説明

製函装置

【課題】 装置全体をコンパクトにすることができる製函装置を提供する
【解決手段】 矩形状の型枠15と、その型枠の先端から突出可能で前後進移動する吸着パッド16とを備えたハンド部1と、4つ当該ハンド部を3次元空間で移動可能な第1ロボット11と、ブランクカートン1の底部を押し込むことでその底部に隣接する4つの側壁を起立させるための雌型45とを備える。型枠を構成する2組のガイド板は、各組で少なくとも一方が相手に対して接近離反移動してガイド板間の幅寸法が変更可能とし、その幅寸法が狭い状態では雌型に対する雄型として機能し、幅寸法が広い状態ではブランクカートンの蓋閉め工程での雌型として機能するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製函装置に関するもので、より具体的には、展開状態のブランクカートンを適宜折り曲げて製函する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
展開状態のブランクカートンを用い、底部の周囲に連続する側壁を折り曲げるなどして製函する製函装置は、例えば特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示された製函装置は、上下移動可能に配置された折り曲げ手段と、その折り曲げ手段の上方所定位置に配置されたカートン抑え手段とを備え、そのカートン抑え手段が、折り曲げ手段とカートン抑え手段との間に供給配置された展開状態のブランクカートンの底面部位周囲の折曲部位の少なくとも2箇所に当接可能な第1の抑え部材と、折曲されたブランクカートンの側壁面部位の上端縁に当接可能な第2の抑え部材とからなり、かつ、それら第1,第2の抑え部材が上下方向に相対移動可能に配置された構成を採っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−338602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ブランクカートンは停止した状態で側壁を折り曲げる手段が昇降し、各工程の装置が別々に存在していることなどから装置全体が大型してしまう。従って、コンパクトな装置を開発したいという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明の製函装置は、(1)展開状態のブランクカートンを製函する製函装置であって、矩形状の型枠と、その型枠の先端から突出可能で前後進移動する吸着手段とを備えたハンド部を持ち、当該ハンド部を3次元空間で移動可能なロボットと、前記ブランクカートンの底部を押し込むことでその底部に隣接する4つの側壁を起立させるための雌型と、を備え、前記型枠を構成する2組のガイド板は、各組で少なくとも一方が相手に対して接近離反移動してガイド板間の幅寸法が変更可能とし、その幅寸法が狭い状態では前記雌型に対する雄型として機能し、前記幅寸法が広い状態では前記ブランクカートンの蓋閉め工程での雄型として機能するようにし、前記型枠の先端から突出した状態の前記吸着手段が前記ブランクカートンを吸着し、その吸着した状態で前記ハンド部を前記雌型の上方に移動し、前記ハンド部が前記雌型の上方に位置する前記ブランクカートンを前記雌型内に押し込むよう構成した。
【0006】
ブランクカートンを使用することでランニングコストが下がる。そして、ハンド部に型枠と吸着手段を両方持たせ、しかも型枠はガイド板の間隔が広狭変化することで雌型の機能と雄型の機能を発揮するようにしたため、ブランクカートンの取り出し、製函、封函を1台のロボットで構成することができる。またそのように1台のロボットで構成することで省スペースとなる。
【0007】
(2)前記ブランクカートンの移動中に、そのブランクカートンの所定位置に糊を付着する糊付け装置を備えるとよい。移動するブランクカートンに対して糊を付着することで、糊付け装置自体は移動しなくても広い範囲に糊を付着することができる。
