説明

製袋包装機

【課題】ヘム部を安定して形成する製袋包装機を提供する。
【解決手段】製袋包装機1は、製袋包装ユニット5と、フィルム供給ユニット2と、ヒーターブロック330と、折り込み板332と、接着補助部材334とを備える。製袋包装ユニット5は、被包装物を包装した袋を、フィルムを用いて製造する。フィルム供給ユニット2は、製袋包装ユニット5に対しフィルムを供給する。ヒーターブロック330は、フィルム供給ユニット2によって供給されたフィルムが製袋包装ユニット5に搬送される経路に配置され、フィルムの搬送方向上流から下流に伸びる溝を有する。折り込み板332は、ヒーターブロック330が有する溝に入り込み、ヒーターブロック330に沿って搬送されるフィルムを部分的にV字状に折り曲げる。接着補助部材334は、部分的にV字状に折り曲げられた包装材の部分である折り曲げ部を接着させてヘム部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機に関し、特に、ガセット型の袋を製造する製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、シート状の包装材を用いて、袋を製造しながら袋の内部にスナック菓子等の被包装物を充填する製袋包装機が広く普及している。このような製袋包装機が製造する袋の一つに、例えば、特許文献1(国際公開WO01/24999号公報)に開示されているような角筒状フィルムの四隅にヘム部を有するガセット型の袋がある。ガセット型の袋は、図1に示されるように、側面部が内側に折り込まれた態様をする。ガセット型の袋を製造する一つの方法として、シート状の包装材がフォーマを通過した後に包装材のヘム部となる部分を一対のヒーターブロックで圧着してヘム部を形成する方法が採用されている。
【0003】
ところで、一般的に、シート状の包装材がフォーマを通過した後にヘム部が形成される方法では、ヘム部が形成された後に包装材がヒートボックスにより縦シールされ筒状に成形される。また、筒状の包装材は、その後、横シールされて袋に成形される。その結果、ヘム部が形成された直後に包装材に加えられる熱の影響により、包装材に形成されたヘム部の幅や位置が安定しない場合がある。一方、ヘム部が形成される位置が、縦シールが行われる位置から離れて設けられる製袋包装機も提案されている(例えば、特許文献1等参照)。この製袋包装機では、折り曲げられたフィルムFが、ローラ300によりヘム部に形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この方法で、ガセット型の袋を形成した場合にも、安定してヘム部を形成することは依然として困難である。
【0005】
本発明の課題は、ヘム部を安定して形成することができる製袋包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明に係る製袋包装機は、製袋包装部と、包装材供給部と、溝形成部材と、板状部材と、接着補助部材とを備える。製袋包装部は、被包装物を包装した袋を、包装材を用いて製造する。包装材供給部は、製袋包装部に対し包装材を供給する。溝形成部材は、包装材供給部によって供給された包装材が製袋包装部に搬送される経路に配置される。また、溝形成部材は、包装材の搬送方向上流から下流に伸びる溝を有する。板状部材は、溝に入り込み、溝形成部材に沿って搬送される包装材を部分的にV字状に折り曲げる。接着補助部材は、折り曲げ部を接着させてヘム部を形成する。折り曲げ部とは、部分的にV字状に折り曲げられた包装材の部分である。
【0007】
本発明に係る製袋包装機では、製袋包装部に包装材を供給する包装材供給部から製袋包装部までの、包装材が搬送される経路に配置された溝形成部材と、溝形成部材が有する溝に入り込む板状部材によって包装材が部分的にV字状に折り曲げられる。また、包装材のV字状に折り曲げられた部分が接着されてヘム部が形成される。
【0008】
これにより、包装材にヘム部を安定して形成することができる。
【0009】
第2発明に係る製袋包装機は、第1発明に係る製袋包装機であって、溝は、包装材の搬送方向下流側が上流側より幅狭の形状である。
【0010】
本発明に係る製袋包装機では、溝形成部材が有する溝は、包装材の搬送方向の上流側の幅より下流側の幅が狭い。
【0011】
これにより、包装材の折り曲げを段階的に強くすることができる。
【0012】
第3発明に係る製袋包装機は、第2発明に係る製袋包装機であって、溝形成部材は、包装材の幅方向に所定の間隔を空けて配置される。また、溝形成部材は、溝の表面に接する包装材に熱を加える複数のヒーターブロックである。
【0013】
本発明に係る製袋包装機では、複数のヒーターブロックが包装材の幅方向に間隔を空けて配置され、ヒーターブロックの溝の表面に接する包装材に熱が加えられる。
【0014】
これにより、複数のヘム部を同時に作ることができる。
【0015】
第4発明に係る製袋包装機は、第3発明に係る製袋包装機であって、接着補助部材は、弾性部材と、摺動面とを有する。弾性部材は、折り曲げ部の幅方向両側に位置する。摺動面は、弾性部材の表面であって、折り曲げ部に接する面である。
【0016】
本発明に係る製袋包装機では、ヒーターブロックによって熱された包装材の部分である折り曲げ部が接着補助部材の隙間を通ることによりヘム部が形成される。
【0017】
これにより、ヘム部を確実に形成することができる。
【0018】
第5発明に係る製袋包装機は、第3発明または第4発明に係る製袋包装機であって、水平部材と、規制部材とをさらに備える。水平部材は、溝形成部材の幅方向両側で、所定の間隔を空けて配置された溝形成部材の間に配置される。規制部材は、包装材を挟んで水平部材の面に対向する位置に配置され、包装材の蛇行を規制する。
【0019】
本発明に係る製袋包装機では、所定の間隔を空けて配置された溝形成部材の幅方向両側に水平部材が配置される。また、包装材を挟んで水平部材に対向する位置に規制部材が配置される。
【0020】
これにより、包装材の搬送方向を安定させることができる。
【0021】
第6発明に係る製袋包装機は、第1発明から第5発明のいずれかに係る製袋包装機であって、ガイド部材をさらに備える。ガイド部材は、包装材の搬送方向に対して、溝形成部材の上流に配置される。また、ガイド部材は、包装材に部分的に当接して、包装材のV字状に折り曲げられる部分を溝に誘導する。
【0022】
本発明に係る製袋包装機では、溝形成部材に対して包装材の搬送方向上流に配置されたガイド部材が、包装材に部分的に当接することにより、包装材のV字状に折り曲げられる部分が溝形成部材の溝に誘導される。
【0023】
これにより、搬送される包装材の流れを溝形成部材方向に安定させることができる。
【0024】
第7発明に係る製袋包装機は、第6発明に係る製袋包装機であって、ガイド部材は、第1ガイド部材と、第2ガイド部材とからなる。第1ガイド部材は、溝形成部材の直近に配置される。第2ガイド部材は、包装材の搬送方向において、第1ガイド部材よりも上流に配置される。また、前記第1ガイド部材は、前記溝形成部材の数に応じて配置される。
【0025】
本発明に係る製袋包装機では、ガイド部材は、溝形成部材に対して、包装材の搬送方向上流の2つの領域に配置される。また、溝形成部材の直近に配置された第1ガイド部材の数は、溝形成部材の数に応じて決定される。
【0026】
これにより、包装材のV字状に折り曲げられる部分を溝形成部材の溝に誘導されやすくすることができる。
【0027】
第8発明に係る製袋包装機は、第7発明に係る製袋包装機であって、1ガイド部材は、包装材の両面から包装材に対して部分的に当接する。
【0028】
本発明に係る製袋包装機では、搬送される包装材は、溝形成部材の直近に配置された第1ガイド部材によって、包装材の両面から部分的に当接され、V字状に折り曲げられる部分が溝に誘導される。
【0029】
これにより、搬送される包装材に大きな負荷を与えず、包装材の搬送方向を安定させることができる。
【0030】
第9発明に係る製袋包装機は、第3発明から第8発明のいずれかに記載の製袋包装機であって、ローラをさらに備える。ローラは、包装材の搬送方向において、接着補助部材の下流に配置され、包装材を製袋包装部に搬送する。また、ローラは、表面に弾性体を有する。
【0031】
本発明に係る製袋包装機では、包装材の搬送方向において接着補助部材の下流に、表面に弾性体を有するローラが配置される。
【0032】
これにより、搬送される包装材の幅方向のズレを軽減させることができる。
【0033】
第10発明に係る製袋包装機は、第3発明から第9発明のいずれかに係る製袋包装機であって、傾け部材をさらに備える。傾け部材は、ローラと接着補助部材との間の経路に配置される。また、傾け部材は、ヘム部に当接し、ヘム部を包装材の搬送面に対して略平行になるように傾ける。
【0034】
本発明に係る製袋包装機では、ヘム部が形成された包装材が製袋包装部に向けて搬送される経路において、ヘム部が搬送面に対して略平行になるように傾けられる。
【0035】
これにより、ヘム部が折り畳まれた状態で包装材を製袋包装部に搬送することができる。
【0036】
第11発明に係る製袋包装機は、第10発明に係る製袋包装機であって、回転軸をさらに備える。回転軸は、傾け部材に対して包装材の搬送方向下流に、包装材の幅方向に伸びる。また、板状部材は、メンテナンス時に、回転軸を中心に、第1の位置から前記第2の位置に移動する。第1の位置とは、板状部材が溝形成部材の溝に入り込んだ位置にある場合をいう。第2の位置とは、板状部材が溝形成部材から遠ざかった位置にある場合をいう。
【0037】
本発明に係る製袋包装機では、傾け部材に対して包装材の搬送方向下流に配置される、包装材の幅方向に伸びた回転軸を中心として、板状部材が開閉する。
【0038】
これにより、包装材の取り外しが容易になる。
【0039】
第12発明に係る製袋包装機は、第1発明から第5発明のいずれか1つに係る製袋包装機であって、弛み形成部材と波形成部材とをさらに備えている。弛み形成部材は、包装材が溝形成部材へ導かれる前の段階で包装材を山状に弛ませる。波形成部材は、弛み形成部材と溝形成部材との間に配置され、弛み形成部材によって弛んだ包装材の横断面を波状に形成して溝形成部材に導く。
