説明

複合材料におけるまたはそれに関係する改良

対面する材料の2層間にサンドイッチされたエポキシ発泡体を含む、高曲げ強度を持つ軽量複合物は、高強度および低重量を持ち、鋼鉄構造体を代替するために使用されることができる。対面層は繊維状物質、特にガラス繊維または炭素繊維であることができ、対面材料は好ましくはエポキシマトリックス中に埋め込まれる。あるいは、これらは、相対応する箱構造体または同心の金属管であることができる。該繊維を敷き、該層をエポキシ樹脂で被覆しおよび/または含浸し、熱活性化可能な発泡性エポキシ物質の層を置き、任意的にエポキシ樹脂で被覆されおよび/または含浸された、繊維状物質のさらなる層を該発泡性材料の上に施与し、そして加熱して、該エポキシ物質を発泡し硬化することによって、サンドイッチ構造体は調製されることができる。あるいは、両表面層間に発泡性材料を押出すことによって、該構造体は形成されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された層状複合物構造体、およびその製造方法に関する。特に、本発明は、高強度軽重量の剛直な複合材料、およびその製造方法に関する。本発明はさらに、このような複合物からの高強度軽重量物品の製造方法に関する。高強度が要求される構造体には、鋼鉄が典型的には使用される。しかし、鋼鉄は重くなりがちであり、したがって物品に過剰な重量を加える。鋼鉄よりも強い、いくつかの軽重量の材料があるけれども、これらは極めて高価である。
【0002】
本発明の軽量で剛直な複合物は、輸送産業における、たとえば自動車、飛行機および船舶産業における材料として特に有用であり、これらの産業においては金属およびガラス強化プラスチック物品、たとえばパネルおよび強化材を、該複合物が代替するために使用されることができることを、本発明者らは発見した。近年、伝統的な鋼鉄部品を、同等の強度でより軽い材料、たとえばアルミニウム、繊維強化ポリマー材料、発泡体材料および複合物、特に発泡層を含有する複合物で代替する傾向があった。しかし、増加された強度および低減された重量の材料への継続的なニーズが存在する。
【0003】
軽量とともに高強度が要求されるさらなる用途で、本発明の複合物は、非常に多様な使われ方がされ、特に、そのことは、鋼鉄と比較して同等のまたは改善された強度を持つ、安価な軽量材料を提供することができる。鋼鉄が使用されてきた用途、たとえば建設およびあらゆる形態の輸送で採用される金属管、金属構造体に、該複合物は特に有用である。加えて、より軽い材料、たとえばアルミニウムが使用されている物品の強度を改善するために該構造体は使用されることができる。他の使用先は、スポーツ用品、たとえばスキーおよびインラインスケートの製造における、並びに家具の製造における素材料としてのものを包含する。
【0004】
材料に要求される強度は、それが置かれることになる使用先に依存するだろう。たとえば、重要な特性は、ASTM D790/ISO 178規格によって測定される高い引張強度および高い曲げ弾性率でありえ、あるいは、耐衝撃性、圧縮強度またはねじり強度でありえ、またある使用先では、これらの特性の組み合わせが要求されることがある。
【背景技術】
【0005】
剛直なエポキシ発泡体の1層を取り囲む少なくとも2の表面層からなる複合物サンドイッチ構造体から、特に望ましい特性および特に低重量と高強度と剛性との組み合わせが得られることができることを、本発明者らは発見した。
【0006】
発泡体のコアを持つ複合物サンドイッチ構造物は知られており、重量への配慮から導かれる有利点とともに有意の強度および剛性を持つ材料として提案されてきた。たとえば、日本国の特許出願公開公報、特開昭58−049223号の要約は、2の金属板の間にサンドイッチされたエポキシ発泡体を含むサンドイッチ構造体を開示する。S.VenkatramanおよびKishoreによる2論文、Journal of Reinforced Plastics and Composites誌、第16巻、第7号/1997年の第1報およびJournal of Reinforced Plastics and Composites誌、第17巻、第8号/1998年の第2報は、ガラス−エポキシ樹脂材料の2の厚い層の間にサンドイッチされた可撓性発泡体の1の薄い層を含む複合物を開示する。これらの論文の第1報は、ガラス/エポキシ積層物についての衝撃の研究に関し、第2報は、繰り返し衝撃を受けたガラス−エポキシ複合物の破壊における発泡体層の役割についての検討に関する。両論文において、可撓性エポキシ発泡体の層は、予め発泡された可撓性の層として施与され、ガラス/エポキシ層に接着剤によって接着されている。可撓性発泡体のシート層が衝撃の方向に関して配置される様式が、繰り返し衝撃後の亀裂進路の広がりに影響すると、後者の論文は結論する。
【0007】
米国特許第3598671号は、発泡体プラスチック積層化構造体を調製する方法において、発泡体形成材料の少なくとも1の成分が、ベース材料の1のシートの表面上にコーティングとして施与される、上記方法を開示する。発泡体形成材料のさらなる成分が、ベース材料のもう1つのシートの表面上にコーティングとして施与される。次に両シートは一緒にされ、その結果、発泡体形成材料の両成分が一緒にされ、その結果、それらは発泡し、そして発泡されたコアプラスチック積層化構造体を生成する。それぞれ約1/8インチ(3.18ミリメートル)厚さの繊維ガラスの2層間にサンドイッチされた1/4インチ(6.35ミリメートル)厚さのエポキシ発泡体の1層を含む、そのような積層物を、米国特許第3598671号の実施例2は製造する。したがって、繊維ガラスの2層の合計厚さは、発泡体の厚さと実質的に同じである。該発泡体はまた、1平方フィート当たり7.5ポンド(36600グラム/平方メートル)の密度を持ち、極めて重い。したがって、米国特許第3598671号は、本発明の高強度軽量材料を意図していない。
