説明

製袋機

【課題】横ヒータ6、横冷却部材7などの複数の可動ユニットを有し、プラスチックフィルム1によってプラスチック袋を製造する製袋機において、製袋機を運転する前、各可動ユニットを移動させ、その位置を調整するとき、その作業が容易であるようにする。
【解決手段】製袋機に複数の駆動機構が組み合わされ、各駆動機構が各可動ユニットに設けられる。駆動機構は各可動ユニットを移動させるためのものである。さらに、製袋機に複数の操作スイッチが組み合わされ、各操作スイッチが各可動ユニットに対応し、各操作スイッチによって可動ユニットの駆動機構が駆動され、対応する可動ユニットが移動し、その位置が調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プラスチックフィルムによってプラスチック袋を製造する製袋機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の製袋機では、プラスチックフィルムがその長さ方向に間欠送りされる。その送り長さはプラスチック袋の大きさに対応する。さらに、複数の可動ユニットがプラスチックフィルムの送り経路に沿って間隔を置いて配置され、プラスチックフィルムの長さ方向に移動可能に支持される。さらに、製袋機に複数の駆動機構が組み合わされ、各駆動機構が各可動ユニットに設けられる。駆動機構は各可動ユニットを移動させるためのものである。そして、各可動ユニットのうち、少なくともいくつかの可動ユニットにおいて、プラスチックフィルムの間欠送り毎に、プラスチックフィルムに処理が施され、これによってプラスチック袋が製造される。たとえば、可動ユニットとして縦ヒータ、縦冷却部材、横ヒータ、横冷却部材およびカッタが使用され、プラスチックフィルムの間欠送り毎に、縦ヒータ、縦冷却部材、横ヒータ、横冷却部材およびカッタによってプラスチックフィルムが縦シールされ、冷却され、横シールされ、冷却され、カットされ、プラスチック袋が製造される。
【0003】
さらに、特許文献1の製袋機では、可動ユニットとして上流側および下流側光学センサが使用され、上流側および下流側光学センサが横ヒータの上流側および下流側に配置される。さらに、プラスチックフィルムに印刷柄が反復印刷され、プラスチックフィルムの間欠送り毎に、上流側または下流側光学センサによって印刷位置が検出され、プラスチックフィルムが停止する。その後、プラスチックフィルムが縦シールされ、冷却され、横シールされ、冷却され、カットされるものである。
【0004】
さらに、基準点としていずれか1つの可動ユニットが使用され、製袋機が運転されているとき、プラスチックフィルムに伸びまたは縮みが生じると、プラスチックフィルムの停止後、制御装置によって各駆動機構が制御され、基準点の可動ユニットを除き、他の可動ユニットがそれぞれ移動する。さらに、移動する前、伸び量、縮み量にもとづき、制御装置によって可動ユニットの移動量が演算され、その後、可動ユニットは演算された移動量だけ移動する。移動量は基準点との距離に比例した移動量であり、伸び量、縮み量に対応する。したがって、伸びまたは縮みが生じても、プラスチックフィルムを的確に縦シールし、冷却し、横シールし、冷却し、カットすることができる。
【0005】
ところで、可動ユニットの位置については、プラスチックフィルムの伸びまたは縮み以前に基本的問題がある。たとえば、製袋機を運転する前、各可動ユニットが適正位置に配置されているとは限らず、手動で各可動ユニットを移動させ、その位置を調整する必要がある。特に、手動で横ヒータおよび横冷却部材を移動させ、その位置を調整することが多い。さらに、プラスチック袋の大きさが変更されることもあり、この場合、手動で各可動ユニットを移動させ、その間隔をプラスチック袋の大きさに対応させる必要があるが、その作業は容易ではない。時間および労力が要求される。
【0006】
したがって、この発明は、横ヒータ、横冷却部材などの複数の可動ユニットを有し、プラスチックフィルムによってプラスチック袋を製造する製袋機において、製袋機を運転する前、各可動ユニットを移動させ、その位置を調整するとき、その作業が容易であるようにすることを目的としてなされたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−105186号公報
【発明の概要】
【0008】