【0040】
この製袋包装機では、溝形成部材の手前で、包装材の横断面が波状に変形し、その波の谷間がヘム部予定域として溝形成部材に導かれるので、ヘム部の形成が容易になり、不完全なヘム部の発生が防止される。
【0041】
第13発明に係る製袋包装機は、第12発明に係る製袋包装機であって、波形成部材が、支持部材と挿入部材とを有している。支持部材は、包装材の搬送方向に沿って延び溝形成部材の溝に通じるスリットまたは窪みが形成されている。挿入部材は、包装材を支持部材と反対側の面から押えて包装材の一部をスリットまたは窪みに挿入させる。
【0042】
この製袋包装機では、スリットまたは窪みに挿入された包装材は、細長い波の谷間となって溝形成部材の溝に導かれるので、溝でV字状に折り曲げる加工が確実に行われ、不完全なヘム部の発生が防止される。
【0043】
第14発明に係る製袋包装機は、第13発明に係る製袋包装機であって、重ね部材をさらに備えている。重ね部材は、ヘム部が進む経路上に配置され、当接して来るヘム部を徐々に傾けながら包装材のヘム部が形成されていない面へ重ねる。
【0044】
この製袋包装機では、ヘム部は包装材から立ち上がった状態で搬送された場合、機器との干渉によってヘム部が損傷するので、ヘム部が包装材と重なって搬送されることによって、搬送時の損傷が防止される。
【0045】
第15発明に係る製袋包装機は、第14発明に係る製袋包装機であって、冷却部をさらに備えている。冷却部は、接着補助部材から重ね部材に向かうヘム部を冷却する。
【0046】
この製袋包装機では、ヘム部が加熱されたまま折り曲げられた場合、包装材との重なり面に接着されてしまう可能性があるが、ヘム部を冷却することによって包装材への接着が防止される。
【発明の効果】
【0047】
本発明に係る製袋包装機では、包装材にヘム部を安定して形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】ガセット型の袋を示す図。
【図2】製袋包装機の外観斜視図。
【図3】フィルムの搬送経路を示す概略側面図。
【図4A】ヘム部形成ユニットの模式図。
【図4B】ヘム部形成ユニットの上部構成を示す模式図。
【図4C】ヘム部形成ユニットの下部構成を示す模式図。
【図5】ヘム部形成ユニットの上部構成固定部が下部構成固定部から離れた位置に移動した状態を示す模式図。
【図6A】ヘム部形成機構の部分拡大図。
【図6B】ヘム部形成機構の部分拡大図。
【図6C】ヘム部形成機構の部分拡大図。
【図7A】図4Aの破線7A−7Aから見た各部材の位置関係を示す図。
【図7B】図4Aの破線7B−7Bから見た各部材の位置関係を示す図。
【図7C】図4Aの破線7C−7Cから見た各部材の位置関係を示す図。
【図8A】製袋包装ユニットの概略模式図。
【図8B】製袋包装ユニットの主要部分を示す正面図。
【図8C】製袋包装ユニットの主要部分を示す側面図。
【図9A】立ち上げ機構およびフォーマの斜視図。
【図9B】立ち上げ機構の部分拡大図。
【図9C】立ち上げ機構の部品の拡大図。
【図9D】図9Bにおける破線9D−9D断面図。
【図10】(a)横シール機構の拡大平面図。(b)横シール機構の拡大正面図。
【図11】(a)横シール機構の拡大平面図。(b)横シール機構の拡大正面図。
【図12】(a)横シール機構の拡大平面図。(b)横シール機構の拡大正面図。
【図13】上部ガセット形成部材の拡大斜視図。
【図14A】ヘム部形成機構と、ヘム部形成機構を通過するフィルムとの関係を示す図。
【図14B】ヘム部形成機構と、ヘム部形成機構を通過するフィルムとの関係を示す図。
【図14C】ヘム部形成機構と、ヘム部形成機構を通過するフィルムとの関係を示す図。
【図14D】ヘム部形成機構と、ヘム部形成機構を通過するフィルムとの関係を示す図。
【図14E】ヘム部形成機構と、ヘム部形成機構を通過するフィルムとの関係を示す図。
【図14F】ヘム部形成機構と、ヘム部形成機構を通過するフィルムとの関係を示す図。
【図15】変形例(D)に係る製袋包装ユニットの主要部分を示す側面図。
【図16】第2実施形態に係る製袋包装機のヘム部形成ユニットの全体の構成を示す斜視図。
【図17】図16のヘム部形成ユニットの上部構成固定部と下部構成固定部とが離れた状態を示す斜視図。
【図18】図16のヘム部形成ユニットの下部構成体を示す斜視図。
【図19】図16のヘム部形成ユニットのヒーターブロックの斜視図。
【図20】図16のヘム部形成ユニットの折り込み板周辺の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0050】
〔第1実施形態〕
本実施形態に係る製袋包装機1は、図1に示すように、ガセット型の袋500を示す。袋500は、4つの側面部F1〜F4と1つの底面部52とを有する。袋500は、当該底面部52を支持面として自立可能なスタンドパックである。袋500には、上部ガセット(折り込み)G1と、下部ガセット(折り込み)G2と、4つのヘム部H1〜H4と、縦シール部位L1と、上部横シール部位T1と、下部横シール部位T2とが形成されている。袋500は、後述するフィルム供給ユニット2のフィルムローラ20から繰り出されるシート状のフィルムFの所定の位置を折り曲げてヘム部H1〜H4を形成し、さらに、所定の位置を熱シール(熱溶着)することにより形成される。
【0051】
<製袋包装機の全体構成>
まず、図2を用いて、製袋包装機1の全体構成を説明する。製袋包装機1は、スナック菓子等の商品を袋詰めする機械であり、主として、商品の袋詰めを行う製袋包装ユニット5と、製袋包装ユニット5に袋となるフィルムFを供給するフィルム供給ユニット2と、フィルム供給ユニット2から製袋包装ユニット5までのフィルムが搬送される経路に設置されるヘム部形成ユニット3とから構成されている。また、製袋包装ユニット5には、正面に向かって右側に操作スイッチ類6が配置されている。さらに、操作スイッチ類6を操作するユーザーが視認できる位置に、操作状態を示す液晶ディスプレイ7が配置されている。
【0052】
なお、製袋包装機1の正面とは、図2に示す製袋包装機1の液晶ディスプレイ7が取り付けられている側を指す。また、製袋包装機1について「左」「右」とは、正面側から製袋包装機1を見た場合を基準とする。
【0053】
<各部の構成>
(1)フィルム供給ユニット
次に、製袋包装機1の各部の構成について説明する。
【0054】
フィルム供給ユニット2は、後述する製袋包装ユニット5の成形機構50に対してシート状のフィルムFを供給する。フィルム供給ユニット2は、主として、フィルムローラ20を有する。フィルムローラ20にはフィルムFを巻きつけたフィルムロール2aがセットされる。フィルムローラ20は、図示しないモータによって回転する。その結果、フィルムロール2aからフィルムFが繰り出される。フィルム供給ユニット2から製袋包装ユニット5へ供給されるフィルムFは、後述する製袋包装ユニット5の搬送機構14の作動により製袋包装ユニット5側に搬送される。なお、フィルムFは、図3に示すように、フィルム供給ユニット2のフィルムロール2aから繰り出された後、複数のフィルム搬送ローラ21a,21bやテンションローラに掛け渡され、所定のテンションがかけられた状態で、後述するヘム部形成ユニット3を経由し、製袋包装ユニット5に搬送される。
【0055】
(2)ヘム部形成ユニット
次に、図4A〜図7Cを用いて、ヘム部形成ユニット3を説明する。図4Aはヘム部形成ユニット3の全体の構成を示す斜視図である。図4Bはヘム部形成ユニット3の下部の構成を示す斜視図である。図4Cはヘム部形成ユニット3の上部の構成を示す斜視図である。さらに、図5は、ヘム部形成ユニット3の上部の構成と下部の構成とが離れた状態を示す斜視図である。また、図6Aおよび図6Cは、ヘム部形成ユニット3に含まれるヘム部形成機構33の下部の構成の主要部を示す図である。図6Bは、ヘム部形成ユニット3に含まれるヘム部形成機構33の上部の構成の主要部を示す図である。図7A〜図7Bは、図4Aの破線7A−7A,7B−7B,7C−7Cから見た各部材の位置関係を示す図である。
【0056】
ヘム部形成ユニット3は、シート状のフィルムFにヘム部H1〜H4を形成するユニットであり、主として、開閉機構30、ヘム部形成機構33と、上側フィルム安定機構35と、下側フィルム安定機構37と、フィルムガイド機構38とを備える。
【0057】
a)開閉機構
開閉機構30は、ヘム部形成ユニット3の下部の構成(図4B)および上部の構成(図4C)を開閉させる機構である。開閉機構30は、主として、下部構成固定部300と、上部構成固定部301とを有する。
【0058】
下部構成固定部300は、支持部材39によって、製袋包装機1の支持フレーム11に固定されている(図3参照)。下部構成固定部300は、フィルムFの幅方向に間隔を空けて対向する一対の平板(以下、下方平板)からなる。一対の下方平板には、対向する下方平板に向かって伸びる、複数の固定軸と、フィルム搬送ローラ21a,21bとが取り付けられている。複数の固定軸には、後述する、ヘム部形成機構33の一部の構成およびフィルムガイド機構38の一部の構成等が取り付けられる(図4B参照)。フィルム搬送ローラ21a,21bには、フィルム供給ユニット2から供給されたフィルムFが掛け渡される。なお、フィルム搬送ローラ21bは、弾性体の表面を有する。
【0059】
上部構成固定部301は、下部構成固定部300と同様に、フィルムFの幅方向に間隔を空けて対向する一対の平板(以下、上方平板)を有する。一対の上方平板にもまた、対向する上方平板に向かって伸びる複数の固定軸が取り付けられている。複数の固定軸には、後述するヘム部形成機構33の一部の構成、上側フィルム安定機構35、およびフィルムガイド機構38の一部の構成等が取り付けられる(図4C参照)。上部構成固定部301は、下部構成固定部300の内側であって、対向する一対の下方平板に挟まれる位置に配置される(図4A参照)。
【0060】
