説明

補強用金物

【課題】耐力板(伝達板)の取付けに際して現場作業となる補助桟の取付けを不要とし、また、耐力板を取付けるための金物を柱に取付けると、引抜き補強の準備もできる補強用金物8aの提供。
【解決手段】引寄せボルト9aと連結用金物10aを備えた補強用金物8aとする。連結用金物10aは引寄せボルト9aの一端を係合する係合部(窓孔21)と耐力板(伝達板2a)の柱側縁部を固定する固定部(側壁17)及び柱1aへの取付け部(連絡壁18)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造住宅で用いる補強用金物に関する。
【背景技術】
【0002】
木造住宅の耐震性能を向上させる手段として、特許文献1のように、左右一対の柱間に耐力板を固定して壁フレーム(左右の柱と土台及び梁とで構成される構造)の剛性を高める耐震補強構造や特許文献2のように壁フレームにダンパーによる制振装置を取付けて壁フレームに作用する地震力をダンパーで吸収して低減させる制振補強構造がある。なお、いずれの場合も、柱と土台及び梁との間に、土台あるいは梁から柱が引抜かれるのを防止する引抜き補強金物が使用される。
また、制振補強構造では、図1のように、左右の柱1a,1bに長方形の伝達板2a,2bをそれぞれ固定して伝達板2aと同2bとをダンパー3で結合する構造も検討されている。符合4は引抜き補強金物であって、柱1a,1bと土台5及び梁6とを結合している。伝達板2a,2bは地震力をダンパーに伝えるものであり、耐力板の一種である。
【0003】
【特許文献1】特開2004−263500号公報
【特許文献2】特開2004−218226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記のように、耐震補強構造、制振補強構造では耐力板を柱に固定するのであるが、外壁材や内壁材を取り付ける後工程のことを考慮すると、これらの耐力板や伝達板は、左右の柱間に収めることが好ましい。このため、柱の側面に取付け用の補助桟を固定してから耐力板を固定している。しかし、補助桟の取付けは現場作業となり手間がかかるばかりか、補助桟の取り付け強度が一定しない恐れがある。また、耐力板の取り付けと引抜き補強金物の取り付けはまったく別作業となっており、この面でも手間を要している。
この発明は、耐力板の取付けに際して現場作業となる補助桟の取付けを不要とし、また、耐力板を取付けるための金物を柱に取付けると、引抜き補強の準備もできる補強用金物の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
補強用金物は、引寄せボルトと連結用金物を備えたものとする。
連結用金物は引寄せボルトの一端を係合する係合部と、耐力板を柱へ固定する固定部、及び、金物自体を柱へ固定するための取付け部とを有するものとする。
連結用金物は、例えば、平行に配置した2つの側壁とこれらの側壁を結合する連絡壁を有する。
2つの側壁間を耐力板の縁部を挟み込んで固定する固定部にすると共に、側壁の長手方向端部寄りに窓孔を形成してこれを引寄せボルトの係合部とする。連絡壁は金物自体を柱の側面へ取付ける取付け部となる。
【発明の効果】
【0006】
連結用金物を柱の側面に取付けて耐力板を固定するので、補助桟を切り出して固定するなどの現場作業が低減する。
工場生産により性能の均一な連結用金物を用いるので、柱と耐力板の固定状態が安定し、かつ、耐力板と柱との固定に金物を用いることでこれら間を強固に固定することができる。
さらに、連結用金物を柱に固定すると同時に、引寄せボルトの係合部が準備されるので、別途に引抜き補強金物を取付ける手間を省ける。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図2は、左右の柱1a,1bと土台5、梁6とからなる壁フレーム7の制振補強構造の施工例であり、左右の柱1a,1bに長方形の耐力板すなわち伝達板2a,2bをそれぞれ固定して伝達板2aと同2bとをダンパー3で結合し、また、柱1a,1bと土台5及び梁6とを引寄せボルト9a,9b(引抜き補強金物)で緊結した構造であって、この発明の補強用金物8a(実施例1)、補強用金物8b(実施例2)が用いられている。符合8cは中間金物である。
補強用金物8aは柱脚用であり、連結用金物10aと引寄せボルト9aとからなる。同様に、補強用金物8bは連結用金物10bと引寄せボルト9bとからなる。
【0008】
