説明

複層白色ポリアミドフィルム

【課題】遮光性、隠蔽性に優れ、さらに手切れ性や直進引裂性に優れる複層白色ポリアミドフィルムを提供する。
【解決手段】本発明の複層白色ポリアミドフィルムは、白色顔料を20〜60質量%含有するポリアミド樹脂層(A)と、芳香族ポリアミド樹脂を5〜30質量%含有するポリアミド樹脂層(B)とを少なくとも1層ずつ有し、かつ、単層のポリアミド樹脂層(A)の厚みが、複層白色ポリアミドフィルム全体の厚みに対して10〜50%であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は積層白色ポリアミドフィルムに関し、特に包装用材料に好ましく用いることができる複層白色ポリアミドフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遮光性や隠蔽性を有する包装用材料として、銀色インキを含む2種以上のインキを用いて印刷された多層印刷層を有する包装フィルムが提案されている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1に記載された包装フィルムは、印刷インキによる連続印刷膜によってある程度の遮光性や隠蔽性が得られるが、実用に耐えうるレベルではなかった。また、製品コストも高くなるという問題があった。さらに、印刷層を2層以上の多層とすることに起因して、ラミネート強力が著しく低下するため、該包装フィルムを用いてなる包装袋においては、製品充填中や輸送中、あるいはレトルト処理後に、デラミ(層間剥離)が発生する場合があった。
【0003】
一方、二軸延伸ポリアミドフィルムは、機械強度が高いために切断されにくく、包装材料として用いた際に、手で開封したり切断したりすることが容易ではないという問題点があった。そこで、二軸延伸ポリアミドフィルムに手切れ性を付与する方法として、端部にノッチを付与する方法が提案されている(特許文献2)。しかし、ノッチを付けた場合には、ノッチ以外の箇所から引き裂くことができず、開封方法や開封場所の選択の幅が狭いという問題があった。
【0004】
また、上記のような複層フィルムを手で容易に開封、切断するための方法として、予め傷を付ける方法が知られている(特許文献3)。しかしながら、この場合には、手切れ性が良好になり過ぎ、製袋などの二次加工時において、破断しやすいという問題点がある。加えて、傷を付ける方法においては、複層フィルムを引き裂いた際に、直線的に引き裂けず、袋体の開封部が歪み、内容物が飛散するという問題点もあった。
【0005】
かかる場合に、フィルムを引き裂いた際の直線性(直線引裂性)を向上させるために、一軸配向ポリオレフィンフィルムを中間層、二軸延伸ポリアミドフィルムを表層としてラミネートした複層フィルムが知られている。例えば、二軸配向ポリオレフィンフィルム/一軸配向ポリオレフィンフィルム/無配向ポリオレフィンフィルムの構成を有する3層フィルムが挙げられる。しかしながら、この場合には、一軸配向フィルムを延伸方向に引き裂いた際の直線引裂性は向上していたが、この直線引裂性の向上のみを目的として、新たな中間層を設けた多層構造としているために、高価になったり、用途が限定されたりするという問題が生じていた。しかも、フィルムを引き裂いた際の直線性には優れるものの、開封部分にはノッチや傷を付ける方法が用いられており、手での開封や切断は困難であった。
【0006】
また、脂肪族ポリアミド重合体と芳香族ポリアミド重合体を含有した直線引裂性ポリアミドフィルムも提案されている(特許文献3)。しかしながら、この場合は、フィルムを引き裂いた際の直線性には優れるものの、開封部分にはノッチや傷を付ける方法が用いられており、手での開封や切断は困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−118777号公報
【特許文献2】特開平11−208678号公報
【特許文献3】特開2008−162606号公報
【特許文献4】特開2007−99999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決しようとするものであり、内容物の品質等に影響を与える光の遮光性、および内容物を見えにくくする隠蔽性に優れ、さらには包装材料として有用な引裂性及び手切れ性に優れた複層白色ポリアミドフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、白色顔料を特定量含有したポリアミド樹脂層および芳香族ポリアミド樹脂を特定量含有したポリアミド樹脂層を少なくとも1層ずつ有する複層白色ポリアミドフィルムを用いることにより、前記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
