説明

複合ロープ構造体と、硬化済み複合ロープ構造体を製造するシステムおよび方法

【解決手段】 次の工程を有する、複合ロープ構造体を製造する方法。樹脂マトリックス内にファイバーを有する含浸ヤーンを、第1の場所で製造する。前記含浸ヤーンを、前記第1の場所から第2の場所まで輸送する。前記含浸ヤーンを、前記第2の場所で分配する。前記分配された含浸ヤーンの前記樹脂マトリックスを、前記第2の場所で硬化させて(キュアリングして)、前記複合ロープ構造体を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2007年5月18日付け出願済み米国仮特許出願第60/930,853号の優先権を主張するものであり、この内容は参照により本明細書に組み込まれるものである。
【0002】
本発明は、複合ロープ構造体に関し、特に硬化(キュアリング)した複合ロープ構造体を製造するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
2つの物体の間には、引張を伴ったロープ構造体の構成が必要になることが多い。所与のタイプのロープ構造体の特性がわかると、そのタイプのロープ構造体が特定の使用目的に適しているかどうかが決定する。ロープ構造体の特性としては、破壊強度、伸長度、柔軟性、重量、および耐摩耗性や摩擦係数などの表面特性などがある。また、加熱、冷却、水分、紫外線、摩耗などの環境要因も、ロープ構造体の特性に影響を及ぼす。
【0004】
そのため、ロープの使用目的により、一般にロープの各特性の許容範囲が決定される。本明細書でロープに適用される用語「破壊(failure)」は、少なくとも1つのロープ特性に伴う許容範囲を超えた条件下に置かれるロープに言及して使用される。
【0005】
これまで、複合ロープ構造体は、特定の環境向けに提案されてきている。複合ロープ構造体は、樹脂マトリックス(充填材)内に配置構成されたファイバー(繊維)を有する。その樹脂は、硬化(キュアリング)済みまたは未硬化の状態であってよい。未硬化の前記樹脂は塑性または可鍛性で、硬化済みの前記樹脂は柔軟性が失われており、硬化済み複合ロープ構造体は、比較的剛性である。
【0006】
複合ロープ構造体の特性が望ましい可能性のある環境の1つは、深海掘削システムである。以下、深海掘削システム用の係留システムの文脈で、本発明について説明するが、本発明の原理は、複合ロープ構造体の特性が望ましい可能性のある他の環境にも使用できる。
【0007】
このように、改善された複合ロープ構造体と、特に複合ロープ構造体を製造および配備するシステムおよび方法とが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の工程を有する複合ロープ構造製造方法として具体化(具現化)できる。樹脂マトリックス内にファイバーを有する含浸ヤーンを、第1の場所で製造する。前記含浸ヤーンを、前記第1の場所から第2の場所まで輸送する。前記含浸ヤーンを、前記第2の場所で分配する。前記分配された含浸ヤーンの前記樹脂マトリックスを、前記第2の場所で硬化させて(キュアリングして)、前記複合ロープ構造体を得る。
【0009】
また、本発明は、以下の工程を有する複合ロープ構造製造方法としても具体化(具現化)できる。樹脂マトリックス内にファイバーを有する含浸ヤーンを、第1の場所で製造する。複数のヤーンボビンに、前記含浸ヤーンを回収する。前記第1の場所で、前記複数のヤーンボビン上の前記含浸ヤーンを組み合わせて前記未硬化のストランドにする。複数のストランドボビンに、前記未硬化のストランドを回収する。前記第1の場所で、前記複数のストランドボビン上の前記未硬化のストランドを組み合わせて、未硬化のロープ構造体にする。ロープボビンに、前記未硬化のロープ構造体を回収する。前記第1の場所から第2の場所まで、前記ロープボビン上に回収された前記未硬化のロープ構造体を輸送する。前記ロープボビンから前記未硬化のロープ構造体を取り外すことにより、前記第2の場所で前記未硬化のロープ構造体を分配する。前記第2の場所で、前記樹脂マトリックスを硬化させて、前記複合ロープ構造体を得る。
【0010】
また、本発明は、複合ロープ構造体を製造するシステムとしても具体化(具現化)でき、当該システムは、加撚システムと、第1の剥離剤ステージと、第1の撚合(組み合わせ)システムと、第2の剥離剤ステージと、第2の撚合システムとを有する。前記加撚システムは、有撚含浸ヤーンを得るため、樹脂マトリックス内のファイバーを加撚する。前記第1の剥離剤ステージは、前記有撚含浸ヤーンに剥離剤を適用する。前記第1の撚合システムは、未硬化のストランドを得るため、有撚含浸ヤーンを組み合わせる。前記第2の剥離剤ステージは、前記未硬化のストランドに剥離剤を適用する。前記第2の撚合システムは、複合ロープを得るため、前記未硬化のストランドを組み合わせる。
【0011】
また、本発明は、複合ロープ構造体を配備するシステムとしても具体化(具現化)でき、当該システムは、ロープボビンと、加熱要素と、成形ダイ(成形金型)とを有する。前記ロープボビンは、ファイバーおよび樹脂マトリックスを有した未硬化のロープ構造体を支持する。前記加熱要素は、前記未硬化の樹脂マトリックスが硬化するよう、前記未硬化のロープ構造体を加熱する。前記成形ダイは、前記未硬化のロープ構造体に係合して、前記樹脂マトリックスが硬化する間、前記未硬化のロープ構造体を望ましい幾何学的形状に保つ。