【0008】
熱活性化可能な発泡性エポキシ物質は知られており、自動車の構造強化材の製造に使用されている。たとえば、発泡性材料が金属またはプラスチックの担体の表面に施与されて、強化を必要とする乗物構造体の一部の中に挿入される部品を製造することができる。乗物構造体の金属表面へ防食コーティングを施与するために使用される電着塗装(e−コート)法で、または任意の他の塗装作業で、広く行われている条件下に発泡するように、熱活性化可能な発泡性エポキシ物質は配合されることができる。このような発泡性エポキシ物質およびその使用方法は、米国特許第4922596号、4978562号、5124186号および5884960号に記載されている。
【特許文献1】特開昭58−049223号公報
【特許文献2】米国特許第3598671号公報
【特許文献3】米国特許第4922596号公報
【特許文献4】米国特許第4978562号公報
【特許文献5】米国特許第5124186号公報
【特許文献6】米国特許第5884960号公報
【非特許文献1】S.VenkatramanおよびKishore著、Journal of Reinforced Plastics and Composites誌、第16巻、No.7/1997年
【非特許文献2】S.VenkatramanおよびKishore著、Journal of Reinforced Plastics and Composites誌、第17巻、No.8/1998年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
改良された軽量高強度複合材料が、このタイプの発泡性エポキシ物質から得られることができることを、本発明者らは今発見した。米国特許出願公開第09/939152号は、金属パネル、ロービングクロスを含み、かつエポキシ発泡体であってもよいマトリックス材料の1面に結合された、構造的に強化されたパネルを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、剛直なエポキシ発泡体の1の中央層に付着された少なくとも2の表面層を含むサンドイッチ構造体を含む複合物であって、エポキシ発泡体の層が、該2の表面層の合計厚さの少なくとも1.5倍であり、かつ発泡体が0.2〜1.5グラム/cc、好ましくは0.4〜1.5グラム/ccの密度を持つ、上記複合物を、本発明は提供する。特に、発泡体が0.3〜0.6グラム/ccの密度を持つことを、本発明者らは好む。
【0011】
さらなる実施態様では、各層が0.2〜10ミリメートルの厚さを持つ少なくとも2の表面層および2〜200ミリメートルの厚さを持つ剛直なエポキシ発泡体の1のコア層を含む複合物を、本発明は提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のさらなる実施態様では、本発明の複合物は、0.1〜2.0グラム/cc、好ましくは0.1〜1.0グラム/ccの範囲の密度を持ち、該密度は表面層に使用された材料の性質に依存する。他の実施態様では、5〜8ミリメートル厚さである本発明の複合物は、100mPa〜700mPa、好ましくは200mPa、より好ましくは200mPa〜700mPaの、ASTM D790/ISO 178規格によって測定された曲げ弾性率を持つ。
【0013】
本発明の複合物の好まれる表面層は、任意の適当な材料であることができる。好適な材料の例は、金属、たとえばアルミニウム箔または鋼鉄箔のような金属箔、プラスチックフィルムまたはシート、たとえばポリプロピレンフィルム若しくはポリエチレンフィルムまたはポリエチレンテレフタレートフィルムを含む。しかし、該材料は繊維状物質であることが好まれる。該表面層は多孔性であることが特に好まれ、その結果、エポキシ物質が表面層の孔中に浸透することができ、その結果、表面層がエポキシ発泡体中に埋め込まれる。中空断面の軽量複合材料、たとえば管または箱構造体の製造に、本発明は特に有用であり、そしてこの場合、該表面は、プラスチック若しくは金属(アルミニウムが好まれる。)の、たとえば、同心の管または相対応する箱状区画であることができる。これら表面層は同じであっても異なっていてもよく、ある実施態様では、該層は所望の特性を付与するために選ばれることができ、たとえば管のような複合物中空部分では、外層は耐衝撃性を付与するためにアルミニウムのような金属であることができ、また内層は強度を付与するために炭素繊維のような管であることができる。
【0014】
繊維状物質が使用される場合には、それは任意の適当な材料であることができ、その選択は複合材料が置かれることになる使用先に依存するだろう。使用されることができる繊維状物質の例は、織布または不織布のウェブ、たとえばポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、紙、炭素繊維およびケブラー繊維から得られたウェブを含む。これらのウェブは、織られていてもよく、または織られていないウェブの製造技術、たとえばニードルパンチ法およびポイントボンディング法によって得られることもできる。本発明者らは、ガラス繊維を使用することを好むけれども、金属性繊維状ウェブも使用されることができ、これらもまた、織られていても織られていなくてもよい。特に、40グラム/平方メートル〜400グラム/平方メートルの重量を持つガラス繊維ウェブを使用することを、本発明者らは好む。他の好まれる繊維状物質は、炭素繊維およびケブラー繊維を包含する。同じであっても異なっていてもよい材料の2以上の層の重ね合わせによって、表面層自体が製造されることができる。
【0015】