下部構成固定部300および上部構成固定部301は、回転軸302と移動補助部材303とにより支持され、相対移動が可能になっている。回転軸302は、フィルムFの搬送方向に対して、下部構成固定部300および上部構成固定部301の下流側に配置される。移動補助部材303は、開閉機構30の幅方向両側に配置される伸縮自在な支持部材である。詳細には、移動補助部材303は、開閉方向の幅方向の同一端に配置された下方平板と上方平板とに取り付けられる。より詳細には、移動補助部材303の一端は、下方平板の中央付近に取り付けられ、他端は、上方平板においてフィルムFの搬送方向上流側に取り付けられる。なお、移動補助部材303は、開閉機構30の幅方向同一端に配置された下方平板と上方平板との対向する面に取り付けられる。移動補助部材303が伸縮することにより、図5に示すように、回転軸302を中心に、上部構成固定部301と下部構成固定部300とが相対移動する。詳細には、上部構成固定部301が下部構成固定部300に最も接近した状態であって、後述する折り込み板332がヒーターブロック330の溝330a,330bに入り込んだ状態(第1の状態に相当)から、上部構成固定部301の長手方向一端が下部構成固定部300から離れた場所にある状態であって、折り込み板332がヒーターブロック330の溝330a,330bから離れた状態(第2の状態に相当)に移動する。
【0061】
b)ヘム部形成機構
ヘム部形成機構33は、ヘム部形成ユニット3に搬送されたフィルムFにヘム部H1〜H4を形成する機構であり、主として、ヒーターブロック330と、下方取り付け部材331と、折り込み板(板状部材に相当)332と、上方取り付け部材333と、接着補助部材334と、カバー335と、傾け部材336とを有する。本実施形態では、製袋包装機1によりヘム部H1〜H4を有する袋500を形成する。そのため、図4A〜図4C等に示すように、ヘム部形成ユニット3には、フィルムFの幅方向に所定の間隔を空けてヘム部形成機構33が4つ配置される。
【0062】
ヒーターブロック330は、図6に示すように、矩形形状のブロックであり、上底にフィルムFを部分的に通して熱を加えるための溝330a,330bを有する。溝330a,330bは、フィルムFの搬送方向に対して、ヒーターブロック330の上流から下流に伸びて形成される。また、フィルムFの搬送方向に対して上流側に形成された溝330aの幅と、下流側に形成された溝330bの幅とは異なる(図6Aおよび図6C参照)。具体的には、ヒーターブロック330の下流側に形成された溝330bの幅は上流側の溝330aの幅より幅狭に形成されている。また、ヒーターブロック330の上流側の溝330aは、略V字形状をしている。
【0063】
下方取り付け部材331は、ヒーターブロック330を上述の下部構成固定部300に取り付けるための部材である。下方取り付け部材331は、主として、下方取り付け連結部材331aと、下方軸保持部材331bと、下方取り付けネジ部材331cとからなる。
【0064】
下方取り付け連結部材331aは、長手方向に伸びる平板部材であり、後述する下方軸保持部材331bに連結される部材である。下方取り付け連結部材331aは、フィルムFの搬送方向に対して上流側にヒーターブロック330を支持する(図6A参照)。下方取り付け連結部材331aは、フィルムFの搬送方向に対して下流側に、後述する接着補助部材334および傾け部材336をさらに支持する。
【0065】
下方軸保持部材331bは、下部構成固定部300に取り付けられた軸を保持する孔を形成する一対の板状部材である。一対の板状部材は、それぞれ、半円状の凹部を2箇所有する。一対の板状部材は、それぞれの凹部を有する面が対向するように配置される。これにより、下方軸保持部材331bには、下部構成固定部300の軸を保持可能な2つの孔が形成される。当該2つの孔に下部構成固定部300の軸が通されることにより、下部構成固定部300の軸に下方取り付け部材が固定される。
【0066】
下方取り付けネジ部材331cは、取り付け連結部材331aに下方軸保持部材331bを固定し、さらに、下方軸保持部材331bの凹部により形成された孔を開閉する。具体的には、下方取り付けネジ部材331cが締められることにより、一対の板状部材が有する凹部の間隙が小さくなり、下方軸保持部材331bが下部構成固定部300の軸を挟む。これにより、下方取り付け連結部材331aが軸に固定される。一方、下方取り付けネジ部材331cが緩められることにより、下方軸保持部材331bの一対の板状部材が有する凹部の間隙が大きくなり、下部構成固定部300の軸から解放される。これにより、すなわち、下方取り付け連結部材331aを下部構成固定部300の軸から取り外したり、所望の位置に移動させたりすることができる。
【0067】
折り込み板332は、図6Bに示すように、フィルムFの搬送方向に対して上流側の折り込み板332aと、フィルムFの搬送方向に対して下流側の折り込み板332bとを有する。また、上流側の折り込み板332aと下流側の折り込み板332bとは厚みが異なる。具体的には、上流側の折り込み板332aは、上述のヒーターブロック330の上流側の溝330aに入り込むように削られた略V字形状である。また、下流側の折り込み板332bは、上述のヒーターブロック330の下流側の幅狭の溝330bに入り込むように厚みが少ない。フィルムFは、ヒーターブロック330の溝330a,330bと、溝330a,330bに入り込んだ折り込み板332との隙間を通ることで、部分的に熱が加えられ、V字状に折り曲げられる。
【0068】
上方取り付け部材333は、図6Bに示すように、主として、上方取り付け連結部材333aと、上方軸保持部材333bと、上方取り付けネジ部材333cとを有する。
【0069】
上方取り付け連結部材333aは、上述の折り込み板332と後述する上方軸保持部材333bとを連結する部材である。
【0070】
上方軸保持部材333bは、孔を有するブロック形状の部材である。詳細には、上方軸保持部材333bは、孔が形成された一端が分離可能な形状をしており、後述する上方取り付けネジ部材333cが締められることにより、孔が形成される。当該孔に上部構成固定部301の軸が通され、後述する上方取り付けネジ部材333cが締められることにより、上方軸保持部材333bが上部構成固定部301の軸をしっかり挟む。これにより、折り込み板332が上部構成固定部301に固定される。一方、後述する上方取り付けネジ部材333cが緩められることにより、上方軸保持部材333bの一端が分離して孔が広がり、上部構成固定部301の軸から解放される。これにより、折り込み板332を上部構成固定部301から取り外したり、所望の位置に移動させたりすることができる。
【0071】
上方取り付けネジ部材333cは、上方軸保持部材333bの分離可能な一端を接触または分離させる部材である。
【0072】
接着補助部材334は、図6Aに示すように、フィルムFの搬送方向に対して、ヒーターブロック330の下流に配置される。接着補助部材334は、主として、一対の弾性体334a,334aと、一対の弾性体334a,334aの対向する面に貼られた摺動部材334b,334bとからなる。一対の弾性体334a,334aは、フィルムFのV字状に折り曲げられた部分(以下、ヘム部相当部)が通過できるだけの狭小な隙間を空け、上述した下方取り付け連結部材331aに取り付けられる。摺動部材334b,334bは、一対の弾性体334a,334aのヘム部相当部が接する面に貼られ、隙間を通過するヘム部相当部のすべりをよくする。具体的に、摺動部材334b,334bとはシリコンテープである。ヒーターブロック330の溝330a,330bに接して熱が加えられたヘム部相当部は、接着補助部材334を通過することにより、その対向する面が接着され、ヘム部を形成する。
【0073】
カバー335は、上述のヒーターブロック330と接着補助部材334とを覆うように配置される。
【0074】
傾け部材336は、ヒーターブロック330および接着補助部材334を通過して形成されたヘム部を一方向へ傾ける部材である。傾け部材336は、図6Aに示すように、フィルムFの搬送方向に対して、ヒーターブロック330および接着補助部材334の下流に配置される。傾け部材336は、下方取り付け連結部材331aの幅方向一端側に取り付けられる。また、傾け部材336は、下方取り付け連結部材331aにネジ止めされる部位を除き、逆L字型の形状を有する。また、傾け部材336は、フィルムFの搬送方向に所定の長さを有する。Lの字の底辺に当たる部分、すなわち、逆L字型の突出する部分(以下、突出部336a)は、傾け部材336が取り付けられた一端とは反対側の一端に向かって突出する。また、突出部336aの幅は、フィルム搬送方向に対して上流側より下流側が幅広である。したがって、接着補助部材334を通過したヘム部H1〜H4は、傾け部材336の突出部336aに接することにより一方向に傾けられる。具体的には、ヘム部H1〜H4は、水平方向に倒される。一方向に傾けられたヘム部H1〜H4は、フィルムFの搬送面と略平行になる。
【0075】
c)上側フィルム安定機構
上側フィルム安定機構35は、後述する下側フィルム安定機構37と共にフィルムFを水平方向両側から挟み、フィルムFの搬送方向を安定させ、フィルムFが蛇行しないようにするための部材である。上側フィルム安定機構35は、主として、第1天板351と、第2天板353とからなる。
【0076】
第1天板351は、図4Aおよび図4Cに示すように、上部構成固定部301の軸に固定され、フィルムFのヘム部相当部以外の部分(本体部)に対して上面から接する天板である(図7Bおよび図7C参照)。具体的には、フィルムFのヘム部相当部がヒーターブロック330の溝330a,330bと折り込み板332との隙間を通過する際に、フィルムFの本体部に対して上面から接する。
【0077】
第1天板351は、幅方向両端における第1天板取り付け部材352によって上部構成固定部301の軸に固定される。第1天板取り付け部材352は、主として、第1天板取り付け連結部材352aと、第1天板軸保持部材352bと、第1天板取り付けネジ部材352cとからなる。第1天板取り付け連結部材352aは、第1天板351と後述する第1天板軸保持部材352bとを連結する。第1天板軸保持部材352bは、上述の上方軸保持部材333bと同様に、孔が形成され、当該孔が形成された一端が分離可能なブロック形状の部材である。第1天板軸保持部材352bは、上方軸保持部材333bが保持する軸と同一の軸を保持する。第1天板取り付けネジ部材352cは、第1天板軸保持部材352bの分離可能な一端を接触または分離させる部材である。第1天板取り付けネジ部材352cが締められることにより、第1天板軸保持部材352bが軸に固定される。
