説明

複合セラミック構造、およびセラミック複合構造を製造する方法

【課題】コアと表面板との間の接合特性が向上したセラミックトラスコアを有するセラミックマトリックス複合(CMC)構造を提供する。
【解決手段】CMC構造を作製するために使用されるCMCサンドイッチは、CMCピンの配列を含むセラミックトラスで補強されたコアに接合された表面板を含む。ピンの端の結合剤マトリックスは除去されて、露出したしなやかなセラミック繊維を残す。露出したセラミック繊維は、表面板に平行に延在するように曲げられて、表面板の1つ以上の層に接合される。セラミックピンの端の結合剤マトリックスは、機械的または化学的処理によって除去されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は概してセラミック複合構造に関し、より特定的には、セラミックトラスコアを有する複合サンドイッチ構成、およびそれを製造する方法を扱う。
【背景技術】
【0002】
背景
セラミックマトリックス複合(ceramic matrix composite:CMC)構造は、それらの比較的高い動作温度に耐える能力のために、航空宇宙用途および他の用途において使用され得る。たとえば、CMC構造は、航空機用途において高温の排気ガスに晒される部品を作製するために使用されてもよい。ある種類のCMC構造は、2つのCMC表面板がコアに接合されているサンドイッチ構成を採用している。あるサンドイッチ構成では、コアは、コアの厚みを通って延在して表面板を貫通するCMCピンのトラス状の配列によって補強されてもよい。これらのピンは、表面板間で圧縮荷重、引張荷重および/またはせん断荷重を伝える荷重経路を提供する。しかしながら、この先行技術のピン/トラス構成の荷重担持能力は、特に表面板が比較的薄い場合、ピンの端と表面板の層との間の接合強度が制限されるために、制限されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ピンの端を表面板に平行に延在するように曲げることができ、より大きな接合区域を提供するならば、CMCピンと表面板との間の接合強度は高まるかもしれない。しかしながら、この解決策はこれまで実用的ではなかった。なぜなら、CMCピンは比較的脆く、CMCピンの端を曲げようとすると折れるかもしれないためである。
【0004】
したがって、コアと表面板との間の接合特性の向上を呈するセラミックトラスコアを有するCMC構造に対する要望がある。この開示の実施例は、この要望を満たすように意図されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
CMC構造は、セラミックトラス補強コアを有するサンドイッチ構成を含む。トラスを形成するCMCピンの外端を曲げることにより、コアと表面板との間の優れた接合が得られる。CMCピンの端を曲げることにより、ピンと表面板との間により大きな接合区域が提供され、それにより、コアの荷重伝達能力が向上する。CMCピンの端は、セラミックファイバを束ねるマトリックス材料をピンの端から除去することにより、曲げられてもよい。マトリックス材料が除去されると、残りのセラミック繊維は比較的しなやかになり、それらは、表面板の平坦面に平行に延在してそれと接合され得るように曲げられるようになる。
【0006】
開示されたある方法の実施例によれば、セラミック複合構造は、硬質の結合剤内に保持されたセラミック繊維から形成された複数のピンを有するセラミックトラスを含むコアを形成するステップと、セラミック繊維を露出させるためにピンの端から結合剤を除去するステップと、ピンの端を曲げるステップと、ピンの端に表面板を接合するステップとを含むステップによって作製される。セラミックトラスは、ピンの端が担体から突出するようにピンを担体に挿入することによって形成されてもよい。ピンの端の結合剤が次に、エッチング、粉砕またはアブレーション処理によって除去される。表面板の層がコアに施されてもよく、ピンの端から結合剤材料が除去される前にピンの端を貫通する。結合剤材料の
除去後、ピンの端の露出したセラミック繊維は、表面板の層に、または表面板の層間で接合されてもよい。
【0007】
開示された別の方法の実施例によれば、セラミック複合構造に使用されるセラミックトラスコアは、複数の複合セラミックピンを用いてセラミックトラスを形成するステップ(複合セラミックピンはマトリックス内に保持されたセラミック繊維を含む)と、セラミック繊維を露出させるためにピンの端からマトリックスを除去するステップとを含むプロセスによって作製されてもよい。トラスは、セラミックピンの端が露出したままとなるようにピンを担体発泡材に部分的に挿入することによって形成されてもよい。しなやかなセラミック繊維だけが残るように、ピンの端からマトリックスが除去される。しなやかなセラミック繊維は、コアが接合され得る表面板の表面に沿うように曲げられてもよい。マトリックス結合剤は、エッチング、粉砕またはアブレーションを含むいくつかの処理のうちのいずれかによって、CMCピンの端から除去されてもよい。マトリックス結合剤の除去処理中に担体を保護するために、保護材料の層が担体上に施されてもよい。
