説明

複数の物質を基板(substrate)上に放出することによって生物学的分析基板を生産するためのインクジェットデバイス及び方法

本発明は、生物学的分析基板を生産するためのインクジェットデバイス(10)を提供する。そのデバイスは、複数の物質をその複数の物質を備えたプリントヘッド(105)から基板(102)上に放出する。そのデバイスは、そのプリントされた基板を加速運動(100)の対象とするための手段を更に有する。基板(102)の表面にほぼ垂直に作用するその加速運動は、その物質の基板(102)への浸透を制御するように作用する。本発明はまた、生物学的分析基板を生産する方法、及び、そのような方法によって得られる生物学的分析基板に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物質を基板上に沈着(deposit)させることによって生物学的分析基板を生産するためのインクジェットデバイスに関する。本発明は更に、そのような生物学的分析基板を生産する方法、及び、そのためのインクジェットデバイスの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、複数の物質を基板上に沈着させることによって生物学的分析基板を生産するためのインクジェットデバイス、そのような基板を生産するための方法、及び、そのためのインクジェットデバイスの使用を開示する。特に診断のためには、複数の好適に異なる物質が極めて正確で且つ精密な態様で配置された基板が必要とされる。これら複数の物質は、通常、多くの生化学的試験又は反応を基板上で実施するために、その基板上に配置される。
【0003】
基板上の生物学的に活性な材料のアレイ(配列)は、例えば、特定のバクテリア、ウイルス、及び/又は菌類が存在するかどうかの、人の血液又は細胞組織のサンプルの分析のためといった、生物学的試験分析で使用される。そのアレイは、特定のバクテリア、ウイルス、又は菌類に属するタンパク質、DNA、又はRNA配列のような所定の標示因子に対する選択的結合能力を有する捕捉プローブスポットを含む。異なる因子に対する異なる選択性(specificity)を有する捕捉プローブスポットを有することによって、そのアレイは、同時に様々な異なる因子を分析するために使用され得る。標示因子の存在は、例えば、そのテストされるサンプルに含まれる特定のバクテリア、ウイルス、又は菌類に属するタンパク質、DNA、又はRNA配列のような所定の標示因子の分子を蛍光標識し、その特定の因子が付着するそのスポットにおける検出可能な蛍光をもたらすことによって、視覚化され得る。そのようなアレイを使用することは、一回の動作で、大量の因子であり特定のバクテリア、ウイルス、及び/又は菌類を示す因子に対するサンプルのハイスループット・スクリーニングを可能にする。
【0004】
その捕捉プローブスポットは、膜のような基板の上にプリントされる。その捕捉プローブをプリント可能なものとするために、それらは、好適には、水又はアルコールのような溶媒に溶解させられる。生物学的に活性な適切な材料は、例えば、特定のDNA配列及び/又は抗体の溶液である。感染病の診断には、様々な捕捉プローブスポットを備えた基板を生産するプロセス全体、より具体的には、その捕捉プローブスポットのプリントプロセスに対して極めて高い信頼性が求められる。その分析基板の読み出しは、例えば、その特定の捕捉プローブの位置に直接的に関係する。従って、その捕捉プローブをその膜上に信頼性高く且つ正確に位置付けられることが重要である。更に、既知のプリントデバイスで現在可能となっているよりも多くの異なる生物活性材料(例えば、100個以上である。)のための、より多くの捕捉プローブスポット(例えば、1000個以上である。)をプリントできることは、非常に好適である。これは、スクリーニングのスループットを高めることとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、複数の物質を基板上に沈着させることによって生物学的分析基板を生産するためのインクジェットデバイス及び方法を提供することであり、そのデバイス及び方法は、信頼性が高く、且つ、より効率的な態様でその基板を生産できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的は、請求項1に記載するような、複数の物質を多孔質の基板上に沈着させることにより生物学的分析基板を生産するためのインクジェットデバイスによって実現され、そのような分析基板を生産するための方法によって実現され、また、本発明に従ったインクジェットデバイスの使用によって実現される。本発明に従ったインクジェットデバイスは、少なくとも一つのプリントヘッドと、プリントヘッド及び基板のそれぞれのための取り付け手段とを有し、そのデバイスは、その基板を加速運動の対象とするための手段を更に有する。プリントされるそれら物質は、そのインクジェットデバイスのプリントヘッド又はヘッド群から放出され、その基板の表面に至る。そのプリントされた物質は、その後、少なくとも部分的にはその基板内に浸透する。その基板構造が等方性である場合、浸透は、全ての方向に進行し、それによって、捕捉プローブスポットのサイズを拡大させる。そのプリントされた捕捉プローブスポットの横への拡大は、そのプリントされたスポットの面密度が高すぎる場合には、重複するスポットをもたらす結果となり得る。本発明に従ったインクジェットデバイスの使用により、それら物質は、加速運動にさらされる。意外にも、この技術的方策が、それら物質のその基板への浸透、ひいてはそのスポットサイズをも効果的に制御することが判明した。また、効果的な態様でスポットサイズを制御できることは、その基板上にプリントされる捕捉プローブスポットの面密度を増大させ得ることにもなる。本発明に従ったインクジェットデバイスは、生物活性の及びその他の物質の溶液を基板上に沈着させるのに特に有用である。溶液は、乾燥するとすぐに基板内に容易に浸透する傾向があるからである。