【0078】
第2天板353は、図4Aおよび図4Cに示すように、第1天板351が固定された上部構成固定部301の軸よりも、フィルムFの搬送方向下流に配置された軸に固定され、フィルムFの本体部に対して上面から接する天板である。具体的には、フィルムFのヘム部相当部が接着補助部材334の隙間を通過する際に、フィルムFの本体部に対して上面から接する。
【0079】
第2天板353もまた、幅方向両端における第2天板取り付け部材354によって上部構成固定部301の軸に固定される。第2天板取り付け部材354は、主として、第2天板取り付け連結部材354aと、第2天板軸保持部材354bと、第2天板取り付けネジ部材354cとからなる。第2天板取り付け連結部材354aは、第2天板353と後述する第2天板軸保持部材354bとを連結する。第2天板軸保持部材354bは、上述の上方軸保持部材333bおよび第1天板軸保持部材352bと同様に、孔が形成され、当該孔の形成された一端が分離可能なブロック形状の部材である。第2天板取り付けネジ部材354cは、第2天板軸保持部材354bの分離可能な一端を接触または分離させる部材である。第2天板取り付けネジ部材354cが締められることにより、第2天板軸保持部材354bが軸に固定される。
【0080】
d)下側フィルム安定機構
下側フィルム安定機構37は、上述の上側フィルム安定機構35と共にフィルムFを水平方向両側から挟み、フィルムFの搬送方向を安定させ、フィルムFが蛇行しないようにするための部材である。下側フィルム安定機構37は、上側フィルム安定機構35の第1天板351と反対側からフィルムFに接するように配置される。
【0081】
図6Cに示すように、下側フィルム安定機構37は、ヒーターブロック330および接着補助部材334の幅方向両側に配置される。上述したように、本実施形態では、フィルムFの幅方向に4つのヘム部形成機構33が所定の間隔を空けて配置される。従って、下側フィルム安定機構37は、所定の間隔を空けて配置されたヘム部形成機構33のヒーターブロック330の間に配置される。
【0082】
e)フィルムガイド機構
フィルムガイド機構38は、フィルムFの搬送方向に対して、ヘム部形成機構33の上流に配置され、フィルムFに部分的に当接することにより、フィルムFの搬送方向を安定させる機構である。
【0083】
フィルムガイド機構38は、第1フィルムガイド381と、第2フィルムガイド382とからなる。第1フィルムガイド381は、ヘム部形成機構33の直近に配置され、フィルムFの両面からフィルムFに当接する。第1フィルムガイド381は、上側ガイド381aと、下側ガイド381bとを有する(図4Aおよび図7A参照)。上側ガイド381aは、フィルムFの上面に当接する5角形のプレート部材381aaと、プレート部材381aaを軸に固定する固定部材381abと、固定部材381abを上部構成固定部301の軸に取り付けるためのネジ381acとを有する。プレート部材381aaは、5角形のホームベース形状をしており、その頂点がフィルムFに当接するように固定部材381abに接合される。固定部材381abは、ネジ381acが締められることにより、上部構成固定部301の軸に固定される。
【0084】
下側ガイド381bは、フィルムFの下面に当接する当接部材381baと、当接部材381baを軸に固定する固定部材381bbと、固定部材381bbを下部構成固定部300の軸に取り付けるためのネジ381bcとを有する。当接部材381baは、上述のプレート部材381aaの先端と同程度の角度の切込み部を有する。本実施形態では、線対称の2枚の台形の平板を重ねることにより、交差する斜辺によって当該切込み部を形成する。また、台形の上底部分がフィルムFに接する。固定部材381bbは、ネジ381bcが締められることにより、下部構成固定部300の軸に固定される。
【0085】
第1フィルムガイド381は、ヘム部形成機構33の数に応じてフィルムFの幅方向に間隔を空けて設置される。したがって、本実施形態では、4つの第1フィルムガイド381が設けられる。
【0086】
第2フィルムガイド382は、フィルムFの搬送方向に対して、第1フィルムガイド381よりも上流に配置される。第2フィルムガイド382は、上側ガイド382aからなる。上側ガイド382aは、第1フィルムガイド381の上側ガイド381aと同様の構成であり、フィルムFの上面に当接する5角形のホームベース形状のプレート部材382aaと、プレート部材382aaを軸に固定する固定部材382abと、固定部材382abを上部構成固定部301の軸に取り付けるためのネジ382acとを有する。本実施形態では、第2フィルムガイド382は、フィルムFの幅方向に間隔を空けて2箇所に設置されている。
【0087】
なお、第1フィルムガイド381および第2フィルムガイド382が固定される軸は、それぞれ、フィルムFの搬送方向に移動可能に上部構成固定部301または下部構成固定部300に取り付けられている。したがって、第1フィルムガイド381および第2フィルムガイド382は、軸に固定された状態で、フィルムFの搬送方向に移動可能である。
【0088】
(3)製袋包装ユニット
次に、図8Aから図9Dを用いて、製袋包装ユニット5を説明する。図8Aは、製袋包装機1の概略側面図である。図8Bは、製袋包装ユニット5の主要部分の正面図である。図8Cは、製袋包装ユニット5の主要部分の側面図である。図9Aは、製袋包装ユニット5に含まれる成形機構50および立ち上げ機構54の一部を示す。図9Bは、立ち上げ機構54の一部分を拡大した図である。図9Cは、立ち上げ機構54を構成する部品を示す。図9Dは、図9Bにおける破線9D−9Dの断面図を示す。
【0089】
製袋包装ユニット5は、主として、成形機構50と、立ち上げ機構54と、搬送機構14と、縦シール機構15と、横シール機構17と、これらの各機構を支える支持フレーム11とから構成されている。支持フレーム11の周囲には、ケーシング12が取り付けられている(図2参照)。成形機構50は、フィルム供給ユニット2から送られてくるシート状のフィルムFを角筒状に成形する。立ち上げ機構54は、ヘム部形成ユニット3で形成されたヘム部を立ち上げる。ヘム部形成ユニット3で形成されたヘム部は、傾け部材336によって一方向へ傾けられた後、フィルム搬送ローラ21bを経由し、製袋包装ユニット5に搬送される(図3参照)。そのため、ヘム部形成ユニット3に搬送された時点で、フィルムFのヘム部はフィルムFの本体部に張り付いた状態である。立ち上げ機構54は、本体部に張り付いた状態のヘム部を立ち上げて本体部から起こす。搬送機構14は、成形機構50によって角筒状に成形された角筒状フィルムFcを下方に搬送する。縦シール機構15は、角筒状フィルムFcの重なり合う部位を縦方向に熱シールする。横シール機構17は、角筒状フィルムFcの袋500の上下端となる部位を横方向に熱シールすることで袋500を封止する。
【0090】
a)成形機構
成形機構50は、チューブ501と、フォーマ502とを有する。
【0091】
チューブ501は、正面501bと、正面501bと対向する後面501dと、右側面501aと、右側面501aと対向する左側面501cとを有する角筒状の部材である(図9Aおよび図9D参照)。チューブ501は、縦方向に延び、上下端に開口を有する。チューブ501は、支持フレーム11の天板29の中央付近に形成されている開口を上下方向に貫通するように配置され、図示されないブラケットを介してフォーマ502に固定されている。このチューブ501の上端の開口には、製袋包装ユニット5の上方に設けられているコンピュータスケール9から所定量ずつ落下してくる商品が投入される。なお、コンピュータスケール9は、フィーダ、プールホッパ、軽量ホッパ、集合排出シュート等から構成される組合せ計量装置である。
【0092】
フォーマ502は、チューブ501の上部付近(領域501v)にチューブ501を取り囲むように配置される。このフォーマ502の形状は、フィルム供給ユニット2から送られてくるシート状のフィルムFがフォーマ502とチューブ501との隙間を通過するときに角筒状に成形されるような形状である。フォーマ502は、支持フレーム11に支持されている成形機構支持部材503の基板503aに固定されている。
【0093】
b)ヘム部立ち上げ機構
立ち上げ機構54は、図8A、図8B、図9Aおよび図9Bに示すように、チューブ501の中部付近(領域501w)の外方において、チューブ501の周囲を取り囲むように配置される。立ち上げ機構54は、主として、立ち上げ機構固定部材541と、立ち上げ機構支持部材542と、立ち上げ機構連結部材543と、フィルム当接部材544とを有する(図9B参照)。
【0094】
立ち上げ機構固定部材541は、後述する立ち上げ機構連結部材543を成形機構支持部材503に固定するための部材である。
【0095】
立ち上げ機構支持部材542は、チューブ501との間に狭小の隙間を空けて、チューブ501を取り囲むように配置される部材である。
【0096】
立ち上げ機構連結部材543は、立ち上げ機構支持部材542と、後述するフィルム当接部材544とを連結する部材である。立ち上げ機構連結部材543は、図9Cに示すように、フィルム当接部材544と重ねて配置される。
【0097】
