説明

複数の画像形成装置が接続された印刷システム、および印刷システムを制御する方法

【課題】 複数の画像形成装置が接続された印刷システムで、同じ面に印刷されるべきデータを同じ面に印刷するよう画像形成順を変更する。
【解決手段】 入力された印刷ジョブに含まれる第1の画像データを画像形成する第1の画像形成装置の排紙部と該印刷ジョブに含まれる第2の画像データを画像形成する第2の画像形成装置の給紙部が接続され、第1の画像形成装置で画像形成された用紙を第2の画像形成装置に供給するよう構成された印刷システムは、印刷ジョブを入力し、前記第1の画像形成装置の排紙部から出力された用紙に印刷された第1の画像データと前記用紙の同じ面に印刷されるべき第2の画像データが、該用紙の第1の画像データが印刷された面と同じ面に印刷されるよう前記第1の画像形成装置で画像形成される第1の画像データ又は前記第2の画像形成装置で画像形成される第2の画像データを印刷する順番を決定して入力された印刷ジョブを印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の画像形成装置が接続された印刷システムであり、印刷後に用紙を排紙する際の印字面の向きを考慮して画像形成の順序を制御することが可能な印刷システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタでは用紙を反転させるための反転パス構成や現像機が印刷用紙に対して配置される向き、さらに複数ページを含むジョブをどのページから画像形成するかにより、プリンタから排紙された時の印刷用紙印字面は、印字面が裏になるか、表になるか異なる。
以下、出力時に印字面が裏になることをフェイスダウン、印字面が表になることをフェイスアップという。
また、両面印刷が可能なプリンタであれば、反転排紙機能により印刷用紙をフェイスダウンにもフェイスアップにも出力できる。
同じ構造を有するプリンタを用いて両面印刷を行うと、印刷用紙をフェイスアップで出力する場合とフェイスダウンで出力する場合とでは、印刷用紙に対して表面を先に印刷するか裏面を先に印刷するか異なる。よって、プリンタを用いて両面印刷をする際、このように入力されたデータに対して画像形成される順番が異なることがある。
例えば、両面印刷時にフェイスアップで用紙を出力する場合、先に裏のページである2ページ目(偶数ページ)を印刷し、後で表ページである1ページ目(奇数ページ)を印刷する。一方、これと同様の構成を有するプリンタを用いてフェイスダウンで用紙を出力する場合、先に表ページである1ページ目を印刷する。
また、効率化のために1つの印刷ジョブを分割して複数台のプリンタで印刷を行ったとしても、フェイスアップで印刷用紙を出力するプリンタとフェイスダウンで印刷用紙を出力するプリンタが混在していると、印刷用紙の並び順がバラバラになってしまう。
例えば、全8ページで構成されるジョブの1〜4ページをフェイスダウンで出力を行うプリンタ、5〜8ページをフェイスアップで出力するプリンタで印刷する場合について説明する。
フェイスダウンで出力される1〜4ページは、プリンタの排紙部に、1ページ目と2ページ目が印刷された用紙が1ページ目を裏にして排出され、その上に3ページ目と4ページ目が印刷された用紙が3ページ目を裏にして排出される。
一方、フェイスアップで出力された5〜8ページは、プリンタの排紙部に、5ページ目と6ページ目が印刷された用紙が6ページ目を裏にして排出され、その上に7ページ目と8ページ目が印刷された用紙が8ページ目を裏にして排出される。
排出された用紙を合せると、一番下から1、2ページ目が印刷された用紙(1ページ目が裏)、3、4ページ目が印刷された用紙(3ページ目が裏)、5、6ページ目が印刷された用紙(6ページ目が裏)、7、8ページ目が印刷された用紙(8ページ目が裏)となる。
すると4ページ目の次が6ページ目となり、別のプリンタで出力された用紙が重なった個所であるページの順番が正確でなくなる。
このような時、特許文献1では、フェイスアップで出力するプリンタを用いる際には入力されたデータを最終ページから降順で画像形成して印刷を行う。そして、フェイスダウンで出力するプリンタを用いる際には入力されたデータを先頭ページから昇順で画像形成して印刷を行う。そして印刷された用紙を合わせるだけで、順番を並べ直さずに出力結果を得ることが可能になる。
また、複数台の複合機やプリンタなどの画像形成装置を、ケーブルを用いて接続したり、画像形成装置同士を直接接続するインターフェースを設けて接続し、別々の機能を持った画像形成装置で1度に1枚の印刷用紙に対して印刷を行う印刷システムが開発されている。例えば、有色トナーを用いて印刷を行う画像処理装置とクリアトナーを用いて印刷を行う画像処理装置を接続しクリアトナーを用いた出力物の作成を行う画像処理システムの構築が提案されている(例えば特許文献2参照)。すなわち、2つの画像形成装置のうち前段の第1の印刷装置で用紙にCMYKトナーを用いて第1のデータを転写定着し、CMYKトナーが印刷された用紙に第2の印刷装置でクリアトナーを用いて、第1のデータに対応した第2のデータを転写定着する。つまり、第1の印刷装置で排出された用紙が第2の印刷装置の給紙口に給紙され、2つの画像形成装置を使用して十分な量のトナーを使用し、高品質な印刷が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−35059
【特許文献2】特開2008−145595
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の印刷システムでは、前段の画像形成装置の排紙部と後段の画像形成装置の給紙部の間に、お互いを接続するための中間バッファが存在することがあるが、中間バッファの有無にかかわらず、用紙は前段の画像形成装置から排紙された向きで通過する。つまり、前段の装置からの出力物がそのまま後段の装置の入力物となる。また、この印刷システムを構成する複数台の画像形成装置が用紙を反転させず、排紙時の印字面の向きが同一であれば、片面印刷時には特に問題にはならない。
しかし、前段の画像形成装置と後段の画像形成装置の両者が両面印刷をすると、各画像形成装置が有する用紙の反転パスの構成によっては、同一用紙の同じ面に印刷されるべきデータが、同一用紙の同じ面に印刷されない。
具体的には、前段の装置で表面に1ページ目が印刷され、裏面に2ページ目が印刷された印刷用紙がフェイスダウンで出力される。つまり2ページ目が印刷された面が表になったまま出力されている。
そして、この印刷用紙が後段の装置へ給紙されると、まず前段装置にて2ページ目が印刷された面に対して印刷が行われ、その後前段装置にて1ページ目が印刷された面に対して印刷が行われる。
この場合、前段の装置にて印刷された1ページ目のデータに対応するデータが後段の装置では同じ面に印刷されず、2ページ目に印刷されてしまう。同様に前段の装置にて印刷された2ページ目のデータに対応するデータが後段の装置では1ページ目に印刷されてしまう。
