説明

複数の合成糸を紡糸し、かつ巻取るための装置

本発明は、複数の糸を紡糸し、かつ巻取るための装置に関する。この装置は、紡糸装置と、この紡糸装置の下に配置された、複数の巻取りユニットより成るグループとを有している。各巻取りユニットは、片持ち式に突き出して支承された2つの巻取りスピンドルを備えた可動なボビンリボルバを有しており、これらの巻取りスピンドルにおいて交互に複数の糸が複数のボビンに巻き取られるようになっている。このために、巻取りスピンドルは、ボビンリボルバによって、交互に作業領域と交換領域との間でガイドされる。この場合、巻取りユニットの配置において、少なくとも2つの巻取りユニットが互いに鏡面対称的に配置されている。巻取りユニットのグループによって、できるだけ狭い分割幅を維持するために、2つの巻取りユニットが互いに上下に配置されていて、それによって作業領域で保持された巻取りスピンドル間の間隔が、交換領域で保持された巻取りスピンドル間の間隔よりも小さくなっている。それによって複数の糸を、有利な形式で、左右対称平面から各巻取りユニットに分配することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載した、複数の合成糸を紡糸し、かつ巻取るための装置に関する。
【0002】
冒頭に述べた形式の装置は、ドイツ連邦共和国特許公開第10045473号明細書により公知である。
【0003】
溶融紡糸された合成糸を製造する際に、紡糸装置によって多数の糸を平行に並んで、同時に紡糸装置を通して、冷却することが公知である。従って例えば12本、16本又はそれ以上の糸を同時に紡糸装置を通して製造することができる。複数の糸は、冷却後に糸群として一緒にガイドされ、処理される。紡糸プロセスの最後に、糸群の各糸は1つのボビンに巻き取られる。このために、複数の巻取りユニットが1つのグループにまとめられ、紡糸装置に対応配置される。各巻取りユニットは、紡糸された糸を連続的に巻き取ることができるようにするために、長く突き出た2つの巻取りスピンドルを備えたボビンリボルバを有している。巻取りスピンドルは、ボビンリボルバによって交互に、糸を巻取るための作業領域と、巻取り完成された満管ボビンを取り出すための交換領域とに旋回せしめられる。
【0004】
ドイツ連邦共和国特許公開第10045473号明細書により公知の装置においては、巻取りユニットのグループは、並んで配置された2つの巻取り機によって形成されている。この場合、2つの巻取りユニットは、鏡面対称的に互いに向き合っていて、複数の糸の巻取り時に、2つの巻取りユニット内において巻取り過程が有利には同期的に開始されるようになっている。従って、このような装置の所用スペースは、並んで配置された2つの巻取りユニットによってほぼ規定される。糸群が列状に配置された紡糸装置内で紡糸される場合、一般的に、巻取りユニットの幅は紡糸装置の幅より大きいので、大型機械の分割は巻取りユニットによって規定される。しかしながら大型機械では、有利な形式で1つの押出機によって複数の紡糸装置に供給されるので、これらの紡糸装置は、互いにできるだけ狭く配置する必要がある。
【0005】
アメリカ合衆国特許第6015113号によれば、巻取りユニットが階段状に互いに上下に配置された複数の糸群を巻取るための巻取りユニットのグループが公知である。これによって、巻取りユニットの分割幅は減少されるが、上側の巻取りユニット下側の巻取りユニットとの間で異なる糸ガイドが行われるという欠点がある。特に、6000m/分の高速で合成糸を巻取る際に、このような形式の糸ガイド内におけるガイド長さの差が、空気抵抗に基づいて異なる巻取り張力を生ぜしめるので、異なる品質のボビン及びひいては糸が形成されることになる。
【0006】
従って本発明の課題は、冒頭に述べた形式の、合成糸を紡糸し、かつ巻取るための装置を改良して、一方では巻取りユニットのグループを互いにコンパクトな構造形式で配置し、他方では、各巻取りユニット内に、同じ条件下で複数の糸を複数のボビンに巻取ることができるようにすることである。
【0007】
この課題は、本発明によれば、請求項1に記載した特徴を有する、複数の糸を紡糸し、かつ巻取るための装置、並びに請求項14に記載した特徴を有する装置によって解決された。
【0008】
本発明の有利な実施態様は、従属請求項の特徴及びこれらの特徴の組み合わせによって得られる。
【0009】
本発明は、互いに鏡面対称的に構成された2つの巻取りユニットを互いに上下に配置したことに基づいている。
【0010】
これによって、一方では唯一の巻取りユニットの分割幅にほぼ相当する、巻取りユニットのグループの分割幅が実現される。しかも、作業領域内で保持された巻取りスピンドル間の間隔が小さいことによって、ほぼ同じ条件下で形成される糸供給が可能である。これに対して、交換領域内で保持された巻取りスピンドル間の間隔がより大きいことによって、ガイド時に、及び満管ボビンを取り外す際に互いの妨害を阻止するために、特に有利である。この場合、各巻取りユニットは、それぞれ複数の糸を同時に複数のボビンに巻取る状態にある。
【0011】
本発明の特に有利な実施態様によれば、糸ガイド手段が巻取りユニットの鏡面対称平面内に配置されていて、この糸ガイド手段によって、紡糸装置から供給された複数の糸が変向されて巻取りユニット内に導入されるようになっている。これによって、糸供給は、互いに上下に配置された複数の巻取りユニット間で側方から行われるので、2つの巻取りユニットに対する同じ糸供給状態が実現される。