フィルム当接部材544は、本体部544aと、角部544b,544bと、本体部544aおよび角部544b,544bの間に位置する斜面544cとを有する。本体部544aは、立ち上げ機構連結部材543を介して、立ち上げ機構支持部材542および立ち上げ機構固定部材541に固定される。角部544b,544bは、本体部544aより、フィルムFの搬送方向に対して上流側に配置される。また、角部544b,544bは、縁が面取りされている。斜面544cは、角部544b,544bと、本体部544aとの間に位置する。これにより、角部544b,544bは、図9Cの紙面に対して、突き出た形状となる。すなわち、立ち上げ機構支持部材542に連結された場合、チューブ501からフィルム当接部材の本体部544aまでの距離と、チューブ501からフィルム当接部材の角部544b,544bまでの距離とが異なり、チューブ501からフィルム当接部材の角部544b,544bまでの距離が、フィルム当接部材の本体部544aまでの距離と比べて長くなっている。これにより、角部544b,544bは角筒状フィルムFcの本体部に張り付いたヘム部H1〜H4と、本体部との隙間に入り込み、図9Dに示すように、ヘム部H1〜H4を立ち上げる。角筒状フィルムFcは、ヘム部H1〜H4が立ち上げられた状態で下流に送られる。
【0098】
c)縦シール機構
縦シール機構15は、支持フレーム11の天板29から吊り下げられている支持部材(図示されない)に支持されている。縦シール機構15は、ヒータおよびヒータにより加熱されるヒータベルト等を有している。縦シール機構15は、チューブ501に巻き付けられている角筒状フィルムFcの縦方向に延びて重なり合う部位を、一定の加圧力でチューブ501の表面に押しつけながら加熱してシールすることにより、角筒状フィルムFcに縦シール部位L1を形成する。
【0099】
d)搬送機構
搬送機構14は、一対のプルダウンベルト40,41を有する。プルダウンベルト40,41は、支持フレーム11の天板29から吊り下げられている支持部材(図示されない)に支持されている。プルダウンベルト40,41は、縦方向に延びるチューブ501を軸として左右対称に配置されており、チューブ501に巻き付けられた状態の角筒状フィルムFcに当接して角筒状フィルムFcを吸着しながら下方に搬送する役割を果たす。
【0100】
e)横シール機構
横シール機構17は、チューブ501の下方に配置され、支持フレーム11に支持されている。横シール機構17は、主として、一対のシールジョー90,90と、一対の上部ガセット形成部材91,91と、左右一対の下部ガセット形成部材92,92と、下部横シール折込部材93とから構成されている(図8Bおよび図8C参照)。
【0101】
図10から図12は、横シール機構17に含まれるシールジョー90,90と、上部ガセット形成部材91,91と、下部ガセット形成部材92,92と、下部横シール折込部材93との位置関係を示している。横シール機構17は、図10の状態から図11の状態へと遷移し、図11の状態から図12の状態へと遷移し、その後、図11の状態から図12の状態へと遷移する。横シール機構17は、この動作を1サイクルとして、同じ動作を繰り返す。
【0102】
〔シールジョー〕
シールジョー90,90は、互いに近接したり離反したりするように水平面内を前後方向に往復運動する。より具体的には、シールジョー90,90は、互いに同期を取りながら、上下方向に搬送される角筒状フィルムFcを軸として前後対称に移動する。そして、シールジョー90,90は、互いに最も近接する状態において角筒状フィルムFcを挟み込む。以下、図10に示す位置を、シールジョー90,90の退避位置と呼び、図11に示す位置をシールジョー90,90の前進位置と呼ぶ。
【0103】
各シールジョー90は、内部にヒータを有する。両シールジョー90,90によって挟み込まれた角筒状フィルムFcの被シール部位は、当該ヒータによって熱シールされ、上部横シール部位T1および下部横シール部位T2が形成される。シールジョー90,90は、一回の挟み込み動作により、製袋包装機1により連続して製造される2つの袋500,500のうち、先に製造される袋500(第1袋)の上部横シール部位T1と、その次に製造される袋500(第2袋)の下部横シール部位T2とを同時に形成する。一方のシールジョー90には、図示されないカッターが内蔵されており、一回の挟み込み動作により熱シールされた部位の中央がカッターで横方向に切断される。この切断により、縦方向に延びる角筒状フィルムFcから、袋500が1つ1つ切り離される。
【0104】
〔上部ガセット形成部材〕
上部ガセット形成部材91,91は、角筒状フィルムFcの搬送方向に対して、シールジョー90,90の下流に配置される。上部ガセット形成部材91,91は、正面視において矩形形状を有する板状部材である。上部ガセット形成部材91,91は、角筒状フィルムFcの右側面部F1および左側面部F3にガセットG1を形成する役割を果たす。
【0105】
上部ガセット形成部材91,91は、エアシリンダ91a,91a等からなる駆動機構に連結されており、当該駆動機構により互いに近接したり離反したりするように水平面内を左右方向に往復運動する。すなわち、上部ガセット形成部材91,91は、互いに最も離反した退避位置(図10参照)と、互いに最も近接した前進位置(図11参照)との間を往復運動することになる。
【0106】
より具体的には、上部ガセット形成部材91,91は、互いに同期を取りながら同周期で往復運動を行い、角筒状フィルムFcを軸として左右対称に移動する。左側の上部ガセット形成部材91は、図10に示す退避位置において角筒状フィルムFcの左側面部F3から最も離れ、図11に示す前進位置において角筒状フィルムFcの左側面部F3に最も近接することになる。同様に、右側の上部ガセット形成部材91は、図10に示す退避位置において角筒状フィルムFcの右側面部F1から最も離れ、図11に示す前進位置において角筒状フィルムFcの右側面部F1に最も近接することになる。なお、図11に示す前進位置においては、上部ガセット形成部材91,91は、角筒状フィルムFcの側面部F1,F3に接触しない。
【0107】
図13に示されるように、各上部ガセット形成部材91の内部には、空洞91cが形成されている。そして、各上部ガセット形成部材91の角筒状フィルムFcの側面部F1,F3に面する面91bには、空洞91cと連通するスリットが形成されている。また、空洞91cは、エア配管61と連通している。エア配管61は、エア配管61に所定のタイミングでエアを送り込むエア送出機構60に接続されている。エア送出機構60は、エアピストン等から構成されている。エア送出機構60からエア配管61に送り出されたエアは、エア配管61を通過して上部ガセット形成部材91の内部の空洞91cに達し、面91bのスリットを抜けて角筒状フィルムFcの側面部F1,F3に向けて吹き出される。その結果、上部ガセット形成部材91,91から吹き出されたエアにより、角筒状フィルムFcの側面部F1,F3は、角筒状フィルムFcの内側に折り込まれることになる。
【0108】
より具体的には、左側の上部ガセット形成部材91は、図10に示す退避位置から図11に示す前進位置へと右方向に移動しながら、角筒状フィルムFcの左側面部F3のうち、上部横シール部位T1となる部位(第1シール部位)の下方近傍に向けてエアを噴出し、当該下方近傍を角筒状フィルムFcの内側に折り込む。同様に、右側の上部ガセット形成部材91は、図10に示す退避位置から図11に示す前進位置へと左方向に移動しながら、角筒状フィルムFcの右側面部F1のうち、上部横シール部位T1となる部位(第1シール部位)の下方近傍に向けてエアを噴出し、当該下方近傍を角筒状フィルムFcの内側に折り込む。そして、これにより、角筒状フィルムFcの右側面部F1および左側面部F3にガセットG1が形成される。
【0109】
〔下部ガセット形成部材〕
下部ガセット形成部材92,92は、シールジョー90,90の上方に配置されており、平面視において五角形の形状、より詳細には、ホームベースの形状を有する板状部材である。ホームベースの頂点は、ともに内側を向いている。下部ガセット形成部材92,92は、角筒状フィルムFcの右側面部F1および左側面部F3にガセットG2を形成する役割を果たす。
【0110】
下部ガセット形成部材92,92は、図示されないカム機構やエアシリンダ等からなる駆動機構に連結されており、駆動機構により互いに近接したり離反したりするように水平面内を左右方向に往復運動する。すなわち、下部ガセット形成部材92,92は、互いに最も離反した退避位置(図10参照)と、互いに最も近接した前進位置(図11参照)との間を往復運動することになる。
【0111】
より具体的には、下部ガセット形成部材92,92は、互いに同期を取りながら同周期で往復運動を行い、角筒状フィルムFcを軸として左右対称に移動する。なお、図10から図12に示すように、左側の下部ガセット形成部材92は、左側の上部ガセット形成部材91と略平行に移動し、同様に、右側の下部ガセット形成部材92は、右側の上部ガセット形成部材91と略平行に移動する。
【0112】
すなわち、左側の下部ガセット形成部材92は、図10に示す退避位置において角筒状フィルムFcの左側面部F3から最も離れ、図11に示す前進位置において角筒状フィルムFcの左側面部F3に最も近接することになる。同様に、右側の下部ガセット形成部材92は、図10に示す退避位置において角筒状フィルムFcの右側面部F1から最も離れ、図11に示す前進位置において角筒状フィルムFcの右側面部F1に最も近接することになる。
【0113】
左側の下部ガセット形成部材92は、図10に示す退避位置から図11に示す前進位置へと右方向に移動しながら、角筒状フィルムFcの左側面部F3のうち、下部横シール部位T2となる部位(第2シール部位)の上方近傍に接触して、当該接触部位を角筒状フィルムFcの内側に折り込む。同様に、右側の下部ガセット形成部材92は、図10に示す退避位置から図11に示す前進位置へと左方向に移動しながら、角筒状フィルムFcの右側面部F1のうち、下部横シール部位T2となる部位(第2シール部位)の上方近傍に接触して、当該接触部位を角筒状フィルムFcの内側に折り込む。これにより、角筒状フィルムFcの右側面部F1および左側面部F3にガセットG2が形成される。
【0114】
〔下部横シール折込部材〕
下部横シール折込部材93は、前方のシールジョー90の直上方であって、角筒状フィルムFcの搬送方向に対して、下部ガセット形成部材92,92の下流に配置されている。下部横シール折込部材93は、平面視において矩形形状を有する板状部材である。下部横シール折込部材93は、シールジョー90,90により形成された下部横シール部位T2を、下部ガセット形成部材92,92により形成された袋500の底面部52に向けて折り倒す。