図の施工例は、室内側からの改修補強施工であるため、木造住宅における該当箇所の内壁材だけを除去して、床11と天井12を残している。床11が土台5上に形成されると共に天井12が吊り金物13で梁6から支持されている。また、土台5はアンカーボルト14により基礎15に固定されている。符合16は施工に際して新設されたアンカーボルトであり、上端部で引寄せボルト9aと連結される。新設アンカーボルト16は、土台5の上面から回転工具を用いて基礎15まで差込孔を作り、そこに差し込んで接着剤などによって固定されている。
【0009】
連結用金物10a(図3)は、この実施例において厚さ3.2mmの鋼板を、高さ525mm、左右幅65mm、前後35mmとしたプレス加工品であり、平行に配置された2つの側壁17と側壁17の柱側を連絡した連絡壁18とを有する。2つの側壁17には固定用ボルト19(図4、図5)の挿通孔20が上下方向に並び、双方の側壁に貫通して形成されており、これにより側壁17はその間に伝達板2a(あるいは伝達板2b)を挟み込んで固定する固定部となる。さらに、2つの側壁17下端部(長手方向の端部寄り)に窓孔21(40×100mm)が双方に貫通して形成されており、引寄せボルト9aの一端を係合する係合部とされる。連絡壁18には連結用金物10自体を柱1a(あるいは柱1b)へビス22(図4)で固定するためのビス孔が形成されている。
中間金物8cは、窓孔21を有しないだけで、他は連結用金物10aと同じ構成であり、2つの側壁17、17と連絡壁18を備える。ただ、長さは窓孔21を有しない分だけ短く、この施工例において350mmである。
【0010】
なお、図3に示す連結用金物10aは、既存住宅の改修補強用であるため、窓孔21の位置が柱1aから離れる方向にシフトして形成され、側方へ25mm突出した部分を有している。すなわち、図6において、窓孔21(係合部)に配置する引寄せボルト9aの位置が柱1aの側面から回転工具で作業するのに必要とする最小寸法d1以上の位置となる箇所に形成されている。
引寄せボルト9aの位置は地震時における壁フレーム7における脚部の回転剛性を小さくする上から柱1aの側面に近いほど好ましい。しかし、改修補強施工の場合には、引寄せボルト9aの下端を土台5を貫通し基礎15に固定された新設アンカーボルト16と結合する必要がある。このための差込孔を土台5から基礎15へ作るとき、使用する回転工具に大きさがあって、回転工具を柱1a近接できる寸法に自ずから制限があるため、前記の最小寸法d1を必要とする。
【0011】
図4〜図6は、柱1aと土台5の接合箇所を詳細に示したものであり、柱1aの端部と土台5とが小形のL形金物23と補強用金物8aで結合されている。小形のL形金物23は、柱脚部(柱1a)の回転剛性をなるべくあげずに、引抜き補強に寄与するものである。
補強用金物8aを取付けるには、まず、新設アンカーボルト16を固定するための差込孔を土台5の上面から基礎15にわたって垂直に形成し、これに新設アンカーボルト16を固定しておく。
ついで、連結用金物8aを柱1aの側面にビス22で固定する。ビス22は連絡壁18に形成されたビス孔を通してねじ込まれる。
【0012】
連結用金物10aの窓孔21に角座金24を両側の側壁17,17に跨らせて配置してから、これに引寄せボルト9aの上部を差込み、その下端をジョイントナット25を用いて新設アンカーボルト16と結合する。そして、引寄せボルト9aの上端にナット26を螺合して締め付け、柱1aを土台5に緊結する。
柱1bと土台5との接合箇所も同様に、小形のL金物23と補強用金物8aとで結合する(図2)。
【0013】
柱1aと梁3は、補強用金物8bで結合される。この補強用金物8bは引寄せボルト9bと連結用金物10bとからなる(図8)。連結用金物10bは、図7に示すように、両側の側壁17,17とこれらをつなぐ連絡壁18を有する溝形であり、前記の連結用金物8aの場合と同様に、側壁17に固定用ボルト19を通す挿通孔20と窓孔21を双方の側壁17に貫通させて備える。ただ、窓孔21の部分は前記連結用金物8aのように側方へ張り出すことがなく、側壁17の幅の範囲に納まっている。
【0014】
引寄せボルト9bは、一端を連結用金物10bの窓孔23に角座金24を介してナット26で係合させ、他端を梁3の下面にビス27で固定した端部締結具28にねじ込んで固定する。ナット26をねじ込むことにより柱1aの柱頭部を梁3に緊結することができる。端部締結具28は、改修補強用に開発されたものであり、残存させた天井12と外壁との隙間から梁6の下面に取り付ける。そして、引寄せボルト9bの他端(梁側)を梁6に結合することができる。このため、2階の床材を取り除くことなく施工できる。