すなわち、本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)白色顔料を20〜60質量%含有するポリアミド樹脂層(A)と、芳香族ポリアミド樹脂を5〜30質量%含有するポリアミド樹脂層(B)とを少なくとも1層ずつ有し、かつ、単層のポリアミド樹脂層(A)の厚みが、複層白色ポリアミドフィルム全体の厚みに対して10〜50%であることを特徴とする複層白色ポリアミドフィルム。
(2)以下の(I)および(II)を同時に満足することを特徴とする(1)の複層白色ポリアミドフィルム。
(I)複層白色ポリアミドフィルムの隠蔽度が0.3以上である。
(II)白色顔料を含有するポリアミド樹脂層(A)の空隙率が3〜20%である。
(3)端裂抵抗が30〜70Nであり、かつ引張強度が150〜200MPaであることを特徴とする(1)または(2)の複層白色ポリアミドフィルム。
(4)白色顔料が、酸化チタンおよび/または硫酸バリウムであることを特徴とする(1)〜(3)の複層白色ポリアミドフィルム。
(5)(1)〜(4)の複層白色ポリアミドフィルムを製造する方法であって、白色顔料を含有するポリアミド樹脂層(A)、および芳香族ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂層(B)を少なくとも一層ずつ積層させた未延伸フィルムを、原料となるポリアミド樹脂のガラス転移温度以上かつ結晶化温度以下の温度で延伸させることを特徴とするポリアミドフィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明の複層白色ポリアミドフィルムは、遮光性、隠蔽性や直線引裂性、ならびに手切れ性にも優れることから、食品や医薬品、日用品などの包装材料として有用である。特にレトルトパウチやスタンディングパウチ、菓子や健康(補助)食品などの個包装用途などに好適に使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の複層白色ポリアミドフィルムは、白色顔料を20〜60質量%含有するポリアミド樹脂層[以下、ポリアミド樹脂層(A)と称する]、および芳香族ポリアミド樹脂を5〜30質量%含有するポリアミド樹脂層[以下、ポリアミド樹脂層(B)と称する]を少なくとも1層ずつ有するものである。
【0013】
まず、ポリアミド樹脂層(A)について説明する。
本発明において、ポリアミド樹脂層(A)は、ポリアミド樹脂を主成分とするものである。ポリアミド樹脂は、耐熱水性、強靭性に優れるという利点がある。
【0014】
上記ポリアミド樹脂層(A)の主成分となるポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、およびそれらの混合物や共重合体などが挙げられる。上記のなかでも、生産性、コストパフォーマンス、曲げ特性や耐衝撃性などの機械的特性の観点から、ナイロン6が好ましい。
【0015】
これらのポリアミド樹脂は、溶融の際のモノマー生成を抑制するために、末端封鎖剤により末端封鎖されていてもよい。末端封鎖剤としては、有機グリシジルエステル、無水カルボン酸、安息香酸などのモノカルボン酸、ジアミンなどが挙げられる。
【0016】
ポリアミド樹脂層(A)の主成分となるポリアミド樹脂の相対粘度は、特に制限されるものではないが、溶媒として96%硫酸を用いて、温度25℃、濃度1g/dlの条件で測定した相対粘度が、1.5〜5.0であることが好ましく、2.5〜4.5であることがより好ましく、3.0〜4.0であることがさらに好ましい。相対粘度が1.5未満であると、該ポリアミド樹脂をフィルムとしたときに、力学的特性が低下する場合がある。また、相対粘度が5.0を超えると、該ポリアミド樹脂からフィルムを得る工程において、フィルムの製膜性に支障をきたす場合がある。
【0017】
ポリアミド樹脂層(A)には、白色顔料が含有されていることが必要である。
白色顔料の含有量は、ポリアミド樹脂層(A)中、20〜60質量%であることが必要であり、30〜50質量%であることが好ましい。白色顔料の含有量が20質量%未満であると、複層白色ポリアミドフィルムを得た場合に、隠蔽度が0.3未満となり、十分な遮光性や隠蔽性を得ることができず、内容物の劣化や品質低下を抑制することができないという問題がある。一方、白色顔料の含有量が60質量%を超えると、ポリアミド樹脂を延伸するときに破断する頻度が高くなり、生産性が低下するという問題がある。なお、複層白色ポリアミドフィルム中にはポリアミド樹脂層(A)が複数存在してもよいが、その場合は、各々の層に含有された白色顔料の合計量を、白色顔料の含有量とする。