また、この印刷システムが、印刷用紙をフェイスアップ出力する画像形成装置とフェイスダウン出力する画像形成装置を組み合わせたシステムであった場合は、片面印刷時であっても、前段装置で印刷された面と後段装置で印刷された面の対応が合わない場合がある。
よって、同じ印字面に印刷されるべき画像が同じ印字面に印刷されず、不具合が生じてしまう。
このように、この複数の装置を接続する印刷システムでは接続する画像形成装置の構造によって、接続された画像形成装置が用紙を排紙する際の用紙の印字面の向きを考慮しないと、上記のような不具合が生じてしまう
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明の印刷システムは、入力された印刷ジョブに含まれる第1の画像データを画像形成する第1の画像形成装置の排紙部と、前記入力された印刷ジョブに含まれる第2の画像データを画像形成する第2の画像形成装置の給紙部とが接続され、前記第1の画像形成装置で画像形成された用紙を前記第2の画像形成装置に供給するよう構成された印刷システムにおいて、前記第1の画像データと前記第2の画像データを含む印刷ジョブを入力する入力手段と、前記第1の画像形成装置の排紙部から出力された用紙に印刷された第1の画像データと前記用紙の同じ面に印刷されるべき第2の画像データが、該出力された用紙の第1の画像データが印刷された面と同じ面に印刷されるように、前記第1の画像形成装置で画像形成される第1の画像データまたは前記第2の画像形成装置で画像形成される第2の画像データを印刷する順番を決定する決定手段と、前記決定手段にて決定された順番で前記入力手段にて入力された印刷ジョブを印刷する印刷手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、複数の画像形成装置が接続された印刷システムを動作させる際には、接続された画像形成装置の特性により画像順と排紙時の印字面の向きが制御できる。よって、前段の画像形成装置と後段の画像形成装置で印字面の不整合が起こらないように印刷出力できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】2台の複合機で構成された印刷システムのブロック図である。
【図2】複合機のプリンタハードウェアの構成図である。
【図3】本印刷システムで両面印刷をそのまま実施した際の印字面のずれを表した図である。
【図4】本印刷システムで両面印刷実施する際に画像形成順を入れ替えて実施した際の印字面を表した図である。
【図5】本印刷システムで第一の複合機が第二の複合機から取得した情報を元に、画像順や排紙時の印字面の向きを入れ替えるフローチャートである。
【図6】本印刷システムで第一の複合機の表示装置の排紙時の印字面の向きの指定を示したものである。
【図7】本印刷システムのドライバのユーザインターフェースを示したものである。
【図8】別々のジョブを印刷する印刷システムで第一の複合機が第二の複合機から取得した情報を元に、画像順や排紙時の印字面の向き指定を入れ替えるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施例1]
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【0009】
図1は本実施例を示す印刷システムの構成図である。PC104とネットワークで接続された第1の画像形成装置である第一の複合機101と、接続用のネットワークで複合機101と接続された第2の画像形成装置である第二の複合機102からなる。複合機101と102は、コピー、プリンタ、FAXなどの複数の機能を1台で実現する装置で、表示装置1011、スキャナ1012、入力装置1013などを持つ。また、図1では2台の複合機が接続されているが、2台だけでなく複数台接続されていても構わない。また、カラー機とモノクロ機、A3機とA4機、複合機とプリンタなど、まったく同一の機械でなくてもよい。
【0010】
第一の複合機101の排紙部10172と第二の複合機102の給紙部10271は、中間バッファ103を介して接続されており、第一の複合機101から印刷して排紙された紙は、自動的に第二の複合機102に給紙される。PC104はネットワークを介して第一の複合機101のネットワークI/F1015と接続されている。PC104のアプリケーション1041はドライバ1042を使用して、複数の複合機が接続された印刷システムへ印刷データを送信する。この印刷データは、第一の複合機101で形成されるデータである第1の画像データと、第二の複合機102で形成されるデータである第2の画像データを有する。
【0011】
印刷データは第一の複合機101のネットワークI/F1015に送信され、第二の複合機102は第一の複合機101から必要なデータを取得する。第一の複合機101について詳細に説明する。複合機101は、ネットワークI/F1015から印刷データを取得すると、コントローラ1016に印刷データを渡す。コントローラ1016は、ソフトウェアとハードウェアの2つを使って印刷データの処理を行う。CPU10161がインタープリタ10162を使って、受信した印刷データを解釈し、PDLに相当する描画データは中間言語データ10163に変換し、PJLに相当する印刷設定は制御データ10166に変換する。中間言語データ10163は、制御データ10166の設定やハードウェア構成などからソフトウェア処理されるかハードウェア処理されるかが選択される。ソフトウェア処理であればソフトレンダラ10164が中間言語データ10163からラスター画像10165を生成し、ハードウェア処理であればレンダラ10167がラスター画像10168を生成する。ソフトウェアとハードウェアで生成されるラスター画像に大きな違いはないが、細かい再現性に差異があるため、より適した方を用いる。複合機によってはどちらかしか搭載されていないこともある。生成されたラスター画像は画像処理10169によって色処理やハーフトーン処理が行われ、制御データ10166とともにプリンタ1017に送信される。コントローラ1016と接続されたプリンタ1017は、トナーを用いて紙の上に画像データを形成するプリンタである。プリンタ1017は紙の給紙を行う給紙部10171と、画像データを形成した紙を排出する排紙部10172を持つ。プリンタ1017は入力された画像データを元に、トナーを用いて紙の上に印刷を行い、紙を出力する。表示装置1011はユーザへの情報表示や複合機101の状態を示すユーザインターフェースを表示する。スキャナ1022はオートドキュメントフィーダーを含み、束状のあるいは一枚の原稿画像を光源で照射し、原稿反射像をレンズでCCDセンサなどの固体撮像素子上に結像し、固体撮像素子からの画像読み取り信号を画像データとして得る。入力装置1013はユーザからの入力を受け付けるハードウェアキー、もしくはタッチパネルなどのインターフェースである。記憶装置1014はコントローラと連携して、一時的な情報を保存したり、ラスター画像10168や中間言語データ10163を保存する。コントローラ1016は、複数の複合機が接続された印刷システムであると判定し、入力された印刷データのうち第二の複合機102に送信すべき情報であれば、ネットワークI/F1015を経由して第二の複合機102に送信する。送信するデータは、印刷データそのものである場合や、中間言語データ10163や制御データ10166でもある。