【0008】
(3)前記雌型の少なくとも1つの面が開閉し、開いた部位から製函した箱体を搬出するようにするとよい。雌型内に押し込んで製函したならば、1面が開きそこから製函した中間箱体を搬出できる。よって、ブランクカートンを雌型内を相対的に貫通移動させて反対側から突出させたり、元の位置まで戻したりする必要がなく、装置の構成並びに製函のために必要な移動空間をコンパクトにできる。
【0009】
(4)前記雌型の面は、上下に平行に配置された複数のローラで構成され、前記開閉は、前記複数のローラが軸方向に移動することで行い、前記雌型内への押し込みは、前記吸着手段で前記底部を吸着した状態のまま行い、前記複数のローラを軸方向に移動するに先立ち前記吸着した底部を上昇後に行うようにするとよい。
【0010】
(5)前記雌型にて製函した中間箱体に対し、別のロボットが物品を供給するものとするとよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、装置全体をコンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る製函装置の好適な一実施形態を示す平面図である。
【図2】その正面図である。
【図3】ブランクカートンと物品を示す図である。
【図4】カートン供給位置から製函位置までの領域を示す平面図である。
【図5】カートン供給位置から製函位置までの領域を示す側面図である。
【図6】図4中F−F線矢視断面図である。
【図7】図4中D−D線矢視断面図である。
【図8】図4中E−E線矢視断面図である。
【図9】第1ロボットのロボットアームの先端部並びにその先端部に取り付けたハンド部を示す拡大正面図(断面図)である。
【図10】図9に示すハンド部の部分をさらに拡大し、90度交差する方向から見た平面図(断面図)である。
【図11】図9におけるA−A線矢視断面図である。
【図12】図9におけるB−B線矢視断面図である。
【図13】図9におけるC−C線矢視断面図である。
【図14】作用を説明する図である。
【図15】作用を説明する図である。
【図16】作用を説明する図である。
【図17】作用を説明する図である。
【図18】作用を説明する図である。
【図19】作用を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1,図2は、本発明に係る製函装置の好適な一実施形態を示している。本実施形態の製函装置10は、展開状態のブランクカートン1を適宜に折り曲げて上部開口した状態で製函し、その開口部からシート状の物品を複数積層した状態で箱詰めした後、蓋を閉めて製函処理を完了するものである。
【0014】
ブランクカートン1は、例えば図3(a)に示すように、矩形状の底部1aの対向する2つの長辺に第1側壁1bと第2側壁1cがつながり、底部1aの対向する2つの短辺に第3下部側壁1dと第4下部側壁eがつながっている。第2側壁1cの底部1aとの非接続側の長辺には蓋部1fがつながっている。この蓋部1fの第2側壁1cとの非接続側の長辺には、細幅の蓋止めフラップ1nがつながり、蓋部1fの2つの短辺には第3上部側壁1gと第4上部側壁1hがつながる。さらに第1,第2側壁1b,1cの短辺には糊代フラップ1i,1j,1k,1mがつながる。
【0015】
一方、シート状の物品2は、例えば図3(b)に示すように複数のシリンジをブリスターパックした包装体である。この物品2は、半円筒形の凹部3 aを備えた容器フィルム3の開口側を蓋フィルム4で閉塞した形態を採る。凹部3a内にシリンジが収納されている。そして、片面が凸となるので、2つの物品をポケット部3a同士が向き合うように重ねた一組の物品の対を複数組み積層する。
【0016】
図1,図2に示すように、製函装置10は、第1ロボット11と、第2ロボット12を備える。第1,第2ロボット11,12は多関節ロボットであり、制御盤19からの指令に従って、所定の動作を行う。当該動作についての詳細は後述する。
【0017】