【0012】
さらに、本発明は、複合ロープ構造体を製造および配備するシステムとしても具体化(具現化)でき、当該システムは、第1の場所にある製造システムと、第2の場所にある配備システムとを有する。前記製造システムは、加撚システムと、第1の撚合(組み合わせ)システムと、第2の撚合システムとを有する。前記加撚システムは、含浸ヤーンを得るため、樹脂マトリックス内のファイバーを加撚する。前記第1の撚合システムは、未硬化のストランドを得るため、未硬化のヤーンを組み合わせる。前記第2の撚合システムは、未硬化のロープを得るため、前記未硬化のストランドを組み合わせる。前記配備システムは、ロープボビンと、加熱要素と、成形ダイとを有する。前記ロープボビンは、ファイバーおよび樹脂マトリックスを有した未硬化のロープ構造体を支持する。前記加熱要素は、前記未硬化の樹脂マトリックスが硬化するよう、前記未硬化のロープ構造体を加熱する。前記成形ダイは、前記未硬化のロープ構造体に係合して、前記樹脂マトリックスが硬化する間、前記未硬化のロープ構造体を望ましい幾何学的形状に保つ。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の硬化済み複合ロープ構造体を使用した深海掘削システムのやや概略的な図である。
【図2】図2は、図1の前記深海掘削システムの一部のやや概略的な図であり、本発明の原理に基づき、前記未硬化の複合ロープ構造体を硬化するため使用される現地硬化システムをさらに示したものである。
【図3】図3は、図1および図2に示した前記硬化済み複合ロープ構造体を製造する工程の一部として使用される加撚システムの例の非常に概略的な図である。
【図4】図4は、図1および図2に示した前記硬化済み複合ロープ構造体を製造する工程の一部として使用できる第1の撚合(組み合わせ)システムの非常に概略的な図である。
【図5】図5は、図1および図2に示した前記硬化済み複合ロープ構造体を製造する工程の一部として使用できる第2の撚合システムの非常に概略的な図である。
【図6】図6は、図2に示した前記現地硬化システムの非常に概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず図1を参照すると、本発明の原理に基づいて製造された1若しくはそれ以上の硬化(キュアリング)済み複合ロープ構造体22を使用する深海掘削システム20が示されている。この深海掘削システム20自体は、本発明の一部ではなく、本明細書では、本発明の完全な理解を助けるため必要に応じて説明する。
【0015】
この深海掘削システム20は、海底38に連結された係留システム36により、海面34上の望ましい場所32に固定されたプラットフォーム30を有する。前記係留システム36は、前記プラットフォーム30から放射状に延びた複数の係留索40を有する。これらの係留索40は、前記海底38に打ち込まれた杭42に固定される。各係留索40は、引張がかかっている(緊張している)が、若干柔軟性があるため、前記プラットフォーム30と前記海底38との間で懸垂線を形成する。図1では係留索40を2本だけ示しているが、通常は、12本の錨索40が提供される。
【0016】
各錨索は、頂部50と、底部52と、中間部54とを有する。前記頂部50は、上方連結器アセンブリ56により前記中間部54に連結されており、前記底部52は、下方連結器アセンブリ58により前記中間部54に連結されている。この例示した係留システム36では、前記中間部54が、本発明の前記硬化済み複合ロープ構造体22により形成されている。
【0017】
ここで図2を参照すると、前記プラットフォーム30に支持された現地硬化システム60が示されている。この現地硬化システム60は、ロープボビン62および硬化アセンブリ64を有する。前記ロープボビン62は、未硬化の(または一部硬化済みの)複合ロープ構造体22aを格納する。この未硬化の複合ロープ構造体22aは、前記ロープボビン62から引き出され、前記硬化アセンブリ64内を通過して、前記硬化済み複合ロープ構造体22を形成する。
【0018】
以下さらに詳しく説明するように、本発明の複合ロープ構造体は、硬化済みの状態22でも、未硬化の状態22aでも、樹脂マトリックス(充填材)内に埋め込まれた複数のファイバー(繊維)を有する。本発明を連結して使用できる複合ロープ部材の例は、本出願人の同時係属米国特許出願第60/930,853号(ドケット番号第P215308号)および同時係属米国特許出願第60/931,089号(ドケット番号第P215422号)に説明されている。
【0019】
前記未硬化の状態22aにおいて、前記樹脂マトリックスは未硬化のため、可鍛性または塑性である。前記未硬化の複合ロープ構造体22aは柔軟で、前記ロープボビン62に巻きつけ、また当該ロープボビン62から引き出すことができる。前記硬化済みの状態22において、前記樹脂マトリックスは硬化しており、可鍛性または塑性が失われている。そのため、前記硬化済み複合ロープ構造体22は剛性で、前記ロープボビン62に巻きつけることはできない。