【0007】
本発明に従ったインクジェットデバイスは、有利的に、複数の物質を多孔質の基板上に制御された態様でプリントするのに用いられ得る。特に、その多孔質の基板上にプリントされた物質スポットの横及び深さの分布に加えて、そのサイズが制御され得る。プリント技術は、しばしば、生物学的分析膜のような多孔質基板の吸水力を利用する。それら捕捉分子の実際の位置決めは、とりわけその吸水力(その物質の粘度ばかりでなく、細孔サイズ、その膜の細孔サイズ分布、その物質の表面張力、及びその多孔質基板の湿気のある性質のような要因によってそれ自身が制御される。)、及び、その捕捉分子がプリントのために希釈されるところの溶媒の蒸発速度に依存する。本発明に従ったインクジェットデバイスは、その物質のその多孔質基板への拡散を制御するために、それがその溶媒を蒸発させるのにかかる時間を有利的に利用する。
【0008】
本発明に係るインクジェットデバイスの追加的な有利点は、それが物質(特に、タンパク質、DNA又はRNA配列のような蛍光標識された生物活性分子を持つ生物活性材料)の基板による摂取を多くの方法で制御できる点にある。実際には、例えば、その活動領域の横方向への拡大が効果的に制限され或いは阻止さえされるように、その基板内に深く浸透させられる複数の生物活性流体捕捉プローブスポットを基板に提供することが可能である。一方で、その基板又は膜の表面にできるだけ近いところで蛍光標識された分子を持つ捕捉プローブスポットを有する試験分析基板を生産することもまた可能である。これは、光のアウトカプリングを増大させ、その結果、診断の質を向上させる。
【0009】
本発明に従ったインクジェットデバイスは、印刷される捕捉プローブスポットの数に関して妥協することなく、一般的に使用される既知のインクジェットデバイスを用いることによって得られるものよりも小さな横寸法を有する基板を有利的に生産できるようにする。そのような膜は、好適には、そのサイズとそれらスポット間のピッチとが低減された複数の捕捉プローブスポットを有する。本発明に係るインクジェットデバイスの更なる有利点は、それが、特定の面密度を得るべく多くの捕捉プローブスポットを基板上に正確に位置付けるために、より少ない流体しか必要としない点にある。
【0010】
本発明に従ったインクジェットデバイスの好適な実施例によれば、その基板を加速運動にさらすための手段は、回転ドラムのための駆動手段と、その回転ドラムのための支持構造とを少なくとも備えた遠心機を有する。その駆動手段は、回転運動を行うその遠心機の回転ドラムを、その固定支持構造に対して調節された速度に設定することができる。複数の基板をその回転ドラムに取り付けることによって、前記基板は結果として求心加速度にさらされ、その大きさは、そのドラムの回転速度及びその回転軸からの距離に依存する。それら基板における前記求心加速度のおかげで、それら基板にプリントされた物質は、遠心力にさらされ、その結果、これらの力の方向に拡散させられる(或いは、より正確には対流させられる。)。このようにして、それら物質が実際に基板内に拡散する状態は、効果的に制御され得る。例えば、それら基板の位置をその回転軸に対して固定することによって、その求心加速度の方向、ひいては、遠心力の方向が変更され得る。
【0011】
本発明に従ったインクジェットデバイスは、好適には、膜のような基板の厚さ方向における、生物活性流体のような物質の浸透を高めるために使用され得る。そのような好適な実施例において、本発明に従ったインクジェットデバイスは、その回転ドラム上に備えられるそれら基板のための取り付け手段を有する。それら基板のための前記取り付け手段は、その遠心機のドラムの内壁に沿って複数の基板を取り付けることを可能にする。そのような場合、それらプリントされた物質にかかる遠心力は、その基板の表面にほぼ垂直に作用する。“ほぼ”垂直とは、90度から15%を超えて逸脱することがない任意の角度を意味する。遠心力を利用することによって、プリントされた物質における実質的にどのような所望の分布をもが、特別な基板設計及び/又は形態構造に頼る必要なく、その基板で得られることとなる。一例として、基板における物質の十分な浸透を得るために、その基板にかかる遠心力がその基板の深さ方向に、すなわち、その基板の背面に向かって作用するように、前記基板が取り付けられる。実際にはそのために、その基板は、その背面が回転の中心から見て外方を向くように、そのドラムに取り付けられる。その基板の前面に近いところにかなりの量の物質を持つプリントされた基板を生産するために、その基板は、その基板にかかる遠心力がその前面に向かう方向に作用するよう、取り付けられるべきである。実際にはそのために、その基板は、その前面が回転の中心から見て外方を向くように、そのドラムに取り付けられる。本願の文脈において、その基板の前面は、それら物質がプリントされる面として定義される。