【0018】
白色顔料の種類は特に制限されず公知のものを使用することができる。例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸カルシウムなどが挙げられる。なかでも、遮光性や隠蔽性の観点からは、酸化チタンもしくは硫酸バリウムが好ましい。
【0019】
上記白色顔料の平均粒径は、特に限定されないが、樹脂組成物への分散性の観点から、0.1〜1.0μmの範囲であることが好ましく、0.2〜0.5μmの範囲であることがより好ましい。白色顔料として酸化チタンを用いた場合には、その平均粒径は0.1〜0.5μmであることが好ましく、0.2〜0.4μmであることがより好ましい。また、白色顔料として、硫酸バリウムを用いた場合は、その平均粒径は1.0〜5.0μmであることが好ましく、1.2〜1.7μmであることがより好ましい。
【0020】
白色顔料の平均粒径が、各々の上記の好ましい範囲を下回ると、ポリアミド樹脂中での白色顔料の分散性が悪く、二次凝集による粗大凝集物がフィルム中に散在して、ポリアミド樹脂とその粗大凝集物との界面剥離が著しくなり、フィルム中にピンホールを生成し製品価値を低下させる場合がある。一方、平均粒径が各々の上記の好ましい範囲を超えると、ポリアミド樹脂層(A)を製膜する時にフィルムが破断する頻度が高くなり、生産性が低下する場合がある。
【0021】
白色顔料をポリアミド樹脂層(A)中に配合する方法は特に制限されるものではなく、製造工程の任意の段階で配合することができる。例えば、ポリアミド樹脂の重合時に白色顔料を添加する方法、ポリアミド樹脂中に白色顔料を高濃度に練り込んで配合したマスターバッチを製造し、これをポリアミド樹脂に添加して希釈する方法(マスターバッチ法)、ポリアミド樹脂と白色顔料とを押出機にて溶融混合する方法が挙げられる。本発明においては、所望の濃度に調整しやすいという観点から、マスターバッチ法を用いてフィルム製膜前に所望の白色顔料濃度に調整する方法が好ましい。
【0022】
本発明においては、ポリアミド樹脂層(A)の強度低下を抑制することを目的として、ポリアミド樹脂層(A)の主成分であるポリアミド樹脂に酸化防止剤が配合されていてもよい。酸化防止剤としては、公知慣用のものが使用できる。
【0023】
ポリアミド樹脂層(A)に含有されるポリアミド樹脂には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で、紫外線吸収剤、防腐剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、充填材などの各種の添加剤が添加されていてもよい。
【0024】
ポリアミド樹脂層(A)の厚みは、隠蔽性や引張強度、手切れ性の観点から、2〜10μmであることが好ましい。なお、本発明において、ポリアミド樹脂層(A)の厚みとは、ポリアミド樹脂層(A)が複数存在する場合には各々の層の合計の厚みを示す。
【0025】
ポリアミド樹脂層(A)には、白色顔料が含有されている。そのため、後述の延伸工程により、ポリアミド樹脂層(A)の内部に、ポリアミド樹脂又は白色顔料を核とした空隙部が形成される。本発明においては、ポリアミド樹脂層(A)の厚み方向断面積(M)に対する空隙部面積(N)の比である空隙率[(N)/(M)]を制御することにより、積層白色ポリアミドフィルムに十分な遮光性、隠蔽性および手切れ性を付与することができる。
【0026】
本発明において、空隙率[(N)/(M)]は、3〜20%であることが好ましく、5〜15%であることがより好ましい。空隙率が3%未満であると、ポリアミド樹脂層(A)のフィルム断面において空隙構造(ボイド)が得られないため、後述する複層白色ポリアミドフィルムの端裂抵抗が70N以上となり、十分な手切れ性を得ることができない場合がある。加えて、十分な遮光性や隠蔽性も得られない場合がある。また、空隙率が20%を超えると、後述する複層白色ポリアミドフィルムの引張り強度が150MPa未満となるため、フィルム延伸工程などにおいてフィルムが破断することにより、安定した製膜ができない場合がある。なお、上記の厚み方向断面積(M)、空隙部面積(N)の測定方法は、実施例において後述する。
【0027】
ポリアミド樹脂層(B)について以下に説明する。