【0012】
糸ガイド手段は、有利な形式で回転可能に支承された変向ローラによって形成されており、この変向ローラの外周面で、紡糸装置から供給された糸群がガイドされる。この場合、変向ローラは、できるだけ小さい巻取り張力を実現するために付加的に駆動される。
【0013】
できるだけ小さい分割幅を実現するために、本発明の有利な実施態様によれば、糸道内において糸ガイド手段の後ろに単数又は複数の綾振り部材が配置されており、これらの綾振り部材によって複数の糸が巻取りユニット内で往復ガイドされて綾巻ボビンに巻き取られるようになっている。これによって糸ガイド手段は、各巻取り箇所において直接的に綾振り三角形の開始を形成する。
【0014】
巻取り中に、ボビン増大に関連してできるだけ高いフレキシブル性を得るために、各巻取りユニットはそれぞれ1つの圧着ローラを有していて、これらの圧着ローラは、それぞれ作業領域で保持された巻取りスピンドルと協働するようになっている。この場合、これらの圧着ローラは、共通の1つの旋回軸に取り付けられた旋回アームで保持されている。
【0015】
この場合、それぞれ圧着ローラと、新たに巻き取ろうとするボビンに作用する当接力との間に、所定の目標値又は目標領域を維持することができるようにするために、各圧着ローラに、有利には1つの力アクチュエータ及び1つの力センサが対応配置されている。この場合、力センサは、制御装置を介してボビンリボルバの回転駆動装置と接続されて1つの調整回路を形成しているので、ボビン増大中の変位運動はできるだけ一定の当接力で実施されるようになっている。
【0016】
この場合、互いに上下に配置された2つの巻取りユニットのボビンリボルバは、有利な形式で1つの共通の回転駆動装置によって駆動される。
【0017】
大量の合成糸を同時に製造する場合、本発明によれば、2つの巻取りユニットに対して間隔を保って、互いに上下に配置された別の2つの巻取りユニットが対応配置されている。この場合、互いに上下に配置された巻取りユニットと、互いに並んで配置された巻取りユニットとは、それぞれ互いに鏡面対称的に構成されている。従って第1の鏡面対称平面は、下側の巻取りユニットと上側の巻取りユニットとの間の中心に延びていて、第2の鏡面対称平面は、巻取りユニット間で前記第1の鏡面対称平面に対して直交する方向に垂直に延びている。
【0018】
糸のガイドは、有利な形式で巻取りユニット間で間隔を保って行われ、この場合、第2の糸ガイド手段は、水平方向に延びる鏡面対称平面内に配置されている。2つの糸ガイド手段の前に糸セパレータが配置されており、この糸セパレータによって、供給された複数の糸が2つの糸群に分割可能である。
【0019】
2つの巻取りユニット間の間隔は、本発明の有利な実施態様によれば、巻取りユニットの電子制御装置及び電子駆動装置を備えた電子構造ユニットを受容するために用いられる。この場合、電子構造ユニットは、有利な形式で操作パネルを有しており、この操作パネルによって、巻取りユニットの全グループが制御可能である。
【0020】
この場合、電子駆動ユニットが走行可能に構成されていれば、保守整備のために有利である。それによって、巻取りユニット間に間隔を、保守整備及び操作用の通路として使用することができる。
【0021】
互いに並んで配置された上側の複数の巻取りユニット間に、有利な形式で、糸道を監視するための監視装置が配置されている。この監視装置の隣で、巻取りユニット間に付加的な処理装置を組み込んでもよいも。この処理装置は、例えば糸の結合を高めるために複数の糸を旋回させて混ぜ合わせる。
【0022】
巻取りユニットは、有利な形式で、閉じた仕切り壁を備えた巻取りフレーム内で保持されており、これらの仕切り壁によって巻取りユニットが互いに仕切られて、カプセル状に包囲されている。この場合、巻取りスピンドルの自由端部における壁部は開口を有しており、これらの開口を通して、満管ボビンを交換することができる。このような形式のカプセル包囲によって、複数の糸をボビンに巻取るための、完全に空気調節された環境を提供することができる。
【0023】
巻取りユニットのグループに、別の巻取りユニットのグループが対応配置されていることによって、本発明による装置のコンパクト性が得られる。この場合、これら2つのグループの巻取りユニットは、それぞれその駆動側で向き合って1つの共通の長手方向軸線に沿って配置されていて、これら2つのグループの巻取りユニット間に、巻取りユニットに対応配置された複数の駆動装置を備えた駆動ユニットが配置されている。これによって、一方では、駆動装置をカプセル状に包囲することができ、他方では複数の駆動装置を連結することができる。
【0024】
本発明の請求項15に記載した装置は、前記課題を解決するために特に適している。この場合、鏡面対称的に配置された巻取りユニットが1つの共通の縦軸線内に配置されている。互いに向き合う巻取りユニット間に、2つの巻取りユニットに対応配置された複数の駆動装置を備えた駆動ユニットが設けられている。これによって、小さい分割幅で、コンパクトな構造形式の巻取りユニットが実現される。特に、巻取りユニット間に形成された駆動ユニットは、すべての駆動装置のための共通のカプセル状の包囲を可能にする。
【0025】
有利には、駆動ユニットは、互いに向き合う巻取りユニットの2つのボビンリボルバを同期駆動するための、少なくとも1つだけの回転駆動装置を有している。
【0026】
