説明

補正情報算出装置、画像形成装置及び補正情報算出方法、並びに、そのプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体

【課題】補正用パターンの検出に外乱が含まれるときでも、再度の補正用パターンの形成及びその検出を行わずに、位置ずれに関する情報を算出することができる補正情報算出装置を提供する。
【解決手段】所定の本数の補正パターン組が形成された画像の補正用パターンの位置に関する情報を検出する位置情報検出手段31と、補正用パターンの位置ずれに関する情報を算出する位置ずれ算出手段32と、を有する補正情報算出装置であり、位置ずれ算出手段は、補正パターン組における補正用パターンの本数を検出するための閾値を複数設定する閾値設定手段32tを備え、位置ずれ算出手段は、複数の閾値に基づいて、補正パターン組における補正用パターンの本数を検出し、所定の本数と同じ本数の補正用パターンを検出した閾値を選定し、選定した閾値に対応する補正用パターンの位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて、位置ずれに関する情報を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補正情報算出装置、その補正情報算出装置を含む画像形成装置、及び、その補正情報算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、複数の色のトナー画像を転写ベルト上に重畳して転写用カラー画像を形成し、その転写用カラー画像を記録媒体の表面に転写してカラー画像を形成するものがある。この画像形成装置において、転写用カラー画像の各色の位置ずれを校正するために、各色に対応する補正用パターンを転写ベルト上に形成し、形成された補正用パターンの位置を検出することで、位置ずれを補正するために必要な補正値を算出する方法が知られている。
【0003】
特許文献1は、複数組の位置ずれ補正用画像の位置に関する位置情報を検出し、検出した位置情報から位置検出数を算出し、複数組の位置ずれ補正用画像のうち位置検出数が規定数である組の位置情報に基づいて位置ずれの補正を行う技術を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置は、補正用パターンの検出に外乱(ノイズなど)が含まれるとき、補正用パターンの位置を正確に検出することができないため、各色の位置ずれを補正するために必要な補正値を算出できない場合があった。
【0005】
特許文献1に開示されている技術では、補正用画像の検出に外乱が含まれると、算出される位置検出数が規定数以外となり、再度、補正用画像の形成およびその検出を行う場合があった。このため、画像形成装置の校正時間が長くなる場合があった。
【0006】
本発明は、位置ずれに関する情報を算出する補正情報算出装置であって、補正用パターンの検出に外乱が含まれるときでも、再度の補正用パターンの形成及びその検出を行わずに、位置ずれに関する情報を算出することができる補正情報算出装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一つの実施形態である補正情報算出装置は、所定の本数の補正用パターンで構成される補正パターン組が形成された画像の該補正用パターンの位置に関する情報を検出する位置情報検出手段と、前記位置に関する情報に基づいて、前記画像における前記補正用パターンの位置ずれに関する情報を算出する位置ずれ算出手段と、を有する補正情報算出装置であって、前記位置ずれ算出手段は、前記位置情報検出手段により検出された補正用パターンの位置に関する情報に基づいて、前記補正パターン組における補正用パターンの本数を検出するための閾値を複数設定する閾値設定手段を備え、前記位置ずれ算出手段は、前記閾値設定手段により設定された複数の閾値に基づいて、前記補正パターン組における補正用パターンの本数を検出し、前記所定の本数と同じ本数の補正用パターンを検出した閾値を選定し、前記選定した閾値に対応する前記補正用パターンの位置に関する情報を取得し、前記取得した位置に関する情報に基づいて、前記位置ずれに関する情報を算出する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の補正情報算出装置によれば、補正用パターンの検出に外乱が含まれるときでも、再度の補正用パターンの形成及びその検出を行わずに、位置ずれに関する情報を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】補正情報算出装置を含む画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】位置情報検出手段の例を示す概略図である。
【図3】補正用パターンの一例を説明する説明図である。
【図4】位置ずれ算出手段の動作の一例を説明する説明図である。
【図5】実施例1の画像形成装置の要部の一例を示す概略側面図である。
【図6】実施例1の変形例1の補正情報算出装置の動作の一例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
複数の補正用パターンの位置に関する情報を検出することにより、画像形成時の位置ずれに関する情報を算出することができる補正情報算出装置を用いて、本発明を詳細に説明する。本発明は、補正情報算出装置以外でも、プリンタ、スキャナ、被写機、ファックス等において形成する画像の位置ずれに関する情報を算出するものであれば、いずれのものにも用いることができる。