ポリアミド樹脂層(B)は、上述のポリアミド樹脂層(A)と積層され、本発明の複層白色ポリアミドフィルムを構成するものである。
【0028】
本発明のポリアミド樹脂層(B)の芳香族ポリアミド樹脂の含有量は、ポリアミド樹脂層(B)中において、5〜30質量%の範囲であることが必要であり、好ましくは10〜20質量%の範囲である。芳香族ポリアミド樹脂の含有量が、5質量%未満であると直線引裂性が発現しないという問題がある。一方、30質量%を越えると、ポリアミド樹脂層(A)と積層されて複層白色ポリアミドフィルムとされた場合に、該複層白色ポリアミドフィルムの強度特性が低下する。なお、複層白色ポリアミドフィルム中にはポリアミド樹脂層(B)が複数存在してもよいが、その場合には、各々の層に含有された芳香族ポリアミド樹脂の合計量を芳香族ポリアミド樹脂の含有量とする。
【0029】
本発明のポリアミド樹脂層(B)には、芳香族ポリアミド樹脂以外に、脂肪族ポリアミド樹脂が含有されていることが好ましい。脂肪族ポリアミド樹脂は、非相溶性の観点から、芳香族ポリミアド樹脂とブレンドした際に、芳香族ポリミアド樹脂が島成分となり、脂肪族ポリアミド樹脂が海成分となる海島構造をとるものであることが好ましい。
【0030】
芳香族ポリアミド樹脂としては、工業的な入手しやすさの観点から、キシリレンジアミン、炭素数が6〜12のα−脂肪族ジカルボン酸、ω−脂肪族ジカルボン酸とからなるポリアミド構成単位を、分子鎖中に70モル%以上含有している樹脂を好ましく使用することができる。
【0031】
芳香族ポリアミド樹脂としては、具体的には、ポリメタキシリレンアジパミド(以下、「MXD6」と称する場合がある)、ポリメタキシリレンピメラミド、ポリメタキシリレンアゼラミド、ポリパラキシリレンアゼラミド、ポリパラキシリレンデカナミドなどの単独重合体、メタキシリレン/ パラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレン/ パラキシリレンピメラミド共重合体、メタキシリレン/ パラキシリレンアゼラミド共重合体、メタキシリレン/ パラキシリレンセパカミド共重合体などの共重合体が挙げられる。なかでも、MXD6が、フィルムとした場合の強度等の物性に優れ、工業的にも入手しやすい点から好ましい。
【0032】
ポリアミド樹脂層(B)に含有されるポリアミド樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記のポリアミド樹脂層(A)に含有される顔料以外の顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、無機微粒子等の各種の添加剤を添加することができる。
【0033】
ポリアミド樹脂層(B)に含有されるポリアミド樹脂には、フィルムのスリップ性を向上させるなどの目的で、滑剤が含有されていてもよい。滑剤の具体例としては、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、層状ケイ酸塩、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミドなどのエチレンビスアミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミドなどのヘキサメチレンビスアミド、ベヘイン酸アミドなどを挙げることができる。中でも、高湿度下での滑り性の観点から、シリカとエチレンビスステアリン酸アミドが好ましい。滑剤の含有量は、滑り性の観点から、ポリアミド樹脂層(B)に含有されるポリアミド樹脂中に0.01〜0.5質量%であることが好ましい。
【0034】
ポリアミド樹脂層(B)の厚みは、手切れ性の観点から、4〜20μmであることが好ましい。なお、本発明において、ポリアミド樹脂層(B)の厚みとは、ポリアミド樹脂層(B)が複数存在する場合には、各々の層の合計の厚みを示す。
【0035】
<複層白色ポリアミドフィルム>
上述のように、本発明の複層白色ポリアミドフィルムは、ポリアミド樹脂層(A)とポリアミド樹脂層(B)を少なくとも1層ずつ有するものである。
【0036】
複層白色ポリアミドフィルムの厚みに対するポリアミド樹脂層(A)の厚みは、10〜50%であることが必要であり、20〜45%であることが好ましい。ポリアミド樹脂層(A)の厚みが、複層白色ポリアミドフィルムに対して10%未満の場合、必要とする遮光性や隠蔽性を得ることができない。さらに、後述する空隙率や端裂抵抗も低下するため、手切れ性が低下する。また、ポリアミド樹脂層(A)の厚みが、複層白色ポリアミドフィルムに対し50%を超えると、延伸する際に破断する頻度が高くなり生産性が低下する。
