説明

複合ネットワークのテレプレゼンス会議の創設のための方法及びシステム

【課題】通信のためのSIPのような標準のプロトコルを用いてテレプレゼンス会議の動的な創設のためのシステム及び方法が提供される。
【解決手段】当該方法は、テレプレゼンス会議に参加している各場所のプロフィルのネゴシエーションを提供する。プロフィルは、視聴覚要素の接続性、位置付け及び構成、参加場所の数、及び各場所における参加者の数に関する情報を提供する。これらのプロフィルは、テレプレゼンス会議に参加している場所のセット、及びテレプレゼンス会議の開始中に動的機構を通して取得されるそれらの能力から導出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2007年11月28日に出願された米国仮特許出願第60/990,645号の優先権を主張するものであり、その明細書は、参照によりここに組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本出願は、概して、テレプレゼンス・サービスの配信に関するものであり、特に、動的な態様においてテレプレゼンス・サービスの供給及び創設を容易にするよう情報伝達(signaling)及びメディア・フローを創設するための方法及びシステムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
テレプレゼンスは、遠隔場所に位置する他のユーザが近くに存在しているという感覚を、テレプレゼンス会議に参加する各ユーザに提供するための、通信技術の使用として考慮されてきた。
【0004】
今日では、或る数のテレプレゼンス・サービス・プロバイダがあり、それらプロバイダのルームのネットワークは、完全に離れており、互いに相互作用することができない。これらの提供は、それらの必要性を叶えるために多数の直接のポイントツーポイントの相互接続を用いた高度な(high-end)システムであり、このようなものとして、最良の可能なテレプレゼンス経験を提供することができる。
【0005】
このような解決法を用いるネットワークのオペレータは、エンド・ユーザの要求において、テレプレゼンス会議に参加する各ルーム間で流れなければならない多数のストリームを設定しているそれらオペレータ自体の固有ネットワーク・コントローラを有する。これらのネットワークをセットアップするために必要とされるデータ及びインテリジェンス(情報)は、ネットワーク・コントローラと呼ばれる特殊化されたシステムに存する。ネットワーク・コントローラに存するロジックは、全く複雑であり、ルーム構成のダイバーシティ(多様性)が与えられ、例えば、支援されなければならないカメラやディスプレイの数や位置、並びに与えられた会議のための与えられたルームにおける出席者の数のような一層動的な態様の会議条件、が与えられる。固有ネットワーク・コントローラを用いたこれらの解決法は、テレプレゼンス設備において多数のベンダ(供給業者)環境を構成することが極端に困難である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態による、複数の場所間でマルチストリーム・ビデオ会議を創設するためのシステムの概略図である。
【図2】本発明のもう1つの実施形態による、複数の場所間でマルチストリーム・ビデオ会議を創設するためのもう1つのシステムの概略図である。
【図3】一体化されたエンコーディング手段及びデコーディング手段が設けられたルーム・コントローラのブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態による、ルーム・コントローラ間で対話創設段階中に用いられるルーム・プロフィルのための及びルーム能力のためのデータ・フォーマットを示す図である。
【図5A】マルチポイント・テレプレゼンス会議の創設を提供している間にルーム・コントローラによって行われるタスクの概観を示すフロー図である。
【図5B】マルチポイント・テレプレゼンス会議の創設を提供している間にルーム・コントローラによって行われるタスクの概観を示すフロー図である。
【図5C】マルチポイント・テレプレゼンス会議の創設を提供している間にルーム・コントローラによって行われるタスクの概観を示すフロー図である。
【図6A】本発明の一実施形態による、マルチポイント・テレプレゼンス会議の創設を提供する際に、図1及び図2に示されたシステムの構成要素間で交換される原理メッセージを概略的に示すメッセージ・フロー図である。
【図6B】本発明の一実施形態による、マルチポイント・テレプレゼンス会議の創設を提供する際に、図1及び図2に示されたシステムの構成要素間で交換される原理メッセージを概略的に示すメッセージ・フロー図である。
【図6C】本発明の一実施形態による、マルチポイント・テレプレゼンス会議の創設を提供する際に、図1及び図2に示されたシステムの構成要素間で交換される原理メッセージを概略的に示すメッセージ・フロー図である。
