補綴用インプラント及び補綴用インプラントを形成する方法
本発明の1つの実施の形態は、独創的な補綴用インプラント及び補綴用インプラントを製造する方法である。その他の実施の形態は、補綴用インプラントプラント用の機器、システム、装置、金具、方法及びこれらの組み合わせ体を含む。本発明の更なる実施の形態、形態、特徴、局面、有利な点及び利点は本発明の説明及び添付図面から明らかになるであろう。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2009年8月10日付けにて出願され、その内容を参考として本出願に含めた米国仮特許出願第61/232,650号の利益を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、全体として、医療装置、より特定的には、補綴用インプラント及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
補綴用インプラントは、常に関心が持たれる分野である。一部の既存のシステムは、特定の用途に関して種々の短所、欠点及び不利益な点がある。従って、この技術分野にて更なる貢献が常に必要とされている。
【0004】
本発明の1つの実施の形態は、独創的な補綴用インプラント及び補綴用インプラントを製造する方法である。その他の実施の形態は、補綴用インプラント用の機器、システム、装置、金具、方法及び組み合わせ体を含む。本発明の更なる実施の形態、態様、特徴、利点及び有利な効果は、本明細書の説明及び添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書の説明は、幾つかの図面の全体を通じて同様の部品を同様の参照番号で示す添付図面を参照する。
【図1】本発明の1つの特徴に従って補綴用インプラント鋳造モールドをフリーフォーム製造するシステムの図である。
【図2】本発明の1つの実施の形態に従った補綴用インプラントを示す図である。
【図3】3Aは異なる剛性を有する1つリングの中空の格子軸部構造体を示す図である。 3Bは異なる剛性を有する2つリングの中空の格子軸部構造体を示す図である。 3Cは異なる剛性を有する3つリングの中空の格子軸部構造体を示す図である。
【図4】図3A−3Cの中空の格子構造体の剛性対中実な軸部の剛性を示すグラフである。
【図5】本発明の1つの実施の形態に従った補綴用インプラントの断面図である。インプラントはヒトの大腿骨内に植え込んだ状態で示されている。
【図6】図5の補綴用インプラントの軸部の長さに沿った位置における断面図である。
【図7】図5の補綴用インプラントの軸部の長さに沿った異なる位置における断面図である。
【図8】図5の補綴用インプラントの軸部の長さに沿った異なる位置における断面図である。
【図9】本発明の1つの特徴に従った格子構造体を示す図5の補綴用インプラントの側面図である。
【0006】
本発明の原理の理解を容易にするため、以下に、図面に示した実施の形態に関して説明し、その説明のため、特定の用語を使用する。しかし、本発明の特定の実施の形態の図面及び説明は本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解すべきである。更に、図示し且つ(又は)説明した実施の形態の任意の改変及び(又は)変更例は、本発明の範囲に含めことを意図するものである。更に、本発明が属する技術分野の当業者に通常、案出されるように、図示し且つ(又は)本明細書にて説明した本発明の原理の任意のその他の適用例は、本発明の範囲に属するものと考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
腰関節インプラントのような、以前の補綴用インプラントは、重く、剛性な装置であり、機械的な性質の点にて自然の骨と比較して著しい不適合がある。剛性の点の不適合は、インプラントの大きい破損の要因であり、人工腰関節のような以前のインプラントの長期間の性能を特に、荷重支承状況にて著しく制限する可能性がある。例えば、ある場合にて、主要なチタン製人工腰関節の平均寿命は、10年程度にしか過ぎない。
【0008】
骨の剛性と金属の剛性とに差があることは、荷重を支承する機能のほぼ全てが金属製補綴具に伝達されることを意味する。従って、インプラントを取り囲む骨に作用する機械的応力は僅かであり、これは、「応力遮蔽」として知られた状況である。応力を受けない細胞は身体に再吸収されるため、インプラントを所要の位置に保持する骨は軟化し、装置は緩み易くなる。インプラント又は取り囲む骨が破損したとき、通常、更なる外科的処置が必要となる。本発明の幾つかの特徴によれば、応力遮蔽効果は減少し又は解消され、このため、余分な医療的介入が避けられる。
【0009】
更に、インプラントと骨組織との間の界面が弱い場合、インプラントの「微細動作(micromotion)」が生じ、このため、突然、インプラントの最終的な破損が発生する可能性がある。例えば、相互に接続した(開放した)多孔質構造体のような、多孔質インプラントは、骨の内部成長を許容し、微細動作という問題を軽減し又は解消し、このため、破断率を減少させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの形態において、本発明の実施の形態は、中空の腰関節軸部と、例えば、鋳造モールドのフリーフォーム製造のような、仮想パターン鋳造法(VPC法)を介して中空の腰関節軸部を製造する方法を含む。本発明の幾つかの実施の形態は、低剛性を有する軽量なインプラントを可能にするピン、フィン及び(又は)中空の格子構造体を含む。更に、幾つかの実施の形態において、ピン、フィン及び(又は)中空の格子構造体は、特別注文的な剛性の「調整」を可能にし、その場合、剛性は、ピンの型式及びフィンの特徴、特徴部の位置、又は、例えば、格子構造体の骨組み部材の寸法及び配置位置のような、格子構造体の性質の選択に依存する。更に、幾つかの実施の形態において、ピン、フィン及び(又は)中空の格子構造体は、骨が装置内に内部成長し、補綴用装置を骨内にて一層良く固定することを可能にする。更に、幾つかの実施の形態において、中空の通路は装置内に鋳造し、骨の成長剤を運び、生物分解性プラグを受け入れることができ、このことは、装置内への骨の内部成長を更に可能にする。また、幾つかの実施の形態において、補綴用装置を鋳造するため、一体的なコア/シェルモールドが形成される。
【0011】
本発明の幾つかの実施の形態は、「フレキシブル」な装置の設計を含み、この設計は、荷重を補綴用装置の端部に集中させるのではなくて、分配し、このため、「応力遮蔽効果」を軽減する。更に、本発明の幾つかの実施の形態は、骨の内部成長用の中空の格子構造体を提供することにより、装置の長期間の性能を改善し、このことは、骨/金属の界面を改良し、また、骨と補綴用インプラント装置との間の微細動作を軽減し又は解消することができる。幾つかの実施の形態において、ピン/フィン/中空の格子構造体は、インプラントの剛性をヒトの骨の剛性により正確に適合させる構成とされている。剛性が小さく又は適合することは、装置は、最早、荷重を装置の端部まで伝達しないため、大腿骨に対する応力遮蔽効果を軽減し又は解消することになる。幾つかの実施の形態において、ピン、フィン及び(又は)中空の格子構造体は、例えば、厚さ、長さ及び(又は)その他のパラメータを制御して、特定の患者の骨の幾何学的形態の特徴及び(又は)剛性の特徴を調節するVPC法により、装置の剛性をヒトの骨の特定の骨密度に合うよう「調整する」能力を可能にする。また、幾つかの実施の形態において、ピン、フィン及び(又は)中空の格子構造体は骨の成長に伴い骨を支えるための場所を提供する。幾つかの実施の形態において、インプラントは、骨の成長を速めるため、骨成長剤を運ぶことができる。例えば、1つの形態において、中空の通路を補綴用装置内に鋳造し、骨成長剤を充填し、その後、例えば、時間解放式の生物分解性又は体内吸収性プラグにて栓をする。このようにして、補綴用装置は、時間の経過と共に骨成長剤の解放を制御し、これにより、術後の回復を早めることができる。
【0012】
幾つかの実施の形態において、ピン、フィン及び(又は)中空の格子構造体は、膝、肘、脊柱のインプラントのような、腰関節軸部又はその他の荷重支承インプラント装置にて具体化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照すると、本発明の1つの実施の形態に従ってセラミック製の補綴用インプラントモールド12をフリーフォームに製造するためのフリーフロー製造システム10の非限定的な例が概略図にて示されている。本発明にてインプラント用として考えられるセラミック材料は、アルミナ、ジルコニア、シリカ、イットリア、マグネシア、及びそれらの混合体を含むが、これらにのみ限定されるものではない。1つの形態において、システム10は、選択的レーザ作動(SLA)立体リソグラフィシステムである。選択的レーザ作動は、供給エネルギに露呈されたとき、凝固する樹脂を利用する立体リソグラフィ法に基づくものである。1つの形態において、樹脂は、光重合性モノマー及び(又は)オリゴノマー内に配設されたセラミック粒子を含み、供給エネルギは、重合化する供給エネルギである。本発明は、オリゴノマー樹脂を単独にて又はモノマー樹脂と組み合わせて使用することを考えている。本発明は、補綴用インプラントモールド12の形態をした構成要素に関して説明するが、本発明は、その他の型式の材料及びその他の型式の構成要素にも適用可能であることを理解すべきである。本発明は、全体として、SLA立体リソグラフィシステムに関して説明するが、フラッシュキュアシステム及びその他の形態の走査式キュアシステムのような、その他のフリーフロー製造システムにも等しく適用可能である。
【0014】
その幾つかを層14、16、18及び20として特定した複数の層にて形成された三次元的なセラミック製構成要素としてセラミック製の補綴用インプラントのモールド12を形成すべくシステム10が使用される。1つの形態において、立体リソグラフィシステム10は、セラミック装填樹脂22を採用し、また、樹脂の封込めリザーバ24と、高さ変更部材26と、レーザ源28と、高さ変更部材26を渡ってレーザビーム32を走査するよう作用可能な走査装置30とを含んでいる。樹脂封込めリザーバ24は、ある量のセラミック装填樹脂22にて充填されており、該樹脂22からモールド12が製造される。1つの形態において、セラミック装填樹脂22は光開始剤を保持している。別の形態において、セラミック装填樹脂22は、例えば、光開始剤に加えて、分散剤を保持している。走査装置30は、例えば、セラミック装填樹脂22の表面34にセラミック製補綴用インプラントのモールド12の各層を形成するよう望まれる形状にてレーザ源28からセラミック装填樹脂22を渡ってレーザビーム32を走査する。セラミック装填樹脂22内に保持されたセラミック粒子は、最終的に、完成したモールド12を形成する。
【0015】
1つの形態において、第一の軸線と、第二の軸線と、第三の軸線とを含む三次元的座標系は、例えば、セラミックモールド12のような、製造される物品に対する空間的基準として利用される。1つの形態において、三次元的座標系は、立体リソグラフィシステム10の軸線に相応するX、Y及びZ軸線を有するデカルト座標系である。しかし、極座標、円筒状座標、及び球面座標を含むが、これらにのみ限定されない、その他の三次元的座標系とすることを考えられる。