同様に、1つの軸線上で互いに向き合う巻取りスピンドルが、複数のスピンドル駆動装置のうちの1つによって共通に駆動することも可能である。
【0027】
複数の糸を紡糸し、かつ巻取るための、コンパクトな高さを有する装置を実現するために、巻取りユニットのグループの前に引き出し装置が有利には直接配置されており、該引き出し装置が少なくとも1つの引き出しゴデットと1つの延伸ゴデットとを有している。この場合、有利には、一方のゴデット(引き出しゴデット又は延伸ゴデット)が、糸掛け位置と作業位置との間で調節可能に構成されているので、紡糸装置から直接的に、巻取り機まで複数の糸を自動的に糸掛けすることができる。
【0028】
このような形式の装置を空調するために、引き出し装置がゴデットボックス内に設けられていて、該ゴデットボックスが、入口側で紡糸装置の落下シャフトに接続されていて、出口側で、閉じた壁部を有する巻取りフレームに接続されている。
【0029】
本発明による装置は、基本的に、種々異なる形式の合成糸を製造するために適している。従って、引き出し装置の構成とは無関係に、POY糸又はFDY糸を製造することができる。このような考え方は、基本的に、弾性的な糸、巻縮された糸又は工業用糸を製造するためにも適している。
【0030】
複数の糸を紡糸し、かつ巻取るための本発明による装置を、以下に唯一の実施例を示す添付の図面を参照しながら説明する。
【0031】
図1は、本発明による装置の第1実施例の概略図、
図2は、図1に示した実施例の巻取りユニットのグループの概略的な側面図、
図3は、本発明による装置の別の実施例の概略図、
図4は、本発明による装置の別の実施例の巻取りユニットのグループの概略的な平面図である。
【0032】
図1には、本発明による装置の第1実施例の概略図が示されている。この装置は、紡糸装置1と、この紡糸装置1の下に配置された引き出し装置28と、この引き出し装置28の下に配置された、巻取りユニット2.1及び2.2を備えた巻取りユニット2のグループとを有している。
【0033】
紡糸装置1は、溶融物投入口33を介して、図示していない溶融物源例えば押出機に接続されている。溶融物投入口33は紡糸ブロック34に通じている。紡糸ブロック34はその下側に、有利には互いに並んで一列に配置された複数の紡糸ノズル35を有している。この実施例では、これらの紡糸ノズル35は、図平面に対して直交する方向に延びる一列に配置されている。紡糸ブロック34内には一般的な形式で、分配ライン及び紡糸ポンプ等の別の溶融物ガイド部材が配置されている。
【0034】
紡糸ノズル35の下側には冷却シャフト(冷却縦穴)36が形成されており、この冷却シャフトは冷却空気発生器(図示せず)に接続されている。冷却シャフト36は落下シャフト(落下縦穴)32内に開口している。
【0035】
紡糸装置1には前処理装置37が対応配置されている。図示の実施例では、前処理装置37は、落下シャフト32の端部に設けられた前処理ローラによって形成されている。
【0036】
しかしながら前処理装置37は、紡糸ラインに沿って分配されている複数の前処理ユニットも有している。従って冷却シャフトの下で、フィラメント束を1本の糸に集合させるための前処理が行われる。
【0037】
紡糸装置1内で形成された合成糸を各紡糸ノズル35から平行に引き出すために、引き出し装置28が設けられている。この引き出し装置28は、図示の実施例では引き出しゴデット29と延伸ゴデット30とによって形成され、この引き出しゴデット29及び延伸ゴデット30にはそれぞれ糸が部分的に巻き掛けられている。
【0038】
基本的に、引き出し装置28の構成は、製造しようとする糸の種類及び形式に基づいている。従って引き出し装置28も、例えば完全に延伸された糸を形成するために、複数回巻き掛けられたゴデットユニットによって形成されていていよい。同様に引き出し装置28も、それぞれ1本の糸だけをガイドする複数の個別の引き出し供給装置を有している。しかも、引き出し装置28は、例えば絡み合わせ装置等の付加的な処理装置を有していてよい。
【0039】
製造された合成糸を受容するために、紡糸ラインの端部に巻取りユニット2のグループが配置されている。
【0040】
図1と共に図2を用いて、巻取りユニット2のグループをさらに説明する。図2には、巻取りユニット2のグループの概略的な側面図が示されている。この場合、以下の説明は、図1及び図2のいずれにも当てはまる。
【0041】
巻取りユニット2のグループは、互いに上下に配置された2つの巻取りユニット2.1及び2.2によって形成されている。巻取りユニット2.1及び2.2は、互いに鏡面対称的に配置されているので、巻取りユニット2.1と2.2との間に水平方向の鏡面対称平面が延在しており、この鏡面対称平面19は、一点鎖線で示されている。この場合、巻取りユニット2.1及び2.2は巻取りフレーム13に保持されている。各巻取りユニット2.2及び2.2は、その機械的な構造群の機能及び構成が同一に構成されている。従って、巻取りユニット2.1は回転可能に駆動されるボビンリボルバ(ボビン回転タレット)5.1を有しており、このボビンリボルバ5.1に、長手方向に突き出す2つの巻取りスピンドル6.1及び7.1が支承されている。
【0042】