表面層が、その複合物の表面においてではあるけれども、エポキシ物質で大部分包まれているところの複合物、を記述するために、「埋め込まれる」の語は使用される。これは該材料の断面の顕微鏡写真、たとえば図4から判断されることができ、表面層中へ、時にはそれを貫通して伸びているエポキシ物質の実質的に連続の層を、図4は示す。埋め込まれるためには、表面材料の全てがエポキシ物質ですっぽり包み込まれることは必ずしも必須ではないことが、正しく理解されるだろう。表面層中へ、時にはそれを貫通して伸びるエポキシ物質は、エポキシ発泡体と同じであってもよい。とはいえ、本発明の好まれる実施態様では、それは、発泡性エポキシ物質と相容性であり、エポキシ物質の発泡によって形成された空隙を考慮に入れて、該発泡性材料と実質的に連続のマトリックスを形成する、別の発泡していないエポキシ物質である。したがって、表面層材料は、このエポキシマトリックス中に埋め込まれる。
【0016】
発泡体層は、剛直なエポキシ発泡体である。「剛直な」とは、それが触ると硬く、かつ手で加えられた圧力に抵抗することを意味する。発泡体層は、5〜15ミリメートル、好ましくは7〜13ミリメートル、最も好ましくは8〜13ミリメートルの厚さを持つことが好まれる。本発明の複合材料の製造においては、それから発泡体が製造されるところの発泡性材料が、1〜5ミリメートル、好ましくは2〜4ミリメートル、より好ましくは2〜3.5ミリメートルの未発泡状態での厚さを持つことが好まれる。
【0017】
本発明はさらに、複合材料の製造方法において、第一層を用意すること、その上に熱活性化可能な発泡性エポキシ物質の層をかさねること、そして第一層から離れた熱活性化可能な発泡性エポキシ物質の層の表面上に第二の表面層を施与すること、そしてエポキシ物質を活性化するために加熱して、その発泡、硬化を引き起こして、そうすることによって表面層に結合された剛直な発泡したエポキシ物質を形成することを含む、上記の方法を提供する。
【0018】
1のさらなる実施態様では、本発明は複合材料の他の製造方法において、2の表面層間に発泡性エポキシ物質を噴霧すること、そして該発泡性材料が膨張し硬化し該複数の表面層に結合することを許すことを含む、上記の方法を提供する。
【0019】
本発明の方法の好まれる実施態様では、表面層は多孔性であり、好ましくは繊維状物質のものである。さらに好まれる実施態様では、表面層は、加熱前にエポキシ物質で被覆されおよび/または含浸される。好ましくは、このようなエポキシ物質が使用される時は、前に記載されたように、熱活性化可能な発泡性エポキシ物質とともに実質的に連続のマトリックスを形成するように、それは熱活性化可能な発泡性エポキシ物質と相容性である。このようにして、表面層が多孔性であるときは、それらは該エポキシ物質中に埋め込まれることができる。好ましくは、熱活性化可能な発泡性エポキシ物質が硬化するのと同じ条件下に、該エポキシ物質も硬化する。この実施態様では、本発明の方法の加熱段階は、両エポキシ樹脂を硬化するだろう。多孔性層がそれによって被覆されおよび/または含浸されるところのエポキシ物質は、発泡性である必要はないけれども、好都合には、熱活性化された発泡性材料の基礎として使用されるのと同じエポキシ物質である。
【0020】
他の好まれる実施態様では、両層は相対応する中空の輪郭であり、両輪郭の間に発泡体が生成される。たとえば、該層は同心の管または相対応する箱状区画であることができる。この実施態様では、所望の厚さの発泡体層の形成を許すために、好ましくは離れて保持されている2の相対応する輪郭間に、発泡性材料を施与することによって、構造体は製造されることができる。たとえば、移動する、空間を空けた2の同心の管の間に、発泡性材料が押出され、そしてその後発泡されて、本発明の複合物を製造することができる。
【0021】
本発明の各種の実施態様は、さらに、4以上の層を有するサンドイッチ複合物、その製造方法、およびそれから作られた材料を意図する。たとえば、3層サンドイッチ構造体に加えて、2の外層、たとえば繊維状、金属性、またはプラスチックの層、および繊維状、金属性、またはプラスチックの材料の内層、並びにこれらの層間に挿入されたエポキシ発泡体または熱活性化可能エポキシ発泡体形成材料の2層からなる5層を、複合物は含むことができる。より大きい数の層を有する複合物も意図されるが、ただし該複合物の2の表面層が、本発明に従うことを条件とする。
【0022】
発泡性エポキシ物質は、典型的にはエポキシ樹脂、発泡剤および硬化剤を含有し、またしばしば充填剤も含有する。発泡および硬化(硬くなること)が所望の温度範囲内で起きるように、発泡剤および硬化剤は選択されることができる。したがって、発泡および硬化に要求される温度が表面層を損なわないように、該材料は選ばれなければならない。生成物に要求される剛性の程度に従って、エポキシ樹脂は選ばれることができる。アミン硬化剤がしばしば使用されることができ、その場合には少なくとも100℃の硬化温度が一般に要求される。硬化温度より僅かに下の温度で発泡が開始するように、発泡剤および硬化剤は選ばれることが好まれる。発泡性エポキシ樹脂は、典型的には溶媒、たとえばアルコールの使用を介して液体として施与されることができる。この実施態様では、エポキシ樹脂は、表面層の一方または両方の上に噴霧されまたは塗布されることができる。溶媒は次に、蒸発によって除かれて、発泡性エポキシ物質の連続または不連続の層を与えることができる。あるいは、発泡性エポキシ物質は押出され、本発明に使用するための片へと切断されてもよく、あるいは、表面層の一方の上へと、好都合には2の表面層の間に押出されてもよい。
【0023】