【図7】本発明による、複数の場所間でマルチストリーム・ビデオ会議を創設するための方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
実施形態の以下の説明において、添付図面に対する参照は、本発明を実行し得る例示の説明のためである。開示された本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態も為され得るということを理解されたい。
【0016】
本発明は、複数の場所間でのマルチストリームのビデオ会議を創設するためのシステム及び方法に向けられている。本発明は、本明細書を読むことにより一層明瞭に理解されるので、開示された方法は、テレプレゼンス会議において参加している各場所のルーム・プロフィルのネゴシエーション(交渉)を長所的に提供する。関与する場所の数及びそれらの特定の能力に従って開発される会議プロフィルまたは構成は、一実施形態においては、視聴覚要素の接続性、位置付け及び構成、参加場所の数、並びに各場所における参加者の数に関する情報を提供する。以後一層詳細にされるように、ルーム・プロフィルは、会議セットアップの部分として動的に展開される総括的会議プロフィルから導出されて、テレプレゼンス会議の創始中に動的態様で接続ネットワーク要素に配分される。
【0017】
図1を参照すると、本発明の実施形態による、3つの場所間のマルチストリーム・ビデオ会議を創設するためのシステム10が示されている。システム10は、3つのローカル・エンコーディング手段12、14、16を備え、その各々は、少なくとも1つの他の場所に向かって対応の視聴覚信号を流すために複数の場所の対応の1つとそれぞれ関連している。各場所には、幾つかの視聴覚装置(図示せず)が設けられ得る。この場合において、エンコーディング手段12、14、16は、視聴覚装置から入ってくる幾つかの種類のメディア・ストリームを受信するよう適合された単一のエンコーダを備え得る。代替的には、エンコーディング手段12、14、16には、複数のエンコーダが設けられ得、その各々は、対応の視聴覚装置と関連している。場所に対して利用可能な単一の視聴覚装置が存在する場合には、長所的には単一のエンコーダが設けられる。エンコーディング手段の各々は、以後一層明瞭に説明されるように、関連の場所の利用可能な構成に関する第1の構成指示を提供する。
【0018】
システム10は、また、3つのローカル・デコーディング手段18、20、22をも備え、その各々は、もう1つの場所から入って来る視聴覚ストリームを処理するために複数の場所の対応の1つとそれぞれ関連している。エンコーディング手段12、14、16に関して、デコーディング手段18、20、22は、単一のデコーダまたは複数のデコーダを含み得る。デコーディング手段18、20、22の各々は、以後一層詳細に説明するように、関連の場所の利用可能な構成に関する第2の構成指示を提供する。
【0019】
図1をさらに参照すると、システム10は、また、3つのルーム・コントローラ24、26、28を備え、該コントローラの対応の1つは、各々対応の場所にそれぞれ関連している。ルーム・コントローラ24、26、28のセットは、相互接続されるべき場所の選択されたセットの指示を受信するよう適合され、かつ、関連した場所の構成指示を受信するよう選択された場所の各々と関連したエンコーディング手段12、14、16及びデコーディング手段18、20、22の少なくとも1つと通信するよう適合された会議開始ルーム・コントローラ24を備える。示された実施形態においては、会議開始ルーム・コントローラ24は、対応の選択された場所と関連したコントローラ24、26、28の1つである。換言すれば、単一のルーム・コントローラが、テレプレゼンス会議のイニシエータ(創始者)として指定され、他方、他のルーム・コントローラは、招待された参加者として見られ得る。しかしながら、当業者(熟達した聞き手人もしくはアドレッシー)は、会議開始ルーム・コントローラが追加のコントローラであるという他の配列が考慮され得るということを理解するであろう。
【0020】
会議開始ルーム・コントローラ24は、さらに、残りのルーム・コントローラ26、28の各々に構成の少なくとも部分を提供するための構成指示に基づいて適切なポイントツーポイント・ネットワーク構成を決定するよう適合される。ルーム・コントローラ24、26、28の各々は、適切なポイントツーポイント・ネットワーク構成に従ってビデオ会議を創設するよう、適切な構成に従って関連された場所の対応のローカル・エンコーディング手段12、14、16及びデコーディング手段18、20、22の少なくとも1つを制御するよう適合される。
【0021】
