複合構造体用の柔軟な無線の健全性監視センサー
本センサーは、少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマー(ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、又はポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、並びに少なくとも第1及び第2の導電性接点を有する基材を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[00001]本出願は、2008年6月17日出願の米国仮特許出願61/132,263(その全部を参照として本明細書中に包含する)に対する優先権を主張する。
[00002]本発明は複合体(composites)用のセンサーに関する。より詳しくは、本発明は複合体における歪み及び/又は損傷を検知及び予測するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[00003]橋梁、建築物、車両、船舶、タービンブレード、風力タービンブレード、宇宙船、及び航空機など(しかしながらこれらに限定されない)の新しい世代の構造物は、一次構造中に多量の複合体を用いて構築されており、このため小さな構造欠陥から壊滅的な欠陥までの欠陥を抑止するための新しい試験及び監視システムに関する必要性が生じている。目に見えない欠陥が構造体を危険なものにする可能性があり、更に複合体内の状態を測定することは構造技術者及び検査者にとって困難であるので、複合体を使用することによって新しい危険性が生じる。
【0003】
[00004]微小亀裂、層間剥離、及び繊維の引き抜けのような複合体に通常的な欠陥のメカニズムは、構造材料として通常用いられる金属において見られるものとは異なる。例えば、激しい衝撃によって、金属シートにおいては目に見える凹みが残る可能性があるが、複合体においては僅かな表面損傷しか起こらない可能性がある。複合体における小さな量の表面損傷にもかかわらず、衝撃によって微小亀裂及び背面の層間剥離が引き起こされる可能性がある。検出されなければ、このような欠陥は複合体を荷重下に配置した際に伝搬して壊滅的な欠陥を引き起こす可能性がある。複合体を大きな構造部品中に含ませることに関し、金属と比較して使用寿命を支配する経時劣化及び特性低下のメカニズムに関する情報は僅かしか入手できない。
【0004】
[00005]更に、通常運転中の長期間特性劣化の速度及びメカニズムは、複合構造体においては不十分にしか理解されていない。更に、欠陥及び損傷を監視することは厚い複合積層体においては困難であり、このため壊滅的な欠陥が突然生じる可能性がある。
【0005】
[00006]構造健全性の監視は、欠陥の始まりを部分的か又は完全に予測することによって壊滅的な欠陥を抑止することが期待される損傷検知方法を実施するプロセスである。通常は、損傷は、材料の現在又は将来の性能に影響を与える可能性がある材料の特性における不利な変化とみなすことができる。損傷は、最終的にはもはや通常の使用のために許容できない状態である構造体の機能不全をもたらす。構造体の完全性を監視する必要性は、脆性挙動を有する部品に関してはより重要になる。構造健全性の監視は、損傷の始まり及び伝搬を監視し、それによって修復措置及び壊滅的な欠陥の抑止を可能にする監視技術として用いることができる。埋め込まれているか又は表面に載置されているリアルタイム構造体センサーシステムによって、最終的に減少したメンテナンス及び運転コストが導かれ、より低い設計安全の許容範囲で作動させることが可能になる。早期の損傷検出によって、システムの休止時間及びそれに関連するコストが抑止される。
【0006】
[00007]構造健全性の監視の概念は、民生産業、航空宇宙産業、及び機械部品産業に適用できる。しかしながら、等方性材料から構築される部品を監視することは、準等方性である複合構造体よりも比較的簡単である。更に、金属構築物と比較して異なる欠陥メカニズムに加えて、複合体は見えない微小亀裂及び層間剥離を含む可能性がある。このような欠陥は荷重下で伝搬する。比較的新しいシステムであるので、使用寿命を支配する複合体における経時劣化及び特性劣化のメカニズムに関しては非常に限られた情報しか入手できない。したがって、検知技術は、頑丈でなければならず且つ激しい運転条件に耐えることができなければならない。これらの条件としては、空力的ストレス、極端な温度への長時間の曝露、紫外(UV)照射線、及び湿気が挙げられる。センサーは、歪みの反復変化及び突然の変形(損傷、亀裂、層間剥離)を識別できなければならない。
【発明の概要】
【0007】
[00008]一形態においては、本発明はセンサーに関する。センサーは、少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを有する基材;及び、固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡している少なくとも第1及び第2の導電性接点;を含む。
【0008】
[00009]他の形態においては、本発明はセンサーの製造方法に関する。この方法は、基材の第1の表面上に少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを堆積させ;そして、少なくとも1種類の固有導電性ポリマーの上に、第1及び第2の接点を、固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡させて堆積させる;ことを含む。
【0009】
[00010]他の形態においては、本発明はセンサーを含む複合材料(composite material)に関する。センサーは、少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを有する基材;及び、固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡している少なくとも第1及び第2の導電性接点;を含む。
【0010】
[00011]更に他の形態においては、本発明は、複合材料における損傷を検知する方法に関する。この方法は、少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを有する基材;及び、固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡している少なくとも第1及び第2の導電性接点;を含むセンサーを複合体中又は複合体上に導入する;ことを含む。この方法は、固有導電性ポリマーの導電度の経時的な変化を検出し、及び/又は誘電性、強誘電性、又は強誘電体材料の反対側に適用される柔軟電極(compliant electrodes)として固有導電性ポリマーを用いるキャパシターのキャパシタンスの変化を検出することを更に含む。
【0011】
[00012]本発明のこれらの及び他の形態は、明細書を検討することによって、当業者に理解され、明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】[00013]図1は、本発明にしたがって製造した代表的なPANI/DBSA試料の熱重量分析を示すグラフである。
【図2】[00014]図2は、図1のチャートの微分を示すグラフである。
【図3】[00015]図3は、基材のTgを求めるための、商業的に入手できるPANI−EBの示差走査熱量測定を示すグラフである。
【図4】[00016]図4は、本センサーを試験するための代表的な方法の概要図である。
【図5】[00017]図5は、本発明にしたがって製造した代表的なセンサーにおいて、非可逆的な引張をセンサーに加えた際の抵抗変化の例を示すグラフである。
【図6】[00018]図6は、本発明にしたがって製造した代表的なセンサーにおいて、非可逆的な損傷をセンサーに加えた際の抵抗変化の例を示すグラフである。
【図7】[00019]図7は、本発明にしたがって形成した代表的なセンサーの概要図である。
【図8】[00020]図8は、本発明にしたがってセンサーを形成するための代表的なVARTMプロセスの概要図である。
【図9】[00021]図9(a)は、本発明にしたがって形成した代表的なセンサーの概要図である。
【0013】
[00022]図9(b)は、本発明にしたがって形成した代表的なセンサーの引張荷重下における写真である。
[00023]図9(c)は、本発明にしたがって形成した代表的なセンサーの曲げ荷重下における写真である。
【図10】[00024]図10(a)は、本発明にしたがって形成した代表的なセンサーの引張荷重下における応力/抵抗挙動を示すグラフである。
【0014】
[00025]図10(b)は、本発明にしたがって形成した代表的なセンサーの曲げ荷重下における応力/抵抗挙動を示すグラフである。
【図11】[00026]図11は、本発明にしたがって形成した代表的なセンサーの引張荷重下における感度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[00027]ここで、本発明の幾つかの態様を詳細に参照し、その1以上の実例を以下に示す。それぞれの実例は、本発明を説明する目的で与えるものであり、本発明を限定するものではない。実際、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、種々の修正及び変更を本発明において行うことができることが当業者に明らかとなるであろう。例えば、一態様の一部として示されているか又は記載されている特徴を他の態様について用いて、更なる態様を与えることができる。したがって、本発明は、かかる修正及び変更を特許請求の範囲及びそれらの均等範囲内に含まれるものとしてカバーすると意図される。本発明の他の対象、特徴、及び形態は、以下の詳細な説明において開示するか、或いはこれらから明らかである。本開示は代表的な態様のみを記載するものであり、本発明のより広い形態を限定するものとは意図していないことが、当業者によって理解される。
【0016】
[00028]一形態においては、本発明はセンサーに関する。このセンサーは、歪みゲージセンサー、損傷センサー、又は両方であってよい。ここで用いる歪みゲージセンサーは、可逆的な歪みを検出する。更に、ここで用いる損傷センサーは、非可逆的な損傷を検出する。幾つかの態様においては、本センサーは、可逆的な歪み及び非可逆的な損傷の両方を検知し、これらを識別することができる。構造体における歪み(又は応力)を検知することは、構造体の振動制御、荷重の監視、及び荷重履歴の記録に役立てることができる。構造体における損傷を検知することは、構造健全性の監視、適時の修復、及び安全性の向上に役立てることができる。歪み及び損傷の両方を検知する能力は、1つのみのものよりも有益である可能性がある。本発明以前に当該技術において公知の通常のセンサーは、歪み又は損傷を検出するのみで、両方は検出しない。幾つかの態様においては、本センサーを用いて歪み及び損傷の両方を検出することができる。
【0017】
[00029]ここで用いる「センサー」という用語は、刺激に応答して信号を与える装置を意味する。歪みセンサーは、歪みに応答して出力(又は信号)を与える。損傷センサーは、損傷に応答して出力(又は信号)を与える。
【0018】
[00030]センサーは、少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを有する基材;並びに、少なくとも第1及び第2の導電性接点;を含む。幾つかの態様においては、第1及び第2の導電性接点のそれぞれは、基材の第1の表面に隣接していない少なくとも1種類の固有導電性ポリマーの表面に隣接している。他の態様においては、第1及び第2の導電性接点のそれぞれは、基材の第1の表面に隣接している少なくとも1種類の固有導電性ポリマーの表面に隣接している。言い方を変えると、これらの態様においては、第1及び第2の導電性接点は、基材と固有導電性ポリマーとの間であってよい。更に他の態様においては、第1及び第2の接点の一方は基材と固有導電性ポリマーとの間であり、第1及び第2の接点の他方は、基材の第1の表面に隣接していない少なくとも1種類の固有導電性ポリマーの表面に隣接している。更に他の態様においては、第1及び第2の接点のそれぞれは、少なくとも1種類の固有導電性ポリマーに隣接していない基材の表面に隣接していてよい。更に他の態様においては、第1及び第2の接点の一方は、固有導電性ポリマーに隣接していない基材の表面に隣接していてよく、第1及び第2の接点の他方は固有導電性ポリマーの表面に隣接していてよい。
【0019】
[00031]本センサーは、センサーの成分として固有導電性ポリマーを存在させることによって、歪みゲージセンサー及び/又は損傷センサーとして用いることができる。固有導電性ポリマーの導電メカニズムは金属導体とは異なる。固有導電性ポリマー配合物中のドーパントが電荷担体として機能し、固有導電性ポリマーの形態が導電メカニズムにおいて重要な役割を有しているので、ドーパント濃度及び形態における小さな変化が導電度又は抵抗における大きな変化を与える。歪み又は損傷は、固有導電性ポリマーのドーパント濃度及び形態におけるかかる変化をもたらすことができる。したがって、センサーに対する歪み又は損傷は、導電度又は抵抗の変化をもたらし、歪み又は損傷の指示を観測者に与える。
【0020】
[00032]本発明にしたがって有用と考えられる基材としては、プラスチック、繊維、布帛、樹脂、複合材料、金属、コンクリート、木材、セラミックス、及びこれらの任意の組み合わせの1以上が挙げられる。幾つかの態様において、センサーを複合材料と関連させて用いる意図である場合には、複合材料又は他の適合する材料を基材として用いることが望ましい可能性がある。有用な基材と考えられる代表的な複合材料としては、炭素繊維強化エポキシ、ガラス繊維強化エポキシ、炭素繊維強化BMI、及びガラス繊維強化ポリエステルの1以上が挙げられる。
【0021】
[00033]本発明にしたがって有用と考えられる固有導電性ポリマーとしては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の1以上が挙げられる。
【0022】
[00034]酸がドープされた固有導電性ポリマーを用いることが望ましい可能性がある。固有導電性ポリマーは、当業者に公知の方法を用いてドープすることができる。有用なドーパントと考えられる酸としては、ポリスチレンスルホネート、1−アントラセンスルホン酸、9−アントラセンスルホン酸、2−フェナントレンスルホン酸、3−フェナントレンスルホン酸、9−フェナントレンスルホン酸、NO2CF3SO3−、CF3SO3H、ペルフルオロオクチルスルホン酸、ペルフルオロオクチルカルボン酸、オクチルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、セチルスルホン酸、トルエンスルホン酸(TsOH)、Fe(OTs)3、Fe(CH3SO3)3、(FSO3)2、AgOTs、CH3SiOTs、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、1,3−ベンゼンジスルホン酸、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、カンファースルホン酸、カンファースルフィン酸、ナフタレントリスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、イセチオン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、ニッケルフタロシアニンテトラスルホン酸、フェニルホスホン酸、ポリ(ビニルスルホン酸)、3−スルホプロピルアクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、スルファミン酸、5−スルホサリチル酸、タイロン(4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンスルホン酸)、ビニルスルホン酸、スルファニル酸、4−スルホフタル酸、スルホ酢酸、メチルオレンジ、フェニルホスホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリ(α−ビニルナフタレン)、ナフトールイエロー、ナフトールブルーブラック、1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸、ナフチルアゾキシンS、1−オクタンスルホン酸、t−ブチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、1,2−ベンゼンジスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸、2−メシチレンスルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,3,6−ナフタレントリスルホン酸、1,3,7−ナフタレントリスルホン酸、スルホンアゾIII酸、ビフェニルジスルホン酸、ビフェニルスルホン酸、1,8−ジヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸、3,6−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸、4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸、1−ナフタレンリン酸、1−ナフタレンスルホン酸、1−ナフタレン−5,7−ジニトロ−8−ヒドロキシ、1−ナフタレン−4−ヒドロキシスルホン酸、4−ブロモベンゼンスルホン酸、4−ヒドロキシ−5−イソプロピル−2−メチルベンゼンスルホン酸、3,4−ジアミノベンゼンスルホン酸、ベンゼンリン酸、1,3,5−ベンゼントリスルホン酸、2−メチル−5−イソプロピルベンゼンスルホン酸、3,4−ジニトロベンゼンスルホン酸、2−メトキシベンゼンスルホン酸、1−ナフタレン−5−ヒドロキシスルホン酸、1−ナフタレン−7−ヒドロキシスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、1−ナフタレン−3−ヒドロキシスルホン酸、2−ナフタレン−1−ヒドロキシスルホン酸、4−フェニルアミノベンゼンスルホン酸、及び