【0037】
ポリアミド樹脂層(A)の厚み(厚みa)と、ポリアミド樹脂層(B)の厚み(厚みb)の比率は、機械物性、遮光性、隠蔽性等の物性を調整しやすい点から、(厚みa)/(厚みb)=1/9〜5/5であることが好ましく、2/8〜4/6であることがより好ましい。
【0038】
複層白色ポリアミドフィルムの好ましい層構成を以下に説明する。層構成としては、ポリアミド樹脂層(A)/ポリアミド樹脂層(B)、ポリアミド樹脂層(A)/ポリアミド樹脂層(B)/ポリアミド樹脂層(A)、ポリアミド樹脂層(B)/ポリアミド樹脂層(A)/ポリアミド樹脂層(B)、ポリアミド樹脂層(B)/ポリアミド樹脂層(A)/ポリアミド樹脂層(B)/ポリアミド樹脂層(A)/ポリアミド樹脂層(B)などが挙げられる。ポリアミド樹脂層(A)同士や、ポリアミド樹脂層(B)同士が隣接しないことが好ましい。
【0039】
特に、表層にポリアミド樹脂層(B)が配され、内層にポリアミド樹脂層(A)が配された3層以上の多層構造が好ましい。このような多層構造を採ると、製膜や二次加工時に白色顔料粒子が欠落しないという利点がある。
【0040】
本発明の複層白色ポリアミドフィルムの隠蔽度は0.3以上であることが好ましく、0.4以上であることがより好ましい。隠蔽度が0.3未満では、遮光性及び隠蔽性が不十分となるため、包装材料として用いた場合に、油脂等を含む内容物は酸化により劣化しやすくなる。また、内容物によっては透けて見えてしまうこともある。複層白色ポリアミドフィルムの隠蔽度を0.3以上の範囲にするためには、ポリアミド樹脂層(A)の白色顔料含有量及び層厚み比を調整する。なお、本発明において、隠蔽度とは、光学濃度計により測定される光学濃度(O.D.)であって、その数値が大きいほど、遮光性や隠蔽性が高い。
【0041】
本発明の複層白色ポリアミドフィルムは、フィルムのMD方向に直線を引き、200mm裂いたときの直線からのズレ量の絶対値(以下、「ズレ量の絶対値」と称する)を測定することにより、直線引裂性を評価することができる。本発明においては、ズレ量の絶対値が5.0mm未満であることが好ましく、3.0mm未満であることがより好ましい。ここで、ズレ量の絶対値が5.0mm未満であると、包装袋などの開封時に直線的に引き裂くことができ、内容物を取り出せなくなったり、開封と同時に内容物が飛散したりする問題を防止できる。
【0042】
本発明の複層白色ポリアミドフィルムの端裂抵抗は、30〜70Nが好ましく、40〜50Nであることがより好ましい。端裂抵抗が70Nを超える場合、目的とするフィルムの手切れ性が得られにくくなる場合がある。一方、端裂抵抗が30N未満の場合はフィルムの強度が低すぎ、延伸工程や、スリット、印刷、製袋などの2次加工工程において切断トラブルが発生する場合がある。なお、端裂抵抗の測定方法については実施例において後述する。
【0043】
本発明の複層白色ポリアミドフィルムの引張り強度は、150〜200MPaが好ましく、170〜190MPaであることがより好ましい。引張り強度が200MPaを超えると、目的とする手切れ性が得られにくくなり、加えて、二次加工などにおいてハンドリングが困難となる場合がある。また引張り強度が150MPa未満であると、延伸工程や、スリット、印刷、製袋などの2次加工工程において切断トラブルが発生する場合がある。
【0044】
複層白色ポリアミドフィルムの厚みは特に限定されず、必要な遮光性や隠蔽性、端裂抵抗、直線引裂性、手切れ性および目的とする機械強度に応じて適宜選択できる。複層白色ポリアミドフィルムを包装用途に使用する場合には、機械強度やハンドリング容易性の観点から、10μm〜25μmの範囲のフィルム厚みであることが好ましい。
【0045】
本発明の複層白色ポリアミドフィルムの製造方法について、以下に説明する。
まず、ポリアミド樹脂層(A)の原料を、押出機Pに供給する。押出機Pに供給される原料は、ポリアミド樹脂の重合時に白色顔料を添加した樹脂組成物を、切断・乾燥されることにより得られたペレット状の樹脂組成物でもよいし、ポリアミド樹脂中に白色顔料を高濃度に練り込んで含有させたマスターバッチと、ポリアミド樹脂のペレットをドライブレンドさせたものでもよい。必要に応じて用いられる各種の添加剤は、任意の段階で配合させることができる。
【0046】
次いで、ポリアミド樹脂層(B)の原料を、押出機Qに供給する。押出機Qに供給される原料は、芳香族ポリアミド樹脂や脂肪族ポリアミド樹脂を予め溶融・混練させて得られた樹脂組成物をペレット状とさせたものでもよいし、芳香族ポリアミド樹脂、脂肪族ポリアミド樹脂から各々得られたペレットをドライブレンドした混合ペレットでもよい。