【0016】
1つの形態において、補綴用インプラントモールド12は、軸線Zから測定した成形角度にて形成されている。図1に示した成形角度は、0°である。その他の成形角度とすることが十分、考えられる。三次元的座標系は、成形角度にて整合されている。1つの形態において、セラミック製補綴用インプラントモールド12の三次元的座標系及び立体リソグラフィシステム10の座標系は同一幅にて伸びている。
【0017】
補綴用インプラントモールド12は、供給エネルギを付与して、セラミック装填した光重合性樹脂をキュアして重合化した層を形成するステップと、新たな樹脂膜を施すステップと、新たな樹脂膜を新しい層に光重合化し、且つその新しい層をそれ以前の層に接着させるべくオーバキュアするステップとによってシステム10により層毎に形成する仕方にてフリーフォーム製造される。1つの形態において、新たな樹脂の膜は、高さ変更部材26を下降させてセラミック充填樹脂22内の最上方の重合化した層をリザーバ24内に没入させることにより、最上部の重合化した層の上に形成される。その他の実施の形態において、その他の手段を使用してセラミック充填樹脂22の新たな層を最上方の重合化した層に施すことができる。この工程を反覆し、重合化した複数の層、すなわち、例えば、図示した層14、16、18及び20のような、ポリマーバインダにより互いに保持されたセラミック粒子の層を形成する。連続的に形成されたキュアした層は、最終的に、所望の三次元的特徴部が形成された、セラミック製補綴用インプラントモールド12の三次元的形状体を形成する。補綴用インプラントモールド12の三次元的特徴部は、モールドの部分の多孔度の分布状態を制御することを含む。例えば、制御された多孔度の分布状態は、相互に接続された節部が複数の交互に接続したポアによって隔てられるようにし、それらのポアは、インプラントのモールド12の一部として層毎に形成されるものとする。1つの例において、相互に接続した節部及び相互に接続したポートは、インプラントモールド12を使用して製作された鋳物の選んだ部分にて連続気泡構造体を有する金属発泡材を形成するよう作用可能である。その他の実施の形態において、多孔度の分布状態を制御することにより、鋳物に独立気泡構造体を形成することができる。別の例において、多孔度の分布状態の制御は、相互に接続した節及び相互に接続したポアの所望の幾何学的形状、寸法及び分布状態のような、所望の形態を規定することにより、生成することができる。相互に接続した節及び相互に接続したポアは、例えば、市販の立体リソグラフィコンピータ支援設計(CAD)ソフトウェアを使用してSTL(.stl)ファイルを生成することにより、電子的に規定することができる。次に、その電子的規定をシステム10に供給し、これにより、走査装置30は、後続の層を選択的にキュアし、STLファイルに基づいて所望の三次元的な相互に接続した節及び相互に接続したポアを得ることができる。多孔度の分布状態を制御することは、モールド12を使用して形成された鋳造インプラント内への骨の内部成長を助けることができ、このことは、インプラントと骨組織との間の荷重の伝達を助けるのみならず、インプラントと取り囲む骨組織との間の微細動作を減少させることができる。モールド12内又はその上の制御された多孔度の位置は、適用例の必要性に応じて変更することができる。
【0018】
1つの形態において、重合化した層の各々は、例えば、成形方向と称することのできるZ軸線に沿って測定した時、0.05mm(0.002インチ)程度の厚さである。その他の実施の形態にて、より薄い層又はより厚い層を採用することができる。例えば、各層の厚さは、完成したモールド12の所望の分解能(resolution)含む、用途の必要性に応じて変更することができる。幾つかの実施の形態において、幾つかの層は同一のモールド内にてその他の層よりも厚い厚さを有するようにしてもよい。本発明を特定の数の層又は層の厚さに限定することを意図するものではないことを理解すべきである。更に、補綴用インプラントモールド12のみを示したが、同一及び(又は)異なる形態の複数のセラミック製補綴用インプラントモールド12をシステム10にてバッチとして形成することができることを理解すべきである。
【0019】
1つの形態において、重合化した層の形成は、樹脂を重合化すべく使用されるエネルギを受け取る前、光重合性セラミック装填した樹脂の層の各々を平坦にする平坦化技術を使用するステップを含む。平坦化技術の例は、超音波加工、時間的遅延、及び(又は)ワイヤーブレードを使用する場合のような機械的支援による掃引を含む。本発明は、また、能動的な平坦化技術を採用しない実施の形態とすることも考える。
【0020】
各層を重合化し且つオーバキュアさせるべく使用されるエネルギ供給量は変更し又はその他の方法にて制御することができる。1つの形態において、エネルギ供給量は、レーザ28のパワー及びビーム32の直径を一定にし、次に、樹脂の表面を渡るレーザの走査速度(量)を制御することにより、制御される。フラッシュキュアシステムを有するような、別の形態において、レーザの走査速度及びレーザパワーに代えて、露出時間及びランプパワーを使用する。更に別の形態において、キュア及びオーバキュアを制御するパラメータは、ランプパワー及び走査速度である。色々な実施の形態において、その他のパラメータは、キュア及び(又は)オーバキュアを制御することができる。
【0021】
モールド12を形成した後、使用する前、補綴用インプラントモールド12に対し追加的な加工工程を行なうことができる。1つの形態において、補綴用インプラントモールド12に対して燃焼加工及び焼結加工を行い、補綴用インプラント鋳物を形成するため、一体的なセラミック鋳造モールドを得ることができる。
【0022】
次に、図2を参照すると、本発明の1つの実施の形態に従ったシステム10により形成された補綴用インプラント100の非限定的な例が示されている。補綴用インプラント100は、界面部分102と、該界面部分102と連結された軸部104とを含む。界面部分102は、補綴用装置をその他の構造体と相互に界面接続するよう作用可能である。1つの形態において、界面部分102は、インプラント100をヒトの腰関節ソケットと相互に界面接続する大腿骨頂部である。その他の実施の形態において、界面部分102は、例えば、その他の生物学的構造体と相互に界面接続するその他の形態を取ることができる。1つの形態において、軸部104は、例えば、大腿骨のようなヒトの骨組織内に植え込まれる構成とされている。その他の形態において、軸部104はその他の組織内に植え込まれ又はその他の構成要素又は装置と相互に接続される構成とすることがきる。1つの形態において、軸部104は、ネック部分106を介して界面部分102と連結されている。補綴用インプラント100は、粗調節ピン/フィン/格子の形態物108を含む。
【0023】
図3A−3C及び図4を参照すると、当該発明者らは、コンピュータ支援設計ソフトウェアを使用して中空の格子構造体120、140及び160の見本を作製し、剛性の「調整」量を決定し、この調整量は、例えば、大腿骨のような、ヒトの骨組織のような、骨組織内に植え込まれるインプラントの軸部にて調節することができる。剛性アームの厚さ及びその数、並びに半径方向部分の数を変化させることにより、剛性の「調整可能な」30%の調節が実現された。構造体120は、1つリング構造体であり、構造体140は、2つリング構造体であり、構造体160は、3つリング構造体である。図4は、中実な構造体に対する構造体120、140及び160の剛性を示すプロット図180である。リングR(半径方向部分)の数及び剛性化アームSAの数及び厚さは、異なる剛性値を実現するよう変更することができることを理解すべきである。1つの形態において、リングの数及び(又は)剛性化アームの数及び(又は)厚さは、異なるインプラントの間にて変更する。別の形態において、リングRの数及び(又は)剛性化アームSAの数及び(又は)厚さは、特定のインプラトの軸部の長さに沿って変化させ、軸部の剛性を変更し、軸部の長さに沿った異なる箇所において異なる剛性値が得られるようにする。
【0024】
次に、図5−9を参照すると、本発明の別の実施の形態に従った別の補綴用インプラントが示されている。インプラント200は、ヒトの大腿骨201内に植え込んだ状態で示されている。インプラント200は、界面部分202と、界面部分202に連結された軸部204とを含む。界面部分202は、補綴用装置をその他の構造体に相互に界面接続するよう作用可能である。1つの形態において、界面部分202は、インプラント200をヒトの腰関節ソケットと相互に界面接続する大腿骨頂部である。他の実施の形態において、界面部分102は、例えば、他の生物学的構造体と相互に界面接続するその他の形態を取ることができる。1つの形態において、軸部204は、ネック部分206を介して界面部分202に連結されている。
【0025】
軸部204は、本体207を含む。本体207は、コア部材208と、外側リング210と、中間リング212と、内側リング214とを含む。軸部204は、所望の深さ216迄、植え込み得る構造とされている。深さ216は、用途の必要性に応じて変更することができる。1つの形態において、コア部材208は、リング210、212及び214に対する支持体を提供する中央の支持部材である。1つの形態において、本体207は、所望の植え込み深さ216にほぼ相応する長さ220を有している。1つの形態において、本体207は中空である。1つの形態において、コア部材208は中実であり、外側リング210、中間リング212及び内側リング214は、例えば、ワレン式梁(Warren girder)又はストラッツメッシュの形態をした、中空の格子構造体である。1つの形態において、コア部材208、外側リング210、中間リング212及び内側リング214は、剛性化アーム222を介して互いに連結されている。強化部材222の数及び寸法は、用途の必要性に応じて変更することができる。1つの形態において、剛性化アーム222は、2つ以上のリング210、212、214と(又は)コア部材208との間を伸びるピンの形態をしている。別の形態において、剛性化アーム222は、2つ以上のリング210、212、214と(又は)コア部材208との間を伸びる、例えば、軸方向又は半径方向フィンのような、フィンの形態をしている。1つの形態において、剛性化アーム222は、リング210、212、214及びコア部材208と一体的に鋳造されている。別の形態において、剛性化アーム222は、リング210、212、214及びコア部材208にその他の方法にて連結し又は固定することができる。
【0026】