【0012】
第二の複合機102は、ネットワークI/F1025を通じて接続された第一の複合機101からデータを取得する。図1に示された第二の複合機102の構成は、フィニッシャー1028が装着されていることを除けば、第一の複合機101と同等である。コントローラ1026はインタープリタ10262を使って受信した印刷データを解釈する。しかし、第一の複合機101からすでに変換された中間言語データ10163や制御データ10166を受け取っている場合は、コントローラは何もしないでそのまま受け取ったデータをスルーさせる。第一の複合機101からすでに変換された中間言語データ10163や制御データ10166を受け取るには、第二の複合機102が第一の複合機101と同じフォーマットを解釈できなければならない。まったく同一の複合機であるか、共通の仕様を持った複合機であれば可能である。作成された中間言語データ10263は、レンダラ10267によりラスター画像10268に生成される。そして、このラスター画像は、画像処理10269により画像処理が行われ、制御データ10266ととともにプリンタ1027に送信される。第二の複合機102はフィニッシャー1028が装着されており、制御データ10266によってステイプルなどのフィニッシング動作が必要な場合、プリンタ1027の排紙部10272から、フィニッシャー1028の給紙部10281に紙が送られる。フィニッシャー1028は送られてきた紙にフィニッシング動作を行い、排紙部10282から出力する。
【0013】
図2は、図1のプリンタ1017や1027のハードウェア機構の構成図の一例を表したものである。201は複合機本体であり、内部にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの計四色の1次画像を個別に形成するためのプロセスユニット204a、204b、204c、204dのそれぞれの感光ドラム205上に各色の画像が形成される。画像形成される原稿は、PC104からネットワークを介して送られてきたデータをコントローラ1016で画像データにしたものと、スキャナ1022を含む画像読み取り装置202で読み取られたものがある。画像データは各色のレーザースキャナ203から、感光ドラム205上へレーザーを発光し、画像データに従った光像を描く。各色のプロセスユニット204a〜dは、感光ドラム205a〜dの表面に均一な帯電を施すための帯電器207a〜dを持つ。さらに、帯電器207a〜dにより帯電された感光ドラム205a〜dの表面に、レーザースキャナ203a〜dが光像を描くことで作成された静電潜像をトナー像へと現像するための現像器206a〜dを持つ。
【0014】
また、プロセスユニット204a〜dは、感光ドラム205a〜dの表面に現像されたトナー像を中間転写ベルト210に転写するための一次転写ローラー208a〜dを有する。そして、プロセスユニット204a〜dは、トナー像を転写した後、感光ドラム205a〜dに残留したトナーを除去するためのクリーニングユニット209a〜dを持つ。
【0015】
中間転写ベルト210に一次転写されたトナー像は、二次転写ローラー211で用紙へと転写される。この構成では搬送されてきた用紙の下側(裏側)に画像を形成する。二次転写ローラー211で転写されずに残留したトナーは、転写ベルトクリーナ212によって回収される。このように、一次画像を形成するためのプロセスユニット204a〜dと、中間転写ベルト210および二次転写ローラー211によって画像形成が行われる。二次転写ローラー211の下流側には、中間転写ベルト210にシート材が付着した場合に分離させるための分離爪213が配置されている。給紙部215a、215bは、用紙搬送のもっとも上流に位置し、複合機本体の下部に用紙を収納する給紙カセット214a、214bが2段配置されている。給紙カセットから搬送された用紙は、縦搬送パス216を通って、レジストローラー217に運ばれる。ここで、用紙の斜行補正と、画像形成部で実施される画像書き込みと用紙搬送のタイミング合わせが行われる。
【0016】
二次転写ローラー211によって用紙上にトナー像が転写されると、トナー像を永久画像として定着するための定着器218と、用紙を定着器218まで吸着搬送するための定着前搬送部(回転体)219がある。定着器218は対の回転体219によって用紙を狭持して搬送しながら、発熱体からの熱と回転体219の狭持圧とによって、トナーを用紙に定着する。用紙は定着器218を通過後、排出ローラー220へ送られ排出トレイに排出される主搬送路と、両面に画像を形成するために用紙を反転させる反転パス221とに分かれている。主搬送路と反転パス221とは、両面画像形成の際は切り替え部材により切り替えられ、用紙の片面に画像定着後、反転パス221に搬送され、スイッチバックパス222に送られる。用紙の後端がスイッチバックパス222の分岐点223を通過した後、用紙は一旦停止して反対方向に搬送し、搬送路は切り替え部材により切り替えられ、用紙は両面搬送パス224に送られる。
【0017】
この時、印刷に用いられている用紙は、画像形成済みの面が下の状態になっており、再びレジストローラー(回転ローラー)217の画像形成部へ搬送される時は、画像形成されていない面が中間転写ベルト210側になる。このように用紙の反対面にも画像が転写され、定着器218により定着された後、主搬送路を通り、排出ローラー217より排紙トレイに排出される。また、手差しトレイから給紙ローラー225を通って給紙される用紙は、そのまま搬送されレジストローラー217に運ばれて画像形成が行われる。以上の構成によると、図2に示される複合機の排紙時の印字面の向き(表か裏か)はフェイスダウンであることがわかる。また、このような構成を有する画像形成装置で両面印刷をフェイスダウンで行う際には、最初に裏面のページ(偶数ページ)を画像形成して反転パス221を通したのち、表面のページ(奇数ページ)を画像形成する必要がある。例えば7ページのドキュメントであれば、画像形成は、2、1、4、3、6、5、7ページといった順で処理される。全体が奇数ページのドキュメントの場合、最後のページが片面印刷になるようにみえるが、排紙時の印字面の向きをそろえるために反転パスを通すので、片面しかなくても両面印刷を行っているのと同等の処理が施される。
【0018】