この発明によれば、プラスチックフィルムがその長さ方向に間欠送りされる。さらに、複数の可動ユニットがプラスチックフィルムの送り経路に沿って間隔を置いて配置され、プラスチックフィルムの長さ方向に移動可能に支持される。さらに、製袋機に複数の駆動機構が組み合わされ、各駆動機構が各可動ユニットに設けられる。駆動機構は各可動ユニットを移動させるためのものである。さらに、製袋機に複数の操作スイッチが組み合わされ、各操作スイッチが各可動ユニットに対応し、各操作スイッチによって可動ユニットの駆動機構が駆動され、対応する可動ユニットが移動し、その位置が調整される。そして、各可動ユニットのうち、少なくともいくつかの可動ユニットにおいて、プラスチックフィルムの間欠送り毎に、プラスチックフィルムに処理が施され、これによってプラスチック袋が製造される。
【0009】
好ましい実施例では、可動ユニットとして縦ヒータ、縦冷却部材、横ヒータ、横冷却部材およびカッタが使用され、プラスチックフィルムの間欠送り毎に、縦ヒータ、縦冷却部材、横ヒータ、横冷却部材およびカッタによってプラスチックフィルムが縦シールされ、冷却され、横シールされ、冷却され、カットされ、プラスチック袋が製造される。
【0010】
さらに、可動ユニットとして上流側および下流側光学センサが使用され、上流側および下流側光学センサが横ヒータの上流側および下流側に配置される。さらに、プラスチックフィルムに印刷柄が反復印刷され、プラスチックフィルムの間欠送り毎に、上流側または下流側光学センサによって印刷位置が検出され、プラスチックフィルムが停止する。
【0011】
横ヒータに操作スイッチを設け、そのスイッチによって横ヒータを移動させ、横冷却部材に操作スイッチを設け、そのスイッチによって横冷却部材を移動させるようにしてもよい。
【0012】
各可動ユニットに操作スイッチを設け、そのスイッチによって対応する可動ユニットを移動させるようにしてもよい。
【0013】
操作スイッチとして単動スイッチを使用し、単動スイッチが操作されたとき、対応する可動ユニットが単独で移動するようにしてもよい。
【0014】
単動スイッチの他に、操作スイッチとして連動スイッチを使用し、連動スイッチが操作されたとき、対応する可動ユニットとともに他の可動ユニットも移動するようにしてもよい。
【0015】
基準点としていずれか1つの可動ユニットを使用し、連動スイッチが操作されたとき、基準点の可動ユニットを除き、対応する可動ユニットとともに他の可動ユニットが移動し、その移動量は基準点との距離に比例した移動量であるようにしてもよい。
【0016】
連動スイッチが操作されたとき、各可動ユニットが等距離だけ移動するようにしてもよい。
【0017】
単動スイッチの他に、操作スイッチとして連動スイッチを使用し、連動スイッチによって縦ヒータおよび縦冷却部材を移動させ、横ヒータおよび横冷却部材を移動させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の実施例を示す説明図である。
【図2】図1の横ヒータの操作スイッチを示す説明図である。
【図3】他の実施例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施例を説明する。
【0020】
図1はこの発明にかかる製袋機を示す。特許文献1のものと同様、この製袋機は印刷柄のあるプラスチック袋を製造するためのものである。したがって、プラスチックフィルム1に印刷柄が反復印刷され、プラスチックフィルム1がその長さ方向に間欠送りされる。プラスチックフィルム1の長さ方向において、印刷柄は一定の印刷ピッチをもって反復印刷され、プラスチックフィルム1は印刷ピッチに対応する長さずつ間欠送りされる。その送り長さはプラスチック袋の大きさに対応する。送り機構に送りローラ2,3が使用されており、送りローラ2,3によってプラスチックフィルム1が間欠送りされることも特許文献1のものと同様である。
【0021】
さらに、複数の可動ユニットがプラスチックフィルム1の送り経路に沿って間隔を置いて配置され、プラスチックフィルム1の長さ方向に移動可能に支持されている。この実施例では、可動ユニットとして縦ヒータ4、縦冷却部材5、横ヒータ6、横冷却部材7およびカッタ8が使用され、さらに、可動ユニットとして上流側および下流側光学センサ9,10およびパンチ11が使用され、上流側および下流側光学センサ9,10が横ヒータ6および横冷却部材7の上流側および下流側に配置されている。したがって、縦ヒータ4、縦冷却部材5、上流側光学センサ9、横ヒータ6、横冷却部材7、下流側光学センサ10、パンチ11およびカッタ8がプラスチックフィルム1の送り経路に沿って間隔を置いて配置されているものである。その間隔は印刷柄の印刷ピッチに対応する間隔またはその数倍の間隔である。さらに、横ヒータ6として複数のヒータが使用され、各ヒータ6が互いに間隔を置いて配置されている。その間隔も印刷柄の印刷ピッチに対応する。さらに、縦ヒータ4、縦冷却部材5、上流側光学センサ9、横ヒータ6、横冷却部材7、下流側光学センサ10、パンチ11およびカッタ8がプラスチックフィルム1の長さ方向に移動可能に支持されている。