この実施形態において、各ルーム・コントローラ24、26、28は、非制限的な例のためのセッション・イニシエイティド・プロトコル(SIP)のような固有または標準の手段50、52、54を通して対応のエンコーディング手段12、14、16及びデコーディング手段18、20、22と通信する別々の物理ユニットに一体化されたスタンドアローンのルーム・コントローラであるが、当業者(熟達したアドレッシー)は、他の配列も考慮され得るということを理解するであろう。ルーム・コントローラ24、26、28は、対話(dialog)の創設のために用いられる情報伝達(signaling)プロトコル30、32、34を用いてデータ・ネットワーク29を介して相互接続される。好ましくは、データ・ネットワーク29は、インターネットを備えるが、他のデータ・ネットワークも考えられ得る。エンコーディング手段12、14、16及びデコーディング手段18、20、22は、メディア・セッションの創設のために用いられる情報伝達プロトコル36、38、40によって相互接続される。この目的のために用いられるよう意図されたプロトコルは、セッション・イニシエーション・プロトコルである。さらに、メディア・ストリーム42、44、46は、インターネット・プロトコル・ネットワーク29を介して視聴覚情報を搬送する各エンコーディング手段12、14、16及びデコーディング手段18、20、22の間を流れる。代表的には、そして前述したように、1つのルーム・コントローラが、会議イニシエータ(創始者)として指定される。この実施形態においては、ルーム・コントローラ24が、テレプレゼンス会議のイニシエータ(創始者)である。
【0022】
さて、図2を参照すると、システムのもう1つの実施形態が示されている。システム102には、単一の物理ユニットにおいてエンコーディング手段及びデコーディング手段と一体化された3つの参加ルーム・コントローラ124、126、128が設けられている。ルーム・コントローラ124、126、128は、対話及びメディア・セッションの創設のために用いられる情報伝達プロトコル130、132、134を用いて相互接続される。前述したように、この目的のために用いられるよう意図されたプロトコルは、好ましくは、セッション・イニシエーション・プロトコルである。さらに、メディア・ストリーム142、144、146は、インターネット・プロトコル・ネットワーク129を介して視聴覚情報を運ぶ各ルーム・コントローラ124、126、128間を流れる。この実施形態においては、ルーム・コントローラ124は、テレプレゼンス会議のイニシエータ(創始者)である。
【0023】
簡単にする目的で、本発明のシステムを、3つの場所を接続する3つのルーム・コントローラで説明したが、当業者は、任意の数の場所が、それらの各々に対応のルーム・コントローラが設けられている場合には、接続され得るということを理解するであろう。
【0024】
2つの別個のテレプレゼンス会議モデルが存在し得るということが理解されるであろう、すなわち、各場所がテレプレゼンス会議に参加する他のどの場所ともメディア・ストリームを通信して創設するメッシュ・ネットワークを形成するマルチポイント・モデルと、各参加場所が同報通信会議の参加者として含まれるために中央場所と通信するスター(星)またはハブ・モデルと、の2つである。
【0025】
以後の本発明の方法の詳細な説明により、通信方法は、2つの段階の方法を備えるものとして観察され得ることが一層明瞭に理解されるであろうし、その場合において、ルーム・コントローラは、すべての参加場所間にピアツーピアの対話の創設を含む第1の段階と、すべての参加エンコーダ及びデコーダ間にメディア・ストリームを創設するためにエンコーダ及びデコーダに携わる第2の段階と、を提供する。
【0026】
メディアの接続性を創設するために、視聴覚設備並びに動的ルーム・プロフィルのネゴシエーションの適切な位置付け及び選択が、ルーム・コントローラ間で行われるということが理解されるであろう。これは、対話の創設として言及される。
【0027】
成功裏に対話が創設されると、会議開始ルーム・コントローラによって構成されかつ選択されたエンコーダ及びデコーダは、それらの中でメディア・ストリームを創設する。メディア・ストリームの創設は、代表的にはスタンドアローンのルーム・コントローラ・ネットワーク・モデルにおいてエンコーダ及びデコーダによって直接達成され得るか、または、一体化されたルーム・コントローラ・ネットワーク・モデルにおいてエンコーダ及びデコーダに代わってルーム・コントローラ・ファンクション(機能)によって創設され得るかのいずれかである。
【0028】
さて、図3を参照すると、マルチポイント・テレプレゼンス会議の創設のための一体化されたエンコーディング手段及びデコーディング手段が設けられたルーム・コントローラ24の実施形態が示されている。
【0029】
