説明

製袋包装機、及びその組立方法

【課題】角型チューブのコーナー近傍で縦シール処理が行われる場合であっても、筒状包材が確実にシールされる製袋包装機を提供する。
【解決手段】製袋包装機3では、フィルムFを角型のチューブ13bに巻き付かせて角筒状フィルムFmを形成し、その角筒状フィルムFmの重なり部分をシールする。シール用受け部材132の平面部132aは、シール用受け部材132がチューブ本体131の取付板131aに装着されたとき、チューブ13bのエッジコーナー130bdを形成する。平面部132aは、取付板131a表面の仮想延長面と、取付板131aに隣接する側面130adの仮想延長面とが交差する、仮想交差線まで延びている。角筒状フィルムFmの重なり部分は、その仮想交差線を跨ぐことなく平面部132aと対峙している。平面部132aは、角筒状フィルムFmの重なり部分がシールされるときその重なり部分を角筒状フィルムFmの内側から受ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に製袋を行う製袋包装機、特に、筒状に成形された包材の重ねられた縦の縁を熱溶着によってシールするシール機構を備えた製袋包装機、及びその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
袋を製造しながら袋の内部にスナック菓子などの被包装物を充填して製袋包装する装置として、製袋包装機が広く普及している。例えば、特許文献1(特開平7−156908号公報)に開示されているピロー包装機と呼ばれる縦型の製袋包装機は、シート状のフィルムである包材をフォーマおよびチューブによって筒状に成形し、その包材の重ねられた縦の縁(以後、重なり部分とよぶ)を縦シール機構によって熱溶着(縦シール処理)して筒状包材とする。縦シール処理時、重なり部分はチューブの側面中央に押し当てられるが、チューブの側面中央は曲率の小さい面で重なり部分を受けるので、重なり部は比較的密着し易く確実にシールされる。さらに、この製袋包装機は、筒状包材の内部にチューブから被包装物を充填して、チューブ下方の横シール機構によって袋の上端部と後続の袋の下端部とにまたがって熱溶着(横シール処理)し、その横シール処理された部分の中央をカッターで切断する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
縦型の製袋包装機には、袋の意匠上の要望に対応するため、角型チューブによって包材を予め角筒状に成形するタイプがある。このような製袋包装機において、角筒状包材の重なり部分が角型チューブのコーナー近傍にある場合、重なり部分の一部は角型チューブのコーナーに向かって押されて縦シール処理が行われる。しかし、角型チューブのコーナーは完全なエッジではなく大きな曲率で湾曲しているので、縦シール部分のうち湾曲部と対峙した領域は角型チューブに受け止められず、シールされない可能性が高い。
【0004】
本発明の課題は、角型チューブのコーナー近傍で縦シール処理が行われる場合であっても、筒状包材が確実にシールされる製袋包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明に係る製袋包装機は、筒形成機構とシール機構とを備えている。筒形成機構は、角型筒体を有し、搬送されてくる包材をその角型筒体の外周に沿って巻き付かせ、包材の端部同士をその包材の搬送方向に沿って重ねて筒状包材を形成する。シール機構は、筒状包材の搬送方向に沿って重なるその筒状包材の重なり部分をシールする。筒形成機構の角型筒体は、筒本体とシール用受け部とを含んでいる。筒本体は、角型筒体の複数の側面およびコーナーを形成する。シール用受け部材は、角型筒体の一部を形成する。また、筒本体が形成する複数の側面のうち少なくとも1つの側面に、シール用受け部材が装着される第1側面部が設けられている。シール用受け部材は、第1側面部に着脱自在であり、平面部を有している。その平面部は、第1側面部に装着されているとき第1側面部と平行な方向に且つ第1側面部の外周面よりも外方に位置して角型筒体のコーナーの一部を形成すする。さらに、その平面部は、筒状包材の重なり部分がシール機構によってシールされるとき重なり部分を筒状包材の内側から受ける。
【0006】