【0022】
さらに、この製袋機は複数の駆動機構を有する。そして、各駆動機構が各可動ユニットに設けられている。駆動機構は各可動ユニットを移動させるためのものである。たとえば、特許文献1の製袋機と同様、駆動機構に駆動モータ、ピニオンおよびラックが使用され、これが縦ヒータ4、縦冷却部材5、上流側光学センサ9、横ヒータ6、横冷却部材7、下流側光学センサ10、パンチ11およびカッタ8に設けられている。したがって、プラスチックフィルム1の長さ方向において、駆動モータ、ピニオンおよびラックによって縦ヒータ4、縦冷却部材5、上流側光学センサ9、横ヒータ6、横冷却部材7、下流側光学センサ10、パンチ11およびカッタ8を移動させることができる。
【0023】
そして、各可動ユニットのうち、少なくともいくつかの可動ユニットにおいて、プラスチックフィルム1の間欠送り毎に、プラスチックフィルム1が処理され、これによってプラスチック袋が製造される。この実施例では、送りローラ2,3によってプラスチックフィルム1が間欠送りされ、プラスチックフィルム1が縦ヒータ4、縦冷却部材5、上流側光学センサ9、横ヒータ6、横冷却部材7、下流側光学センサ10、パンチ11、スリッタ13およびカッタ8に導かれ、プラスチックフィルム1の間欠送り毎に、縦ヒータ4、縦冷却部材5、横ヒータ6、横冷却部材7およびカッタ8によってプラスチックフィルム1が縦シールされ、冷却され、横シールされ、冷却され、カットされ、プラスチック袋が製造される。
【0024】
さらに、この実施例では、プラスチックフィルム1の間欠送り毎に、上流側または下流側光学センサ9,10によって印刷位置が検出され、プラスチックフィルム1が停止する。たとえば、特許文献1の製袋機と同様、制御装置12が上流側および下流側光学センサ9,10に接続され、印刷柄の所定位置にマーク14が付されており、プラスチックフィルム1の間欠送り毎に、下流側光学センサ10によってマーク14が検出され、印刷位置が検出され、制御装置12によって送りローラ2,3が停止し、プラスチックフィルム1が停止する。さらに、各可動ユニットを移動させる各駆動機構の他に、製袋機に他の駆動機構が設けられ、プラスチックフィルム1の停止後、制御装置12によって他の駆動機構が制御され、他の駆動機構によって縦ヒータ4、縦冷却部材5、横ヒータ6、横冷却部材7、パンチ11およびカッタ8が駆動される。したがって、印刷柄の所定位置において、縦ヒータ4によってプラスチックフィルム1が縦シールされ、プラスチックフィルム1に縦シール部分15が形成され、縦冷却部材5によって縦シール部分15が冷却される。さらに、印刷柄の所定位置において、横ヒータ6によってプラスチックフィルム1が横シールされ、プラスチックフィルム1に横シール部分16が形成され、横冷却部材7によって横シール部分16が冷却される。さらに、パンチ10がプラスチックフィルム1に押し付けられ、プラスチックフィルム1にノッチ17が形成される。さらに、プラスチックフィルム1の送りにともない、スリット刃13によってプラスチックフィルム1がスリットされ、プラスチックフィルム1にスリット線18が形成される。その後、印刷柄の所定位置において、カッタ8によってプラスチックフィルム1がカットされ、プラスチックフィルム1によってプラスチック袋が製造される。
【0025】