【0023】
【化1】
【0024】
(式中、Mは金属又は非金属カチオンであり;cは、1、2、3、又は4であり;dは、0、1、又は2であり;fは、0、1、又は2であり;gは、0、1、又は2であり;eは、0、1、又は2であり;R6は、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、ホスフェート、ボレート、カルボキシレート、1〜約30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール又はアルキル(ここで、許容される置換基としては、ペルハロアルキル、フェニル、アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ハロアルキル、ヒドロキシ、スルホン酸、リン酸、ホウ酸、スルフィネート、スルフィン酸、カルボン酸、ニトロ、カルボキシレートなどが挙げられる)であり、或いは任意の2つのR6置換基は、一緒に、非置換であっても、1以上のハロゲン、リン酸、ヒドロキシ、ホウ酸、ニトロ、シアノ、スルフィネート、リン酸、スルフィン酸、ホスフェート、カルボキシレート、ホスホン酸、ホスホネート、スルホネート、ボレート、スルホン酸、又はカルボン酸基によって置換されていてもよい縮合環系を完成するアルケニレン鎖を形成してもよく、或いはR6は式:
【0025】
【化2】
【0026】
(式中、qは1〜約10の正の自然数である)
の基である)
の1以上が挙げられる。
【0027】
[00035]第1及び第2の金属接点は、電極として機能させることができる。本発明にしたがって有用と考えられる代表的な接点材料は、独立して選択され、銅、銅ベースのハイブリッド材料、銀、炭素、カーボンナノチューブ、グラフェン、銀/炭素複合体、銀ベースのハイブリッド材料、金、金ベースのハイブリッド材料、酸化インジウムスズ(indium-tin-oxide)、フッ化物がドープされた酸化スズ、フッ化物がドープされた酸化亜鉛、ガリウムがドープされた酸化亜鉛、アルミニウムがドープされた酸化亜鉛、酸化アンチモンスズ(antimonium-tin oxide)、及び酸化亜鉛スズ(zinc-tin oxide)の1以上が挙げられる。ここで用いる「独立して選択」という用語は、第1及び第2の接点が協働して伝導する限りにおいて、第1及び第2の接点のそれぞれの接点材料を他の接点の材料とは関係なく選択することができることを意味する。
【0028】
[00036]幾つかの態様においては、第1及び第2の金属接点を同じ材料で形成することが望ましい可能性がある。他の態様においては、第1及び第2の接点を異なる材料で形成することが望ましい可能性がある。
【0029】
[00037]幾つかの態様においては、基材として圧電性材料を用いることが望ましい可能性がある。圧電性材料は、加えられた機械的応力に応答して電位を生成する。多くの場合において、圧電効果は可逆性であり、則ち、応力を加えると電場を生成する材料は逆の圧電効果も示し、電場を加えると応力及び/又は歪みを生成する。強誘電体は、天然の材料よりも数倍高い圧電定数を示す人工の材料である。本発明にしたがって有用と考えられる強誘電性材料としては、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ジルコン酸チタン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンのコポリマー、発泡構造のポリマー(強誘電体としても知られており、これらの材料は帯電後に圧電性及び焦電気性を示す)、及び当業者に公知の他の強誘電性材料の1以上が挙げられる。
【0030】
[00038]基材として圧電性材料又は強誘電性材料を用いる態様においては、圧電性材料又は強誘電性材料の反対の表面(正反対の表面)を、少なくとも1種類の固有導電性ポリマーで被覆することが望ましい可能性がある。圧電性材料又は強誘電性材料の反対の表面のそれぞれの上に異なる固有導電性ポリマーを被覆することが望ましい可能性がある。更に、圧電性材料又は強誘電性材料の2つより多い表面、幾つかの態様においては全ての表面を、1種類以上の固有導電性ポリマーで被覆することが望ましい可能性がある。本発明にしたがって有用と考えられる固有導電性ポリマーとしては、上記で議論したものが挙げられる。
【0031】
[00039]圧電性材料又は強誘電性材料は、分極と関係した材料の特性の変化によって、加えた力学的な波又は音波に対する電圧の生成を示す。したがって、下記において議論するように固有導電性ポリマーに接続すると、圧電体又は強誘電体において電場の変化を明示して、圧電性材料又は強誘電性材料をセンサーとして機能させることができる。
【0032】
[00040]かかる態様においては、1種類又は複数の固有導電性ポリマーを電極として機能させることができる。1種類又は複数の固有導電性ポリマーを電極として働かせる場合には、1以上の金属接点をセンサー装置の反対の表面上に堆積させて、システムの導電度を測定するのに用いる装置からクリップへの向上した接続能力を与えることが望ましい可能性がある。言い方を変えると、かかる態様においては、第1の接点を上記に記載のように第1の固有導電性ポリマー層に隣接させ、一方、第2の接点を、基材に隣接していない第2の固有導電性ポリマーの表面に隣接させることが望ましい可能性がある。
【0033】
[00041]本発明のこの態様にしたがって圧電性材料又は強誘電性材料を基材として用いる場合には、センサーは、操作するための電源を必要としないので、受動的センサーとみなすことができる。その代わりに、これらは歪みを加えると容易に測定される電荷(電圧)を生成して、データを容易に獲得することが可能になる。受動監視に加えて、圧電体又は強誘電体センサーは、複合構造体のその場での健全性の監視のための作動及び検知を可能にする。構造体を通って進む応力波は反射/回折し、材料及び構造の不連続点(例えば、剥離、層間剥離、及び他の損傷)による波動モードの変化が起こる。
【0034】
[00042]本発明による損傷及び歪みセンサーは、約10ミクロン〜約500mm、幾つかの態様においては約0.5mm〜約250mm、他の態様においては約1.0mm〜約50mmの長さを有していてよい。本発明によるセンサーの厚さは、約10nm〜約1000ミクロン、幾つかの態様においては約250nm〜約500ミクロン、他の態様においては約500nm〜約10ミクロンであってよい。
【0035】
[00043]少なくとも1種類の固有導電性ポリマーで基材の1つの表面を実質的に完全に被覆することが望ましい可能性がある。幾つかの態様においては、少なくとも1種類の固有導電性ポリマーによって基材の1つの表面の一部のみを被覆することができる。固有導電性ポリマーによって、基材の表面の少なくとも90%、幾つかの態様においては基材の表面の約1%〜約90%、他の態様においては基材の約40%〜約80%を被覆することが望ましい可能性がある。
【0036】
[00044]本発明にしたがって製造されるセンサーは、可撓性で、軽量で、頑丈で、悪条件及び極端な雰囲気下で安定である。本センサーは、125℃超、幾つかの態様においては200℃超、他の態様においては280℃超の温度まで安定であることができる。
【0037】
[00045]他の形態においては、本発明はセンサーの製造方法に関する。この方法は、基材の第1の表面上に少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを堆積させ;そして、少なくとも1種類の固有導電性ポリマーの上に、第1及び第2の接点を、固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡させて堆積させる;ことを含む。他の態様においては、この方法は、基材の第1の表面上に第1及び第2の接点を堆積させ;第1及び第2の接点の上に、少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを堆積させる;ことを含む。異なる態様においては、この方法は、少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを堆積させる前に第1及び第2の接点の一方を堆積させ;少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを堆積させた後に第1及び第2の接点の他方を堆積させる;ことを含む。異なる態様においては、この方法には、基材の反対の表面の上に第1及び第2の接点のそれぞれを堆積させることを含ませることができる。
【0038】
[00046]少なくとも1種類の固有導電性ポリマーは、当該技術において公知の方法によって堆積させることができる。代表的な方法としては、スクリーン印刷、噴霧被覆、エアロゾルジェット被覆、インクジェット印刷、粉末被覆、巻線ロッド、ドローダウンバー、ブラシ被覆、流し塗り、スロット被覆、浸漬被覆、及び当業者に公知の他の方法によって固有導電性ポリマーを堆積させることが挙げられる。
【0039】
[00047]スクリーン印刷の場合には、少なくとも、それぞれの層、則ち固有導電性ポリマー層の活性成分、及びバインダーを含むインクを形成する。次に、このインクをスクリーンに通して、基材又は先に印刷した層の上に堆積させる。次に、インクを硬化又は乾燥してセンサーの所望の層を形成することができる。特定の層の1より多い被覆を印刷することが望ましい可能性がある。
【0040】
[00048]幾つかの態様においては、スクリーン印刷の後で、次の隣接する被覆を印刷する前に、それぞれの被覆を硬化又は乾燥することが望ましい可能性がある。他の態様においては、印刷された被覆を硬化させる前に、1より多い被覆を印刷することが望ましい可能性がある。更に他の態様においては、層を硬化させる前に全ての被覆を印刷することが望ましい可能性がある。更に他の態様においては、次の被覆を印刷する前に被覆を部分的に硬化させることが望ましい可能性がある。
【0041】
[00049]硬化は、高温硬化又は乾燥、IR乾燥、UV硬化、電子ビーム硬化、又は化学的硬化によって行うことができる。当業者であれば、硬化させる1つ又は複数の層の成分に基づいて適切な硬化法を認識するであろう。幾つかの態様においては、単一の層及び/又は複数の層について1より多い硬化法を用いることができる。
【0042】
[00050]層は、それぞれの層に関して1、2、3、又は4回の印刷を用いて印刷することができる。層は、種々の層中の成分の粒径、及び印刷するインクの所望量によって異なるメッシュスクリーンを通して印刷することができる。
【0043】
[00051]更に、第1の層を部分的に硬化させ、第1の層を完全に硬化させる前に次の層を堆積させることが望ましい可能性がある。この随意の態様によって、層間の向上した接着を可能にすることができる。
【0044】
[00052]第1及び第2の接点用の代表的な材料は、上記で議論した接点材料から独立して選択することができる。接点は、スクリーン印刷、噴霧被覆、エアロゾルジェット被覆、インクジェット印刷、浸漬被覆、粉末被覆、巻線ロッド、ドローダウンバー、ブラシ被覆、流し塗り、スロット被覆、接着、又は当業者に公知の他の方法の1以上によって堆積させることができる。
【0045】
[00053]本発明方法によって製造されるセンサーのシート抵抗は、次の等式:
p=R(A/L)=R(ad/b);及び
Rs=R(a/b)
(式中、pは抵抗率であり;Rは抵抗であり;Rsはシート抵抗であり;Aは面積であり;Lは長さであり;aは幅であり;bは電極間の距離であり;dはセンサー層の厚さである)
によって算出することができる。
【0046】
[00054]本発明によって形成されるセンサーのシート抵抗は、約0.1kΩ〜約100MΩ、幾つかの態様においては約1kΩ〜約1MΩ、他の態様においては約1kΩ〜約100kΩであってよい。
【0047】
[00055]センサーの抵抗値は歪みと共に変動する。したがって、抵抗の変化は、センサーが損傷又は歪みを受けたことを示す。センサーの導電度値も、同様に歪み又は損傷と共に変動する。したがって、導電度の変化は、センサーが損傷又は歪みを受けたことを示す。
【0048】
[00056]本センサーの導電度、インピーダンス、抵抗、シート抵抗、及び/又はキャパシタンスは、当該技術において公知の方法によって監視することができる。例えば、これらは、電位計、電圧計、インピーダンス分析器、マルチメーター、ホイートストンブリッジ回路、LCR計、及び波形分析器の1以上によって監視することができる。
【0049】
[00057]幾つかの態様においては、無線技術を用いて、本センサーの導電度、抵抗、シート抵抗、及び/又はキャパシタンスを監視して、システムを監視するのに必要な器具及び配線を減少させることができる。この態様は特に、強誘電性材料を含むセンサーに適用することができる。上記で議論したように、強誘電性材料は周囲の電場の変化を明示することが知られている。幾つかの態様においては、電場の変化の明示は、音波のような波動の形態である。したがって、強誘電性材料を含むセンサーを本発明にしたがって用いる場合には、歪み又は応力がセンサーに加えられると、センサーは音波を発することができる。この音波は、無線で検出して、システムを監視するのに必要な器具及び配線を減少させることができる。このような無線監視は、リアルタイムで行って、損傷及び/又は歪みの出現を直ちに及び/又は迅速に示すことができる。
【0050】
[00058]ここで議論したもののような無線の態様においては、検出器は、遠隔位置に配置することができ、或いはセンサーに近接して配置することができる。代表的な検出器は、センサーから約25mm〜約100km、幾つかの態様においては約25m〜約75mの距離に配置することができる。
【0051】
[00059]他の形態においては、本発明はセンサーを含む複合材料に関する。このセンサーは、少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを有する基材;及び、固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡している少なくとも第1及び第2の導電性接点;を含む。
【0052】
[00060]本発明にしたがって有用と考えられる複合材料としては、上記で議論したもののような種々の構造体を構築するために有用な当該技術において公知の複合体が挙げられる。幾つかの態様においては、複合体は、異なる層が一緒に圧縮されて複合体を形成している積層体材料である。かかる複合体においては、材料が複合体を形成するのに適合する限りにおいて、種々の層に同じか又は異なる材料を含ませることができる。有用と考えられる代表的な複合材料としては、炭素繊維強化エポキシ、ガラス繊維強化エポキシ、炭素繊維強化BMI、及びガラス繊維強化ポリエステルの1以上が挙げられる。
【0053】
[00061]本センサーは、上記で議論したように、複合体上又は複合体中に導入することができる。幾つかの態様においては、センサーを複合材料の表面に適用することができる。他の態様においては、複合体を複合体中、例えば積層複合体の異なる層の間に埋め込むことができる。
【0054】
[00062]複合材料上又は複合材料中にセンサーの列を導入することが望ましい可能性がある。センサーの列を用いる場合には、複合体の異なる領域における歪み及び/又は損傷を検出するように、センサーをより良好に配置することができる。したがって、センサー間の距離が約1ミクロン〜約1m、幾つかの態様においては約500ミクロン〜約100mm、他の態様においては約1mm〜約10mmとなるようにセンサーを導入することが望ましい可能性がある。
【0055】
[00063]更に、積層複合材料の異なる層の間にセンサーを導入することが望ましい可能性がある。幾つかの態様においては、センサーを、複合体の表面上に導入し、及び複合体中に埋め込むことが望ましい可能性がある。当業者であればセンサーを導入することができる複合体の異なる位置を認識し、これらの位置の任意の組み合わせは本発明にしたがって有用であると考えられる。
【0056】
[00064]幾つかの態様においては、通常は真空支援樹脂トランスファー成形(VARTM)と呼ばれる方法を用いることが望ましい可能性がある。このプロセスを用いて高い繊維体積分率を有する大型の複合体を製造することができる。このプロセスは、通常は形成する複合体の一方の側のみの上に成形型が必要であり、他方の側は真空バッグで覆う。これにより、他の及び/又は更なる樹脂注入技術を用いる複合体の製造に適合する成形型を製造する必要性が排除される。更に、真空は、樹脂の注入及び硬化プロセス中のパネル圧縮に役立つ。しばしば1気圧以下のVARTM中に通常用いられる低い吸引圧のために、低い粘度のエポキシ樹脂系を用いることができる。また、高透過性の膜を用いて、樹脂のための容易に利用できる流路及びより迅速な処理時間を与えることもできる。図8は、VARTMを用いる複合体製造の概要図である。
【0057】