熱活性化されたエポキシ発泡体形成材料は、該複合物が置かれるべき用途に従って選ばれなければならない。しかし、熱活性化されたエポキシに基づいた樹脂は、熱の使用を介した活性化による発泡可能な特性を持たなければならず、それによって膨張し、架橋して、硬くて剛直な発泡体を製造し、そして硬化して、表面層に結合する。好まれる配合の例は、重合体変性剤、たとえばミシガン州Romeoの、L & L Products社からL−5204、L−5206、L−5207、L−5208、L−5209、L−5214およびL−5222の名称の下に、並びにCore Products社からcore 5207、5214、5234および5231として、商業的に手に入るエチレン共重合体または三元重合体を含んでいてもよい、エポキシに基づいた物質である。発泡体の密度を下げることができる充填剤、たとえばガラス微小球、炭酸カルシウムおよびタルクをも、これらの生成物は含むことができる。これらの好まれる熱活性化された発泡性材料の1の利点は、これらがいくつかの様式で加工されて、本発明の熱活性化可能な発泡性層を製造することができることである。発泡性活性化可能エポキシ物質の層は、連続であっても不連続であってもよい。発泡性活性化可能材料の層を施与するための可能な手法は、シート材料の施与、射出成形、ブロー成形、熱成形、ペレット化された材料の直接堆積、押出または小型塗工機の押出機を用いた押出を包含する。好まれるエポキシ物質は、活性化前には可撓性であり、そして複雑な形状物の製造を許し、かつほとんどの従来技術の高強度材料の設計適応性能力を超える、設計の創製を、この可撓性は可能にする。
【0024】
熱活性化可能な発泡性エポキシ樹脂は、それが細片状であれスポット状であれ、熱膨張性である。すなわち、熱をかけられると、典型的には発泡反応によって、および好ましくは未発泡状態の体積の少なくとも130%まで、より好ましくは少なくとも150%まで、しかしより好ましくは発泡した状態の体積の少なくとも2倍まで、これは膨張するだろう。該材料はまた、硬化して、表面層に結合された剛直なエポキシ発泡体を与える。発泡性材料は、室温で好ましくは指触粘着性でなく、かつ発泡剤の活性化によって軟化しそしてそれから膨張することになるようなものであり、該エポキシは次に硬化し始め、そして表面層に結合することになるように接着特性を発現するだろう、そして最後に硬化が完了して、発泡されたエポキシ樹脂を硬くするだろう。得られた生成物は、硬い剛直なエポキシ発泡体に結合された表面層を含むサンドイッチ構造体である。
【0025】
エポキシ樹脂は、好ましくは活性化可能発泡性エポキシ物質組成物の約5重量%〜約75重量%、より好ましくは約15重量%〜65重量%を形成する。充填剤は、好ましくは該組成物の約0重量%〜約70重量%、より好ましくは約20重量%〜約50重量%を形成する。発泡剤は、好ましくは該組成物の約0.5重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.2重量%〜5重量%を形成する。硬化剤は、好ましくは該組成物の約0重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.5重量%〜5重量%を形成する。促進剤は、好ましくは該組成物の約0重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.3重量%〜5重量%を形成する。好まれる配合が、以下の表に示される。
【表1】

【0026】
本発明の方法の好まれる実施態様では、熱活性化可能エポキシ物質を発泡し硬化するために加熱する前に、1以上の表面層がエポキシ物質で被覆されおよび/または含浸される。この実施態様では、表面層を被覆しおよび/または含浸するために使用されるエポキシ物質は、熱活性化可能な発泡性材料が硬化する条件と同じ条件下で硬化することが好まれる。特に好まれる実施態様では、該エポキシ物質は、熱活性化された発泡性材料が基づいているエポキシ物質と同じである。表面層がエポキシ物質で含浸されることができるように、表面層が多孔性であるときに、この実施態様は特に好まれる。あるいは、液体状の発泡性エポキシ物質の施与を介して、含浸は達成されることができる。
【0027】
発泡性材料に好ましく使用されるエポキシ樹脂は、約200〜5000、より好ましくは300〜3000のエポキシ当量値を持つ。というのは、これらの樹脂が好適な硬化反応性および融点を持つからである。その故に、十分な剛性を持つ発泡体が調製されることができる。より好ましくは、エポキシ樹脂は約500〜2500、最も好ましくは約500〜1500のエポキシ当量を有する。
【0028】
好適なエポキシ当量を持つエポキシ樹脂は、ただ一つのタイプのエポキシ樹脂に限定されない。むしろ、エポキシ樹脂の組み合わせが使用されることができる。代表的なエポキシ樹脂は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、臭素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールAF、ビフェニル、ナフタレン、フッ素、フェノールノボラック、オルトクレゾールノボラック、DPPノボラック、3官能性トリス−ヒドロキシフェニルメタン、テトラフェノールエタンを包含するが、これらに限定されない。また、他のグリシジルエーテルタイプが好まれる。
【0029】
硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化する能力のある物質である。好ましくは、硬化剤は、室温または通常の貯蔵温度で、膨張していない形のエポキシ樹脂と反応することなく、一方同時にその硬化反応性を維持しつつ、該エポキシ樹脂と共存することができる。硬化剤は、好ましくはエポキシ樹脂の融点より上の温度でエポキシ樹脂を硬化し、したがって発泡性エポキシ樹脂配合物がコンパウンドされおよび/または押出されるときに、硬化剤の硬化反応性は減少してはならない。