本明細書にて、3つのリング部分210、212、214を有するものとして説明したが、幾つかの実施の形態は、より多数の又は少数のリング部分を有するものとしてもよく、また、リング部分の数を軸部の長さに沿って変化させ、又は軸部の長さに沿って一定としてもよいことを理解すべきである。1つの形態において、外側リング210、中間リング212及び内側リング214の各々は、格子構造体224を含む。1つの形態において、リング210、212、214の各々は、格子リングである、すなわち、例えば、シート部材、又は格子材料を円筒状の形態又はその他の形状体にロール巻きしたとき、格子構造体224により規定される管状の配列である。1つの形態において、リング210、212、214は、例えば、図6−図8に示したように、円形の断面形状をしている。その他の実施の形態において、リング210、212、214は、ヒトの大腿骨又はその他の骨又は骨の非円形の開口部の断面に相応する形状のような、その他の断面形状であるようにしてもよい。幾つかの実施の形態において、2つ以上のリング210、212、214の断面寸法及び形状は、軸部204の長さに沿って変化するものとする。1つの形態において、格子構造体224は、開口部226によって規定される。開口部226の寸法、形状、位置及び数は、用途の必要性に応じて変更することができる。1つの形態において、開口部226は、2つ以上の外側リング210、中間リング212及び内側リング214を貫通して伸びている。図5−8の図面において、明確化のため、数個の格子開口部226のみが示されている。幾つかの実施の形態において、コア部材208は、格子構造体224も含む。1つの形態において、コア部材208は、ネック部206に隣接するコア部材208の基端からの距離の増大に伴ない断面寸法が減少する。その他の実施の形態において、コア部材は、用途の必要性に応じて断面寸法が変化するようにしてもよい。幾つかの実施の形態において、コア部材の断面寸法は、コア部材の長さに沿って増減するようにしてもよい。
【0027】
1つの形態において、外側リング210、中間リング212及び内側リング214の各々は、コア部材208と一体的であり、且つコア部材208から伸びている。その他の実施の形態において、その他の幾何学的配置を採用することができる。1つの形態において、界面部分202、軸部分204(本体207を含む)及びネック部206は、システム10のような、VPC加工システムを使用して形成された一体のシェル及び一体のコアを有するモールド12に対し溶融金属を供給することにより形成された、一体的な鋳物特徴部である。1つの形態において、コア部材208、外側リング210、中間リング212及び内側リングの2つ以上に複数のリザーバ228が形成されている。その他の実施の形態において、リザーバ228のようなリザーバは採用しなくてよい。1つの形態において、2つ以上のリザーバ228は、盲開口部である。別の形態において、2つ以上のリザーバ228は、中空の通路である。1つの形態において、骨成長剤のような薬剤230が2つ以上のリザーバ228内に配設されている。1つの形態において、体内吸収性プラグのような、プラグ232を採用して2つ以上のリザーバ228を密封する。1つの形態において、プラグ232は、時間放出式化学構造体を有する。その他の実施の形態において、かかる剤プラグ及び(又は)時間放出式化学構造体の2つ以上を採用しなくてよい。
【0028】
1つの形態において、外側リング210は、インプラント200を植え込む間及び植え込んだ後、骨組織と接触している。術後の期間中、骨組織は外側リング210、格子構造体224の開口部226内に成長して、インプラント200を大腿骨201に固定する。1つの形態において、可撓性の格子構造体224は、荷重を外側リング210の長さに沿って骨組織に伝達する。幾つかの実施の形態において、骨の成長は、外側リング210の開口部226を通って続き、外側リング210と中間リング212との間の容積を充填し、又は部分的に充填する。幾つかの実施の形態において、骨の成長は、中間リング212の開口部226に侵入し、中間リング212と内側リング214との間の容積を充填し、又は部分的に充填する。幾つかの実施の形態において、成長した骨は内側リング214の開口部226内に侵入し、内側リング214とコア部材208との間の容積を充填し又は部分的に充填する。従って、幾つかの実施の形態において、軸部204及び骨組織は、互いに挿置され/相互に差し込まれ、このことは、骨組織とインプラント200との接触を増し、このことは、幾つかの実施の形態にて、インプラント200と骨組織との間の微細動作を減少させ、且つ例えば、軸部204の全円周に沿って荷重を骨組織に伝達することになる。
【0029】
本発明の実施の形態は、補綴用装置を他の構造体と相互に界面接続するよう作用可能な界面部分と、該界面部分に連結された軸部とを備え、該軸部は、骨組織内の所望の深さまで植え込み得る構造とされ、該軸部は、ピンと、フィン及び(又は)格子構造体を含み、これらは、荷重を軸部と骨組織との間にて伝達するよう作用可能である、骨に植え込み可能な補綴用装置を含む。
【0030】
改良例において、格子構造体は中空である。
【0031】
別の改良例において、界面部分は大腿骨頂部である。
【0032】
更に別の改良例において、その他の構造体は、腰関節ソケットである。
【0033】
更に別の改良例において、軸部は中空の通路を含む。
【0034】
更に別の改良例において、補綴用装置は、中空の通路内に配設された骨成長剤を更に含む。
【0035】
更なる改良例において、補綴用装置は、中空の通路を密封するよう作用可能なプラグを更に含む。
【0036】
更なる改良例において、該プラグは、体内吸収性である。
【0037】
更なる改良例において、該プラグは、時間放出式プラグである。
【0038】
本発明の実施の形態は、その他の構造体と相互界面接続するよう作用可能な界面部分と、該界面部分に連結された軸部とを備え、該軸部は骨組織内に所望の深さまで植え込み得る構造とされ、また、該軸部は、外側リング構造体を有する中空本体を含み、該中空本体は、所望の植え込み深さに相応する長さを有し、外側リング構造体は、外側格子構造体を形成する第一の複数の開口部を含む、補綴用インプラントに関するものである。
【0039】
1つの改良例において、開口部は、外側リング構造体を貫通して伸び、これにより中空本体の内側を骨組織の成長に対して露呈させる。
【0040】
別の改良例において、外側格子構造体は、ストラッツメッシュにより規定される。
【0041】
更に別の改良例において、外側格子構造体は、ワレン式梁により規定される。
【0042】
更に別の改良例において、外側格子構造体のスラッツ構造体は、ヒトの骨組織の剛性に相応する中空本体の剛性を実現するよう調整されている。
【0043】
更に別の改良例において、インプラントは、盲開口部を更に含む。
【0044】
更なる改良例において、該盲開口部は、外側リング構造体にある。
【0045】
更なる改良例において、インプラントは、盲開口部内に配設された骨成長剤を含む。
【0046】
更なる改良例において、インプラントは、盲開口部を密封するよう作用可能なプラグを含む。
【0047】
更なる改良例において、プラグは体内吸収性である。
【0048】
更なる改良例において、プラグは、時間放出式プラグである。
【0049】
別の改良例において、インプラントは、外側リング構造体の内側にて中空本体内に配設された内側リング構造体を含み、該内側リング構造体は、内側格子構造体を形成する第二の複数の開口部を含む。
【0050】
更に別の改良例において、内側リング構造体は、内側リング構造体の末端と内側リング構造体の基端との間の複数の位置にて外側リング構造体に連結されている。
【0051】
更に別の改良例において、インプラントは、外側リング構造体の内側で且つ内側リング構造体の外側にて中空本体内に配設された中間リング構造体を含み、該中間リング構造体は、中間の格子構造体を形成する第三の複数の開口部を含む。
【0052】
更に別の改良例において、中間リング構造体は、中間リング構造体の末端と中間リング構造体との基端との間の複数の位置にて外側リング構造体に、及び内側リング構造体に連結されている。
【0053】
更なる改良例において、インプラントは、内側リング構造体の内側にて中空本体内に配設された中央の支持部材を更に含む。
【0054】
更なる改良例において、中央の支持部材は、内側リング構造体の末端と内側リング構造体の基端との間の複数の位置にて内側リング構造体に連結されている。
【0055】
更なる改良例において、インプラントは、複数の剛性化アームを更に含む。
【0056】
更に別の改良例において、剛性化アームの数は、ヒトの骨組織の剛性に合うべく軸部の剛性を調整するように選ばれる。
【0057】
追加の改良例において、ヒトの骨組織の剛性に合うよう軸部の剛性を調整するため、剛性化アームの厚さが選ばれる。
【0058】
別の改良例において、インプラントは、複数の半径方向部分を更に含む。
【0059】
更に別の改良例において、半径方向部分の数は、ヒトの骨組織の剛性に合うべく軸部の剛性を調整するように選ばれる。
【0060】
更に別の改良例において、中央の支持部材が外側リング構造体の内側にて中空本体内に配設されている。
【0061】
更に別の改良例において、中央の支持部材は、外側リング構造体の末端と外側リング構造体の基端との間の複数の位置にて外側リング構造体に連結されている。
【0062】
本発明の実施の形態は、外側構造体と相互に界面接続するよう作用可能な界面部分と、該界面部分に連結された軸部と、を備え、該軸部は、骨組織内に所望の深さまで植え込み得る構造とされており、該軸部は、所望の植え込み深さに相応する長さを有する本体と、該本体から外方に伸びて、且つ該本体の長さに沿って互いに隔てられた複数の突出部と、を含み、該突出部は、本体と一体に形成され且つ骨組織と係合するよう作用可能である、補綴用インプラントをも含む。
【0063】
1つの改良例において、本体は中空である。
【0064】
別の改良例において、複数の突出部は、複数のピンを含む。
【0065】
更に別の改良例において、複数の突出部は、複数のフィンを含む。
【0066】
更に別の改良例において、本体は、外側リング構造体を含み、突出部は、外側リング構造体から外方に伸びている。
【0067】
更に別の改良例において、本体は、外側リング構造体の内側にて本体内に配設された中央の支持部材を含む。
【0068】
本発明の実施の形態は、一体のコアと、一体のシェルとを有し、鋳造した補綴用インプラントを得る構造とされたセラミックモールドをフリーフォームにて製作するステップと、セラミックモールドを焼結するステップと、溶融合金を焼結したモールドに供給するステップと、セラミックモールドを除去して鋳造した補綴用インプラントを得るステップとを備える、補綴用インプラントを形成する方法も含む。
【0069】
1つの改良例において、該方法は、上述した特徴の任意のものを含むようセラミックモールドを製造する方法を含む。
【0070】
本発明の実施の形態は、補綴用インプラントを鋳造する一体のコアと一体のシェルとを有するセラミックモールドを電子的に規定するステップと、該電子的規定を使用してセラミックモールドをフリーフォームにて製作するステップと、溶融合金をセラミックモールドに供給するステップと、溶融合金を凝固させるステップと、セラミックモールドを一体的なコアと共に浸出液に浸して鋳造された補綴用インプラントを得るステップとを備える、補綴用インプラントを形成する方法も含む。
【0071】
1つの改良例において、該方法は、上述した特徴の任意のものを含むようセラミックモールドを製造する方法を含む。
【0072】