【0115】
下部横シール折込部材93は、エアシリンダ等からなる駆動機構(図示されない)に連結されており、当該駆動機構により水平面内を前後方向に往復運動する。すなわち、下部横シール折込部材93は、角筒状フィルムFcの正面部F2から最も離れた退避位置(図10参照)と、角筒状フィルムFcの正面部F2に最も近接した前進位置(図12参照)との間を往復運動することになる。
【0116】
下部横シール折込部材93は、シールジョー90,90がシール動作を終え、カッターにより上部横シール部位T1と下部横シール部位T2とを分離させた(図11参照)後、図12に示す前進位置に達する。そして、下部横シール折込部材93は、図12に示す前進位置において、袋500の底面部52に連続する下部横シール部位T2を、底面部52に向けて折り倒す。この下部横シール折込部材93による動作により、下部横シール部位T2が底面部52と平行になるように折り畳まれることとなり、袋500がスタンドパックとなる。
【0117】
<製袋包装機の動作>
搬送機構14が駆動されると、フィルム供給ユニット2のフィルムロールからフィルムFが繰り出され、複数のフィルム搬送ローラ21aに渡し掛けられて、製袋包装ユニット5の成形機構50へと導かれる(図3参照)。フィルムFは、成形機構50に搬送される途中で、ヘム部形成ユニット3を通過する。
【0118】
ヘム部形成ユニット3を通過するフィルムFは、まず、第2フィルムガイド382の上側ガイド382aに部分的に当接される(図14A参照)。その後、フィルムFは、フィルムFの搬送方向に対して、下流に配置されている第1フィルムガイド381の上側ガイド381aと下側ガイド381bとに部分的に当接される(図14B参照)。
【0119】
その後、フィルムFのヘム部相当部はヒーターブロック330と、折り込み板332との隙間を通過してV字状に折り曲げられ、ヒーターブロック330により熱が加えられる。具体的には、ヒーターブロック330における幅の異なる溝330a,330bと、溝330a,330bに入り込む折り込み板332a,332bとにより、フィルムFは段階的に強く折り曲げられていく(図14Cおよび図14D参照)。この時、V字状に折り曲げられたヘム部相当部分以外の場所は、上側フィルム安定機構35の第1天板351と、下側フィルム安定機構37とに接する。
【0120】
フィルムFは、さらに下流に搬送され、ヘム部相当部分は、接着補助部材334の一対の弾性体334a,334aの隙間を通りぬける(図14E参照)。この時、ヘム部相当部以外の場所は、上側フィルム安定機構35の第2天板353と、下側フィルム安定機構37とに接する。これにより、フィルムFに、ヘム部H1〜H4が形成される。その後、傾け部材336によってヘム部H1〜H4は一方向へ傾けられる(図14F参照)。フィルムFはその後、表面に弾性体が巻かれたフィルム搬送ローラ21bを通過し、製袋包装ユニット5に到達する。
【0121】
製袋包装ユニット5の成形機構50では、フィルムロールから繰り出されたシート状のフィルムFがフォーマ502の表面に沿って搬送される。ヘム部H1〜H4を有するフィルムFは、チューブ501の上部付近501vとフォーマ502との隙間を通過する際に、角筒状のフォーマ502の外表面に巻きつけられ、角筒状フィルムFcに成形される。その後、角筒状フィルムFcは、その内表面がチューブ501の外表面に沿うようにして下流へと搬送される。
【0122】
続いて、角筒状フィルムFcは、立ち上げ機構54と、チューブ501の中部付近501wとの隙間を通過する。このとき、フィルム当接部材544の角部544b,544bが角筒状フィルムFcの本体部に張り付いたヘム部H1〜H4に接し、本体部からヘム部H1〜H4を立ち上げる。
【0123】
その後、角筒状フィルムFcは、下流に配置される縦シール機構15によって、角筒状フィルムFcの縦シール部位L1となる部位に熱シールが施される。
【0124】
続いて、角筒状フィルムFcは、チューブ501を抜けて横シール機構17へと降りていく。横シール機構17では、角筒状フィルムFcの所定の部位に横方向に熱シールが施される。
【0125】
より具体的には、上部ガセット形成部材91,91および下部ガセット形成部材92,92のそれぞれが、図10に示すそれぞれの退避位置から図11に示すそれぞれの前進位置へと進む。なお、上部ガセット形成部材91,91は、図10に示す退避位置から図11に示す前進位置へと出発すると略同時に、角筒状フィルムFcの右側面部F1および左側面部F3に向けてエアの噴出を開始し、図11に示す前進位置に達した直後に、エアの噴出を終了する。したがって、上部ガセット形成部材91,91が、図10に示す退避位置から図11に示す前進位置へと移動している間、角筒状フィルムFcの右側面部F1および左側面部F3には、上部ガセット形成部材91,91からエアが吹き付けられ続けることになる。これにより、角筒状フィルムFcの右側面部F1および左側面部F3は、角筒状フィルムFcの内側に安定して折り込まれることになる。また、角筒状フィルムFcの右側面部F1および左側面部F3は、下部ガセット形成部材92,92との接触により、角筒状フィルムFcの内側に折り込まれる。
【0126】
一方、シールジョー90,90は、下部ガセット形成部材92,92と図示されないカム機構を介して同期を取っており、下部ガセット形成部材92,92が図11に示す前進位置に達すると同時に、同じく図11に示す前進位置に達する。シールジョー90,90は、図11に示す前進位置において、角筒状フィルムFcの所定の部位を挟み込んで熱シールする。このとき、商品の固まりがコンピュータスケール9からチューブ501内を通り抜けて落下し、角筒状フィルムFc内に溜められる。シール動作を終えたシールジョー90,90は、熱シールした角筒状フィルムFcの所定の部位を、内蔵されるカッターにより横方向に切断する。これにより、先行する袋500と後続の袋500とが切り離されることになる。なお、シールジョー90,90により熱シールされた部位のうち、カッターによって切断された下方側の部位は、先行する袋500の上部横シール部位T1となる。一方、シールジョー90,90により熱シールされた部位のうち、カッターによって切断された上方側の部位は、後続の袋500の下部横シール部位T2となる。
【0127】
続いて、上部ガセット形成部材91,91および下部ガセット形成部材92,92のそれぞれは、上記折り込み動作が終了すると、図11に示すそれぞれの前進位置から図12に示す状態を経て図10に示すそれぞれの退避位置へと後退する。同じく、下部ガセット形成部材92,92と同期を取っているシールジョー90,90は、図11に示す前進位置から図12に示す状態を経て図10に示す退避位置へと後退する。
【0128】
一方、下部横シール折込部材93は、前方のシールジョー90の後退開始直後に、図12に示す前進位置に達する。したがって、下部横シール折込部材93は、図12に示す前進位置においてシールジョー90と重なり合い、シールジョー90から熱を受け取る。そして、下部横シール折込部材93は、図12に示す前進位置において、袋500の下端を規定する下部横シール部位T2を、底面部52に向けて折り倒す。このとき、下部横シール折込部材93は、シールジョー90から受け取った熱を底面部52に伝え、底面部52を折り倒した状態に固定する。これにより、下部横シール部位T2が底面部52と平行になるように折り畳まれ、袋500がスタンドパックとなる。
【0129】
その後、下部横シール折込部材93は、図12に示す前進位置から図10に示す退避位置へと後退する。そして、再び図10の状態に戻ったシールジョー90,90と、上部ガセット形成部材91,91と、下部ガセット形成部材92,92と、下部横シール折込部材93とは、図10〜図12に示す横シール動作を再度実行する。
【0130】
<第1実施形態の特徴>
(1)
上記実施形態に係る製袋包装機1には、フィルムFが成形機構50に搬送される手前にヘム部形成ユニット3が設置される。また、フィルムFは、ヘム部形成ユニット3のヘム部形成機構33に含まれるヒーターブロック330と折り込み板332との隙間を通ることで、部分的に熱が加えられ、さらにV字状に折り曲げられる。その後、V字状に折り曲げられた部分であるフィルムFのヘム部相当部は、接着補助部材334を経由することによって接着される。接着補助部材334の弾性体334a,334aは、V字状に折り曲げられたヘム部相当部が通過できる程度の狭小の隙間を空けて設けられているため、ヘム部相当部が弾性体334a,334aの隙間を通ることにより、V字状に折り曲げられたヘム部相当部が接着されてヘム部になる。
【0131】
先行技術では、V字状に折り曲げられたフィルムFのヘム部相当部は、フィルムFの搬送方向下流に配置された一対のローラによって接着される。この場合には、回転するローラの影響でヘム部の形状や、フィルムFにおけるヘム部の位置等が安定しない場合が生じる。一方、上記実施形態では、ヘム部相当部は接着補助部材334に対して相対的に移動し、接着補助部材334自体は動作しない。従って、上流でV字状に折り曲げられたフィルムFのヘム部相当部の形状や位置等に影響を与えることなく、ヘム部H1〜H4を確実に形成することができる。
【0132】
(2)
また、上記実施形態における接着補助部材334は、一対の弾性体334a,334aと、当該一対の弾性体334a,334aの対向する面に貼られたシリコンシート334b,334bとからなる。シリコンシート334b,334bにより、フィルムFのヘム部相当部に接する面は滑りが良くなり、フィルムFのヘム部相当部が通過する際に、フィルムFの搬送に与える抵抗を低減させることができる。
【0133】
さらに、接着補助部材334は一対の弾性体334a,334aからなるため、隙間を通り抜けるフィルムFに損傷を与えずにヘム部を形成することができる。
【0134】
(3)
また、上記実施形態でフィルムFに対して、部分的に熱を加えるヒーターブロック330は、フィルムFの搬送方向に対して上流側の溝330aが下流側の溝330bより幅広である。したがって、フィルムFを段階的に折り曲げることができる。これにより、ヘム部H1〜H4を確実に形成することができる。さらに、上記実施形態では、4つのヘム部形成機構33が開閉機構30に取り付けられる。これにより、複数のヘム部H1〜H4を形成することができる。