【0012】
本発明に従ったインクジェットデバイスの好適な実施例において、そのプリントヘッドのための取り付け手段は、その回転ドラムにおける、ほとんどの場合固定である支持構造に備えられる。そのプリントヘッドのそのプリント可能な基板に対する正確な位置決めが望まれる。そのプリントヘッドを、その回転ドラムにおける、ほとんどの場合固定である支持構造に、例えば支持リングを通じて剛結合することによって、調整誤差が限定され、或いは、阻止され得る。しかしながら、その遠心機の回転ドラムにおける一体部品を形成する、プリントヘッドのための取り付け手段を備えることもまた可能である。
【0013】
本発明に従ったインクジェットデバイスの更に別の好適な実施例において、その回転ドラムのための支持構造は、その回転ドラム内で中央に配置される。それらプリントヘッドは、この実施例では、典型的には、その回転ドラムにおける中央に配置された支持構造上で円周方向に配置される。それらがそれらの物質を実質的に半径方向に処理(放出)できるようにするためである。この実施例は、特に、物質のスポットのその基板上への正確な配置をもたらす。更に、それらの前面を実質的にその中央に配置された支持構造の方に向けながら、そのドラムの円周方向にその基板を整列させる場合には、そのスポットの横方向における拡大が効果的に限定され或いは阻止さえされるように、その物質をその基板へ十分に浸透させながら、プリントされた基板が効率的に生産される。
【0014】
本発明に従ったインクジェットデバイスの別の好適な実施例において、それら基板のための取り付け手段は、それら基板をそれらに作用する遠心力に対して整列させることができる回転手段を有する。この好適な実施例に従ったデバイスによれば、基板を備えたその取り付け手段を約180度の角度にわたって方向転換させることによって、それら基板は、そのドラムの円周方向に、それらの背面を実質的にその中央に配置された支持構造の方に向けながら、容易に整列させられ得る。そのような場合、プリントされた基板は、その基板の表面にできるだけ近いところに物質を持たせながら、効率的に生産され、それは、診断の質を向上させる。また、実質的にどのような拡散異方性もが得られるように、0度と360度との間の任意の中間角度にわたってその取り付け手段を方向転換させることも可能である。
【0015】
本発明に従ったインクジェットデバイスの更に別の好適な実施例において、それらプリントヘッドのための支持構造は、その回転ドラムの回りに、同心円状に配置される。そして、それらプリントヘッドは、典型的には、内側を向く、すなわちそのドラムの回転角から見て外方を向く、その支持構造の円周方向に配置される。この実施例において、それら基板は、典型的には、その支持構造における同心円状に配置された内壁面を向くその回転ドラムの外面における円周方向に配置される。この場合もやはり、別の好適な実施例に対して既に上述されたように、それら基板をそのドラムの円周方向に、それらの前面を実質的にその支持構造の内壁面の方に向けながら、整列させる場合には、そのスポットの横方向における拡大が効果的に限定され或いは阻止さえされるように、その物質をその基板へ十分に浸透させながら、プリントされた基板が効率的に生産される。それら基板のための回転可能な取り付け手段を備えることによって、これらは、そのドラムの円周方向に、それらの背面を実質的にその支持構造における同心円状に配置された内壁に向けながら、容易に整列させられ得る。そのような場合、プリントされた基板は、その基板の表面にできるだけ近いところに物質を持たせながら、効率的に生産され、それは、診断の質を向上させる。
【0016】
そのプリントされた材料のそれら基板への拡散を更に制御するために、本発明に従ったインクジェットデバイスは、その物質のその基板への浸透プロファイル、より具体的には、それら基板の厚さにわたるそれら物質の浸透深さを評価するための検出手段を更に備える。その浸透プロファイルの監視は、当該技術分野において既知である何れの方法によって実行されてもよい。適切な方法には、光学的、超音波的、及び電気的な測定方法が含まれる。フィードバックループに測定装置を含めることが有利的であり、それは、その遠心ドラムの駆動手段をその測定された浸透プロファイルに応じて制御できるようにする。
【0017】
好適には、本発明に従ったインクジェットデバイスは、プリントヘッドの取り付け手段と基板の取り付け手段との相対位置をそれぞれ測定し且つ調節するための手段を更に有する。本発明に従ったインクジェットデバイスは、一つのノズルのみを持つプリントヘッドを備えていてもよいが、そのインクジェットデバイスは、好適には、複数の単一ノズルプリントヘッド及び/又は複数ノズルプリントヘッド及び/又は複数の複数ノズルプリントヘッドを有する。従って、一つの単一プリントヘッドから一度に複数の液滴を放出することが可能である。これは、プリントプロセスを速めることとなる。