図3は、図2に示すような構成を有する複合機が接続された印刷システムで、第一の複合機101と第二の複合機102の両方で、排紙時の面について何の制御もなく両面印刷を行った際に、用紙の印字面と反転パスにおける状態を示したものである。1つの複合機に二次転写ローラーが2つ示されているが、物理的に2つあるわけではなく、両面印刷の2回の転写を表すために2つ示している。最初に第一の複合機101で偶数ページである2ページ目(A2)を、二次転写ローラーで転写し定着する(301)。図2で示した構成を有する複合機であるため、第一の複合機101は用紙の下側(裏側)に画像を形成する。次に反転パスを通り、用紙をひっくり返して、二次転写ローラーで奇数ページである1ページ目(A1)を転写し定着する(302)。そして排出ローラーを通って、両面印刷された用紙が中間バッファに排出される(303)。この状態では通常の複合機を使用した両面印刷と変わりがなく、1ページ目が下(裏)にあるフェイスダウンである。このまま、第二の複合機102の手差しトレイに搬送され、引き続き第二の複合機102で両面印刷が行われる。第二の複合機102は給紙された用紙の下側(裏側)に、偶数ページである2ページ目(B2)を転写し定着する(304)。次に反転パスを通り、用紙をひっくり返して、二次転写ローラーで奇数ページである1ページ目(B1)を転写し定着する(305)。排出ローラーを通って最終的に排出された用紙が306である。用紙の下側(裏側)は第一の複合機101で印刷された2ページ目(A2)と、第二の複合機で印刷された1ページ目(B1)が重なり、重なるページの不整合が生じる。このような印刷システムでは、通常の両面印刷処理を行うだけでは、第一の複合機101と第二の複合機102で印刷されるページが用紙の同一印字面に重なり合わずに印刷されてしまう。
【0019】
本実施例の印刷システムの画像順序決定および排紙時の印字面の向きを指定する動作について、図4と図5のフローチャートを使って説明する。なお、本フローの各ステップを実現するプログラムコードは、記憶装置1024に記憶され、CPU10261によって実行される。
【0020】
第一の複合機101は、印刷ジョブを受け取りインタープリタ10162で処理した後、複数台の複合機が接続されている印刷システムかを判定する(S501)。第一の複合機101は、本印刷システムが構成されていると判定すると、第二の複合機に対してインタープリタ10162で作成した中間言語データ10163と制御データ10166を第二の複合機に対して送信する(S502)。S501で、複数台の複合機が接続されている印刷システムでなければ、第一の複合機101は通常の印刷処理を行う(S519)。
【0021】
次に、第一の複合機101は、第二の複合機102から、第二の複合機に給紙された用紙に対して、まず表側に画像形成して定着するか、裏側に画像形成して定着するかを示す印字面について示す情報を取得する(S503)。
そして、第一の複合機101は第二の複合機102から、第二の複合機102が両面印刷時に先に印刷するページが偶数ページか奇数ページかについて示す情報を取得する(S504)。
【0022】
図2に示した構成を有するハードウェアの装置であれば、印字面は裏側であり、両面印刷の際、偶数ページが先に印刷されるページとなる。
【0023】
さらに、第一の複合機101は第二の複合機102から、第二の複合機102における搬送方向に対する形成される画像の天地の向きについての情報を取得する(S505)。天地とは画像の上下方向を指すものであり、搬送方向が長編方向の装置であれば、ユーザが装置に向かい合って立った時、奥が天であり、手前が地である。
第一の複合機101は、自装置自身の天地の向きと、第二の複合機102から取得した情報をもとに第二の複合機102の天地の向きが同一かどうかを判定し(S506)、両者の天地が異なっていれば第一の複合機で印刷される画像を180度回転する(S508)。
【0024】
第一の複合機101は、第二の複合機102から必要な情報をすべて取得したのちレンダラによって各ページに対応する画像データを生成し、画像処理を行う(S507)。
このように、レンダラによる画像データ生成前に接続された複合機と通信を行うことによって、ページごとに第二の複合機102と通信をしなくて済むのでパフォーマンスの低下が最小限となる。
【0025】
第一の複合機101は、制御データ10166による現在の自装置が排紙する際の印字面の向きの設定と、S503で取得した情報を用いて第二の複合機102の印字面を比較(第1の比較)する。そして、この排紙時の印字面の向きの設定と取得した印字面が同一かどうかを判定する(S509)。第一の複合機101の現在の排紙時の印字面の向きの設定は、図6の第一の複合機101の表示装置1011に表示される画面を用いて行うか、図7のドライバ1042のユーザインターフェースを用いて行われる。
【0026】
この際、第一の複合機101と第二の複合機102の両方に対して排紙時の印字面の向きの指定をすることはなく、システム全体に対して一度の指定を行うことにより、この印刷システムから取得する出力物に対する最終的な設定が行える。
【0027】
S509で第一の複合機101は、制御データ10166が示す現在の自装置にて設定された排紙時の印字面の向きと、S503で取得した情報を用いて第二の複合機102の印字面が同一と判定されると、さらにS510へ進む。
【0028】
そして、この印刷システムに入力された印刷ジョブが両面印刷設定であるか判定する(S510)。そこで、第一の複合機101は、入力された印刷ジョブが両面印刷設定であれば、第二の複合機102の両面印刷時に先に印刷するページが自装置の両面印刷時の先に印刷するページを比較する(第2の比較)。そして比較の結果、両装置で先に印刷するページが同一かどうかを判定する(S511)。第二の複合機が奇数ページか偶数ページ、どちらを先に印刷するかについて、すでにS504にて取得されているので、この情報を用いて判定すればよい。
【0029】
ここで、第一の複合機101と第二の複合機102とでは、偶数ページと奇数ページのうち先に印刷するページが同一であると判定されると、図3に示した状態になる。よって、印字面の不整合を解消するために先に印刷するページ、つまり奇数ページと偶数ページのページ順を入れ替えることで変更する(S512)。そしてこのようにページ順が決定された入力ジョブを印刷する(S513)。
【0030】
第一の複合機101で、奇数ページと偶数ページのページ順を入れ替えたのが図4である。すなわち、第一の複合機101は、1ページ目(A1)を最初に定着し(401)、2ページ目(A2)は反転パスを通した後に定着する(402)。図3に示した場合と異なり、第一の複合機101から排出された用紙403はフェイスアップで排紙される。
【0031】
しかし、フェイスアップで排紙されると、第二の複合機102で両面印刷、つまり偶数ページからの印刷が行われても(404、405)、第一の複合機101で印刷される画像と第二の複合機102で印刷される画像が同一の印字面に印刷される。よって、不整合が生じることなく、最終的な出力物が排出される(406)。
【0032】
図4に示すように、途中で用紙の排紙時の印字面の向きがフェイスアップであっても、システムから出力される出力物は最終的にはフェイスダウンで排紙される。よって、第一の複合機101によって印刷されたデータと第二の複合機102により印刷されたデータが同一用紙の同じ印字面に印刷される。
【0033】