【0047】
上述の原料を押出機Pおよび押出機Qに供給してから、各々溶融混練し、複合アダプターを通過させ、2種2層[例えば、ポリアミド樹脂層(A)/ポリアミド樹脂層(B)]、または2種3層[例えば、ポリアミド樹脂層(B)/ポリアミド樹脂層(A)/ポリアミド樹脂層(B)]として、Tダイのダイオリフィスからシート状に押出す。
【0048】
次いで、押出されたシートを、エアーナイフキャスト法、静電印加キャスト法など公知のキャスティング法により、回転する冷却ドラム上で冷却固化し、未延伸シートを得る。該未延伸シートを、60℃を超えないように温調した水槽に移送し、浸水処理を施し3〜7%吸湿させる。
【0049】
その後、該未延伸シートを同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法等を用いて延伸し、複層白色ポリアミドフィルムとする。複層白色ポリアミドフィルムの延伸方法は特に限定されないが、機械的特性、光学特性、熱寸法安定性、耐ピンホール性などの実用特性を兼備させることができる観点から、同時二軸延伸法が好ましい。
【0050】
未延伸シートを二軸延伸する温度は、ポリアミド樹脂層(A)およびポリアミド樹脂層(B)の原料となるポリアミド樹脂の、ガラス転移温度以上結晶化温度以下の範囲内であることが必要であり、ガラス転移温度以上(ガラス転移温度+30℃)以下の範囲であることが好ましい。ポリアミド樹脂のガラス転移温度未満の温度で二軸延伸すると、フィルムの延伸性が低下する場合がある。さらに、延伸応力も高くなることから、空隙率が20%を超え、複層白色ポリアミドフィルムの引張り強度が150MPa未満となるため、フィルム延伸工程におけるフィルム破れにより安定した製膜ができない。(ガラス転移温度+30℃)を超える温度で二軸延伸すると、ポリアミド樹脂が変形しやすくなり、白色顔料を含有するポリアミド樹脂層(A)において3%以上の空隙率を得ることができないため、必要とする遮光性や隠蔽性が得られない。さらに、端裂抵抗が70N以上となり、十分な手切れ性を得ることができない。
【0051】
複層白色ポリアミドフィルムの延伸倍率は、面積倍率が3〜16倍が好ましく、6.5〜12倍がより好ましい。面積倍率が3倍未満の場合、空隙率が3%以上を得ることができず、遮光性や隠蔽性が不十分となる場合がある。また、面積倍率が16倍を超えると、空隙率が20%を超え、複層白色ポリアミドフィルムの引張り強度が150MPa未満となり、安定した製膜ができない場合がある。
【0052】
延伸処理工程を経た複層白色ポリアミドフィルムは、延伸フィルムの寸法を安定させることを目的として、延伸処理が行われたテンター内において150〜220℃の温度で熱固定されてもよい。さらに、必要に応じて0〜10%、好ましくは2〜6%の範囲で、縦方向および/または横方向の弛緩処理が施されてもよい。
【0053】
上述のようにして得られた複層白色ポリアミドフィルムには、必要に応じて、コロナ放電処理等の表面処理が施されていてもよい。
【0054】
本発明の複層白色ポリアミドフィルムには、必要に応じて、片面または両面に易接着被膜処理を施してもよい。易接着被膜処理の方法には、通常、ウレタン樹脂、ウレタン・ウレア樹脂のような成分のコート剤を用いて、厚み0.01〜0.5μm程度の被膜を形成する方法などが挙げられる。
【0055】
本発明の複層白色ポリアミドフィルムを包装材料として使用する際には、内容物の品質保持や腐敗防止のために、ガスバリア性や防湿性が付与されてもよい。ガスバリア性や防湿性の付与の方法としては、ガスバリア性樹脂層を積層すること、アルミニウム等の金属や、二酸化珪素、アルミナ等の金属酸化物を蒸着加工すること、ガスバリア性コート剤を塗布すること等が挙げられる。
【0056】
本発明の複層白色ポリアミドフィルムを用いることで、遮光性、隠蔽性、引裂性、ならびに手切れ性を兼ね備えた包装材料が得られる。そのため、レトルト食品をはじめとする食品用途、シャンプーやリンスなどのサニタリー用途など、幅広い分野における包装材料として好適に使用可能である。
【実施例】
【0057】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
実施例および比較例において、評価に用いた測定方法は次の通りである。
なお、以下の測定方法(1)〜(6)については、23℃、50%RHの環境下に2時間以上放置した試料を、23℃、50%RHの環境下で測定した。