さらに、制御装置12が各駆動機構に接続され、基準点としていずれか1つの可動ユニットが使用され、製袋機が運転されているとき、プラスチックフィルム1に伸びまたは縮みが生じると、プラスチックフィルム1の停止後、制御装置12によって各駆動機構が制御され、基準点の可動ユニットを除き、他の可動ユニットがそれぞれ移動する。さらに、移動する前、伸び量、縮み量にもとづき、制御装置12によって可動ユニットの移動量が演算され、その後、可動ユニットは演算された移動量だけ移動する。移動量は基準点との距離に比例した移動量であり、伸び量、縮み量に対応する。たとえば、下流側光学センサ10によってマーク14が検出され、印刷位置が検出され、プラスチックフィルム1が停止し、その後、上流側光学センサ9によってマーク14が追跡され、これによって伸び量、縮み量が演算される。そして、制御装置12によって可動ユニットの移動量が演算され、各駆動機構が制御され、基準点の可動ユニットを除き、他の可動ユニットがそれぞれ移動するものである。したがって、伸びまたは縮みが生じても、プラスチックフィルム1を的確に縦シールし、冷却し、横シールし、冷却することができる。ノッチ17を的確に形成し、プラスチックフィルム1を的確にカットすることもできる。これは特許文献1の製袋機と同様である。
【0026】
さらに、この製袋機は複数の操作スイッチを有する。そして、各操作スイッチが各可動ユニットに対応し、操作スイッチによって可動ユニットの駆動機構が駆動され、対応する可動ユニットが移動し、その位置が調整される。この実施例では、制御装置12が各操作スイッチに接続されており、操作スイッチが操作されたとき、制御装置12によって可動ユニットの駆動モータが駆動され、対応する可動ユニットが移動し、その位置が調整される。
【0027】
さらに、この実施例では、横ヒータ6に操作スイッチが設けられており、そのスイッチによって横ヒータ6を移動させることができる。さらに、横冷却部材7に操作スイッチが設けられており、そのスイッチによって横冷却部材7を移動させることができる。
【0028】
さらに、横ヒータ6および横冷却部材7だけではなく、各可動ユニットに操作スイッチが設けられており、そのスイッチによって対応する可動ユニットを移動させることができる。
【0029】
さらに、図2に示すように、操作スイッチとして単動スイッチ19が使用され、単動スイッチ19が操作されたとき、対応する可動ユニットが単独で移動する。たとえば、各可動ユニットに単動スイッチ19が設けられており、単動スイッチ19が操作されたとき、その可動ユニットが単独で移動する。
【0030】
単動スイッチ19は押しボタン式のもので、一方向および逆方向の矢印からなる。そして、一方向の矢印を押すと、可動ユニットが一方向に移動し、逆方向の矢印を押すと、可動ユニットが逆方向に移動する。さらに、押したとき、可動ユニットが単位距離だけ移動し、押す回数によって移動距離が決定される。たとえば、1度押すと、可動ユニットが0.5mmだけ移動し、2度押すと、可動ユニットが1.0mmだけ移動する。さらに、押し続けると、その間、可動ユニットが連続的に移動する。押す前、変更スイッチ20によって移動速度の倍率を変更し、設定することもできる。さらに、移動距離が表示パネル21に表示され、リセットスイッチ22によってその移動距離をリセットすることもできる。変更スイッチ20およびリセットスイッチ22も押しボタン式のものである。
【0031】
単動スイッチ19としてタッチ式のものを使用し、一方向の矢印をタッチすると、可動ユニットが一方向に移動し、逆方向の矢印をタッチすると、可動ユニットが逆方向に移動するようにしてもよい。変更スイッチ20およびリセットスイッチ22もタッチ式のものであってもよい。
【0032】
したがって、製袋機を運転する前、たとえば、横ヒータ6の位置でその単動スイッチ19を操作し、プラスチックフィルム1の長さ方向において、駆動機構によって横ヒータ6を移動させ、その位置を調整することができる。横冷却部材7、パンチ11またはカッタ8の位置でその単動スイッチ19を操作し、駆動機構によって横冷却部材7、パンチ11またはカッタ8を移動させ、その位置を調整することもできる。縦ヒータ4または縦冷却部材5の位置でその単動スイッチ19を操作し、駆動機構によって縦ヒータ4または縦冷却部材5を移動させ、その位置を調整することもできる。上流側または下流側光学センサ9、10の位置でその単動スイッチ19を操作し、駆動機構によって上流側または下流側光学センサ9、10を移動させ、その位置を調整することもできる。手動で各可動ユニットを移動させる必要はなく、その作業は容易である。
【0033】
さらに、単動スイッチ19の他に、操作スイッチとして連動スイッチ23,24が使用され、各可動ユニットに連動スイッチ23,24が設けられており、連動スイッチ23,24が操作されたとき、対応する可動ユニットとともに他の可動ユニットも移動する。
【0034】