他のケースについても、図5のフローチャートを追って説明する。第一の複合機101は、第二の複合機102の印字面が第一の複合機101に設定された排紙時の印字面の向きと同一であり、入力されたジョブが片面印刷設定である時は(S510でNOの場合)、そのまま印刷処理を行う(S513)。
【0034】
この場合、第二の複合機102の印字面が第一の複合機101に設定された排紙時の印字面の向きと同一であり片面印刷設定であれば、第一の複合機101により印刷されたデータと第二の複合機102により印刷されたデータが同一の印字面に印刷される。よって、不整合が生じることがないため、入力ジョブの画像順は入力された順に決定される。
【0035】
また、第一の複合機101は、第二の複合機102の印字面が第一の複合機101で設定された排紙時の印字面の向きと同一で、入力されたジョブが両面印刷設定であった場合、S510へ進む。そして、さらに、第一の複合機101と第二の複合機102で、奇数ページと偶数ページのうち先に印刷するページが異なる場合(S511でNOの場合)、そのまま印刷処理を行う(S513)。
【0036】
奇数ページと偶数ページのうち先に印刷するページが異なるということは、ページを入れ替えていることと同等だからである。よって、不整合が生じることがないため、入力ジョブの画像順は入力された順に決定される。
【0037】
また、第一の複合機101は、第二の複合機102の印字面が第一の複合機101で設定されている排紙時の印字面の向きと異なる場合(S509でNOの場合)、入力された印刷ジョブが両面印刷設定かを判定する(S514)。
【0038】
片面印刷設定であれば第一の複合機101に設定された排紙時の印字面の向きの設定を変更する(S515)。つまり、第一の複合機101から排紙される用紙の設定であるフェイスアップとフェイスダウンを切り替える。第一の複合機101に設定された排紙時の印字面の向きを変更すれば、第二の複合機102に入力される印字面が反転されるため、印字面の方向が揃うからである。
【0039】
また、第一の複合機101は、第二の複合機102の印字面が第一の複合機101に設定された排紙時の印字面の向きと異なり、入力されたジョブが両面印刷設定である場合、S514でYESと判断され、S516へ進む。そして、第二の複合機102で両面印刷時に先に印刷するページが自装置の両面印刷時の先に印刷するページと同一かどうかを比較する(第2の比較)。そして、この比較の結果、両装置にて先に印刷するページが同じか判定する。S516にてYESと判断されると、第一の複合機101は、すでに図4に示す状態になっているので、そのままの順で印刷処理を行う(S513)。
【0040】
一方、第二の複合機102と、先に印刷するページが異なっており、かつ両複合機の印字面も異なっている時、結果として図3に示した場合と同じである。よって、第一の複合機101は、奇数ページと偶数ページのページ順を入れ替える(S517)。そしてこのようにページ順が決定された入力ジョブを印刷する(S513)。
【0041】
第一の複合機101は、このように印刷された用紙を排紙部から排出し、第二の複合機102へ搬送する(S518)。第二の複合機102は第一の複合機101から搬送された用紙を給紙し、搬送された面に対してそのまま印刷する。
【0042】
以上のように本実施例を用いると、本印刷システムの場合、条件によって第一の複合機101で画像形成するページ順を入れ替えるか否か判定し、判定結果に応じて決定されたページ順で印刷する。
【0043】
これにより、複数の複合機で同時に両面印刷をする場合に、用紙に対してページの不整合を発生させずに印刷できる。つまり、同じページに印刷されるべきデータが第一の複合機101と第二の複合機102を用いて印刷される。また、片面印刷をする場合でも、条件によっては排紙時の印字面の向きの指定を変更するので、ページの不整合を発生させずに印刷できる。
【0044】
また、第二の複合機102で画像順を入れ替えた場合も、印字面の不整合は修正できる。しかし、この印刷システムから最終的に出力物を取得する際の排紙時の印字面の向きの指定が逆になってしまうことがあるので、第一の複合機101で画像順を入れ替えた方が効率的である。
【0045】
さらに、3台以上の複数の複合機からなる印刷システムの場合は、第一の複合機101と第二の複合機102の組み合わせた際に、本実施例の結果にあわせて処理をする画像順を入れ替えた結果を元に、第三の複合機との組み合わせとして再度本実施例を適用する。これにより、同様の効果を得ることができる。
【0046】
[実施例2]
実施例1では、一つの印刷ジョブが第一の複合機101を介して第二の複合機102に渡され、同じジョブを用いて印刷を行う印刷システムであった。これに対し、本実施例では、第一の複合機101と第二の複合機102が別々にPCから印刷ジョブを受け取り、これらのジョブを1枚の用紙に印刷する。
【0047】
この時、第一の複合機101で印刷を行うために必要なデータは第1の画像データであり、第二の複合機102で印刷を行うために必要なデータは第2の画像データである。
【0048】
以下、第一の複合機101が通常のCMYK等の有色記録剤であるカラートナーを用いたカラー印刷を行う複合機であり、第二の複合機102が透明記録剤であるクリアトナーを用いたクリア印刷を行う複合機である場合を例に挙げて説明する。
【0049】
ここで用いる透明記録剤の一種であるクリアトナーは、通常の印字面に印刷されることで、印刷した場所だけ光沢感を出すことができる。逆に光沢紙に対してクリアトナーで印刷を行うと、その場所だけマット感を出すことができる。クリアトナーを印字面に対して全面に一様に適用すると、普通紙であっても光沢紙のような表現を行うことができ、これを全面クリアと呼ぶ。逆に企業のロゴなどを透かしで印字面の一部に入れる場合は、部分クリアと呼ぶ。
【0050】
カラートナーを用いた印刷を行う複合機とクリアトナーを用いた印刷を行う複合機が接続された印刷システムであっても、装置の構成は図1と変わらない。ただし、PC104のアプリケーション1041が、クリアトナーを用いた印刷を行うための専用の印刷ジョブと、通常の印刷ジョブとを2回送信指示させることが異なる。
【0051】
クリアトナーを用いた印刷を行うための専用の印刷ジョブは、ドライバ1042がクリアトナーを用いたジョブであることを制御データに付加して、第一の複合機101に送信する。第一の複合機101は、受け取った印刷ジョブをインタープリタ10162で解釈する際に、クリアトナーであるかどうかの情報を検知すると、第二の複合機102に対して、クリアトナーを用いた印刷ができる複合機であるかどうかを問い合わせる。第一の複合機101は、複合機102がクリアトナーを用いた印刷ができる複合機であることがわかると、インタープリタ10162での解釈を中断し、受け取った印刷ジョブをネットワークI/F1015を通じて、第二の複合機102に送信する。第二の複合機102では、クリアトナーのジョブであれば画像処理10269で画像データを作成した後、記憶装置1024に一時的に保存しておき、第一の複合機101からクリアトナーを印刷するジョブが来るのを待つ。次にPC104のアプリケーション1041が通常の印刷ジョブを第一の複合機101に送信する。