現在、最も実用的で且つ好ましい実施の形態であると考えられるものに関して本発明を説明したが、本発明は、開示した実施の形態にのみ限定されるものではなく、法により許容される改変例及び等価物の全てを包含するよう最広義の解釈に従って行なわれるべき、特許請求の範囲の思想及び範囲に含まれる多様な改変例及び等価的な構成を対象とすることを目的とするものである。更に、上記の説明にて使用した、好ましい、好ましくは又は好まれるという語は、その説明した特徴が望ましいことを意味するが、必ずしもそうではなく、その語を欠く全ての実施の形態が本発明の範囲に属するものと解釈することができ、その範囲は、以下の定義によって規定されるべきである。特許請求の範囲を読むとき、「ある」、「1つの」、「少なくとも1つの」及び「少なくとも一部分」というような語が使用されるとき、請求の範囲に別段の記載がない限り、特許請求の範囲を1つの項目にのみ限定することを意図するものではない。更に、「少なくとも一部分」及び(又は)「一部分」という語が使用されるとき、その項目は、別段の記載がない限り、その項目の一部分及び(又は)全体を含むものである。
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2009年8月10日付けにて出願され、その内容を参考として本出願に含めた米国仮特許出願第61/232,650号の利益を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、全体として、医療装置、より特定的には、補綴用インプラント及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
補綴用インプラントは、常に関心が持たれる分野である。一部の既存のシステムは、特定の用途に関して種々の短所、欠点及び不利益な点がある。従って、この技術分野にて更なる貢献が常に必要とされている。
【0004】
本発明の1つの実施の形態は、独創的な補綴用インプラント及び補綴用インプラントを製造する方法である。その他の実施の形態は、補綴用インプラント用の機器、システム、装置、金具、方法及び組み合わせ体を含む。本発明の更なる実施の形態、態様、特徴、利点及び有利な効果は、本明細書の説明及び添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書の説明は、幾つかの図面の全体を通じて同様の部品を同様の参照番号で示す添付図面を参照する。
【図1】本発明の1つの特徴に従って補綴用インプラント鋳造モールドをフリーフォーム製造するシステムの図である。
【図2】本発明の1つの実施の形態に従った補綴用インプラントを示す図である。
【図3】3Aは異なる剛性を有する1つリングの中空の格子軸部構造体を示す図である。 3Bは異なる剛性を有する2つリングの中空の格子軸部構造体を示す図である。 3Cは異なる剛性を有する3つリングの中空の格子軸部構造体を示す図である。
【図4】図3A−3Cの中空の格子構造体の剛性対中実な軸部の剛性を示すグラフである。
【図5】本発明の1つの実施の形態に従った補綴用インプラントの断面図である。インプラントはヒトの大腿骨内に植え込んだ状態で示されている。
【図6】図5の補綴用インプラントの軸部の長さに沿った位置における断面図である。
【図7】図5の補綴用インプラントの軸部の長さに沿った異なる位置における断面図である。
【図8】図5の補綴用インプラントの軸部の長さに沿った異なる位置における断面図である。
【図9】本発明の1つの特徴に従った格子構造体を示す図5の補綴用インプラントの側面図である。
【0006】
本発明の原理の理解を容易にするため、以下に、図面に示した実施の形態に関して説明し、その説明のため、特定の用語を使用する。しかし、本発明の特定の実施の形態の図面及び説明は本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解すべきである。更に、図示し且つ(又は)説明した実施の形態の任意の改変及び(又は)変更例は、本発明の範囲に含めことを意図するものである。更に、本発明が属する技術分野の当業者に通常、案出されるように、図示し且つ(又は)本明細書にて説明した本発明の原理の任意のその他の適用例は、本発明の範囲に属するものと考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
腰関節インプラントのような、以前の補綴用インプラントは、重く、剛性な装置であり、機械的な性質の点にて自然の骨と比較して著しい不適合がある。剛性の点の不適合は、インプラントの大きい破損の要因であり、人工腰関節のような以前のインプラントの長期間の性能を特に、荷重支承状況にて著しく制限する可能性がある。例えば、ある場合にて、主要なチタン製人工腰関節の平均寿命は、10年程度にしか過ぎない。
【0008】
骨の剛性と金属の剛性とに差があることは、荷重を支承する機能のほぼ全てが金属製補綴具に伝達されることを意味する。従って、インプラントを取り囲む骨に作用する機械的応力は僅かであり、これは、「応力遮蔽」として知られた状況である。応力を受けない細胞は身体に再吸収されるため、インプラントを所要の位置に保持する骨は軟化し、装置は緩み易くなる。インプラント又は取り囲む骨が破損したとき、通常、更なる外科的処置が必要となる。本発明の幾つかの特徴によれば、応力遮蔽効果は減少し又は解消され、このため、余分な医療的介入が避けられる。
【0009】
更に、インプラントと骨組織との間の界面が弱い場合、インプラントの「微細動作(micromotion)」が生じ、このため、突然、インプラントの最終的な破損が発生する可能性がある。例えば、相互に接続した(開放した)多孔質構造体のような、多孔質インプラントは、骨の内部成長を許容し、微細動作という問題を軽減し又は解消し、このため、破断率を減少させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの形態において、本発明の実施の形態は、中空の腰関節軸部と、例えば、鋳造モールドのフリーフォーム製造のような、仮想パターン鋳造法(VPC法)を介して中空の腰関節軸部を製造する方法を含む。本発明の幾つかの実施の形態は、低剛性を有する軽量なインプラントを可能にするピン、フィン及び(又は)中空の格子構造体を含む。更に、幾つかの実施の形態において、ピン、フィン及び(又は)中空の格子構造体は、特別注文的な剛性の「調整」を可能にし、その場合、剛性は、ピンの型式及びフィンの特徴、特徴部の位置、又は、例えば、格子構造体の骨組み部材の寸法及び配置位置のような、格子構造体の性質の選択に依存する。更に、幾つかの実施の形態において、ピン、フィン及び(又は)中空の格子構造体は、骨が装置内に内部成長し、補綴用装置を骨内にて一層良く固定することを可能にする。更に、幾つかの実施の形態において、中空の通路は装置内に鋳造し、骨の成長剤を運び、生物分解性プラグを受け入れることができ、このことは、装置内への骨の内部成長を更に可能にする。また、幾つかの実施の形態において、補綴用装置を鋳造するため、一体的なコア/シェルモールドが形成される。
【0011】
本発明の幾つかの実施の形態は、「フレキシブル」な装置の設計を含み、この設計は、荷重を補綴用装置の端部に集中させるのではなくて、分配し、このため、「応力遮蔽効果」を軽減する。更に、本発明の幾つかの実施の形態は、骨の内部成長用の中空の格子構造体を提供することにより、装置の長期間の性能を改善し、このことは、骨/金属の界面を改良し、また、骨と補綴用インプラント装置との間の微細動作を軽減し又は解消することができる。幾つかの実施の形態において、ピン/フィン/中空の格子構造体は、インプラントの剛性をヒトの骨の剛性により正確に適合させる構成とされている。剛性が小さく又は適合することは、装置は、最早、荷重を装置の端部まで伝達しないため、大腿骨に対する応力遮蔽効果を軽減し又は解消することになる。幾つかの実施の形態において、ピン、フィン及び(又は)中空の格子構造体は、例えば、厚さ、長さ及び(又は)その他のパラメータを制御して、特定の患者の骨の幾何学的形態の特徴及び(又は)剛性の特徴を調節するVPC法により、装置の剛性をヒトの骨の特定の骨密度に合うよう「調整する」能力を可能にする。また、幾つかの実施の形態において、ピン、フィン及び(又は)中空の格子構造体は骨の成長に伴い骨を支えるための場所を提供する。幾つかの実施の形態において、インプラントは、骨の成長を速めるため、骨成長剤を運ぶことができる。例えば、1つの形態において、中空の通路を補綴用装置内に鋳造し、骨成長剤を充填し、その後、例えば、時間解放式の生物分解性又は体内吸収性プラグにて栓をする。このようにして、補綴用装置は、時間の経過と共に骨成長剤の解放を制御し、これにより、術後の回復を早めることができる。
【0012】
幾つかの実施の形態において、ピン、フィン及び(又は)中空の格子構造体は、膝、肘、脊柱のインプラントのような、腰関節軸部又はその他の荷重支承インプラント装置にて具体化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照すると、本発明の1つの実施の形態に従ってセラミック製の補綴用インプラントモールド12をフリーフォームに製造するためのフリーフロー製造システム10の非限定的な例が概略図にて示されている。本発明にてインプラント用として考えられるセラミック材料は、アルミナ、ジルコニア、シリカ、イットリア、マグネシア、及びそれらの混合体を含むが、これらにのみ限定されるものではない。1つの形態において、システム10は、選択的レーザ作動(SLA)立体リソグラフィシステムである。選択的レーザ作動は、供給エネルギに露呈されたとき、凝固する樹脂を利用する立体リソグラフィ法に基づくものである。1つの形態において、樹脂は、光重合性モノマー及び(又は)オリゴノマー内に配設されたセラミック粒子を含み、供給エネルギは、重合化する供給エネルギである。本発明は、オリゴノマー樹脂を単独にて又はモノマー樹脂と組み合わせて使用することを考えている。本発明は、補綴用インプラントモールド12の形態をした構成要素に関して説明するが、本発明は、その他の型式の材料及びその他の型式の構成要素にも適用可能であることを理解すべきである。本発明は、全体として、SLA立体リソグラフィシステムに関して説明するが、フラッシュキュアシステム及びその他の形態の走査式キュアシステムのような、その他のフリーフロー製造システムにも等しく適用可能である。
【0014】
その幾つかを層14、16、18及び20として特定した複数の層にて形成された三次元的なセラミック製構成要素としてセラミック製の補綴用インプラントのモールド12を形成すべくシステム10が使用される。1つの形態において、立体リソグラフィシステム10は、セラミック装填樹脂22を採用し、また、樹脂の封込めリザーバ24と、高さ変更部材26と、レーザ源28と、高さ変更部材26を渡ってレーザビーム32を走査するよう作用可能な走査装置30とを含んでいる。樹脂封込めリザーバ24は、ある量のセラミック装填樹脂22にて充填されており、該樹脂22からモールド12が製造される。1つの形態において、セラミック装填樹脂22は光開始剤を保持している。別の形態において、セラミック装填樹脂22は、例えば、光開始剤に加えて、分散剤を保持している。走査装置30は、例えば、セラミック装填樹脂22の表面34にセラミック製補綴用インプラントのモールド12の各層を形成するよう望まれる形状にてレーザ源28からセラミック装填樹脂22を渡ってレーザビーム32を走査する。セラミック装填樹脂22内に保持されたセラミック粒子は、最終的に、完成したモールド12を形成する。