【0011】
(補正情報算出装置を含む画像形成装置の構成)
図1は、本実施形態の補正情報算出装置を含む画像形成装置の概略構成図の例を示す。図1において、画像形成装置100は、制御手段10、画像形成手段20、補正情報算出装置30、供給手段40、搬送手段50、排出手段60、記憶手段70、及び、I/F手段80を含む。
【0012】
制御手段10は、画像形成装置100の各構成に動作を指示し、その動作を制御する。
【0013】
画像形成手段20は、記録媒体の表面にトナー像を転写し、記録媒体上に画像を形成する。画像形成手段20は、本実施形態では、記憶手段70に記憶された画像に関するデータに基づいて、複数の色(ブラックBK、イエローY、シアンC及びマゼンタMなど)に対応する複数の感光体ドラム上にトナー像を現像する。ここで、画像形成手段20は、複数のトナー像を中間転写体である転写ベルトの表面に転写する。このとき、画像形成手段20は、各感光体ドラム上のトナー像を重畳して(重ね合わせて)転写ベルトの表面に転写することで、転写ベルト上に転写用カラー画像を形成する。その後、画像形成手段20は、転写用カラー画像を転写ベルトの表面から記録媒体の表面に転写し、記録媒体上にカラー画像を形成する。
【0014】
また、画像形成手段20は、画像形成装置100の起動中及び動作中の校正時に、パターン形成手段21により、補正用パターンを転写ベルトの表面に転写し、転写ベルト上に校正用カラー画像を形成する。補正用パターンは、後述の図3で説明する。
【0015】
補正情報算出装置30は、転写ベルト上の校正用カラー画像の各色の色ずれ(以下、位置ずれという。)を校正するために、位置ずれに関する情報(以下、位置ずれ情報という。)を算出する。補正情報算出装置30は、本実施形態では、位置情報検出手段31及び位置ずれ算出手段32を含む。位置ずれ算出手段32は、閾値設定手段32tを含む。補正情報算出装置30は、位置情報検出手段31が検出した補正用パターンの位置に関する情報(以下、位置情報という。)に基づいて、位置ずれ算出手段32により、位置ずれ情報を算出する。
【0016】
ここで、位置情報検出手段31は、校正用カラー画像として、転写ベルト上に形成された複数の補正用パターンを含む補正パターン組の位置情報を検出する。また、位置ずれ算出手段32は、閾値設定手段32tが補正パターン組における補正用パターンの本数を検出するために設定した複数の閾値に基づいて、位置情報検出手段31が検出した位置情報から位置ずれ情報を算出する。詳細は、後述の(位置情報を検出する動作)及び(位置ずれ情報を算出する動作)で説明する。
【0017】
供給手段40は、画像が形成される記録媒体を供給トレイ等に積載し、保管する。また、供給手段40は、制御手段10の制御に基づいて、供給ローラ等により記録媒体を供給する。搬送手段50は、制御手段10の制御に基づいて、搬送ローラ、搬送ベルト及び搬送路などにより、記録媒体を画像形成手段20へ搬送する。排出手段60は、画像が形成された記録媒体を所定の処理をした後に排出する。所定の処理としては、記録媒体上の画像(トナー、インク等)の定着、複数の記録媒体のステープル、製本、及び、ソート等がある。
【0018】
ここで、記録媒体としては、普通紙、上質紙、薄紙、厚紙、OHPシート、合成樹脂フィルム、金属薄膜等を用いることができる。
【0019】
記憶手段70は、画像形成手段20が形成する画像に関するデータを記憶する。また、記憶手段70は、画像形成装置100の動作中に、画像形成装置100の処理状態に関する情報などを記憶する。
【0020】
I/F手段80は、画像形成装置100と外部との情報(信号)の入出力を行う。I/F手段80は、コンピュータインタフェース部及びユーザーインタフェース部などを含む。コンピュータインタフェース部は、画像形成装置100外のPCなどと画像形成に関する情報などの通信を行う。ユーザーインタフェース部は、ユーザーに対して、画像形成の条件及び記録媒体の情報、並びに、画像形成装置100の状態情報の出力などを行う。
【0021】
(位置情報を検出する動作)
補正情報算出装置の位置情報検出手段が、転写ベルトの表面に転写された補正用パターンに関する位置情報を検出する動作を、図2及び図3を用いて、説明する。図2(a)は、画像形成装置の転写ベルト周辺及び位置情報検出手段の配置を示す。図2(b)は、位置情報検出手段の動作を示す。図3は、補正用パターンの例を示す。
【0022】
図2(a)において、位置情報検出手段(31a〜31c)は、転写ベルト51の主走査方向D1に対して両端側と中央部とに、配置されている。位置情報検出手段(31a〜31c)は、画像形成手段の感光体ドラム(8BK、8M、8C及び8Y)により転写ベルト51上に形成された複数の補正用パターンを含む複数の補正パターン組(21a〜21c)の位置情報を検出する。ここで、複数の補正パターン組(21a〜21c)の複数の補正用パターンは、搬送ローラ57を回転させ、転写ベルト51を副走査方向D2に移動させることにより、位置情報検出手段(31a〜31c)が検出することができる位置に順次移動される。
【0023】
次に、図2(b)を用いて、位置情報検出手段31aが位置情報を検出する動作を、具体的に説明する。なお、その他の位置情報検出手段31b及び31cの動作は、位置情報検出手段31aの動作と同様のため、説明を省略する。
【0024】