巻取りスピンドル6.1にはスピンドル駆動装置15.1が対応配置されていて、巻取りスピンドル7.1にはスピンドル駆動装置15.2が対応配置されている。各巻取りスピンドル6.1及び7.2は、複数のボビン4を受容するための互いに並んで配置された複数の巻管39を支持している。巻取りスピンドル6.1及び7.1は、ボビンリボルバ5.1によって、作業領域と交換領域との間で交互に旋回するようになっている。図示の状況では、巻取りスピンドル6.1が作業領域にあって、巻取りスピンドル7.1は交換領域にある。作業領域において、巻取りスピンドル6.1は回転可能に支承された圧着ローラ10.1と協働する。このために、圧着ローラ10.1は旋回アーム11.1に保持されていて、この旋回アーム11.1は、旋回軸12.1を介して巻取りフレーム13に旋回可能に結合されている。圧着ローラ10.1には、力アクチュエータ18.1及び力センサ17.1が対応配置されている。力センサ17.1は、制御装置16を備えた信号ラインに接続されている。
【0043】
制御装置16は、2つの巻取りユニット2.1及び2.2のすべてのアクチュエータ及び駆動装置の電子駆動装置及び電子制御装置を有している。これによって制御装置16はスピンドル駆動装置15.1及び15.2並びに回転駆動装置15に接続されており、この回転駆動装置15によってボビンリボルバ5.が駆動される。
【0044】
糸道内で圧着ローラ10.1の前に綾振り部材9.1が配置されており、この綾振り部材9.1によって、綾巻ボビンを形成するために、ボビンに巻き付けられる糸がそれぞれ往復移動せしめられる。
【0045】
上側の巻取りユニット2.2は、水平方向の鏡面対称平面19を基準にして鏡面対称的に同一の構造群を有している。従ってボビンリボルバ5.2に、巻取りスピンドル6.2及び7.2が長手方向で突き出して回転可能に支承され保持されている。巻取りスピンドル6.2には圧着ローラ10.2が対応配置されている。この場合、旋回アーム11.2は同様に、旋回軸12.1において巻取りフレームに接続されている。このために旋回アーム12.1は、水平方向の鏡面対称平面19に配置されている。圧着ローラ10.2の前に綾振り部材9.2が配置されている。
【0046】
下側の巻取りユニット2.1を上側の巻取りユニット2.2に対して鏡面対称的に配置したことによって、作業領域内に位置する巻取りスピンドル6.1と6.2との間の相対的に小さい間隔Sが形成される。これに対して、交換領域内で保持された巻管7.1と7.2との間に、比較的大きい間隔Sが形成される。このような構成によって、糸を巻取りステーションに中央で供給することができる、という利点が得られる。
【0047】
また、巻取りスピンドル7.1及び7.2において満管ボビンをガイドすることによって妨害が発生することがないので、2つの巻取りユニット2.1及び2.2は、互いにできるだけ小さい間隔を保って非常にコンパクトな形式で保持されるようになっている。
【0048】
図2に示されているように、下側の巻取りユニット2.1のボビンリボルバ5.1と、上側の巻取りユニット2.2のボビンリボルバ5.2とは、回転駆動装置14によって一緒に駆動される。この場合、ボビンリボルバ5.1と5.2とは逆の回転方向を有していて、伝動手段(図示せず)を介して互いに連結されている。
【0049】
引き出し装置28からの糸の供給は、巻取りユニット2.1及び2.2の横隣で行われる。この場合、水平方向の鏡面対称平面19に、変向ローラとして構成された糸ガイド手段8.1が形成されており、この糸ガイド手段8.1によって供給された複数の糸3が一緒に変向される。糸ガイド手段8.1において糸が変向された後で、複数の糸3は、下側の糸群と上側の糸群とに分割され、各巻取りユニット2.1及び2.2に供給される。この実施例では、各巻取りユニットは同時に4本の糸3からボビン4を巻取る。これによって全部で8本の糸が、上側及び下側の巻取りユニット2.1及び2.2内で複数のボビンに巻き取られる。
【0050】
上側の巻取りユニットの横隣に、糸道を監視するための監視装置25.1が配置されている。監視装置25.1は、一般的に糸毎に1つの糸切れ監視器を有している。
【0051】
紡糸装置1内では、まずプラスチック溶融物が溶融物投入口22を介して紡糸ブロック34に供給される。プラスチック溶融物は紡糸ノズル35に送られ、各紡糸ノズル35の複数のノズル孔の圧力作用下で押し出される。このために、各紡糸ノズル35は、フィラメント束40として示された複数のフィラメント糸を表している。次いで新たに押し出されたフィラメント糸が冷却シャフト36内において供給された冷却媒体によって冷却される。並んで供給されたフィラメント束40は冷却された後で、それぞれ1本の糸3に集合される。フィラメント束40若しくは複数の糸3の引き出しは、引き出し装置28によって行われる。このために、複数の糸3が引き出しゴデット29及び延伸ゴデット30に部分的に巻き掛けられる。引き出しゴデット29及び延伸ゴデット30はそれぞれ駆動されており、この場合、製造しようとする糸の形式に応じて、引き出しゴデット29と延伸ゴデット30との間の小さい速度差から大きい速度差までを調節することができる。複数の糸は延伸ゴデット30から垂直方向にガイドされて糸ガイド手段8.1に達する。複数の糸は糸ガイド手段によって変向されて、上側の糸群と下側の糸群とに分割されてから、巻取りユニット2.2,2.2に達する。
【0052】
以下に図1と共に図2を用いて、巻取りユニット2.1及び2.2の機能を説明する。図示の作業状況では、複数の糸が、2つの巻取りユニット2.1及び2.2の巻取りスピンドル6.1及び6.2において巻き取られる。
【0053】