ロボットアーム13の先端に設けたハンド部14は、矩形箱状のベースボックス28の前方に取り付けた型枠15と吸着パッド16を備える。吸着パッド16は、ベースボックス28内に設置された吸着パッド用シリンダ17により前後進移動し、型枠15の外側に突出する動作位置と、型枠15の奥側に入り込んだ待機位置をとる。図10,図11に拡大して示すように型枠15内に配置された吸着パッド用シリンダ17のシリンダロッド17aの先端に取り付けた移動板24に吸着パッド16を装着する。また、移動板24の前面側には、所定距離をおいて前板25を取り付けており、吸着バッド16は前板25の4角に形成した貫通孔25aを介して前方に突出する。
【0018】
なお、動作位置にある吸着パッド16は、吸着していない状態ではその先端が型枠15よりも前方に突出するが実際にブランクカートン1に接触して吸着している際には吸着パッド16も縮み型枠15の先端がブランクカートン1に接触する。
【0019】
さらにハンド部14は、ロボットアーム13の先端に連結される矩形箱状のベースボックス28の前方に型枠15を取り付けている。型枠15は、4つのガイド板で構成される。すなわち、ベースボックス28の一辺に固定された固定ガイド板31と、固定板31の対辺側に配置された第1移動ガイド板32と、残りの2つの辺に配置された第2,第3ガイド板33,34とを備える。他の3つの辺に配置された第1,第2,第3移動ガイド板32,33,34は、前板25の所定位置に設置された第1,第2,第3ガイド板用シリンダ36,37,38に連携され、そのシリンダの往復動作に応じて前板25の中心から離反・接近する。これにより、対向するガイド板間の距離が広狭変化する。
【0020】
第1ロボット11は、上流側に配置されるカートンマガジン20に積層状態でセットされたブランクカートン1の最下端から1枚ずつ取り出す。すなわち、カートンマガジン20は、図2に示すように枠体21から内方に向けて突出する支持部材と、ガイドレール23に沿って昇降する抑え板22に挟まれてセットされる。そこで、吸着パッド用シリンダ17を往動作させて吸着パッド16を型枠15の先端よりも外側に突出させた状態で、最下端で露出しているブランクカートン1の底部1aを吸着保持し、第1ロボット11のロボットアーム13を所定の軌跡で移動させ、ハンド部14を下向きにしてテーブル40に対向させる。テーブル40は展開状態のブランクカートン1よりも広い外形寸法の平板テーブルであり、第1ロボットアーム11は、ブランクカートン1を吸着保持した状態のままそのブランクカートン1をテーブル40の上に置き、そのまま製函部となる雌型45の位置まで水平に移動する。より具体的には、ハンド部14(吸着パッド16)で吸着保持している底部1aが、雌型45の上方に至るまで移動し、そこで水平移動を停止する。
【0021】
テーブル40の搬出側(製函部側)の左右両側の上方には、カートン抑え板41が配置される。水平に移動しているブランクカートン1の第3下部側壁1d,第4下部側壁e,第3上部側壁1g,第4上部側壁1hの先端が、テーブル40とカートン抑え板41の間の空隙内を通過する。
【0022】
テーブル40から雌型45に至る搬送路の両側には、糊付け装置42が設けられている。この糊付け装置42は、上向きの噴射ノズル42aから糊が噴射される。この噴射は、ブランクカートン1の移動に同期して一定時間行われ、移動途中で糊代フラップ1i,1j,1k,1mの下面の所定位置に糊a,b,c,dが付着する。このようにブランクカートンの移動に同期して糊を噴射するようにしたため、糊付け装置42は移動することなく同一位置にある噴射ノズル42aから噴射するだけで図3に示すように所定長さの領域で付けることができる。
【0023】