図2(b)において、位置情報検出手段31aは、発光部31L、正反射受光部31R1及び拡散反射受光部31R2を有する。
【0025】
先ず、位置情報検出手段31aは、発光部31Lから照射光Lt1を転写ベルト51の表面に照射する。
【0026】
次いで、位置情報検出手段31aは、照射光Lt1の正反射光成分と拡散反射光成分とを含んだ反射光R1を正反射受光部31R1で受光する。ここで、転写ベルト51上に補正用パターン21aが形成されているときには、補正用パターン21aに対応して反射光の強度が減少する。このため、位置情報検出手段31aは、補正用パターンに対応した反射光の強度の減少量を検出することで、補正用パターンの位置情報を検出することができる。
【0027】
以上より、補正情報算出装置の位置情報検出手段は、照射光を転写ベルトに照射し、その反射光の強度を検出することによって、転写ベルト上に形成された補正用パターンの位置情報を検出することができる。
【0028】
なお、転写ベルト51上に形成されたパターンの付着量を検出する時には、正反射受光部31R1により正反射光成分及び拡散反射光成分を含んだ反射光R1を受光し、拡散反射受光部31R2により拡散反射光R2を受光することができる。このとき、主走査方向D1に対して転写ベルト51の中央部のみに拡散反射受光部31R2を配置し、その中央部のみで付着量を検出してもよい。
【0029】
図3は、校正用カラー画像に用いる補正用パターンの例を示す。
【0030】
補正用パターンPkは、本実施形態では、ブラック(BK)、イエロー(Y)、シアン(C)及びマゼンタ(M)の4色で構成される。なお、以後の説明において、添え字にBK、Y、C及びMを付した場合は、それぞれの色に対応することを意味する。
【0031】
また、補正用パターンPkは、4つの直線パターン(30Y_Y、30BK_Y、30C_Y及び30M_Y)と4つの斜線パターン(30Y_S、30BK_S、30C_S及び30M_S)の計8つの補正用パターンで構成される補正パターン組Stを形成する。ここで、斜線パターンは、副走査方向D2の正方向に対して、時計周り方向に45°の傾斜角を有するものを用いることができる。
【0032】
各位置情報検出手段が、1補正パターン組の校正用カラー画像(8つの補正用パターン)を検出することで、3つの位置情報検出手段(31a〜31c)により合計24個の補正用パターンを検出することになる。ここで、以後の説明において、この補正用パターンの合計数である「24」を、所定の規定値とする。
【0033】
補正用パターンの補正パターン組Stは、各位置情報検出手段(31a〜31c)に対して、副走査方向D2に順次形成される。このため、校正用カラー画像は、3列の補正用パターンの列で構成される。
【0034】
また、画像形成装置は、校正の開始時に、先ず、校正開始用パターン30BK_Dを転写ベルトの表面に形成する。このため、位置情報検出手段(31a〜31c)は、補正用パターン30Y_Y等を検出する前に、校正開始用パターン30BK_Dを検出することができる。
【0035】
これにより、補正用パターンが図示しない画像形成手段の補正用パターンの現像(露光)開始時点から、位置情報検出手段が検出することができる位置に到達するまでの時間を検出することができる。このため、位置情報検出手段は、検出した時間に基づいて、適切なタイミングで発光部及び正反射受光部等による照射及び反射光の受光をすることができる。また、位置ずれ算出手段は、検出した時間に基づいて、後述する位置ずれを補正する補正値を算出することができる。
【0036】
(位置ずれ情報を算出する動作)
補正情報算出装置の位置ずれ算出手段が位置ずれ情報を算出する動作を、図4を用いて、説明する。図4(a)は、位置情報検出手段が位置情報を検出する動作を示す。図4(b)は、位置情報検出手段が拡散反射光を含む正反射光を検出した結果の例を示す。図4(c)は、位置情報検出手段が検出した反射光の正反射光成分及び拡散反射光成分の例を示す。図4(d)は、複数の閾値と検出数との関係を示す。
【0037】
ここで、複数の閾値とは、閾値設定手段により設定された閾値(スレッシュライン)である。また、検出数とは、複数の閾値に基づいて、各補正パターン組における補正用パターンを検出することができる本数である。
【0038】
図4(a)において、位置情報検出手段31aは、転写ベルト51上に形成された補正用パターンとして、黒色の直線パターン30BK_Y及びシアンの直線パターン30C_Yを検出する。ここで、位置情報検出手段31aは、発光部が照射した光Lt1の反射光を正反射受光部で受光する。このとき、位置情報検出手段31aの正反射受光部が検出した反射光の強度を図4(b)に示す。
【0039】
図4(b)において、位置ずれ算出手段は、検出した正反射光の強度R12の波形から、補正用パターンの位置情報を算出する。ここで、図中のTh1及びTh2は、閾値設定手段が設定した複数の閾値を示す。複数の閾値は、位置情報検出手段が検出した位置情報において、補正用パターンに対応する位置情報であるか否かを判断することができる値とすることができる。また、複数の閾値は、数値計算及び実験等により定められる値とすることができる。更に、複数の閾値は、多色の補正用パターンを検出する場合などでは、3つ以上の閾値とすることができる。
【0040】
図4(b)より、先ず、位置ずれ算出手段は、複数の閾値の第1の閾値Th1を用いて位置情報を検出する。このとき、位置ずれ算出手段は、図中の黒色の直線パターンの30BK_A1及び30BK_B1の位置に対応する経過時間(図中の横軸Timeの座標値)を、位置情報として、検出することができる。