複数の糸3を複数のボビン4に同時に巻取る間、圧着ローラ10.1及び10.2は、それぞれ巻取りスピンドル6.1及び6.2で巻き取られたボビン4の外周面に当接する。この場合、圧着ローラ10.1及び10.2の当接力は、力センサ18.1及び18.2の制御によって制御される。一方では、ボビン4の増大中における巻取りスピンドル6.1及び6.2の変位運動を可能にするために、それぞれ作用する当接力が力センサ17.1及び17.2によって測定される。制御装置16内で、それぞれ所定の目標値が当接力のそれぞれ測定された実際値と比較され、それによって、それぞれ一定の当接力が得られるように、ボビンリボルバ5.1及び5.2を移動させるための回転駆動装置が作動せしめられる。
【0054】
しかしながらまた、回転駆動装置14の作動によってボビンスピンドルの段階的な又は連続的な変位運動を得るために、旋回アーム11.1,11.2における圧着ローラ10.1及び10.2の往復運動を検出することもできる。
【0055】
ボビンが巻取りスピンドル6.1及び6.2において巻取り完成されると直ちに、自動的なボビン交換が行われる。この自動的なボビン交換において、糸がそれぞれ巻取りスピンドル7.1及び7.2によって、新たなボビンを巻取るために引き取られる。
【0056】
図1及び図2に示した装置においては、できるだけ狭い分割幅を維持しながら複数の糸を製造することができる。特に巻取りユニット2のグループは、一つの巻取りユニットだけを使用した場合と比較してそれ程大きくない分割幅を有している。
【0057】
図3には、本発明による装置の別の実施例の概略図が示されている。この実施例は特に、できるだけ狭い構造スペース内で複数の糸を製造し、かつボビンに巻取るために適している。図3に示した実施例は、前記図1及び図2に湿した実施例とほぼ同じであるので、前記説明が参照され、以下には相違点についてだけ述べる。
【0058】
図3に示した実施例は、紡糸装置1と引き出し装置28と巻取りユニット2のグループとから成っている。紡糸装置1と引き出し装置28と巻取りユニット2のグループとは、外部に対して閉鎖されたフレーム壁を介した互いに結合されている。紡糸装置1は、前記実施例と同様に構成されている。落下シャフト32の端部にゴデットボックス31が接続している。このゴデットボックス31内で、引き出しゴデット29及び延伸ゴデット30が保持されている。引き出しゴデット29は、引き出しゴデット29を糸掛け位置(破線で示されている)と作業位置との間でガイドするために、制御装置38に可動に保持されている。この場合、調節装置38は例えばロータによって形成されており、このロータに、引き出しゴデット29又は2つのゴデット29及び30が可動に固定されている。
【0059】
ゴデットボックス31の下に巻取りフレーム13が続いており、この巻取りフレーム13はそれぞれ閉じた仕切壁26によって形成されている。巻取りフレーム13には巻取りユニット2のグループが保持されている。この場合、4つの巻取りユニット2.1,2.2,2.3及び2.4が鏡面対称的な配置で互いに保持されている。下側の巻取りユニット2.1及び2.3は、上側の巻取りユニット2.2及び2.4に対して鏡面対称的に構成されている。これによって、下側の巻取りユニットと上側の巻取りユニットとの間に水平方向の鏡面対称平面19が延在している。この鏡面対称平面19に対して直交して、垂直方向の鏡面対称平面20が延在しており、この垂直方向の鏡面対称平面20は、右側の巻取りユニット2.1及び2.2と左側の巻取りユニット2.3及び2.4との間の鏡面対称平面を規定している。各巻取りユニット2.1乃至2.4は同様に構成されていて、図1に示した前記実施例の構造に相当するので、前記記載が参照され、以下には相違点についてだけ説明する。
【0060】
右側の巻取りユニット2.1及び2.2と左側の巻取りユニット2.3及び2.4との間に間隔が形成されている。この場合、下側の巻取りユニット2.1と2.3との間に電子構造ユニットが設けられており、この電子構造ユニットは、電子制御装置と電子駆動装置とを備えた制御装置を有している。電子構造ユニットに操作パネル24が形成されており、この操作パネル24によって、すべての巻取りユニット2.1乃至2.4の操作が可能である。電子降雨有象ユニット23は走行可能に構成されているので、右側の巻取りユニット2.1及び2.2と左側の巻取りユニット2.3及び2.4との間の間隔は作業員用の操作通路として使用される。
【0061】
糸ガイドのために、左側の巻取りユニット2.1及び2.2と右側の巻取りユニット2.3及び2.4との間の間隔内に、水平方向の鏡面対称平面19内に互いに並んで配置された2つのアイドラーローラ(遊びローラ)として構成された糸ガイド手段8.1及び8.2が保持されている。糸ガイド手段8.1及び8.2の前の糸身と内に糸セパレータ21が配置されており、この糸セパレータ21によって、延伸ゴデット30から供給される複数糸が2つの糸群22.1及び22.2に分割される。各糸群22.1及び22.2に、それぞれ1つの監視装置25.1及び25.2が対応配置されており、これらの監視装置は、上側の巻取りユニット2.2と2.4との間の間隔内に位置している。
【0062】