【0135】
(4)
また、ヘム部形成ユニット3では、フィルムFのヘム部相当部に対して、ヒーターブロック330の溝330a,330bと、折り込み板332とで両面から接し、ヘム部相当部以外のフィルムFの部分である本体部に対しては、上側フィルム安定機構35の第1天板351と、下側フィルム安定機構37とで両面から接する。さらに、フィルムFの搬送方向に対して、第1天板351の下流には、第2天板が設けられ、フィルムFの搬送面に接する。これにより、フィルムFの蛇行を防ぎ、搬送方向を安定させることができる。
【0136】
(5)
また、ヘム部形成ユニット3では、フィルムFの搬送方向に対して、ヒーターブロック330の上流にフィルムガイド機構38が設置される。フィルムガイド機構38に含まれる第1フィルムガイド381は、ヒーターブロック330の直近で、フィルムFの両面に部分的に当接する。また、フィルムガイド機構38の第2フィルムガイド382は、第1フィルムガイド381のさらに上流に設置され、フィルムFに対して上面に当接する。ヘム部形成機構33でヘム部を形成する際、フィルムFがヘム部形成機構33に達するまでにフィルムFの搬送方向が安定していることが好ましい。そのために、開閉機構30の長手方向に十分な距離を確保することが望まれる。しかし、上記実施形態では、ヘム部形成機構33の手前にフィルムガイド機構38が設置され、フィルムFの搬送方向を一定方向に誘導することが可能になるため、開閉機構30の長手方向の距離が短い場合にも、フィルムFの搬送方向を安定させることができる。また、搬送されるフィルムFの流れを安定させることができる。
【0137】
さらに、フィルムガイド機構38は、フィルムFに対して部分的に当接する。従って、搬送されるフィルムFに大きな負荷を与えず、フィルムFの搬送方向を安定させることができる。
【0138】
(6)
上記実施形態では、フィルムFの搬送方向に対し、接着補助部材334の下流に傾け部材336が設けられる。これにより、接着補助部材334を通過して形成されたヘム部H1〜H4に傷をつけずに製袋包装ユニット5に搬送することができる。
【0139】
(7)
また、フィルムFの搬送方向に対して、傾け部材336の下流に、表面に弾性体を有するフィルム搬送ローラ21bが設置される。これにより、接着補助部材334で接着したヘム部H1〜H4をよりしっかりと接着させることができる。また、フィルム搬送ローラ21bはその表面に弾性体を有するため、製袋包装ユニット5に搬送されるフィルムFの幅方向のズレを軽減させることができる。
【0140】
(8)
また、ヘム部形成ユニット3は、開閉機構30を有し、回転軸302を中心として、下部構成固定部300から上部構成固定部301を離反させるように開閉させることができる。これにより、下部構成固定部300に固定された部材(例えば、ヒーターブロック330等)のメンテナンスや、その他フィルムFの取替え等を容易に行うことができる。
【0141】
(9)
さらに、上記実施形態におけるヘム部形成ユニット3では、各部材がそれぞれ取り外しまたは移動可能な構成となっている(例えば、ヒーターブロック330、折り込み板332、上側フィルム安定機構35、フィルムガイド機構38等)。これにより、使用するフィルムFの幅、ヘム部H1〜H4の数などを、適宜、変更することができる。
【0142】
(10)
さらに、上記実施形態では、成形機構50のチューブ501およびフォーマ502は、成形機構支持部材503によって支持される。また、当該成形機構支持部材503には、立ち上げ機構54が固定される。製袋包装ユニット5のチューブ501およびフォーマ502は、製造する袋500の大きさに応じて取り替えられるが、この時、成形機構支持部材503を取り替えることでチューブ501およびフォーマ502が取り替えられる。そのため、袋500のサイズに応じた立ち上げ機構54を成形機構支持部材503に設けることにより、立ち上げ機構54のみの取り付け、または、取り外しを行う手間を省くことができる。
【0143】
<第1実施形態の変形例>
(A)
上記実施形態では、折り込み板332は、2枚の折り込み板332a,332bからなるが,1枚の折り込み板であって、フィルムFの搬送方向上流側と下流側とで異なる厚みを有する板状部材を用いてもよい。
【0144】
(B)
上記実施形態では、ヒーターブロック330が溝330a,330bを有していたが、当該溝が、フィルムFの搬送方向上流側から下流側に向けて徐々に幅狭の形状であってもよい。
【0145】
(C)
上記実施形態では、第1フィルムガイド381が、ヘム部形成機構33の数に応じて4つ設けられたが、第1フィルムガイド381が設置される位置は、ヘム部形成機構33が設置される位置に応じて設置されてもよい。すなわち、フィルムFの搬送方向おいて、ヘム部形成機構33の延長線上に配置されてもよい。これにより、フィルムFのV字状に折り曲げられる部分を溝形成部材の溝に誘導されやすくすることができる。
【0146】
(D)
上記実施形態では、間欠的に製袋包装を行う間欠運転制御を前提とする製袋包装機1について説明したが、連続的に製袋包装を行う連続運転制御に適用してもよい。この場合、図15に示すように、シールジョー90,90は、それぞれ回転軸90a,90aの周りを回転するアーム部材90b,90bに連結されている。回転軸90a,90aは、アーム部材90b,90bを回転させるとともに、互いに近接したり離反したりするように水平面内を前後方向に往復運動する。したがって、シールジョー90,90は、回転軸90a,90aの周りをD字状に旋回することになる。シールジョー90,90は、互いに同期を取りながら同周期でD字状に旋回し、上下方向に搬送される角筒状フィルムFcを軸として前後対称に移動する。シールジョー90,90は、D字の直線軌道を描いている間、互いに隣接し、角筒状フィルムFcを挟み込んだ状態となる。
【0147】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について、図16〜図20を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同じの構成に対しては同じ名称および符号を付して説明を省略する。
【0148】
(1)ヘム部形成ユニット
図16は、第2実施形態に係る製袋包装機のヘム部形成ユニットの全体の構成を示す斜視図である。図16において、ヘム部形成ユニット103は、シート状のフィルムFにヘム部H1〜H4(図1参照)を形成するユニットであり、開閉機構30、ヘム部形成機構43と、フィルムガイド機構48とを備えている。
【0149】
a)開閉機構
図17は、ヘム部形成ユニットの上部構成固定部と下部構成固定部とが離れた状態を示す斜視図である。開閉機構30は、ヘム部形成ユニット103の下部構成体と上部構成体とを開閉させる機構であり、下部構成固定部300と、上部構成固定部301とを有する。下部構成固定部300は、支持部材39によって、製袋包装機1の支持フレーム11(図3参照)に固定されている。下部構成固定部300には、フィルム搬送ローラ21a,21bが取り付けられている。フィルム搬送ローラ21a,21bには、フィルム供給ユニット2から供給されたフィルムFが掛け渡される。
【0150】
下部構成固定部300および上部構成固定部301は、回転軸302と移動補助部材303とにより支持され、相対移動が可能になっている。回転軸302は、フィルムFの搬送方向に対して、下部構成固定部300および上部構成固定部301の下流側に配置されている。移動補助部材303は、開閉機構30の幅方向両側に配置される伸縮自在な支持部材である。移動補助部材303が伸縮することにより、上部構成固定部301が回転軸302を中心に回動する。
【0151】
b)フィルムガイド機構
フィルムガイド機構48は、フィルムFの搬送方向に沿ってヘム部形成機構43の上流に配置され、フィルムFに部分的に当接してヘム部の予備形状を形成しながらフィルムFをヘム部形成機構43へ導く。
【0152】
フィルムガイド機構48は、波形成部材481と弛み形成部材482とを有している。波形成部材481は、ヘム部形成機構43の直近上流に配置され、フィルムFの両面からフィルムFに当接する。波形成部材481は、挿入板481aと、スリット481bが形成された支持板481cとを含んでいる。挿入板481aは、端面がフィルムFの上面に当接する薄板である。
【0153】
スリット481bは、挿入板481aの端面に押されて波状に変形したフィルムFの谷部を受ける、細長い切り欠きである。また、波形成部材481では、隣接する支持板481cとの隙間もスリット481bの代用として使用されている。挿入板481aとスリット481bとは、ヘム部形成機構43の数に応じてフィルムFの幅方向に間隔をあけて設けられている。
【0154】
弛み形成部材482は、フィルムFの搬送方向に沿って波形成部材481よりも上流に配置されている。弛み形成部材482は、長方形の板であり、下部構成固定部300の上流入口に位置する取付板483の中央に取り付けられている。フィルムFが弛み成形部材482に乗り上げたとき搬送方向にうねる一つの山が形成され、その山を搬送方向と直交する方向から視たとき、その山の横断面は不完全な波状に変形している。それらの波の谷間が挿入板481aとスリット48bとで挟まれて完全な波状に変形し、ヘム相当部としてヒーターブロック430の溝430aに導かれる。
【0155】
c)ヘム部形成機構
図18はヘム部形成ユニットの下部構成体を示す斜視図であり、図19はヘム部形成ユニットのヒーターブロックの斜視図であり、図20はヘム部形成ユニットの折り込み板周辺の斜視図である。図18、図19及び図20において、ヘム部形成機構43は、ヒーターブロック430(図19参照)と、折り込み板432(図20参照)と、接着補助部材434と、カバー435と、重ね部材436とを有する。
【0156】
