説明

製菓・製パン用フィリング材

【課題】良好な口溶け及び滑らかな食感を有し、さらには焼き込んだ時にも保形性を有する製菓・製パン用フィリング材の提供。
【解決手段】製菓・製パン用フィリング材全体中、ジェランガム0.02〜0.5重量%、LMペクチン0.05〜1重量%、卵白を乾燥重量換算で0.05〜1重量%、セルロース0.3〜3重量%を含有し、フィリング材全体中の2価の金属イオンの含量が0.005〜0.15重量%であることを特徴とする製菓・製パン用フィリング材を製菓・製パン製造時に用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製菓・製パン用フィリング材に関する。更に詳しくは良好な口溶け及び滑らかな食感を有し、パンや饅頭等へのフィリング材・トッピング材として用いた際に、生地への充填特性があり、さらには焼き込んだ時にも保形性を有する風味豊かな製菓・製パン用フィリング材に関する。またそれらのフィリング材を用いた層状膨化食品に関する。
【背景技術】
【0002】
製菓・製パン用フィリング材はパン、洋菓子などの分野で広く使用されている食品素材であり、良好な食感、口溶けが要求される。更に、パンのフィリング材の場合などは、焼成した後も、流れ出ることなく保形性を有する、いわゆる焼き込み耐性、耐熱性といった特性も要求されている。近年、これらの要求はますます高まっており、製菓・製パン用フィリング材においては澱粉を多く配合することで耐熱性の向上が図られた。しかし澱粉を多く配合した製菓・製パン用フィリング材は口溶けが悪い上、老化により経時変化を起こしやすいという欠点があった。それらを解決するためジェランガム、ローカストビーンガム、カラギーナンの必須の3種と、キサンタンガム、ペクチンのうちの1種または2種とからなる増粘安定剤0.2〜2重量%を含有すること(特許文献1)などの工夫がなされているが、焼き込んだ時にも保形性を有するように増粘安定剤を配合すると、粘度増加により製造が困難で、また口溶けの改善が十分とはいえない。
【0003】
また従来、層状膨化食品と交互に組み合わせて折り込むことが出来る、上記の澱粉を多く配合した製菓・製パン用フィリング材等のいわゆるフラワーシートがあるが、このようなフラワーシートが織り込まれた層状膨化食品は、澱粉により焼成時に生地と一体化される為、風味のコントラストが付き難い問題がある。
【特許文献1】特開平05−199837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、良好な口溶け及び滑らかな食感を有し、さらには焼き込んだ時にも保形性を有する製菓・製パン用フィリング材を提供することを目的としてなされたものである。またクロワッサン、デニッシュ、パイ等の層状膨化食品の生地と焼成前に交互に組み合わせて折り込んだ際、焼成後に生地とフィリングの風味にコントラストを出せる製菓・製パン用フィリング材を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、製菓・製パン用フィリング材において、特定量のジェランガム、特定量のLMペクチン、特定量の卵白成分、特定量のセルロース、特定量の2価金属イオンを含有する製菓・製パン用フィリング材は、良好な口溶け及び滑らかな食感を有し、さらには焼き込んだ時にも保形性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明の第一は、製菓・製パン用フィリング材全体中、ジェランガム0.02〜0.5重量%、LMペクチン0.05〜1重量%、卵白を乾燥重量換算で0.05〜1重量%、セルロース0.3〜3重量%を含有し、フィリング材全体中の2価の金属イオンの含量が0.005〜0.15重量%であることを特徴とする製菓・製パン用フィリング材に関する。本発明の第二は、上記記載の製菓・製パン用フィリング材を用いた層状膨化食品に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の製菓・製パン用フィリング材は、良好な口溶け及び滑らかな食感を有し、さらには焼き込んだ時にも保形性を有するという、従来製品にはない特徴を有する。また、該フィリング材を用いて作製した層状膨化食品は、生地とフィリングの風味にコントラストを出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明で使用出来るジェランガムは、脱アシル型ジェランガムで、水生植物の表面から分離された非病原性微生物Pseudomonas elodeaを用いて産生されるものであり、その構造は、1−3結合したグルコース、1−4結合したグルクロン酸、1−4結合したグルコース及び1−4結合したラムノースの4分子の糖を構成単位とする直鎖状の高分子多糖類である。ジェランガムの添加量は製菓・製パン用フィリング材全体中、0.02重量%〜0.5重量%の範囲で添加されることが好ましい。添加量が0.02重量%より少ないと焼き込んだ時にも充分な保形性が無く、食感に切れも無い場合があり、0.5重量%より多いと食感がゼリーに近くなり、フィリング材の食感には合わない場合がある。