【0041】
これにより、位置ずれ算出手段は、黒色の直線パターンのエッジ(始点及び終点の位置)と経過時間とを対応づけることができる。また、位置ずれ算出手段は、転写ベルトの移動速度から黒色の直線パターン30BK_Yの幅L1(図4(a))を算出することができる。更に、位置ずれ算出手段は、幅L1の中心位置を黒色の直線パターン30BK_Yが形成された転写ベルト上の位置とすることができる。
【0042】
同様に、位置ずれ算出手段は、図中のシアンの直線パターンの30C_A1及び30C_B1の位置に対応する経過時間を、位置情報として、検出することができる。これにより、位置ずれ算出手段は、黒色の直線パターン及びシアンの直線パターンの位置情報から、離間距離L2(図4(a))などの校正用カラー画像に関する位置情報を算出することができる。
【0043】
次に、位置ずれ算出手段は、第2の閾値Th2を用いて位置情報を検出する。このとき、位置ずれ算出手段は、図中の30BK_A2及び30BK_B2の位置に対応する経過時間で黒色の直線パターンを検出することができる。同様に、図中の30C_A2及び30C_B2の位置に対応する経過時間でシアンの直線パターンを検出することができる。また、位置ずれ算出手段は、図中のNs1_A2及びNs1_B2の位置に対応する経過時間でノイズNs1を検出することになる。
【0044】
この結果、位置ずれ算出手段は、第2の閾値Th2を用いた場合では、補正用パターンとして、ノイズNs1を誤って検出することになる。このため、位置ずれ算出手段は、第2の閾値Th2を用いた場合、位置ずれ情報を正確に算出できない場合がある。
【0045】
図4(c)は、図4(a)及び図4(b)において、正反射受光部により受光した正反射光成分R1、及び、拡散反射受光部により受光した拡散反射光成分R2を示す。
【0046】
図4(c)において、正反射光成分R1では、黒色の直線パターン30BK_Y及びシアンの直線パターン30C_Yに対応する位置において、反射光の強度が小さくなる。また、拡散反射光成分R2では、黒色の直線パターン30BK_Yに対応する位置において反射光の強度に変化がなく、シアンの直線パターン30C_Yに対応する位置において反射光の強度が大きくなる。
【0047】
したがって、位置情報検出手段が、有色(本実施形態では、イエロー、シアン及びマゼンタ)の補正用パターンを検出する場合では、正反射光成分に拡散反射光成分が重畳された反射光を正反射受光部により受光することになる。このため、位置情報検出手段は、有色の補正用パターンを検出する場合では、黒色の補正用パターンを検出する場合と比較して、S/N比が低減する(図4(b)のR12の30C_A1等の波形成分)。このとき、補正用パターンの位置を検出する精度を高めるために、位置情報検出手段(発光部)は、照射光の強度を変化させる必要がある。
【0048】
ここで、照射光の強度は、補正用パターンを形成していない転写ベルトの表面に光を照射し、そのときの正反射受光部の検出結果に基づいて、正反射光の強度が所望の値になる値とすることができる。また、位置情報検出手段(発光部)は、校正の開始時に、照射光の強度を所望の値に調節することができる。更に、位置情報検出手段(発光部)は、その調整する時間を削減するため、所望の値を、補正用パターンの色に対応して、数値計算及び実験等により予め定めることができる。
【0049】
なお、図4(a)〜(c)の説明において、イエローの直線パターン30Y_Y及びマゼンタの直線パターン30M_Y等を位置情報検出手段31aが検出する動作は、黒色の直線パターン30BK_Y等を検出する動作と同様のため、説明を省略する。
【0050】
次に、位置ずれ算出手段が、各補正パターン組の補正用パターンの検出数を算出し、算出した複数の検出数に基づいて、補正用パターンの位置情報を選択する動作を、図4(d)を用いて、説明する。図4(d)は、複数の閾値と検出数との関係を説明する図である。
【0051】
図4(d)において、位置ずれ算出手段は、複数の閾値(Th1及びTh2)に基づいて、8つの補正用パターンから構成される補正パターン組の補正用パターンの検出数を算出する。ここで、位置ずれ算出手段は、第1の閾値Th1を用いた場合では、補正用パターンの検出数として、「8」を算出する。本実施形態では、3つの位置情報検出手段(図3の31a〜31c)を有するため、合計「24」の検出数となる。一方、第2の閾値Th2を用いた場合では、1つのノイズNs1が加算されるため、合計「25」の検出数となる。
【0052】
このとき、位置ずれ算出手段は、所定の規定値である「24」と上記検出数を比較する。比較後、位置ずれ算出手段は、所定の規定値と同一の検出数である第1の閾値Th1を選定する。
【0053】
次に、位置ずれ算出手段は、選定した第1の閾値Th1に対応する位置情報(図4(b)の30BK_A1、30BK_B1、30C_A1及び30C_B1)を取得する。
【0054】
次いで、位置ずれ算出手段は、取得した位置情報に基づいて、位置ずれ情報を算出する。
【0055】
以上より、位置ずれ算出手段は、複数の閾値に基づいて、補正用パターンの検出数を複数検出することができる。また、位置ずれ算出手段は、所定の規定値と検出数を比較して補正用パターンの位置情報を選定することができる。したがって、位置ずれ算出手段は、転写ベルト上にベルト傷や付着物といった外乱(ノイズ)が存在するときでも、複数の閾値に基づいて、外乱の影響を除去した位置情報を取得することができる。また、位置ずれ算出手段は、校正用カラー画像の濃度が薄く、検出される反射光の強度の変化量が小さいときでも、複数の閾値を用いて、補正用パターンの位置情報を取得することができる。
