複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索するための方法
【課題】複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索するための方法
【解決手段】第1のレベルのモード、第2のレベルのモード、および少なくとも一つのより高いレベルのモードを含み、複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索するための方法とシステム。いずれかの探索窓パラメータが定められた範囲を超える場合、第1のレベルの探索が実行され、探索窓パラメータは探索が定められた範囲の中にあるようにその探索結果に応じて修正される。次に、第2のレベルの探索が実行され、その探索結果から測定値が導出される。測定値が選択された測定値満足基準を満足する場合、位置決定試行中に追加探索は行わない。測定値が選択された測定値満足基準を満足しない場合、より高いレベルでより高感度の探索が実行される。
【解決手段】第1のレベルのモード、第2のレベルのモード、および少なくとも一つのより高いレベルのモードを含み、複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索するための方法とシステム。いずれかの探索窓パラメータが定められた範囲を超える場合、第1のレベルの探索が実行され、探索窓パラメータは探索が定められた範囲の中にあるようにその探索結果に応じて修正される。次に、第2のレベルの探索が実行され、その探索結果から測定値が導出される。測定値が選択された測定値満足基準を満足する場合、位置決定試行中に追加探索は行わない。測定値が選択された測定値満足基準を満足しない場合、より高いレベルでより高感度の探索が実行される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置決定およびGPS測位システムの分野に関する。より詳細には、感度と決定時間を変化させた探索モードを用いて位置決定信号を探索する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS測位システムは、軌道周回衛星のシステムであり、それらの衛星から見えるエンティティがそれらの位置を決定できるシステムである。各衛星は衛星を一意的に特定する1,023チップの疑似ランダム雑音(PN)コードの繰り返しで表した信号を送信する。この1,023チップは1ms毎に繰り返される。また、信号はデータビットで変調される。ここで、各データビットは変調信号において20msの継続時間がある。
【0003】
図1にGPS測位システムの一応用を示す。ここで、無線通信システムの加入者局100は、その局から見える衛星102a、102b、102c、102dからの送信信号を受信し、4個以上の送信信号から時間測定値を導出する。局は、位置決定エンティティ(PDE)104へ測定値を提供する。このエンティティはその測定値から局の位置を決定する。代替的には、加入者局100はこの情報から自分自身の位置を決定するかもしれない。
【0004】
加入者局100は、特定の衛星からの送信信号を、その衛星に対するPN符号と受信信号の相関を取ることにより、探索する。受信信号は通常、雑音存在下で局の受信機から見える少なくとも一つの衛星からの送信信号の混合となっている。この相関は、符号位相探索窓WCPとして知られている符号位相仮定の範囲にわたって、また、ドップラー探索窓WDOPPとして知られているドップラー周波数仮定の範囲にわたって実行される。符号位相仮定は通常PN符号シフトの範囲として表され、ドップラー周波数仮定は通常ドップラー周波数ビンとして表される。
【0005】
各相関はNCとMの積として表される積分時間Iに亘って実行される。ここで、NCはコヒーレント積分時間、Mは非コヒーレントに結合されているコヒーレント積分の数である。
【0006】
特定のPNコードに対して、相関値は、二次元相関関数を定義するために対応するPN符号シフトとドップラービンに関係づけられる。相関関数の任意のピークが定位され、予め定めた雑音しきい値と比較される。そのしきい値は誤検出確率、すなわち衛星送信信号を誤って検出する確率、が予め定めた値以下となるように選択される。衛星に対する時間測定値は、符号位相軸上で、しきい値以上の最も早い非サイドローブピークの位置から導出される。加入者局に対するドップラー測定値は、ドップラー周波数軸上で、しきい値以上の最も早い非サイドローブピークの位置から導出されるかもしれない。
【0007】
現在の加入者局アーキテクチャは、位置決定信号の探索過程にかなりの制約を課している。例えば、共有RFアーキテクチャにおいて、加入者局のコアRF回路はGPS位置決定受信パスと音声/データ通信の送受信パスを共有する。従って、加入者局がGPS位置決定機能を実行する間は、加入者局が音声/データ通信機能を実行する能力が妨げられる。この妨害を許容レベルに抑圧するために、GPS周波数同調時間、すなわち、加入者局がGPS周波数に同調してGPS位置決定機能を実行する時間は、通常、定められた時間、例えば1または2秒に制限される。
【0008】
このような制約、および通常GPS位置決定信号が示す広いダイナミックレンジのような制約のために、割り当てられた時間内に位置決定信号の探索を実行し、なおかつ正確な位置決定を達成するのは困難である。探索が定められた時間内で実行される場合、多くの場合得られる位置決定は不正確である。探索決定が正確に実行される場合、多くの場合割り当て時間を超過するだろう。
【発明の概要】
【0009】
複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索する方法を説明する。第1の実施例において、感度を向上させるために、複数の探索モードは、第1のレベルのモード、第2のレベルのモード、および少なくとも一つのより高いレベルのモードを含む。この実施例において、本方法は、いずれかの窓パラメータが定められた範囲を超えるかどうかを決定することから始まる。超えた場合、第1のレベル探索が実行され、探索窓パラメータは定められた範囲内になるように、求めた探索結果に基づいて修正される。探索窓パラメータのいずれも定められた範囲を超えない場合、第1のレベルの探索は行わない。
【0010】
次に、第2のレベルの探索が位置決定試行の一部として実行される。測定値はその探索の結果から導出される。測定値が、選択した少なくとも一つの測定値満足基準を満たす場合、位置決定試行内で追加探索は行わない。