【0009】
本発明で使用出来るLMペクチンは、果実、特に柑橘類に多く含まれている天然の高分子多糖類で、主にガラクチュロン酸とメチル化ガラクチュロン酸で構成される多糖類で、エステル化度(DE値)が50%以下のものである。LMペクチンの添加量は製菓・製パン用フィリング材全体中、0.05重量%〜1重量%の範囲で添加されることが好ましい。添加量が0.05重量%より少ないと焼き込んだ時にも充分な保形性が無い場合があり、1重量%より多いと食感のもたつき等の悪影響が生じる場合がある。
【0010】
本発明で使用出来る卵白は、生卵、凍結卵白、乾燥卵白、卵白加工品など、卵白と同等の乳化力及び加熱凝固性を有するものであれば使用できる。卵白の添加量は乾燥重量換算で製菓・製パン用フィリング材全体中、0.05重量%〜1重量%の範囲が好ましい。添加量が0.05重量%より少ないと焼き込んだ時にも充分な保形性が無い場合があり、1重量%より多いと食感がボソボソする等の悪影響が生じる場合がある。
【0011】
本発明で使用できるセルロースは、植物のパルプ繊維等を原料とし、精製したものであり、乾燥物・含水物・誘導体・水溶性高分子をコーティングした複合体など、セルロースの増粘性・保形性を有するものであれば使用できる。セルロースの添加量は製菓・製パン用フィリング材全体中、0.3重量%〜3重量%が好ましい。0.3重量%より少ないと焼き込んだ時にも充分な保形性が無い場合があり、3重量%より多いと食感のもたつき等の悪影響を生じる場合がある。
【0012】
本発明で使用できる2価の金属イオンは、例えば使用される原料の乳製品・果汁由来等のカルシウムやマグネシウム、2価のイオンを持つ塩類として、乳酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、グルコン酸カルシウム等である。2価の金属イオン含量は0.005〜0.15重量%が好ましい。0.005重量%より少ないと焼き込んだ時にも充分な保形性が無い場合があり、0.15重量%より多いと充分にゲル化しない、食感のもたつき等の悪影響が生じる場合がある。製菓・製パン用フィリング材中の2価の金属イオン含量の測定は、以下の通り行える。例えば、一般的なICP発光分析法で行える。
【0013】
また、本発明の製菓・製パン用フィリング材に使用できる原料として油脂、増粘剤、ゲル化剤、糖類、乳製品、各種呈味材、フレーバー類、洋酒、各種天然或いは合成着色料、キレート剤などが挙げられ、それらを加えても差し支えない。乳化剤を添加することも特に支障はなく、また日持ち向上のために各種保存料、抗菌剤を併用してもかまわない。また、コストダウン等の目的で澱粉類を併用してもかまわない。
【0014】
本発明の製菓・製パン用フィリング材の製造方法を以下に例示する。ただし、この方法に限定するわけではない。まず水に、ジェランガム、LMペクチン、卵白、セルロースを加熱溶解し、2価の金属イオンまたは、2価の金属イオンを含む原料を添加し、必要に応じて油脂類、乳製品、呈味剤、糖類等の原料をこれに添加し、これらを混合して充分に撹拌する。必要であれば常法によりホモゲナイザー等で均質化した後、加熱冷却装置等を用いて一般的な条件で殺菌冷却し、本発明の製菓製パン用フィリング材を得ることができる。
【0015】
前記のようにして得た製菓・製パン用フィリング材を用いた層状膨化食品の製造方法を以下に例示する。ただし、この方法に限定するわけではない。小麦粉、砂糖、塩、乳製品、マーガリン、イースト、卵をボールに入れ、タテ型ミキサーにて混合し、生地を作製する。フロアータイムをとった後、生地を冷やし、シート状の製菓・製パン用フィリング材をロールインし生地を折る。生地の折り込みは及びシーターによる生地の延伸を所定回数行う。最後に延ばした生地をカットし、成型し、ホイロにて醗酵後、オーブンにて焼成を行い製菓・製パン用フィリング材を用いた層状膨化食品を得ることができる。
【0016】
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
【0017】
<食感評価方法>
実施例、比較例で得られた製菓・製パン用フィリング材を、5人のパネラーに試食させ、以下の4段階の基準により評価し、その結果を集約した。評価基準は次の通りである。◎:滑らかで口溶けの良く極めて良好、○:まずまずの滑らかさで口溶けが良く良好、△:滑らかさ或いは口溶けがやや悪い、×;滑らかさ及び口溶けが悪い。
【0018】
<焼きこみ耐性評価方法>