【0052】
また、クリアトナーを用いた印刷を行う際には、図2で示したプリンタでは、クリアトナー用にプロセスユニットを有する。
【0053】
以下、本実施例の印刷システムの画像順序決定および排紙時の印字面の向きを指定する動作について、図8のフローチャートを使って説明する。なお、本フローの各ステップを実現するプログラムコードは、記憶装置1024に記憶され、CPU10261によって実行される。
【0054】
第一の複合機101は、印刷ジョブを受け取りインタープリタ10162で処理した後、複数台の複合機で構成されている印刷システムか判定する(S801)。S801で、複数台の印刷機で構成されている印刷システムでなければ、第一の複合機101は通常の印刷処理を行う(S823)。
【0055】
次に、第一の複合機101は、第二の複合機102から、第二の複合機102に給紙された用紙に対して表側に画像形成して定着するか、裏側に画像形成して定着するかを示す印字面について示す情報を取得する(S802)。
【0056】
そして、第一の複合機101は、第二の複合機102から両面印刷を行う際に先に印刷するページが偶数ページか奇数ページかを示す情報を取得する(S803)。
【0057】
図2の構成のハードウェアの装置であれば、印字面は裏であり、先に印刷されるページは偶数ページとなる。
【0058】
そして、第一の複合機101は、第二の複合機102から、第二の複合機102が印刷するジョブが両面印刷設定であるかについて示す情報を取得する(S804)。
さらに、第一の複合機101は、第二の複合機102から、第二の複合機102における搬送方向に対する形成される画像の天地の向きについて示す情報を取得する(S805)。地とは画像の上下方向を指すものであり、搬送方向が長編方向の装置であれば、ユーザが装置に向かい合って立った時、奥が天であり、手前が地である。
【0059】
第一の複合機101は、自装置自身の天地の向きと、第二の複合機102から取得した情報を用いて天地の向きが同一かどうかを判定し(S806)、両者の天地が異なっていれば、第一の複合機101にて印刷する画像を180度回転する(S808)。
第一の複合機101は、第二の複合機102から必要な情報をすべて取得したのちレンダラによってページごとの画像データを生成し、画像処理を行う(S807)。
第一の複合機101は、制御データ10166が示す現在の自装置に設置された排紙時の印字面の向きと、S802で取得した情報を用いて第二の複合機102の印字面を比較(第1の比較)し、同一かどうかを判定する(S809)。
【0060】
実施例1と同様、第一の複合機101の現在の排紙時の印字面の向きの設定は、図6の第一の複合機101の表示装置1011に表示される画像を用いて行うか、図7のドライバ1042のユーザインターフェースを用いて行われる。この際、第一の複合機101と第二の複合機102の両方に対して排紙時の印字面の向きの指定をすることはなく、システム全体に対して一度の指定を行うことにより、この印刷システムの最終的な設定が行える。
【0061】
第一の複合機101は、S802で取得した情報を用いて第二の複合機102の印字面の方向と、自装置に設定された排紙時の印字面の向きが同一と判定されると、さらにS810へ進む。
そして、第一の複合機101に入力された印刷ジョブもしくは第二の複合機102に入力された印刷ジョブが両面印刷設定かを判定する(S810)。
【0062】
そこで、第一の複合機101は、どちらか一方のジョブでも両面印刷設定であれば、第二の複合機102が両面印刷を行う際に先に印刷するページが奇数ページか偶数ページであるのか、自装置が両面印刷を行う際と同一かどうかを比較(第2の比較)する。そして、この比較の結果を用いて、両装置にて先に印刷するページが同一かどうか判定する(S811)。
【0063】
S811にて、第一の複合機101と第二の複合機102で先に印刷をするページが同一である場合は、さらに第一の複合機101の印刷ジョブが両面印刷設定か判定する(S812)。
【0064】
S812で、第一の複合機101に入力されたジョブが両面印刷設定であった場合(S812でYESの場合)、S813へ進む。そして、第一の複合機101は、ページの不整合を解消するために先に印刷するページ、つまり奇数ページと偶数ページのページ順を入れ替える(S813)。そしてこのようにページ順が決定された入力ジョブを印刷する(S815)。
【0065】
また、第一の複合機101は、第二の複合機の印字面が第一の複合機で設定された排紙時の印字面の向きと同一で、第一の複合機101と第二の複合機の両方のジョブが片面印刷設定である場合(S810でNOの場合)、そのまま印刷処理を行う(S815)。
【0066】
片面印刷設定であれば第一の複合機により印刷されたデータと第二の複合機により印刷されたデータが同一の印字面に印刷されるため、不整合が生じることがないからである。
【0067】
一方、S810でYESの場合、(第一の複合機101が自装置に設置された排紙時の印字面の向きとS802で取得した情報を用いて第二の複合機102の印字面が同一で、各装置で処理されるジョブが両面印刷設定)、S811へ進む。そして、S811にて、
各装置にて先に印刷するページ同じか判断する。先に印刷するページが異なる場合(S811でNOの場合)、S815へ進みそのまま印刷処理を行う。
【0068】
先に印刷するページが異なるということは、ページを入れ替えていることと同等だからである。
【0069】
また、第一の複合機101は、第二の複合機の印字面が第一の複合機で設定されている印字面の方向と同一で、かつ先に印刷するページが同じで、自装置が片面印刷設定で第二の複合機102が両面印刷設定であればS814へ進む。そして、そこで排紙時の印字面の向きの指定を変更し第一の複合機から排紙される用紙の設定であるフェイスアップとフェイスダウンを切り替える。そして、S815へ進み、この設定に基づき、第一の複合機に入力されたジョブを印刷する。片面印刷で出力された用紙の排紙時の印字面の向きを両面印刷の面の最初に印刷する面に合わせる必要があるからである。
【0070】
第一の複合機101は、S809での比較において、第二の複合機の印字面が第一の複合機で設定された排紙時の印字面の向きと異なると(NOの場合)、S816へ進む。そしてそこで、第一の複合機101は、第一の複合機101に入力された印刷ジョブもしくは第二の複合機102に入力された印刷ジョブが両面印刷設定か判定する(S816)。
【0071】
S816にて、第一の複合機101は、両方のジョブが片面印刷設定であれば設定された排紙時の印字面の向きを変更する(S817)。つまり、フェイスアップとフェイスダウンを切り替える。第一の複合機101に設定された排紙時の印字面の向きを変更すれば、第二の複合機に入力される印字面が反転されるため、印字面の方向が揃うからである。
【0072】