【0015】
端部連結具28は、図9イ、同ロのように、上下に分離された部分29a、29bを組み合わせることで直方体の容器様となる基体30と、基体30の内部に納めた受けナット31とからなる。前記の下部分29bには、引寄せボルト9bの上部が差し込まれる開口32が、また、下部分には受けナット31の回転を阻止する爪33が形成されている。ビス27で基体30を梁6の下面に固定し、下方から引寄せボルト9bの他端を差し込んで内部の受けナット31に螺合させる。受けナット31は図9ロに示すように、ナット本体34の下部に本体34よりも少し径が小さいが下方に突出したスカート部35を有する。スカート部35は、前記の開口32を通過できるがナット本体34は通過できず基体30に係合され、基体30から脱落することはない。受けナット31は前記のスカート部35の内周に樹脂リング36を備え、引寄せボルト13がねじ込まれると摩擦によって緩み止めとなる。
【0016】
柱1bと梁6の接合箇所も同様に、補強用金物9bと端部締結具28を用いて結合する(図2)。補強用金物8bは、引寄せボルト9bと連結用金物10bとからなる。
また、中間金物8cも左右の柱1a,1bの上下方向中間箇所にビス止めしておく。
ついで、柱1aの柱脚側と柱頭側の連結用金物10a、10b及び中間金物8cの側壁17間に伝達板2aの柱側縁部を差し込み、固定用ボルト19で確実に固定する。同様に、柱1bの柱脚側、柱頭側の連結用金物10a、10b及び中間金物8cに伝達板2bの柱側縁部を差込み、固定用ボルト19で確実に固定する。
そして、左右の伝達用板2a,2bを上下2箇所のダンパー3で連結する(図2)。
【0017】
連結用金物10a,10bは複数のビス22を用いて柱1a,1bと確実強固に固定することができ、また、これに伝達板2a,2bを複数の固定用ボルト19で確実強固に固定することができるので、壁フレーム5の変形(変位)に対し、すべりの少ない状態で地震力をダンパー3へ伝達することができる。このため壁フレーム7に作用する地震力はダンパー3に集中し、制振機能が効率良く発揮される。
また、連結用金物10a,10bは引寄せボルト9a,9bの一端を係合してホールダウン金物における固定金物としても機能しているので柱脚、柱頭を土台5や梁6へ緊結し、柱1a,1bとこれら間の引抜き耐力を向上させる。
このように、補強用金物8a,8bは基礎15から柱1a,1b、土台5、梁6及び伝達板2a,2bの4種部材を同時に結合する金物である。
【0018】
以上、既存住宅における壁フレーム7を制振補強する改修補強施工の場合について説明したが、この補強用金物8a,8bは柱1a,1b間をダンパー3を用いることなく耐力板で結合する耐震補強の場合にも使用できる。また、新築の場合にも使用できる。なお、新築の場合には、窓孔21の位置が側方にシフトした連結用金物10a(実施例1)に変えて、シフトのない前記の連結用金物10bを柱脚部にも使用できる。この場合、新設アンカーボルト16は基礎15を形成する時にあらかじめ埋設しておく。また、新築の場合などには、制振補強構造8a,8bのダンパーを増設して制振性能を向上させることもある。
【0019】
補強用金物8aあるいは同8bにおける連結用金物10aあるいは同10bは前記の2種の他に、図10イ(実施例3の補強用金物における連結用金物)、同ロ(実施例4の補強用金物における連結用金物)のように、側壁17,17の柱側縁部を外側に屈曲して折返し壁37とし、この部分を柱1a、1bへの取付け部としてもよい。他の構成は、前記の連結用金物10aの場合と同じである。ただし、両側への折返し壁37の分だけ幅が広くなるので、柱側面の連結用金物の取付け箇所に余裕のある場合に採用できる。これに対して実施例1の構成は連結用金物の幅がせまいので、断熱材を取付けるなど柱の側面の取付け箇所に余裕が少ない場合に採用できる。
【0020】
連結用金物10a,10bは、さらに、図11イ、ロのように、水平壁38と垂直壁39とからなる断面がL字形のアングル材40としてもよい。垂直壁39を耐力板や伝達板2a、2bの固定部にすると共に垂直壁39の長手方向端部寄りに窓孔21を形成してこれを引寄せボルト9a,9bの係合部とする。また、水平壁38を柱1a,1bへの取付け部とする(実施例5)。このアングル材40は通常、図ロのように、垂直壁39を平行に対向させた状態で2本を一対として使用するが図イのように、単独で使用することもできる。
