説明

複数の接続ポイントを有する車両のフロントガラスのワイパーモータ、及び前記モータのマウンティング構造

本発明は、出力軸(12)を含み、パイプ(20)にマウンティング構造を取り付けるための取付デバイスを備えた車両のフロントガラスのワイパーモータ(10)に関し、前記取付デバイスは、取付ベース(14)及びプレートを含み、ベース(14)は、それらの間に平行ロッドを取り付けるための少なくとも5つの取付部材(14−1〜14−5)を備えており、第1グループを形成する3つの取付部材(14−1〜14−3)は、モータの出力軸(12)周囲に間隔を置いて配置されており、第2グループを形成する2つの取付部材(14−4、14−5)は第1グループの3つの取付部材の少なくとも一つから十分な距離を置いて配置され、前記パイプ(20)を保持できる空洞を形成しており、前記空洞はプレートで閉鎖可能であることを特徴とする。本発明はまた、本発明によるフロントガラスのワイパーモータ用マウンティング構造にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の接続ポイントを有する取付台が装備された車両のフロントガラスのワイパーモータと、前記モータの支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のフロントガラスのワイパー機構はモータで駆動されている。このモータには、フロントガラスのワイパー機構の剛構造として機能する、モータをパイプに固定するための取付台が設けられている。この取付台は様々な方法でパイプに固定することができる:取付台は、モータ出力軸周囲に120度離して配分された3つのネジ/ナットアセンブリを用いてパイプに固定されたマウンティングプレートを使用してパイプに固定する、あるいはパイプに直接固定するのいずれかの方法で固定される。現在これら2つの取り付け方法は、モータ取付台を特異的に構成する必要があり、したがってそれぞれの取り付け方法に対して異なるモータを製造することになり、これによりこれらのモータの製造コストが上がる。
【0003】
本発明は、複数の接続ポイントを有し、構造用パイプへの直接固定又はマウンティングプレートを使用した間接固定の選択が可能な取付台を備えたフロントガラスのワイパーモータを提案することにより、これらの不利点を軽減することを目標とする。
【発明の概要】
【0004】
この目的を達成するために、本発明の目的は、出力軸を含み、支持構造のパイプにモータを固定するためのデバイスを備えた車両のフロントガラスのワイパーモータであり、前記固定デバイスは固定取付台とマウンティングプレートを含み、取付台は、互いに平行な軸を有する少なくとも5つの締め具が設けられ、これらの締め具の内第1グループを形成する少なくとも3つはモータの出力軸周囲に配分されており、これらの締め具の内第2グループを形成する少なくとも2つは、第1グループの3つの締め具の内の少なくとも1つから十分距離を置いて配置されて、前記パイプを収容することができるハウジングを形成し、前記ハウジングはマウンティングプレートで閉めることができることを特徴とする。
【0005】
ハウジングは、第1グループの2つの締め具と、第2グループの2つの締め具の間に形成された空間で画定されるため、有利である。
【0006】
2つのグループの締め具は例えば、ハウジング内に挿入されたパイプを横切って互いに対向するように配置される。
【0007】
第1実施形態によれば、マウンティングプレートは支持構造のパイプと異なり、少なくとも一つのポイントにおいて支持構造に固定することができ、第2グループの少なくとも2つの締め具と第1グループの少なくとも1つの締め具を用いて取付台に固定され、これにより前記パイプを収容する前記ハウジングが閉鎖される。
【0008】
これにより、マウンティングプレートはパイプを収容するハウジングの各側面に位置する締め具を用いて取付台に固定される。
【0009】
パイプはしたがってハウジングから外れることがない。
【0010】
マウンティングプレートは、第2グループの少なくとも2つの締め具と、ハウジングに対してモータの出力軸の反対側に位置する第1グループの少なくとも1つの締め具を用いて取付台に固定されるため、有利である。
【0011】
パイプがハウジングに収納されている時は、マウンティングプレートはパイプとモータの出力軸を含む要素のグループの各側面に位置する締め具を用いて取付台に固定されるため、有利である。例えば、マウンティングプレートは、第2グループの2つの締め具及び第1グループの一つの締め具を使用して固定される。
【0012】
ハウジングを閉じるマウンティングプレートの一部が、パイプの形状を補完する形状を有するため、有利である。
【0013】
マウンティングプレートはしたがって、パイプに圧力を与えて、パイプをハウジング内で指標付けし押し込むことを可能にする。
【0014】
第2の実施形態によれば、支持構造のパイプに固定されたマウンティングプレートは、第1グループの少なくとも3つの締め具を用いて取付台に固定される。
【0015】
マウンティングプレートはクランクピンが付いている可能性のあるモータの出力軸が通り抜けることができる穴が設けられているため、有利である。
【0016】
マウンティングプレートはしたがって、モータの出力軸にすでにクランクピンが付いている時でも取付け可能である。
【0017】