(1)各層厚み
走査型電子顕微鏡(SEM)(日立製作所製、商品名「S−4000形電界放射形走査電子顕微鏡」)を用いてフィルム断面観察を行い、各層の厚みを測定した。観察は1000倍の倍率で実施した。
(2)隠蔽度
光学濃度計(マクベス社製、商品名「TR932」)を用いて、3mmφの透過ノズルを使用して測定される光学濃度(O.D.)を隠蔽度とした。
(3)空隙率
走査型電子顕微鏡(SEM)(日立製作所製、商品名「S−4000形電界放射形走査電子顕微鏡」)を用いて、ポリアミド樹脂層(A)の断面を3000倍の倍率で観察し、断面積を求めた。断面写真に、ハイビジョン画像解析処理装置(ピアス社製、商品名「PIAS−VI」)を用いて画像処理を施し、ポリアミド樹脂層(A)断面の空隙面積の総和を算出し、下記式より空隙率(%)を求めた。
空隙率(%)=[空隙面積の総和(μm)/ポリアミド樹脂層(A)の断面積(μm)]×100
(4)直線引裂性
得られた複層白色ポリアミドフィルムより長手方向(MD)に205mm、幅方向(TD)に20mmの短冊状のフィルム片を切り出した。該フィルム片の一方のTD辺の中央部から他方のTD辺の中央部に直線を引き、一方のTD辺の中央部に長さ5mmの直線の切り込みを入れて試料とした。このような試料を10本作製した。次に、切り込みより長手方向に手で引き裂いた。この引き裂き部を、切り込みを入れた辺に向かい合うもう一方のTD辺に到達させ、中央部直線から引き裂き部までの最大の長さ(最大のズレの長さ)を測定した。本発明においては、この最大の長さが5.0mm未満であるものを実用に耐えうるものとした。
(5)端裂抵抗
JIS C 2318 6.3.4項に記載の方法に従って、試料のMD方向について測定した。
(6)引張強度
引張強度測定機(島津製作所製、商品名「DSS−500型オ−トグラフ」)を使用して、ASTM D882の方法に従って、試料のMD方向、TD方向において測定し、平均値を用いた。
【0058】
実施例1
ナイロン6樹脂(ユニチカ社製、商品名「A1030BRF」、相対粘度3.0、ガラス転移温度:50〜60℃、結晶化温度:220℃)に酸化チタン60質量%含有して、チタンマスターバッチを作製した。酸化チタン含有量が21質量%となるように、ナイロン6樹脂(ユニチカ社製、商品名「A1030BRF」、相対粘度3.0、ガラス転移温度:50〜60℃、結晶化温度:220℃)65質量%と、該チタンマスターバッチ35質量%をブレンドして、65mmφの単軸押出機P(L/D=28)へ投入して溶融混練し、ポリアミド樹脂層(A)の成分としてのポリアミド樹脂を得た。
【0059】
一方、ナイロン6樹脂(ユニチカ社製、商品名「A1030BRF」、相対粘度3.0、ガラス転移温度:50〜60℃、結晶化温度:220℃)80質量%と芳香族ポリアミド樹脂であるMXD6(三菱瓦斯化学社製、商品名「MXナイロン6007」、相対粘度2.64、ガラス転移温度:85℃、結晶化温度:237℃)20質量%を、220mmφの単軸押出機Q(L/D=35)へ投入し溶融混練し、ポリアミド樹脂層(B)の成分としてのポリアミド樹脂を得た。
【0060】
単軸押出機PおよびQにて各々溶融したポリアミド樹脂を、ダイス中で重ね合わせて押出し、20℃に設定された冷却ロールに接触させて、ポリアミド樹脂層(B)/ポリアミド樹脂層(A)/ポリアミド樹脂層(B)の積層構成を有する未延伸シート(厚さ180μm)を得た。得られた未延伸シートを50℃の温水槽に浸漬し、吸水率4%に調整した後、同時二軸延伸機で延伸温度180℃、面積倍率10倍にて延伸した。その後、200℃で5秒間の熱処理を行い、さらに横方向に5%の弛緩処理を行うことで、厚み構成比がポリアミド樹脂層(B)/ポリアミド樹脂層(A)/ポリアミド樹脂層(B)=7/4/7となる厚さ18μmの複層白色ポリアミドフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示した。
【表1】

【0061】
比較例1
ポリアミド樹脂層(A)に、酸化チタン含有量が65質量%となるようにチタンマスターバッチを100質量%使用し、MXD6の含有量を5%とした以外は実施例1と同様の方法で複層白色ポリアミドフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示した。
実施例2〜13、比較例2〜6
ポリアミド樹脂層(A)の酸化チタンの含有量、ポリアミド樹脂層(B)の芳香族ポリアミド樹脂であるMXD6の含有量及びフィルムの層構成比を表1のように変更し、実施例1と同様の方法で複層白色ポリアミドフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示した。