さらに、基準点としていずれか1つの可動ユニットが使用され、連動スイッチ23が操作されたとき、基準点の可動ユニットを除き、対応する可動ユニットとともに他の可動ユニットが移動し、その移動量は基準点との距離に比例した移動量である。たとえば、基準点として下流側光学センサ10が使用され、連動スイッチ23が操作されたとき、縦ヒータ4、縦冷却部材5、上流側光学センサ9、横ヒータ6、横冷却部材7、パンチ11およびカッタ8が下流側光学センサ10との距離に比例した移動量だけ移動する。基準点としてカッタ8を使用し、連動スイッチ23が操作されたとき、縦ヒータ4、縦冷却部材5、上流側光学センサ9、横ヒータ6、横冷却部材7、下流側光学センサ10およびパンチ11がカッタ8との距離に比例した移動量だけ移動するようにしてもよい。
【0035】
連動スイッチ23も押しボタン式またはタッチ式のもので、その機能は単動スイッチ19と同様である。変更スイッチ20によって移動速度の倍率を変更し、設定することができ、移動距離が表示パネル21に表示され、リセットスイッチ22によってその移動距離をリセットすることができるのも単動スイッチ19と同様である。
【0036】
したがって、プラスチック袋の大きさを変更するとき、たとえば、基準点として下流側光学センサ10を使用し、カッタ8の位置でその連動スイッチ23を操作し、カッタ8を移動させ、その位置を調整すると、カッタ8だけではなく、縦ヒータ4、縦冷却部材5、上流側光学センサ9、横ヒータ6、横冷却部材7およびパンチ11が下流側光学センサ10との距離に比例した移動量だけ移動し、その間隔をプラスチック袋の大きさに対応させることができる。縦ヒータ4、縦冷却部材5、上流側光学センサ9、横ヒータ6、横冷却部材7またはパンチ11の位置でその連動スイッチ23を操作し、対応する可動ユニットとともに他の可動ユニットを移動させ、その間隔をプラスチック袋の大きさに対応させることもできる。基準点としてカッタ8を使用し、縦ヒータ4、縦冷却部材5、上流側光学センサ9、横ヒータ6、横冷却部材7、下流側光学センサ10またはパンチ11の位置でその連動スイッチ23を操作し、対応する可動ユニットとともに他の可動ユニットを移動させ、その間隔をプラスチック袋の大きさに対応させることもできる。その作業も容易である。
【0037】
さらに、連動スイッチ24が操作されたとき、各可動ユニットが等距離だけ移動する。
【0038】
連動スイッチ24も押しボタン式またはタッチ式のもので、その機能は単動スイッチ19と同様である。変更スイッチ20によって移動速度の倍率を変更し、設定することができ、移動距離が表示パネル21に表示され、リセットスイッチ22によってその移動距離をリセットすることができるのも単動スイッチ19と同様である。
【0039】
したがって、たとえば、製袋機の試運転において、プラスチックフィルム1を停止させ、そのシール状態を点検するとき、横ヒータ6の位置でその連動スイッチ24を操作し、横ヒータ6を移動させ、その位置を調整すると、横ヒータ6だけではなく、縦ヒータ4、縦冷却部材5、上流側光学センサ9、横冷却部材7、下流側光学センサ10、パンチ11およびカッタ8も等距離だけ移動する。したがって、プラスチックフィルム1を全体的に点検することができる。その後、横ヒータ6の位置でその連動スイッチ24を操作し、横ヒータ6を逆方向に移動させ、もとの位置に復帰させると、縦ヒータ4、縦冷却部材5、上流側光学センサ9、横冷却部材7、下流側光学センサ10、パンチ11およびカッタ8も逆方向に移動し、もとの位置に復帰する。縦ヒータ4、縦冷却部材5、上流側光学センサ9、横冷却部材7、下流側光学センサ10、パンチ11またはカッタ8の位置でその連動スイッチ24を操作し、各可動ユニットを移動させることもできる。その作業も容易である。
【0040】
さらに、単動スイッチ19および連動スイッチ23,24の他に、操作スイッチとして連動スイッチ25,26が使用され、連動スイッチ25,26によって縦ヒータ4および縦冷却部材5が移動し、横ヒータ6および横冷却部材7が移動する。この実施例では、各可動ユニットに連動スイッチ25,26が設けられており、連動スイッチ25によって縦ヒータ4および縦冷却部材5が移動し、その移動量は基準点との距離に比例した移動量である。縦ヒータ4および縦冷却部材5が等距離だけ移動するようにしてもよい。さらに、連動スイッチ26によって横ヒータ6および横冷却部材7が移動し、その移動量は基準点との距離に比例した移動量である。横ヒータ6および横冷却部材7が等距離だけ移動するようにしてもよい。
【0041】
