説明

複数の免疫モジュレーターを発現する遺伝子操作された細胞およびその使用

本発明は治療学の分野に関する。最も具体的には、本発明は、遺伝子発現モジュレーションシステムの制御下にあるインターロイキン-12(IL-12)および1つまたは複数の免疫モジュレーターを活性化リガンドの存在下で条件的に発現する、インビトロで遺伝子操作された免疫細胞を生成する方法、ならびに動物における治療目的での使用を提供する。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含む、1つまたは複数の免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質を条件的に発現させるためのベクターであって、
該ポリヌクレオチドが、(1)プロモーターに機能的に連結された、リガンド依存性転写因子をコードする少なくとも1つの転写因子配列と、(2)該リガンド依存性転写因子によって活性化されるプロモーターに機能的に連結された、免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質をコードするポリヌクレオチドとを含み、
1つまたは複数の免疫モジュレーターが、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10R DNまたはそのサブユニット、IL-15、IL-18、IL-21、IL-23、IL-24、IL-27、GM-CSF、IFN-α、IFN-γ、IFN-α1、IFN α2、IL-15-R-α、CCL3(MIP-1a)、CCL5(RANTES)、CCL7(MCP3)、XCL1(リンホタクチン)、CXCL1(MGSA-α)、CCR7、CCL19(MIP-3b)、CXCL9(MIG)、CXCL10(IP-10)、CXCL12(SDF-1)、CCL21(6Ckine)、OX40L、4-1BBL、CD40、CD70、GITRL、LIGHT、b-デフェンシン、HMGB1、Flt3L、IFN-β、TNF-α、dnFADD、BCG、TGF-α、PD-L1 RNAi、PD-L1アンチセンスオリゴヌクレオチド、TGFbRII DN、ICOS-LおよびS100から選択される、ベクター。
【請求項2】
アデノウイルスベクターである、請求項1記載のベクター。
【請求項3】
IL-12の機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、請求項2記載のベクター。
【請求項4】
免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質をコードするポリヌクレオチド、およびIL-12の機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、遺伝子スイッチの調節性プロモーターの制御下にある、請求項1記載のベクター。
【請求項5】
遺伝子スイッチがエクジソン受容体(EcR)に基づく遺伝子スイッチである、請求項1記載のベクター。
【請求項6】
遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、第1のプロモーターの制御下にある第1の転写因子配列と第2のプロモーターの制御下にある第2の転写因子配列とを含み、該第1の転写因子配列によってコードされるタンパク質と該第2の転写因子配列によってコードされるタンパク質とが相互作用して、リガンド依存性転写因子として機能するタンパク質複合体を形成する、請求項1記載のベクター。
【請求項7】
免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、ヒト免疫モジュレーターをコードする、請求項1記載のベクター。
【請求項8】
IL-12の機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、ヒトIL-12をコードする、請求項3記載のベクター。
【請求項9】
1つまたは複数の免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質を発現する免疫細胞または治療補助細胞(TSC)の集団を生成する方法であって、1つまたは複数の免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質を条件的に発現する組換えベクターによって免疫細胞を改変する段階を含み、該ベクターが遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含み、
該ポリヌクレオチドが、(1)プロモーターに機能的に連結された、リガンド依存性転写因子をコードする少なくとも1つの転写因子配列と、(2)該リガンド依存性転写因子によって活性化されるプロモーターに機能的に連結された、免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質をコードするポリヌクレオチドとを含み、
1つまたは複数の免疫モジュレーターが、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10R DNまたはそのサブユニット、IL-15、IL-18、IL-21、IL-23、IL-24、IL-27、GM-CSF、IFN-α、IFN-γ、IFN-α1、IFN-α2、IL-15-R-α、CCL3(MIP-1a)、CCL5(RANTES)、CCL7(MCP3)、XCL1(リンホタクチン)、CXCL1(MGSA-α)、CCR7、CCL19(MIP-3b)、CXCL9(MIG)、CXCL10(IP-10)、CXCL12(SDF-1)、CCL21(6Ckine)、OX40L、4-1BBL、CD40、CD70、GITRL、LIGHT、b-デフェンシン、HMGB1、Flt3L、IFN-β、TNF-α、dnFADD、TGF-α、PD-L1 RNAi、PD-L1アンチセンスオリゴヌクレオチド、TGFbRII DN、ICOS-LおよびS100から選択される、方法。