締め具はそして、例えばこの穴の周りに配分される。例えば、穴の周囲に120度離して配分した3つの締め具を提供することができる。
【0018】
締め具は取付台に一体化した部品として成形されるため、有利である。
【0019】
これらの締め具は例えば、ネジをねじ込むことができる内部のねじ山を有する中空軸の形態を取ることができる。
【0020】
パイプ用前記ハウジングを区切るこれらの第1及び第2グループの締め具はテーパが付いており、パイプを前記ハウジングに指標付けしてくさび効果を通してその中に固定することが可能になるため、有利である。
【0021】
本発明はまた、本発明によるフロントガラスのワイパーモータ用支持構造に関し、前記構造は、モータマウンティングプレートとは異なるパイプを含み、パイプは、パイプを収容するように構成されたモータのハウジングの締め具を補完する形状のエンボス加工からなる。
【0022】
本発明をここで、添付の非限定的な図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は本発明によるフロントガラスのワイパーモータの斜視図である。
【図2】図2は本発明の第1実施形態による支持構造に固定されたモータの斜視図である。
【図3】図3a及び3bは図2で明らかである支持構造の一部を形成するパイプの斜視図である。
【図4】図4は本発明の第2実施形態による支持構造に固定されたモータの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は出力軸12を含み、支持構造のパイプ20にモータを固定するためのデバイスを備えた、車両のフロントガラスのワイパーモータ10を示す。
【0025】
固定デバイスは固定取付台14とマウンティングプレート16を含む(図2及び4)。
【0026】
図1に示す実施例では、取付台14は取付台にマウンティングプレート16を固定するための、平行軸を有する5つの締め具14−1〜14−5が設けられている。マウンティングプレートが固定されると、これらの軸はマウンティングプレートに対して垂直になる。これらの軸はモータの出力スピンドル12に対して平行であるため、有利である。
【0027】
この実施例では、締め具はねじ15をねじ込むことができるように、内部にねじ山が形成された中空軸である。
【0028】
3つの締め具14−1〜14−3は第1グループを形成する。これらの締め具14−1、14−2、14−3はモータの出力軸12の周囲に、例えば120度離れて配分されている。
【0029】
別の2つの締め具14−4と14−5は第2グループを形成する。これら2つの締め具14−4と14−5は、第1グループの3つの締め具のうち少なくとも1つから十分な距離を置いて配置され、これにより締め具は支持構造のパイプ20用ハウジングを形成する。
【0030】
図示した実施例では、ハウジングは第1グループの2つの締め具14−2、14−3と、第2グループの2つの締め具14−4と14−5の間に形成された空間によって規定される。
【0031】
図1は、パイプ20が一方に締め具14−2と14−5、他方に締め具14−3及び14−4があるその間に位置するときに、締め具14−2及び14−3が、パイプ20の軸に対して締め具14−5と14−4それぞれと対称であることを示す。
【0032】
この実施例では、締め具はモータがハウジングに挿入された時に、パイプ20がモータに対してほぼ平行になるように配置される。
【0033】
図2に示す第1実施形態によれば、マウンティングプレート16は、支持構造のパイプ20と異なり、支持構造の少なくとも1つのポイント18において固定することができ、第2グループの少なくとも2つの締め具と、第1グループの少なくとも1つの締め具を用いて取付台14に固定され、これによりパイプ20を受け入れるためのハウジングを閉鎖する。
【0034】
図2の実施例では、マウンティングプレート16は取付台の外側に向かって一番遠くに位置する第2グループの2つの締め具14−4及び14−5と、ハウジングに対してモータの出力軸12の反対側に位置する第1グループの1つの締め具14−1を用いて取付台に固定される。マウンティングプレート16の固定ポイントはしたがって、モータの出力軸12周囲に配分される。
【0035】
ハウジングを閉鎖するマウンティングプレート16のその部分は、パイプの形状を補完する形状を有し、この形状は例えば、エンボス加工により製造される。この補完形状により、パイプがハウジングに指標付けされ、その中に押し込まれることが可能になる。
【0036】
支持構造のパイプ20は、エンボス加工を施した形状20−1〜20−3を有し、この形状はパイプを受け入れるように構成されたハウジングの締め具を補完するものであるため有利であり、これらのエンボス加工は図3a及び3bに示されている。
【0037】
図4に示す第2実施形態では、マウンティングプレート16は支持構造のパイプ20に固定され、第1グループの3つの締め具14−1〜14−3を用いて取付台14に固定される。
【0038】
いずれの実施形態においても、マウンティングプレート16は、クランクピン13が付いている可能性があるモータの出力軸12が通り抜けることができる中央穴19を有する。
【0039】
締め具は取付台に一体化した部品として成形されるため、有利である。
【0040】