ルーム・コントローラ24は、対話及びセッションの創設のためのロジックを提供するルーム・コントローラ・ファンクション(機能)200を備える。ルーム・コントローラ・ファンクション200は、構成管理のためにエンコーダ及びデコーダ・ファンクション202、204と通信し、かつ、もう1つのルーム・コントローラまたはエンコーダまたはデコーダ・ファンクションとの通信のためにネットワーク・プロトコル210と通信する。
【0030】
ネットワーク・プロトコル210は、一実施形態においては当該技術において既知の態様でイーサネット(登録商標)・インターフェース216を用いる。エンコーダ・ファンクション202も、ネットワークを介してメディア・ストリームを発送するために当該技術において既知の態様でネットワーク・プロトコル210とインターフェースし、そしてさらに、接続されたマイクロフォン及びカメラ(図示せず)からの入来するオーディオ及びビデオ信号を受信するために、インバウンド視聴覚インターフェース(Inbound Audiovisual Interfaces)206とインターフェースする。デコーダ・ファンクション204も、ネットワークからのメディア・ストリームを受信するために当該技術において既知の態様でネットワーク・プロトコル210とインターフェースし、そしてさらに、接続されたスピーカ及びディスプレイ(図示せず)にオーディオ及びビデオを送信するために、アウトバウンド視聴覚インターフェース(Outbound Audiovisual Interfaces)208とインターフェースする。ルーム・コントローラ24は、また、当該技術において既知の態様でルーム・コントローラ24に動作(operational)、行政(administrative)、管理(management)及び準備(provisioning)を提供するものである、OAMPファンクション212を備える。
【0031】
さて、図4を参照すると、ルーム・コントローラ間で対話創設段階中に用いられるルーム能力のためのデータ・フォーマットの例が示されている。ルーム能力は、会議開始ルーム・コントローラに対応のルーム・コントローラによって提供され、そして、ダイアログ(対話)・セットアップ・プロトコル、代表的には、セッション・イニシエーション・プロトコル、によって用いられるメッセージに添付され、ここに、ルーム能力は、セッション・デスクリプション・プロトコル情報として添付される。一実施形態においては、以下の情報要素がルーム能力に含まれる:利用可能なカメラの数、各々に対して、位置、角度及び範囲に対する調整能力のそれらのそれぞれのレベル、それらの位置と共に利用可能なディスプレイ、関連のエンコーダ及びデコーダのアドレス、及び支援されるメディア・セッションの種類(すなわち、ビデオ、オーディオ、データ、等)。当業者は、種々の他の情報要素がルーム能力に設けられ得ることを理解するであろう。
【0032】
さらに図4を参照すると、ルーム・コントローラ間で対話創設段階中に用いられるルーム・プロフィルのためのデータ・フォーマットの例も示されている。ルーム・プロフィルは、残りのルーム・コントローラに会議開始ルーム・コントローラによって提供され、そしてまた、対話セットアップ・プロトコル、代表的にはセッション・イニシエーション・プロトコル、によって用いられるメッセージに添付され、ここに、ルーム・プロフィルは、セッション・デスクリプション・プロトコル情報として添付される。一実施形態においては、以下の情報要素がルーム・プロフィルに含まれる:関与する各カメラのための位置、角度及び範囲セッティング、ローカル・エンコーダがそれらのデータを流すであろう宛先デコーダのアドレス、及び、ローカル・デコーダがそこからストリーミング・データを受信するであろうリモート・エンコーダのアドレス。当業者は、種々の他の情報要素がルーム・プロフィルに設けられ得ることを理解するであろう。
【0033】
さて、図5A及び図5Bを参照すると、マルチポイントのテレプレゼンス会議のセットアップを提供しつつ、会議開始ルーム・コントローラ1によって行われるタスクの一実施形態が示されている。処理ステップ502によれば、ルーム・コントローラ1は、新しいテレプレゼンス会議を開始するための要求を監視する。
【0034】
処理ステップ504によれば、これが新しいテレプレゼンス会議の要求であるか否かを見つけるためにテストが行われる。要求がテレプレゼンス会議のための新しい要求である場合には、処理ステップ506により、ルーム・コントローラ1は、会議に関与するべき場所のリストを検索する。
【0035】
処理ステップ508によれば、対話が会議開始ルーム・コントローラ1によって創設され、そしてルーム能力がルーム・コントローラ2から取得される。処理ステップ510によれば、対話は、会議開始ローム・コントローラ1によって創設され、そしてルーム能力がルーム・コントローラ3から取得される。
【0036】