この製袋包装機では、シール用受け部材が、角型筒体の一側面と平行な方向に且つ角型筒体の外周面よりも外方に突出する平面部を有するので、その平面部に筒状包材の重なり部分が配置されれば、重なり部分はコーナーの湾曲ではなく平面で支持される。その結果、重なり部分は内側から確実に支持されて密着し易くなり、シール機構によって完全にシールされる。
【0007】
第2発明に係る製袋包装機は、第1発明に係る製袋包装機であって、シール用受け部材の平面部が、少なくとも筒本体の第1側面部の仮想延長面と、筒本体が形成する複数の側面のうち第1側面部に隣接する側面の仮想延長面とが交差する、仮想交差線まで延びている。筒状包材の重なり部分は、その仮想交差線を跨ぐことなく平面部と対峙している。シール機構は、その重なり部分を平面部に向かって押さえて加熱する。
【0008】
この製袋包装機では、シール機構が筒状包材の重なり部分を押してシールするとき、重なり部分の端がシール用受け部材の平面部に完全に支えられているので、重なり部分の端が十分に押されて確実に加熱される。
【0009】
第3発明に係る製袋包装機は、第2発明に係る製袋包装機であって、シール用受け部材の平面部に緩衝材が貼付されている。
【0010】
シール機構が筒状包材の重なり部分をシール用受け部材の平面部に向かって押さえて加熱するとき、完全な平面で均等に押えることは容易ではなく実際には押し力が不十分な領域が存在し、その領域はシール不良になる可能性がある。しかし、この製袋包装機では、シール用受け部材の平面部に緩衝材が貼付されることによって、仮に筒状包材の重なり部分を押す面に緩やかな凹凸が存在する場合でも、緩衝材がその凹凸に倣って変形するので、押し力不足になり易い凹部分にも確実に押し力が伝わる。その結果、シール不良が防止される。
【0011】
第4発明に係る製袋包装機の組立方法は、第1発明に係る製袋包装機、の組立方法であって、筒形成機構が筒状包材を外側から覆うカバー部材を有している。カバー部材には予め角型筒体が挿入される開口部が形成されている。シール用受け部材が装着されていない角型筒体が開口部に挿入された後、シール用受け部材が角型筒体に装着される。
【0012】
角型筒体にシール用受け部材が装着されている状態のとき、平面部が角型筒体の外周面よりも外方に突出しており、角型筒体はカバー部材の開口部を通過することできない。しかし、この組立方法によれば、シール用受け部材は角型筒体に着脱自在であるので、組立作業者はシール用受け部材が装着されていない角型筒体をカバー部材の開口部に挿入した後でシール用受け部材を角型筒体に装着すればよく、角型筒体とカバー部材との組立作業が容易である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、シール用受け部材が、角型筒体の一側面と平行な方向に且つ角型筒体の外周面よりも外方に突出する平面部を有するので、その平面部に筒状包材の重なり部分が配置されれば、重なり部分はコーナーの湾曲ではなく平面で支持される。その結果、重なり部分は内側から確実に支持されて密着し易くなり、シール機構によって完全にシールされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る製袋包装機を搭載した組合せ計量システムの斜視図。
【図2】製袋包装機の概略斜視図。
【図3】製袋包装機の概略分解斜視図。
【図4】シール用受け部材が外されたチューブの斜視図。
【図5】図4のチューブにシール用受け部材が装着されたのちX−X線を含む水平面で切断されたときのチューブの断面図。
【図6】筒形成機構の斜視図。
【図7】他の実施形態に係る製袋包装機のチューブを図4のX−X線と同位置の水平面で切断されたときのチューブの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0016】
<組合せ計量システム10全体の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る製袋包装機を搭載した組合せ計量システムの斜視図である。図1において、組合せ計量システム10は、主として、組合せ計量機2と製袋包装機3とから成る。
【0017】
組合せ計量機2は、製袋包装機3の上部に配置されており、被計量物を計量ホッパにおいて所定重量ずつ計量した後、これらの計量値を所定の合計重量になるように組み合わせ、商品Cとして順次排出する。製袋包装機3は、組合せ計量機2から排出された商品Cを連続的に搬送されるフィルムFを用いて袋詰めする。
【0018】
<製袋包装機3の構成>