【0015】
1つの形態において、第一の軸線と、第二の軸線と、第三の軸線とを含む三次元的座標系は、例えば、セラミックモールド12のような、製造される物品に対する空間的基準として利用される。1つの形態において、三次元的座標系は、立体リソグラフィシステム10の軸線に相応するX、Y及びZ軸線を有するデカルト座標系である。しかし、極座標、円筒状座標、及び球面座標を含むが、これらにのみ限定されない、その他の三次元的座標系とすることを考えられる。
【0016】
1つの形態において、補綴用インプラントモールド12は、軸線Zから測定した成形角度にて形成されている。図1に示した成形角度は、0°である。その他の成形角度とすることが十分、考えられる。三次元的座標系は、成形角度にて整合されている。1つの形態において、セラミック製補綴用インプラントモールド12の三次元的座標系及び立体リソグラフィシステム10の座標系は同一幅にて伸びている。
【0017】
補綴用インプラントモールド12は、供給エネルギを付与して、セラミック装填した光重合性樹脂をキュアして重合化した層を形成するステップと、新たな樹脂膜を施すステップと、新たな樹脂膜を新しい層に光重合化し、且つその新しい層をそれ以前の層に接着させるべくオーバキュアするステップとによってシステム10により層毎に形成する仕方にてフリーフォーム製造される。1つの形態において、新たな樹脂の膜は、高さ変更部材26を下降させてセラミック充填樹脂22内の最上方の重合化した層をリザーバ24内に没入させることにより、最上部の重合化した層の上に形成される。その他の実施の形態において、その他の手段を使用してセラミック充填樹脂22の新たな層を最上方の重合化した層に施すことができる。この工程を反覆し、重合化した複数の層、すなわち、例えば、図示した層14、16、18及び20のような、ポリマーバインダにより互いに保持されたセラミック粒子の層を形成する。連続的に形成されたキュアした層は、最終的に、所望の三次元的特徴部が形成された、セラミック製補綴用インプラントモールド12の三次元的形状体を形成する。補綴用インプラントモールド12の三次元的特徴部は、モールドの部分の多孔度の分布状態を制御することを含む。例えば、制御された多孔度の分布状態は、相互に接続された節部が複数の交互に接続したポアによって隔てられるようにし、それらのポアは、インプラントのモールド12の一部として層毎に形成されるものとする。1つの例において、相互に接続した節部及び相互に接続したポートは、インプラントモールド12を使用して製作された鋳物の選んだ部分にて連続気泡構造体を有する金属発泡材を形成するよう作用可能である。その他の実施の形態において、多孔度の分布状態を制御することにより、鋳物に独立気泡構造体を形成することができる。別の例において、多孔度の分布状態の制御は、相互に接続した節及び相互に接続したポアの所望の幾何学的形状、寸法及び分布状態のような、所望の形態を規定することにより、生成することができる。相互に接続した節及び相互に接続したポアは、例えば、市販の立体リソグラフィコンピータ支援設計(CAD)ソフトウェアを使用してSTL(.stl)ファイルを生成することにより、電子的に規定することができる。次に、その電子的規定をシステム10に供給し、これにより、走査装置30は、後続の層を選択的にキュアし、STLファイルに基づいて所望の三次元的な相互に接続した節及び相互に接続したポアを得ることができる。多孔度の分布状態を制御することは、モールド12を使用して形成された鋳造インプラント内への骨の内部成長を助けることができ、このことは、インプラントと骨組織との間の荷重の伝達を助けるのみならず、インプラントと取り囲む骨組織との間の微細動作を減少させることができる。モールド12内又はその上の制御された多孔度の位置は、適用例の必要性に応じて変更することができる。
【0018】
1つの形態において、重合化した層の各々は、例えば、成形方向と称することのできるZ軸線に沿って測定した時、0.05mm(0.002インチ)程度の厚さである。その他の実施の形態にて、より薄い層又はより厚い層を採用することができる。例えば、各層の厚さは、完成したモールド12の所望の分解能(resolution)含む、用途の必要性に応じて変更することができる。幾つかの実施の形態において、幾つかの層は同一のモールド内にてその他の層よりも厚い厚さを有するようにしてもよい。本発明を特定の数の層又は層の厚さに限定することを意図するものではないことを理解すべきである。更に、補綴用インプラントモールド12のみを示したが、同一及び(又は)異なる形態の複数のセラミック製補綴用インプラントモールド12をシステム10にてバッチとして形成することができることを理解すべきである。
【0019】
1つの形態において、重合化した層の形成は、樹脂を重合化すべく使用されるエネルギを受け取る前、光重合性セラミック装填した樹脂の層の各々を平坦にする平坦化技術を使用するステップを含む。平坦化技術の例は、超音波加工、時間的遅延、及び(又は)ワイヤーブレードを使用する場合のような機械的支援による掃引を含む。本発明は、また、能動的な平坦化技術を採用しない実施の形態とすることも考える。
【0020】
各層を重合化し且つオーバキュアさせるべく使用されるエネルギ供給量は変更し又はその他の方法にて制御することができる。1つの形態において、エネルギ供給量は、レーザ28のパワー及びビーム32の直径を一定にし、次に、樹脂の表面を渡るレーザの走査速度(量)を制御することにより、制御される。フラッシュキュアシステムを有するような、別の形態において、レーザの走査速度及びレーザパワーに代えて、露出時間及びランプパワーを使用する。更に別の形態において、キュア及びオーバキュアを制御するパラメータは、ランプパワー及び走査速度である。色々な実施の形態において、その他のパラメータは、キュア及び(又は)オーバキュアを制御することができる。
【0021】
モールド12を形成した後、使用する前、補綴用インプラントモールド12に対し追加的な加工工程を行なうことができる。1つの形態において、補綴用インプラントモールド12に対して燃焼加工及び焼結加工を行い、補綴用インプラント鋳物を形成するため、一体的なセラミック鋳造モールドを得ることができる。
【0022】
次に、図2を参照すると、本発明の1つの実施の形態に従ったシステム10により形成された補綴用インプラント100の非限定的な例が示されている。補綴用インプラント100は、界面部分102と、該界面部分102と連結された軸部104とを含む。界面部分102は、補綴用装置をその他の構造体と相互に界面接続するよう作用可能である。1つの形態において、界面部分102は、インプラント100をヒトの腰関節ソケットと相互に界面接続する大腿骨頂部である。その他の実施の形態において、界面部分102は、例えば、その他の生物学的構造体と相互に界面接続するその他の形態を取ることができる。1つの形態において、軸部104は、例えば、大腿骨のようなヒトの骨組織内に植え込まれる構成とされている。その他の形態において、軸部104はその他の組織内に植え込まれ又はその他の構成要素又は装置と相互に接続される構成とすることがきる。1つの形態において、軸部104は、ネック部分106を介して界面部分102と連結されている。補綴用インプラント100は、粗調節ピン/フィン/格子の形態物108を含む。
【0023】
図3A−3C及び図4を参照すると、当該発明者らは、コンピュータ支援設計ソフトウェアを使用して中空の格子構造体120、140及び160の見本を作製し、剛性の「調整」量を決定し、この調整量は、例えば、大腿骨のような、ヒトの骨組織のような、骨組織内に植え込まれるインプラントの軸部にて調節することができる。剛性アームの厚さ及びその数、並びに半径方向部分の数を変化させることにより、剛性の「調整可能な」30%の調節が実現された。構造体120は、1つリング構造体であり、構造体140は、2つリング構造体であり、構造体160は、3つリング構造体である。図4は、中実な構造体に対する構造体120、140及び160の剛性を示すプロット図180である。リングR(半径方向部分)の数及び剛性化アームSAの数及び厚さは、異なる剛性値を実現するよう変更することができることを理解すべきである。1つの形態において、リングの数及び(又は)剛性化アームの数及び(又は)厚さは、異なるインプラントの間にて変更する。別の形態において、リングRの数及び(又は)剛性化アームSAの数及び(又は)厚さは、特定のインプラトの軸部の長さに沿って変化させ、軸部の剛性を変更し、軸部の長さに沿った異なる箇所において異なる剛性値が得られるようにする。
【0024】
次に、図5−9を参照すると、本発明の別の実施の形態に従った別の補綴用インプラントが示されている。インプラント200は、ヒトの大腿骨201内に植え込んだ状態で示されている。インプラント200は、界面部分202と、界面部分202に連結された軸部204とを含む。界面部分202は、補綴用装置をその他の構造体に相互に界面接続するよう作用可能である。1つの形態において、界面部分202は、インプラント200をヒトの腰関節ソケットと相互に界面接続する大腿骨頂部である。他の実施の形態において、界面部分102は、例えば、他の生物学的構造体と相互に界面接続するその他の形態を取ることができる。1つの形態において、軸部204は、ネック部分206を介して界面部分202に連結されている。
【0025】
軸部204は、本体207を含む。本体207は、コア部材208と、外側リング210と、中間リング212と、内側リング214とを含む。軸部204は、所望の深さ216迄、植え込み得る構造とされている。深さ216は、用途の必要性に応じて変更することができる。1つの形態において、コア部材208は、リング210、212及び214に対する支持体を提供する中央の支持部材である。1つの形態において、本体207は、所望の植え込み深さ216にほぼ相応する長さ220を有している。1つの形態において、本体207は中空である。1つの形態において、コア部材208は中実であり、外側リング210、中間リング212及び内側リング214は、例えば、ワレン式梁(Warren girder)又はストラッツメッシュの形態をした、中空の格子構造体である。1つの形態において、コア部材208、外側リング210、中間リング212及び内側リング214は、剛性化アーム222を介して互いに連結されている。強化部材222の数及び寸法は、用途の必要性に応じて変更することができる。1つの形態において、剛性化アーム222は、2つ以上のリング210、212、214と(又は)コア部材208との間を伸びるピンの形態をしている。別の形態において、剛性化アーム222は、2つ以上のリング210、212、214と(又は)コア部材208との間を伸びる、例えば、軸方向又は半径方向フィンのような、フィンの形態をしている。1つの形態において、剛性化アーム222は、リング210、212、214及びコア部材208と一体的に鋳造されている。別の形態において、剛性化アーム222は、リング210、212、214及びコア部材208にその他の方法にて連結し又は固定することができる。