雌型45は、ブランクカートン1の底部1aの外形寸法とほぼ同じが若干大きい内形寸法であり、そこで1aの一対の長辺に対向する部分には、それぞれ複数の第1ローラ46が上下に配置され、底部1aの一方の短辺(第3下部側壁1dとの接続部位)には複数の第2ローラ47が上下に配置され、底部1aの他方の短辺(第4下部側壁1eとの接続部位)には複数の第3ローラ48が上下に配置されている。各ローラ46,47,48はいずれもフリーローラであり、設置した場所で自転し、回転軸は各辺と平行にしている。さらに、雌型45の上方開口部45aには、外に広がるテーパ面が形成される。このテーパ面にガイドされてブランクカートン1の各側壁がスムーズに立ち上がりながら雌型45内に入っていく。さらに、この上方開口部45aには、シリンダ53により昇降するカートン垂れ下がり防止板52が配置される。このカートン垂れ下がり防止板52は、下降位置ではその先端がテーパ面より下側に位置し、上昇位置では図7中実線で示すように雌型45の上端であり第2ローラ47,第3ローラ48の延長線上に至る。これにより、ブランクカートン1の雌型45内への挿入開始当初はカートン垂れ下がり防止板52が下降位置に位置し、第3,第4下部側壁1d,1eはテーパ面に沿って第2,第3ローラ47,48に至る。そして、適度のタイミングでカートン垂れ下がり防止板52が上昇位置に位置すると、カートンがテーパ面に沿って垂れ下がるのが抑止され、垂直に起立した状態となる。
【0024】
一方、第1ロボット11のハンド部14の型枠15は、各移動ガイド板32,33,34がともに中央側に移動し固定ガイド板31と第1〜第3移動ガイド板32〜34の4つのガイド板で形成される四角形の型枠の外形寸法が最も小さくなる。その外形寸法は、ブランクカートン1の底部1aの寸法形状とほぼ等しいか若干小さい設定としている。そして、吸着パッド16にてブランクカートン1の底部1aを吸着する際には、型枠15の4辺(各ガイド板31〜34)が底部1aの4辺に沿うようにしている。これにより、型枠15の外形寸法は、雌型45の内形寸法よりも若干小さい設定となり、この型枠15が雌型45に対応する雄型として機能する。
【0025】
よって、ブランクカートンの底部1aが雌型45の上に位置した状態で第1ロボット11のロボットアーム13によりハンド部14を下降移動すると、底部1aの4辺は型枠15の先端が接触して抑えた状態でブランクカートン1が雌型45内に挿入するので、第1側壁1b,第2側壁1cは第1ローラ46に案内されて立ち上がり、第3下部側壁1dは第2ローラ47に案内されて立ち上がり、第4下部側壁1eは第3ローラ48に案内されて立ち上がる。
【0026】
このとき、第1ローラ46の方が第2,第3ローラ47,48よりも上側から配置しているため、最初に第1,第2側壁1b,1cが立ち上がっていき、続いて第3,第4下部側壁1d,1eが立ち上がっていく。また、公知の折曲げ機構により第1,第2側壁1b,1cが立ち上がっていく際に糊代フラップ1i,1j,1k,1mも内方に向けて折り曲げられる。よって、先に糊代フラップ1i,1j,1k,1mの折曲げが行われ、その後に第3,第4下部側壁1d,1eが立ち上がっていくため、糊a,b,c,d,が付着している糊代フラップ1i,1j,1k,1mの外面は、第3,第4下部側壁1d,1eの内側に位置し、第3,第4下部側壁1d,1eの内面と接触し糊付けされる。なお、図3において符号a′,b′,c′,d′は、糊a,b,c,dにより糊付けされる部位である。
【0027】
第3ローラ48が軸受け支持されている支持板54には、シリンダ50が連携され、そのシリンダ50の往復動作に伴い第3ローラ48の軸に沿って平行に移動する。この移動は、ガイドロッド51にガイドされ、安定した姿勢で行われる。上述したように第3ローラ48は、雌型45の1面を構成し第4下部側壁1eを立ち上げる処理を行う。このように型枠として機能する状態からシリンダ50が動作し、第3ローラ48が雌型45の一面から離脱して開放する状態に遷移する。このように開放すると、その開放部位から製函した箱体を雌型45の外に搬出することができる。
【0028】