【0018】
本発明によると、その基板は、平坦な基板、構造化された基板、又は多孔質の基板であることが好適である。より好適には、その基板は、ナイロン膜、ニトロセルロース、若しくはPVDF基板、又は、コーティングされた多孔質基板である。その基板が好適には多孔質であるので、それらのスポット又はそれらの液滴は、その表面に横たわるばかりでなく、その膜内に浸透する。先に広範囲にわたって述べたように、本発明に従ったインクジェットデバイスは、それらスポット又は液滴のその基板又は膜における浸透を効果的に制御することによって、所望の横寸法及び深さ寸法を有するスポットを生産することができる。
【0019】
本発明に係る更に別の実施例において、その基板は、複数の基板領域を有し、各基板領域は、好適には、膜ホルダによって保持される別々の膜である。従って、本発明に係るインクジェットデバイスを用いることによって、複数の別個の膜が同時に生産され得る。
【0020】
更に好適には、その基板は、複数の基板位置を有し、それら基板位置は、少なくとも、それら基板位置の一つに置かれる液滴の平均径だけ、相互に分離されている。従って、物質の異なる液滴をその基板上の正確な位置に正確に且つ独立して位置付けることが可能である。また、複数の液滴を一つの同じ基板位置に置くことも可能であり、且つ有利的である。
【0021】
生物学的に活性である分子を含む物質は、好適には、溶剤に溶かされている。この溶剤は、典型的には、水、又は、グリセロール、グリコール、若しくはDMSO(ジメチル・スルホキシド)といった様々なタイプのアルコールのような液体であり、また、例えば表面張力及び/又は粘度を調節するために小量の添加剤を含んでいてもよい。また、沸点が重要であり、沸点が高くなるほど蒸発はゆっくりとなる。これらの全ての要因は、好適には、プリント特性、スポット形成、生物活性流体の保存期間等を最適化するために考慮される。
【0022】
また、本発明は、生物学的分析基板を生産するための方法に関し、複数の物質がプリントヘッドからその基板上に放出され、その基板が加速運動の対象となる。本発明に従った方法の有利点は、そのインクジェットデバイスの文脈において詳細に説明されたので、ここでは繰り返されない。好適には、本発明に従った方法において、その基板は、その基板の面にほぼ垂直な方向における加速運動にさらされる。そのような方法は、その膜の厚さ方向におけるそのプリントされた物質の拡散を効果的に制御する。その基板の厚さにわたる拡散を制御することによって、そのプリントされた物質スポットの横寸法もまた制御され得る。これは、生物学的分析基板を正確に生産できるようにする。更に、そのようにして生産された生物学的分析基板は、これまでに知られているよりも大きな捕捉プローブスポットの面密度を呈し得る。
【0023】
本発明に従った方法において、その基板は、好適には、その基板を遠心機の回転ドラム上に位置付け、且つ、遠心力をその基板に与える高速度でそのドラムを回転させることによって、加速運動にさらされる。その回転ドラムの速度が低い或いはゼロのときにそのプリントヘッドからその基板上にそれら物質を放出することによってその方法を特徴付けることは有利点を有する。これは、プリント精度を向上させる。更なる好適な実施例によると、本発明に従った方法は、プリント面の反対にあるその基板の表面からそのプリント面にその求心力が作用するように、その基板が取り付けられる点で特徴付けられる。別の好適な実施例では、その基板のプリント面から、そのプリント面から見て外方を向く面にその求心力が作用するようにその基板が取り付けられる。その基板の厚さにわたるそれら物質の浸透深さは、好適には、加速運動の前、その最中、及び/又は、その後に測定される。
【0024】
また、本発明は、本発明に従った独創的なインクジェットデバイスの使用を含み、その物質は、生化学的反応物質、及び/又は核酸、及び/又はオリゴヌクレオチド、及び/又はポリペプチド、及び/又はタンパク質、及び/又は細胞、及び/又はRNA/PNA/LNA(の一部)を含む。このような目的のためにその独創的なインクジェットデバイスを用いることによって、それら沈着させられる物質の横寸法及び厚さ寸法を制御しながら、一定数の物質を基板上に極めて正確にプリントすることができる。
【0025】
また、本発明は、生物学的分析のための複数の物質を含む分析基板に関し、その基板は、本発明に係るインクジェットデバイス及び方法によって得られる。
【0026】
本発明のこれらの及び他の態様は、本発明の原理を一例として図解する添付図面を併用して、以下に記載される実施例(群)を参照しながら明確となり且つ解明される。その記載は、本発明の範囲を限定することはなく、例示のみを目的としている。以下で引用される参照番号は、添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るインクジェットデバイス及び方法によって得られる生物学的テストアレイの上面図を概略的に図解する。
【図2】本発明に従ったインクジェットデバイスの実施例の上面図を概略的に図解する。
【図3】図2で示されたインクジェットデバイスの実施例の側面図を概略的に図解する。