【0021】
連結用金物10a,10bは、さらに、図12に示すように、柱脚側と柱頭側の連結金物10aと同10bを一体に構成した一体形連結用金物41とすることもできる。図12は第2の施工例である。この場合の補強用金物42(実施例6)は一体形連結金物41と上下の引寄せボルト43、43で構成される。
一体形連結金物41は、左右の柱1a,1bそれぞれに1個ずつ取付ける。図は新築の場合であり、左右の柱1a,1bに固定された長尺の一体形連結用金物41の柱脚側は、下方の窓孔44に係合させた引寄せボルト43の下部をジョイントナット25により基礎15にあらかじめ埋設してある新設アンカーボルト16と連結されてホールダウン構造となっている。
【0022】
一体形連結用金物41の柱頭側は、上方の窓孔45に係合させた引寄せボルト43の上端部を梁6にあらかじめ形成した差込孔に通しておき、その先端のねじ部に梁6の上部から切刃を備えた座金付きナット46を螺合して固定し、引寄せてある。
この施工は、新築工程において、2階の床を施工する前に行う。なお、梁6に差込孔を形成しておき、これに引寄せボルト43を差込んで結合する構成は上下階の管柱にそれぞれ使用されている連結用金物10bと同10aあるいは一体形連結用金物41同士を引寄せボルト9bあるいは引寄せボルト43によって結合し、引抜き補強構造を基礎15から2階の梁まで、1,2階を通して連続した構造とする場合にも利用できる。
【0023】
柱1a,柱1bにそれぞれ固定して対向させた一体形連結用金物41に伝達板2a,2bの柱側縁部を固定用ボルト19で固定し、ついで、左右の伝達板2a,2bをダンパー3で結合する。壁フレーム7は左右の一体形補強金物41が発揮する上下のホールダウン効果により、柱1a,1bと土台5及び梁6間の引抜き剛性が増強されると共に、ダンパー3により、壁フレーム7に剛性が付与されると共に制振補強がなされる。一体形連結用金物41と伝達板2a,2bとの間にすべりはなく、ダンパー3は効率よく機能する。また、柱1aと伝達板2aとの結合に使用する部品が少なくなることから、すべりが生じる危険も少ない。
【0024】
この補強用金物42は、一体形連結用金物41が長尺で多少扱いにくい面があるが、一体形であるため、基礎15から土台2、柱1、梁3及び伝達板2a,2bにわたる4種の部材を一体的に結合して耐震性能の高い住宅とできる金物である。
また、長尺の一体形連結用金物41が柱1a,1bの長手方向に固定されるので、地震力で壁フレーム7が変形する際に柱1a,1bが湾曲するのが抑制され、これによっても地震力をダンパーへ集中させることができる。
【0025】
以上、実施例を説明した。
伝達板2a,2bあるいは左右の柱間を結合する耐力板を連結用金物10a,10bあるいは一体形連結用金物41へ固定するとき、側壁17,17間に差込んだ伝達板2a,2bや耐力板の下端部を支持して位置決めできるように、側壁17間に受け片を突出させて形成しておくことがある。
連結金物10a,10bあるいは同41の固定部(側壁17)に形成する固定用ボルト19の挿通孔20は、上下方向に複数個を形成するが、その挿通孔20の列を左右方向に複数列形成しておき、耐力板や伝達板を金属板としたとき、連結用金物10a,10bあるいは同41との固定位置を調整しやすくすることがある。
ダンパー3は原理的に種々なものが存在するが、平板状に構成できる粘弾性材を機能部材とするものが、壁フレーム7の内部に納めるダンパーとして便利である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】壁フレームの制振補強構造を概略で示した正面図。
【図2】既存住宅の壁フレームにおける制振補強構造を示した正面図。
【図3】実施例1における連結用金物の斜視図。
【図4】柱脚部の構造を示した正面図。
【図5】柱脚部の構造を示した側面図。
【図6】柱脚部の構造を示した平面図。
【図7】実施例2における連結用金物の斜視図。
【図8】柱頭部の構造を示した正面図。
【図9】イは、端部締結具の構造を説明するために分解して示す斜視図、ロは、使用するナットの構造を説明するために一部を断面とした正面図。
【図10】イは、実施例3における連結用金物の斜視図、ロは、実施例4における連結用金物の斜視図。