【0020】
前記プラットフォーム30上に前記硬化システム60を支持すると、前記未硬化の複合ロープ構造体22aを1若しくはそれ以上のロープボビン62に巻いた形態で格納および輸送することが可能になる。前記ロープボビン62を使うと、数千フィートの前記未硬化の複合ロープ構造体22aを、容易に扱える梱包状態で保持することができる。そして、図1および図2に示すように、前記未硬化の複合ロープ構造体22aの配備直前に、これを前記硬化アセンブリ64に通過させて硬化させ、比較的剛性の硬化済み複合ロープ構造体にする。このように、前記硬化済み複合ロープ構造体は、前記錨索40の1若しくはそれ以上の前記中間部54として機能するよう、設計することができる。
【0021】
ここで図3〜6を参照すると、未硬化の複合ロープ構造体22aの例を製造したのちその未硬化の複合ロープ構造体22aを硬化して前記硬化済み複合ロープ構造体22の例を形成する工程の一例が、詳細に説明されている。前記硬化済み複合ロープ構造体22の例を製造する工程は、図3に示す加撚工程と、図4に示す第1の撚合(組み合わせ)工程と、図5に示す第2の撚合工程と、図6に示す硬化工程とを有する。前記加撚工程、前記第1の撚合工程、および前記第2の撚合工程は、専用の製造施設で行われる一方、前記硬化工程は、例えば図2で示したように現地で行われる。
【0022】
まず図3を参照すると、含浸ヤーン122を加撚するための加撚システム120が示されている。当該含浸ヤーン122は、加撚されていない(無撚)状態では参照符号122aで、加撚された(有撚)状態では参照符号122bで、それぞれ識別される。図2〜6で使用された破線は、前記樹脂マトリックスが未硬化であることを示し、実線は、当該樹脂マトリックスが硬化済みであることを示す。
【0023】
これら含浸ヤーン122は、ファイバー(繊維)および樹脂を有した複合構造である。それらのファイバーは、主に引張荷重下における前記ヤーン122の強度特性をもたらす。前記樹脂は、前記ファイバーを取り囲むマトリックス材料(充填材料)を形成し、前記ファイバー間で負荷を伝達する。さらに、この樹脂マトリックスは、周囲環境から前記ファイバーを保護する。その例として、この樹脂マトリックスは、熱、摩耗、紫外線、および他の外的環境要因から前記ファイバーを保護するよう配合することができる。
【0024】
例示した前記含浸ヤーン122の前記樹脂部分は、未硬化の(キュアリングしていない)状態および硬化済みの状態で存在する。前記未硬化の状態において、前記樹脂材料は柔軟であるため、前記マトリックスは、前記含浸ヤーン122の曲げや加撚などを可能にする。一般に、前記樹脂マトリックスは、加熱すると硬化温度になるまでは塑性または可鍛性を増す。硬化温度を超えると、前記樹脂マトリックスは硬化し(キュアリングされ)、実質的により剛性になる。この樹脂マトリックスの特性は、最終的な複合ロープ構造体の製造上の利便性および/または意図された特定の作用(動作)環境に応じて調整できる。
【0025】
例示した前記含浸ヤーン122は、約90重量%のファイバーと、約10重量%の樹脂とを有する。前記ファイバーの割合は、当該ヤーンの重量に対し実質的に85%〜95%の第1の範囲であってよいが、いかなる場合も当該ヤーンの重量に対し実質的に70%〜98%の第2の範囲内にしなければならない。前記樹脂の割合は、当該ヤーンの重量に対し実質的に5%〜15%の第1の範囲であってよいが、いかなる場合も当該ヤーンの重量に対し実質的に1%〜30%の第2の範囲内にしなければならない。本発明の原理を実施するため、樹脂とファイバーの他の組み合わせを使用することも可能である。
【0026】
特に、前記含浸ヤーン122の別の実施例は、約80重量%のファイバーと、約20重量%の樹脂とを有する。前記ファイバーの割合は、当該ヤーンの重量に対し実質的に75%〜90%の第1の範囲であってよいが、いかなる場合も当該ヤーンの重量に対し実質的に50%〜95%の第2の範囲内にしなければならない。前記樹脂の割合は、当該ヤーンの重量に対し実質的に10%〜25%の第1の範囲であってよいが、いかなる場合も当該ヤーンの重量に対し実質的に5%〜50%の第2の範囲内にしなければならない。
【0027】
例示した前記ファイバーはガラス繊維であるが、炭素繊維(カーボンファイバー)、アラミド繊維、ポリエステル繊維、HMPE(超高分子量ポリエチレン)繊維、玄武岩繊維、ベクトラン(登録商標)繊維、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、PBI(ポリベンゾイミダゾール)繊維、およびセラミック繊維のうちの1つ、またはこれらの組み合わせであってもよい。前記樹脂は熱可塑性ポリウレタンであるが、他の熱可塑性材料、または熱可塑性および熱硬化性の樹脂系材料の組み合わせを使用してもよい。使用できる他の適切な熱可塑性材料には、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、PVC(ポリ塩化ビニル)およびそれらの混合物などがある。樹脂およびファイバー(繊維)の他の組成を使用しても、本発明の原理を実施することができる。
【0028】