製袋包装機3は、製袋包装ユニット5とフィルム供給ユニット6とを含む。フィルム供給ユニット6は、製袋包装ユニット5の筒形成機構13にシート状のフィルムFを供給するユニットであって、製袋包装ユニット5に隣接して設けられている。
【0019】
図2は製袋包装機の概略斜視図であり、図3は製袋包装機の概略分解斜視図である。図1〜図3において、製袋包装ユニット5は、筒形成機構13と、プルダウンベルト機構14と、縦シール機構15と、横シール機構17と、ガセット形成機構18と、制御部40(図1参照)とを備えている。
【0020】
(筒形成機構13)
図2及び図3に示すように、筒形成機構13は、フォーマ13aと、チューブ13bと、スプレッター13cとを有している。フォーマ13aは、チューブ13bを取り囲むように配置されている。シート状のフィルムFは、フォーマ13aとチューブ13bとの間を通るときに角筒状に成形される(以後、フィルムFを角筒状フィルムFmとよぶ)。
【0021】
チューブ13bは、角筒形状の部材であり、上下端が開口している。このチューブ13bの上端の開口部に漏斗部13dが接続されており、組合せ計量機2から計量済みの被包装物が漏斗部13d内に投入される。この被包装物は、漏斗部13dからチューブ13bを通って落下する。なお、筒形成機構13のチューブ13b及びフォーマ13aは、製造する袋の大きさに応じて取り替えられる。
【0022】
4つのスプレッター13cは、チューブ13bの下端の四隅から下方に向けて延びている。これらのスプレッター13cは、薄板部材であって、折り込み部材18a,18bが角筒状フィルムFmに押し当たる高さ位置において、チューブ13bの下端の四隅よりも内側に入り込んでいる。また、スプレッター13cは、折り込み部材18a,18bによるガセット形成動作において、角筒状フィルムFmの両側部の四隅部分が必要以上に内側に入り込まないようにサポートする。
【0023】
ここで、チューブ13bについて、図面を参照しながらさらに詳しく説明する。図4は、シール用受け部材が外されたチューブの斜視図である。また、図5は、図4のチューブにシール用受け部材が装着されたのちX−X線を含む水平面で切断されたときのチューブの断面図である。
【0024】
図4及び図5において、チューブ13bは、チューブ本体131とシール用受け部材132とを含んでいる。図5に示すように、チューブ13bは、4つの側面130aa〜adと3つの湾曲コーナー130ba〜bcと1つのエッジコーナーbdとで構成されている。チューブ本体131は、チューブ13bの4つの側面130aa〜ad及び3つの湾曲コーナー130ba〜bcを形成する。シール用受け部材132は、チューブ13bの側面130aaの一部およびエッジコーナー130bdを形成する。
【0025】
チューブ13bの側面130aa及びエッジコーナー130bdは、チューブ本体131にシール用受け部材132が装着されることによって完成する。そのため、チューブ本体131には、シール用受け部材132が装着されるための取付板131aが溶接等によって固定されている。取付板131aには、取付穴131bがあけられている。取付穴131bは、丸穴131baにその丸穴131baの直径よりも小さい幅の長穴131bbが鉛直下方に繋がった形状である。
【0026】
シール用受け部材132は、板状部材であり、平面部132aと突起132bとを有する。平面部132aは、チューブ13bの側面130aaの一部およびエッジコーナー130bdを形成する。突起132bは、平面部132aから板厚方向に突出し取付板131aの取付穴131bに嵌まり込む。
【0027】
また、図5に示すように、突起132bは、頭部132baと首132bbとから成る。作業者が、シール用受け部材132を取付板131aに取り付けるとき、先ず、頭部132baを丸穴131baから挿入し、その後、首132bbが長穴131bbに嵌まり込むように降下させる。これによって、シール用受け部材132の突起132bと取付板131aの取付穴131bとの連結が完了する。
【0028】
シール用受け部材132がチューブ本体131の取付板131aに取り付けられたとき、平面部132aは取付板131aと平行な方向に、且つ取付板131aの外周面よりも外方に位置する。本実施形態では、平面部132aは、取付板131a表面の仮想延長面と、取付板131aに隣接する側面130adの仮想延長面とが交差する仮想交差線まで延びている。角筒状フィルムFmの重なり部分は、平面部132aと対峙するように位置するが、上記仮想交差線を跨ぐことはない。