処理ステップ512によれば、会議開始ルーム・コントローラ1は、場所の数及びそれらの能力が与えられた「最良の」構成を計算し、そして各ローム・コントローラ1、2、3ごとにルーム・プロフィルを導出する。好ましくは、最良の構成を計算するために、各ルームの以下のキー・パラメータが考慮され得る:参加者の数及び関連のクラスタリング情報、カメラの数及び参加者の各クラスタごとに各カメラのための関連の所望の視野(FoV)、ディスプレイの数及び中央の参加者場所からの全FoV、コンピュータ・グラフィックス分担(または非分担)、マイクロフォンのピックアップ点の数、エコー消去(単一点または多数点)の種類、スピーカの数、等。当業者は、それにもかかわらず、他のパラメータが考慮され得ることを理解するであろう。
【0037】
処理ステップ507によれば、トランザクションが成功裏でないとき、もしくはエラーが生じたときはいつも、適切なエラー・メッセージが提供され、会議は非接続とされ、そして連結されたリソースは解放される。
【0038】
処理ステップ514及び516によれば、会議開始ルーム・コントローラ1は、それぞれルーム・コントローラ2及びルーム・コントローラ3とネゴシエートし、それらのルーム・プロフィルは、非制限的な例としての、カメラ構成(各カメラごとのFoV−Zoom)、ディスプレイ構成(ブラックアウト領域)、マイクロフォン構成(エコー消去バランス及び相対的なオーディオ・レベル・バランス)、スピーカ構成(L−Rまたは周囲)及びコンピュータ・グラフィックス割当てから構成される。
【0039】
処理ステップ518、520及び522によれば、各ルーム・コントローラ1、2、3は、それらのルーム・プロフィルに従ってそれら自体のリソースを構成する。
【0040】
この点において、マルチポイント・テレプレゼンス会議の創設の第1の段階が完了され、すべての参加ルーム・コントローラは、メディア・セッションを創設するための準備ができているということが当業者には理解されるであろう。
【0041】
処理ステップ524〜534によれば、ルーム・コントローラの各々のエンコーディング手段は、それらのルーム・プロフィルによりリモート・デコーダとメディア・セッションを創設する。
【0042】
当該方法は、図2に開示された一体化されたルーム・コントローラまたは図1に開示されたスタンドアローンのルーム・コントローラを含むネットワーク・モデルと一致する。
【0043】
処理ステップ536によれば、会議開始ルーム・コントローラは、会議を非接続とするための要求を検出するまたは監視する。非接続要求が、ユーザ・インターフェースまたは他の手段を介してかつ処理ステップ540に従って提供されたならば、会議開始ルーム・コントローラは、テレプレゼンス会議を非接続とし、そしてリソースを解放する。
【0044】
会議開始ルーム・コントローラと他の参加ルーム・コントローラとの間で対話またはメディア・セッションを創設することの失敗は、会議が非接続とされることに導かれることが理解されるであろう。
【0045】
さて図6A〜6Cを参照すると、一実施形態によるマルチポイント・テレプレゼンス会議の創設中に図1及び2に示されたネットワーク構成要素間で交換されるメッセージを図式的に示す図が示されている。
【0046】
この実施形態においては、3つのルーム・コントローラ24、26、28及びそれらの関連のエンコーダ及びデコーダが関与しており、すなわち、会議開始ルーム・コントローラ24及びその関連のエンコーダ12及びデコーダ18、第2のルーム・コントローラ26及びその関連のエンコーダ14及びデコーダ20、並びに第3のルーム・コントローラ28及びその関連のエンコーダ16及びデコーダ22が関与している。
【0047】
テレプレゼンス会議を開始するための要求を受信すると、会議開始ルーム・コントローラ24は、ルーム・コントローラ26のルーム能力を追求するルーム・コントローラ26に対話セットアップ要求メッセージ(ダイアログ・セットアップ・リクエスト・メッセージ)612を送ることによって会議610を生じさせる。
【0048】
次に、ルーム・コントローラ26は、添付されたルーム能力を有する対話セットアップ応答メッセージ614で応答することによってそのルーム能力を提供する。
【0049】
処理ステップ616及び618によれば、会議開始ルーム・コントローラ24は、次に、同じ種類の対話セットアップ要求及び応答トランザクションを介してルーム・コントローラ28のルーム能力を取得する。
【0050】
処理ステップ620において、会議開始ルーム・コントローラ24は、最良の全会議構成を計算し、そして関与しているルーム・コントローラの各々に対してルーム・プロフィルを導出する。
【0051】
会議開始ルーム・コントローラ24は、ルーム・コントローラ26のそのルーム・プロフィルとネゴシエートする。これは、要求アップデート622及び要求確認624のメッセージを通して行われる。ルーム・コントローラ26は、今や、対話アップデート・メッセージに添付されたそのルーム・プロフィルを通してその要求された構成について知らされる。