この実施例では、パイプ用の前記ハウジングを区切るこれら第1及び第2グループの締め具にテーパーが付いているため、パイプがハウジング内に指標付けされ、くさび効果によりその中に固定されることが可能になる。
【0041】
図面を参照して説明したこの実施例には、複数の締め具があるにも関わらず取付台をコンパクトに構成することを可能にする利点がある。
【0042】
これら複数の締め具により、支持構造のパイプに直接又は間接的に同一のモータを固定することが可能になる。
【0043】
当然ながら、例えば2つがパイプの片側に位置し、3つ目が最初の2つの間のパイプの別の側に位置する3つの締め具でパイプ用ハウジングが区切られた、他の実施形態の発想も可能である。3つよりも多い数の締め具が第1グループの一部を形成する実施形態の発想もまた可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフロントガラスのワイパーモータ(10)であって、
出力軸(12)を含み、支持構造のパイプ(20)に出力軸を固定するためのデバイスを備えており、前記固定デバイスは固定取付台(14)およびマウンティングプレート(16)を含み、取付台(14)には互いに平行な軸を有する少なくとも5つの締め具(14−1〜14−5)が設けられ、これらの締め具のうち第1グループを形成する少なくとも3つの締め具(14−1〜14−3)はモータの出力軸(12)周囲に配分されており、これらの締め具のうち第2グループを形成する少なくとも2つの締め具(14−4、14−5)は第1グループの3つの締め具のうちの少なくとも1つから十分な距離を置いて配置され、これにより前記パイプ(20)を収容できるハウジングを形成し、前記ハウジングはマウンティングプレート(16)で閉鎖することができることを特徴とする、モータ。
【請求項2】
ハウジングが、第1グループの2つの締め具(14−2、14−3)と、第2グループの2つの締め具(14−4、14−5)との間に形成された空間によって画定されることを特徴とする、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
マウンティングプレート(16)は、支持構造のパイプ(20)と異なり、支持構造に少なくとも1つのポイント(18)において固定可能であり、前記パイプを受け入れる前記ハウジングを閉じるように、第2グループの少なくとも2つの締め具(14−4、14−5)および第1グループの少なくとも1つの締め具(14−1)を用いて取付台(14)に固定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のモータ。
【請求項4】
マウンティングプレート(16)は、第2グループの少なくとも2つの締め具と、ハウジングに対してモータの出力軸の反対側に位置する第1グループの少なくとも1つの締め具とを用いて取付台に固定されることを特徴とする、請求項3に記載のモータ。
【請求項5】
ハウジングを閉じるマウンティングプレートの一部が、パイプの形状を補完する形状を有することを特徴とする、請求項3又は4に記載のモータ。
【請求項6】
支持構造のパイプに固定されたマウンティングプレート(16)は、第1グループの少なくとも3つの締め具(14−1〜14−3)を用いて取付台(14)に固定されることを特徴とする、請求項1に記載のモータ。
【請求項7】
マウンティングプレート(16)に、クランクピン(13)が付いている可能性のあるモータの出力軸(12)が通過することができる穴(19)が設けられていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項8】
締め具(14−1〜14−5)は、取付台の一体型部品として成形されることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項9】
パイプ(20)用の前記ハウジングを区切る第1及び第2グループの締め具(14−2〜14−5)にテーパーが付いているため、前記ハウジング内でパイプが指標づけされ、くさび効果によりその中に固定されることが可能になることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項10】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフロントガラスのワイパーモータ用支持構造であって、前記構造が、マウンティングプレートとは異なるパイプ(20)を含み、パイプは、パイプを収容するように構成されたモータのハウジングの締め具を補完する形状のエンボス加工(20−1〜20−3)を含む、支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−526563(P2011−526563A)
【公表日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515585(P2011−515585)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【国際出願番号】PCT/FR2009/051323
【国際公開番号】WO2010/001076
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(507308902)ルノー・エス・アー・エス (281)
【Fターム(参考)】