【0029】
チューブ13bを取り囲むフォーマ13aとチューブ13bとは、フォーマ13aにチューブ13bが挿入されることによって組み立てられる。しかし、チューブ13bにシール用受け部材132が装着されている状態では、フォーマ13aとシール用受け部材132とが干渉するので、組立作業者はチューブ13bをフォーマ13aに挿入することはできない。
【0030】
そこで、組立作業者は、先に、シール用受け部材132が装着されていないチューブ13bをフォーマ13aに挿入し、その後、チューブ13bにシール用受け部材132を装着する。
【0031】
(プルダウンベルト機構14)
図2に示すように、プルダウンベルト機構14は、チューブ13bに巻き付いた角筒状フィルムFmを吸着して下方に連続搬送するため、チューブ13bを挟んで左右両側にそれぞれベルト14cを有している。プルダウンベルト機構14は、吸着機能を有するベルト14cを駆動ローラ14aおよび従動ローラ14bによって回して角筒状フィルムFmを下方に運ぶ。
【0032】
(縦シール機構15)
縦シール機構15は、チューブ13bの正面側に位置し、シール用受け部材132の平面部132aと対峙する。縦シール機構15は、ヒータ、及び角筒状フィルムFmの重なり部分に接触するヒータベルトを有しており、角筒状フィルムFmの重なり部分を一定の圧力で平面部132aに押しつけながら加熱して縦にシールする。角筒状フィルムFmの重なり部分は、平面部132aで受けられているので密着し易く、完全にシールされる。
【0033】
なお、シール用受け部材132はチューブ13bへ着脱自在であるので、袋の形態がコーナー近傍の縦シールからセンター近傍の縦シールへ切り替えられる際には、シール用受け部材132がチューブ13bから外される。また、袋の形態がセンター近傍の縦シールからコーナー近傍の縦シールへ切り替えられる際には、シール用受け部材132がチューブ13bに取り付けられる。
【0034】
(横シール機構17)
横シール機構17は、筒形成機構13、プルダウンベルト機構14、および縦シール機構15の下方に配置されている。この横シール機構17は、2つのシールジョー17a,17bをD字状に旋回させながら、角筒状フィルムFmを一対のシールジョー17a,17bで挟み込んで横シール部分を形成する。
【0035】
(ガセット形成機構18)
ガセット形成機構18は、折り込み部材18a,18bを備えている。図2および図3に示すように、折り込み部材18a,18bは薄肉の板状部材である。折り込み部材18a,18bは、円形の軌道に沿って移動しながら、角筒状フィルムFmの鉛直中心線を中心として左右の側面を挟み込むように、角筒状フィルムFmの一部に当接する。このとき、角筒状フィルムFmの一部には、内側へと折り込まれた部分(ガセットG)が形成される。
【0036】
(制御部40)
制御部40は、組合せ計量機2の制御および製袋包装機3の制御を行うものであって、CPU、ROM、RAMなどから構成されている。制御部40は、図1に示す操作スイッチ類7やタッチパネル式ディスプレイ8から入力された操作および設定に従って、フィルム供給ユニット6においてフィルムローラ6bを回転させてフィルムFを繰り出させる送出モータ(図示せず)、および製袋包装ユニット5の各機構の駆動部分を制御する。また、制御部40は、組合せ計量機2および製袋包装機3に設置されている各種センサから必要な情報を取り込み、その情報を各種制御において利用する。
【0037】
<製袋包装機3の動作>
シート状のフィルムFは、フィルム供給ユニット6から筒形成機構13に送られ、フォーマ13aからチューブ13bに巻き付けられて角筒状に成形された後、プルダウンベルト機構14によって下方に搬送される。フィルムFは、チューブ13bに巻き付けられたとき、その両端部が周面上で重ね合わせられ、その重ね合わせ部分が縦シール機構15によって縦にシールされる。
【0038】
縦にシールされた角筒状フィルムFmは、チューブ13bを抜けて横シール機構17へと降りていく。また、このときには、商品Cの固まりが組合せ計量機2からチューブ13bを通って落下してくる。そして、ガセット形成機構18でガセットが形成された角筒状フィルムFmは、商品Cが中にある状態で、横シール機構17において、袋Bの上端となる部分およびその袋Bの上部の袋の下端となる部分が、環状の軌跡を描きながら旋回移動する一対のシールジョー17a,17bによって、横に熱シールされる。