【請求項10】
ベクターがアデノウイルスベクターである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
ベクターが、IL-12の機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、請求項9記載の方法。
【請求項12】
免疫モジュレーターの機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド、およびIL-12の機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、遺伝子スイッチの制御下にある、請求項11記載の方法。
【請求項13】
遺伝子スイッチがEcRに基づく遺伝子スイッチである、請求項9記載の方法。
【請求項14】
遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、第1のプロモーターの制御下にある第1の転写因子配列と第2のプロモーターの制御下にある第2の転写因子配列とを含み、該第1の転写因子配列によってコードされるタンパク質と該第2の転写因子配列によってコードされるタンパク質とが相互作用して、リガンド依存性転写因子として機能するタンパク質複合体を形成する、請求項9記載の方法。
【請求項15】
免疫モジュレーターの機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、ヒト免疫モジュレーターをコードする、請求項9記載の方法。
【請求項16】
IL-12の機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、ヒトIL-12をコードする、請求項11記載の方法。
【請求項17】
細胞がヒト樹状細胞である、請求項9記載の方法。
【請求項18】
樹状細胞が骨髄樹状細胞である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
1つまたは複数の免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質を条件的に発現する組換えベクターによって改変された、1つまたは複数の免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質を発現する免疫細胞またはTSCの集団であって、該ベクターが遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含み、
該ポリヌクレオチドが、(1)プロモーターに機能的に連結された、リガンド依存性転写因子をコードする少なくとも1つの転写因子配列と、(2)該リガンド依存性転写因子によって活性化されるプロモーターに連結された、免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質をコードするポリヌクレオチドとを含み、
免疫モジュレーターが、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10R DNまたはそのサブユニット、IL-15、IL-18、IL-21、IL-23、IL-24、IL-27、GM-CSF、IFN-α、IFN-α1、INF-α2、IL-15Rα、IFN-γ、CCL3(MIP-1a)、CCL5(RANTES)、CCL7(MCP3)、XCL1(リンホタクチン)、CXCL1(MGSA-α)、CCR7、CCL19(MIP-3b)、CXCL9(MIG)、CXCL10(IP-10)、CXCL12(SDF-1)、CCL21(6Ckine)、OX40L、4-1BBL、CD40、CD70、GITRL、LIGHT、b-デフェンシン、HMGB1、Flt3L、IFN-β、TNF-α、dnFADD、TGF-α、PD-L1 RNAi、PD-L1アンチセンスオリゴヌクレオチド、TGFbRII DN、ICOS-LおよびS100から選択される、集団。
【請求項20】
ベクターがアデノウイルスベクターである、請求項19記載の集団。
【請求項21】
ベクターが、IL-12の機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、請求項19記載の集団。
【請求項22】
免疫モジュレーターの機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド、およびIL-12の機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、遺伝子スイッチの制御下にある、請求項19記載の集団。
【請求項23】
遺伝子スイッチがEcRに基づく遺伝子スイッチである、請求項19記載の集団。
【請求項24】
遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、第1のプロモーターの制御下にある第1の転写因子配列と第2のプロモーターの制御下にある第2の転写因子配列とを含み、該第1の転写因子配列によってコードされるタンパク質と該第2の転写因子配列によってコードされるタンパク質とが相互作用して、リガンド依存性転写因子として機能するタンパク質複合体を形成する、請求項19記載の集団。
【請求項25】