実施例、比較例で得られた製菓・製パン用フィリング材をアルミ箔上に直径10〜15mm、長さ約10cmで絞り出し、200℃のオープンで5分間加熱し、常温で充分冷却した後、その状態を観察した。評価基準は次の通りである。◎:加熱後でも完全な状態を保つ、○:加熱前後でほぼ変わらない状態を保つ、△:焼き残るが加熱前に比べ若干崩れる、×:保形性が悪く、流れ出す。
【0019】
<層状膨化食品評価方法(クロワッサンの風味コントラスト)>
実施例、比較例で得られたシート状の製菓・製パン用フィリング材を使用し、表1の生地配合及び下記製法に従ってクロワッサンを作製した。
【0020】
【表1】

【0021】
表1の配合の原料をボールに入れ、ビーターを用いタテ型ミキサーにて低速、中速にて各原料が均一に混合されるまで混捏、生地を作製した。その時の捏ね上げ温度は25〜26℃になるように調整した。フロアータイムを30分間とった後、−5℃の冷蔵庫に保存した。この生地を冷蔵庫から取り出して生地温度が0℃になった時点で、予め20℃に一晩温調されたシート状の製菓・製パン用フィリング材(実施例1〜8、比較例1〜12)を各600gロールインした。ロールインは四つ折り一回、三つ折2回行った。−5℃で一晩保存した後、シーターにて延ばした生地を底辺12.5cm、高さ15cmの二等辺三角形にカットし、丸めて成型し、35℃、湿度70%のホイロにて醗酵後、上火230℃、下火210℃のオーブンにて18分間焼成を行い、クロワッサンを得た。前記で得たクロワッサンの風味コントラストの評価を5人の訓練されたパネラーにより行った。前記評価は、以下の評価基準に従い行った。◎:フィリング材の味とクロワッサン生地の風味の差がはっきり判る、○:フィリング材の味とクロワッサン生地の風味の差が判る、△:フィリング材の味とクロワッサン生地の風味の差が判り難い、×:フィリング材の味とクロワッサン生地の風味の差が判らない。
【0022】
(実施例1)
表2に示す配合に従い、製菓・製パン用フィリング材を以下の方法にて作製した。水相部の原料が均一になるよう攪拌・混合しながら60℃に昇温し、油相部を添加し攪拌した。その後、ホモゲナイザー(株式会社イズミフードマシナリ製)を用い5MPaの圧力で均質化した。得られた乳化液をコンサーム掻き取り式熱交換機(アルファラバル社製)で加熱温度110℃、加熱時間2分間、の条件で殺菌した後、65℃まで冷却し、一部を充填包装した。また、残りを層状膨化食品評価用に、縦、約25cm、横、約24cm、厚さ、約1cm、重さ、約600gになるように充填包装した。その後、それら充填包装したものを5℃の冷水にて冷却し、製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0023】
【表2】

【0024】
(実施例2)
表2に従い、水を45.7重量部、菜種油を20重量部、ジェランガムを0.1重量部、LMペクチンを0.5重量部、乾燥卵白を0.1重量部、セルロースを0.5%重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0025】
(実施例3)
表2に従い、水相部の脱脂粉乳を全粉乳に変更し、水を39.22重量部、菜種油を25重量部、ジェランガムを0.2重量部、LMペクチンを0.4重量部、乾燥卵白を0.08重量部、セルロースを2重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0026】
(実施例4)
表2に従い、水相部の脱脂粉乳を全粉乳に変更し、水を34.6重量部、菜種油を30重量部、ジェランガムを0.4重量部、LMペクチンを0.4重量部、乾燥卵白を0.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0027】
(実施例5)
表2に従い、水相部の脱脂粉乳を牛乳に変更し、水を28.3重量部、菜種油を20重量部、ジェランガムを0.1重量部、LMペクチンを0.2重量部、乾燥卵白を0.8重量部、セルロースを0.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0028】
(実施例6)
表2に従い、水槽部に加工澱粉を追加し、水を44.3重量部、菜種油を20重量部、ジェランガムを0.1重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0029】
(実施例7)
表2に従い、水槽部に牛乳とインスタントコーヒーを追加し、水を29.4重量部、菜種油を20重量部、脱脂粉乳を2重量部、ジェランガムを0.2重量部、LMペクチンを0.5重量部、乾燥卵白を0.3重量部、セルロースを2重量部、グラニュー糖を15重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0030】