巻取りユニット2.1乃至2.4は、巻取りフレーム13内で仕切り壁26によって互いに分離されていて、付加的な仕切り壁によって端面側に対して完全にカプセル状に包囲されている。端面側の仕切り壁は、図示の実施例では巻取りユニット2.4の実施例に過ぎない。この場合、前方の仕切り壁41は、ボビン開口42を有していて、このボビン開口42を通って、満管ボビンを交換することができるようになっている。ボビン開口42は、作業中は図示していないカバーを介して閉鎖されている。これによって、各巻取りユニット2.1乃至2.4内に完全に温度調節された環境が得られる。この場合、糸ガイドは相応に構成された開口を介して行われる。
【0063】
図3に示した実施例は、有利な形式でPOY糸(partially oriented yarns;半延伸糸)を製造するために適している。プロセス開始時に、まず引き出しゴデット29が当接位置に旋回せしめられるので、紡糸装置から下降せしめられた糸群が無接触で巻取りフレームの糸道内に落下する。この場合、糸群は例えば閉じた吸込み部を有する収集ホッパによって巻取りフレームの下部領域内に収集される。次いで引き出しゴデット29が糸掛け位置から作業位置に旋回せしめられる。糸群が引き出しゴデット29及び延伸ゴデット30に引き取られることによって、糸群の複数の糸3が、ゴデット29及び30の外周面に均一に分配される。各巻取り装置上に糸群を分割するために、まず糸セパレータ21が巻取りフレーム13の上部領域内で作動せしめられる。この巻取りフレーム13は例えばコーム(櫛)状に互いに噛み合う2つのガイドエレメントによって形成されていて、それによって糸群を左側の糸群22.2と右側の糸群22.1とに分割することができる。次いで2つの糸群22.1,22.2は、第2の補助装置によって、それぞれ1つの上側の部分糸群と下側の部分糸群とに分割され、これらの部分糸群が、巻取りユニットに対応配置されたそれぞれ1つの吸込み装置によって受容される。このために糸群22.1,22.2は、互いに間隔を保って配置された糸ガイド手段8.1及び8.2によってガイドされる。このようにして形成された上側の糸群及び下側の部分糸群は直接に、対応配置された巻取りユニット2.1乃至2.4に達するようになっている。
【0064】
巻取りユニット2.1乃至2.4への糸引き渡し過程は、有利な形式で同期的に行われるので、すべての糸の均一な糸ガイドが保証される。巻取り過程は、図示の巻取りユニット2.1乃至2.4のそれぞれにおいて、図1に示した実施例に関する前記説明に基づいて行われるので、それに関する説明は省く。糸の巻取り中に、巻取りユニット2.1乃至2.4は、個別にもまた同期的にも駆動される。有利な形式で、ボビンリボルバ5.1及び5.2並びにボビンリボルバ5.3及び5.4は、それぞれ1つの共通の回転駆動装置を介して駆動される。
【0065】
同時に製造できる糸を2倍にするために、本発明による装置の別の実施例が示されており、この場合、巻取りユニット2のグループの平面図だけが示されている。図3に示した実施例に対して、巻取りユニット2のグループは、それぞれ軸の延長部に鏡面対象的に配置された巻取りユニットによって補われている。この場合、それぞれ2つの巻取りユニット2.1及び2.2はその駆動側で向き合って鏡面対象的に配置されていて、巻取りユニット2.1と2.2との間に駆動ユニット27が設けられている。駆動ユニット27は、ボビンリボルバの駆動装置と、2つの巻取りユニット2.1及び2.2の巻取りスピンドルとを有している。この場合、ボビンリボルバの駆動装置も、また巻取りスピンドルの駆動装置も、簡単な形式で互いに連結することができる。それによって、長手方向の軸線方向で互いに向き合っている巻取りユニット2.1及び2.2の同期的な駆動が簡単な形式で可能である。
【0066】
巻取りユニットの構造は、前記図1に示した実施例に記載した巻取りユニットと同じである。
【0067】
図4に示した実施例は特に、できるだけ多くの本発明による装置を1つの機械に組み込むために適している。従って、全部で8つの巻取りユニットを1つのグループにまとめることができる。複数の巻取りユニットのコンパクトな配置によって、同期的な駆動形式で、複数の巻取りユニットの複数の駆動装置を一緒に制御することも、又は1つの駆動装置に接続することもできる。複数の糸の中央の糸ガイドを、巻取りユニットのグループにおける左右対称平面若しくは左右対称中心から実施することによって、各巻取りユニットは同じ条件下で同じボビンを形成することができる。従って本発明による装置は特に、合成糸を、毎分6000mよりも高い巻取り速度で巻取るために適している。
【0068】
図1乃至図4の実施例に示した巻取りユニットの構造は、同様に1例として示したものである。綾振り部材としては、基本的にすべての公知の綾振りシステム例えばフライヤ形トラバース又は可逆溝付きドラム形トラバースを使用することができる。従って、互いに上下に配置された巻取りユニットの綾振り部材を有利な形式で、1つの駆動装置だけが必要とされるように組み合わせることもできる。同様に圧着ローラの保持形式は1例として示されているだけである。従って、複数の圧着ローラを個別に、かつ互いに独立して、定置に又は可動に保持してもよい。従って、本発明は、特に鏡面対称的な配置で互いに保持されている巻取りユニットの類似の構造も含む。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1実施例による装置の概略図である。
【図2】図1に示した実施例の巻取りユニットのグループの概略的な側面図である。
【図3】本発明による装置の別の実施例の概略図である。