連動スイッチ25,26も押しボタン式またはタッチ式のもので、その機能は単動スイッチ19と同様である。変更スイッチ20によって移動速度の倍率を変更し、設定することができ、移動距離が表示パネル21に表示され、リセットスイッチ22によってその移動距離をリセットすることができるのも単動スイッチ19と同様である。
【0042】
したがって、連動スイッチ25によって縦ヒータ4および縦冷却部材5を移動させ、横ヒータ6および横冷却部材7は移動しないようにすることができる。連動スイッチ26によって横ヒータ6および横冷却部材7を移動させ、縦ヒータ4および縦冷却部材5は移動しないようにすることもできる。
【0043】
さらに、操作盤にモード切替スイッチを設け、制御装置12をモード切替スイッチに接続する。そして、モード切替スイッチが操作されたとき、制御装置12によって移動モードが切り替えられ、その後、操作スイッチが操作されたとき、切り替えられたモードで各可動ユニットが移動するようにしてもよい。たとえば、単動モードに切り替えられ、その後、操作スイッチが操作されたとき、その可動ユニットが単独で移動し、連動モードに切り替えられ、その後、操作スイッチが操作されたとき、対応する可動ユニットとともに他の可動ユニットも移動するようにしてもよい。これによってスイッチの数を減少させることができる。
【0044】
図3は他の実施例を示す。この実施例では、図1の上流側光学センサ9と横ヒータ6間において、テンションローラ27がプラスチックフィルム1に係合し、そのテンションを受け、これによってテンションローラ27が移動し、上昇および下降する。そして、移動量センサ28によってテンションローラ27の移動量が検出される。さらに、送りローラ2が上流側光学センサ9とテンションローラ27間に配置され、送りローラ2によってプラスチックフィルム1が送られる。
【0045】
さらに、図3の実施例でも、縦ヒータ4、縦冷却部材5および上流側光学センサ9がプラスチックフィルム1の送り経路に沿って間隔を置いて配置され、その間隔は印刷柄の印刷ピッチに対応する間隔またはその数倍の間隔である。さらに、横ヒータ6、横冷却部材7、下流側光学センサ10、パンチ11およびカッタ8がプラスチックフィルム1の送り経路に沿って間隔を置いて配置され、その間隔は印刷柄の印刷ピッチに対応する間隔またはその数倍の間隔である。
【0046】
そして、下流側光学センサ10によってマーク14が検出され、印刷位置が検出され、送りローラ3が停止し、上流側光学センサ9によってマーク14が検出され、印刷位置が検出され、送りローラ2が停止する。その後、縦ヒータ4、縦冷却部材5、横ヒータ6、横冷却部材7によってプラスチックフィルム1が縦シールされ、冷却され、横シールされ、冷却され、プラスチックフィルム1にノッチ17およびスリット線18が形成され、カッタ8によってプラスチックフィルム1がカットされる。
【0047】
したがって、図3の実施例では、プラスチックフィルム1に伸びまたは縮みが生じると、それによってテンションローラ27が移動する。したがって、制御装置12を移動量センサ28に接続し、移動量センサ28によってテンションローラ27の移動量を検出し、伸び量、縮み量を演算することができる。さらに、プラスチックフィルム1の停止後、制御装置12によって各駆動機構を制御し、基準点の可動ユニットを除き、他の可動ユニットをそれぞれ移動させ、移動量は基準点との距離に比例した移動量であり、伸び量、縮み量に対応するようにすることができる。したがって、伸びまたは縮みが生じても、プラスチックフィルム1を的確に縦シールし、冷却し、横シールすることができる。ノッチ17を的確に形成し、プラスチックフィルム1を的確にカットすることもできる。
【0048】
さらに、図1の製袋機と同様、図3の実施例でも、製袋機は複数の操作スイッチを有する。そして、各操作スイッチが各可動ユニットに対応し、操作スイッチによって各可動ユニットが移動し、その位置が調整される。
【0049】
各可動ユニットに操作スイッチが設けられ、操作スイッチとして単動スイッチ19および連動スイッチ23,24,25,26が使用されていることも図1の製袋機と同様である。
【0050】
したがって、製袋機を運転する前、単動スイッチ19または連動スイッチ23,24,25,26によって各可動ユニットを移動させ、その位置を調整することができ、その作業は容易である。
【0051】
各実施例において、単動および連動スイッチ19,23,24,25,26として一方向および逆方向の矢印ではなく、他の形状の2つの部分からなるものを使用し、一方の部分を操作すると、可動ユニットが一方向に移動し、他方の部分を操作すると、可動ユニットが逆方向に移動するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 プラスチックフィルム