[00065]VARTMプロセスにおいては、離型剤(当該技術において公知のワックス又は離型スプレー)を用いて、成形型の表面、例えばガラスプレート又はアルミニウムを最初に準備することができる。これは、硬化後のパネルの容易な取り外しを助けることができる。次に、複合材料、例えば炭素繊維布帛層を、所望の順番で載置する。例えば粘着テープを用いて真空シール材の境界を調整して、樹脂の入口及び出口ラインのための十分な空間を残すことができる。入口及び出口ラインは、当該技術において公知のプラスチック螺旋配管を用いて形成することができる。また、布帛と出口ライン(樹脂トラップ及び真空ポンプに接続されているライン)との間に小さな通気布を配置することもできる。この布を初期樹脂トラップとして作用させて、出口ラインに侵入する樹脂の量を減少させることができる。図8に示すように、布帛層の頂部上に剥離層を配置する。次に、流動媒体を布帛上に配置して、複合体全体を覆うようにすることができる。最後に、全領域を真空バッグによって覆うことができる。
【0058】
[00066]準備が完了した後、粘着テープの小片を用いて樹脂の入口ラインを閉止して管の開口を塞ぎ、次に、閉じ込められた空気を排出するのに十分な時間、システムを真空下に配することができる。このシステムは、空気漏れの存在に関してチェックしなければならない。空気漏れが見つかったら、複合体の製造を開始する前にそれらを排除しなければならない。複合材料、例えばエポキシ樹脂系を準備し、脱気のためにオーブン内で真空下に保持することができる。システム及び複合材料を脱気した後、樹脂をプリフォーム中に含浸させることができる。樹脂は、複合体の形成用にデザインされている成形型上の実質的に全ての領域を覆うまで、流入させなければならない。幾つかの態様においては、面外(z)方向に含浸させるために、若干の追加の樹脂を、複合体を横切って流入させることが望ましい可能性がある。次に、2つのチューブクランプを用いて出口ラインを閉止することができる。幾つかの態様においては、出口ラインを樹脂ビーカー内に配置して、気泡が複合体プリフォーム中に侵入するのを避けることが望ましい可能性がある。
【0059】
[00067]樹脂含浸中においては、例えば約25〜約28inHg、幾つかの態様においては約25inHgの高真空を用いることができる。更に、幾つかの態様においては、硬化段階中の吸引圧を、残りの硬化時間の間、約15〜約20inHg、幾つかの態様においては約15inHgの圧力に低下させることが望ましい可能性がある。圧力を低下させて、より長いゲル時間を有する希薄な樹脂に関する過剰の樹脂抽出を避けることができる。
【0060】
[00068]更に他の形態においては、本発明は、複合材料における損傷を検知する方法に関する。この方法は、少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを有する基材;及び、固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡している少なくとも第1及び第2の導電性接点;を含むセンサーを複合体中に導入する;ことを含む。
【0061】
[00069]この方法は、固有導電性ポリマーの導電度及び/又は抵抗の経時的な変化を検出することを更に含む。導電度及び/又は抵抗の経時的な変化を検出することによって、複合材料における長期間腐食を検出することができる。したがって、材料の漸進的な劣化を監視することができ、漸進的な劣化が複合材料の継続使用に対する障害になる前に材料を交換又は補修することができる。
【0062】
[00070]センサーを複合体中又は複合体上に導入することにより、センサーは複合体と同じ歪み及び/又は損傷を受ける。したがって、センサーの導電度及び抵抗は、複合体に影響を与えている歪み及び/又は損傷によって影響を受ける。したがって、抵抗及び/又は導電度を監視することによって、複合体中又は複合体に対する歪み及び/又は損傷の存在が示される。しばしば、かかる歪み又は損傷は、目に見えないか、センサー通知なしでは明らかではないように思われる。したがって、本センサーにより歪み及び/又は損傷の早期検出が可能になり、これによって、より早期(及び潜在的により少ない費用)のメンテナンス、及び複合材料の壊滅的欠陥の阻止が可能になる。
【0063】
[00071]静的及び動的荷重条件下での歪みの検知は、航空宇宙構造体、民生用インフラシステム、及び機械装置のような多くの構造体のために望ましい。歪みの可逆性及び損傷の非可逆性のために、歪みの検知は損傷の検知とは異なる。可逆的な歪みはリアルタイムでのみ検知することができ、これに対して損傷はリアルタイムで検知する必要はない。
【0064】
[00072]ここで開示したセンサーを導入した複合体のようなそれ自体がセンサーである構造体材料は、複合体の物質とは異なる基材か又は複合体の物質と適合しない基材を有するこれまでのセンサーよりも良好に機能させることができる。
【0065】
[00073]損傷センサーに関しては、複合体を変化させることを必要としない非破壊法が望ましい可能性がある。本発明においては、センサーには、複合体と同じ材料又は複合体と適合性の材料(上記で議論した)である基材を含ませることができる。したがって、センサーを複合体中に導入するか或いは複合体の永久的な一部にして、損傷をリアルタイムか又はその後に検知する能力を与えることができる。
【0066】
[00074]上記で議論したように、センサーを監視して複合体における損傷を検出する種々の方法が、本発明にしたがって有用と考えられる。損傷又は歪みが起こると、音波が複合体から発せられる。次に、この音波を、音波を検出するための当該技術において公知の方法によって検出することができる。音波の周波数、波長、周期、振幅、強度、速度、分極、及び方向も、複合体が受けた歪み及び/又は損傷の度合いの指標とすることができる。音の速度は、その密度(ρ)に対する媒体の弾性率(λ)の比の平方根に比例する。したがって、損傷又は過度の歪みのために弾性率が変化すると、音の速度が変化する。これにより、複合体に対する損傷の度合い及び修復の必要の緊急性に関する情報が与えられる。
【0067】
[00075]複合体マトリクス材料は、経時的に減退する性能を示す。材料の性能を予測することは信頼できる工学的要素のために重要であるが、しかし、マトリクス材料に関する材料理論と予測される環境安定性との間に強い断絶が存在する。壊滅的で巨視的な性能損失の前に網状の欠陥開始点を明らかにすることは、欠陥を正確に予測し、材料の性能を延ばすために始まった事象を緩和するための次の工程を行うために重要である。
【0068】
[00076]以下の実施例は本発明の代表的な態様を記載する。特許請求の範囲内の他の態様は、ここで開示する本発明の明細又は実施を考察することによって当業者に明らかとなるであろう。明細書及び実施例は例示のみのものと考えられ、発明の範囲及び精神は実施例に続く特許請求の範囲によって示されると意図される。実施例において、全てのパーセントは他に示さない限りにおいて重量基準で与える。
【実施例】
【0069】
実施例1:
[00077]本実施例は、DNNSAがドープされたポリアニリンを形成する代表的な方法を示す。0.1モルのDNNSA(2−ブトキシエタノール中の50重量%溶液として)、0.06モルのアニリン、及び200mLの水を混合して、乳白色のエマルジョンを形成した。エマルジョンを、機械的に撹拌しながら窒素雰囲気下で5℃に冷却した。40mLの水中の0.074モルのアンモニウムペルオキシジスルフェート(APS)を混合物に滴加した。混合物の白色が琥珀色に変化した。反応を17時間進行させ、その時間の間にエマルジョンは緑色の有機相と無色の水性相に分離した。
【0070】
[00078]有機相を水で洗浄して、暗緑色の2−ブトキシエタノール中の高濃縮PANI/DNNSAを残留させた。この濃縮液はキシレン中に可溶であった。
実施例2:
[00079]本実施例は、DBSAがドープされたポリアニリンを形成し、極端な温度に対するドープされたポリアニリンの抵抗を測定する代表的な方法を示す。0.24モルのDBSA(2−ブトキシエタノール中の50重量%溶液として)、及び0.16モルのアニリンを、機械的に撹拌しながら、0℃以下、窒素雰囲気下において200mLの水中に溶解した。100mLの水中の0.2モルのAPSを混合物に滴加した。反応を約1〜2時間進行させた。200mLのメタノールを加えて、生成物の沈殿を起こさせた。生成物を濾過し、真空オーブン中45℃において乾燥した。次に、PANI/DBSAの暗緑色の粉末をトルエン中に溶解した。PANI/DBSAを、真空下50℃において一晩乾燥した。
【0071】
[00080]チタン製の熱重量分析(TGA)皿を、TA Instrumentsから入手した。トーチを用いて残留物を燃焼除去することによって皿を清浄化した。清浄な皿を自動サンプラー上に配置し、TGAによって秤量して皿の質量を求めた。約20mgの乾燥したPANI/DBSAをTGA皿中に配置した。次に、試料を自動サンプラー中に配置し、TAソフトウエア中に運転手順を入力した。試料を、20℃/分の速度で室温から700℃まで加熱した。
【0072】
[00081]PANI/DBSAは2つの異なる分解事象を示した(図1)。PANI/DBSAは、約250℃において初期分解、それに続いて約400℃において始まる他の事象を示した。初期分解は、おそらくPANIからのDBSAの脱ドーピングによると思われる。この事象はまた、DBSAの分解も含む。ニートのDBSAのTGAを行うと、分解の開始は約250℃であることが求められた。理論には縛られないが、PANI/DBSAにおける初期重量損失(250℃〜350℃)は、DBSAとポリマー鎖とのイオン性相互作用のために、ニートのDBSAにおける重量損失よりもより漸次的であると考えられる。第2の重量損失事象は、PANI鎖の分解によるものである。図1から分解の実際の開始を見分けることは困難である。分解の開始をより正確に求めるために、微分することによって図1を加工した(図2)。
【0073】
[00082]ピーク温度が示されているが、微分のピークは変曲点であり、分解の開始を示してはいない。分解の開始は、微分プロットのy値が急に上昇し始める時点である。
[00083]PANI/DBSA材料の熱重量分析によって、250℃の温度まで生成物が安定であることが示される。この時点において、PANIが脱ドーピングし、DBSAが分解すると思われる。TGAデータはまた、PANI/DBSA中のPANI鎖が375℃〜400℃の間の温度まで安定であることも示唆している。しかしながら、これらの温度においては、PANI/DBSAは250℃におけるDBSAの脱ドーピングのために導電性でないことを注意すべきである。
【0074】
実施例3:
[00084]本実施例は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて非ドープ又はドープされたPANI試料を定量化する方法を示す。
【0075】
[00085]標準的なアルミニウム皿及び蓋を、TA Instrumentsから入手した。試料皿及び蓋の質量を記録した。次に、はかりをゼロに合わせ、約5〜10mgの固体試料(実施例1及び/又は2に示した手順にしたがって調製した)を加えた。試料を有する皿を秤量し、質量を記録した。分析するそれぞれの材料に関して2つの試料を調製した。調製した試料を、適当な対照皿を有する自動サンプラー中に配置した。対照皿の質量も記録した。操作手順を次のように設定した。
【0076】
1.5℃/分で−80℃に冷却する;
2.2分間等温に保持する;
3.10℃/分で180℃に昇温する;
4.2分間等温に保持する;
5.5℃/分で−80℃に冷却する;
6.1分間等温に保持する;
7.10℃/分で180℃に昇温する;
8.2分間等温に保持する;
9.5℃/分で25℃に冷却する。
【0077】
[00086]同じ加熱手順を用いたが、液体試料を密閉した皿内に配置した。10K、50K、及び100Kg/モルの分子量の試料に関して、上記の手順を用いてPANI−EB(エメラルジン塩基)を分析した(図3)。
【0078】
[00087]全ての場合において、−4℃〜0℃の間に非常に小さい吸熱事象が見られた。この転移は試料中の水によるものである可能性があるが、この説明は上記に説明したDSC実験の操作手順には与えられないと思われる。試料を180℃に加熱した後に、データを記録し始めた。この吸熱事象の非常に小さい規模を考えると、任意の確度をもって特徴づけることは困難である。試料は、加熱プロセスの後期に他の吸熱事象を示す。約60℃〜70℃において、僅かにより明確な吸熱が見られる。この吸熱は、PANIのTgと関連しており、文献と合致する。
【0079】
[00088]商業的に入手できる非ドープPANI−EB(Aldrich)の示差走査熱量測定により、PANIに関するガラス転移温度Tgの報告されている値より非常に低い温度での吸熱転移が示される。この転移は単純に水の蒸発である可能性がある。この説明は、初期DSC加熱の昇温温度によるものではないように思われる。しかしながら、若干の残留水が初期加熱の後においても試料中に残留していた可能性がある。DSCによるPANI−EBのTgは、試料の分子量によって60℃〜70℃の間であった。転移は非常に小さい規模を有し、したがって正確に識別するのは困難である。
【0080】
[00089]大きな吸熱であると思われる二次転移が、10,000g/モルのPANI−EBのDSCグラフにおいて約160℃で認められる。このタイプの事象は、通常はTgに達したことを示す。しかしながら、試料は180℃までしかかけていないので、これが実際に真のTgであるかどうかを決定することは困難である。この事象は、より高分子量の試料においては見られない。これは、より高分子量のポリマーはより高いTgを示すという基本原則のためである可能性がある。
【0081】
実施例4:
[00090]本実施例においては、センサー材料としてEMPAC(登録商標)1003(Crosslink, Fenton, MO)を用い、基材としてBONDCOTE(登録商標)1677布帛(BondCote)を用いて、ICP歪みゲージセンサーを形成した。キシレン又はキシレン/ブチルセロソルブ混合物によってEMPAC(登録商標)1003を20重量%に希釈し、BONDCOTE(登録商標)1677布帛を蒸気清浄した。スクリーン印刷プロセスによって、EMPAC(登録商標)1003をBONDCOTE(登録商標)1677布帛上に被覆した。被覆された布帛を、30分間空気乾燥し、150℃において30分間硬化させ、次に雰囲気温度に冷却した。次に、硬化させた布帛上に銀電極をスクリーン印刷し、150℃において5〜20分間硬化させた。
【0082】
[00091]ICP歪みゲージの抵抗変化を測定して、外力に対するセンサー試験片の挙動を求めた。LabViewインターフェースを用いてAgilent 4263B LCR計をコンピューターに接続して、抵抗の変化を記録した。次に4プローブのAgilent 4263B LCR計を銀電極に取り付けた。基材に可逆的な引張を加え、抵抗の変化を測定及び記録した。この測定方法を図4に図示する。
【0083】
[00092]図4に示すリアルタイム監視システム(RTMS)によって、応力誘発抵抗変化vs時間の曲線を記録した。この試験を用いて、ICP歪みゲージセンサーの抵抗の変化を、試験片に加えた歪み/応力に相関させた。これは、最終的な用途のためのシステムの補正方法でもある。RTMSを用いて、荷重条件下でのICP歪みゲージセンサーの挙動を示す。
[00093]ICP歪みゲージセンサーに引張を加えると、荷重力が変動するのにつれて抵抗が変化した。例えば、図5は可逆的な引張に対する駆動抵抗の変化(応力/歪み曲線は含まれていない)を示し、これは製品の歪みの許容範囲を予測するために用いることができる。
【0084】
実施例5:
[00094]本実施例においては、ICP歪みゲージを形成するために実施例5において記載したものと同じ方法を用いて、ICP損傷センサーを製造した。損傷検知を試験するために、非可逆的な引張を試験片に加えた。非可逆的な引張の源として、MTS810材料試験システムを用いた。
【0085】
[00095]
非可逆的条件下における応力/抵抗vs時間の曲線を図6に示す。試験中は、応力が増加するにつれて抵抗が増加した。応力が特定の値(約7000psi)に達すると、応力を増加させても抵抗はほぼ同じレベルのままであった。応力が降伏点に達したら、試験試料を固定し、それが元の位置に戻ったら湾曲させた。破壊された試験片の状態によって抵抗の急上昇が起こった。この監視システムを用いて損傷を検出することができる。
【0086】
実施例6:
[00096]本実施例は、固有導電性ポリマーをセンサー用途のための電極として用いることができることを示す。本実施例においては、検知材料として強誘電体ポリマーを用いる。センサーの全重量を減少させるために、高密度の金属電極の代わりに電極用にICPを用いた。両側の上に電極を配すると、強誘電性材料はキャパシターとして作用し、その値は複合体の寸法変化と共に変動する(図7)。
【0087】
[00097]用いた強誘電性材料はポリオレフィンフォームである。このフォームは、内部に微細孔を有する。フォームを延伸し、フィルムとして形成した。高電圧コロナ処理を用いてこれを帯電させた。この強誘電性材料のキャパシタンスは、孔の寸法によって変動する。言い方を変えると、気泡が形成されるので、寸法変化に対する感度を他の固体キャパシターよりも高くすることができる。
【0088】
[00098]本実施例に関しては、電極としてEMPAC(登録商標)1003を用いて軽量システムを形成した。一般に、電極としては銀が用いられており、その密度は、EMPAC(登録商標)1003に関する0.85〜1.50g/cm3に対して10.49g/cm3である。キシレン又はキシレン/ブチルセロソルブ混合物によってEMPAC(登録商標)1003を20重量%に希釈し、次に強誘電性シートの表面上に被覆した。EMPAC(登録商標)1003を室温において30分間空気乾燥し、次にオーブン内150℃において30分間乾燥した。室温に冷却した後、強誘電体材料の他の表面も同じ手順を用いてEMPAC(登録商標)1003で被覆した。スクリーン印刷法を用いてEMPAC(登録商標)1003層の上に銀接点を形成して、LCR計からのクリップとの良好な接触を与えた。印刷された銀接点を150℃において5〜20分間硬化させた。ICPを用いて形成されたキャパシターを図7に図示する。形成されたキャパシターは2.1cm×2.6cmであった。キャパシタンス(Agilent 4263 LCR計によって測定)は0.14nFであった。