免疫モジュレーターの機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、ヒト免疫モジュレーターをコードする、請求項19記載の集団。
【請求項26】
IL-12の機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、ヒトIL-12をコードする、請求項21記載の集団。
【請求項27】
細胞がヒト樹状細胞である、請求項19記載の集団。
【請求項28】
樹状細胞が骨髄樹状細胞である、請求項27記載の集団。
【請求項29】
遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを含む、インビトロで遺伝子操作された免疫細胞またはTSCであって、
該遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、(1)プロモーターに機能的に連結された、リガンド依存性転写因子をコードする少なくとも1つの転写因子配列と、(2)該リガンド依存性転写因子によって活性化されるプロモーターに連結された、免疫モジュレーターの機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドとを含み、
免疫モジュレーターが、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10R DNまたはそのサブユニット、IL-15、IL-18、IL-21、IL-23、IL-24、IL-27、GM-CSF、IFN-α、IFN-γ、IFN-α1、INF-α2、IL-15Rα、CCL3(MIP-1a)、CCL5(RANTES)、CCL7(MCP3)、XCL1(リンホタクチン)、CXCL1(MGSA-α)、CCR7、CCL19(MIP-3b)、CXCL9(MIG)、CXCL10(IP-10)、CXCL12(SDF-1)、CCL21(6Ckine)、OX40L、4-1BBL、CD40、CD70、GITRL、LIGHT、b-デフェンシン、HMGB1、Flt3L、IFN-β、TNF-α、dnFADD、TGF-α、PD-L1 RNAi、PD-L1アンチセンスオリゴヌクレオチド、TGFbRII DN、ICOS-LおよびS100から選択される、インビトロで遺伝子操作された免疫細胞またはTSC。
【請求項30】
ベクターがアデノウイルスベクターである、請求項29記載のインビトロで遺伝子操作された免疫細胞。
【請求項31】
ベクターが、IL-12の機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、請求項29記載のインビトロで遺伝子操作された免疫細胞。
【請求項32】
免疫モジュレーターの機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド、およびIL-12の機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、遺伝子スイッチの制御下にある、請求項29記載のインビトロで遺伝子操作された免疫細胞。
【請求項33】
遺伝子スイッチがEcRに基づく遺伝子スイッチである、請求項29記載のインビトロで遺伝子操作された免疫細胞。
【請求項34】
遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、第1のプロモーターの制御下にある第1の転写因子配列と第2のプロモーターの制御下にある第2の転写因子配列とを含み、該第1の転写因子配列によってコードされるタンパク質と該第2の転写因子配列によってコードされるタンパク質とが相互作用して、リガンド依存性転写因子として機能するタンパク質複合体を形成する、請求項29記載のインビトロで遺伝子操作された免疫細胞。
【請求項35】
免疫モジュレーターの機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、ヒト免疫モジュレーターをコードする、請求項29記載のインビトロで遺伝子操作された免疫細胞。
【請求項36】
IL-12の機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、ヒトIL-12をコードする、請求項31記載のインビトロで遺伝子操作された免疫細胞。
【請求項37】
ヒト樹状細胞である、請求項29記載のインビトロで遺伝子操作された免疫細胞。
【請求項38】
樹状細胞が骨髄樹状細胞である、請求項37記載のインビトロで遺伝子操作された免疫細胞。
【請求項39】
請求項19記載のインビトロで遺伝子操作された免疫細胞またはTSCの集団を含む薬学的組成物。
【請求項40】
請求項29記載のインビトロで遺伝子操作された免疫細胞またはTSCを含む薬学的組成物。
【請求項41】
腫瘍内、腹腔内または皮下投与に適している、請求項39または40記載の薬学的組成物。
【請求項42】
細胞の集団が少なくとも104個の細胞を含む、請求項39記載の薬学的組成物。
【請求項43】
細胞の集団が少なくとも107個の細胞を含む、請求項39記載の薬学的組成物。
【請求項44】
(a)免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質を条件的に発現するようにインビトロで遺伝子操作された免疫細胞またはTSCの集団を、腫瘍の微小環境に対して腫瘍内投与する段階;および
(b)1つまたは複数の活性化リガンドの治療的有効量を哺乳動物に投与する段階を含み、
それにより、免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質の発現を誘導して該腫瘍を治療する、哺乳動物における腫瘍を治療するための方法であって、