【図4】本発明による装置の別の実施例の巻取りユニットのグループの概略的な平面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 紡糸装置
2 巻取りユニットのグループ
2.1,2.2,2.3,2.4 巻取りユニット
3 糸
4 ボビン
5.1,5.2,5.3,5.4 ボビンリボルバ
6.1,6.2,6.3,6.4 巻取りスピンドル
7.1,7.2,7.3,7.4 巻取りスピンドル
8.1,8.2 糸ガイド手段
9.1,9.2 綾振り部材
10.1,10.2 圧着ローラ
11.1,11.2 旋回アーム
12.1 旋回軸
13 巻取りフレーム
14 回転駆動装置
15.1,15.2,15.3,15.4 スピンドル駆動装置
16 制御装置
17.1,17.2 力センサ
18.1,18.2 力アクチュエータ
19 水平方向の鏡面対称平面
20 垂直方向の鏡面対称平面
21 糸セパレータ
22.1,22.2 糸群
23 電子構造ユニット
24 操作パネル
25.1,25.2 監視装置
26 仕切り壁
27 駆動ユニット
28 引き出し装置
29 引き出しゴデット
30 延伸ゴデット
31 ゴデットボックス
32 落下シャフト(落下縦穴)
33 溶融物投入口
34 紡糸ブロック
35 紡糸ノズル
36 冷却シャフト(冷却縦穴)
37 前処理装置
38 調節装置
39 巻管
40 フィラメント束
41 仕切り壁
42 ボビン開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の糸を紡糸し、かつ巻取るための装置であって、紡糸装置(1)と、この紡糸装置(1)の下に配置された、複数の巻取りユニット(2)より成るグループとを有しており、各巻取りユニット(2.1,2.2)がそれぞれ複数の糸(3)を複数のボビン(4)に巻取るようになっていて、各巻取りユニット(2.1,2.2)が、片持ち式に突き出して支承された2つの巻取りスピンドル(6.1,6.2,7.1,7.2)を備えた可動なボビンリボルバ(5.1,5.2)を有しており、これらの巻取りスピンドル(6.1,6.2,7.1,7.2)が、対応配置された複数の糸(3)を巻取るための作業領域と、満管ボビン(4)を取り外すための交換領域とで交互に保持されるようになっており、少なくとも2つの巻取りユニット(2.1,2.2)が互いに鏡面対称的に配置されている形式のものにおいて、
2つの巻取りユニット(2.1,2.2)が互いに上下に配置されていて、それによって作業領域で保持された巻取りスピンドル(6.1,6.2)間の間隔(S)が、交換領域で保持された巻取りスピンドル(7.1,7.2)間の間隔(S)よりも小さいことを特徴とする、複数の合成糸を紡糸し、かつ巻取るための装置。
【請求項2】
糸ガイド手段(8.1)が巻取りユニット(2.1,2.2)の鏡面対称平面(19)内に配置されていて、この糸ガイド手段によって、紡糸装置(1)から供給された複数の糸(3)が変向されて巻取りユニット(2.1,2.2)内に導入されるようになっている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
糸ガイド手段(8.1)が、回転可能に支承された変向ローラによって形成されていて、この変向ローラが、巻取りユニットの巻取りスピンドル(6.1,6.2)に対して平行に延在している、請求項2記載の装置。
【請求項4】
糸道内において糸ガイド手段(8.1)の後ろに単数又は複数の綾振り部材(9.1,9.2)が配置されており、これらの綾振り部材によって複数の糸(3)が巻取りユニット(2.1,2.2)内で往復ガイドされて綾巻ボビン(4)に巻き取られるようになっている、請求項2又は3記載の装置。
【請求項5】
糸道内において、作業領域で保持された巻取りスピンドル(6.1,6.2)の前にそれぞれ1つの圧着ローラ(10.1,10.2)が配置されており、これらの圧着ローラ(10.1,10.2)がそれぞれ回転可能に旋回アーム(11.1,11.2)に保持されており、2つの旋回アーム(11.1,11.2)が共通の旋回軸(12.1)を介して巻取りフレーム(13)に結合されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
各圧着ローラ(10.1,10.2)にそれぞれ1つの力アクチュエータ(18.1,18.2)及びそれぞれ1つの力センサ(17.1,17.2)が対応配置されており、この力センサ(17.1,17.2)とボビンリボルバ(5.1,5.2)の回転駆動装置(14)とが制御装置(16)を介して1つの調整回路に接続されている、請求項5記載の装置。
【請求項7】
2つの巻取りユニット(2.1,2.2)のボビンリボルバ(5.1,5.2)共通の回転駆動装置(14)によって駆動可能である、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
2つの巻取りユニット(2.1,2.2)に対して間隔を保って、互いに上下に配置された別の2つの巻取りユニット(2.3,2.4)が設けられており、互いに上下に配置された巻取りユニット(2.1,2.2;2.3,2.4)と互いに並んで配置された巻取りユニット(2.1,2.3;2.2,2.4)がそれぞれ互いに鏡面対称的に形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