この製函部における雌型45と、ハンド部14(雄型となる型枠15)を用いた製函処理工程は、図14,図15に示すようになる。まず図14(a)に示すように吸着パッド16で吸着した1枚のブランクカートン1を、雌型45の上方に位置を合わせて移動してくる。この図14(a)では、第3ローラ48の図示を省略している。
【0029】
次いで、吸着パッド16でブランクカートン1(底部)を吸着した状態のまま型枠15を下降移動する。これにより、第1側壁1b,第2側壁1c,第3下部側壁1d,第4下部側壁1eを立ち上げるとともに糊代フラップ1i,1j,1k,1mを折り曲げ、その糊代フラップ1i,1j,1k,1mと第3下部側壁1d,第4下部側壁1eを接着する(図14(b)参照)。これにより、中間箱体1′が完成する。
【0030】
図14(c)は、図14(b)に示す工程においてハンド部(型枠15,吸着パッド16)の図示を省略し、第3ローラ48を追加した図である。図14(b)′は、図14(b)の状態を90度異なる方向から見た図である。図14(c)の状態でも吸着パッド16はブランクカートン1(中間箱体1′)の底部1aを吸着保持しているので、その状態からハンド部14を所定量上昇させる。この上昇量は、少なくとも図14(d),(d)′に示すように、一番上の第3ローラ48が第4下部側壁1eに接触する位置以上になるまでとする。
【0031】
次にこの状態でシリンダ50を動作させて第3ローラ48を移動し、雌型の第3下部側壁1e側を開放する(図15(a),(a)′)。中間箱体1′に接触する第3ローラ48(図の例では、上2つ)は、第4下部側壁1eに接触しているため、第3ローラ48の移動中は、常時第4下部側壁1eに接触した状態を維持し、その後中間包装体1′から離脱する。よって、スムーズな移動が保証できる。これに対し、仮に図14(c)に示す状態からいきなり第3ローラ48を移動すると、例えば糊代フラップ1mに接触していた第3ローラ(図中右側の一番上)は、一旦糊代フラップ1mから離脱し、糊代フラップ1m,1j間の空間を移動後再び糊代フラップ1jに接触することになる。この接触時に糊代フラップ1jの端面に第3ローラ48がぶつかり、スムーズに糊代フラップ1jの表面に乗り移れなかったり、糊代フラップ1jを損傷してしまったりするおそれがある。
【0032】
第3ローラ48が離れて開放したならば、その後、再びハンド部14を下降移動し、下まで下ろす((図15(b),(b)′)。そして中間箱体1′を雌型の開放した側(第3ローラ48があった部位)から搬出する(図15(c)′)。
【0033】
雌型45の搬出側には、搬送路60を設けている。この搬送路60は、製函部において製函された上方開放した中間箱体1′を搬送するためのもので、中間箱体1′の側面に接触し押送する押送フィンガー61と、その押送フィンガー61を往復移動させる駆動装置62を備える。押送フィンガー61は、図2中実線で示す製品供給位置と、図2中二点鎖線で示す中間箱体搬出位置で一時停止する。
【0034】
雌型45内の中間箱体を搬送路60へ移し替えるには、例えば第1ロボット11を用いても良いし、シリンダ駆動による押出しプッシャーなどで押し出して搬出したりするなど各種の方式がとれる。さらに、押送フィンガー61の移動範囲を伸ばし、押送フィンガー61自体が雌型45内に進入し中間箱体1を搬出するようにしても良い。
【0035】
第2ロボット12は、搬送路60を挟んで第1ロボット11と反対側に設置されている。この第2ロボット12は、物品搬送コンベア66にて2列で搬送されてきた物品2を受け取り、中間箱体1′に段積み供給する。物品搬送コンベア66はベルトコンベア装置であり、一方の列はポケット部3aが上の姿勢で搬送し、他方の列はポケット部3aが下の姿勢で搬送する。
【0036】
第2ロボット12にて所定数の物品2の中間箱体1′内への供給が完了するとも一時停止していた押送フィンガー61が再始動し、中間箱体1′を中間箱体搬出位置まで移送する。この移送途中で、搬送路60の物品搬送コンベア66側の所定位置に設けた糊付け装置65にて、第1側壁1bの上方所定位置に糊eを付着する。この糊付け装置65による糊の付着処理も、中間箱体1′の移動中に行うため、固定した糊付け装置65から糊を噴射するだけで長い領域に対して糊付けができる。