【0030】
好ましくは、所望のときにエポキシ樹脂を硬化するために、発泡性材料の製造および貯蔵の間、硬化剤は十分な反応性を保持する。したがって、発泡体前駆体材料の製造および貯蔵の間に、エポキシ樹脂のいくらかの限定された硬化が起きるかも知れないけれども、このような硬化は、硬化剤の硬化反応性に実質的に影響を与えてはならない。したがって、発泡性材料が長期間貯蔵されることを許すために、硬化剤もまた、室温または通常の貯蔵温度で貯蔵されたときに、好ましくはエポキシ樹脂との低い反応性を持つ。好ましくは、約100℃〜200℃の温度範囲で硬化を開始する硬化剤が、利用される。より好ましくは、硬化温度は約130℃〜180℃である。
【0031】
好まれる硬化剤は、重付加タイプ、触媒タイプおよび縮合タイプの硬化剤を包含する。ポリアミンに基づいたジシアンジアミドおよび酸無水物に基づいたメチルナジック酸無水物を、重付加タイプの硬化剤は包含するが、これらに限定されない。イミダゾールに基づいた2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールおよび2−ヘプタデシルイミダゾール、ルイス酸に基づいたモノエチルアミン三フッ化ホウ素、ピペラジン三フッ化ホウ素並びに他の関連した化合物を、触媒タイプの硬化剤は包含するが、これらに限定されない。
【0032】
発泡体前駆体材料に使用される硬化剤の量は、エポキシ樹脂のエポキシ当量に応じて色々であり、剛直な発泡体構造を与えるのに十分なものだろう。一般に、エポキシ樹脂を効果的に硬化することになる硬化剤の量が使用される。好ましい量は、エポキシ樹脂の1〜25重量部〜100重量部、より好ましくは、1〜10重量部である。
【0033】
発泡剤は、使用されるエポキシ樹脂の融点よりも高い温度で分解しかつ膨張し、発泡性材料のコンパウンディングおよび製造の間、たとえばコンパウンディングおよび/または押出の間は分解しない。
【0034】
分解し、かくしてエポキシ樹脂を膨張する発泡剤は、使用される硬化剤に応じて、所定の加熱温度範囲で選ばれる。硬化剤がエポキシ樹脂を硬化することができる温度範囲は、好ましくは、発泡剤が分解しかつ膨張する温度範囲と重なり合わなければならない。具体的には、発泡(分解)温度は、好ましくは約100℃以上、より好ましくは約120℃以上である。
【0035】
好ましくは、有機の分解タイプの発泡剤が利用される。たとえば、アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸バリウム、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレフタルアミド、パラトルエンスルホニルヒドラジド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシベンゼンスルホニルヒドラジドおよび他の関連した化合物が、使用されることができる。これらの発泡剤の任意の1つまたは2以上の組み合わせが、使用されることができる。アゾジカルボンアミドが特に好まれる。
【0036】
約30%〜100%、好ましくは50%〜400%、より好ましくは約100%〜300%の発泡比を与える量で、発泡剤は好ましくは加えられる。すなわち、使用される発泡剤の量は、発泡体前駆体材料の体積より1.3〜10倍大きい、好ましくは1.5〜5倍大きい、より好ましくは約2〜4倍大きい体積を持つ発泡体材料を製造するだろう。具体的な量は、選ばれる特定のエポキシ樹脂に依存するだろうけれども、エポキシ樹脂の100重量部に対して約0.5〜15重量部〜100重量部、より好ましくは0.5〜10重量部で、発泡剤は加えられることができる。
【0037】
たとえば熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂を包含する他の樹脂成分、たとえば炭酸カルシウム、タルクまたはマイカを包含する無機添加剤、反応性希釈組成物、硬化促進剤、発泡助剤、難燃剤、着色剤、並びにたとえばガラス、金属、セラミックスまたは同様な材料を包含する(粉体形状、チップ形状、繊維形状、ビーズ形状等の)強化材料のような各種の他の添加剤が、発泡性組成物に加えられてもよい。
【0038】
たとえばポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂およびフェノール樹脂を包含する、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂が、加えられてもよい。このような熱硬化性樹脂が使用されるならば、熱硬化性樹脂の量は、硬化剤に基づいて適切に決定されることができる。熱可塑性樹脂が加えられるならば、得られる発泡体は、一般に熱硬化性樹脂だけが使用されるときよりも弾力性がある。このようにして、発泡体前駆体材料に含められる熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の量を変えることによって、種々の特性を持つ発泡体材料が製造されることができる。たとえば、このような添加剤を加えることは、発泡体材料の靭性を増加することができる。
【0039】
熱可塑性樹脂が添加剤として加えられるならば、該樹脂成分は、好ましくはポリエチレン、ポリ酢酸ビニルまたはエチレンとアクリル酸アルキルとの共重合体である。エチレンとアクリル酸アルキルとの共重合体は、エチレン−アクリル酸メチル重合体、エチレン−アクリル酸エチル重合体、エチレン−アクリル酸ブチル重合体等を包含することができ、好まれる共重合体は、エチレンとアルキル基中に約1〜4の炭素原子を持つアクリル酸アルキルとのものである。熱可塑性樹脂は単一の化合物若しくはその組成物または2以上の化合物の組み合わせ若しくはその組成物であってもよい。