免疫モジュレーターが、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10R DNまたはそのサブユニット、IL-15、IL-18、IL-21、IL-23、IL-24、IL-27、GM-CSF、IFN-α、IFN-γ、IFN-α1、INF-α2、IL-15Rα、CCL3(MIP-1a)、CCL5(RANTES)、CCL7(MCP3)、XCL1(リンホタクチン)、CXCL1(MGSA-α)、CCR7、CCL19(MIP-3b)、CXCL9(MIG)、CXCL10(IP-10)、CXCL12(SDF-1)、CCL21(6Ckine)、OX40L、4-1BBL、CD40、CD70、GITRL、LIGHT、b-デフェンシン、HMGB1、Flt3L、IFN-β、TNF-α、dnFADD、TGF-α、PD-L1 RNAi、PD-L1アンチセンスオリゴヌクレオチド、TGFbRII DN、ICOS-LおよびS100から選択される、方法。
【請求項45】
腫瘍が良性腫瘍である、請求項44記載の方法。
【請求項46】
腫瘍が悪性腫瘍である、請求項44記載の方法。
【請求項47】
腫瘍が黒色腫である、請求項44記載の方法。
【請求項48】
腫瘍が悪性黒色腫皮膚癌である、請求項44記載の方法。
【請求項49】
インビトロで遺伝子操作された免疫細胞が、遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを含み、該ポリヌクレオチドが、(1)プロモーターに機能的に連結された、リガンド依存性転写因子をコードする少なくとも1つの転写因子配列と、(2)該リガンド依存性転写因子によって活性化されるプロモーターに連結された、免疫モジュレーターの機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドとを含む、請求項44記載の方法。
【請求項50】
ベクターがアデノウイルスベクターである、請求項44記載の方法。
【請求項51】
ベクターが、IL-12の機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、請求項50記載の方法。
【請求項52】
免疫モジュレーターの機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド、およびIL-12の機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、遺伝子スイッチの制御下にある、請求項51記載の方法。
【請求項53】
遺伝子スイッチがEcRに基づく遺伝子スイッチである、請求項52記載の方法。
【請求項54】
遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、第1のプロモーターの制御下にある第1の転写因子配列と第2のプロモーターの制御下にある第2の転写因子配列とを含み、該第1の転写因子配列によってコードされるタンパク質と該第2の転写因子配列によってコードされるタンパク質とが相互作用して、リガンド依存性転写因子として機能するタンパク質複合体を形成する、請求項53記載の方法。
【請求項55】
免疫モジュレーターの機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、ヒト免疫モジュレーターをコードする、請求項44記載の方法。
【請求項56】
IL-12の機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、ヒトIL-12をコードする、請求項51記載の方法。
【請求項57】
免疫細胞がヒト樹状細胞である、請求項44記載の方法。
【請求項58】
樹状細胞が骨髄樹状細胞である、請求項57記載の方法。
【請求項59】
リガンドがジアシルヒドラジンである、請求項44記載の方法。
【請求項60】
リガンドがRG-115819、RG-115932およびRG-115830から選択される、請求項44記載の方法。
【請求項61】
リガンドがアミドケトンまたはオキサジアゾリンである、請求項44記載の方法。
【請求項62】
リガンドを、インビトロで遺伝子操作された免疫細胞の前または後の1時間未満のうちに投与する、請求項44記載の方法。
【請求項63】
リガンドを、インビトロで遺伝子操作された免疫細胞の後の24時間未満のうちに投与する、請求項44記載の方法。
【請求項64】
リガンドを、インビトロで遺伝子操作された免疫細胞の後の48時間未満のうちに投与する、請求項44記載の方法。
【請求項65】
患者における、インビトロで遺伝子操作された免疫細胞に基づく治療レジメンの有効性を判定するための方法であって、
(a)それを必要とする該患者から、インビトロで遺伝子操作された免疫細胞の投与の前に入手した第1の生体試料におけるインターフェロン-γ(IFN-γ)の発現のレベルまたは活性のレベルまたはその両方を測定し、それによって対照レベルを求める段階;
(b)免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質および任意でIL-12の機能を有するタンパク質を条件的に発現するように遺伝子操作された、インビトロで遺伝子操作された免疫細胞を、それを必要とする患者に対して投与する段階;
(c)活性化リガンドの有効量を、それを必要とする該患者に対して投与する段階;
(d)それを必要とする該患者から、インビトロで遺伝子操作された免疫細胞および活性化リガンドの投与後に入手した第2の生体試料におけるIFN-γの発現のレベルまたは活性のレベルまたはその両方を測定し、それによって試験レベルを求める段階;ならびに