【0008】
さらに別の方法の実施例によれば、セラミック複合構造は、コアを作製するステップと、コアの一部を形成するセラミック繊維の露出して曲げられた端に表面板を接合することにより、表面板をコアに接合するステップとを含むステップによって作られてもよい。コアは、担体内に複合セラミックピンの配列を形成し(ピンの各々は、マトリックス内に保持されたセラミック繊維を含み、担体から突出している)、ピンの突出端からマトリックスを除去してセラミック繊維の一部を露出させ、セラミック繊維の露出した一部をそれらが表面板に接合されるように曲げることによって、作られてもよい。
【0009】
別の実施例によれば、複合セラミック構造は、1対の略平行な複合セラミック表面板と、表面板間に配置され、表面板に接合されたトラスを含むコアとを含み、トラスは複数の複合セラミックピンを含み、ピンの各々は、表面板に対して略直角に延在する中間部と、表面板に略平行に延在し、表面板に接合された末端部とを含んでいる。表面板のうちの少なくとも1つは多数の層を含んでいてもよく、ピンの末端部はこれらの層の間に挟まれていてもよい。また、これに代えて、ピンの末端部は、表面板の内面に接合されてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
開示された実施例の他の特徴、利点および長所は、以下の実施例の説明を、添付された図面および特許請求の範囲に従って検討することから明らかとなるであろう。
【0011】
詳細な説明
まず図1を参照すると、典型的な先行技術のCMCサンドイッチ構成は、セラミックピン18の配列を含むコアに接合された1対の平行なCMC表面板14、16を含む。ピン18は「X」型に配置されており、構造発泡材(図示せず)を含み得るコアを補強するよう機能する。ピン18の各々は真っ直ぐで、表面板14、16を通って延在して表面板14、16に接合される外端を有する。ピン18と表面板14、16との間の接合区域は、表面板14、16へのピン18の端の貫通部の深さに制限されている。
【0012】
ここで図2および図6を参照すると、CMCサンドイッチ構成20は概して、コア22に接合された1対の略平行なCMC表面板24、26を含む。コア22は、構造または半構造発泡材の層30内に保持されたCMCトラス25を含んでいてもよい。トラス25はコア22を補強しており、表面板24、26間で圧縮荷重、引張荷重および/またはせん断荷重を伝達するよう機能してもよい。図示された例では、表面板24、26は平坦で、互いに実質的に平行に延在しているが、他の形状も可能であり、平行でない曲線、および曲線と直線との組合せを含むがこれらに限定されない。
【0013】
表面板24、26の各々は、セラミックスラリーに浸漬されたセラミック布繊維の多数の層を含んでいてもよい。ここで使用されているように、「セラミック繊維」という用語は、繊維形状で作製される従来公知で商業的に利用可能なセラミック材料を意味する。セラミック繊維は、炭化シリコン、シリカ、ティラノ(登録商標)(TYRANNO)、アルミナ、アルミノシリケート アルミノボロシリケート、窒化シリコン、ホウ化シリコン、窒化ホウ素シリコン、および同様の材料を含み得るがこれらに限定されない。トラス構造25は、サンドイッチ構成20を補強する荷重経路を規定しており、所望すれば、自己を支持しかつ荷重を担持するCMC構造の作製を可能にする。CMCサンドイッチ20は、サンドイッチ20に使用される構成要素がすべてセラミックベースなので、高温用途に特に良好に適合する。
【0014】
層30は、作製中にトラス25を所定の位置に保持するための担体を形成しており、使用される材料に依存してサンドイッチ20に構造的剛性を付与し得る。担体の層30は、有機的な一過性発泡材、軽量で独立気泡のポリメタクリルイミド(PMI)発泡材、タイル、硬化した詰め物、または他のセラミック材料を例として含むがこれらに限定されないさまざまな材料のうちのいずれかを含み得る。担体の層30として使用され得るセラミック材料のさらなる例は、セラミックのフェルト、他の繊維状セラミック絶縁体(軟質または硬質)、モノリシックセラミックスなどを含むがこれらに限定されない。担体の層30としての使用に好適なある特定の硬質発泡材が、2002年4月6日に発行され、ザ・ボーイング・カンパニーに譲渡された米国特許第6,716,782号に開示されている。この先行特許に記載された硬質発泡材絶縁体は、低い熱伝導率を有する低密度で高度に多孔質の材料を形成するために焼結されたセラミック繊維の組合せである。この発泡材は、高い引張強度と良好な寸法安定性とを呈する。ここで使用されているように、「高温」材料とは概して、それを上回るとポリマー材料が能力の低下を呈する温度を意味するよう意図されている。
【0015】