例示した前記加撚システム120は、前記無撚含浸ヤーン122aを格納する第1のボビン124aと、前記有撚含浸ヤーン122bを格納する第2のボビン124bとを有する。前記無撚含浸ヤーン122aは、前記第1のボビン124aから引き出され、加撚されて、前記有撚含浸ヤーン122bとして前記第2のボビン124bに巻き取られる。
【0029】
この例示した加撚システム120では、前記第2のボビン124bが主回転軸Aに関し回転し、また前記含浸ヤーン122により画成される撚りの回転軸Bに関しても回転する。この第2のボビン124bの前記主軸Aおよび前記加撚軸Bに関する回転により、前記無撚含浸ヤーン122aは、前記有撚含浸ヤーン122bに変換されて、前記第2のボビン124bに巻き取られる。前記無撚含浸ヤーン122aを形成するファイバーは、実質的に直線状で平行である一方、前記有撚含浸ヤーン122bを形成するファイバーは、全体としてらせん状の構成になる。
【0030】
前記無撚含浸ヤーン122aは、室温で加撚することができる。ただし、この加撚工程を容易にするため、当該加撚システム120は、さらに任意選択で、前記無撚含浸ヤーン122aの加撚前および/または加撚後に、当該無撚含浸ヤーン122aを加熱する加熱ステージ126を有する。前記加熱ステージ126は、前記無撚含浸ヤーン122aの樹脂マトリックスを、当該樹脂マトリックスの硬化温度未満の高温に加熱する。
【0031】
前記無撚含浸ヤーン122aのマトリックス部分を形成している樹脂を軟化させることにより、前記ファイバーは、より容易に前記実質的にらせん状の構成へと加撚することができる。また、加撚前、加撚中、および/または加撚後に加熱したのち、冷却することにより、前記有撚含浸ヤーン122bの樹脂マトリックス部分が、前記ファイバーを実質的にらせん状の構成に保つ可能性は高まる。
【0032】
例示した前記加撚システム120は、さらに任意選択で、前記有撚含浸ヤーン122bが前記第2のボビン124bに巻き取られる際、当該有撚含浸ヤーン122bに剥離剤を適用する剥離剤ステージ128を有する。前記剥離剤またはそれと同様な化学物質は、前記有撚含浸ヤーンが高温で結合しあうのを防ぎ、またはその後、後述するように前記有撚含浸ヤーン122bと他のロープ構成要素とを組み合わせる際の硬化時に前記有撚含浸ヤーンが結合しあうのを防ぐ上で役立つ。
【0033】
図4は、複数の未硬化の有撚含浸ヤーン122bを1本の未硬化のストランド132へと組み合わせる第1の撚合(組み合わせ)システム130を例示したものである。この例示したストランド132は、1×7構成と呼ぶ態様で、7本の有撚含浸ヤーン122bを有する。ただし、これら有撚含浸ヤーン122bは、これより少数または多数のヤーンを使って、また1×7構成以外の組み合わせ構成で組み合わせることもできる。
【0034】
例示した前記ストランド132を形成するには、第1の回転部アセンブリ134で、前記第2のボビン124bを7つ支持する。前記第1の回転部アセンブリ134は、従来のものであり、または従来のものであってよく、本明細書では、単に本発明の完全な理解を助けるため必要に応じて説明する。例示した前記第1の回転部アセンブリ134は、中央ボビン取り付け部136と、6つの外周ボビン取り付け部138とを有する。前記中央ボビン取り付け部136上には、前記第2のボビン124bを取り付けて支持し、当該第2のボビン124bをその主軸Aに関し回転させることができる。前記外周ボビン取り付け部138は、前記第2のボビン124bを支持し、これらを各々の主軸Aに関し回転させる。
【0035】
さらに、当該外周ボビン取り付け部138は、前記第2のボビン124bを支持し、それら第2のボビン124bを、前記第1の回転部アセンブリ134により画成されるシステム軸Cに関し一体的に回転させる。前記中央ボビン取り付け部136は、当該中央ボビン取り付け部136の支持する前記第2のボビン124bが、前記外周ボビン取り付け部138の支持する前記第2のボビン124bとともに、前記システム軸Cに関し回転するよう、前記外周ボビン取り付け部138を使って支持することができる。あるいは、前記中央ボビン取り付け部136は、当該中央ボビン取り付け部136の支持する前記第2のボビン124bが、その主軸Aだけに関し回転し、前記システム軸Cに関しては回転しないよう、前記外周ボビン取り付け部138とは無関係に支持することができる。
【0036】
前記有撚含浸ヤーン122bが前記第1の回転部アセンブリ134から引き出されるに伴い、前記外周ボビン取り付け部138の前記第2のボビン124bから引き出された前記有撚含浸ヤーン122bは、前記中央ボビン取り付け部136の前記第2のボビン取り付け部124bから引き出された前記有撚含浸ヤーン122bと組み合わされて、前記ストランド132を形成する。この例示したシステム130では、前記ストランド132がストランドボビン140に巻き取られる。
【0037】
前記中央ボビン取り付け部136の前記第2のボビン取り付け部124bから引き出された前記有撚含浸ヤーン122bは、前記ストランド132のコア含浸ヤーンを形成する。このコア含浸ヤーン中のファイバーは、前記加撚システム120で生成された実質的にらせん状の構成を保つ。コアヤーンの周囲の前記有撚含浸ヤーン122bは、外周ヤーンと呼ばれる。これら外周ヤーン中のファイバーは、前記加撚システム120で生成された前記実質的にらせん状の構成を保つが、前記コアヤーンを中心とした二次的ならせん状の構成も有する。これにより、当該外周ヤーン中のファイバーは、実質的に二重らせん状の構成を有する。