【0052】
メッセージ・トランザクション626及び628によれば、会議開始ルーム・コントローラは、ルーム・コントローラ28との同じ構成のネゴシエーション及び情報伝達を達成する。
【0053】
この点において、マルチポイントのテレプレゼンス会議の創設の第1の段階は完了され、そしてすべての参加ルーム・コントローラ24、26、28は、メディア・セッションを創設するための準備ができている。
【0054】
ルーム・コントローラ24は、メディア・セッション・セットアップ要求メッセージ652を送ることによってルーム・コントローラ28とメディア・セッション650を開始する。メディア・セッションに関する情報は、当該技術において既知の態様でメッセージに添付される。メッセージ652を受信すると、ルーム・コントローラ26は、メディア・セッション・セットアップ確認メッセージ654で応答し、そしてメディア・フロー656が、ルーム・コントローラ24のエンコーダ及びルーム・コントローラ26のデコーダ間に創設される。ルーム・コントローラ24は、次に、ルーム・コントローラ28と同じ方法でメッセージ・トランザクション658及び660を進め、メディア創設662を提供する。
【0055】
ルーム・コントローラ26は、メディア・セッション・セットアップ要求メッセージ666を送ることによってルーム・コントローラ28とメディア・セッション664を開始する。メディア・セッションに関する情報は、当該技術において既知の態様でメッセージに添付される。メッセージ666を受信すると、ルーム・コントローラ28は、メディア・セッション・セットアップ確認メッセージ668で応答し、そしてメディア・フローが、ルーム・コントローラ26のエンコーダ及びルーム・コントローラ28のデコーダ間に創設される。ルーム・コントローラ26は、次に、ルーム・コントローラ24と同じ方法でメッセージ・トランザクション672及び674を進め、メディア創設676を提供する。
【0056】
ルーム・コントローラ28は、メディア・セッション・セットアップ要求メッセージ680を送ることによってルーム・コントローラ24とメディア・セッション678を開始する。メディア・セッションに関する情報は、当該技術において既知の態様でメッセージに添付される。メッセージ680を受信すると、ルーム・コントローラ24は、メディア・セッション・セットアップ確認メッセージ682で応答し、そしてメディア・フロー684が、ルーム・コントローラ28のエンコーダ及びルーム・コントローラ24のデコーダ間に創設される。ルーム・コントローラ28は、次に、ルーム・コントローラ26と同じ方法でメッセージ・トランザクション686及び688を進め、メディア創設690を提供する。
【0057】
さて図7を参照すると、複数の場所間でマルチストリーム・ビデオ会議を創設するための方法が示されている。
【0058】
処理ステップ700によれば、ルーム・コントローラは、複数の場所の各々において提供される。各ルーム・コントローラは、少なくとも1つの他の場所に向かって視聴覚信号を流すためのローカル・エンコーダの少なくとも1つと、もう1つの場所から入って来る視聴覚ストリームを処理するための少なくとも1つのデコーダとを制御している。一実施形態においては、ルーム・コントローラは、データ・ネットワークを用いて相互接続される。一実施形態においては、データ・ネットワークはインターネットを含む。
【0059】
処理ステップ710によれば、会議開始ルーム・コントローラが構成される。会議開始ルーム・コントローラの構成は、相互接続されるべき場所の選択されたセットの指示を提供することを含む。
【0060】
処理ステップ720によれば、会議開始ルーム・コントローラは、データ・ネットワークを用いて相互接続されるべき場所の選択されたセットの各場所と関連した対応の少なくとも1つのローカル・エンコーダ及び対応の少なくとも1つのローカル・デコーダの内の少なくとも1つの指示を受信する。
【0061】
処理ステップ730によれば、適切なポイントツーポイント・ネットワーク構成が、場所の選択されたセットのコントローラの各々に対して利用可能な対応の少なくとも1つのローカル・エンコーダ及び利用可能な対応の少なくとも1つのデコーダ間で決定される。
【0062】
処理ステップ740によれば、場所の選択されたセットの各ルーム・コントローラに構成の少なくとも1つの部分が提供される。
【0063】
処理ステップ750によれば、場所の選択されたセットの各ルーム・コントローラは、構成に従ってそれらのそれぞれのローカル・エンコーダ及びデコーダを構成している。
【0064】
処理ステップ760によれば、ビデオ会議が、決定されたポイントツーポイント・ネットワーク構成に従って創設される。
【0065】