【0056】
次に、位置ずれ算出手段が、取得した位置情報に基づいて、位置ずれ情報を算出する動作を説明する。
【0057】
位置ずれ情報としては、(1)斜めずれ(スキュー)、(2)副走査レジストずれ、(3)主走査レジストずれ、(4)倍率ずれ、等がある。
【0058】
ここで、(1)斜めずれとは、各色の位置が、感光体などの平行度誤差により、斜めにずれることである。(2)副走査レジストずれとは、各色の位置が、感光体の軸間誤差及び書き込みタイミングの誤差などにより、転写ベルト(記録媒体)の搬送方向(副走査方向)にずれることである。(3)主走査レジストずれとは、各色の位置が、画像形成手段の露光部などにおいてミラーなどの光学系の設置誤差及び書き込みタイミングの誤差などにより、書き込み方向(主走査方向)にずれることである。(4)倍率ずれとは、各色の位置が、画像形成手段の光学系の設置誤差及び書き込みタイミングの誤差などにより、色同士で走査線の長さ(形成される画像の倍率)がずれることである。
【0059】
なお、上記(1)〜(4)の位置ずれは、装置の製造時に調整しても、各ユニットの交換等によって、再び、発生する場合がある。また、各ユニットの温度膨張によって、発生する場合がある。このため、画像形成開始時などに、より短い校正時間で、位置ずれの調整を行う必要である。
【0060】
本実施形態では、位置ずれ算出手段が算出した位置ずれ情報に基づいて、所定の演算処理を行うことにより、上記(1)〜(4)の位置ずれを補正するための補正値を算出する。
【0061】
具体的には、(1)斜めずれに対する補正は、位置ずれ情報に基づいて、露光器内の偏向ミラーの傾き、あるいは、露光器自体の傾きなどをアクチュエータによって補正する補正値を算出することができる。(2)副走査レジストずれに対する補正は、位置ずれ情報に基づいて、副走査方向の書き出しタイミングおよび光学系の面位相などを補正する補正値を算出することができる。(3)主走査レジストずれに対する補正は、位置ずれ情報に基づいて、主走査方向D1の書き出しタイミングなどを補正する補正値を算出することができる。(4)倍率ずれに対する補正は、位置ずれ情報に基づいて、書き込み速度などを補正する補正値を算出することができる。
【0062】
以上より、本実施形態の補正情報算出装置は、位置ずれ算出手段により、複数の閾値に基づいて、位置情報検出手段が検出した反射光の強度を用いて、転写ベルト上に形成された校正用カラー画像の補正用パターンの位置情報を取得することができる。また、本実施形態の補正情報算出装置は、位置ずれ算出手段により、位置情報検出手段の検出に外乱などが含まれるときでも、複数の閾値に基づいて、補正用パターンの位置情報を取得することができる。このため、本実施形態の補正情報算出装置は、再度の校正用カラー画像(補正用パターン)の形成及びその検出を行わずに、位置ずれ情報を算出することができる。
【0063】
(プログラム、及び、そのプログラムを記録した記録媒体)
本発明のプログラムPrは、所定の本数の補正用パターンで構成される補正パターン組が形成された画像の補正用パターンの位置に関する情報を検出する位置情報検出工程と、補正パターン組における補正用パターンの本数を検出するための閾値を複数設定する閾値設定工程と、設定された複数の閾値に基づいて、補正パターン組における補正用パターンの本数を検出するパターン数検出工程と、所定の本数と同じ本数の補正用パターンを検出した閾値を選定し、選定した閾値に対応する位置に関する情報を取得する位置情報取得工程と、取得した位置に関する情報に基づいて、画像における補正用パターンの位置ずれに関する情報を算出する位置ずれ算出工程と、を実行する。
【0064】
この構成によれば、本発明の補正情報算出装置と同等の効果が得られる。
【0065】
また、本発明は、プログラムPrを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体Mdとしてもよい。このプログラムPrを記録した記録媒体Mdとしては、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD、及び、メモリーカード等、コンピュータ読み取り可能な媒体を利用することができる。
【0066】
更に、本発明は、プログラムPrをインターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【0067】
(実施例1)
画像形成装置の実施例を用いて、本発明を説明する。本発明は、画像形成装置以外でも、プリンタ、スキャナ、被写機、ファックス等において、形成される画像の位置ずれ(色ずれ)を補正するものであれば、いずれのものにも用いることができる。
【0068】
(画像形成装置の構成)
本実施例の画像形成装置の概略構成図の例を図1に示す。図1において、本実施例の画像形成装置200の構成は、制御手段10、画像形成手段20、補正情報算出装置30、供給手段40、搬送手段50、排出手段60、記憶手段70、及び、I/F手段80を含む。なお、以後の画像形成装置200の構成の説明において、前述の画像形成装置100の構成と重複する説明は省略する。
【0069】
制御手段10は、本実施例では、CTL、プリントジョブ管理部及び画像書込み制御部を含む。
【0070】