【0040】
熱可塑性樹脂が加えられるならば、重合性単量体も加えられることができる。好適な重合性単量体は、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートおよび同様な化合物を包含する。
【0041】
(粉体形状、チップ形状、繊維形状、ビーズ形状等の)強化材料、たとえばガラス、金属またはセラミックスを加えることによって、得られる発泡体材料の剛性は増加されることができる。特に、繊維形状の材料が加えられるならば、得られる発泡体材料の弾力性が増加されることができる。加えられるべきこのような強化材料の量は、好ましくは樹脂成分の100重量部に対して1〜300重量部〜100重量部、より好ましくは1〜100重量部である。
【0042】
表面層が繊維状の層である本発明の実施態様では、該繊維状の層は、好ましくは前記の炭素繊維またはガラス繊維の層であり、かつ好ましくは該組成物の約5重量%〜約75重量%、より好ましくは約15重量%〜65重量%のエポキシ樹脂を含むエポキシ物質で被覆されおよび/または含浸されている。充填剤は、好ましくは該組成物の約0重量%〜約70重量%、より好ましくは約20重量%〜約50重量%を形成する。硬化剤は、好ましくは該組成物の約0重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.5重量%〜5重量%を形成する。促進剤は、好ましくは該組成物の約0重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.3重量%〜5重量%を形成する。好まれるコーティングの配合が、以下の表に示される。
【表2】

【0043】
本発明の複合物は、任意の所要の形状であり、該所要の形状を与えるように設計された金型内で好都合に形成されることができる。ある実施態様では、表面層および(発泡前の)熱活性化可能な発泡性材料は、一般に可撓性材料である。したがって、第一の表面層を金型内に敷き、当該第一の層をエポキシ物質で任意的に被覆しおよび/または含浸し、次に熱活性化可能な発泡性エポキシ物質の層を第一表面層に向かって施与し、第二の表面層を熱活性化可能材料の層に向かって施与することによって、複合物は製造されることができる。この第二の層は、エポキシ物質で任意的に予め被覆されおよび/または含浸され、あるいは、熱活性化可能材料の層に向かって施与された後で、任意的に被覆されおよび/または含浸されることができる。金型は次に閉じられ、そして熱活性化可能な発泡性エポキシ物質の発泡、硬化を引き起こし、かつ、表面層を被覆しおよび/または含浸するために使用された任意のエポキシ物質の硬化を引き起こすために要求される温度まで加熱されることができる。3以上の層を持つ複合物が製造されるべき場合には、金型を閉じそして発泡および硬化を起こすために加熱する前に、追加の層は施与されることができる。追加の層は、任意の適当な材料、たとえば連続のシートまたは繊維状の層であることができる。
【0044】
あるいは、表面層は、相対応する箱構造体または同心の管のように剛直であることができ、この実施態様では、発泡性材料の所望の膨張を許す適当な手段によって離れて保持されている、相対応する構造体または管の間に、発泡性エポキシ物質は施与されることができる。好まれる実施態様では、箱型構造体または管は金属性である。
【0045】
エポキシ物質を発泡し硬化するための加熱に使用されなければならない温度は、発泡剤および硬化剤の選択に依存するだろうが、100℃〜240℃の範囲の温度が特に有用であることを、本発明者らは発見した。もっとも、もっと低い温度で成分を混合すると発泡するエポキシ樹脂系は知られている。あるいは、より低い温度で発泡する系、たとえば2以上の成分が用意され周囲温度で混合されるものが使用されることができる。熱活性化可能な発泡性エポキシ樹脂がそれ自体十分な内部圧力を発生することができるという点で、所望の表面仕上げを達成するために、成形の際に外部圧力が要求されなくてもよいことが、本発明の方法の利点である。
【0046】
成形工程の後、金型は開かれ、そして所望の複合物が得られることができる。複合物が金型に付着しないことを確実にするために、必要により金型表面は剥離ライニング物質を施与されてもよい。
【0047】
本発明の複合物は低い重量とともに高い曲げ強度を持つことを、本発明者らは発見した。典型的には、5ミリメートル〜8ミリメートルの厚さを持つ複合物は、0.1〜1.0グラム/ccの密度において100mPa〜700mPa、典型的には300mPa〜700mPaの曲げ強度を持ち、これは、単位面積当たり同等の重量の本発明の生成物の複合物の曲げ弾性率の約10%の曲げ弾性率を持つ、単位面積当たり同じような重量の現行の軽量のアルミニウムに基づいた材料と比較して、該複合物は有利である。本発明の複合物は、現行の鋼鉄の箱構造体または管状構造体よりもかなり大きい最大荷重に耐えることができることをも、本発明者らは発見した。特にアルミニウムに基づいていれば、該複合物は軽量でもある。したがって、該複合物は、かなりの重量の節減を伴った強い系を提供する。
【0048】
加えて、本発明の複合物は、匹敵する鋼鉄およびアルミニウムに基づいた材料よりも、荷重下にかなり大きい弾性領域を持つことを、本発明者らは発見した。標準3点曲げ試験における、増加する荷重下の弾性領域の拡張によって、改良された弾性は証明される。
【0049】