トラス構造25は、表面板24、26に対して略直角な、担体の層30の厚みを通って延在するCMCピン28の配列を含む。ピン28は、硬質のセラミック結合剤またはマトリックス内に保持されたセラミック繊維を含むピンストックから形成されている。ピン28は、以下に説明する目的のために、マトリックス材料がエッチングで除去されることを可能にする材料を用いて作製されてもよい。ピン28における個々の繊維の直径は、ピン28全体に比べて比較的小さく、たとえば、ある満足のいく実施例では、ピンの全径が約700マイクロメートルである場合、ファイバは各々、約11マイクロメートルの直径を有していてもよい。
【0016】
ピン28は、たとえば正方形状などの形状トラス網を形成するいくつかのグループ別に配置されてもよい。ピン28の各々は、真っ直ぐな中間部28aと、それぞれの表面板24、26の隣接層24a、24bおよび26a、26b間に挟まれて接合される相対する末端部28bとを含む。一実施例では、図2に最良に示されるように、ピン28は、表面板24、26に垂直に延在する軸に対して約30度の角度を形成してもよい。ピン28の各々における末端部28bは、表面板24、26の平面に略平行に延在するよう曲げられる。末端部28bの長さは特定の用途に依存し、一実施例では、ピン28の直径の4〜5倍に略等しい長さが、満足のいく結果をもたらした。
【0017】
前述のように、図2および図5に示す実施例では、末端部28bは、対応する表面板24、26の隣接層24a、24bおよび26a、26b間に挟まれてそこに接合される。ピン28の各々と表面板24、26との間の接合強度は、末端部28bが表面板24、26に接合される長さによって幾分決定され得る。硬化した最終的なサンドイッチ構成20では、層24a、24b、26a、26bから得られるセラミックマトリックス材料とともに、施された接着剤を使用することは、ピン28の末端部28bを表面板24、26に
接合するよう機能する。
【0018】
サンドイッチ構成の代替的な一実施例20aを図6に示す。この実施例では、ピン28の末端部28bは、接着剤の層40を介して、表面板24、26の内側の対向面に直接接合されており、接着剤の層40は、作製プロセス中に施されたフィルム接着剤、および/または表面板24、26から得られるマトリックス材料を含んでいてもよい。
【0019】
ここで、上述のCMCサンドイッチ構造20を作製するための方法を開示している図3,図4、図5、図7および図8に注意を向ける。ステップ42(図7)から始まって、ピン28を形成するための材料が、たとえば、当該技術分野において公知である突出プロセスなどを用いて作製される。ピン28の作製は、セラミック繊維を露出させるためにピンの端からマトリックス材料を除去するために後で使用されるプロセスを容易にするよう、調整されてもよい。
【0020】
特に図8を参照すると、ステップ60で示すように、ある連続的な長さのピンストックが、セラミック繊維を突出させる突出によって作製されてもよい。次に、ピンの端からマトリックスを除去するために使用されるその後のプロセスにピンをより適合させる材料およびプロセスを用いてピン構成を形成するために、「A」、「B」、および「C」として示された3つのプロセスのうちのいずれかを使用してもよい。このため、プロセス「A」を使用すると、ステップ62で、突出したセラミック繊維は、エポキシなどの低温コーティングを用いて規定の間隔で下塗りされる。次に、ステップ64で、下塗りされた繊維はセラミックスラリーで上塗りされ、次にステップ66で焼付けられる。代替的なプロセス「B」は、ピンの強度および脆さを調整するための材料でセラミック繊維をコーティングするステップ68から始まる。同様に、ステップ70で、機械的、熱的または化学的手段によるマトリックスの除去をより良好に可能にするために、変動温度焼付けスケジュールが使用されてもよい。代替的なプロセス「C」は、ステップ72でエポキシまたは同様のコーティングで繊維を下塗りすることから始まり、それに続き、ステップ74で、下塗りされた繊維がセラミックスラリーで上塗りされる。次に、ステップ76で、コーティングされた繊維は中間温度で焼付けられる。
【0021】
ここで図7に戻ると、ステップ42でピンストックが作製され、ステップ44で好適な担体30が作製され、ステップ44は前述のように軽量で低密度の発泡材またはセラミック材料の層を形成することを含み得る。後のステップでピン28からマトリックス結合剤を除去するために使用されるプロセスに依存して、マトリックス除去手順中に担体30を腐食または他の損傷から保護するために、ステップ46で保護コーティング32が担体30にオプションで施されてもよい。
【0022】
ステップ48で、個々のピン28が担体30に挿入される。ピン挿入プロセスは、ピンストックを担体30に所定の角度で挿入し、次にピンストックをピン28の所望の最終長さに切断する公知の機器設計を用いて実行されてもよい。このピン挿入プロセスは、ピンの外端が担体30から突出して露出したままとなるように行なわれる。
【0023】