【図4】本発明に従ったインクジェットデバイスの別の実施例の側面図を概略的に図解する。
【図5】本発明に従ったインクジェットデバイスの更に別の実施例の上面図を概略的に図解する。
【図6】本発明に従ったインクジェットデバイスの更に別の実施例の上面図を概略的に図解する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明に係るインクジェットデバイス及び方法によって得られる生物学的テストアレイ(1)であり、直径約6mm(好適には6mm未満である。)の円形膜(102)上に沈着したスポット(2)を含む生物学的テストアレイ(1)を示す。図1に示されるテストアレイ(1)の実施例は、所定パターンでプリントされた43個の異なる生物活性流体を含む128個のスポット(2)のパターンで覆われている。スポット(2)は、番号が付けられており、各番号は、固有の遺伝子配列を表し、或いは、基準物質を包含する。その遺伝子配列がアレイ(1)における複数の複製で、相互に離れた複数の位置で、生じている点に留意すべきである。膜(102)は、支持構造(図示せず。)に取り付けられる。これは単なる例であるので、スポットの数は変動し得、また、通常は、遺伝子配列の数及び使用される複製の数に応じた、ずっと大きな数である。その支持構造(ホルダ)と共に膜(102)は、カートリッジ内に置かれる。そのカートリッジ内では、様々なバクテリアのDNAによる特徴がある様々な遺伝子配列を含む血液サンプルが、スポット(2)のアレイを含む膜(102)と接触する。異なるDNAタイプ(遺伝子配列)は、異なるプリント捕捉プローブスポットに付着する。図1で示される実施例では、様々なスポットが視覚化されている。番号1〜18は、9つの異なる病原体と9つのレジスタンスを表す。測定における信頼性のため、同じ生物学的選択的捕捉物質(bio-selective material)が膜(102)の四つの異なる象限(11、12、13、14)にプリントされる。それら象限(11、12、13、14)のそれぞれにおいて、同じ番号のスポットは、異なる隣接スポットを有し、隣接するスポット(2)からの露出過度のために比較的弱いスポット(2)が検出されなくなってしまうのを防止する。膜(102)全体の強度較正分布のためのその膜の隅における四つのスポットばかりでなく、強度較正スポット(R1〜R10)が、膜(102)にプリントされていてもよい。PCR制御スポット(P1、P2)もまた、PCRを用いて適切なDNA増幅の正当性を確認するためにプリントされていてもよい。本発明に従った生物学的テストアレイは、好適には、図1で示すように、総計で約130個のスポットを有し、より好適には400個を上回るスポットを有し、更に好適には800個を上回るスポットを有し、最も好適には1000個を上回るスポットを有する。それらスポットの典型的な直径は、200μmよりも小さく、より好適には150μmよりも小さく、更に好適には100μmよりも小さく、最も好適には50μmよりも小さく、また、それらは、好適には、400μm未満のピッチを持つパターンで配置され、より好適には、300μm未満であり、更に好適には200μm未満であり、そして最も好適には100μm未満である。また、典型的には、大量の異なる生物活性流体(好適には100以上である。)が膜(102)にプリントされている。
【0029】
図2では、本発明に従ったインクジェットデバイス(10)の概略上面図、また、より詳細には、少なくとも、回転ドラム(100)のための駆動手段(図示せず。)と、回転ドラム(100)のための支持構造(101)(図3参照。)とを備えた遠心機の回転ドラム(100)の概略上面図が示される。複数の基板又は膜(102)は、適切な取り付け手段(103)を通じて、ドラム(100)の内壁に取り付けられる。中央に配置される支持構造(101)には、複数のプリントヘッド(105)のための固定支持リング(104)が取り付けられる。図3及び図4で概略的に示されるように、その固定プリントヘッド支持リングは、遠心ドラム(100)とは分離して配置される。ドラム(100)のための駆動手段は、そのドラムをその回転中心軸(110)(図3参照。)の回りで回転させることができる。図2において、そのドラムの回転方向は、矢印(106)で示される。図3では、図2で示されるインクジェットデバイスの実施例の側面図が図解される。上で既に説明した構成要素は別として、インクジェットデバイス(10)は、ドラム(100)の支持構造(101)にボルトで取り付けられる取り外し可能な蓋(107)を有する。プリントヘッドホルダ(104)は、3セットのプリントヘッド(105)を備え、各セットが、基板又は膜(102)の対応するリングと向き合っている。ドラム(100)は、中央に配置されたシャフト(108)によって支持され、ローラーベアリング(109)によってガイドされ、駆動手段によって回転駆動される。堅い支持構造(101)は、基部構造(112)を通じて地面に取り付けられる多くの比較的弱いスプリング(111)によって懸架される。ドラム(100)のその比較的弱い懸架のおかげで、周囲に伝えられる力は、比較的弱い。更に、その遠心機のドラムを回転させるときにそれ自身の回転軸を探すので、それは、休止中に回転軸(110)から逸脱し得る。いくつかある要因の中で特に、ドラム(100)の内周に沿った質量の分布、及び、ドラム(100)とベアリング(109)とのアンバランスは、実際の位置決めに影響を及ぼす。図3で示される好適な実施例では、プリントヘッド支持リング(104)は、支持構造(101)の蓋(107)に剛結合される。これは、プリントヘッド(105)の膜(102)に対する位置決めが、実質的な不整合誤差を取り込むことなく実行され得ることを確かなものとする。