(実施例8)
表2に従い、油相部の菜種油、水相部の脱脂粉乳を無くし、オレンジ果汁と乳酸カルシウムを追加し、水を32.4重量部、ジェランガムを0.1重量部、LMペクチンを0.5重量部、乾燥卵白を0.3重量部、セルロースを1.5重量部、グラニュー糖を25重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0031】
(比較例1)
表2に従い、水を40.185重量部、菜種油を25重量部、ジェランガムを0.015重量部、LMペクチンを0.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0032】
(比較例2)
表2に従い、水を39.6重量部、ジェランガムを0.6重量部に変更した以外は、比較例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0033】
(比較例3)
表2に従い、水を40.56重量部、ジェランガムを0.1重量部、LMペクチンを0.04重量部にに変更した以外は、比較例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0034】
(比較例4)
表2に従い、水を39.5重量部、ジェランガムを0.1重量部、LMペクチンを1.1重量部に変更した以外は、比較例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0035】
(比較例5)
表2に従い、水を40.26重量部、ジェランガムを0.1重量部、乾燥卵白を0.04重量部に変更した以外は、比較例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0036】
(比較例6)
表2に従い、水を39.2重量部、ジェランガムを0.1重量部、乾燥卵白を1.1重量部にに変更した以外は、比較例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0037】
(比較例7)
表2に従い、水を40.9重量部、ジェランガムを0.1重量部、セルロースを0.2重量部に変更した以外は、比較例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0038】
(比較例8)
表2に従い、水を37.8重量部、ジェランガムを0.1重量部、セルロースを3.3重量部に変更した以外は、比較例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0039】
(比較例9)
表2に従い、水相部のジェランガム、LMペクチン、乾燥卵白、セルロースをを無くし、加工澱粉を追加し、水を38.9重量部に変更した以外は、比較例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0040】
(比較例10)
表2に従い、水相部の乾燥卵白、セルロースをを無くし、乳化剤、ローカストビーンガム、カラギーナンを追加し、水を40.1重量部、ジェランガムを0.2重量部、LMペクチンを0.5重量部に変更した以外は、比較例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0041】
(比較例11)
表2に従い、水相部に乳化剤を追加し、水を41.8重量部、脱脂粉乳を0.3重量部、ジェランガムを0.1重量部に変更した以外は、比較例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。
【0042】
(比較例12)
表2に従い、水相部に乳酸カルシウムを追加し、水を39重量部、ジェランガムを0.1重量部に変更した以外は、比較例1と同様にして製菓・製パン用フィリング材を得た。このようにして得た製菓・製パン用フィリング材の評価結果は表2に示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製菓・製パン用フィリング材全体中、ジェランガム0.02〜0.5重量%、LMペクチン0.05〜1重量%、卵白を乾燥重量換算で0.05〜1重量%、セルロース0.3〜3重量%を含有し、フィリング材全体中の2価の金属イオンの含量が0.005〜0.15重量%であることを特徴とする製菓・製パン用フィリング材。
【請求項2】
請求項1記載の製菓・製パン用フィリング材を用いた層状膨化食品。

【公開番号】特開2006−254833(P2006−254833A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78800(P2005−78800)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】