次に、ステップ50で、表面板24、26においてピン28をより良好に束ねて固定するために、プリプレグの1つまたは2つの層が、ピン28の端がプリプレグ層を通過した状態でトラスコアの表面上にオプションで施されてもよい。次にステップ52で、いくつかのプロセスのうちのいずれかを用いて末端部28bにおけるマトリックス結合剤を除去することにより、ピン28の端の皮が剥ぎ取られる(flayed)。硬質のマトリックス結合剤の除去は、図4および図5に示すように、末端部28bにおいてセラミック繊維34を露出させる。ピン28の端の露出した個々のセラミック繊維は、それらの比較的小さい直径のために比較的しなやかであり、このため、末端部28bが表面板24、26に平行に
横たわるように曲げられるかまたは皮を剥ぎ取られることを可能にする。
【0024】
マトリックス結合剤は、化学エッチング、粉砕、または、腐食、蒸発、溶融および気化を含み得るもののそれらに限定されない他の形の機械的またはアブレーション処理によって、ピン28の末端部28bから除去されてもよい。たとえば、トラスコアの端は、マトリックス結合剤を除去する化学エッチングに末端部28bを晒すよう、化学エッチング液に浸漬されてもよい。このプロセス中、保護コーティング32は、トラスコアの中間部28bを損傷から保護する。ピンの端からマトリックス結合剤を除去するためのある機械的なプロセスは、2つの圧盤(platen)または同様の機械的装置の間でピンの端を押し潰すことを含んでいてもよい。ピンの端からマトリックス結合剤を除去するために、図8を参照して前述されたようにセラミック繊維に施された下塗りおよび/または上塗りを除去するために特に策定された他の化学的プロセスが使用されてもよい。
【0025】
保護コーティング32が担体30に施されているこれらの用途では、焼却(焼成)を含むいくつかの好適なプロセスのうちのいずれかによる保護コーティング32の除去からなるステップ54が、オプションで行なわれてもよい。
【0026】
ステップ56で、積層サンドイッチがツール上に配置され、それに続き、ステップ58で、プリプレグをコアに接合して十分に硬化したサンドイッチ構成を作り出すために、積層が硬化され、焼結される。層を圧縮し、露出した繊維34を強制的に層24a、24bに平行に横たわらせるために、矢印36(図4)の方向に機械的圧力を加えてもよい。
【0027】
ここで図9および図10を参照すると、この開示の実施例は、図9に示すような航空機製造およびサービス方法78の文脈において、および図10に示すような航空機94の文脈において使用されてもよい。生産前の期間中、例示的な方法78は、航空機94の仕様および設計80と、材料調達82とを含んでいてもよい。生産中、航空機94の部品およびサブアセンブリ製造84とシステム統合86とが起こる。その後、航空機94は、認証および納入88を経て稼働状態90に置かれてもよい。顧客による稼働中、航空機94には定期的な保守およびサービス92(改良、再構成、修繕なども含み得る)が予定されている。
【0028】
方法78のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者、および/またはオペレータ(たとえば顧客)によって行なわれ、または実行されてもよい。この説明のため、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者および主要システム下請業者などを含んでいてもよく、第三者は、任意の数の販売業者、下請業者および供給業者などを含んでいてもよく、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事実体、サービス組織などであってもよい。
【0029】
図10に示すように、例示的な方法78によって生産された航空機94は、複数のシステム96を有する機体98と、内部100とを含んでいてもよい。高レベルのシステム96の例は、推進システム102、電気システム104、油圧システム106、および環境システム108のうちの1つ以上を含む。任意の数の他のシステムが含まれていてもよい。航空宇宙産業の例が示されているが、この発明の原理は、自動車業界など他の業界に適用されてもよい。
【0030】
ここに具現化された装置は、生産およびサービス方法78の段階のうちのいずれか1つ以上の最中に採用されてもよい。たとえば、生産プロセス84に対応している部品またはサブアセンブリは、航空機94が稼働中に生産される部品またはサブアセンブリと同様の態様で作製または製造されてもよい。また、生産段階84および86の最中に、たとえば航空機94の組立を実質的に早めることにより、または航空機94のコストを下げること
により、装置の1つ以上の実施例が利用されてもよい。同様に、航空機94が稼動中に、たとえば保守およびサービス92に、装置の1つ以上の実施例が利用されてもよい。
【0031】
この開示の実施例は、いくつかの例示的な実施例に関して説明されてきたが、当業者の脳裏には他の変形が浮かぶため、これらの特定の実施例が限定のためではなく例示のためにあるということが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】先行技術のCMCサンドイッチ構成の等角図であり、セラミックトラスコアを採用し、担体は図示されず、CMCピンの真っ直ぐな端をより良好に示すために表面板の一部を切欠いた図である。