(e)IFN-γの試験レベルを対照レベルと比較し、IFN-γの発現、活性またはその両方の試験レベルが対照レベルに比して高いことにより、その治療レジメンがそれを必要とする該患者において有効であることが指し示される段階を含み、
免疫モジュレーターが、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10R DNまたはそのサブユニット、IL-15、IL-18、IL-21、IL-23、IL-24、IL-27、GM-CSF、IFN-α、IFN-γ、IFN-α1、INF-α2、IL-15Rα、CCL3(MIP-1a)、CCL5(RANTES)、CCL7(MCP3)、XCL1(リンホタクチン)、CXCL1(MGSA-α)、CCR7、CCL19(MIP-3b)、CXCL9(MIG)、CXCL10(IP-10)、CXCL12(SDF-1)、CCL21(6Ckine)、OX40L、4-1BBL、CD40、CD70、GITRL、LIGHT、b-デフェンシン、HMGB1、Flt3L、IFN-β、TNF-α、dnFADD、TGF-α、PD-L1 RNAi、PD-L1アンチセンスオリゴヌクレオチド、TGFbRII DN、ICOS-LおよびS100から選択される、方法。
【請求項66】
それを必要とする患者がヒト患者である、請求項65記載の方法。
【請求項67】
患者が癌患者である、請求項65記載の方法。
【請求項68】
癌患者が黒色腫患者である、請求項67記載の方法。
【請求項69】
IFN-γのレベルをELISAによって測定する、請求項65記載の方法。
【請求項70】
免疫細胞が、免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質および任意でIL-12の機能を有するタンパク質を条件的に発現するように、かつ遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを含むようにインビトロで遺伝子操作されており、
該ポリヌクレオチドが、(1)プロモーターに機能的に連結された、リガンド依存性転写因子をコードする少なくとも1つの転写因子配列と、(2)該リガンド依存性転写因子によって活性化されるプロモーターに連結された、免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質および任意でIL-12をコードするポリヌクレオチドとを含む、請求項65記載の方法。
【請求項71】
ベクターがアデノウイルスベクターである、請求項70記載の方法。
【請求項72】
遺伝子スイッチがEcRに基づく遺伝子スイッチである、請求項70記載の方法。
【請求項73】
リガンドがEcRのリガンド結合ドメインと結合する、請求項72記載の方法。
【請求項74】
リガンドがジアシルヒドラジンである、請求項72記載の方法。
【請求項75】
リガンドがRG-115819、RG-115932およびRG-115830から選択される、請求項74記載の方法。
【請求項76】
リガンドがアミドケトンまたはオキサジアゾリンである、請求項72記載の方法。
【請求項77】
遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、第1のプロモーターの制御下にある第1の転写因子配列と第2のプロモーターの制御下にある第2の転写因子配列とを含み、該第1の転写因子配列によってコードされるタンパク質と該第2の転写因子配列によってコードされるタンパク質とが相互作用して、リガンド依存性転写因子として機能するタンパク質複合体を形成する、請求項72記載の方法。
【請求項78】
IL-12の機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、ヒトIL-12をコードする、請求項70記載の方法。
【請求項79】
免疫細胞がヒト樹状細胞である、請求項65記載の方法。
【請求項80】
樹状細胞が骨髄樹状細胞である、請求項79記載の方法。
【請求項81】
活性化リガンドを腫瘍内、経口的、腹腔内または皮下に投与する、請求項65記載の方法。
【請求項82】
活性化リガンドを、インビトロで遺伝子操作された樹状細胞の前または後の1時間未満のうちに投与する、請求項65記載の方法。
【請求項83】
活性化リガンドを、インビトロで遺伝子操作された樹状細胞の後の24時間未満のうちに投与する、請求項65記載の方法。
【請求項84】
活性化リガンドを、インビトロで遺伝子操作された樹状細胞の後の48時間未満のうちに投与する、請求項65記載の方法。
【請求項85】
(a)免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質および任意でIL-12の機能を有するタンパク質の発現を制御する遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを含むように遺伝子操作された免疫細胞と、(b)遺伝子スイッチを活性化するリガンドとを含むキット。
【請求項86】
リガンドがRG-115819、RG-115830またはRG-115932である、請求項85記載のキット。
【請求項87】
遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、1つのプロモーターの制御下にある第1の転写因子配列および第2の転写因子配列を含み、該第1の転写因子配列によってコードされるタンパク質と該第2の転写因子配列によってコードされるタンパク質とが相互作用して、リガンド依存性転写因子として機能するタンパク質複合体を形成する、請求項1記載のベクター。