一方、第一の複合機101は、第二の複合機の印字面が第一の複合機に設定された排紙時の印字面の向きと印字面が異なるとS816へ進む。
【0073】
そして、どちらかの装置に入力されたジョブが両面印刷設定の場合(S816でYESの場合)は、第二の複合機102が、両面印刷時に先に印刷するページが自装置の両面印刷時の先に印刷するページと同一かどうかを判定する(S818)。
【0074】
第一の複合機101が先に印刷するページと、第二の複合機102が先に印刷するページが同一であれば、印字面が異なる。よって、第一の複合機101と第二の複合機102にて同一用紙の同一面に対して印刷が行われるので、そのまま順番は変更しないと決定されたページ順で印刷処理を行う(S815)。
【0075】
S818で第一の複合機101は、第二の複合機102と先に印刷するページが異なり、かつ第二の複合機の印字面が第一の複合機で設定されている印字面と異なると判断された場合は、S820へ進む。
【0076】
そして、S820で自装置に入力されたジョブが両面印刷設定か判定する(S820)。
【0077】
S820で、両方とも両面印刷設定であれば、第一の複合機101に入力されたジョブの奇数ページと偶数ページのページ順を入れ替える(S821)。そして、S821で入れ替えらえたページ順で入力されたジョブの印刷を行う(S815)。
【0078】
また、第一の複合機101は、第二の複合機102と先に印刷するページが異なり、かつ第二の複合機の印字面が第一の複合機で設定されている印字面と異なる場合(S818でNOと判定された場合)S820へ進む。
【0079】
そしてここで、自装置に入力されたジョブが片面印刷設定で、第二の複合機102に入力されたジョブが両面印刷設定である場合、第一の複合機101で排紙時の印字面の向きの指定を変更して(S819)、印刷を行う(S815)。
【0080】
第一の複合機101は、このように印刷された用紙を排紙部から排出し、第二の複合機102へ搬送する(S822)。第二の複合機102は第一の複合機101から搬送された用紙を給紙し、搬送された面に対してそのまま印刷する。
【0081】
このように、複数の複合機が接続された印刷システムで、第一の複合機101と第二の複合機102に入力された印刷ジョブが異なる場合であっても、各ジョブが両面印刷か判定を行うだけで、ページの不整合を発生させずに印刷できる。
【0082】
また、第二の複合機102で処理する印刷ジョブが全面クリアであった場合は、両面で同じ画像であるので、ページ順を入れ替える作業(S813とS821)が必要なくなる。よって、全面クリアであると判定された場合、ページ順の入れ替えを行わずに処理を進めることができるのでパフォーマンスを改善できる。
【0083】
(その他の実施例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された印刷ジョブに含まれる第1の画像データを画像形成する第1の画像形成装置の排紙部と、前記入力された印刷ジョブに含まれる第2の画像データを画像形成する第2の画像形成装置の給紙部とが接続され、前記第1の画像形成装置で画像形成された用紙を前記第2の画像形成装置に供給するよう構成された印刷システムにおいて、
前記第1の画像データと前記第2の画像データを含む印刷ジョブを入力する入力手段と、
前記第1の画像形成装置の排紙部から出力された用紙に印刷された第1の画像データと前記用紙の同じ面に印刷されるべき第2の画像データが、該出力された用紙の第1の画像データが印刷された面と同じ面に印刷されるように、前記第1の画像形成装置で画像形成される第1の画像データまたは前記第2の画像形成装置で画像形成される第2の画像データを印刷する順番を決定する決定手段と、
前記決定手段にて決定された順番で前記入力手段にて入力された印刷ジョブを印刷する印刷手段とを有することを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記第2の画像形成装置から用紙を排紙する際の印字面の向きを指定する指定手段と、
前記決定手段は、前記指定手段により指定された印字面で用紙を出力できるように、印刷する順番を決定することを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
印刷された用紙を排紙する際の印字面の向きがいずれであるか判断する判断手段と、
接続されている別の画像形成装置から、該別の画像形成装置が給紙部から給紙した用紙の裏面、表面のいずれが印字面とされているかについて示す情報を取得する取得手段と、
前記判断手段にて判断された印字面と、前記取得手段にて取得された接続されている別の画像形成装置の印字面とを比較する第1の比較手段と、
前記接続されている別の画像形成装置が、両面印刷設定されたジョブを入力した際、先に印刷するページが奇数ページか偶数ページかを検知し、該検知された結果が、当該画像形成装置が先に印刷するページと同じであるか比較する第2の比較手段と、
を有し、
入力された印刷ジョブが両面印刷設定であると、
前記第1の比較手段にて比較した結果、前記印刷された用紙を排紙する際の印字面の向きと前記印字面が同一であり、かつ前記第2の比較手段で比較した結果、先に印刷するページが同じである場合、
または
前記第1の比較手段にて比較した結果、前記印刷された用紙を排紙する際の印字面の向きと前記印字面が同一でなく、かつ前記第2の比較手段で比較した結果、先に印刷するページが異なる場合、
前記入力された印刷ジョブを構成するページ順のうち、奇数ページと偶数ページを入れ替えて画像形成する順番を入れ替える入れ替え手段と、
前記入れ替え手段により入れ替えられた順番で形成された画像の印刷を行う印刷手段と、
前記印刷手段で印刷された用紙を前記接続された別の画像形成装置の前記給紙部へ搬送する搬送手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記入力された印刷が片面印刷設定であると、
前記第1の比較手段にて比較した結果、前記印刷された用紙を排紙する際の印字面の向きと前記印字面が同一でなく、かつ前記第2の比較手段で比較した結果、先に印刷するページが異なる場合、
前記判断手段で判断した印刷された用紙を排紙する際の印字面の向きの設定を変更する変更手段を有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記接続された別の画像形成装置に、前記入力された印刷ジョブとは別の印刷ジョブが入力されると、
当該画像形成装置に入力された印刷ジョブと前記接続された別の画像形成装置に入力された印刷ジョブがどちらか一方でも両面印刷か判定する判定手段を有し、
前記第1の比較手段にて比較した結果、前記印刷された用紙を排紙する際の印字面の向きと前記印字面が同一であり、かつ前記第2の比較手段で比較した結果、先に印刷するページが同じであり、さらに前記判定手段で当該画像形成装置に入力された印刷ジョブが両面印刷設定であると判定された場合、
または