【0089】
実施例7:
[00099]本発明にしたがって複合体を形成するために、上記で議論したVARTMプロセスを用いて高い繊維の体積分率を有する複合体を製造した(図8)。一方向繊維テープと織布との組み合わせを用いて、8層状複合体を製造した。一方向繊維をファセットシートとして有しながら、この組み合わせを用いて複合体に対して横方向の機械的強度を与えた。この複合体は、ICPフィルムを用いて識別できる歪み挙動を達成することに焦点をあてている。
【0090】
[00100]複合体パネルを製造するために、SC-15エポキシ樹脂系を用いた。複合体を始めに雰囲気温度において真空下で24時間硬化させ、オーブン内で100℃において5時間、後硬化させた。2相エポキシ樹脂:SC-15は、Applied Poleramic, Inc.(Benicia, California)から入手した。樹脂の代表的な特性を表1に列記する。
【0091】
【表1】
【0092】
[00101]製造した複合体を迅速ダイアモンドタイル切断機で切断して、切り取り試片を形成した。次に、Husky high 0(Buehler, Lake Bluff, IL)を用いて、Isomet 100上で約25.4mmの幅に端部を研磨して、滑らかな端部を得て、切断によって現れるバリを除去した。次に、試験片をオーブン内において50℃で一晩乾燥した。次に、ICPベースの歪みゲージを、切り取り試片上の中央領域に噴霧被覆した。
【0093】
[00102]具体的には、10重量%のPANI/DNNSAを切り取り試片の中央の25mmの上に噴霧被覆した。次に、被覆を、複合体基材については100〜200℃において10〜16分間か又は100℃において2時間、TEFLON(登録商標)基材については150℃において30分間硬化させた。硬化後、銅テープの電気接点を被覆上に取り付けた。
【0094】
[00103]上記で形成したポリマーフィルムのシート抵抗を測定するために、RS232ベースのPC接続が可能なMastechデジタルメーターを用いた。この構成を用い、図9(a)に示すようにして通常の2点法を用いて抵抗を測定することができる。デジタルメーターは、製造された切り取り試片の機械的試験中にデータをリアルタイムで記録及び分析するように設定した。図9(b)及び図9(c)はそれぞれ、MTS810システム(MTS systems Corporation, Eden Prairie, MN)上での引張及び曲げ荷重下の複合体を示す。両方の場合において1mm/分の荷重速度を用いた。歪み速度はASTM−D790及びASTM−D3039によって推奨されている値よりも低く保持して、抵抗測定におけるノイズの原因となる可能性がある接触点の移動を回避した。
【0095】
[00104]上記で製造した複合体及びTEFLON(登録商標)プラーク上への噴霧印刷を用いて歪みゲージを製造した。引張及び曲げ荷重モードを用いてこれらのゲージの挙動を明らかにした。複合体に関しては歪みは低く(<5%)保持し、一方、Teflon試験片は高い歪み(約50%)まで荷重を加えた。
【0096】
[00105]MTS上で、複合体の切り取り試片に引張及び曲げモードの両方で荷重をかけた。図10(a)は、試験中に観察された応力/抵抗挙動を示す。試験は、均一なクロスヘッド変位速度において行った。引張荷重下の試験片には最大で5%の歪みを加え、一方、曲げ試料には1.2%の歪みしか加えなかった。曲げの場合においては、試験片をピーク荷重に保持して、歪みゲージの挙動を確認した。
【0097】
[00106]歪みによるICPフィルムの機械的挙動を明らかにするために、TEFLON(登録商標)シートを用いて試料を製造した。引張試験のために、150×25.4×1.2mm3の公称寸法を有するシートを切り取った。上記で議論したようにして、Teflon試料上に歪みゲージ及び銅接点を形成した。TEFLON(登録商標)試験片に変動する変位速度で荷重をかけた。図10(b)は、TEFLON(登録商標)試験片の引張荷重中の抵抗測定値を示す。3、4.5、6、7.5、及び9%/分の歪み速度でTEFLON(登録商標)プラークに荷重をかけた。結果は歪みに関してほぼ線状の傾向を示すが、異なる歪み速度が結論に役立つ挙動を示すとは思われない(図11)。
【0098】
[00107]複合体及びTEFLON(登録商標)基材上のICPフィルムの機械的試験は、TEFLON(登録商標)の場合においてより大きな相関を示す。理論には縛られないが、炭素ベースの複合体は固有の導電度を示すので、ICPフィルムの抵抗測定値が影響を受けると仮定される。それにもかかわらず、絶縁体基材として用いたTEFLON(登録商標)プラーク上に載置された歪みゲージは、歪みと線状の相関を示す。更に、熱分析データによって、ICPベースのフィルムは航空宇宙用途のために熱的に安定であることができることが示される。
【0099】
[00108]歪み検知データにおける電流ノイズにもかかわらず、ICPベースの歪みゲージは有望な結果を示す。
実施例8:
[00109]本実施例は、CSAがドープされたポリアニリンを形成する代表的な方法を示す。0.05gのポリアニリン−EBを0.07gのs−CSAとブレンドした。ブレンドを微細粉末に粉砕し、次に5mLのm−クレゾールに加えた。次に、これを2時間超音波処理し、2日間撹拌した。次に、PANI−CSAを濾過した。
【0100】
[00110]本実施例は、アミノアントラキノン(AAQ)がドープされたPANIを形成する代表的な方法を示す。0.05gの1−AAQを300mLの6M−硫酸に加え、溶解するまで超音波処理した。溶液を反応器に移し、1.87gの13%次亜塩素酸ナトリウム溶液を加えた。混合物を2日間撹拌し、次に遠心分離して青色の沈殿物を分離した。上澄み液中のSO42−及びCl−が硝酸銀及び塩化バリウムに転化するまで、沈殿物をメタノールで洗浄した。生成物を、真空オーブン内において45℃で24時間乾燥した。UV−可視−NIR分光分析によって生成物を特性分析した(図12)。
【0101】
[00111]限定なしに全ての論文、公報、特許、特許出願、プレゼンテーション、テキスト、レポート、原稿、パンフレット、書籍、インターネット投稿、雑誌記事、定期刊行物などの本明細書中で引用する全ての参照文献は、その全部を参照として本明細書中に包含する。ここでの参照文献の議論は、単にこれらの著者によって行われている主張を要約することを意図するものであり、いかなる参照文献も従来技術を構成するとは認められない。本出願人は、引用する参照文献の正確性及び妥当性を疑う権利を留保する。
【0102】
[00112]上記を考慮すると、本発明の幾つかの有利性が達成され、他の有利な結果が得られることが認められる。
[00103]本発明の範囲から逸脱することなく上記の方法及び組成物において種々の変更を行うことができるので、上記の記載に含まれ、添付の図面において示される全ての事項は、例示として解釈され、限定の意味はないと意図される。
【技術分野】
【0001】
[00001]本出願は、2008年6月17日出願の米国仮特許出願61/132,263(その全部を参照として本明細書中に包含する)に対する優先権を主張する。
[00002]本発明は複合体(composites)用のセンサーに関する。より詳しくは、本発明は複合体における歪み及び/又は損傷を検知及び予測するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[00003]橋梁、建築物、車両、船舶、タービンブレード、風力タービンブレード、宇宙船、及び航空機など(しかしながらこれらに限定されない)の新しい世代の構造物は、一次構造中に多量の複合体を用いて構築されており、このため小さな構造欠陥から壊滅的な欠陥までの欠陥を抑止するための新しい試験及び監視システムに関する必要性が生じている。目に見えない欠陥が構造体を危険なものにする可能性があり、更に複合体内の状態を測定することは構造技術者及び検査者にとって困難であるので、複合体を使用することによって新しい危険性が生じる。
【0003】
[00004]微小亀裂、層間剥離、及び繊維の引き抜けのような複合体に通常的な欠陥のメカニズムは、構造材料として通常用いられる金属において見られるものとは異なる。例えば、激しい衝撃によって、金属シートにおいては目に見える凹みが残る可能性があるが、複合体においては僅かな表面損傷しか起こらない可能性がある。複合体における小さな量の表面損傷にもかかわらず、衝撃によって微小亀裂及び背面の層間剥離が引き起こされる可能性がある。検出されなければ、このような欠陥は複合体を荷重下に配置した際に伝搬して壊滅的な欠陥を引き起こす可能性がある。複合体を大きな構造部品中に含ませることに関し、金属と比較して使用寿命を支配する経時劣化及び特性低下のメカニズムに関する情報は僅かしか入手できない。
【0004】
[00005]更に、通常運転中の長期間特性劣化の速度及びメカニズムは、複合構造体においては不十分にしか理解されていない。更に、欠陥及び損傷を監視することは厚い複合積層体においては困難であり、このため壊滅的な欠陥が突然生じる可能性がある。
【0005】
[00006]構造健全性の監視は、欠陥の始まりを部分的か又は完全に予測することによって壊滅的な欠陥を抑止することが期待される損傷検知方法を実施するプロセスである。通常は、損傷は、材料の現在又は将来の性能に影響を与える可能性がある材料の特性における不利な変化とみなすことができる。損傷は、最終的にはもはや通常の使用のために許容できない状態である構造体の機能不全をもたらす。構造体の完全性を監視する必要性は、脆性挙動を有する部品に関してはより重要になる。構造健全性の監視は、損傷の始まり及び伝搬を監視し、それによって修復措置及び壊滅的な欠陥の抑止を可能にする監視技術として用いることができる。埋め込まれているか又は表面に載置されているリアルタイム構造体センサーシステムによって、最終的に減少したメンテナンス及び運転コストが導かれ、より低い設計安全の許容範囲で作動させることが可能になる。早期の損傷検出によって、システムの休止時間及びそれに関連するコストが抑止される。
【0006】
[00007]構造健全性の監視の概念は、民生産業、航空宇宙産業、及び機械部品産業に適用できる。しかしながら、等方性材料から構築される部品を監視することは、準等方性である複合構造体よりも比較的簡単である。更に、金属構築物と比較して異なる欠陥メカニズムに加えて、複合体は見えない微小亀裂及び層間剥離を含む可能性がある。このような欠陥は荷重下で伝搬する。比較的新しいシステムであるので、使用寿命を支配する複合体における経時劣化及び特性劣化のメカニズムに関しては非常に限られた情報しか入手できない。したがって、検知技術は、頑丈でなければならず且つ激しい運転条件に耐えることができなければならない。これらの条件としては、空力的ストレス、極端な温度への長時間の曝露、紫外(UV)照射線、及び湿気が挙げられる。センサーは、歪みの反復変化及び突然の変形(損傷、亀裂、層間剥離)を識別できなければならない。
【発明の概要】
【0007】
[00008]一形態においては、本発明はセンサーに関する。センサーは、少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを有する基材;及び、固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡している少なくとも第1及び第2の導電性接点;を含む。
【0008】
[00009]他の形態においては、本発明はセンサーの製造方法に関する。この方法は、基材の第1の表面上に少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを堆積させ;そして、少なくとも1種類の固有導電性ポリマーの上に、第1及び第2の接点を、固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡させて堆積させる;ことを含む。
【0009】
[00010]他の形態においては、本発明はセンサーを含む複合材料(composite material)に関する。センサーは、少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを有する基材;及び、固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡している少なくとも第1及び第2の導電性接点;を含む。
【0010】
[00011]更に他の形態においては、本発明は、複合材料における損傷を検知する方法に関する。この方法は、少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを有する基材;及び、固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡している少なくとも第1及び第2の導電性接点;を含むセンサーを複合体中又は複合体上に導入する;ことを含む。この方法は、固有導電性ポリマーの導電度の経時的な変化を検出し、及び/又は誘電性、強誘電性、又は強誘電体材料の反対側に適用される柔軟電極(compliant electrodes)として固有導電性ポリマーを用いるキャパシターのキャパシタンスの変化を検出することを更に含む。
【0011】
[00012]本発明のこれらの及び他の形態は、明細書を検討することによって、当業者に理解され、明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】[00013]図1は、本発明にしたがって製造した代表的なPANI/DBSA試料の熱重量分析を示すグラフである。
【図2】[00014]図2は、図1のチャートの微分を示すグラフである。
【図3】[00015]図3は、基材のTgを求めるための、商業的に入手できるPANI−EBの示差走査熱量測定を示すグラフである。
【図4】[00016]図4は、本センサーを試験するための代表的な方法の概要図である。
【図5】[00017]図5は、本発明にしたがって製造した代表的なセンサーにおいて、非可逆的な引張をセンサーに加えた際の抵抗変化の例を示すグラフである。
【図6】[00018]図6は、本発明にしたがって製造した代表的なセンサーにおいて、非可逆的な損傷をセンサーに加えた際の抵抗変化の例を示すグラフである。
【図7】[00019]図7は、本発明にしたがって形成した代表的なセンサーの概要図である。
【図8】[00020]図8は、本発明にしたがってセンサーを形成するための代表的なVARTMプロセスの概要図である。
【図9】[00021]図9(a)は、本発明にしたがって形成した代表的なセンサーの概要図である。
【0013】
[00022]図9(b)は、本発明にしたがって形成した代表的なセンサーの引張荷重下における写真である。
[00023]図9(c)は、本発明にしたがって形成した代表的なセンサーの曲げ荷重下における写真である。
【図10】[00024]図10(a)は、本発明にしたがって形成した代表的なセンサーの引張荷重下における応力/抵抗挙動を示すグラフである。
【0014】
[00025]図10(b)は、本発明にしたがって形成した代表的なセンサーの曲げ荷重下における応力/抵抗挙動を示すグラフである。
【図11】[00026]図11は、本発明にしたがって形成した代表的なセンサーの引張荷重下における感度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[00027]ここで、本発明の幾つかの態様を詳細に参照し、その1以上の実例を以下に示す。それぞれの実例は、本発明を説明する目的で与えるものであり、本発明を限定するものではない。実際、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、種々の修正及び変更を本発明において行うことができることが当業者に明らかとなるであろう。例えば、一態様の一部として示されているか又は記載されている特徴を他の態様について用いて、更なる態様を与えることができる。したがって、本発明は、かかる修正及び変更を特許請求の範囲及びそれらの均等範囲内に含まれるものとしてカバーすると意図される。本発明の他の対象、特徴、及び形態は、以下の詳細な説明において開示するか、或いはこれらから明らかである。本開示は代表的な態様のみを記載するものであり、本発明のより広い形態を限定するものとは意図していないことが、当業者によって理解される。
【0016】
[00028]一形態においては、本発明はセンサーに関する。このセンサーは、歪みゲージセンサー、損傷センサー、又は両方であってよい。ここで用いる歪みゲージセンサーは、可逆的な歪みを検出する。更に、ここで用いる損傷センサーは、非可逆的な損傷を検出する。幾つかの態様においては、本センサーは、可逆的な歪み及び非可逆的な損傷の両方を検知し、これらを識別することができる。構造体における歪み(又は応力)を検知することは、構造体の振動制御、荷重の監視、及び荷重履歴の記録に役立てることができる。構造体における損傷を検知することは、構造健全性の監視、適時の修復、及び安全性の向上に役立てることができる。歪み及び損傷の両方を検知する能力は、1つのみのものよりも有益である可能性がある。本発明以前に当該技術において公知の通常のセンサーは、歪み又は損傷を検出するのみで、両方は検出しない。幾つかの態様においては、本センサーを用いて歪み及び損傷の両方を検出することができる。