ここに開示された実施形態は、2つ以上の場所が参加しており、用いられたプロトコルは、セッション・イニシエーション・プロトコルであり得、そしてセッション・デスクリプション・プロトコルが、ルーム・プロフィルのアタッチメント及びフォーマットに対して用いられている、というマルチポイント・テレプレゼンス会議の動的な創設のための方法の例である。さらに、ネットワーク・モデルは、スタンドアローンのルーム・コントローラまたは一体化されたルーム・コントローラのいずれかに関与しており、かつ関連のエンコーダ及びデコーダに関与している。
【0066】
多数団体の会議における参加しているルーム・コントローラ及び関連のエンコーダ及びデコーダの間接的な接続のための方法が開示されており、用いられたプロトコルは、セッション・イニシエーション・プロトコルであり得ることがさらに理解されるであろう。
【0067】
さらに、一体化されたルーム・コントローラまたはスタンドアローンのルーム・コントローラのネットワーク・モデルのいずれかにおいて用いられた2段階方法がさらに開示されており、それにおいて、対話は、方法の第1段階において会議に携わるすべてのコントローラ間で創設されており、そしてメディア・セッションは、方法の第2段階においてスタンドアローンのルーム・コントローラまたは一体化されたルーム・コントローラのネットワーク・モデルのいずれかにおける携わっているエンコーダ及びデコーダ間で創設される、ということを当業者は理解するであろう。
【0068】
本発明のもう1つの態様によれば、処理ユニットに上述の方法を実行させるためのコンピュータ読取り可能命令を含むコンピュータ読取り可能媒体も提供される。好ましくは、コンピュータ読取り可能命令は、相互接続されるべき場所の選択されたセットの指示を受信するためのユーザ・インターフェースを提供する。
【0069】
上述の説明は、発明者によって現在意図されているものとして特定の好ましい実施形態に関しているけれども、特許請求の範囲に限定される本発明の範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に対して種々の変更が為され得ることが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の場所間でマルチストリームのビデオ会議を創設するための方法であって、
複数の場所の各々にルーム・コントローラを提供し、各ルーム・コントローラは、少なくとも1つの他の場所に向かって視聴覚信号を流すための少なくとも1つのローカル・エンコーダと、もう1つの場所からの入って来る視聴覚ストリームを処理するための少なくとも1つのデコーダと、の内の少なくとも1つを制御し、ルーム・コントローラは、データ・ネットワークを用いて相互接続され、
会議開始ルーム・コントローラを構成し、該構成は、相互接続されるべき選択されたセットの場所の指示を提供することを含み、
該会議開始ルーム・コントローラは、データ・ネットワークを用いて相互接続されるべき選択されたセットの場所の内の各場所と関連した、対応の少なくとも1つのローカル・エンコーダと、対応の少なくとも1つのローカル・デコーダと、の内の少なくとも1つの指示を受信し、
選択されたセットの場所のコントローラの各々に対して、利用可能な対応の少なくとも1つのローカル・エンコーダ及び利用可能な対応の少なくとも1つのデコーダ間で適切なポイントツーポイント・ネットワーク構成を決定し、
選択されたセットの場所の各ルーム・コントローラに構成の少なくとも一部分を提供し、
選択されたセットの場所の各ルーム・コントローラは、構成に従ってそれらのそれぞれのローカル・エンコーダ及びデコーダの少なくとも1つを構成し、そして
適切なポイントツーポイント・ネットワーク構成に従ってビデオ会議を創設する、
ようにした方法。
【請求項2】
ポイントツーポイント・ネットワーク構成は、選択されたセットの場所の各場所間でのメディア・ストリームの通信及び創設を支援するためのメッシュ・ネットワークを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ポイントツーポイント・ネットワーク構成は、会議開始ルーム・コントローラ及び選択されたセットの場所の各場所間でのメディア・ストリームの通信及び創設を支援するためのスター・ネットワークを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
会議開始ルーム・コントローラに会議状況指示を報告し戻すことをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
各ルーム・コントローラへの構成の少なくとも一部分の提供は、会議開始ルーム・コントローラによって行われる請求項1に記載の方法。
【請求項6】
会議を非接続とするための要求を検出し、そして