【図11】イ、ロは、共に実施例5における連結用金物の斜視図。
【図12】実施例6における連結用金物を用いて制振補強した壁フレームの正面図。
【符号の説明】
【0027】
1a,1b 柱
2a,2b 伝達板
3 ダンパー
4 引抜き補強金物
5 土台
6 梁
7 壁フレーム
8a,8b 補強用金物
8c 中間金物
9a,9b 引寄せボルト
10a,10b 連結用金物
11 床
12 天井
13 吊り金物
14 アンカーボルト
15 基礎
16 新設アンカーボルト
17 側壁
18 中間金物
19 固定用ボルト
20 挿通孔
21 窓孔
22 ビス
23 L形金物
24 角座金
25 ジョイントナット
26 ナット
27 ビス
28 端部締結具
29a 上部分
29b 下部分
30 基体
31 受けナット
32 開口
33 爪
34 ナット本体
35 スカート部
36 樹脂リング
37 折返し壁
38 水平壁
39 垂直壁
40 アングル材
41 一体形連結用金物
42 補強用金物(実施例6)
43 引寄せボルト
44 窓孔(下部)
45 窓孔(上部)
46 座金付きナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引寄せボルトと連結用金物を備え、連結用金物は引寄せボルトの一端を係合する係合部と柱に取付ける耐力板の柱側縁部を固定する固定部及び柱への取付け部とを有することを特徴とした補強用金物。
【請求項2】
連結用金物は、平行に配置した2つの側壁とこれら側壁の柱側を連結した連絡壁を有し、側壁を耐力板の固定部にすると共に側壁の長手方向端部寄りに2つの側壁を貫通する窓孔を形成してこれを引寄せボルトの係合部とし、さらに、前記の連絡壁を柱への取付け部としてあることを特徴とした請求項1に記載の補強用金物。
【請求項3】
連結用金物は、平行に配置した2つの側壁とこれらを連結した連絡壁及び側壁の柱側端縁をそれぞれ外側へ屈曲して形成した折返し壁とを有し、側壁を耐力板の固定部にすると共に側壁の長手方向端部寄りに2つの側壁を貫通する窓孔を形成してこれを引寄せボルトの係合部とし、さらに、前記の折返し壁を柱への取付け部としてあることを特徴とした請求項1に記載の補強用金物。
【請求項4】
連結用金物の2つの側壁間に耐力板の下端を載せる受け片が設けられていることを特徴とした請求項2又は3に記載の補強用金物。
【請求項5】
連結用金物は水平壁と垂直壁とからなる断面がL字形のアングル材とし、垂直壁を耐力板の固定部にすると共に垂直壁の長手方向端部寄りに窓孔を形成してこれを引寄せボルトの係合部とし、水平壁を柱への取付け部としてあることを特徴とした請求項1に記載の補強用金物。
【請求項6】
連結用金物は水平壁と垂直壁とからなる断面がL字形のアングル材を垂直壁が対向した状態で2個平行に配置するものであり、垂直壁を垂直壁間に配置する耐力板の固定部にすると共に垂直壁の長手方向端部寄りに両側の垂直壁を貫通する窓孔を形成してこれを引寄せボルトの係合部とし、両側のアングル材におけるそれぞれの水平壁を柱への取付け部としてあることを特徴とした請求項1に記載の補強用金物。
【請求項7】
連結用金物における固定部は、ねじなどの固定用部材を貫通させる挿通孔が左右方向に複数列形成されていることを特徴とした請求項1〜6に記載の補強用金物。
【請求項8】
連結用金物において、係合部は、これに配置する引寄せボルトの位置が左右方向で柱の側面から回転工具の作業用最小必要寸法d1以上の位置となる箇所に形成されていることを特徴とした請求項1〜7のいずれか一つに記載の補強用金物。
【請求項9】
引寄せボルトと連結用金物を備え、連結用金物は引寄せボルトの一端を係合する係合部と柱に取付ける耐力板の柱側縁部を固定する固定部及び柱への取付け部とを有し、連結用金物は柱脚用と柱頭用が連続して一体に構成されており、柱脚側と柱頭側にそれぞれ引寄せボルトの係合部が形成されていることを特徴とした一体形の補強用金物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−24434(P2009−24434A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−190359(P2007−190359)
【出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【出願人】(503473954)株式会社住宅構造研究所 (20)
【Fターム(参考)】