【0017】
[00029]ここで用いる「センサー」という用語は、刺激に応答して信号を与える装置を意味する。歪みセンサーは、歪みに応答して出力(又は信号)を与える。損傷センサーは、損傷に応答して出力(又は信号)を与える。
【0018】
[00030]センサーは、少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを有する基材;並びに、少なくとも第1及び第2の導電性接点;を含む。幾つかの態様においては、第1及び第2の導電性接点のそれぞれは、基材の第1の表面に隣接していない少なくとも1種類の固有導電性ポリマーの表面に隣接している。他の態様においては、第1及び第2の導電性接点のそれぞれは、基材の第1の表面に隣接している少なくとも1種類の固有導電性ポリマーの表面に隣接している。言い方を変えると、これらの態様においては、第1及び第2の導電性接点は、基材と固有導電性ポリマーとの間であってよい。更に他の態様においては、第1及び第2の接点の一方は基材と固有導電性ポリマーとの間であり、第1及び第2の接点の他方は、基材の第1の表面に隣接していない少なくとも1種類の固有導電性ポリマーの表面に隣接している。更に他の態様においては、第1及び第2の接点のそれぞれは、少なくとも1種類の固有導電性ポリマーに隣接していない基材の表面に隣接していてよい。更に他の態様においては、第1及び第2の接点の一方は、固有導電性ポリマーに隣接していない基材の表面に隣接していてよく、第1及び第2の接点の他方は固有導電性ポリマーの表面に隣接していてよい。
【0019】
[00031]本センサーは、センサーの成分として固有導電性ポリマーを存在させることによって、歪みゲージセンサー及び/又は損傷センサーとして用いることができる。固有導電性ポリマーの導電メカニズムは金属導体とは異なる。固有導電性ポリマー配合物中のドーパントが電荷担体として機能し、固有導電性ポリマーの形態が導電メカニズムにおいて重要な役割を有しているので、ドーパント濃度及び形態における小さな変化が導電度又は抵抗における大きな変化を与える。歪み又は損傷は、固有導電性ポリマーのドーパント濃度及び形態におけるかかる変化をもたらすことができる。したがって、センサーに対する歪み又は損傷は、導電度又は抵抗の変化をもたらし、歪み又は損傷の指示を観測者に与える。
【0020】
[00032]本発明にしたがって有用と考えられる基材としては、プラスチック、繊維、布帛、樹脂、複合材料、金属、コンクリート、木材、セラミックス、及びこれらの任意の組み合わせの1以上が挙げられる。幾つかの態様において、センサーを複合材料と関連させて用いる意図である場合には、複合材料又は他の適合する材料を基材として用いることが望ましい可能性がある。有用な基材と考えられる代表的な複合材料としては、炭素繊維強化エポキシ、ガラス繊維強化エポキシ、炭素繊維強化BMI、及びガラス繊維強化ポリエステルの1以上が挙げられる。
【0021】
[00033]本発明にしたがって有用と考えられる固有導電性ポリマーとしては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の1以上が挙げられる。
【0022】
[00034]酸がドープされた固有導電性ポリマーを用いることが望ましい可能性がある。固有導電性ポリマーは、当業者に公知の方法を用いてドープすることができる。有用なドーパントと考えられる酸としては、ポリスチレンスルホネート、1−アントラセンスルホン酸、9−アントラセンスルホン酸、2−フェナントレンスルホン酸、3−フェナントレンスルホン酸、9−フェナントレンスルホン酸、NO2CF3SO3−、CF3SO3H、ペルフルオロオクチルスルホン酸、ペルフルオロオクチルカルボン酸、オクチルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、セチルスルホン酸、トルエンスルホン酸(TsOH)、Fe(OTs)3、Fe(CH3SO3)3、(FSO3)2、AgOTs、CH3SiOTs、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、1,3−ベンゼンジスルホン酸、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、カンファースルホン酸、カンファースルフィン酸、ナフタレントリスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、イセチオン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、ニッケルフタロシアニンテトラスルホン酸、フェニルホスホン酸、ポリ(ビニルスルホン酸)、3−スルホプロピルアクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、スルファミン酸、5−スルホサリチル酸、タイロン(4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンスルホン酸)、ビニルスルホン酸、スルファニル酸、4−スルホフタル酸、スルホ酢酸、メチルオレンジ、フェニルホスホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリ(α−ビニルナフタレン)、ナフトールイエロー、ナフトールブルーブラック、1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸、ナフチルアゾキシンS、1−オクタンスルホン酸、t−ブチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、1,2−ベンゼンジスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸、2−メシチレンスルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,3,6−ナフタレントリスルホン酸、1,3,7−ナフタレントリスルホン酸、スルホンアゾIII酸、ビフェニルジスルホン酸、ビフェニルスルホン酸、1,8−ジヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸、3,6−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸、4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸、1−ナフタレンリン酸、1−ナフタレンスルホン酸、1−ナフタレン−5,7−ジニトロ−8−ヒドロキシ、1−ナフタレン−4−ヒドロキシスルホン酸、4−ブロモベンゼンスルホン酸、4−ヒドロキシ−5−イソプロピル−2−メチルベンゼンスルホン酸、3,4−ジアミノベンゼンスルホン酸、ベンゼンリン酸、1,3,5−ベンゼントリスルホン酸、2−メチル−5−イソプロピルベンゼンスルホン酸、3,4−ジニトロベンゼンスルホン酸、2−メトキシベンゼンスルホン酸、1−ナフタレン−5−ヒドロキシスルホン酸、1−ナフタレン−7−ヒドロキシスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、1−ナフタレン−3−ヒドロキシスルホン酸、2−ナフタレン−1−ヒドロキシスルホン酸、4−フェニルアミノベンゼンスルホン酸、及び
【0023】
【化1】
【0024】
(式中、Mは金属又は非金属カチオンであり;cは、1、2、3、又は4であり;dは、0、1、又は2であり;fは、0、1、又は2であり;gは、0、1、又は2であり;eは、0、1、又は2であり;R6は、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、ホスフェート、ボレート、カルボキシレート、1〜約30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール又はアルキル(ここで、許容される置換基としては、ペルハロアルキル、フェニル、アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ハロアルキル、ヒドロキシ、スルホン酸、リン酸、ホウ酸、スルフィネート、スルフィン酸、カルボン酸、ニトロ、カルボキシレートなどが挙げられる)であり、或いは任意の2つのR6置換基は、一緒に、非置換であっても、1以上のハロゲン、リン酸、ヒドロキシ、ホウ酸、ニトロ、シアノ、スルフィネート、リン酸、スルフィン酸、ホスフェート、カルボキシレート、ホスホン酸、ホスホネート、スルホネート、ボレート、スルホン酸、又はカルボン酸基によって置換されていてもよい縮合環系を完成するアルケニレン鎖を形成してもよく、或いはR6は式:
【0025】
【化2】
【0026】
(式中、qは1〜約10の正の自然数である)
の基である)
の1以上が挙げられる。
【0027】
[00035]第1及び第2の金属接点は、電極として機能させることができる。本発明にしたがって有用と考えられる代表的な接点材料は、独立して選択され、銅、銅ベースのハイブリッド材料、銀、炭素、カーボンナノチューブ、グラフェン、銀/炭素複合体、銀ベースのハイブリッド材料、金、金ベースのハイブリッド材料、酸化インジウムスズ(indium-tin-oxide)、フッ化物がドープされた酸化スズ、フッ化物がドープされた酸化亜鉛、ガリウムがドープされた酸化亜鉛、アルミニウムがドープされた酸化亜鉛、酸化アンチモンスズ(antimonium-tin oxide)、及び酸化亜鉛スズ(zinc-tin oxide)の1以上が挙げられる。ここで用いる「独立して選択」という用語は、第1及び第2の接点が協働して伝導する限りにおいて、第1及び第2の接点のそれぞれの接点材料を他の接点の材料とは関係なく選択することができることを意味する。
【0028】
[00036]幾つかの態様においては、第1及び第2の金属接点を同じ材料で形成することが望ましい可能性がある。他の態様においては、第1及び第2の接点を異なる材料で形成することが望ましい可能性がある。
【0029】
[00037]幾つかの態様においては、基材として圧電性材料を用いることが望ましい可能性がある。圧電性材料は、加えられた機械的応力に応答して電位を生成する。多くの場合において、圧電効果は可逆性であり、則ち、応力を加えると電場を生成する材料は逆の圧電効果も示し、電場を加えると応力及び/又は歪みを生成する。強誘電体は、天然の材料よりも数倍高い圧電定数を示す人工の材料である。本発明にしたがって有用と考えられる強誘電性材料としては、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ジルコン酸チタン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンのコポリマー、発泡構造のポリマー(強誘電体としても知られており、これらの材料は帯電後に圧電性及び焦電気性を示す)、及び当業者に公知の他の強誘電性材料の1以上が挙げられる。
【0030】
[00038]基材として圧電性材料又は強誘電性材料を用いる態様においては、圧電性材料又は強誘電性材料の反対の表面(正反対の表面)を、少なくとも1種類の固有導電性ポリマーで被覆することが望ましい可能性がある。圧電性材料又は強誘電性材料の反対の表面のそれぞれの上に異なる固有導電性ポリマーを被覆することが望ましい可能性がある。更に、圧電性材料又は強誘電性材料の2つより多い表面、幾つかの態様においては全ての表面を、1種類以上の固有導電性ポリマーで被覆することが望ましい可能性がある。本発明にしたがって有用と考えられる固有導電性ポリマーとしては、上記で議論したものが挙げられる。
【0031】
[00039]圧電性材料又は強誘電性材料は、分極と関係した材料の特性の変化によって、加えた力学的な波又は音波に対する電圧の生成を示す。したがって、下記において議論するように固有導電性ポリマーに接続すると、圧電体又は強誘電体において電場の変化を明示して、圧電性材料又は強誘電性材料をセンサーとして機能させることができる。
【0032】
[00040]かかる態様においては、1種類又は複数の固有導電性ポリマーを電極として機能させることができる。1種類又は複数の固有導電性ポリマーを電極として働かせる場合には、1以上の金属接点をセンサー装置の反対の表面上に堆積させて、システムの導電度を測定するのに用いる装置からクリップへの向上した接続能力を与えることが望ましい可能性がある。言い方を変えると、かかる態様においては、第1の接点を上記に記載のように第1の固有導電性ポリマー層に隣接させ、一方、第2の接点を、基材に隣接していない第2の固有導電性ポリマーの表面に隣接させることが望ましい可能性がある。
【0033】
[00041]本発明のこの態様にしたがって圧電性材料又は強誘電性材料を基材として用いる場合には、センサーは、操作するための電源を必要としないので、受動的センサーとみなすことができる。その代わりに、これらは歪みを加えると容易に測定される電荷(電圧)を生成して、データを容易に獲得することが可能になる。受動監視に加えて、圧電体又は強誘電体センサーは、複合構造体のその場での健全性の監視のための作動及び検知を可能にする。構造体を通って進む応力波は反射/回折し、材料及び構造の不連続点(例えば、剥離、層間剥離、及び他の損傷)による波動モードの変化が起こる。
【0034】
[00042]本発明による損傷及び歪みセンサーは、約10ミクロン〜約500mm、幾つかの態様においては約0.5mm〜約250mm、他の態様においては約1.0mm〜約50mmの長さを有していてよい。本発明によるセンサーの厚さは、約10nm〜約1000ミクロン、幾つかの態様においては約250nm〜約500ミクロン、他の態様においては約500nm〜約10ミクロンであってよい。
【0035】
[00043]少なくとも1種類の固有導電性ポリマーで基材の1つの表面を実質的に完全に被覆することが望ましい可能性がある。幾つかの態様においては、少なくとも1種類の固有導電性ポリマーによって基材の1つの表面の一部のみを被覆することができる。固有導電性ポリマーによって、基材の表面の少なくとも90%、幾つかの態様においては基材の表面の約1%〜約90%、他の態様においては基材の約40%〜約80%を被覆することが望ましい可能性がある。
【0036】
[00044]本発明にしたがって製造されるセンサーは、可撓性で、軽量で、頑丈で、悪条件及び極端な雰囲気下で安定である。本センサーは、125℃超、幾つかの態様においては200℃超、他の態様においては280℃超の温度まで安定であることができる。
【0037】
[00045]他の形態においては、本発明はセンサーの製造方法に関する。この方法は、基材の第1の表面上に少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを堆積させ;そして、少なくとも1種類の固有導電性ポリマーの上に、第1及び第2の接点を、固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡させて堆積させる;ことを含む。他の態様においては、この方法は、基材の第1の表面上に第1及び第2の接点を堆積させ;第1及び第2の接点の上に、少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを堆積させる;ことを含む。異なる態様においては、この方法は、少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを堆積させる前に第1及び第2の接点の一方を堆積させ;少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを堆積させた後に第1及び第2の接点の他方を堆積させる;ことを含む。異なる態様においては、この方法には、基材の反対の表面の上に第1及び第2の接点のそれぞれを堆積させることを含ませることができる。
【0038】
[00046]少なくとも1種類の固有導電性ポリマーは、当該技術において公知の方法によって堆積させることができる。代表的な方法としては、スクリーン印刷、噴霧被覆、エアロゾルジェット被覆、インクジェット印刷、粉末被覆、巻線ロッド、ドローダウンバー、ブラシ被覆、流し塗り、スロット被覆、浸漬被覆、及び当業者に公知の他の方法によって固有導電性ポリマーを堆積させることが挙げられる。
【0039】
[00047]スクリーン印刷の場合には、少なくとも、それぞれの層、則ち固有導電性ポリマー層の活性成分、及びバインダーを含むインクを形成する。次に、このインクをスクリーンに通して、基材又は先に印刷した層の上に堆積させる。次に、インクを硬化又は乾燥してセンサーの所望の層を形成することができる。特定の層の1より多い被覆を印刷することが望ましい可能性がある。
【0040】
[00048]幾つかの態様においては、スクリーン印刷の後で、次の隣接する被覆を印刷する前に、それぞれの被覆を硬化又は乾燥することが望ましい可能性がある。他の態様においては、印刷された被覆を硬化させる前に、1より多い被覆を印刷することが望ましい可能性がある。更に他の態様においては、層を硬化させる前に全ての被覆を印刷することが望ましい可能性がある。更に他の態様においては、次の被覆を印刷する前に被覆を部分的に硬化させることが望ましい可能性がある。
【0041】
[00049]硬化は、高温硬化又は乾燥、IR乾燥、UV硬化、電子ビーム硬化、又は化学的硬化によって行うことができる。当業者であれば、硬化させる1つ又は複数の層の成分に基づいて適切な硬化法を認識するであろう。幾つかの態様においては、単一の層及び/又は複数の層について1より多い硬化法を用いることができる。
【0042】