【0030】
複数の物質がプリントヘッド(105)から複数の基板(102)上に放出される、生物学的分析基板(1)を生産する方法の好適な実施例は、次のようなものである。第一ステップにおいて、膜(102)は、回転ドラム(100)上にしっかりと位置付けられ、蓋(107)を通じて遠心機支持構造(101)内に置かれる。蓋(107)が閉じられ、そして、プリントヘッド(105)が膜(102)に対して位置付けられる。第二ステップにおいて、膜支持ドラム(100)の固定プリントヘッドホルダ(104)に対する回転及び高さ方向における相対位置が決定され、且つ調節される。第三ステップにおいて、実質的に全てのプリント可能な膜(102)が、ドラム(100)が比較的ゆっくりと回転している間(通常は一秒間に数回転である。)にプリントされる。このステップは、ドラム(100)に取り付けられたプリント可能な膜(102)全体を、個別の流体を備えたプリントヘッド(105)の全てが通過することを確かなものとする。第四ステップにおいて、ドラム(100)は、高い回転速度(典型的には一秒間に数百回転である。)に加速される。この回転速度は、膜(102)に求心力を及ぼし、それは、その上にプリントされた物質を膜(102)内に、半径方向外側を向く方向であり、回転軸から見て外側を向く、すなわち膜(102)の背面に向かう方向に、浸透させる。所望の浸透深さが達成された場合に、ドラム(100)は、完全停止まで減速させられる。最後の第五ステップにおいて、蓋(107)が取り除かれ、膜(102)を伴う支持ドラム(100)が支持構造(101)から取り出され、そして最後に、プリントされていない基板(102)のセットを備えた別のドラム(100)で取り換えられる。
【0031】
本発明に従ったインクジェットデバイスの別の好適な実施例が図4で示される。この実施例において、プリントヘッド(105)は、スライド可能な取り付け手段(120)を通じてプリントヘッドホルダ(104)に取り付けられ、それは、プリントヘッド(105)をその遠心機の軸(110)に沿って上下に移動させることができるようにする。このようにして、より少ないプリントヘッド(105)を用いながらも、より多くの膜が、捕捉プローブスポットを備えるようになり得る。
【0032】
生物学的分析基板(1)を生産する方法は、基本的に上述と同様である。膜(102)のプリント時間が望ましくない程度に長くなる場合、プリントは、ドラム(100)の比較的高い回転速度でも実施され得る。本発明方法に係るこの実施例では、液滴が膜(102)上の正しい位置に着地することを確かなものとするために予防措置が取られる必要がある。それらの予防措置は、この分野においてそれら自体が周知であり、また、例えば、プリントヘッドと基板との間の隙間にある空気の力を考慮に入れることを含む。そのプリントヘッドからその基板に向かって移動するそれら液滴に対するその空気の力による影響を避けるために、その遠心機は、プリントの前に真空とされ得る。これはまた、蒸発プロセスを速め、より短いランタイムをもたらし得る。
【0033】
ドラム(100)上の基板(102)の正確な位置決めをより良いものとするために、インクジェットプリンタ(10)は、好適には、プリントに先立って全ての膜(102)の位置をチェックする位置合わせ用カメラ(図示せず。)を備える。実際に測定された位置は、その後、好適には、液滴をその膜上の正確な位置に沈着させるためのプリント用ソフトウェアによって用いられる。
【0034】
生物活性材料等のそれらプリントされる物質を膜(102)の表面の一つの近くに集中させるために、本発明に従った方法の好適な実施例は、以下のようにする。第一ステップにおいて、膜(102)は、回転ドラム(100)上にしっかりと位置付けられ、蓋(107)を通じて遠心機支持構造(101)内に置かれる。蓋(107)が閉じられ、そして、プリントヘッド(105)が膜(102)に対して位置付けられる。第二ステップにおいて、膜支持ドラム(100)の固定プリントヘッドホルダ(104)に対する回転及び高さ方向における相対位置が決定され、且つ調節される。第三ステップにおいて、実質的に全てのプリント可能な膜(102)が、ドラム(100)が比較的ゆっくりと回転している間(通常は一秒間に数回転である。)にプリントされる。第四ステップにおいて、ドラム(100)は、高い回転速度(典型的には一秒間に数百回転である。)に加速される。この回転速度は、膜(102)に求心力を及ぼし、それは、その上にプリントされた物質を膜(102)内に、半径方向外側を向く方向であり、回転軸から見て外側を向く、すなわち膜(102)の背面に向かう方向に、浸透させる。ドラム(100)の回転は、実質的に全ての物質材料が膜(102)を通過させられそれらの背面に集められるまで維持される。一般に、その物質材料は、表面張力のため、その膜によって保持される。そこの表面張力を増大させ、より良好にその物質材料を保持するためにその膜をその背面で処理することが必要となり得る。所望の物質プロファイルが実現された場合に、ドラム(100)が完全停止まで減速させられる。最後の第五ステップにおいて、蓋(107)が取り除かれ、膜(102)を伴う支持ドラム(100)が支持構造(101)から取り出される。