本発明の複合物は、高強度および軽量が要求される、広い範囲の使用先を見出す。たとえば、建設産業に、輸送産業、たとえば自動車、飛行機、航空宇宙機および輸送船舶産業に、該複合物は使用されることができる。強度および/または強化を付与するために箱状区画または管が使用される用途に、該複合物は使用されることができる。たとえば、該複合物は、飛行機、特に軽量無人偵察飛行機への用途を見出し、そこで、該複合物は、軽量管状構造体を提供することができ、また機体を支持するための強い軽量パネルをも提供することができる。他の用途は、乗物の強化材、たとえば乗物の正面および側面衝突に対するドアの強化材を包含し、そこでは、現在は鋼鉄構造体を採用している用途に、低減された重量で増加された強度を付与するために、該複合物が使用されることができる。強度と軽量との組み合わせが要求される多数の用途で、同様な利益が達成されることができることは明らかである。さらに、該複合物は、スポーツ用品、たとえばスキー、ローラースケート、ローラーブレード等の製造に使用されることができる。
【0050】
該複合物は、建物、乗物、スポーツ用品および家具における部品としても使用されることができる。
【0051】
該複合物が完成物品内の他の部品に取り付けられることになる場合には、取付手段は、組立てを可能にするように該複合物内に施与されることができる。本発明のこの実施態様では、発泡および硬化のために加熱する前に、活性化可能発泡性材料内に、取付具は置かれることができる。このようにして、発泡性材料は取付具のまわりに膨張して、エポキシ物質が硬化するときに取付具を適所にしっかりと保持することができる。典型的な取付手段は、クリップ、びょう、ボルト等を包含し、これは、活性化および発泡に使用される条件下にその強度を保持する限り、任意の物質であることができる。
【0052】
本発明は、以下の実施例を引用することによってさらに例証される。
【実施例1】
【0053】
Core Products社からCORE−5234として手に入る、押出された発泡性エポキシ物質が、該発泡性材料に使用されたのと同じエポキシ樹脂で含浸された、245グラム/mの織られた炭素繊維マットの2層間に置かれる。それから、該3層は金型内に置かれ、そして175℃で45分間、通常の圧力で硬化されて、5.4ミリメートル厚さの複合物を形成する。
【実施例2】
【0054】
繊維ロービングが、別途のエポキシ樹脂で含浸されるのではなくて、メタノール溶媒で液状であるように変性された発泡性材料自体で含浸されること以外は、実施例1の方法が繰り返される。
【0055】
その違いは、この複合物サンドイッチ(埋め込まれた繊維ロービング+発泡性材料+埋め込まれた繊維)がこの例では指触乾燥していて、容易に扱われることができることである。
【0056】
実施例1で製造された複合物のサンプルのASTM D790/ISO 178に従う曲げ弾性率を、1.25mm厚さの、単位面積当たり同じような重量の伝統的な高強度アルミニウムのサンプルと、図5は比較する。本発明の複合物は0.5グラム/ccの密度を持っていたが、一方、アルミニウム層の密度は2.7グラム/ccである。本発明の複合物は6.955グラム/平方メートルの重さであったが、一方、アルミニウムサンプルは7.13グラム/平方メートルの重さであった。アルミニウムサンプルについての31.5mPaの弾性率と比較して、本発明の複合物は360mPaの曲げ弾性率を持っていたことを、図5は示す。本発明の複合物によって耐えられることができる最大荷重は590ニュートンであるが、一方、アルミニウムサンプルのそれは100ニュートンであることもまた、図5は示す。
【0057】
3つの管を示す、添付の図6によって、本発明はさらに例証される。
a) 外径35ミリメートル、鋼鉄厚さ1.5ミリメートル、メートル当たり重量1133グラムおよび密度7.2グラム/ccの鋼鉄管。
b) 外径35ミリメートル、アルミニウム厚さ1.5ミリメートル、メートル当たり重量425グラムおよび密度2.7グラム/ccのアルミニウム管。
c) 外径35ミリメートルおよびアルミニウム厚さ1.5ミリメートルの外側アルミニウム管、外径25ミリメートルおよびアルミニウム厚さ1ミリメートルの内側アルミニウム管からなる、メートル当たり重量837グラムおよび密度1.6グラム/ccの本発明に従う複合物管。厚さ4.25ミリメートルの剛直なエポキシ発泡体の層が、同心のアルミニウム管の間に挟みこまれ、該発泡体密度は0.66グラム/ccである。
【0058】
Core Products社からCore 5207として手に入る配合物からの発泡性エポキシ樹脂組成物を押出すことによって、本発明の生成物が調製されて、厚さ3ミリメートルの発泡性材料の細片が用意された。細片は次に切断され、そして内側アルミニウム管の周りに手で施与された。次に、外側管が発泡体細片の周りに施与され、発泡性材料と外側管の内表面との間の隙間を画定し維持するために両端に栓が設けられた。該構造体は次に170℃で30分間加熱されて、発泡性材料の膨張および両金属管への接着を引き起こして、図6の(c)に示された構造体を製造した。
【0059】
これらの管は、図7に示された3点曲げ試験機を使用する曲げ試験に付された。そして試験の結果が図8に示される。曲げ試験に適用された速度は20mm/分であった。
【0060】
鋼鉄管(約3250Nまで)およびアルミニウム管(約1250Nまで)と比較して、本発明の複合物は、より大きい弾性領域(5000Nまで)を持っていたことを、図8は示す。さらに、該複合物の強度は鋼鉄およびアルミニウムの両管よりもかなり大きく、鋼鉄管の約4750Nおよびアルミニウム管の約3250Nと比較して、該組成物は約7250Nまでの抵抗力を持っていた。本発明の複合物で得られた強度の改良、および重量の有意な減少を、該結果は明らかに示す。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本発明は、添付の図1〜5によって例示される。
【図1】本発明に従うシート複合物を示す模式図
【図2】本発明に従う管を示す模式図
【図3】発泡前に、金属挿入物が発泡性材料内に置かれた実施態様を示す模式図