[00050]層は、それぞれの層に関して1、2、3、又は4回の印刷を用いて印刷することができる。層は、種々の層中の成分の粒径、及び印刷するインクの所望量によって異なるメッシュスクリーンを通して印刷することができる。
【0043】
[00051]更に、第1の層を部分的に硬化させ、第1の層を完全に硬化させる前に次の層を堆積させることが望ましい可能性がある。この随意の態様によって、層間の向上した接着を可能にすることができる。
【0044】
[00052]第1及び第2の接点用の代表的な材料は、上記で議論した接点材料から独立して選択することができる。接点は、スクリーン印刷、噴霧被覆、エアロゾルジェット被覆、インクジェット印刷、浸漬被覆、粉末被覆、巻線ロッド、ドローダウンバー、ブラシ被覆、流し塗り、スロット被覆、接着、又は当業者に公知の他の方法の1以上によって堆積させることができる。
【0045】
[00053]本発明方法によって製造されるセンサーのシート抵抗は、次の等式:
p=R(A/L)=R(ad/b);及び
Rs=R(a/b)
(式中、pは抵抗率であり;Rは抵抗であり;Rsはシート抵抗であり;Aは面積であり;Lは長さであり;aは幅であり;bは電極間の距離であり;dはセンサー層の厚さである)
によって算出することができる。
【0046】
[00054]本発明によって形成されるセンサーのシート抵抗は、約0.1kΩ〜約100MΩ、幾つかの態様においては約1kΩ〜約1MΩ、他の態様においては約1kΩ〜約100kΩであってよい。
【0047】
[00055]センサーの抵抗値は歪みと共に変動する。したがって、抵抗の変化は、センサーが損傷又は歪みを受けたことを示す。センサーの導電度値も、同様に歪み又は損傷と共に変動する。したがって、導電度の変化は、センサーが損傷又は歪みを受けたことを示す。
【0048】
[00056]本センサーの導電度、インピーダンス、抵抗、シート抵抗、及び/又はキャパシタンスは、当該技術において公知の方法によって監視することができる。例えば、これらは、電位計、電圧計、インピーダンス分析器、マルチメーター、ホイートストンブリッジ回路、LCR計、及び波形分析器の1以上によって監視することができる。
【0049】
[00057]幾つかの態様においては、無線技術を用いて、本センサーの導電度、抵抗、シート抵抗、及び/又はキャパシタンスを監視して、システムを監視するのに必要な器具及び配線を減少させることができる。この態様は特に、強誘電性材料を含むセンサーに適用することができる。上記で議論したように、強誘電性材料は周囲の電場の変化を明示することが知られている。幾つかの態様においては、電場の変化の明示は、音波のような波動の形態である。したがって、強誘電性材料を含むセンサーを本発明にしたがって用いる場合には、歪み又は応力がセンサーに加えられると、センサーは音波を発することができる。この音波は、無線で検出して、システムを監視するのに必要な器具及び配線を減少させることができる。このような無線監視は、リアルタイムで行って、損傷及び/又は歪みの出現を直ちに及び/又は迅速に示すことができる。
【0050】
[00058]ここで議論したもののような無線の態様においては、検出器は、遠隔位置に配置することができ、或いはセンサーに近接して配置することができる。代表的な検出器は、センサーから約25mm〜約100km、幾つかの態様においては約25m〜約75mの距離に配置することができる。
【0051】
[00059]他の形態においては、本発明はセンサーを含む複合材料に関する。このセンサーは、少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを有する基材;及び、固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡している少なくとも第1及び第2の導電性接点;を含む。
【0052】
[00060]本発明にしたがって有用と考えられる複合材料としては、上記で議論したもののような種々の構造体を構築するために有用な当該技術において公知の複合体が挙げられる。幾つかの態様においては、複合体は、異なる層が一緒に圧縮されて複合体を形成している積層体材料である。かかる複合体においては、材料が複合体を形成するのに適合する限りにおいて、種々の層に同じか又は異なる材料を含ませることができる。有用と考えられる代表的な複合材料としては、炭素繊維強化エポキシ、ガラス繊維強化エポキシ、炭素繊維強化BMI、及びガラス繊維強化ポリエステルの1以上が挙げられる。
【0053】
[00061]本センサーは、上記で議論したように、複合体上又は複合体中に導入することができる。幾つかの態様においては、センサーを複合材料の表面に適用することができる。他の態様においては、複合体を複合体中、例えば積層複合体の異なる層の間に埋め込むことができる。
【0054】
[00062]複合材料上又は複合材料中にセンサーの列を導入することが望ましい可能性がある。センサーの列を用いる場合には、複合体の異なる領域における歪み及び/又は損傷を検出するように、センサーをより良好に配置することができる。したがって、センサー間の距離が約1ミクロン〜約1m、幾つかの態様においては約500ミクロン〜約100mm、他の態様においては約1mm〜約10mmとなるようにセンサーを導入することが望ましい可能性がある。
【0055】
[00063]更に、積層複合材料の異なる層の間にセンサーを導入することが望ましい可能性がある。幾つかの態様においては、センサーを、複合体の表面上に導入し、及び複合体中に埋め込むことが望ましい可能性がある。当業者であればセンサーを導入することができる複合体の異なる位置を認識し、これらの位置の任意の組み合わせは本発明にしたがって有用であると考えられる。
【0056】
[00064]幾つかの態様においては、通常は真空支援樹脂トランスファー成形(VARTM)と呼ばれる方法を用いることが望ましい可能性がある。このプロセスを用いて高い繊維体積分率を有する大型の複合体を製造することができる。このプロセスは、通常は形成する複合体の一方の側のみの上に成形型が必要であり、他方の側は真空バッグで覆う。これにより、他の及び/又は更なる樹脂注入技術を用いる複合体の製造に適合する成形型を製造する必要性が排除される。更に、真空は、樹脂の注入及び硬化プロセス中のパネル圧縮に役立つ。しばしば1気圧以下のVARTM中に通常用いられる低い吸引圧のために、低い粘度のエポキシ樹脂系を用いることができる。また、高透過性の膜を用いて、樹脂のための容易に利用できる流路及びより迅速な処理時間を与えることもできる。図8は、VARTMを用いる複合体製造の概要図である。
【0057】
[00065]VARTMプロセスにおいては、離型剤(当該技術において公知のワックス又は離型スプレー)を用いて、成形型の表面、例えばガラスプレート又はアルミニウムを最初に準備することができる。これは、硬化後のパネルの容易な取り外しを助けることができる。次に、複合材料、例えば炭素繊維布帛層を、所望の順番で載置する。例えば粘着テープを用いて真空シール材の境界を調整して、樹脂の入口及び出口ラインのための十分な空間を残すことができる。入口及び出口ラインは、当該技術において公知のプラスチック螺旋配管を用いて形成することができる。また、布帛と出口ライン(樹脂トラップ及び真空ポンプに接続されているライン)との間に小さな通気布を配置することもできる。この布を初期樹脂トラップとして作用させて、出口ラインに侵入する樹脂の量を減少させることができる。図8に示すように、布帛層の頂部上に剥離層を配置する。次に、流動媒体を布帛上に配置して、複合体全体を覆うようにすることができる。最後に、全領域を真空バッグによって覆うことができる。
【0058】
[00066]準備が完了した後、粘着テープの小片を用いて樹脂の入口ラインを閉止して管の開口を塞ぎ、次に、閉じ込められた空気を排出するのに十分な時間、システムを真空下に配することができる。このシステムは、空気漏れの存在に関してチェックしなければならない。空気漏れが見つかったら、複合体の製造を開始する前にそれらを排除しなければならない。複合材料、例えばエポキシ樹脂系を準備し、脱気のためにオーブン内で真空下に保持することができる。システム及び複合材料を脱気した後、樹脂をプリフォーム中に含浸させることができる。樹脂は、複合体の形成用にデザインされている成形型上の実質的に全ての領域を覆うまで、流入させなければならない。幾つかの態様においては、面外(z)方向に含浸させるために、若干の追加の樹脂を、複合体を横切って流入させることが望ましい可能性がある。次に、2つのチューブクランプを用いて出口ラインを閉止することができる。幾つかの態様においては、出口ラインを樹脂ビーカー内に配置して、気泡が複合体プリフォーム中に侵入するのを避けることが望ましい可能性がある。
【0059】
[00067]樹脂含浸中においては、例えば約25〜約28inHg、幾つかの態様においては約25inHgの高真空を用いることができる。更に、幾つかの態様においては、硬化段階中の吸引圧を、残りの硬化時間の間、約15〜約20inHg、幾つかの態様においては約15inHgの圧力に低下させることが望ましい可能性がある。圧力を低下させて、より長いゲル時間を有する希薄な樹脂に関する過剰の樹脂抽出を避けることができる。
【0060】
[00068]更に他の形態においては、本発明は、複合材料における損傷を検知する方法に関する。この方法は、少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを有する基材;及び、固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡している少なくとも第1及び第2の導電性接点;を含むセンサーを複合体中に導入する;ことを含む。
【0061】
[00069]この方法は、固有導電性ポリマーの導電度及び/又は抵抗の経時的な変化を検出することを更に含む。導電度及び/又は抵抗の経時的な変化を検出することによって、複合材料における長期間腐食を検出することができる。したがって、材料の漸進的な劣化を監視することができ、漸進的な劣化が複合材料の継続使用に対する障害になる前に材料を交換又は補修することができる。
【0062】
[00070]センサーを複合体中又は複合体上に導入することにより、センサーは複合体と同じ歪み及び/又は損傷を受ける。したがって、センサーの導電度及び抵抗は、複合体に影響を与えている歪み及び/又は損傷によって影響を受ける。したがって、抵抗及び/又は導電度を監視することによって、複合体中又は複合体に対する歪み及び/又は損傷の存在が示される。しばしば、かかる歪み又は損傷は、目に見えないか、センサー通知なしでは明らかではないように思われる。したがって、本センサーにより歪み及び/又は損傷の早期検出が可能になり、これによって、より早期(及び潜在的により少ない費用)のメンテナンス、及び複合材料の壊滅的欠陥の阻止が可能になる。
【0063】
[00071]静的及び動的荷重条件下での歪みの検知は、航空宇宙構造体、民生用インフラシステム、及び機械装置のような多くの構造体のために望ましい。歪みの可逆性及び損傷の非可逆性のために、歪みの検知は損傷の検知とは異なる。可逆的な歪みはリアルタイムでのみ検知することができ、これに対して損傷はリアルタイムで検知する必要はない。
【0064】
[00072]ここで開示したセンサーを導入した複合体のようなそれ自体がセンサーである構造体材料は、複合体の物質とは異なる基材か又は複合体の物質と適合しない基材を有するこれまでのセンサーよりも良好に機能させることができる。
【0065】
[00073]損傷センサーに関しては、複合体を変化させることを必要としない非破壊法が望ましい可能性がある。本発明においては、センサーには、複合体と同じ材料又は複合体と適合性の材料(上記で議論した)である基材を含ませることができる。したがって、センサーを複合体中に導入するか或いは複合体の永久的な一部にして、損傷をリアルタイムか又はその後に検知する能力を与えることができる。
【0066】
[00074]上記で議論したように、センサーを監視して複合体における損傷を検出する種々の方法が、本発明にしたがって有用と考えられる。損傷又は歪みが起こると、音波が複合体から発せられる。次に、この音波を、音波を検出するための当該技術において公知の方法によって検出することができる。音波の周波数、波長、周期、振幅、強度、速度、分極、及び方向も、複合体が受けた歪み及び/又は損傷の度合いの指標とすることができる。音の速度は、その密度(ρ)に対する媒体の弾性率(λ)の比の平方根に比例する。したがって、損傷又は過度の歪みのために弾性率が変化すると、音の速度が変化する。これにより、複合体に対する損傷の度合い及び修復の必要の緊急性に関する情報が与えられる。
【0067】
[00075]複合体マトリクス材料は、経時的に減退する性能を示す。材料の性能を予測することは信頼できる工学的要素のために重要であるが、しかし、マトリクス材料に関する材料理論と予測される環境安定性との間に強い断絶が存在する。壊滅的で巨視的な性能損失の前に網状の欠陥開始点を明らかにすることは、欠陥を正確に予測し、材料の性能を延ばすために始まった事象を緩和するための次の工程を行うために重要である。
【0068】
[00076]以下の実施例は本発明の代表的な態様を記載する。特許請求の範囲内の他の態様は、ここで開示する本発明の明細又は実施を考察することによって当業者に明らかとなるであろう。明細書及び実施例は例示のみのものと考えられ、発明の範囲及び精神は実施例に続く特許請求の範囲によって示されると意図される。実施例において、全てのパーセントは他に示さない限りにおいて重量基準で与える。
【実施例】
【0069】
実施例1:
[00077]本実施例は、DNNSAがドープされたポリアニリンを形成する代表的な方法を示す。0.1モルのDNNSA(2−ブトキシエタノール中の50重量%溶液として)、0.06モルのアニリン、及び200mLの水を混合して、乳白色のエマルジョンを形成した。エマルジョンを、機械的に撹拌しながら窒素雰囲気下で5℃に冷却した。40mLの水中の0.074モルのアンモニウムペルオキシジスルフェート(APS)を混合物に滴加した。混合物の白色が琥珀色に変化した。反応を17時間進行させ、その時間の間にエマルジョンは緑色の有機相と無色の水性相に分離した。
【0070】
[00078]有機相を水で洗浄して、暗緑色の2−ブトキシエタノール中の高濃縮PANI/DNNSAを残留させた。この濃縮液はキシレン中に可溶であった。
実施例2:
[00079]本実施例は、DBSAがドープされたポリアニリンを形成し、極端な温度に対するドープされたポリアニリンの抵抗を測定する代表的な方法を示す。0.24モルのDBSA(2−ブトキシエタノール中の50重量%溶液として)、及び0.16モルのアニリンを、機械的に撹拌しながら、0℃以下、窒素雰囲気下において200mLの水中に溶解した。100mLの水中の0.2モルのAPSを混合物に滴加した。反応を約1〜2時間進行させた。200mLのメタノールを加えて、生成物の沈殿を起こさせた。生成物を濾過し、真空オーブン中45℃において乾燥した。次に、PANI/DBSAの暗緑色の粉末をトルエン中に溶解した。PANI/DBSAを、真空下50℃において一晩乾燥した。
【0071】
[00080]チタン製の熱重量分析(TGA)皿を、TA Instrumentsから入手した。トーチを用いて残留物を燃焼除去することによって皿を清浄化した。清浄な皿を自動サンプラー上に配置し、TGAによって秤量して皿の質量を求めた。約20mgの乾燥したPANI/DBSAをTGA皿中に配置した。次に、試料を自動サンプラー中に配置し、TAソフトウエア中に運転手順を入力した。試料を、20℃/分の速度で室温から700℃まで加熱した。
【0072】
[00081]PANI/DBSAは2つの異なる分解事象を示した(図1)。PANI/DBSAは、約250℃において初期分解、それに続いて約400℃において始まる他の事象を示した。初期分解は、おそらくPANIからのDBSAの脱ドーピングによると思われる。この事象はまた、DBSAの分解も含む。ニートのDBSAのTGAを行うと、分解の開始は約250℃であることが求められた。理論には縛られないが、PANI/DBSAにおける初期重量損失(250℃〜350℃)は、DBSAとポリマー鎖とのイオン性相互作用のために、ニートのDBSAにおける重量損失よりもより漸次的であると考えられる。第2の重量損失事象は、PANI鎖の分解によるものである。図1から分解の実際の開始を見分けることは困難である。分解の開始をより正確に求めるために、微分することによって図1を加工した(図2)。
【0073】
[00082]ピーク温度が示されているが、微分のピークは変曲点であり、分解の開始を示してはいない。分解の開始は、微分プロットのy値が急に上昇し始める時点である。
[00083]PANI/DBSA材料の熱重量分析によって、250℃の温度まで生成物が安定であることが示される。この時点において、PANIが脱ドーピングし、DBSAが分解すると思われる。TGAデータはまた、PANI/DBSA中のPANI鎖が375℃〜400℃の間の温度まで安定であることも示唆している。しかしながら、これらの温度においては、PANI/DBSAは250℃におけるDBSAの脱ドーピングのために導電性でないことを注意すべきである。
【0074】
実施例3:
[00084]本実施例は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて非ドープ又はドープされたPANI試料を定量化する方法を示す。
【0075】
[00085]標準的なアルミニウム皿及び蓋を、TA Instrumentsから入手した。試料皿及び蓋の質量を記録した。次に、はかりをゼロに合わせ、約5〜10mgの固体試料(実施例1及び/又は2に示した手順にしたがって調製した)を加えた。試料を有する皿を秤量し、質量を記録した。分析するそれぞれの材料に関して2つの試料を調製した。調製した試料を、適当な対照皿を有する自動サンプラー中に配置した。対照皿の質量も記録した。操作手順を次のように設定した。