【0039】
<製袋包装機3の特徴>
(1)
製袋包装機3では、搬送されてくるフィルムFを角型のチューブ13bの外周に沿って巻き付かせて角筒状フィルムFmを形成し、その角筒状フィルムFmの重なり部分をシールする。シール用受け部材132の平面部132aは、シール用受け部材132がチューブ本体131の取付板131aに装着されたとき、チューブ13bのエッジコーナー130bdを形成する。平面部132aは、取付板131a表面の仮想延長面と、取付板131aに隣接する側面130adの仮想延長面とが交差する、仮想交差線まで延びている。角筒状フィルムFmの重なり部分は、その仮想交差線を跨ぐことなく平面部132aと対峙している。平面部132aは、角筒状フィルムFmの重なり部分がシールされるときその重なり部分を角筒状フィルムFmの内側から受けるので、重なり部分は密着し易くなり、完全にシールされる。
【0040】
(2)
製袋包装機3では、フォーマ13aがチューブ13bを取り囲んでいる。フォーマ13aには、チューブ13bが挿入される角孔が形成されている。フォーマ13aとチューブ13bとは、フォーマ13aの角孔の開口からチューブ13bが挿入されることによって組み立てられる。シール用受け部材132はチューブ13bに着脱自在であるので、組立作業者はシール用受け部材132が装着されていないチューブ13bをフォーマ13aに挿入した後でシール用受け部材132をチューブ13bに装着すればよく、フォーマ13aとチューブ13bとの組立作業が容易である。
【0041】
<第1変形例>
図6は、筒形成機構の斜視図である。図6において、シール用受け部材132の平面部132a上に緩衝材133が貼付されている。縦シール機構15が角筒状フィルムFmの重なり部分をシール用受け部材132の平面部132aに向かって押さえて加熱するとき、完全な平面で均等に押えることは容易ではなく実際には押し力が不十分な領域が存在し、その領域はシール不良になる可能性がある。しかし、平面部132aに緩衝材133が貼付されることによって、角筒状フィルムFmの重なり部分を押す面に緩やかな凹凸が存在する場合でも、緩衝材133がその凹凸に倣って変形するので、押し力不足になり易い凹部分にも確実に押し力が伝わる。その結果、シール不良が防止される。
【0042】
<第2変形例>
上記実施形態では、チューブ13bの上部の漏斗部13d(図2参照)は正四角錘状であるが、第2変形例では、図6に示すような変形漏斗部13eを採用している。図6において、チューブ13bのシール用受け部材132側を正面にした状態で変形漏斗部13eを視たとき、変形漏斗部13eは左右非対称形状である。また、組合せ計量機2から計量済みの被包装物が変形漏斗部13e内に投入されるとき、その被包装物が傾斜壁13ea上に落ちるように、組合せ計量機2の中心線Y1と製袋包装機3の中心線Y2とが一致していないように組み立てられている。その結果、クロワッサンなどのような外形が大きい被包装物が投入されても、被包装物が斜面を転がるように流れ、一気にチューブ13bに入ることが抑制されるので、詰まり難くなる。
【0043】
また、変形漏斗部13eの正面壁には切り欠き13ebが設けられており、その切り欠き13ebは透明樹脂カバー13ecによって覆われている。その結果、変形漏斗部13eの正面から被包装物の詰まりを目視することができるので、早期に詰まりが発見され、生産停止時間が短縮する。
【0044】
<他の実施形態>
上記実施形態では、シール用受け部材132が装着されるための取付板131aがチューブ本体131に溶接等によって固定されているが、シール用受け部材がチューブ本体に直に装着されてもよい。
【0045】
図7は、他の実施形態に係る製袋包装機のチューブを図4のX−X線と同位置の水平面で切断されたときのチューブの断面図である。図7において、チューブ本体231は、チューブ13bの4つの側面230aa〜ad及び3つの湾曲コーナー230ba〜bcを形成する。シール用受け部材232は、チューブ13bの側面230aaの一部およびエッジコーナー230bdを形成する。チューブ本体231の取付部231aには、シール用受け部材232が装着されるための取付突起231bが設けられている。取付突起231bは、頭部231baと首231bbとから成る。
【0046】