【図4】実施例に従って製造された複合物の1の外表面の断面の顕微鏡写真
【図5】本発明の材料の性能を現行の高強度アルミニウム合金の性能と比較するグラフ
【図6】鋼鉄管、アルミニウム管、および本発明の複合物管を示す写真
【図7】三点曲げ試験機を示す写真
【図8】三点曲げ試験の結果を示すグラフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
剛直なエポキシ発泡体の1の中央層に付着された少なくとも2の表面層を含むサンドイッチ構造を含む複合物であって、エポキシ発泡体の層が、該2の表面層の合計厚さの少なくとも1.5倍であり、かつ発泡体が0.2〜1.5グラム/ccの密度を持つ、上記複合物。
【請求項2】
発泡体が、0.4〜1.5グラム/ccの密度を持つ、請求項1に従う複合物。
【請求項3】
発泡体が、0.3〜0.6グラム/ccの密度を持つ、請求項1または2に従う複合物。
【請求項4】
各層が0.2〜10ミリメートルの厚さを持つ少なくとも2の表面層、および2〜200ミリメートルの厚さを持つ剛直なエポキシ発泡体の1のコア層を有する複合物。
【請求項5】
200mPa〜700mPaの、ASTM D790/ISO 178によって測定された曲げ弾性率を持つ、請求項1〜4のいずれか1項に従う複合物。
【請求項6】
表面層が、金属箔、たとえばアルミニウム箔または鋼鉄箔、プラスチックのフィルムまたはシート、たとえばポリプロピレンフィルム若しくはポリエチレンフィルムまたはポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1〜5のいずれか1項に従う複合物。
【請求項7】
表面層が多孔性である、請求項1〜6のいずれか1項に従う複合物。
【請求項8】
表面層が繊維状である、請求項1〜5、および7のいずれか1項に従う複合物。
【請求項9】
繊維が、炭素繊維、ガラス繊維またはケブラー繊維である、請求項8に従う複合物。
【請求項10】
0.1〜1グラム/ccの密度を持つ、請求項1〜9のいずれか1項に従う複合物。
【請求項11】
表面層が、相対応する内部構造体および外部構造体である、請求項1〜10のいずれか1項に従う複合物。
【請求項12】
構造体が中空の箱状区画である、請求項11に従う複合物。
【請求項13】
構造体が管である、請求項11に従う複合物。
【請求項14】
複数の管が同心である、請求項13に従う複合物。
【請求項15】
表面層が金属である、請求項11〜14のいずれか1項に従う複合物。
【請求項16】
金属がアルミニウムである、請求項15に従う複合物。
【請求項17】
複数の表面層が別々の材料である、請求項1〜16のいずれか1項に従う複合物。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に従う複合物を、建設または輸送産業における構造体を提供するために使用する方法。
【請求項19】
乗物に衝突に対する強化材を与える、請求項18に従う方法。
【請求項20】
自動車ドア強化材を与える、請求項19に従う方法。
【請求項21】
請求項1〜17のいずれか1項に従う複合物を、スポーツ用品に強度を付与するために使用する方法。
【請求項22】
複合材料の製造方法において、第一の表面層を用意すること、その上に熱活性化可能な発泡性エポキシ物質の層をかさねること、そして繊維状物質の第一層から離れた熱活性化可能な発泡性エポキシ物質の層の表面上に第二の表面層を施与すること、そしてエポキシ物質が発泡し該複数の表面層に結合するようにエポキシ物質を熱活性化することを含む、上記の方法。
【請求項23】
複合材料の製造方法において、2の表面層の間に発泡性エポキシ物質を噴霧すること、そして該発泡性材料が膨張し硬化し該複数の表面層に結合することを許すことを含む、上記の方法。
【請求項24】
表面層が多孔性であり、かつエポキシ物質で被覆されおよび/または含浸されている、請求項22または23のいずれか1項に従う方法。
【請求項25】
エポキシ物質が、熱活性化可能な発泡性エポキシ物質と相容性である、請求項24に従う方法。
【請求項26】
エポキシ物質が、該熱活性化可能材料が硬化するのと同じ条件下に硬化する、請求項25に従う方法。
【請求項27】
多孔性層が、熱活性化された発泡性材料の基礎を形成するのと同じエポキシ物質で被覆されおよび/または含浸される、請求項24〜26のいずれか1項に従う方法。
【請求項28】
第一の表面層が、相対応する複数の構造体の内側部品の外表面である、請求項22〜27のいずれか1項に従う方法。
【請求項29】
第一の表面層が、2の同心の管の内管の外表面であり、かつ第二の表面が、外管の内表面である、請求項28に従う方法。
【請求項30】
第一の表面が、内側の箱状区画の外表面であり、かつ第二の表面が、外側の箱状区画の内表面である、請求項28に従う方法。
【請求項31】
エポキシ物質の発泡を許すために、相対応する複数の構造体が離れて保持される、請求項28〜30のいずれか1項に従う方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−519540(P2007−519540A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550148(P2006−550148)
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001056
【国際公開番号】WO2005/075189
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ケブラー
【出願人】(504187250)エル アンド エル プロダクツ, インク. (3)
【Fターム(参考)】