図19に示すように、ヒーターブロック430は矩形形状のブロックであり、フィルムFを部分的に通して熱を加えるための溝430aを有する。溝430aは、フィルムFの搬送方向に沿ってヒーターブロック430の上流から下流に延びている。また、溝430aの上流端は、フィルムFの進入を容易にするために幅が広がっている。ヒーターブロック430は、下方取り付け部材431によって下部構成固定部300に取り付けられる。
【0157】
図20に示すように、折り込み板432は細長い薄板形状であり、ヒーターブロック430の溝430aに入り込む程度の厚みである。フィルムFは、ヒーターブロック430の溝430aと、溝430aに入り込んだ折り込み板432との隙間を通ることで、部分的に熱が加えられて、V字状に折り曲げられる。折り込み板432は、上方取り付け部材433によって、上部構成固定部301に取り付けられる。折り込み板432の上流側には、前述の挿入板481aが配置されている。
【0158】
図19に示すように、接着補助部材434は、フィルムFの搬送方向に沿ってヒーターブロック430の下流に配置されている。接着補助部材434は、一対の弾性体434aと、弾性体434aの対向し合う面に貼られた摺動部材434bを含んでいる。一対の弾性体434aは、ヘム相当部(フィルムFのV字状に折り曲げられた部分)が通過できるだけの狭い隙間を保っている。
【0159】
摺動部材434bは、弾性体434aのヘム相当部が接する面に貼られ、隙間を通過するヘム相当部の滑りをよくする。本実施形態では、摺動部材434bとして、シリコンテープが採用されている。ヒーターブロック430の溝430aに接して加熱されたヘム相当部は、接着補助部材434を通過することにより、ヘム部となる。
【0160】
加熱された直後のヘム部は、冷却部437によって冷却される。冷却部437には、複数のエア吹出孔437aが設けられており、そのエア吹出孔437aから吹き出たエアが、加熱された直後のヘム部に当たり、ヘム部を冷却する。これによって、ヘム部が折り曲げられても、フィルムFとの重なり面に接着されることが防止される。
【0161】
図17に示すように、天板451は上部構成固定部301に固定され、フィルムFのヘム相当部以外の部分(以後、本体部とよぶ)に接する。したがって、フィルムFのヘム相当部がヒーターブロック430の溝430aと折り込み板432との隙間を通過する際、及び接着補助部材434の隙間を通過する際に、フィルムFの本体部に対して上面から接する。カバー435は、天板451と共にフィルムFを上下から挟み、フィルムFの搬送方向を安定させ、フィルムFが蛇行しないようにする。図18に示すように、カバー435は、ヒーターブロック430及び接着補助部材434の幅方向両側に配置されている。
【0162】
d)重ね部材
重ね部材436は、接着補助部材434を通過して形成されたヘム部を一方向へ傾ける部材である。重ね部材436は、図18に示すように、フィルムFの搬送方向に沿って、接着補助部材434の下流に配置されており、傾斜端面436aを有している。傾斜端面436aは、ヘム部の進行を妨げるように、ヘム部の進路に対して所定角度で交差しており、当接して来るヘム部を徐々に傾けながら、フィルムFのヘム部が形成されていない面へ重ねる。
【0163】
<第2実施形態の特徴>
(1)
製袋包装機1では、弛み形成部材482がフィルムFを山状に弛ませた後、挿入板481aが、波状になったフィルムFの谷を押えてスリット481bに挿入し、ヒーターブロック430の溝430aへ導く。その結果、ヘム部の形成が容易になり、不完全なヘム部の発生が防止される。
(2)
製袋包装機1では、重ね部材436が、ヘム部が進む経路上に配置され、当接して来るヘム部を徐々に傾けながらフィルムFのヘム部が形成されていない面へ重ねる。ヘム部がフィルムFと重なって搬送されるので、搬送時の損傷が防止される。
(3)
製袋包装機1では、冷却部437が接着補助部材434から重ね部材436に向かうヘム部を冷却するので、ヘム部以外のフィルムFにヘム部が接着することは防止される。
【0164】
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0165】
本発明は、ヘム部を安定して形成することができる製袋包装機として有用である。
【符号の説明】
【0166】
1 製袋包装機
2 フィルム供給ユニット
3 ヘム部形成ユニット
5 製袋包装ユニット
30 開閉機構
33 ヘム部形成機構
35 上側フィルム安定機構
50 ガセット型の袋
F フィルム(包装材)
Fc 角筒状フィルム(筒状の包装材)
F1 右側面部(側面部)
F3 左側面部(側面部)
481 波形成部材
481a 挿入板(挿入部材)
481b スリット
481c 支持板(支持部材)
482 弛み形成部材
436 冷却部
437 重ね部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0167】
【特許文献1】国際公開WO01/24999号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を包装した袋を、包装材を用いて製造する製袋包装部と、
前記製袋包装部に対し前記包装材を供給する包装材供給部と、
前記包装材供給部によって供給された前記包装材が前記製袋包装部に搬送される経路に配置され、前記包装材の搬送方向上流から下流に伸びる溝を有する溝形成部材と、
前記溝に入り込み、前記溝形成部材に沿って搬送される前記包装材を部分的にV字状に折り曲げる板状部材と、
部分的にV字状に折り曲げられた前記包装材の部分である折り曲げ部を接着させてヘム部を形成する接着補助部材と
を備える、
製袋包装機。
【請求項2】
前記溝は、前記包装材の搬送方向下流側が上流側より幅狭の形状である、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記溝形成部材は、前記包装材の幅方向に所定の間隔を空けて配置され、前記溝の表面に接する前記包装材に熱を加える複数のヒーターブロックである、
請求項2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記接着補助部材は、前記折り曲げ部の幅方向両側に位置する弾性部材と、前記弾性部材の表面であって、前記折り曲げ部に接する面である摺動面とを有する、
請求項3に記載の製袋包装機。
【請求項5】
前記溝形成部材の幅方向両側で、所定の間隔を空けて配置された前記溝形成部材の間に配置される水平部材と、
前記包装材を挟んで前記水平部材の面に対向する位置に配置され、前記包装材の蛇行を規制する規制部材と、
をさらに備える、
請求項3または4に記載の製袋包装機。
【請求項6】
前記包装材の搬送方向に対して、前記溝形成部材の上流に配置され、前記包装材に部分的に当接して、前記包装材のV字状に折り曲げられる部分を前記溝に誘導するガイド部材をさらに備える、
請求項1から5のいずれかに記載の製袋包装機。
【請求項7】
前記ガイド部材は、前記溝形成部材の直近に配置される第1ガイド部材と、前記包装材の搬送方向において、前記第1ガイド部材よりも上流に配置される第2ガイド部材とからなり、前記第1ガイド部材は、前記溝形成部材の数に応じて配置される、
請求項6に記載の製袋包装機。
【請求項8】
前記第1ガイド部材は、前記包装材の両面から前記包装材に対して部分的に当接する、
請求項7に記載の製袋包装機。
【請求項9】
前記包装材の搬送方向において、前記接着補助部材の下流に配置され、前記包装材を前記製袋包装部に搬送するためのローラをさらに備え、
前記ローラは、表面に弾性体を有する、
請求項3から8のいずれかに記載の製袋包装機。
【請求項10】
前記ローラと前記接着補助部材との間の前記経路に配置され、前記ヘム部に当接し、前記ヘム部を前記包装材の搬送面に対して略平行になるように傾ける、傾け部材をさらに備える、
請求項3から9のいずれかに記載の製袋包装機。
【請求項11】
前記包装材の搬送方向に対して、前記傾け部材の下流に、前記包装材の幅方向に伸びる回転軸をさらに備え、
前記板状部材は、メンテナンス時に、前記回転軸を中心に、前記溝形成部材の溝に入り込んだ第1の位置から、前記溝形成部材から遠ざかった第2の位置に移動する、
請求項10に記載の製袋包装機。
【請求項12】
前記包装材が前記溝形成部材へ導かれる前の段階で前記包装材を山状に弛ませる弛み形成部材と、
前記弛み形成部材と前記溝形成部材との間に配置され、前記弛み形成部材によって弛んだ包装材の横断面を波状に形成して前記溝形成部材に導く波形成部材と、
をさらに備える、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項13】
前記波形成部材は、
前記包装材の前記搬送方向に沿って延び前記溝形成部材の前記溝に通じるスリットまたは窪みが形成されている支持部材と、
前記包装材を前記支持部材と反対側の面から押えて前記包装材の一部を前記スリットまたは前記窪みに挿入させる挿入部材と、
を有する、
請求項12に記載の製袋包装機。
【請求項14】
前記ヘム部が進む経路上に配置され、当接して来る前記ヘム部を徐々に傾けながら前記包装材の前記ヘム部が形成されていない面へ重ねる、重ね部材をさらに備える、
請求項13に記載の製袋包装機。
【請求項15】
前記接着補助部材から前記重ね部材に向かう前記ヘム部を冷却する冷却部をさらに備える、
請求項14に記載の製袋包装機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図9C】
image rotate

【図9D】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図14C】
image rotate

【図14D】
image rotate

【図14E】
image rotate

【図14F】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2010−105740(P2010−105740A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−130122(P2009−130122)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】