【0038】
前記有撚含浸ヤーン122bは、室温で組み合わせて前記ストランド132を形成することができる。ただし、この組み合わせ工程を容易にするため、当該第1の撚合システム130は、さらに任意選択で、前記無撚含浸ヤーン122aの加撚前および/または加撚後に、当該無撚含浸ヤーン122aを加熱する加熱ステージ142を有する。この加熱ステージ142は、前記有撚含浸ヤーン122bの樹脂マトリックスを、当該樹脂マトリックスの硬化温度未満の高温に加熱する。
【0039】
前記有撚含浸ヤーン122bのマトリックス部分を形成している樹脂を軟化させることにより、前記有撚含浸ヤーン122bは、前記コアヤーンのファイバーが実質的にらせん状構成で、かつ前記外周ヤーンのファイバーが実質的に二重らせん状構成に維持された状態で、前記ストランド132に組み入れることがより容易になる。また、加撚前、加撚中、および/または加撚後に加熱したのち、冷却することにより、前記有撚含浸ヤーン122bの樹脂マトリックス部分が、前記コア含浸ヤーンのファイバーをらせん状の構成に保ち、前記外周含浸ヤーンのファイバーを実質的に二重らせん状の構成に保つ可能性は高まる。
【0040】
例示した前記撚合システム130は、さらに任意選択で、前記ストランド132が前記ストランドボビン140に巻き取られる際、前記ストランド132に剥離剤を適用する剥離剤ステージ144を有する。前記剥離剤またはそれと同様な化学物質は、前記ストランド132が高温で結合しあうのを防ぎ、またはその後、後述するように前記ストランド132と他のロープ構成要素とを組み合わせる際の硬化時に前記ストランド132が結合しあうのを防ぐ上で役立つ。
【0041】
例示した前記第2の撚合システム130は、さらに、任意選択の成形ダイ(成形金型)146を有する。この成形ダイ146は、端部が加撚および結合(接合)される箇所に配置される。
【0042】
図5は、複数のストランド132を1本のロープ構造体152へと組み合わせる第2の撚合(組み合わせ)システム150を例示したものである。この例示したロープ構造体152は、7×7構成と呼ぶ態様で、7本のストランド132を有する。ただし、これらのストランド132は、これより少数または多数のヤーンおよび/またはストランドを使って、また7×7構成以外の組み合わせ構成で組み合わせることもできる。
【0043】
例示した前記ロープ構造体152を形成するには、第2の回転部アセンブリ154で、前記ストランドボビン140を7つ支持する。前記第2の回転部アセンブリ154は、従来のものであり、または従来のものであってよく、本明細書では、単に本発明の完全な理解を助けるため必要に応じて説明する。例示した前記第2の回転部アセンブリ154は、中央ボビン取り付け部156と、6つの外周ボビン取り付け部158とを有する。前記中央ボビン取り付け部156上には、前記ストランドボビン140を取り付けて支持し、当該ストランドボビン140をその主軸に関し回転させることができる。前記外周ボビン取り付け部158は、前記ストランドボビン140を支持し、これらを各々の主軸に関し回転させる。
【0044】
さらに、当該外周ボビン取り付け部158は、前記ストランドボビン140を支持し、それら前記ストランドボビン140を、前記第2の回転部アセンブリ154により画成されるシステム軸Dに関し一体的に回転させる。前記中央ボビン取り付け部156は、当該中央ボビン取り付け部156の支持する前記ストランドボビン140が、前記外周ボビン取り付け部158の支持する前記ストランドボビン140とともに、前記システム軸Dに関し回転するよう、前記外周ボビン取り付け部158を使って支持することができる。あるいは、前記中央ボビン取り付け部156は、当該中央ボビン取り付け部156の支持する前記ストランドボビン140が、その主軸Aだけに関し回転し、前記システム軸Dに関しては回転しないよう、前記外周ボビン取り付け部158とは無関係に支持することができる。
【0045】
前記ストランド132が前記第2の回転部アセンブリ154から引き出されるに伴い、前記外周ボビン取り付け部158の前記ストランドボビン140から引き出された前記ストランド132は、前記中央ボビン取り付け部156の前記ストランドボビン140から引き出された前記有撚含浸ストランド132と組み合わされて、前記ロープ構造体152を形成する。この例示したシステム130では、前記ロープ構造体152がロープボビン62に巻き取られる。
【0046】
前記中央ボビン取り付け部156の前記ストランドボビン140から引き出された前記ストランド132は、前記ロープ構造体152のコアストランドを形成する。前記コアストランド内のファイバーは、前記第1の撚合システム130により生成された形状を保つ。前記コアストランドの周囲の前記ストランド132は、外周ストランドと呼ばれる。これら外周ストランドの外周ヤーン中のファイバーは、前記第1の撚合システム130で生成された形状を保つが、前記コアストランドを中心とした三次的ならせん状の構成も有する。これにより、当該外周ヤーン中のファイバーは、実質的に三重らせん状の構成を有する。