【0035】
別の可能性として、図5で示されるように、遠心機の軸(110)に平行な軸の回りで回転可能な取り付け構造(121)上に膜(102)を取り付けることがある。インクジェットデバイスのこの実施例は、膜(102)がプリントされた後に、例えば180度の角度にわたって、それらを回転させることができる。そのように回転させられた位置にある膜(102)と共にドラム(100)を回転させることによって、遠心作用は、その物質材料を膜(102)の前面(プリント面)に流れさせ、そこでそれは、表面張力によって所定位置に保持される。ここでも、その表面張力が増大するように、その膜の前面を処理することが好適となり得る。
【0036】
複数の物質がプリントヘッド(105)から複数の基板(102)上に放出される、生物学的分析基板(1)を生産する方法の好適な実施例は、次のようなものである。第一ステップにおいて、膜(102)は、回転ドラム(100)上にしっかりと位置付けられ、蓋(107)を通じて遠心機支持構造(101)内に置かれる。蓋(107)が閉じられ、そして、プリントヘッド(105)が膜(102)に対して位置付けられる。第二ステップにおいて、膜支持ドラム(100)の固定プリントヘッドホルダ(104)に対する回転及び高さ方向における相対位置が決定され、且つ調節される。第三ステップにおいて、実質的に全てのプリント可能な膜(102)が、ドラム(100)が比較的ゆっくりと回転している間(通常は一秒間に数回転である。)にプリントされる。このステップは、ドラム(100)に取り付けられたプリント可能な膜(102)全体を、個別の流体を備えたプリントヘッド(105)の全てが通過することを確かなものとする。第四ステップにおいて、膜(102)は、それらの軸(122)、すなわちその遠心機の回転軸(110)に平行な軸の回りを約180度にわたって回転させられる。第五ステップにおいて、ドラム(100)は、高い回転速度(典型的には一秒間に数百回転である。)に加速される。この回転速度は、膜(102)に求心力を及ぼし、それは、その上にプリントされた物質を膜(102)内に、半径方向外側を向く方向であり、回転軸から見て外側を向く、すなわち膜(102)の前面に向かう方向に、浸透させる。その前面での物質の所望の回収が達成された場合、ドラム(100)が完全停止まで減速させられる。最後の第六ステップにおいて、蓋(107)が取り除かれ、膜(102)を伴う支持ドラム(100)が支持構造(101)から取り出され、そして最後に、プリントされていない基板(102)のセットを備えた別のドラム(100)で取り換えられる。
【0037】
最後に、インクジェットデバイス(10)の更に別の実施例が図6で示される。この実施例では、プリントヘッド(105)が外側の円筒形状で且つ固定の支持構造(104)上に取り付けられ、一方で、基板又は膜(102)が取り付け手段(103)を通じて回転ドラム(100)の外膜に取り付けられる。回転ドラム(100)は、この実施例では、プリントヘッド支持構造(104)内に置かれる。膜(102)が上述のようにプリントされた後、ドラム(100)は、そのプリントされた物質材料を膜(102)の前面すなわちプリントヘッド(105)を向く面のところで回収させる回転動作に設定される。
【0038】
本発明が、特定の実施例に関して、また、特定の図面及び先行する記載を参照して、図解され且つ説明されたが、それらの図解及び説明は、例示的又は典型的なものであるとされ、限定的なものではない。本発明は、説明された実施例に限定されない。それよりもむしろ、本発明に従ったインクジェットプリンタは、液滴の膜への正確な配置の何れにも利用され得る。それは特に、分子診断学のためのバイオセンサの生産に適している。診断は、現場試験(on-site testing)及び集中実験室における診断のための、血液、尿、精液、又は唾液等の複雑な生物学的混合物におけるタンパク質及び核酸の迅速で且つ高感度の検出を含む。他の適用例には、医療(心臓病学、感染病、及び腫瘍学のためのDNA/タンパク質診断)、食料、及び環境診断がある。
【0039】
図面において、要素のいくつかのサイズは、説明目的のために、誇張され、また、縮尺通りに描かれていない。単数名詞を参照する場合に例えば“a”、“an”、“the”の不定冠詞又は定冠詞が用いられるところでは、他の何かが明確に記載されない限り、その名詞の複数を含むものとする。
【0040】
更に、明細書及び特許請求の範囲における第一、第二、第三、及び第四等の用語は、同様の要素間を区別するために用いられ、必ずしも起こった順番や時間的な順番を表すものではない。当然のことながら、そのように用いられる用語は、適切な状況の下で互いに交換可能であり、本書で説明される発明の実施例は、本書に記載され或いは図解されたもの以外の他の順番で動作することもできる。