【0026】
本明細書にて、3つのリング部分210、212、214を有するものとして説明したが、幾つかの実施の形態は、より多数の又は少数のリング部分を有するものとしてもよく、また、リング部分の数を軸部の長さに沿って変化させ、又は軸部の長さに沿って一定としてもよいことを理解すべきである。1つの形態において、外側リング210、中間リング212及び内側リング214の各々は、格子構造体224を含む。1つの形態において、リング210、212、214の各々は、格子リングである、すなわち、例えば、シート部材、又は格子材料を円筒状の形態又はその他の形状体にロール巻きしたとき、格子構造体224により規定される管状の配列である。1つの形態において、リング210、212、214は、例えば、図6−図8に示したように、円形の断面形状をしている。その他の実施の形態において、リング210、212、214は、ヒトの大腿骨又はその他の骨又は骨の非円形の開口部の断面に相応する形状のような、その他の断面形状であるようにしてもよい。幾つかの実施の形態において、2つ以上のリング210、212、214の断面寸法及び形状は、軸部204の長さに沿って変化するものとする。1つの形態において、格子構造体224は、開口部226によって規定される。開口部226の寸法、形状、位置及び数は、用途の必要性に応じて変更することができる。1つの形態において、開口部226は、2つ以上の外側リング210、中間リング212及び内側リング214を貫通して伸びている。図5−8の図面において、明確化のため、数個の格子開口部226のみが示されている。幾つかの実施の形態において、コア部材208は、格子構造体224も含む。1つの形態において、コア部材208は、ネック部206に隣接するコア部材208の基端からの距離の増大に伴ない断面寸法が減少する。その他の実施の形態において、コア部材は、用途の必要性に応じて断面寸法が変化するようにしてもよい。幾つかの実施の形態において、コア部材の断面寸法は、コア部材の長さに沿って増減するようにしてもよい。
【0027】
1つの形態において、外側リング210、中間リング212及び内側リング214の各々は、コア部材208と一体的であり、且つコア部材208から伸びている。その他の実施の形態において、その他の幾何学的配置を採用することができる。1つの形態において、界面部分202、軸部分204(本体207を含む)及びネック部206は、システム10のような、VPC加工システムを使用して形成された一体のシェル及び一体のコアを有するモールド12に対し溶融金属を供給することにより形成された、一体的な鋳物特徴部である。1つの形態において、コア部材208、外側リング210、中間リング212及び内側リングの2つ以上に複数のリザーバ228が形成されている。その他の実施の形態において、リザーバ228のようなリザーバは採用しなくてよい。1つの形態において、2つ以上のリザーバ228は、盲開口部である。別の形態において、2つ以上のリザーバ228は、中空の通路である。1つの形態において、骨成長剤のような薬剤230が2つ以上のリザーバ228内に配設されている。1つの形態において、体内吸収性プラグのような、プラグ232を採用して2つ以上のリザーバ228を密封する。1つの形態において、プラグ232は、時間放出式化学構造体を有する。その他の実施の形態において、かかる剤プラグ及び(又は)時間放出式化学構造体の2つ以上を採用しなくてよい。
【0028】
1つの形態において、外側リング210は、インプラント200を植え込む間及び植え込んだ後、骨組織と接触している。術後の期間中、骨組織は外側リング210、格子構造体224の開口部226内に成長して、インプラント200を大腿骨201に固定する。1つの形態において、可撓性の格子構造体224は、荷重を外側リング210の長さに沿って骨組織に伝達する。幾つかの実施の形態において、骨の成長は、外側リング210の開口部226を通って続き、外側リング210と中間リング212との間の容積を充填し、又は部分的に充填する。幾つかの実施の形態において、骨の成長は、中間リング212の開口部226に侵入し、中間リング212と内側リング214との間の容積を充填し、又は部分的に充填する。幾つかの実施の形態において、成長した骨は内側リング214の開口部226内に侵入し、内側リング214とコア部材208との間の容積を充填し又は部分的に充填する。従って、幾つかの実施の形態において、軸部204及び骨組織は、互いに挿置され/相互に差し込まれ、このことは、骨組織とインプラント200との接触を増し、このことは、幾つかの実施の形態にて、インプラント200と骨組織との間の微細動作を減少させ、且つ例えば、軸部204の全円周に沿って荷重を骨組織に伝達することになる。
【0029】
本発明の実施の形態は、補綴用装置を他の構造体と相互に界面接続するよう作用可能な界面部分と、該界面部分に連結された軸部とを備え、該軸部は、骨組織内の所望の深さまで植え込み得る構造とされ、該軸部は、ピンと、フィン及び(又は)格子構造体を含み、これらは、荷重を軸部と骨組織との間にて伝達するよう作用可能である、骨に植え込み可能な補綴用装置を含む。
【0030】
改良例において、格子構造体は中空である。
【0031】
別の改良例において、界面部分は大腿骨頂部である。
【0032】
更に別の改良例において、その他の構造体は、腰関節ソケットである。
【0033】
更に別の改良例において、軸部は中空の通路を含む。
【0034】
更に別の改良例において、補綴用装置は、中空の通路内に配設された骨成長剤を更に含む。
【0035】
更なる改良例において、補綴用装置は、中空の通路を密封するよう作用可能なプラグを更に含む。
【0036】
更なる改良例において、該プラグは、体内吸収性である。
【0037】
更なる改良例において、該プラグは、時間放出式プラグである。
【0038】
本発明の実施の形態は、その他の構造体と相互界面接続するよう作用可能な界面部分と、該界面部分に連結された軸部とを備え、該軸部は骨組織内に所望の深さまで植え込み得る構造とされ、また、該軸部は、外側リング構造体を有する中空本体を含み、該中空本体は、所望の植え込み深さに相応する長さを有し、外側リング構造体は、外側格子構造体を形成する第一の複数の開口部を含む、補綴用インプラントに関するものである。
【0039】
1つの改良例において、開口部は、外側リング構造体を貫通して伸び、これにより中空本体の内側を骨組織の成長に対して露呈させる。
【0040】
別の改良例において、外側格子構造体は、ストラッツメッシュにより規定される。
【0041】
更に別の改良例において、外側格子構造体は、ワレン式梁により規定される。
【0042】
更に別の改良例において、外側格子構造体のスラッツ構造体は、ヒトの骨組織の剛性に相応する中空本体の剛性を実現するよう調整されている。
【0043】
更に別の改良例において、インプラントは、盲開口部を更に含む。
【0044】
更なる改良例において、該盲開口部は、外側リング構造体にある。
【0045】
更なる改良例において、インプラントは、盲開口部内に配設された骨成長剤を含む。
【0046】
更なる改良例において、インプラントは、盲開口部を密封するよう作用可能なプラグを含む。
【0047】
更なる改良例において、プラグは体内吸収性である。
【0048】
更なる改良例において、プラグは、時間放出式プラグである。
【0049】
別の改良例において、インプラントは、外側リング構造体の内側にて中空本体内に配設された内側リング構造体を含み、該内側リング構造体は、内側格子構造体を形成する第二の複数の開口部を含む。
【0050】
更に別の改良例において、内側リング構造体は、内側リング構造体の末端と内側リング構造体の基端との間の複数の位置にて外側リング構造体に連結されている。
【0051】
更に別の改良例において、インプラントは、外側リング構造体の内側で且つ内側リング構造体の外側にて中空本体内に配設された中間リング構造体を含み、該中間リング構造体は、中間の格子構造体を形成する第三の複数の開口部を含む。
【0052】
更に別の改良例において、中間リング構造体は、中間リング構造体の末端と中間リング構造体との基端との間の複数の位置にて外側リング構造体に、及び内側リング構造体に連結されている。
【0053】
更なる改良例において、インプラントは、内側リング構造体の内側にて中空本体内に配設された中央の支持部材を更に含む。
【0054】
更なる改良例において、中央の支持部材は、内側リング構造体の末端と内側リング構造体の基端との間の複数の位置にて内側リング構造体に連結されている。
【0055】
更なる改良例において、インプラントは、複数の剛性化アームを更に含む。
【0056】
更に別の改良例において、剛性化アームの数は、ヒトの骨組織の剛性に合うべく軸部の剛性を調整するように選ばれる。
【0057】
追加の改良例において、ヒトの骨組織の剛性に合うよう軸部の剛性を調整するため、剛性化アームの厚さが選ばれる。
【0058】
別の改良例において、インプラントは、複数の半径方向部分を更に含む。
【0059】
更に別の改良例において、半径方向部分の数は、ヒトの骨組織の剛性に合うべく軸部の剛性を調整するように選ばれる。
【0060】
更に別の改良例において、中央の支持部材が外側リング構造体の内側にて中空本体内に配設されている。
【0061】
更に別の改良例において、中央の支持部材は、外側リング構造体の末端と外側リング構造体の基端との間の複数の位置にて外側リング構造体に連結されている。
【0062】
本発明の実施の形態は、外側構造体と相互に界面接続するよう作用可能な界面部分と、該界面部分に連結された軸部と、を備え、該軸部は、骨組織内に所望の深さまで植え込み得る構造とされており、該軸部は、所望の植え込み深さに相応する長さを有する本体と、該本体から外方に伸びて、且つ該本体の長さに沿って互いに隔てられた複数の突出部と、を含み、該突出部は、本体と一体に形成され且つ骨組織と係合するよう作用可能である、補綴用インプラントをも含む。
【0063】
1つの改良例において、本体は中空である。
【0064】
別の改良例において、複数の突出部は、複数のピンを含む。
【0065】
更に別の改良例において、複数の突出部は、複数のフィンを含む。
【0066】
更に別の改良例において、本体は、外側リング構造体を含み、突出部は、外側リング構造体から外方に伸びている。
【0067】
更に別の改良例において、本体は、外側リング構造体の内側にて本体内に配設された中央の支持部材を含む。
【0068】
本発明の実施の形態は、一体のコアと、一体のシェルとを有し、鋳造した補綴用インプラントを得る構造とされたセラミックモールドをフリーフォームにて製作するステップと、セラミックモールドを焼結するステップと、溶融合金を焼結したモールドに供給するステップと、セラミックモールドを除去して鋳造した補綴用インプラントを得るステップとを備える、補綴用インプラントを形成する方法も含む。
【0069】
1つの改良例において、該方法は、上述した特徴の任意のものを含むようセラミックモールドを製造する方法を含む。
【0070】