CTLは、I/F手段80を介して、外部から入力された画像に関するデータを記憶手段70(ラインメモリ)に出力する。また、CTLは、画像形成開始時に、画像形成装置200の各構成に画像形成開始に関する指示(印刷ジョブなど)を出力する。プリントジョブ管理部は、画像形成開始に関する指示について、形成する画像の順番を制御する。画像書込み制御部は、CTLから出力された画像に関するデータを画像形成手段20の動作に関する信号(LEDヘッドを発光するための信号など)に変換し、画像形成手段20(LEDヘッドなど)に出力する。また、画像書込み制御部は、補正用パターンを形成し、画像形成手段20(パターン形成手段21)に出力する。
【0071】
画像形成手段20は、本実施例では、感光体ドラム、帯電器、LEDヘッド、現像器、除電器及び転写ベルトを含む。
【0072】
感光体ドラムは、形成する画像に対応する像をその表面に生成するものである。感光体ドラムは暗中に配置され、その表面を帯電器により一様に帯電された後に、LEDヘッドからの照射光により露光され、その表面に静電潜像を形成する。また、感光体ドラムは、現像器により静電潜像を可視像化してトナー画像を形成し、そのトナー画像を転写ベルトに転写する。ここで、感光体ドラムは、各色(三原色であるシアン、マゼンタ及びイエロー、並びに、ブラック)に対応する複数の感光体ドラムであり、転写ベルトに沿って配置された構成(タンデム方式)である。なお、画像形成装置200は、5色以上のタンデム方式としてもよい。
【0073】
帯電器は、感光体ドラムの表面を帯電する。LEDヘッドは、形成する画像の形状及び色に対応して、感光体ドラムの表面に照射光を照射する。現像器は、感光体ドラムの表面上の静電潜像をトナーにより可視像化し、トナー画像を形成する。除電器は、トナー画像の転写が終了した感光体ドラムの表面に残留した不要なトナーを除去した後、感光体ドラムの表面を除電する。
【0074】
転写ベルトは、中間転写体として、複数の感光体ドラムの表面上のトナー画像を転写されるものである。また、転写ベルトは、転写された画像を記録媒体の表面に転写し、記録媒体上に画像を形成する。転写ベルトは、本実施例では、駆動ローラと従動ローラとに巻回され、駆動ローラの回転駆動により移動する。このとき、転写ベルトは、転写ベルトに沿って配置された各色の感光体ドラムによって、その表面上に各色のトナー画像を重畳的に転写される。したがって、転写ベルトの表面上にのカラー画像が形成される。
【0075】
また、画像形成手段20は、パターン形成手段21を含む。画像形成手段20は、画像形成装置200の起動中及び動作中の校正時に、パターン形成手段21により、感光体ドラム等を用いて、補正用パターン(図3)を転写ベルトの表面に転写し、校正用カラー画像を転写ベルト上に形成する。
【0076】
補正情報算出装置30は、位置ずれを校正するために、位置ずれ情報を算出する。補正情報算出装置30は、位置情報検出手段31及び位置ずれ算出手段32を含む。ここで、位置情報検出手段31及び位置ずれ算出手段32は、前述の(位置情報を検出する動作)等の説明と同様のため、説明を省略する。
【0077】
供給手段40は、給紙トレイ、給紙ローラ及び分離ローラを含む。供給手段40は、給紙ローラ及び分離ローラによって、給紙トレイから記録媒体を供給する。搬送手段50は、搬送ローラ、搬送ベルト及び搬送路を含む。搬送手段50は、供給手段40から供給された記録媒体を画像形成手段20へ搬送する。このとき、記録媒体は、画像形成手段20の転写ベルトの表面上に転写された画像を転写され、その表面上にカラー画像が形成される。
【0078】
排出手段60は、定着器及び排出トレイを含む。排出手段60は、定着器の加熱及び加圧などによって、カラー画像が形成された記録媒体上の画像(トナー、インク等)を定着し、その後、排出トレイに排出する。
【0079】
記憶手段70は、本実施例では、ラインメモリを含む。ラインメモリは、CTLから入力された画像に関するデータを一時的に格納する。
【0080】
(画像を形成する動作)
画像形成装置が、記録媒体に画像を形成する動作を、図5を用いて、説明する。図5は、本実施例の画像形成装置の要部の例を示す概略側面図である。
【0081】
図5より、画像形成装置は、画像形成開始時において、先ず、位置ずれを補正するため、補正情報算出装置により位置ずれ情報を算出し、算出した位置ずれ情報に基づいて、画像形成の動作を校正する。
【0082】
具体的には、画像形成装置は、画像形成手段のパターン形成手段により、感光体ドラム(8BK、8M、8C及び8Y)上に補正用パターンを形成し、形成した補正用パターンを転写ベルト5の表面に転写し、転写ベルト5上に校正用カラー画像(図3)を形成する。次に、画像形成装置は、補正情報算出装置により、校正用カラー画像の補正用パターンの位置情報を検出し、位置ずれ情報を算出する。ここで、位置情報を検出する動作及び位置ずれ情報を算出する動作は、前述の(位置情報を検出する動作)及び(位置ずれ情報を算出する動作)の説明と同様のため、説明を省略する。
【0083】
次いで、画像形成装置は、算出した位置ずれ情報に基づいて、位置ずれを補正するための補正値を算出する。ここで、補正値には、LEDヘッド(10BK等)の傾き及び照射タイミング、感光体ドラム(8BK等)間の平行度及び軸間距離、並びに、感光体ドラム(8BK等)及び転写ベルト5の回転速度などに関する補正値とすることができる。
【0084】
次に、画像形成装置は、算出した補正値に基づいて、画像形成の動作を校正する。また、画像形成装置は、校正の動作の完了後、記録媒体に画像を形成する動作を開始する。