実施例15
酸化チタンを硫酸バリウム(竹原化学工業社製)(平均粒径1.5μm)に変更し、チタンマスターバッチを用いた場合と同様の方法で作製した硫酸バリウムマスターバッチを使用しは、実施例1と同様の方法で複層白色ポリアミドフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示した。
【0062】
実施例1〜15は、隠蔽度、直線引裂性、端裂抵抗、引張強度に優れた複層白色ポリアミドフィルムが得られた。すなわち、包装材料として使用した場合、内容物の品質等に影響を与える光の遮光性、内容物を見えにくくする隠蔽性に優れ、さらには包装材料として有用な直線引裂性及び手切れ性に優れた複層白色ポリアミドフィルムであった。さらに、フィルムの延伸工程においても破断せず、操業性も良好であった。
【0063】
比較例1は、酸化チタンの含有量が本発明の範囲を超えたため、空隙率が大きくなり過ぎ、引張強度が低下した。そのため、フィルム延伸工程におけるフィルム破れが多発し、操業性が著しく低下した。
【0064】
比較例2は、酸化チタンの含有量が本発明の範囲を下回ったため、空隙率が小さくなりすぎた。このため、遮光性および隠蔽性が低下した。加えて、端裂抵抗が過大になり、手切れ部分にノッチや傷を付けなければ、フィルムの手切れが困難であった。
【0065】
比較例3は、ポリアミド樹脂層(B)に芳香族ポリアミド樹脂であるMXD6を含有していないため、直線引裂性に劣っていた。
比較例4は、延伸フィルムにおけるA層の厚み割合が本発明の範囲を下回ったため、酸化チタンの含有量が本発明の範囲内であっても、必要とする隠蔽度を得ることができなかった。さらに、空隙率も本発明の範囲未満となり、端裂抵抗が70N以上となった。そのため、手切れ部分にノッチや傷を付けなければ、フィルムの手切れが困難であった。
【0066】
比較例5は、芳香族ポリアミド樹脂であるMXD6の含有量が過多であったため、引張強度が低下した。そのため、フィルム延伸工程におけるフィルム破れが多発し、操業性が著しく低下した。
【0067】
比較例6は、十分な隠蔽度、引裂性、端裂抵抗に優れた複層白色ポリアミドフィルムが得られた。しかしながら、延伸フィルムにおけるポリアミド樹脂層(A)の厚み割合が好ましい範囲を上回ったため、引張強度、すなわち手切れ性に劣っていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色顔料を20〜60質量%含有するポリアミド樹脂層(A)と、芳香族ポリアミド樹脂を5〜30質量%含有するポリアミド樹脂層(B)とを少なくとも1層ずつ有し、かつ、単層のポリアミド樹脂層(A)の厚みが、複層白色ポリアミドフィルム全体の厚みに対して10〜50%であることを特徴とする複層白色ポリアミドフィルム。
【請求項2】
以下の(I)および(II)を同時に満足することを特徴とする請求項1に記載の複層白色ポリアミドフィルム。
(I)複層白色ポリアミドフィルムの隠蔽度が0.3以上である。
(II)白色顔料を含有するポリアミド樹脂層(A)の空隙率が3〜20%である。
【請求項3】
端裂抵抗が30〜70Nであり、かつ引張強度が150〜200MPaであることを特徴とする請求項1または2に記載の複層白色ポリアミドフィルム。
【請求項4】
白色顔料が、酸化チタンおよび/または硫酸バリウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複層白色ポリアミドフィルム。
【請求項5】
請求項1〜4に記載の複層白色ポリアミドフィルムを製造する方法であって、白色顔料を含有するポリアミド樹脂層(A)、および芳香族ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂層(B)を少なくとも一層ずつ積層させた未延伸フィルムを、原料となるポリアミド樹脂のガラス転移温度以上かつ結晶化温度以下の温度で延伸させることを特徴とするポリアミドフィルムの製造方法。

【公開番号】特開2011−224912(P2011−224912A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98340(P2010−98340)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000004503)ユニチカ株式会社 (1,214)
【Fターム(参考)】