、前記基材に入射される入射光を反射または透過するとともに当該反射する光の輝度に1/fゆらぎの明暗を生じさせて前記装飾模様に光の明暗を付ける三次元形状の反射面で形成され、
前記光学装飾膜は、前記多数の微小反射部の反射面と前記光学装飾膜との界面を透過して前記光学装飾膜に入射する入射光のうち、特定の色の光を前記微小反射部に向け反射することで前記装飾模様を前記光の明暗に合わせて着色表示するように構成したことを特徴とする装飾用パネル。
【請求項2】
一方の面に装飾模様を有する透明または不透明な板状の基材と、
前記基材の一方の面及び前記装飾模様の少なくとも前記装飾模様上に形成された着色用の光学装飾膜とを備え、
前記装飾模様は、前記光学装飾膜との界面である前記基材の一方の面に形成された多数の微小反射部を前記一方の面に沿い連続して配列することで構成され、
前記多数の微小反射部は、前記光学装飾膜を透過して前記基材に入射される入射光を反射または透過するとともに当該反射する光の輝度に1/fゆらぎの明暗を生じさせて前記装飾模様に光の明暗を付ける三次元形状の反射面で形成され、
前記光学装飾膜は、該光学装飾膜に入射される入射光のうち、特定の色の光を前記基材と反対の方向へ反射することで前記装飾模様を前記光の明暗に合わせて着色表示するように構成したことを特徴とする装飾用パネル。
【請求項3】
前記光学装飾膜は、低屈折の薄膜層と高屈折の薄膜層を交互に複数積層することで構成され、前記積層される薄膜層の屈折率と膜厚を変えることで特定の色の光を反射し、それ以外の色の光を透過するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の装飾用パネル。
【請求項4】
前記微小反射部は、前記記載の光入射側の面と反対の面もしくは前記基材の一方の面に該面に沿い連続して二次元方向に任意のピッチで形成された三角型、台形型、半球型、半楕円球型、波型等の凹状または凸状の三次元形状を呈することを特徴とする請求項1または2記載の装飾用パネル。
【請求項5】
前記基材の光入射側である表面に、加飾用の模様パターンを有する半透明もしくは透明な加飾層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の装飾用パネル。
【請求項6】
前記基材は有色透明な材質であることを特徴とする請求項1または2項に記載の装飾用パネル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2009−83375(P2009−83375A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−257925(P2007−257925)
【出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【出願人】(391006083)三光合成株式会社 (67)
【Fターム(参考)】