【0047】
前記ストランド132は、室温で組み合わせて前記ロープ構造体152を形成することができる。ただし、この組み合わせ工程を容易にするため、当該第2の撚合システム150は、さらに任意選択で、前記ストランド132が組み合わされる前および/または後で、当該ストランド132を加熱する加熱ステージ162を有する。この加熱ステージ162は、前記ストランド132の樹脂マトリックスを、当該樹脂マトリックスの硬化温度より低い高温に加熱する。
【0048】
前記ストランド132のマトリックス部分を形成している樹脂を軟化させることにより、当該ストランド132は、そのファイバーが適切ならせん状の構成を維持した状態で、より容易に組み合わせることができる。また、加撚前、加撚中、および/または加撚後に加熱したのち、冷却することにより、前記ストランド132の樹脂マトリックス部分が、前記ファイバーを前記適切ならせん状の構成に保つ可能性は高まる。
【0049】
例示した前記第2の撚合システム150は、さらに、任意選択の成形ダイ(成形金型)164を有する。この成形ダイ164は、端部が加撚および結合(接合)される箇所に配置される。
【0050】
ここで図6を参照すると、図2を参照して上述した前記現地硬化システム60がより詳しく示されている。この現地硬化システム60については、深海掘削システム20に使用する錨索を配備する文脈で上記説明したが、この現地硬化システムを使用すると、他の環境、他の目的、および他の場所で、硬化済み複合ロープ構造体を配備することができる。
【0051】
この例示した硬化アセンブリ64は、送り込みローラー170と、加熱要素172と、中間ローラー174と、成形ダイ(成形金型)176と、送り出しローラー178とを有する態様で示されている。
【0052】
前記ロープボビン62から引き出された前記未硬化の複合ロープ構造体22aは、まず前記送り込みローラー170を通過する。この送り込みローラー170は、前記ロープボビン62から引き出された前記未硬化の複合ロープ構造体22aを支持し、誘導する。
【0053】
次に、前記未硬化の複合ロープ構造体22aは、前記加熱要素172へ送られ、これを通過する。前記加熱要素172は、通常、前記未硬化のロープ構造体22aの樹脂マトリックスの温度を、当該樹脂マトリックスの硬化温度を超えて上昇させることのできる細長いオーブンである。この加熱要素172は、前記樹脂マトリックスの硬化に影響を及ぼす圧力および/または他の環境要因を制御することができる。
【0054】
前記未硬化のロープ構造体22aが前記加熱要素172を離れるまでには、前記樹脂マトリックスが、その硬化温度を超えて加熱されており、当該樹脂マトリックスの硬化を生じる化学過程が開始している。前記樹脂マトリックスが完全に硬化するには、若干の時間が必要となる。そのため、前記複合ロープ構造体22aは、図6において前記加熱要素172を離れる時点でも、前記未硬化の状態であると識別される。
【0055】
前記加熱要素172を離れた前記未硬化の複合ロープ構造体22aは、前記中間ローラー174を通過して、その方向を変える。図6に示した例では、まだ未硬化の複合ロープ構造体22aは、成形ダイ176を通過して送られ、この成形ダイ176により、前記樹脂マトリックスが完全に硬化するまでの間、望ましい幾何学的形状に保たれ、望ましい方向へ送られる。前記複合ロープ構造体は、前記成形ダイ176を通過した後、図の実線で示すように、硬化済みの状態となっている。この硬化済み複合ロープ構造体22は、前記硬化アセンブリ64から送り出され配備される際、送り出しローラー178により支持される。
【0056】
以上を考慮すると、本発明は、上記以外の形態で具体化(具現化)できることが明確に理解されるべきである。本発明の範囲は、本発明の例に関する前述の詳細な説明ではなく、本明細書に添付された請求項を参照して決定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合ロープ構造体を製造する方法であって、
第1の場所で、ファイバー(繊維)を有する含浸ヤーンを樹脂マトリックス(充填材)内に製造する工程と、
前記第1の場所から第2の場所まで前記含浸ヤーンを輸送する工程と、
前記第2の場所で、前記含浸ヤーンを分配する工程と、
前記第2の場所で、前記分配された含浸ヤーンの前記樹脂マトリックスを硬化(キュアリング)させて前記複合ロープ構造体を生成するものである硬化させる工程と、
を有する方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、この方法は、さらに、
前記第1の場所で、前記含浸ヤーンを組み合わせて未硬化の(キュアリングしていない)ストランドにするものである組み合わせる工程
を有し、
前記含浸ヤーンを輸送する工程は、前記第1の場所から前記第2の場所まで前記未硬化のストランドを輸送する工程を有するものである。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、この方法は、さらに、