2,3 送りローラ
4 縦ヒータ
5 縦冷却部材
6 横ヒータ
7 横冷却部材
8 カッタ
9 上流側光学センサ
10 下流側光学センサ
11 パンチ
12 制御装置
19 単動スイッチ
23,24,25,26 連動スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックフィルムによってプラスチック袋を製造する製袋機であって、
前記プラスチックフィルムをその長さ方向に間欠送りする送り機構と、
前記プラスチックフィルムの送り経路に沿って間隔を置いて配置され、前記プラスチックフィルムの長さ方向に移動可能に支持された複数の可動ユニットと、
前記各可動ユニットに設けられ、前記各可動ユニットを移動させる複数の駆動機構と、
前記各可動ユニットに対応し、その駆動機構を駆動し、対応する可動ユニットを移動させ、その位置を調整する複数の操作スイッチとからなり、
前記各可動ユニットのうち、少なくともいくつかの可動ユニットにおいて、前記プラスチックフィルムの間欠送り毎に、前記プラスチックフィルムに処理を施し、これによって前記プラスチック袋を製造するようにしたことを特徴とする製袋機。
【請求項2】
前記可動ユニットとして縦ヒータ、縦冷却部材、横ヒータ、横冷却部材およびカッタを使用し、前記プラスチックフィルムの間欠送り毎に、前記縦ヒータ、縦冷却部材、横ヒータ、横冷却部材およびカッタによって前記プラスチックフィルムを縦シールし、冷却し、横シールし、冷却し、カットし、前記プラスチック袋を製造するようにした請求項1に記載の製袋機。
【請求項3】
前記可動ユニットとして上流側および下流側光学センサを使用し、前記上流側および下流側光学センサを前記横ヒータの上流側および下流側に配置し、前記プラスチックフィルムに印刷柄を反復印刷し、前記プラスチックフィルムの間欠送り毎に、前記上流側または下流側光学センサによって印刷位置を検出し、前記プラスチックフィルムを停止させるようにした請求項2に記載の製袋機。
【請求項4】
前記横ヒータに前記操作スイッチを設け、そのスイッチによって前記横ヒータを移動させ、前記横冷却部材に前記操作スイッチを設け、そのスイッチによって前記横冷却部材を移動させるようにした請求項2に記載の製袋機。
【請求項5】
前記各可動ユニットに前記操作スイッチを設け、そのスイッチによって対応する可動ユニットを移動させるようにした請求項1に記載の製袋機。
【請求項6】
前記操作スイッチとして単動スイッチを使用し、前記単動スイッチが操作されたとき、対応する可動ユニットが単独で移動するようにした請求項1に記載の製袋機。
【請求項7】
前記単動スイッチの他に、前記操作スイッチとして連動スイッチを使用し、前記連動スイッチが操作されたとき、対応する可動ユニットとともに他の可動ユニットも移動するようにした請求項6に記載の製袋機。
【請求項8】
基準点としていずれか1つの可動ユニットを使用し、前記連動スイッチが操作されたとき、前記基準点の可動ユニットを除き、対応する可動ユニットとともに他の可動ユニットが移動し、その移動量は前記基準点との距離に比例した移動量である請求項7に記載の製袋機。
【請求項9】
前記連動スイッチが操作されたとき、前記各可動ユニットが等距離だけ移動するようにした請求項7に記載の製袋機。
【請求項10】
前記単動スイッチの他に、前記操作スイッチとして連動スイッチを使用し、前記連動スイッチによって前記縦ヒータおよび縦冷却部材を移動させ、前記横ヒータおよび横冷却部材を移動させるようにした請求項6に記載の製袋機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−206458(P2012−206458A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75333(P2011−75333)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【特許番号】特許第4902796号(P4902796)
【特許公報発行日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【出願人】(000110192)トタニ技研工業株式会社 (31)
【Fターム(参考)】