【0085】
具体的には、画像形成装置は、制御手段の画像書込み制御部により、形成する画像に対応する信号を各色のLEDヘッド(10BK、10M、10C及び10Y)に出力する。このとき、各色のLEDヘッド(10BK、10M、10C及び10Y)は、入力された信号に基づいて、回転している感光体ドラム(8BK、8M、8C及び8Y)表面に照射光を照射し、感光体ドラム(8BK、8M、8C及び8Y)表面上に静電潜像を形成する。次いで、画像形成装置は、現像器(11BK、11M、11C及び11Y)により、感光体ドラム(8BK、8M、8C及び8Y)表面上の静電潜像を可視像化し、トナー画像を形成する。また、画像形成装置は、そのトナー画像を転写ベルト5の表面に転写し、転写ベルト5上に転写用カラー画像を形成する。
【0086】
また、画像形成装置は、供給ローラ2及び分離ローラ3により供給トレイ1から記録媒体4を供給し、転写ベルト5表面上の転写用カラー画像が転写位置ImgFに移動するタイミングに合わせて、記録媒体4を転写位置ImgFに搬送する。このとき、画像形成装置は、転写ベルト5上に形成された転写用カラー画像を記録媒体4の表面に転写し、記録媒体4上にカラー画像を形成する。その後、画像形成装置は、搬送手段により、記録媒体4を定着器14に搬送し、カラー画像が形成された記録媒体上の画像(トナー、インク等)を定着する。
【0087】
以上より、画像形成装置は、カラー画像が形成された記録媒体4を排出トレイに排出し、記録媒体4上にカラー画像を形成する動作を完了する。
【0088】
本実施例の画像形成装置は、補正用パターンの検出にノイズなどが含まれるときでも、再度の校正用カラー画像(補正用パターン)の形成及びその検出を行わずに、位置ずれに関する情報を算出することができる。そのため、画像形成装置は、位置(色)ずれの補正を行なうための校正時間を短縮することができる。また、本実施例の画像形成装置は、再度の校正用カラー画像の形成及びその検出を行わずに、位置ずれの補正を行なうため、校正用カラー画像の形成に用いるトナーの使用量を削減することができる。
【0089】
(変形例1)
実施例1の変形例を用いて、本発明を説明する。
【0090】
(画像形成装置の構成)
本変形例の画像形成装置300の構成を図1に示す。ここで、以後の画像形成装置300の構成の説明において、前述の画像形成装置200の構成と重複する説明は省略する。
【0091】
本変形例の画像形成装置300は、位置情報検出手段31として、3つのセンサを含む。また、画像形成装置300は、位置ずれ算出手段32として、画像検出部を含む。ここで、3つのセンサは、転写ベルト上に形成された複数の補正用パターンを検出する。また、画像検出部は、3つのセンサが検出した補正用パターンに対応する波形を用いて、位置ずれ情報を算出する。ここで、画像検出部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit、集積回路)により構成することができる。
【0092】
(画像を形成する動作)
画像形成装置が、画像を形成する動作を、図6を用いて、説明する。図6(a)は、3つのセンサとしてセンサ31a、センサ31b及びセンサ31cから構成される位置情報検出手段31と、2つの画像検出部として画像検出部A及び画像検出部Bから構成される位置ずれ算出手段32と、を示す。図6(b)は、3つのセンサとしてセンサ31a等から構成される位置情報検出手段31と、1つの画像検出部として画像検出部Aから構成される位置ずれ算出手段32と、を示す。
【0093】
画像形成装置は、画像形成開始時において、先ず、位置ずれを補正するため、補正情報算出装置により位置ずれ情報を算出し、算出した位置ずれ情報に基づいて、画像形成の動作を校正する。
【0094】
具体的には、画像形成装置は、画像形成手段のパターン形成手段により、感光体ドラム上に補正用パターンを形成し、形成した補正用パターンを転写ベルトの表面に転写し、転写ベルト上に校正用カラー画像を形成する。次に、画像形成装置は、位置情報検出手段31のセンサ31a等により、転写ベルト上の校正用カラー画像(補正用パターン)に対応する波形を検出する。また、画像形成装置は、センサ31a等が検出した波形を画像検出部A及び画像検出部Bに出力する。その後、画像形成装置は、画像検出部A及び画像検出部Bにより、位置ずれ情報を算出する。
【0095】
このとき、センサ31a等は、画像形成装置が4色の画像を形成する場合、4色の補正用パターンを検出した波形を、画像検出部A及び画像検出部Bに出力する(図6(a))。ここで、画像検出部A及び画像検出部Bは、それぞれ異なる閾値を用いて、補正用パターンの位置情報及び検出数を算出することができる。
【0096】
また、センサ31a等は、画像形成装置が6色の画像を形成する場合、6色の補正用パターンを検出した波形のうちの3色に対応する波形を画像検出部Aに出力し、他の3色に対応する波形を画像検出部Bに出力する。このとき、画像検出部A及び画像検出部Bは、それぞれ異なる閾値を用いて、補正用パターンの位置情報及び検出数を算出することができる。
【0097】
これにより、画像形成装置は、一度の補正用パターンの検出により、2種類の位置情報および2種類の検出数を算出することができる。つまり、本変形例は、4色のタンデム方式の画像形成装置以外の、6色、7色及び8色などのタンデム方式の画像形成装置において、位置ずれ情報を算出することができる。
【0098】