【0041】
更に、明細書及び特許請求の範囲における“上”、“底”等の用語は、説明目的で用いられており、必ずしも相対位置を表すものではない。当然のことながら、そのように用いられる用語は、適切な状況の下で互いに交換可能であり、本書で説明される発明の実施例は、本書に記載され或いは図解されたもの以外の他の配置で動作することもできる。
【0042】
明細書及び特許請求の範囲で用いられる用語“有する”は、その後に列挙される手段に限定されるものと解釈されてはならず、それは、他の要素又はステップを除外するものではない点に留意すべきである。従って、“手段A及びBを有するデバイス”という表現の範囲は、構成要素A及びBのみからなるデバイスに限定されてはならない。それは、本発明に関しては、単に、そのデバイスにおける関連のある構成要素がA及びBであることを意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物質を生物学的分析基板上に放出することによって該基板を生産するためのインクジェットデバイスであり、
少なくとも一つのプリントヘッド、及び
プリントヘッド及び基板のそれぞれのための取り付け手段を有し、
前記基板を加速運動の対象とするための手段、
を更に有するデバイス。
【請求項2】
前記基板を加速運動の対象とするための前記手段は、回転ドラムのための駆動手段と、該回転ドラムのための支持構造とを少なくとも備えた遠心機を有する、
請求項1に従ったインクジェットデバイス。
【請求項3】
前記プリントヘッドのための前記取り付け手段は、前記回転ドラムの前記支持構造上に固定的に備えられる、
請求項1又は2に従ったインクジェットデバイス。
【請求項4】
前記基板のための前記取り付け手段は、前記回転ドラム上に備えられる、
請求項1乃至3の何れか一項に従ったインクジェットデバイス。
【請求項5】
前記プリントヘッドのための前記取り付け手段は、前記回転ドラム内で中央に配置される、
先行する請求項の何れか一項に従ったインクジェットデバイス。
【請求項6】
前記プリントヘッドのための前記取り付け手段は、前記回転ドラムの回りに同心円状に配置される、
先行する請求項の何れか一項に従ったインクジェットデバイス。
【請求項7】
前記基板のための前記取り付け手段は、それらに作用する求心力に関して前記基板を整列させられる回転手段を有する、
先行する請求項の何れか一項に従ったインクジェットデバイス。
【請求項8】
前記基板の厚さにわたる前記物質の浸透深さを評価するための検出手段を更に有する、
先行する請求項の何れか一項に従ったインクジェットデバイス。
【請求項9】
前記プリントヘッドのための前記取り付け手段と前記基板のための前記取り付け手段との相対位置をそれぞれ測定し且つ調節するための手段を更に有する、
先行する請求項の何れか一項に従ったインクジェットデバイス。
【請求項10】
生物学的分析基板を生産するための方法であり、
複数の物質がプリントヘッドから前記基板上に放出され、且つ、
前記基板が加速運動にさらされる、
方法。
【請求項11】
前記基板は、該基板の面にほぼ垂直な方向における加速運動にさらされる、
請求項10に従った方法。
【請求項12】
遠心機の回転ドラム上に前記基板を位置付け、且つ、前記基板に求心力を与える高速度で該ドラムを回転させることによって、前記基板は、加速運動にさらされる、
請求項10又は11に従った方法。
【請求項13】
前記回転ドラムの速度が低いか或いはゼロであるときに、前記物質は、前記プリントヘッドから前記基板に放出される、
請求項12に従った方法。
【請求項14】
プリント面の反対にある前記前記基板の側から前記プリント面に求心力が作用するように、前記基板が取り付けられる、
請求項10乃至13の何れか一項に従った方法。
【請求項15】
前記基板のプリント面から前記プリント面の反対にある面に求心力が作用するように、前記基板が取り付けられる、
請求項10乃至13の何れか一項に従った方法。
【請求項16】
前記基板の厚さにわたる前記物質の浸透深さは、加速運動中に測定される、
請求項10乃至15の何れか一項に従った方法。
【請求項17】
前記物質は、生化学的反応物質、及び/又はオリゴヌクレオチド、及び/又はポリペプチド、及び/又はタンパク質、及び/又は細胞、及び/又はRNA/PNA/LNA(の一部)を含む、
請求項1に従ったインクジェットデバイスの使用。
【請求項18】
請求項10乃至17の何れか一項に従った方法によって得られる、生物学的分析のための複数の物質を含む分析基板。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2010−504516(P2010−504516A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528827(P2009−528827)
【出願日】平成19年9月17日(2007.9.17)
【国際出願番号】PCT/IB2007/053741
【国際公開番号】WO2008/035272
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】