シール用受け部材232は、板状部材であり、平面部232aと取付穴232bとを有する。平面部232aは、チューブ本体231に装着されたときチューブ13bの側面230aaの一部およびエッジコーナー230bdを形成する。
【0047】
取付穴232bは、丸穴にその丸穴の直径よりも小さい幅の長穴が鉛直上方に繋がった形状である。なお、取付穴232bの形状は、上記実施形態の取付穴131bが上下に反転した形状と同じである。
【0048】
作業者は、シール用受け部材232をチューブ本体231の取付突起231bに取り付けるとき、先ず、取付突起231bの頭部231baを取付穴232bの丸穴に挿入し、その後、取付突起231bの首231bbに取付穴232bの長穴が嵌まり込むように降下させる。これによって、シール用受け部材232の取付穴232bとチューブ本体231の取付突起231bとの連結が完了する。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように、本発明によれば、筒状に成形された包材の重なり部分を熱溶着によってシールするシール機構を備えた製袋包装機に有用である。
【符号の説明】
【0050】
3 製袋包装機
13 筒形成機構
13a フォーマ(カバー部材)
13b チューブ(角型筒体)
13c スプレッター
15 縦シール機構
131,231 チューブ本体(筒本体)
131a 取付板(第1側面部)
132,232 シール用受け部材
132a,232a 平面部
133 緩衝材
231a 取付部(第1側面部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】
【特許文献1】特開平7−156908号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角型筒体を有し、搬送されてくる包材を前記角型筒体の外周に沿って巻き付かせ、前記包材の端部同士を前記包材の搬送方向に沿って重ねて筒状包材を形成する、筒形成機構と、
前記筒状包材の搬送方向に沿って重なる前記筒状包材の重なり部分をシールするシール機構と、
を備え、
前記筒形成機構の前記角型筒体は、
前記角型筒体の複数の側面およびコーナーを形成する筒本体と、
前記角型筒体の一部を形成するシール用受け部材と、
を含み、
前記筒本体が形成する複数の前記側面のうち少なくとも1つの前記側面に、前記シール用受け部材が装着される第1側面部が設けられており、
前記シール用受け部材は、前記第1側面部に着脱自在であり、前記第1側面部に装着されているとき前記第1側面部と平行な方向に且つ前記第1側面部の外周面よりも外方に位置して前記角型筒体のコーナーの一部を形成する平面部を有し、
前記平面部は、前記筒状包材の重なり部分が前記シール機構によってシールされるとき前記重なり部分を前記筒状包材の内側から受ける、
製袋包装機。
【請求項2】
前記シール用受け部材の前記平面部は、少なくとも前記筒本体の前記第1側面部の仮想延長面と、前記筒本体が形成する複数の前記側面のうち前記第1側面部に隣接する前記側面の仮想延長面とが交差する、仮想交差線まで延び、
前記筒状包材の前記重なり部分は、前記仮想交差線を跨ぐことなく前記平面部と対峙しており、
前記シール機構は、前記重なり部分を前記平面部に向かって押さえて加熱する、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記シール用受け部材の前記平面部に、緩衝材が貼付されている、
請求項2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記筒形成機構が前記筒状包材を外側から覆うカバー部材を有する請求項1に記載の製袋包装機、の組立方法であって、
前記カバー部材には予め前記角型筒体が挿入される開口部が形成されており、
前記シール用受け部材が装着されていない前記角型筒体が前記開口部に挿入された後、前記シール用受け部材が前記角型筒体に装着される、
製袋包装機の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−111198(P2011−111198A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270132(P2009−270132)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】