前記第1の場所で、前記未硬化のストランドを組み合わせて未硬化のロープ構造体にするものである組み合わせる工程
を有し、
前記含浸ヤーンを輸送する工程は、前記第1の場所から前記第2の場所まで前記未硬化のロープ構造体を輸送する工程を有するものである。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、この方法は、さらに、
前記含浸ヤーンの前記樹脂マトリックス内の前記ファイバーを加撚する工程を有するものである。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、 この方法は、さらに、
前記含浸ヤーンを加熱する工程を有するものである。
【請求項6】
請求項4記載の方法において、この方法は、さらに、
前記含浸ヤーンを加熱して前記樹脂マトリックス内の前記ファイバーの加撚を促進するものである加熱する工程を有するものである。
【請求項7】
請求項2記載の方法において、この方法は、さらに、
前記含浸ヤーンを加熱して前記含浸ヤーンの組み合わせを前記未硬化のストランドにするのを促進させるものである加熱する工程を有するものである。
【請求項8】
請求項3記載の方法において、この方法は、さらに、
前記含浸ヤーンを加熱して前記含浸ヤーンの組み合わせを前記未硬化のストランドにするのを促進させるものである加熱する工程と、
前記未硬化のストランドを加熱して前記未硬化のストランドの組み合わせを前記未硬化のロープ構造体にするのを促進させるものである加熱する工程と
を有するものである。
【請求項9】
請求項1記載の方法において、この方法は、さらに、
前記未硬化のヤーンに剥離剤を適用する工程を有するものである。
【請求項10】
請求項2記載の方法において、この方法は、さらに、
前記含浸ヤーンに剥離剤を適用する工程と、
前記未硬化のストランドに剥離剤を適用する工程と
を有するものである。
【請求項11】
請求項1記載の方法において、前記未硬化のロープ構造体を硬化させる工程は、当該未硬化のロープ構造体を加熱する工程を有するものである。
【請求項12】
請求項1記載の方法において、この方法は、さらに、
前記未硬化のロープ構造体を成形する工程を有するものである。
【請求項13】
請求項1記載の方法において、この方法は、さらに、
少なくとも1つのヤーンボビンに、前記含浸ヤーンを回収する工程を有するものである。
【請求項14】
請求項2記載の方法において、この方法は、さらに、
少なくとも1つのヤーンボビンに、前記含浸ヤーンを回収する工程と、
少なくとも1つのストランドボビンに、前記未硬化のストランドを回収する工程と
を有するものである。
【請求項15】
請求項3記載の方法において、この方法は、さらに、
少なくとも1つのヤーンボビンに、前記含浸ヤーンを回収する工程と、
少なくとも1つのストランドボビンに、前記未硬化のストランドを回収する工程と、
少なくとも1つのロープボビンに、前記未硬化のロープ構造体を回収する工程と
を有するものである。
【請求項16】
請求項15記載の方法において、前記第1の場所から前記第2の場所まで前記含浸ヤーンを輸送する工程は、前記第1の場所から前記第2の場所まで、前記少なくとも1つのロープボビンに回収された前記未硬化のロープ構造体を輸送する工程を有するものである。
【請求項17】
複合ロープ構造体を製造する方法であって、
第1の場所で、ファイバーを有する含浸ヤーンを樹脂マトリックス内に製造する工程と、
複数のヤーンボビンに、前記含浸ヤーンを回収する工程と、
前記第1の場所で、前記複数のヤーンボビン上の前記含浸ヤーンを組み合わせて前記未硬化のストランドを生成するものである組み合わせる工程と、
複数のストランドボビンに、前記未硬化のストランドを回収する工程と、
前記第1の場所で、前記複数のヤーンボビン上の前記未硬化のストランドを組み合わせて未硬化のロープ構造体を生成するものである組み合わせる工程と、
1つのロープボビンに、前記未硬化のロープ構造体を回収する工程と、
前記第1の場所から第2の場所まで、前記ロープボビン上に回収された前記未硬化のロープ構造体を輸送する工程と、
前記第2の場所で、前記ロープボビンから前記未硬化のロープ構造体を取り外すことにより前記未硬化のロープ構造体を分配する工程と、
前記第2の場所で、前記樹脂マトリックスを硬化させて前記複合ロープ構造体を生成するものである硬化させる工程と
を有する方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法において、この方法は、さらに、
前記含浸ヤーンを加熱させて前記含浸ヤーンの前記樹脂マトリックスを軟化させるものである加熱させる工程と、
前記含浸ヤーンの軟化した樹脂マトリックス内の前記ファイバーを加撚する工程と、
前記含浸ヤーンを加熱して前記含浸ヤーンの組み合わせを前記未硬化のストランドにするのを促進させるものである加熱する工程と、
前記未硬化のストランドを加熱して前記未硬化のストランドの組み合わせを前記未硬化のロープ構造体にするのを促進させるものである加熱する工程と
を有するものである。
【請求項19】
請求項2記載の方法において、この方法は、さらに、
前記含浸ヤーンに剥離剤を適用する工程と、