本発明の実施の形態は、補綴用インプラントを鋳造する一体のコアと一体のシェルとを有するセラミックモールドを電子的に規定するステップと、該電子的規定を使用してセラミックモールドをフリーフォームにて製作するステップと、溶融合金をセラミックモールドに供給するステップと、溶融合金を凝固させるステップと、セラミックモールドを一体的なコアと共に浸出液に浸して鋳造された補綴用インプラントを得るステップとを備える、補綴用インプラントを形成する方法も含む。
【0071】
1つの改良例において、該方法は、上述した特徴の任意のものを含むようセラミックモールドを製造する方法を含む。
【0072】
現在、最も実用的で且つ好ましい実施の形態であると考えられるものに関して本発明を説明したが、本発明は、開示した実施の形態にのみ限定されるものではなく、法により許容される改変例及び等価物の全てを包含するよう最広義の解釈に従って行なわれるべき、特許請求の範囲の思想及び範囲に含まれる多様な改変例及び等価的な構成を対象とすることを目的とするものである。更に、上記の説明にて使用した、好ましい、好ましくは又は好まれるという語は、その説明した特徴が望ましいことを意味するが、必ずしもそうではなく、その語を欠く全ての実施の形態が本発明の範囲に属するものと解釈することができ、その範囲は、以下の定義によって規定されるべきである。特許請求の範囲を読むとき、「ある」、「1つの」、「少なくとも1つの」及び「少なくとも一部分」というような語が使用されるとき、請求の範囲に別段の記載がない限り、特許請求の範囲を1つの項目にのみ限定することを意図するものではない。更に、「少なくとも一部分」及び(又は)「一部分」という語が使用されるとき、その項目は、別段の記載がない限り、その項目の一部分及び(又は)全体を含むものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨に植え込み可能な補綴用装置において、
該骨に植え込み可能な補綴用装置を他の構造体と相互に界面接続するよう作用可能な界面部分と、
該界面部分に連結された軸部とを備え、該軸部は、骨組織内の所望の深さまで植え込み得る構造とされ、該軸部は、
ピン、フィン及び/又は格子構造体であって、骨組織と界面接続されるよう作用可能であることにより、荷重を前記軸部と骨組織との間にて伝達する前記ピン、フィン及び/又は格子構造体を含む、骨に植え込み可能な補綴用装置。
【請求項2】
請求項1に記載の骨に植え込み可能な補綴用装置において、
前記格子構造体は中空である、骨に植え込み可能な補綴用装置。
【請求項3】
請求項1に記載の骨に植え込み可能な補綴用装置において、
前記界面部分は大腿骨頂部である、骨に植え込み可能な補綴用装置。
【請求項4】
請求項3に記載の骨に植え込み可能な補綴用装置において、
前記その他の構造体は、腰関節ソケットである、骨に植え込み可能な補綴用装置。
【請求項5】
請求項1に記載の骨に植え込み可能な補綴用装置において、
前記軸部は中空の通路を含む、骨に植え込み可能な補綴用装置。
【請求項6】
請求項5に記載の骨に植え込み可能な補綴用装置において、
前記中空の通路内に配設された骨成長剤を更に備える、骨に植え込み可能な補綴用装置。
【請求項7】
請求項6に記載の骨に植え込み可能な補綴用装置において、
前記中空の通路を密封するよう作用可能なプラグを更に備える、骨に植え込み可能な補綴用装置。
【請求項8】
請求項7に記載の骨に植え込み可能な補綴用装置において、
前記プラグは、体内吸収性(resorbable)である、骨に植え込み可能な補綴用装置。
【請求項9】
請求項7に記載の骨に植え込み可能な補綴用装置において、
前記プラグは、時間放出式プラグである、骨に植え込み可能な補綴用装置。
【請求項10】
補綴用インプラントにおいて、
その他の構造体と相互界面接続するよう作用可能な界面部分と、
該界面部分に連結された軸部とを備え、該軸部は、
骨組織内に所望の深さまで植え込み得る構造とされ、また、該軸部は、外側リング構造体を有する中空の本体を含み、
該中空本体は、所望の植え込み深さに相応する長さを有し、
前記外側リング構造体は、外側格子構造体を形成する第一の複数の開口部を含む、補綴用インプラント。
【請求項11】
請求項10に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記開口部は、外側リング構造体を貫通して伸び、中空本体の内側を骨組織の内側の成長に対して露呈させる、補綴用インプラント。
【請求項12】
請求項10に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記外側格子構造体は、ストラッツメッシュ(strut mesh)により規定される、補綴用インプラント。
【請求項13】
請求項10に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記外側格子構造体は、ワレン式梁(Warren girder)により規定される、補綴用インプラント。
【請求項14】
請求項10に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記外側格子構造体のスラッツ構造体は、ヒトの骨組織の剛性に相応する中空本体の剛性を実現するよう調整される、補綴用インプラント。
【請求項15】
請求項10に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記外側リング構造体に盲開口部を更に備える、補綴用インプラント。
【請求項16】
請求項15に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記盲開口部内に配設された骨成長剤と、
前記盲開口部を密封するよう作用可能なプラグとの少なくとも1つを更に備える、補綴用インプラント。
【請求項17】
請求項16に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記プラグは体内吸収性であり、且つ時間放出式プラグであるかの少なくとも一方である、補綴用インプラント。
【請求項18】
請求項10に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記外側リング構造体の内側にて前記中空の本体内に配設された内側リング構造体を更に備え、
該内側リング構造体は、内側格子構造体を形成する第二の複数の開口部を含む、補綴用インプラント。
【請求項19】
請求項18に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記内側リング構造体は、前記内側リング構造体の末端と前記内側リング構造体の基端との間の複数の位置にて前記外側リング構造体に連結される、補綴用インプラント。
【請求項20】
請求項18に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記外側リング構造体の内側で且つ前記内側リング構造体の外側にて前記中空の本体内に配設された中間リング構造体を更に備え、
該中間リング構造体は、中間の格子構造体を形成する第三の複数の開口部を含む、補綴用インプラント。
【請求項21】
請求項20に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記中間リング構造体は、前記中間リング構造体の末端と前記中間リング構造体の基端との間の複数の位置にて前記外側リング構造体に、及び前記内側リング構造体に連結される、補綴用インプラント。
【請求項22】
請求項18に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記内側リング構造体の内側にて前記中空の本体内に配設された中央支持部材を更に備え、
該中央支持部材は、前記内側リング構造体の末端と前記内側リング構造体の基端との間の複数の位置にて前記内側リング構造体に連結される、補綴用インプラント。
【請求項23】
請求項10に記載の補綴用インプラントにおいて、
複数の剛性化アームを更に備え、
前記剛性化アームの数が、ヒトの骨組織の剛性に合うべく軸部の剛性を調整するように選ばれる、補綴用インプラント。
【請求項24】
請求項23に記載の補綴用インプラントにおいて、前記剛性化アームの厚さが、ヒトの骨組織の剛性に合うべく前記軸部の剛性を調整するように選ばれる、補綴用インプラント。
【請求項25】
請求項10に記載の補綴用インプラントにおいて、複数の半径方向部分を更に備え、
前記半径方向部分の数が、ヒトの骨組織の剛性に合うべく軸部の剛性を調整するように選ばれる、補綴用インプラント。
【請求項26】
請求項10に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記外側リング構造体の内側にて前記中空の本体内に配設された中央支持部材を更に備え、
前記中央支持部材は、前記外側リング構造体の末端と前記外側リング構造体の基端との間の複数の位置にて前記外側リング構造体に連結されている、補綴用インプラント。
【請求項27】
補綴用インプラントにおいて、
外側構造体と相互に界面接続するよう作用可能な界面部分と、
該界面部分に連結された軸部と、を備え、該軸部は、骨組織内に所望の深さまで植え込み得る構造とされ、該軸部は、
所望の植え込み深さに相応する長さを有する本体と、
該本体から外方に伸びて、且つ該本体の長さに沿って互いに隔てられた複数の突出部と、を含み、
該突出部は、本体と一体に形成され且つ骨組織と係合するよう作用可能である、補綴用インプラント。
【請求項28】
請求項27に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記本体は中空である、補綴用インプラント。
【請求項29】
請求項27に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記複数の突出部は、複数のピン及び(又は)複数のフィンを含む、補綴用インプラント。
【請求項30】
請求項27に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記本体は、外側リング構造体を含み、
前記突出部は、前記外側リング構造体から外方に伸びている、補綴用インプラント。
【請求項31】
請求項30に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記本体は、前記外側リング構造体の内側にて前記本体内に配設された中央支持部材を含む、補綴用インプラント。
【請求項32】
補綴用インプラントを形成する方法において、
一体のコアと、一体のシェルとを有するセラミックモールドをフリーフォーム製造するステップであって、該セラミックモールドは、鋳造した補綴用インプラントを生産するよう構成された、前記セラミックモールドをフリーフォーム製造するステップと、
前記セラミックモールドを焼結するステップと、
溶融合金を焼結したモールドに供給するステップと、
セラミックモールドを除去して鋳造した補綴用インプラントを生産するステップとを備える、補綴用インプラントを形成する方法。
【請求項33】
補綴用インプラントを形成する方法において、
補綴用インプラントを鋳造する一体のコアと一体のシェルとを有するセラミックモールドを電子的に規定するステップと、