なお、画像形成装置は、パターン形成手段により補正用パターンを転写ベルト上に転写する際に、複数の色を重畳して、他の色の補正用パターンを形成してもよい。例えば、4色に対応する感光体ドラムを用いて、5色以上の補正用パターンを形成してもよい。
【0099】
また、画像形成装置は、1つの画像検出部Aにより、センサ31a等が検出した波形に基づいて、複数の閾値を用いて、位置ずれ情報を算出することもできる(図6(b))。
【0100】
次いで、画像形成装置は、算出した位置ずれ情報に基づいて、位置ずれを補正するための補正値を算出する。また、画像形成装置は、算出した補正値に基づいて、画像形成の動作を校正する。更に、画像形成装置は、校正の動作の完了後、記録媒体に画像を形成する動作を開始する。なお、これらの動作は、実施例1の動作と同様のため、説明を省略する。
【符号の説明】
【0101】
21 : パターン形成手段
30 : 補正情報算出装置
31 : 位置情報検出手段
32 : 位置ずれ算出手段
32t: 閾値設定手段
100、200、300:画像形成装置
Pk : 補正用パターン
St : 補正パターン組
Th1: 第1の閾値(閾値)
Th2: 第2の閾値(閾値)
Pr : プログラム
Md : 記録媒体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0102】
【特許文献1】特開2007−199620号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の本数の補正用パターンで構成される補正パターン組が形成された画像の該補正用パターンの位置に関する情報を検出する位置情報検出手段と、
前記位置に関する情報に基づいて、前記画像における前記補正用パターンの位置ずれに関する情報を算出する位置ずれ算出手段と、
を有する補正情報算出装置であって、
前記位置ずれ算出手段は、前記位置情報検出手段により検出された補正用パターンの位置に関する情報に基づいて、前記補正パターン組における補正用パターンの本数を検出するための閾値を複数設定する閾値設定手段を備え、
前記位置ずれ算出手段は、前記閾値設定手段により設定された複数の閾値に基づいて、前記補正パターン組における補正用パターンの本数を検出し、前記所定の本数と同じ本数の補正用パターンを検出した閾値を選定し、前記選定した閾値に対応する前記補正用パターンの位置に関する情報を取得し、前記取得した位置に関する情報に基づいて、前記位置ずれに関する情報を算出する、
ことを特徴とする補正情報算出装置。
【請求項2】
前記位置情報検出手段は、照射光を前記補正パターン組が形成された画像に照射し、前記補正用パターンに対応した前記照射光の反射光の強度の減少量を検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の補正情報算出装置。
【請求項3】
前記閾値設定手段は、前記反射光の強度の減少量において、複数の減少量の値を複数の閾値として設定し、
前記位置ずれ算出手段は、前記所定の本数と同じ本数の補正用パターンを検出した閾値が複数の場合では、前記減少量の値が小さい方の閾値を選定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の補正情報算出装置。
【請求項4】
複数の位置ずれ算出手段を有し、
前記複数の位置ずれ算出手段は、前記閾値設定手段をそれぞれ備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の補正情報算出装置。
【請求項5】
前記補正用パターンは、前記画像を形成するトナーを重畳して形成される色の補正用パターンを含み、
前記所定の本数は、各トナーの色の補正用パターンの本数と前記トナーを重畳して形成される色の補正用パターンの本数とを加算した本数であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の補正情報算出装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の補正情報算出装置を有し、
前記画像を形成するパターン形成手段を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
所定の本数の補正用パターンで構成される補正パターン組が形成された画像の該補正用パターンの位置に関する情報を検出する位置情報検出工程と、
前記補正パターン組における補正用パターンの本数を検出するための閾値を複数設定する閾値設定工程と、
前記設定された複数の閾値に基づいて、前記補正パターン組における補正用パターンの本数を検出するパターン数検出工程と、
前記所定の本数と同じ本数の補正用パターンを検出した閾値を選定し、前記選定した閾値に対応する位置に関する情報を取得する位置情報取得工程と、
前記取得した位置に関する情報に基づいて、前記画像における前記補正用パターンの位置ずれに関する情報を算出する位置ずれ算出工程と、
を含むことを特徴とする補正情報算出方法。
【請求項8】
請求項7に記載の補正情報算出方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−80132(P2013−80132A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220431(P2011−220431)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】