前記未硬化のストランドに剥離剤を適用する工程と
を有するものである。
【請求項20】
請求項17記載の方法において、前記未硬化のロープ構造体を硬化させる工程は、当該未硬化のロープ構造体を加熱する工程を有するものである。
【請求項21】
請求項17記載の方法において、この方法は、さらに、
前記未硬化のロープ構造体を成形する工程を有するものである。
【請求項22】
複合ロープ構造体を製造するシステムであって、
樹脂マトリックス内のファイバーを加撚して有撚含浸ヤーンを生成する加撚システムと、
前記有撚含浸ヤーンに剥離剤を適用する第1の剥離剤ステージと、
前記有撚含浸ヤーンを組み合わせて未硬化のストランドを生成する第1の撚合(組み合わせ)システムと、
前記未硬化のストランドに剥離剤を適用する第2の剥離剤ステージと、
前記未硬化のストランドを組み合わせて未硬化の複合ロープを生成する第2の撚合(組み合わせ)システムと
を有する複合ロープ構造体の製造システム。
【請求項23】
請求項22記載の製造システムにおいて、前記加撚システムは、
無撚含浸ヤーンを格納する第1のボビンと、
前記無撚含浸ヤーンを加熱する加熱ステージと、
前記有撚含浸ヤーンを回収するヤーンボビンであって、撚りの回転軸の回りで回転して前記樹脂マトリックス内の前記ファイバーを加撚するものである前記ヤーンボビンと
を有するものである。
【請求項24】
請求項22記載の製造システムにおいて、前記第1の撚合システムは、
複数のヤーンボビンと、
加熱要素と、
第1の成形ダイ(成形金型)と、
ストランドボビンと
を有し、
前記複数のヤーンボビンは第1のシステム軸の回りを回転し、前記複数の含浸ヤーンを組み合わせて前記未硬化のストランドにするものであり、
前記第1の成形ダイは、前記未硬化のストランドを成形し、
前記ストランドボビンは、前記未硬化のストランドを回収するものである。
【請求項25】
請求項22記載の製造システムにおいて、前記第2の撚合システムは、
複数のストランドボビンと、
加熱要素と、
第2の成形ダイと、
ロープボビンと
を有し、
前記複数のストランドボビンは第2のシステム軸の回りを回転し、前記複数の未硬化のストランドを組み合わせて前記未硬化のロープ構造体にするものであり、
前記第2の成形ダイは、前記未硬化のロープ構造体を成形し、
前記ロープボビンは、前記未硬化のロープ構造体を回収するものである。
【請求項26】
複合ロープ構造体を配備するシステムであって、
ファイバーと樹脂マトリックスとを有した未硬化のロープ構造体を支持するロープボビンと、
加熱要素と、
成形ダイと
を有し、
前記加熱要素は、前記未硬化のロープ構造体を加熱して前記未硬化の樹脂マトリックスを硬化させ、
前記成形ダイは、前記未硬化のロープ構造体と係合して、前記樹脂マトリックスが硬化する間前記未硬化のロープ構造体を望ましい幾何学的形状に保つものである
複合ロープ構造体の配備システム。
【請求項27】
請求項26記載の配備システムにおいて、この装置は、さらに、
前記ロープボビンから前記加熱要素へ延在する前記未硬化のロープ構造体を支持するように配置された、少なくとも1つの送り込みローラーと、
前記加熱要素から前記成形ダイへ延在する前記未硬化のロープ構造体を支持するように配置された、少なくとも1つの中間ローラーと、
前記成形ダイを出る前記未硬化のロープ構造体を支持するように配置された、少なくとも1つの送り出しローラーと
を有するものである。
【請求項28】
複合ロープ構造体を製造および配備するシステムであって、
第1の場所にある製造システムであって、
樹脂マトリックス内のファイバーを加撚して含浸ヤーンを生成する加撚システムと、
前記含浸ヤーンを組み合わせて未硬化のストランドを生成する第1の撚合(組み合わせ)システムと、
得前記未硬化のストランドを組み合わせて未硬化の複合ロープを生成する第2の撚合(組み合わせ)システムと
を有する前記製造システムと、
第2の場所にある配備システムであって、
ファイバーと樹脂マトリックスとを有した未硬化のロープ構造体を支持するロープボビンと、
加熱要素と、
成形ダイと
を有し、
前記加熱要素は、前記未硬化のロープ構造体を加熱して前記未硬化の樹脂マトリックスを硬化させ、
前記成形ダイは、前記未硬化のロープ構造体と係合して、前記樹脂マトリックスが硬化する間前記未硬化のロープ構造体を望ましい幾何学的形状に保つものである
前記配備システムと
を有する複合ロープ構造体の製造および配備システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−532825(P2010−532825A)
【公表日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509358(P2010−509358)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/006421
【国際公開番号】WO2008/144046
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(509179696)サムソン ロープ テクノロジーズ (4)
【出願人】(310018560)
【Fターム(参考)】