該電子的規定を使用してセラミックモールドをフリーフォーム製造するステップと、
溶融合金をセラミックモールドに供給するステップと、
溶融合金を凝固させるステップと、
セラミックモールドを浸出液に浸して鋳造された補綴用インプラントを得るステップとを備える、補綴用インプラントを形成する方法。
【請求項1】
骨に植え込み可能な補綴用装置において、
該骨に植え込み可能な補綴用装置を他の構造体と相互に界面接続するよう作用可能な界面部分と、
該界面部分に連結された軸部とを備え、該軸部は、骨組織内の所望の深さまで植え込み得る構造とされ、該軸部は、
ピン、フィン及び/又は格子構造体であって、骨組織と界面接続されるよう作用可能であることにより、荷重を前記軸部と骨組織との間にて伝達する前記ピン、フィン及び/又は格子構造体を含む、骨に植え込み可能な補綴用装置。
【請求項2】
請求項1に記載の骨に植え込み可能な補綴用装置において、
前記格子構造体は中空である、骨に植え込み可能な補綴用装置。
【請求項3】
請求項1に記載の骨に植え込み可能な補綴用装置において、
前記界面部分は大腿骨頂部である、骨に植え込み可能な補綴用装置。
【請求項4】
請求項3に記載の骨に植え込み可能な補綴用装置において、
前記その他の構造体は、腰関節ソケットである、骨に植え込み可能な補綴用装置。
【請求項5】
請求項1に記載の骨に植え込み可能な補綴用装置において、
前記軸部は中空の通路を含む、骨に植え込み可能な補綴用装置。
【請求項6】
請求項5に記載の骨に植え込み可能な補綴用装置において、
前記中空の通路内に配設された骨成長剤を更に備える、骨に植え込み可能な補綴用装置。
【請求項7】
請求項6に記載の骨に植え込み可能な補綴用装置において、
前記中空の通路を密封するよう作用可能なプラグを更に備える、骨に植え込み可能な補綴用装置。
【請求項8】
請求項7に記載の骨に植え込み可能な補綴用装置において、
前記プラグは、体内吸収性(resorbable)である、骨に植え込み可能な補綴用装置。
【請求項9】
請求項7に記載の骨に植え込み可能な補綴用装置において、
前記プラグは、時間放出式プラグである、骨に植え込み可能な補綴用装置。
【請求項10】
補綴用インプラントにおいて、
その他の構造体と相互界面接続するよう作用可能な界面部分と、
該界面部分に連結された軸部とを備え、該軸部は、
骨組織内に所望の深さまで植え込み得る構造とされ、また、該軸部は、外側リング構造体を有する中空の本体を含み、
該中空本体は、所望の植え込み深さに相応する長さを有し、
前記外側リング構造体は、外側格子構造体を形成する第一の複数の開口部を含む、補綴用インプラント。
【請求項11】
請求項10に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記開口部は、外側リング構造体を貫通して伸び、中空本体の内側を骨組織の内側の成長に対して露呈させる、補綴用インプラント。
【請求項12】
請求項10に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記外側格子構造体は、ストラッツメッシュ(strut mesh)により規定される、補綴用インプラント。
【請求項13】
請求項10に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記外側格子構造体は、ワレン式梁(Warren girder)により規定される、補綴用インプラント。
【請求項14】
請求項10に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記外側格子構造体のスラッツ構造体は、ヒトの骨組織の剛性に相応する中空本体の剛性を実現するよう調整される、補綴用インプラント。
【請求項15】
請求項10に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記外側リング構造体に盲開口部を更に備える、補綴用インプラント。
【請求項16】
請求項15に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記盲開口部内に配設された骨成長剤と、
前記盲開口部を密封するよう作用可能なプラグとの少なくとも1つを更に備える、補綴用インプラント。
【請求項17】
請求項16に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記プラグは体内吸収性であり、且つ時間放出式プラグであるかの少なくとも一方である、補綴用インプラント。
【請求項18】
請求項10に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記外側リング構造体の内側にて前記中空の本体内に配設された内側リング構造体を更に備え、
該内側リング構造体は、内側格子構造体を形成する第二の複数の開口部を含む、補綴用インプラント。
【請求項19】
請求項18に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記内側リング構造体は、前記内側リング構造体の末端と前記内側リング構造体の基端との間の複数の位置にて前記外側リング構造体に連結される、補綴用インプラント。
【請求項20】
請求項18に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記外側リング構造体の内側で且つ前記内側リング構造体の外側にて前記中空の本体内に配設された中間リング構造体を更に備え、
該中間リング構造体は、中間の格子構造体を形成する第三の複数の開口部を含む、補綴用インプラント。
【請求項21】
請求項20に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記中間リング構造体は、前記中間リング構造体の末端と前記中間リング構造体の基端との間の複数の位置にて前記外側リング構造体に、及び前記内側リング構造体に連結される、補綴用インプラント。
【請求項22】
請求項18に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記内側リング構造体の内側にて前記中空の本体内に配設された中央支持部材を更に備え、
該中央支持部材は、前記内側リング構造体の末端と前記内側リング構造体の基端との間の複数の位置にて前記内側リング構造体に連結される、補綴用インプラント。
【請求項23】
請求項10に記載の補綴用インプラントにおいて、
複数の剛性化アームを更に備え、
前記剛性化アームの数が、ヒトの骨組織の剛性に合うべく軸部の剛性を調整するように選ばれる、補綴用インプラント。
【請求項24】
請求項23に記載の補綴用インプラントにおいて、前記剛性化アームの厚さが、ヒトの骨組織の剛性に合うべく前記軸部の剛性を調整するように選ばれる、補綴用インプラント。
【請求項25】
請求項10に記載の補綴用インプラントにおいて、複数の半径方向部分を更に備え、
前記半径方向部分の数が、ヒトの骨組織の剛性に合うべく軸部の剛性を調整するように選ばれる、補綴用インプラント。
【請求項26】
請求項10に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記外側リング構造体の内側にて前記中空の本体内に配設された中央支持部材を更に備え、
前記中央支持部材は、前記外側リング構造体の末端と前記外側リング構造体の基端との間の複数の位置にて前記外側リング構造体に連結されている、補綴用インプラント。
【請求項27】
補綴用インプラントにおいて、
外側構造体と相互に界面接続するよう作用可能な界面部分と、
該界面部分に連結された軸部と、を備え、該軸部は、骨組織内に所望の深さまで植え込み得る構造とされ、該軸部は、
所望の植え込み深さに相応する長さを有する本体と、
該本体から外方に伸びて、且つ該本体の長さに沿って互いに隔てられた複数の突出部と、を含み、
該突出部は、本体と一体に形成され且つ骨組織と係合するよう作用可能である、補綴用インプラント。
【請求項28】
請求項27に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記本体は中空である、補綴用インプラント。
【請求項29】
請求項27に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記複数の突出部は、複数のピン及び(又は)複数のフィンを含む、補綴用インプラント。
【請求項30】
請求項27に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記本体は、外側リング構造体を含み、
前記突出部は、前記外側リング構造体から外方に伸びている、補綴用インプラント。
【請求項31】
請求項30に記載の補綴用インプラントにおいて、
前記本体は、前記外側リング構造体の内側にて前記本体内に配設された中央支持部材を含む、補綴用インプラント。
【請求項32】
補綴用インプラントを形成する方法において、
一体のコアと、一体のシェルとを有するセラミックモールドをフリーフォーム製造するステップであって、該セラミックモールドは、鋳造した補綴用インプラントを生産するよう構成された、前記セラミックモールドをフリーフォーム製造するステップと、
前記セラミックモールドを焼結するステップと、
溶融合金を焼結したモールドに供給するステップと、
セラミックモールドを除去して鋳造した補綴用インプラントを生産するステップとを備える、補綴用インプラントを形成する方法。
【請求項33】
補綴用インプラントを形成する方法において、
補綴用インプラントを鋳造する一体のコアと一体のシェルとを有するセラミックモールドを電子的に規定するステップと、
該電子的規定を使用してセラミックモールドをフリーフォーム製造するステップと、
溶融合金をセラミックモールドに供給するステップと、
溶融合金を凝固させるステップと、
セラミックモールドを浸出液に浸して鋳造された補綴用インプラントを得るステップとを備える、補綴用インプラントを形成する方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2013−501581(P2013−501581A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524788(P2012−524788)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/045040
【国際公開番号】WO2011/022258
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(512035170)ロールス−ロイス・コーポレーション (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/045040
【国際公開番号】WO2011/022258
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(512035170)ロールス−ロイス・コーポレーション (4)
【Fターム(参考)】
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