非接続とするための要求を受信すると、会議を非接続として関連のルーム・コントローラを解放する、
ことをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
データ・ネットワークはインターネットであり、ルーム・コントローラは、情報伝達通信プロトコルを用いて相互接続される請求項1に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのローカル・エンコーダは、対応の視聴覚装置から入って来るメディア・ストリームを、インターネット・プロトコルをベースにしたメディア・ストリームにエンコーディングし、そして少なくとも1つのローカル・デコーダは、入って来るインターネット・プロトコルをベースにしたメディア・ストリームを、対応の視聴覚装置に提供される出力メディア・ストリームにデコーディングする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
データ・ネットワークと相互接続される複数の場所間でマルチストリームのビデオ会議を創設するためのシステムであって、
少なくとも1つの他の場所に向かって対応の視聴覚信号を流すための複数の場所の内の対応の1つと各々がそれぞれ関連している複数のローカル・エンコーディング手段であって該エンコーディング手段の各々は、関連の場所の利用可能な構成に関する第1の構成指示を提供する前記ローカル・エンコーディング手段と、
もう1つの場所からの入って来る視聴覚ストリームを処理するための複数の場所の内の対応の1つと各々がそれぞれ関連している複数のローカル・デコーディング手段であって、該デコーディング手段の各々は、関連の場所の利用可能な構成に関する第2の構成指示を提供する前記ローカル・デコーディング手段と、
複数のルーム・コントローラであって、該コントローラの対応の1つは、それぞれ各対応の場所と関連しており、前記複数のルーム・コントローラは、相互接続されるべき選択されたセットの場所の指示を受信するよう適合された、かつ関連の場所の構成指示を受信するよう選択された場所の各々と関連したエンコーディング手段及びデコーディング手段の少なくとも1つと通信するよう適合された、会議開始ルーム・コントローラを含み、該会議開始ルーム・コントローラは、さらに、残りのルーム・コントローラの各々に構成の少なくとも部分を提供するための構成指示に基づいて適切なポイントツーポイント・ネットワーク構成を決定するよう適合され、ルーム・コントローラの各々は、適切なポイントツーポイント・ネットワーク構成に従ってビデオ会議を創設するよう、適切な構成に従って関連の場所の対応のローカル・エンコーディング手段及びデコーディング手段の内の少なくとも1つを制御するよう適合されている、複数のルーム・コントローラと、
を備えたシステム。
【請求項10】
前記データ・ネットワークは、インターネットを含む請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記エンコーディング手段は、それぞれの視聴覚装置と関連した少なくとも1つのエンコーダを含み、そして前記デコーディング手段は、それぞれの視聴覚装置と関連した少なくとも1つのデコーダを含む請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記会議開始ルーム・コントローラは、選択されたセットの場所の内の場所の1つと関連したコントローラの1つを含む請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
対応の場所と関連したルーム・コントローラ、エンコーディング手段及びデコーディング手段は、単一のユニットに一体化される請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
処理ユニットに請求項1の方法を行わせるためのコンピュータ読取り可能命令を含むコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項15】
前記コンピュータ読取り可能命令は、相互接続されるべき選択されたセットの場所の指示を受信するためのユーザ・インターフェースを提供する請求項14に記載のコンピュータ読取り可能媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−165107(P2009−165107A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−301650(P2008−301650)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(508349746)ハイヴィジョン・システムズ・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】