【0037】
次いで、第1ロボット11のロボットアーム13が所定の軌跡で移動するとともに、型枠15,吸着パッド16を適宜動作させて蓋閉め作業を行う。すなわち、図16(a),(a)′に示すように、中間箱体1′は、第2側壁1cの上に蓋部1f等が起立している状態において、型枠15を蓋部1fの外側から蓋部1fに接近していく。なお、図16(a)′は、図16(a)を左から見た図である。また、吸着パッド16は型枠15の奥深くの待機位置にいる。このとき、型枠15は開いた状態、すなわち、対向するガイド板の間隔が広くなった状態となっている。
【0038】
この状態で型枠15が水平移動して蓋部1fに接触して当該蓋部1fを折り曲げ、それに伴い蓋部1fに接続された第3上部側壁1g,第4上部側壁1h,蓋止めフラップ1nも一緒に倒れ込む(図16(b),(b)′)。図では、蓋部1f等が45度傾いた状態である。
【0039】
次いで、蓋部1f等の傾きに合わせて型枠15も傾斜させ、型枠15の先端が蓋部1fの周囲に接触する(図16(c))。蓋部1fの傾きに合わせ型枠15の傾きも修正しながら型枠15が蓋部1f等を抑え込み、図17(a),(a)′に示すように蓋部1fを水平にする。また、所定のタイミングで第1,第2,第3ガイド板用シリンダ36,37,38を往動作させ第1,第2,第3移動ガイド板32,33,34を離反させ(図12,図13中、二点鎖線で示す位置)、型枠15を広げる。これにより、型枠15の内形寸法形状が、中間箱体1′の外形寸法よりも一回り大きくし、型枠15が雌型として機能するようになる。
【0040】
このように型枠15の内径寸法が中間箱体1′の外形寸法よりも一回り大きくしているため、図17(a),(a)′の状態から型枠15を徐々に下降移動すると、蓋止めフラップ1n、第3上部側壁1g,第4上部側壁1hは、型枠15によって押し下げられ(図17(b),(b)′)、最終的には型枠15の内周面と、中間箱体との間に挟まれて折り畳まれる(図17(b),(b)′)。
【0041】
蓋止めフラップ1nに対向する第1側壁1bの上方には糊eが塗布されている(図16等参照)。そこで、この糊eを用いて蓋止めフラップ1nと第1側壁1bとを接着する。具体的には、図18(a),(a)′に示すように吸着パッド70を第1側壁1bに接触させ吸着し、その状態で外側に引っ張る。すると、第1側壁1bは外側に移動する。蓋止めフラップ1nの外側には型枠15が存在しているためそれ以上外に移動しない。従って、糊eによる接着が行われる。さらにこのとき第1移動ガイド板用シリンダ36を復動作させて第1移動ガイド板32を型枠の中心側に移動すると良い。これにより第1移動ガイド板32と固定ガイド板31との間の間隔が短くなり蓋止めフラップ1nが第1側壁1b側に押されるため、より確実に接着される。
【0042】
次に型枠15が上昇して中間箱体1′から一旦離反すると共に吸着パッド16を型枠15の外に突出させた後、吸着パッド16にて蓋部1fを吸着する(図18(b),(b)′参照)。前工程で接着されたのは蓋止めフラップ1nと第1側壁1bであるためは、蓋部1cは閉じられるものの、第3上部側壁1g,第4上部側壁1hは折り癖がされたもののフリー状態となるので再び開く。なお、第3上部側壁1g,第4上部側壁1hに対する折曲げは、ここで行わなくても良い。
【0043】
吸着パッド16で蓋部1fを吸着した状態でロボットアーム13・ハンド部13を移動すると、それに追従して中間箱体1′も移動する。そこで搬送路60上の中間箱体1′を搬出コンベア67側に向けて渡り搬送路69上を移動する。この移動中に、左右一対の糊付け装置68により第3,第4下部側壁1d,1eの上方に糊f,hを付着する(図18(c),図19(a),(a)′)。この糊付け処理も、第1ロボット11で中間箱体1′を吸着した状態で移動している最中に行う。
【0044】