【0076】
1.5℃/分で−80℃に冷却する;
2.2分間等温に保持する;
3.10℃/分で180℃に昇温する;
4.2分間等温に保持する;
5.5℃/分で−80℃に冷却する;
6.1分間等温に保持する;
7.10℃/分で180℃に昇温する;
8.2分間等温に保持する;
9.5℃/分で25℃に冷却する。
【0077】
[00086]同じ加熱手順を用いたが、液体試料を密閉した皿内に配置した。10K、50K、及び100Kg/モルの分子量の試料に関して、上記の手順を用いてPANI−EB(エメラルジン塩基)を分析した(図3)。
【0078】
[00087]全ての場合において、−4℃〜0℃の間に非常に小さい吸熱事象が見られた。この転移は試料中の水によるものである可能性があるが、この説明は上記に説明したDSC実験の操作手順には与えられないと思われる。試料を180℃に加熱した後に、データを記録し始めた。この吸熱事象の非常に小さい規模を考えると、任意の確度をもって特徴づけることは困難である。試料は、加熱プロセスの後期に他の吸熱事象を示す。約60℃〜70℃において、僅かにより明確な吸熱が見られる。この吸熱は、PANIのTgと関連しており、文献と合致する。
【0079】
[00088]商業的に入手できる非ドープPANI−EB(Aldrich)の示差走査熱量測定により、PANIに関するガラス転移温度Tgの報告されている値より非常に低い温度での吸熱転移が示される。この転移は単純に水の蒸発である可能性がある。この説明は、初期DSC加熱の昇温温度によるものではないように思われる。しかしながら、若干の残留水が初期加熱の後においても試料中に残留していた可能性がある。DSCによるPANI−EBのTgは、試料の分子量によって60℃〜70℃の間であった。転移は非常に小さい規模を有し、したがって正確に識別するのは困難である。
【0080】
[00089]大きな吸熱であると思われる二次転移が、10,000g/モルのPANI−EBのDSCグラフにおいて約160℃で認められる。このタイプの事象は、通常はTgに達したことを示す。しかしながら、試料は180℃までしかかけていないので、これが実際に真のTgであるかどうかを決定することは困難である。この事象は、より高分子量の試料においては見られない。これは、より高分子量のポリマーはより高いTgを示すという基本原則のためである可能性がある。
【0081】
実施例4:
[00090]本実施例においては、センサー材料としてEMPAC(登録商標)1003(Crosslink, Fenton, MO)を用い、基材としてBONDCOTE(登録商標)1677布帛(BondCote)を用いて、ICP歪みゲージセンサーを形成した。キシレン又はキシレン/ブチルセロソルブ混合物によってEMPAC(登録商標)1003を20重量%に希釈し、BONDCOTE(登録商標)1677布帛を蒸気清浄した。スクリーン印刷プロセスによって、EMPAC(登録商標)1003をBONDCOTE(登録商標)1677布帛上に被覆した。被覆された布帛を、30分間空気乾燥し、150℃において30分間硬化させ、次に雰囲気温度に冷却した。次に、硬化させた布帛上に銀電極をスクリーン印刷し、150℃において5〜20分間硬化させた。
【0082】
[00091]ICP歪みゲージの抵抗変化を測定して、外力に対するセンサー試験片の挙動を求めた。LabViewインターフェースを用いてAgilent 4263B LCR計をコンピューターに接続して、抵抗の変化を記録した。次に4プローブのAgilent 4263B LCR計を銀電極に取り付けた。基材に可逆的な引張を加え、抵抗の変化を測定及び記録した。この測定方法を図4に図示する。
【0083】
[00092]図4に示すリアルタイム監視システム(RTMS)によって、応力誘発抵抗変化vs時間の曲線を記録した。この試験を用いて、ICP歪みゲージセンサーの抵抗の変化を、試験片に加えた歪み/応力に相関させた。これは、最終的な用途のためのシステムの補正方法でもある。RTMSを用いて、荷重条件下でのICP歪みゲージセンサーの挙動を示す。
[00093]ICP歪みゲージセンサーに引張を加えると、荷重力が変動するのにつれて抵抗が変化した。例えば、図5は可逆的な引張に対する駆動抵抗の変化(応力/歪み曲線は含まれていない)を示し、これは製品の歪みの許容範囲を予測するために用いることができる。
【0084】
実施例5:
[00094]本実施例においては、ICP歪みゲージを形成するために実施例5において記載したものと同じ方法を用いて、ICP損傷センサーを製造した。損傷検知を試験するために、非可逆的な引張を試験片に加えた。非可逆的な引張の源として、MTS810材料試験システムを用いた。
【0085】
[00095]
非可逆的条件下における応力/抵抗vs時間の曲線を図6に示す。試験中は、応力が増加するにつれて抵抗が増加した。応力が特定の値(約7000psi)に達すると、応力を増加させても抵抗はほぼ同じレベルのままであった。応力が降伏点に達したら、試験試料を固定し、それが元の位置に戻ったら湾曲させた。破壊された試験片の状態によって抵抗の急上昇が起こった。この監視システムを用いて損傷を検出することができる。
【0086】
実施例6:
[00096]本実施例は、固有導電性ポリマーをセンサー用途のための電極として用いることができることを示す。本実施例においては、検知材料として強誘電体ポリマーを用いる。センサーの全重量を減少させるために、高密度の金属電極の代わりに電極用にICPを用いた。両側の上に電極を配すると、強誘電性材料はキャパシターとして作用し、その値は複合体の寸法変化と共に変動する(図7)。
【0087】
[00097]用いた強誘電性材料はポリオレフィンフォームである。このフォームは、内部に微細孔を有する。フォームを延伸し、フィルムとして形成した。高電圧コロナ処理を用いてこれを帯電させた。この強誘電性材料のキャパシタンスは、孔の寸法によって変動する。言い方を変えると、気泡が形成されるので、寸法変化に対する感度を他の固体キャパシターよりも高くすることができる。
【0088】
[00098]本実施例に関しては、電極としてEMPAC(登録商標)1003を用いて軽量システムを形成した。一般に、電極としては銀が用いられており、その密度は、EMPAC(登録商標)1003に関する0.85〜1.50g/cm3に対して10.49g/cm3である。キシレン又はキシレン/ブチルセロソルブ混合物によってEMPAC(登録商標)1003を20重量%に希釈し、次に強誘電性シートの表面上に被覆した。EMPAC(登録商標)1003を室温において30分間空気乾燥し、次にオーブン内150℃において30分間乾燥した。室温に冷却した後、強誘電体材料の他の表面も同じ手順を用いてEMPAC(登録商標)1003で被覆した。スクリーン印刷法を用いてEMPAC(登録商標)1003層の上に銀接点を形成して、LCR計からのクリップとの良好な接触を与えた。印刷された銀接点を150℃において5〜20分間硬化させた。ICPを用いて形成されたキャパシターを図7に図示する。形成されたキャパシターは2.1cm×2.6cmであった。キャパシタンス(Agilent 4263 LCR計によって測定)は0.14nFであった。
【0089】
実施例7:
[00099]本発明にしたがって複合体を形成するために、上記で議論したVARTMプロセスを用いて高い繊維の体積分率を有する複合体を製造した(図8)。一方向繊維テープと織布との組み合わせを用いて、8層状複合体を製造した。一方向繊維をファセットシートとして有しながら、この組み合わせを用いて複合体に対して横方向の機械的強度を与えた。この複合体は、ICPフィルムを用いて識別できる歪み挙動を達成することに焦点をあてている。
【0090】
[00100]複合体パネルを製造するために、SC-15エポキシ樹脂系を用いた。複合体を始めに雰囲気温度において真空下で24時間硬化させ、オーブン内で100℃において5時間、後硬化させた。2相エポキシ樹脂:SC-15は、Applied Poleramic, Inc.(Benicia, California)から入手した。樹脂の代表的な特性を表1に列記する。
【0091】
【表1】
【0092】
[00101]製造した複合体を迅速ダイアモンドタイル切断機で切断して、切り取り試片を形成した。次に、Husky high 0(Buehler, Lake Bluff, IL)を用いて、Isomet 100上で約25.4mmの幅に端部を研磨して、滑らかな端部を得て、切断によって現れるバリを除去した。次に、試験片をオーブン内において50℃で一晩乾燥した。次に、ICPベースの歪みゲージを、切り取り試片上の中央領域に噴霧被覆した。
【0093】
[00102]具体的には、10重量%のPANI/DNNSAを切り取り試片の中央の25mmの上に噴霧被覆した。次に、被覆を、複合体基材については100〜200℃において10〜16分間か又は100℃において2時間、TEFLON(登録商標)基材については150℃において30分間硬化させた。硬化後、銅テープの電気接点を被覆上に取り付けた。
【0094】
[00103]上記で形成したポリマーフィルムのシート抵抗を測定するために、RS232ベースのPC接続が可能なMastechデジタルメーターを用いた。この構成を用い、図9(a)に示すようにして通常の2点法を用いて抵抗を測定することができる。デジタルメーターは、製造された切り取り試片の機械的試験中にデータをリアルタイムで記録及び分析するように設定した。図9(b)及び図9(c)はそれぞれ、MTS810システム(MTS systems Corporation, Eden Prairie, MN)上での引張及び曲げ荷重下の複合体を示す。両方の場合において1mm/分の荷重速度を用いた。歪み速度はASTM−D790及びASTM−D3039によって推奨されている値よりも低く保持して、抵抗測定におけるノイズの原因となる可能性がある接触点の移動を回避した。
【0095】
[00104]上記で製造した複合体及びTEFLON(登録商標)プラーク上への噴霧印刷を用いて歪みゲージを製造した。引張及び曲げ荷重モードを用いてこれらのゲージの挙動を明らかにした。複合体に関しては歪みは低く(<5%)保持し、一方、Teflon試験片は高い歪み(約50%)まで荷重を加えた。
【0096】
[00105]MTS上で、複合体の切り取り試片に引張及び曲げモードの両方で荷重をかけた。図10(a)は、試験中に観察された応力/抵抗挙動を示す。試験は、均一なクロスヘッド変位速度において行った。引張荷重下の試験片には最大で5%の歪みを加え、一方、曲げ試料には1.2%の歪みしか加えなかった。曲げの場合においては、試験片をピーク荷重に保持して、歪みゲージの挙動を確認した。
【0097】
[00106]歪みによるICPフィルムの機械的挙動を明らかにするために、TEFLON(登録商標)シートを用いて試料を製造した。引張試験のために、150×25.4×1.2mm3の公称寸法を有するシートを切り取った。上記で議論したようにして、Teflon試料上に歪みゲージ及び銅接点を形成した。TEFLON(登録商標)試験片に変動する変位速度で荷重をかけた。図10(b)は、TEFLON(登録商標)試験片の引張荷重中の抵抗測定値を示す。3、4.5、6、7.5、及び9%/分の歪み速度でTEFLON(登録商標)プラークに荷重をかけた。結果は歪みに関してほぼ線状の傾向を示すが、異なる歪み速度が結論に役立つ挙動を示すとは思われない(図11)。
【0098】
[00107]複合体及びTEFLON(登録商標)基材上のICPフィルムの機械的試験は、TEFLON(登録商標)の場合においてより大きな相関を示す。理論には縛られないが、炭素ベースの複合体は固有の導電度を示すので、ICPフィルムの抵抗測定値が影響を受けると仮定される。それにもかかわらず、絶縁体基材として用いたTEFLON(登録商標)プラーク上に載置された歪みゲージは、歪みと線状の相関を示す。更に、熱分析データによって、ICPベースのフィルムは航空宇宙用途のために熱的に安定であることができることが示される。
【0099】
[00108]歪み検知データにおける電流ノイズにもかかわらず、ICPベースの歪みゲージは有望な結果を示す。
実施例8:
[00109]本実施例は、CSAがドープされたポリアニリンを形成する代表的な方法を示す。0.05gのポリアニリン−EBを0.07gのs−CSAとブレンドした。ブレンドを微細粉末に粉砕し、次に5mLのm−クレゾールに加えた。次に、これを2時間超音波処理し、2日間撹拌した。次に、PANI−CSAを濾過した。
【0100】
[00110]本実施例は、アミノアントラキノン(AAQ)がドープされたPANIを形成する代表的な方法を示す。0.05gの1−AAQを300mLの6M−硫酸に加え、溶解するまで超音波処理した。溶液を反応器に移し、1.87gの13%次亜塩素酸ナトリウム溶液を加えた。混合物を2日間撹拌し、次に遠心分離して青色の沈殿物を分離した。上澄み液中のSO42−及びCl−が硝酸銀及び塩化バリウムに転化するまで、沈殿物をメタノールで洗浄した。生成物を、真空オーブン内において45℃で24時間乾燥した。UV−可視−NIR分光分析によって生成物を特性分析した(図12)。
【0101】
[00111]限定なしに全ての論文、公報、特許、特許出願、プレゼンテーション、テキスト、レポート、原稿、パンフレット、書籍、インターネット投稿、雑誌記事、定期刊行物などの本明細書中で引用する全ての参照文献は、その全部を参照として本明細書中に包含する。ここでの参照文献の議論は、単にこれらの著者によって行われている主張を要約することを意図するものであり、いかなる参照文献も従来技術を構成するとは認められない。本出願人は、引用する参照文献の正確性及び妥当性を疑う権利を留保する。
【0102】
[00112]上記を考慮すると、本発明の幾つかの有利性が達成され、他の有利な結果が得られることが認められる。
[00103]本発明の範囲から逸脱することなく上記の方法及び組成物において種々の変更を行うことができるので、上記の記載に含まれ、添付の図面において示される全ての事項は、例示として解釈され、限定の意味はないと意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを有する基材;及び
固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡している少なくとも第1及び第2の導電性接点;
を含むセンサー。
【請求項2】
センサーが、可逆的な歪みを検出する歪みゲージセンサーである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項3】
センサーが、非可逆的な損傷を検出する損傷センサーである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項4】
固有導電性ポリマーが、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の1以上から選択される、請求項1に記載のセンサー。
【請求項5】
固有導電性ポリマーが酸ドープされている、請求項4に記載のセンサー。
【請求項6】
固有導電性ポリマー中にドープされている酸が、ポリスチレンスルホネート、1−アントラセンスルホン酸、9−アントラセンスルホン酸、2−フェナントレンスルホン酸、3−フェナントレンスルホン酸、9−フェナントレンスルホン酸、NO2CF3SO3−、CF3SO3H、ペルフルオロオクチルスルホン酸、ペルフルオロオクチルカルボン酸、オクチルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、セチルスルホン酸、トルエンスルホン酸(TsOH)、Fe(OTs)3、Fe(CH3SO3)3、(FSO3)2、AgOTs、CH3SiOTs、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、1,3−ベンゼンジスルホン酸、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、カンファースルホン酸、カンファースルフィン酸、ナフタレントリスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、イセチオン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、ニッケルフタロシアニンテトラスルホン酸、フェニルホスホン酸、ポリ(ビニルスルホン酸)、3−スルホプロピルアクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、スルファミン酸、5−スルホサリチル酸、タイロン(4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンスルホン酸)、ビニルスルホン酸、スルファニル酸、4−スルホフタル酸、スルホ酢酸、メチルオレンジ、フェニルホスホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリ(α−ビニルナフタレン)、ナフトールイエロー、ナフトールブルーブラック、1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸、ナフチルアゾキシンS、1−オクタンスルホン酸、t−ブチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、1,2−ベンゼンジスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸、2−メシチレンスルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,3,6−ナフタレントリスルホン酸、1,3,7−ナフタレントリスルホン酸、スルホンアゾIII酸、ビフェニルジスルホン酸、ビフェニルスルホン酸、1,8−ジヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸、3,6−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸、4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸、1−ナフタレンリン酸、1−ナフタレンスルホン酸、1−ナフタレン−5,7−ジニトロ−8−ヒドロキシ、1−ナフタレン−4−ヒドロキシスルホン酸、4−ブロモベンゼンスルホン酸、4−ヒドロキシ−5−イソプロピル−2−メチルベンゼンスルホン酸、3,4−ジアミノベンゼンスルホン酸、ベンゼンリン酸、1,3,5−ベンゼントリスルホン酸、2−メチル−5−イソプロピルベンゼンスルホン酸、3,4−ジニトロベンゼンスルホン酸、2−メトキシベンゼンスルホン酸、1−ナフタレン−5−ヒドロキシスルホン酸、1−ナフタレン−7−ヒドロキシスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、1−ナフタレン−3−ヒドロキシスルホン酸、2−ナフタレン−1−ヒドロキシスルホン酸、4−フェニルアミノベンゼンスルホン酸、及び