【請求項88】
第1の転写因子配列および第2の転写因子配列がEMCV配列内リボソーム進入部位(IRES)によって連結されている、請求項87記載のベクター。
【請求項89】
遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、1つのプロモーターの制御下にある第1の転写因子配列および第2の転写因子配列を含み、該第1の転写因子配列によってコードされるタンパク質と該第2の転写因子配列によってコードされるタンパク質とが相互作用して、リガンド依存性転写因子として機能するタンパク質複合体を形成する、請求項29記載のインビトロで遺伝子操作された免疫細胞。
【請求項90】
第1の転写因子配列および第2の転写因子配列がEMCV配列内リボソーム進入部位(IRES)によって連結されている、請求項89記載のインビトロで遺伝子操作された免疫細胞。
【請求項91】
遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、1つのプロモーターの制御下にある第1の転写因子配列および第2の転写因子配列を含み、該第1の転写因子配列によってコードされるタンパク質と該第2の転写因子配列によってコードされるタンパク質とが相互作用して、リガンド依存性転写因子として機能するタンパク質複合体を形成する、請求項53記載の方法。
【請求項92】
第1の転写因子配列および第2の転写因子がEMCV配列内リボソーム進入部位(IRES)によって連結されている、請求項91記載のインビトロで遺伝子操作された免疫細胞。
【請求項93】
遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、1つのプロモーターの制御下にある第1の転写因子配列および第2の転写因子配列を含み、該第1の転写因子配列によってコードされるタンパク質と該第2の転写因子配列によってコードされるタンパク質とが相互作用して、リガンド依存性転写因子として機能するタンパク質複合体を形成する、請求項72記載の方法。
【請求項94】
第1の転写因子配列および第2の転写因子配列がEMCV配列内リボソーム進入部位(IRES)によって連結されている。請求項93記載のインビトロで遺伝子操作された免疫細胞。
【請求項95】
インビトロで遺伝子操作された免疫細胞または治療補助細胞の2つまたはそれ以上の集団を含む組成物を含む組成物であって、組成物中のインビトロで遺伝子操作された細胞の各集団が、遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを含み、該ポリヌクレオチドが、(1)プロモーターに機能的に連結された、リガンド依存性転写因子をコードする少なくとも1つの転写因子配列と、(2)該リガンド依存性転写因子によって活性化されるプロモーターに連結された、免疫モジュレーターの機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドとを含み、組成物中のインビトロで遺伝子操作された細胞の各集団が、組成物中のインビトロで遺伝子操作された細胞の他の集団において発現される1つまたは複数の免疫モジュレーターとは異なる1つまたは複数の免疫モジュレーターを発現する、組成物。
【請求項96】
哺乳動物における腫瘍を治療するための方法であって、
(a)免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質を条件的に発現するようにインビトロで遺伝子操作された免疫細胞またはTSCの2つまたはそれ以上の集団を、腫瘍の微小環境に対して腫瘍内投与する段階であって、
免疫細胞またはTSCの各集団が1つまたは複数の免疫モジュレーターの異なるセットを発現する、段階;および
(b)1つまたは複数の活性化リガンドの治療的有効量を該哺乳動物に投与する段階を含み、
それにより、免疫モジュレーターの機能を有するタンパク質の発現を誘導して該腫瘍を治療する、方法。
【請求項97】
哺乳動物における腫瘍を治療するための方法であって、
(a)免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質およびIL-12の機能を有するタンパク質を条件的に発現するようにインビトロで遺伝子操作された免疫細胞またはTSCの2つまたはそれ以上の集団を、腫瘍の微小環境に対して腫瘍内投与する段階であって、
免疫細胞またはTSCの各集団が免疫モジュレーターの機能を有する1つまたは複数のタンパク質の異なるセットを発現し、
免疫モジュレーターの機能を有するタンパク質またはIL-12のうち少なくとも1つが、リガンドによって活性化される条件的プロモーターの制御下にある段階;ならびに
(b)1つまたは複数の活性化リガンドの治療的有効量を該哺乳動物に投与する段階を含み、
それにより、免疫モジュレーターの機能を有するタンパク質および/またはIL-12の機能を有するタンパク質の発現を誘導して該腫瘍を治療する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−504959(P2012−504959A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531018(P2011−531018)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/005510
【国際公開番号】WO2010/042189
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(508087044)イントレキソン コーポレーション (12)
【Fターム(参考)】