前記第1の比較手段にて比較した結果、前記印刷された用紙を排紙する際の印字面の向きと前記印字面が同一でなく、かつ前記第2の比較手段で比較した結果、先に印刷するページが異なり、さらに、前記判定手段で当該画像形成装置に入力された印刷ジョブが両面印刷設定であると判定された場合、
前記入れ替え手段により画像形成するページの順番を入れ替えることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記接続された別の画像形成装置が用紙を搬送方向に対し、該接続された別の画像形成装置で形成される画像の天地の向きを取得し、該天地の向きが当該画像形成装置での天地の向きと同じか判定し、該判定の結果、天地の向きが異なっていると判定されると、形成する画像を180度回転させることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記接続された別の画像形成装置は、透明記録剤を用いて印刷を行うことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項8】
入力された印刷ジョブに含まれる第1の画像データを画像形成する第1の画像形成装置の排紙部と、前記入力された印刷ジョブに含まれる第2の画像データを画像形成する第2の画像形成装置の給紙部とが接続され、前記第1の画像形成装置で画像形成された用紙を前記第2の画像形成装置に供給するよう構成された印刷システムの制御方法において、
前記第1の画像データと前記第2の画像データを含む印刷ジョブを入力する入力ステップと、
前記第1の画像形成装置の排紙部から出力された用紙に印刷された第1の画像データと前記用紙の同じ面に印刷されるべき第2の画像データが、該出力された用紙の第1の画像データが印刷された面と同じ面に印刷されるように、前記第1の画像形成装置で画像形成される第1の画像データまたは前記第2の画像形成装置で画像形成される第2の画像データを印刷する順番を決定する決定ステップと、
前記決定ステップにて決定された順番で前記入力ステップにて入力された印刷ジョブを印刷する印刷ステップとを有することを特徴とする印刷システムの制御方法。
【請求項9】
前記第2の画像形成装置から用紙を排紙する際の印字面の向きを指定する指定ステップと、
前記決定ステップは、前記指定ステップにより指定された印字面で用紙を出力できるように、印刷する順番を決定することを特徴とする請求項8に記載の印刷システムの制御方法。
【請求項10】
印刷された用紙を排紙する際の印字面の向きがいずれであるか判断する判断ステップと、
接続されている別の画像形成装置から、該別の画像形成装置が給紙部から給紙した用紙の裏面、表面のいずれが印字面とされているかについて示す情報を取得する取得ステップと、
前記判断ステップにて判断された印字面と、前記取得ステップにて取得された接続されている別の画像形成装置の印字面とを比較する第1の比較ステップと、
前記接続されている別の画像形成装置が、両面印刷設定されたジョブを入力した際、先に印刷するページが奇数ページか偶数ページかを検知し、該検知された結果が、当該画像形成装置が先に印刷するページと同じであるか比較する第2の比較ステップと、
を有し、
入力された印刷ジョブが両面印刷設定であると、
前記第1の比較ステップにて比較した結果、前記印刷された用紙を排紙する際の印字面の向きと前記印字面が同一であり、かつ前記第2の比較ステップで比較した結果、先に印刷するページが同じである場合、
または
前記第1の比較ステップにて比較した結果、前記印刷された用紙を排紙する際の印字面の向きと前記印字面が同一でなく、かつ前記第2の比較ステップで比較した結果、先に印刷するページが異なる場合、
前記入力された印刷ジョブを構成するページ順のうち、奇数ページと偶数ページを入れ替えて画像形成する順番を入れ替える入れ替えステップと、
前記入れ替えステップにより入れ替えられた順番で形成された画像の印刷を行う印刷ステップと、
前記印刷ステップで印刷された用紙を前記接続された別の画像形成装置の前記給紙部へ搬送する搬送ステップと
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項11】
前記入力された印刷が片面印刷設定であると、
前記第1の比較ステップにて比較した結果、前記印刷された用紙を排紙する際の印字面の向きと前記印字面が同一でなく、かつ前記第2の比較ステップで比較した結果、先に印刷するページが異なる場合、
前記判断ステップで判断した印刷された用紙を排紙する際の印字面の向きの設定を変更する変更ステップを有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項12】
前記接続された別の画像形成装置に、前記入力された印刷ジョブとは別の印刷ジョブが入力されると、
当該画像形成装置に入力された印刷ジョブと前記接続された別の画像形成装置に入力された印刷ジョブがどちらか一方でも両面印刷か判定する判定ステップを有し、
前記第1の比較ステップにて比較した結果、前記印刷された用紙を排紙する際の印字面の向きと前記印字面が同一であり、かつ前記第2の比較ステップで比較した結果、先に印刷するページが同じであり、さらに前記判定ステップで当該画像形成装置に入力された印刷ジョブが両面印刷設定であると判定された場合、
または
前記第1の比較ステップにて比較した結果、前記印刷された用紙を排紙する際の印字面の向きと前記印字面が同一でなく、かつ前記第2の比較ステップで比較した結果、先に印刷するページが異なり、さらに、前記判定ステップで当該画像形成装置に入力された印刷ジョブが両面印刷設定であると判定された場合、
前記入れ替えステップにより画像形成するページの順番を入れ替えることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
前記接続された別の画像形成装置が用紙を搬送方向に対し、該接続された別の画像形成装置で形成される画像の天地の向きを取得し、該天地の向きが当該画像形成装置での天地の向きと同じか判定し、該判定の結果、天地の向きが異なっていると判定されると、形成する画像を180度回転させることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項14】
前記接続された別の画像形成装置は、透明記録剤を用いて印刷を行うことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項15】
請求項7又は8に記載の印刷システムの制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項9乃至14に記載の画像形成装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−226433(P2012−226433A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91168(P2011−91168)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】