その後、第3,第4上部側壁1g,1hを折り畳み、糊f,hで接着する(図19(b),(b)′)。この折り畳み処理は、吸着パッド16による吸着を解除した型枠15が第2,第3移動ガイド板33,34で挟み込んで行う。また、接着は、渡り搬送路69の左右に配置したシリンダで動作するプッシャーなどの押し部材により両側から抑え込んで行う。これにより包装箱体1″が完成する。
【0045】
なお、このように別途用意したプッシャーなどの押し部材により1g、1hを両側から抑え込むのではなく、例えば図18(a)に示した蓋閉め工程と同様に吸着パッドを型枠15の奥側に移動するとともに開いた状態の型枠15を中間箱体1’の上に被せ、図18(a)の状態よりもさらに下側まで下降移動し、第2,第3移動ガイド板33,34の下方部位が糊f,hの付着位置まで至り、その状態で第2,第3移動ガイド板33,34の間隔を狭くすることで第3,第4上部側壁1g,1hを全体的に挟み込み接着するようにしてもよい。このようにすると、プッシャーなどの押し部材が不要となり、封函の全てをロボットハンドにて行うことができる。
【0046】
その後、図19(c),(c)′に示すように、型枠15の側面で包装箱体1″の側面を押し、フリーローラコンベアからなる搬出コンベア67上へ供給する。搬出コンベア67上の包装箱体1″は、次々と搬出されてくる包装箱体に押され移動する。
【符号の説明】
【0047】
1 ブランクカートン
2 物品
11 第1ロボット
12 第2ロボット
14 ハンド部
15 型枠
16 吸着パッド
31 固定ガイド板
32 第1移動ガイド板
33 第2移動ガイド板
34 第3移動ガイド板
45 型枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開状態のブランクカートンを製函する製函装置であって、
矩形状の型枠と、その型枠の先端から突出可能で前後進移動する吸着手段とを備えたハンド部を持ち、当該ハンド部を3次元空間で移動可能なロボットと、
前記ブランクカートンの底部を押し込むことでその底部に隣接する4つの側壁を起立させるための雌型と、
を備え、
前記型枠を構成する2組のガイド板は、各組で少なくとも一方が相手に対して接近離反移動してガイド板間の幅寸法が変更可能とし、その幅寸法が狭い状態では前記雌型に対する雄型として機能し、前記幅寸法が広い状態では前記ブランクカートンの蓋閉め工程での雌型として機能するようにし、
前記型枠の先端から突出した状態の前記吸着手段が前記ブランクカートンを吸着し、その吸着した状態で前記ハンド部を前記雌型の上方に移動し、前記ハンド部が前記雌型の上方に位置する前記ブランクカートンを前記雌型内に押し込むよう構成したことを特徴とする製函装置。
【請求項2】
前記ブランクカートンの移動中に、そのブランクカートンの所定位置に糊を付着する糊付け装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載の製函装置。
【請求項3】
前記雌型の少なくとも1つの面が開閉し、
開いた部位から製函した箱体を搬出するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の製函装置。
【請求項4】
前記雌型の面は、上下に平行に配置された複数のローラで構成され、
前記開閉は、前記複数のローラが軸方向に移動することで行い、
前記雌型内への押し込みは、前記吸着手段で前記底部を吸着した状態のまま行い、前記複数のローラを軸方向に移動するに先立ち前記吸着した底部を上昇後に行うことを特徴とする請求項3に記載の製函装置。
【請求項5】
前記雌型にて製函した中間箱体に対し、別のロボットが物品を供給するものであることを特徴とする請求項1〜4に記載の製函装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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