【図2】この開示の一実施例に従ったセラミックトラスコアを有するCMCサンドイッチ構成の一部の断面図である。
【図3】CMCサンドイッチ構成を製造するための方法の一ステップを示す断面図である。
【図4】該方法における別のステップを示す断面図である。
【図5】図4と同様であって、表面板の層間で接合されたCMCピンの曲げられた端を示す図である。
【図6】CMCサンドイッチ構成の代替的な一実施例を示す断面図である。
【図7】セラミックトラスコアを有するCMCサンドイッチを作製するために使用されるプロセスの基本ステップを示す簡略化されたフローチャートである。
【図8】セラミックピンストックを作製するための代替的なステップを示す、簡略化されたフローチャートである。
【図9】航空機生産およびサービス手法のフローチャートである。
【図10】航空機のブロック図である。
【符号の説明】
【0033】
20 サンドイッチ構成、22 コア、24、26 表面板、25 トラス、28 ピン、28a 中間部、28b 末端部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A) 硬質の結合剤内に保持されたセラミック繊維から形成された複数のピンを有するセラミックトラスを含むコアを形成するステップと、
(B) セラミック繊維を露出させるためにピンの端から結合剤を除去するステップと、
(C) ピンの端を曲げるステップと、
(D) ピンの端に表面板を接合するステップとを含む、セラミック複合構造を製造する方法。
【請求項2】
ステップ(A)は、
ある長さのピンストックを担体に挿入するステップと、
ピンの端が露出されるように前記長さのピンストックを切断するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ピンストックは発泡材の層に挿入される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
(E) ステップ(B)での結合剤の除去中、コアの一部に保護コーティングを施すことによってコアの一部を保護するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(B)は、ピンの端をエッチングすることによって行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(B)は、ピンの端を粉砕することによって行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(B)は、アブレーションによって行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(C)は、
表面板を露出したセラミック繊維と接触させ、
前記表面板を用いて、露出したセラミック繊維を曲げることによって行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(C)は、セラミックプリプレグの層の間で、露出したセラミック繊維を接合するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
(F) 複合構造を含む航空機サブアセンブリを特定し、設計するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
(G) 複合構造の製造に使用される材料を調達するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
1対の略平行な複合セラミック表面板と、
表面板間に配置され、表面板に接合されたコアとを含む、複合セラミック構造であって、コアはセラミックトラスを含み、
トラスは複数の複合セラミックピンを含み、ピンの各々は、表面板に対して略直角に延在する中間部と、表面板に略平行に延在し、表面板に接合された末端部とを含む、複合セラミック構造。
【請求項13】
表面板のうちの少なくとも1つは多数の層を含み、
ピンの末端部は前記層の間に挟まれている、請求項12に記載の複合セラミック構造。
【請求項14】
ピンのうちの少なくとも一部は延在し、ピンは、表面板の平面に対して約30度の角度を形成する、請求項12に記載の複合セラミック構造。
【請求項15】
ピンの末端部は、表面板の内側の対向面に接合される、請求項12に記載の複合セラミック構造。
【請求項16】
コアは、セラミックトラスを包囲する構造発泡材をさらに含む、請求項12に記載の複合セラミック構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−23348(P2009−23348A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−186081(P2008−186081)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】