別の巻取りユニットに対応配置された第2の糸ガイド手段(8.2)が設けられており、これら2つの糸ガイド手段(8.2)の前に、糸道内で糸セパレータ(21)が配置されていて、この糸セパレータ(21)によって、供給された複数の糸(3)が2つの糸群(22.1,22.2)に分割可能である、請求項8記載の装置。
【請求項10】
互いに並んで配置された下側の2つの巻取りユニット(2.1,2.3)間の間隔内に、これらの巻取りユニット(2.1,2.2,2.3,2.4)の電子制御装置及び電子駆動装置を備えた電子構造ユニット(23)が配置されている、請求項8又は9記載の装置。
【請求項11】
前記電子駆動ユニット(23)が走行可能に構成されている、請求項10記載の装置。
【請求項12】
互いに並んで配置された上側の2つの巻取りユニット(2.2,2.4)間の間隔内に、糸道を監視するための監視装置(25.1,25.2)が配置されている、請求項8から11までのいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
巻取りユニット(2.1,2.2,2.3,2.4)が複数の閉じた仕切り壁(26)を備えた巻取りフレーム(13)内で保持されており、これらの仕切り壁(26)によって巻取りユニット(2.1,2.2,2.3,2.4)が互いに仕切られて、カプセル状に包囲されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
複数の巻取りユニットのグループに、別の複数の巻取りユニットのグループが対応配置されており、これら2つのグループの巻取りユニット(2.1,2.2)がそれぞれその駆動側で向き合って1つの共通の長手方向軸線に沿って配置されていて、これら2つのグループの巻取りユニット間に、巻取りユニット(2.1,2.2)に対応配置された複数の駆動装置を備えた駆動ユニット(27)が配置されている、請求項1から13までのいずれか1項記載の装置。
【請求項15】
複数の糸を紡糸し、かつ巻取るための装置であって、紡糸装置(1)と、この紡糸装置(1)の下に配置された複数の巻取りユニット(2)のグループとを有しており、各巻取りユニット(2.1,2.2)がそれぞれ複数の糸(3)を複数のボビン(4)に巻取り、各巻取りユニット(2.1,2.2)が、片持ち式に突き出して支承された2つの巻取りスピンドル(6.1,6.2,7.1,7.2)を備えた可動なボビンリボルバ(5.1,5.2)を有しており、これらの巻取りスピンドル(6.1,6.2,7.1,7.2)が、対応配置された複数の糸(3)を巻取るための作業領域と、満管ボビン(4)を取り外すための交換領域とで交互に保持されるようになっており、少なくとも2つの巻取りユニット(2.1,2.2)が互いに鏡面対称的に配置されている形式のものにおいて、
2つの巻取りユニット(2.1,2.2)が1つの共通の縦軸線内に配置されており、互いに向き合う巻取りユニット(2.1,2.2)間に、2つの巻取りユニット(2.1,2.2)に対応配置された複数の駆動装置を備えた駆動ユニット(27)が設けられていることを特徴とする、複数の合成糸を紡糸し、かつ巻取るための装置。
【請求項16】
駆動ユニット(27)が、互いに向き合う巻取りユニットの2つのボビンリボルバ(5.1,5.2)を同期的に駆動するための少なくとも1つの回転駆動装置(14)と、ボビンリボルバに対応配置された複数の巻取りスピンドル(6.1,6.2,7.1,7.2)を駆動するための複数のスピンドル駆動装置(15.1,15.2)とを有している、請求項14又は15記載の装置。
【請求項17】
1つの軸線上で互いに向き合う巻取りスピンドル(6.1,7.1)が、複数のスピンドル駆動装置(15.1,15.2)のうちの1つによって共通に駆動可能である、請求項16記載の装置。
【請求項18】
巻取りユニット(2)のグループの前に引き出し装置(28)が配置されており、該引き出し装置(28)が少なくとも1つの引き出しゴデット(29)と1つの延伸ゴデット(30)とを有していて、引き出しゴデット(29)が、糸掛け位置と作業位置との間で調節可能に構成されている、請求項1から17までのいずれか1項記載の装置。
【請求項19】
引き出し装置(28)がゴデットボックス(31)を有していて、該ゴデットボックス(31)が、入口側で紡糸装置(1)の落下シャフト(32)に接続されていて、出口側で巻取りフレーム(13)に接続されている、請求項18記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−500460(P2008−500460A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513763(P2007−513763)
【出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005479
【国際公開番号】WO2005/118921
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(503420235)ザウラー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (51)
【氏名又は名称原語表記】Saurer GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Landgrafen Str. 45, D−41069 Moenchengladbach, Germany
【Fターム(参考)】