【化1】
(式中、Mは金属又は非金属カチオンであり;cは、1、2、3、又は4であり;dは、0、1、又は2であり;fは、0、1、又は2であり;gは、0、1、又は2であり;eは、0、1、又は2であり;R6は、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、ホスフェート、ボレート、カルボキシレート、1〜約30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール又はアルキル(ここで、許容される置換基としては、ペルハロアルキル、フェニル、アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ハロアルキル、ヒドロキシ、スルホン酸、リン酸、ホウ酸、スルフィネート、スルフィン酸、カルボン酸、ニトロ、カルボキシレートなどが挙げられる)であり、或いは任意の2つのR6置換基は、一緒に、非置換であっても、1以上のハロゲン、リン酸、ヒドロキシ、ホウ酸、ニトロ、シアノ、スルフィネート、リン酸、スルフィン酸、ホスフェート、カルボキシレート、ホスホン酸、ホスホネート、スルホネート、ボレート、スルホン酸、又はカルボン酸基によって置換されていてもよい縮合環系を完成するアルケニレン鎖を形成してもよく、或いはR6は式:
【化2】
(式中、qは1〜約10の正の自然数である)
の基である)
の1以上から選択される、請求項5に記載のセンサー。
【請求項7】
第1及び第2の接点が電極である、請求項1に記載のセンサー。
【請求項8】
第1及び第2の接点が、独立して、銅、銀、銀/炭素複合体、酸化インジウムスズ、フッ化物がドープされた酸化スズ、フッ化物がドープされた酸化亜鉛、ガリウムがドープされた酸化亜鉛、アルミニウムがドープされた酸化亜鉛、酸化アンチモンスズ、及び酸化亜鉛スズの1以上から選択される、請求項1に記載のセンサー。
【請求項9】
第1及び第2の導電性接点のそれぞれが、基材の第1の表面に隣接していない少なくとも1種類の固有導電性ポリマーの表面に隣接している、請求項1に記載のセンサー。
【請求項10】
第1及び第2の導電性接点のそれぞれが、基材の第1の表面に隣接している少なくとも1種類の固有導電性ポリマーの表面に隣接している、請求項1に記載のセンサー。
【請求項11】
第1及び第2の接点の一方が基材と少なくとも1種類の固有導電性ポリマーとの間に配置され、第1及び第2の接点の他方が、基材の第1の表面に隣接していない少なくとも1種類の固有導電性ポリマーの表面に隣接している、請求項1に記載のセンサー。
【請求項12】
基材が、プラスチック、繊維、布帛、樹脂、複合材料、金属、コンクリート、木材、及びセラミックスの1以上から選択される、請求項1に記載のセンサー。
【請求項13】
複合材料が、炭素繊維強化エポキシ、ガラス繊維強化エポキシ、炭素繊維強化BMI、及びガラス繊維強化ポリエステルの1以上から選択される、請求項12に記載のセンサー。
【請求項14】
基材が、圧電性材料及び強誘電性材料の一方又は両方である、請求項1に記載のセンサー。
【請求項15】
基材の第2の表面上に被覆されている第2の固有導電性ポリマーを含み、第2の表面が基材の第1の表面の正反対側である、請求項14に記載のセンサー。
【請求項16】
第1の固有導電性ポリマーと第2の固有導電性ポリマーが同一である、請求項15に記載のセンサー。
【請求項17】
第1の固有導電性ポリマーと第2の固有導電性ポリマーが異なる、請求項15に記載のセンサー。
【請求項18】
基材の第1の表面上に少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを堆積させ;そして
第1及び第2の接点を、固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡させて堆積させる;
ことを含む、センサーの製造方法。
【請求項19】
少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを有する基材、及び
固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡している少なくとも第1及び第2の導電性接点、
を含むセンサーを複合体中又は複合体上に導入し;そして
固有導電性ポリマーの導電度の経時的な変化を検出する;
ことを含む、複合材料の損傷を検知する方法。
【請求項20】
センサーを複合材料の表面上に配置する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
センサーを複合体中に埋め込む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを有する基材;及び
固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡している少なくとも第1及び第2の導電性接点;
を含むセンサーを含む複合材料。
【請求項1】
少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを有する基材;及び
固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡している少なくとも第1及び第2の導電性接点;
を含むセンサー。
【請求項2】
センサーが、可逆的な歪みを検出する歪みゲージセンサーである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項3】
センサーが、非可逆的な損傷を検出する損傷センサーである、請求項1に記載のセンサー。
【請求項4】
固有導電性ポリマーが、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の1以上から選択される、請求項1に記載のセンサー。
【請求項5】
固有導電性ポリマーが酸ドープされている、請求項4に記載のセンサー。
【請求項6】
固有導電性ポリマー中にドープされている酸が、ポリスチレンスルホネート、1−アントラセンスルホン酸、9−アントラセンスルホン酸、2−フェナントレンスルホン酸、3−フェナントレンスルホン酸、9−フェナントレンスルホン酸、NO2CF3SO3−、CF3SO3H、ペルフルオロオクチルスルホン酸、ペルフルオロオクチルカルボン酸、オクチルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、セチルスルホン酸、トルエンスルホン酸(TsOH)、Fe(OTs)3、Fe(CH3SO3)3、(FSO3)2、AgOTs、CH3SiOTs、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、1,3−ベンゼンジスルホン酸、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、カンファースルホン酸、カンファースルフィン酸、ナフタレントリスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、イセチオン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、ニッケルフタロシアニンテトラスルホン酸、フェニルホスホン酸、ポリ(ビニルスルホン酸)、3−スルホプロピルアクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、スルファミン酸、5−スルホサリチル酸、タイロン(4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンスルホン酸)、ビニルスルホン酸、スルファニル酸、4−スルホフタル酸、スルホ酢酸、メチルオレンジ、フェニルホスホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリ(α−ビニルナフタレン)、ナフトールイエロー、ナフトールブルーブラック、1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸、ナフチルアゾキシンS、1−オクタンスルホン酸、t−ブチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、1,2−ベンゼンジスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸、2−メシチレンスルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,3,6−ナフタレントリスルホン酸、1,3,7−ナフタレントリスルホン酸、スルホンアゾIII酸、ビフェニルジスルホン酸、ビフェニルスルホン酸、1,8−ジヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸、3,6−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸、4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸、1−ナフタレンリン酸、1−ナフタレンスルホン酸、1−ナフタレン−5,7−ジニトロ−8−ヒドロキシ、1−ナフタレン−4−ヒドロキシスルホン酸、4−ブロモベンゼンスルホン酸、4−ヒドロキシ−5−イソプロピル−2−メチルベンゼンスルホン酸、3,4−ジアミノベンゼンスルホン酸、ベンゼンリン酸、1,3,5−ベンゼントリスルホン酸、2−メチル−5−イソプロピルベンゼンスルホン酸、3,4−ジニトロベンゼンスルホン酸、2−メトキシベンゼンスルホン酸、1−ナフタレン−5−ヒドロキシスルホン酸、1−ナフタレン−7−ヒドロキシスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、1−ナフタレン−3−ヒドロキシスルホン酸、2−ナフタレン−1−ヒドロキシスルホン酸、4−フェニルアミノベンゼンスルホン酸、及び
【化1】
(式中、Mは金属又は非金属カチオンであり;cは、1、2、3、又は4であり;dは、0、1、又は2であり;fは、0、1、又は2であり;gは、0、1、又は2であり;eは、0、1、又は2であり;R6は、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、ホスフェート、ボレート、カルボキシレート、1〜約30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール又はアルキル(ここで、許容される置換基としては、ペルハロアルキル、フェニル、アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ハロアルキル、ヒドロキシ、スルホン酸、リン酸、ホウ酸、スルフィネート、スルフィン酸、カルボン酸、ニトロ、カルボキシレートなどが挙げられる)であり、或いは任意の2つのR6置換基は、一緒に、非置換であっても、1以上のハロゲン、リン酸、ヒドロキシ、ホウ酸、ニトロ、シアノ、スルフィネート、リン酸、スルフィン酸、ホスフェート、カルボキシレート、ホスホン酸、ホスホネート、スルホネート、ボレート、スルホン酸、又はカルボン酸基によって置換されていてもよい縮合環系を完成するアルケニレン鎖を形成してもよく、或いはR6は式:
【化2】
(式中、qは1〜約10の正の自然数である)
の基である)
の1以上から選択される、請求項5に記載のセンサー。
【請求項7】
第1及び第2の接点が電極である、請求項1に記載のセンサー。
【請求項8】
第1及び第2の接点が、独立して、銅、銀、銀/炭素複合体、酸化インジウムスズ、フッ化物がドープされた酸化スズ、フッ化物がドープされた酸化亜鉛、ガリウムがドープされた酸化亜鉛、アルミニウムがドープされた酸化亜鉛、酸化アンチモンスズ、及び酸化亜鉛スズの1以上から選択される、請求項1に記載のセンサー。
【請求項9】
第1及び第2の導電性接点のそれぞれが、基材の第1の表面に隣接していない少なくとも1種類の固有導電性ポリマーの表面に隣接している、請求項1に記載のセンサー。
【請求項10】
第1及び第2の導電性接点のそれぞれが、基材の第1の表面に隣接している少なくとも1種類の固有導電性ポリマーの表面に隣接している、請求項1に記載のセンサー。
【請求項11】
第1及び第2の接点の一方が基材と少なくとも1種類の固有導電性ポリマーとの間に配置され、第1及び第2の接点の他方が、基材の第1の表面に隣接していない少なくとも1種類の固有導電性ポリマーの表面に隣接している、請求項1に記載のセンサー。
【請求項12】
基材が、プラスチック、繊維、布帛、樹脂、複合材料、金属、コンクリート、木材、及びセラミックスの1以上から選択される、請求項1に記載のセンサー。
【請求項13】
複合材料が、炭素繊維強化エポキシ、ガラス繊維強化エポキシ、炭素繊維強化BMI、及びガラス繊維強化ポリエステルの1以上から選択される、請求項12に記載のセンサー。
【請求項14】
基材が、圧電性材料及び強誘電性材料の一方又は両方である、請求項1に記載のセンサー。
【請求項15】
基材の第2の表面上に被覆されている第2の固有導電性ポリマーを含み、第2の表面が基材の第1の表面の正反対側である、請求項14に記載のセンサー。
【請求項16】
第1の固有導電性ポリマーと第2の固有導電性ポリマーが同一である、請求項15に記載のセンサー。
【請求項17】
第1の固有導電性ポリマーと第2の固有導電性ポリマーが異なる、請求項15に記載のセンサー。
【請求項18】
基材の第1の表面上に少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを堆積させ;そして
第1及び第2の接点を、固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡させて堆積させる;
ことを含む、センサーの製造方法。
【請求項19】
少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを有する基材、及び
固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡している少なくとも第1及び第2の導電性接点、
を含むセンサーを複合体中又は複合体上に導入し;そして
固有導電性ポリマーの導電度の経時的な変化を検出する;
ことを含む、複合材料の損傷を検知する方法。
【請求項20】
センサーを複合材料の表面上に配置する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
センサーを複合体中に埋め込む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
少なくともその第1の表面上に被覆されている少なくとも1種類の固有導電性ポリマーを有する基材;及び
固有導電性ポリマー被覆又は基材の少なくとも一方と連絡している少なくとも第1及び第2の導電性接点;
を含むセンサーを含む複合材料。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2011−525240(P2011−525240A)
【公表日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514779(P2011−514779)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/047696
【国際公開番号】WO2009/155367
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(510332899)ルミムーブ,インコーポレーテッド,ディー/ビー/エイ・クロスリンク (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/047696
【国際公開番号】WO2009/155367
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(510332899)ルミムーブ,インコーポレーテッド,ディー/ビー/エイ・クロスリンク (2)
【Fターム(参考)】
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