【0011】
測定値が、選択した少なくとも一つの測定値が満足すべき基準を満たさない場合、第2のレベルより高いレベルの探索が行われる。一実施例において、選択基準に基づく第3のレベルと第4のレベルの探索の間で選択が行われる。一実施例において、基準が満足されれば、第3のレベルの探索が行われ、基準が満たされてない場合、第4のレベルの探索が行われる。
【0012】
第2の実施例において、複数の探索モードは、感度を向上させるために、第1のレベルのモード、第2のレベルのモード、および第3のレベルのモードを含む。この実施例において、本方法は、第1のレベルの探索を位置決定試行の一部として実行することによって始まる。
【0013】
次に、少なくとも一つの測定値がその後の探索結果から導出される。測定値が、選択した少なくとも一つの測定値満足基準を満たすか否かを決定する。
【0014】
測定値が、選択した少なくとも一つの測定値満足基準を満たす場合、位置決定試行内で追加探索は行わない。
【0015】
測定値が、選択した少なくとも一つの測定値満足基準を満たさない場合、第1のレベルより高いレベルの探索が行われる。この実施例において、より高いレベルの探索は、少なくとも一つの定められた選択基準に基づく第2のレベルか3番目のレベルの探索のどちらかである。
【0016】
また、上述の方法を実際に具体化するメモリについても説明する。同様に、上述の方法に関連するシステムを説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1はGPS測位システムのダイヤグラムである。
【図2】図2は、複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索する本発明に従う方法の一実施例のフローチャートである。
【図3】図3は、レベル1の探索から得られる測定値から形成される多角形の例を示す。
【図4】図4は、感度を向上させるためのレベル0、レベル1、レベル2、レベル3の探索モードを含み、複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索する本発明に従う方法の実施例のフローチャートである。
【図5】図5は、図4の実施例におけるレベル0の探索のフローチャートである。
【図6】図6は、図4の実施例におけるレベル1の探索のフローチャートである。
【図7】図7は、図4の実施例におけるレベル2の探索のフローチャートである。
【図8】図8は、図4の実施例におけるレベル3の探索のフローチャートである。
【図9】図9は、図6のレベル1の探索で用いている測定値満足基準のフローチャートである。
【図10】図10は、図4の実施例で用いているレベル2/レベル3の選択基準のフローチャートである。
【図11】図11は、図4の実施例において、レベル0、レベル1、レベル2、レベル3の探索モードを制御するパラメータを特定する表である。
【図12A】図12Aは、図4の実施例で用いられた分割手順を示し、この手順によりGPS衛星に対して探索される二次元領域が複数のセグメントに分割され、それぞれはドップラー周波数範囲と符号位相範囲によって特性化されている。
【図12B】図12Bは、図4の実施例で用いられた分割手順を示し、この手順によりGPS衛星に対して探索される二次元領域が複数のセグメントに分割され、それぞれはドップラー周波数範囲と符号位相範囲によって特性化されている。
【図13】図13は、複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索する本発明に従うシステムの一実施例のブロックダイアグラムである。
【図14】図14は、図13のシステムを具体化、または組み込む加入者局の一実施例のブロックダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図中の部品は、発明の原理を示すことに重点を置き、必ずしも正確な縮尺率で描かれてはいない。図中、同じ参照数字は、異なる図全体を通して対応する部品を指定する。
ここで用いられている、「約」や「おおよそ」のような用語は、業界で許容できる許容誤差を説明するために、数学的厳密さにおいていくらかの余裕を許容することを意図している。従って、用語「約」または「おおよそ」によって修飾されている値から1%から20%上方または下方の範囲にある偏差は、明らかに記載した値の範囲内にあると考えるべきである。
【0019】
さらに、ここに用いられている、用語「ソフトウェア」はソースコード、アセンブリ言語コード、2進コード、ファームウェア、マクロ命令、マイクロ命令、もしくはそれらの同等物、または上述の複数の任意の組み合わせを含む。
【0020】
さらに、用語「メモリ」はプロセッサが読み出し可能な任意の媒体を指す。その媒体は、プロセッサで実行可能な一連のソフトウェア命令が格納されるかもしれないRAM、ROM、EPROM、PROM、EEPROM、ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、CD−ROM、DVD、もしくは同等物、または上述の複数の任意の組み合わせを含むが、それらに限定されるものではない。
【0021】
用語「プロセッサ」または「CPU」は一連の命令を実行することができる任意の装置を指し、汎用もしくは専用マイクロプロセッサ、有限状態機械、制御器、コンピュータ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、またはそれらの同等物を限定することなく含む。
【0022】
用語「宇宙機」と略語「SV」はともにGPS衛星を意味する。
【0023】
図2は、感度を向上させるために、レベル0のモード、レベル1のモードおよび少なくとも一つのより高いレベルのモードを含み、複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索する本発明に従う方法の一実施例のフローチャートである。この特定の実施例、および関連する図4乃至10に示す実施は、加入者局がGPS周波数に同調することが許されている時間範囲に対して共有RFアーキテクチャが課した時間制約から生まれたものであるが、本発明はこれに限定されず、そのような制約が課せられていない二重RF(非共有)アーキテクチャへの応用も包含することを認識すべきである。
【0024】
一例において、本方法はIS−801準拠の無線通信システムにおける加入者局のような、位置が探索され決定されるエンティティによって実行される。PDEはどのSVが局から見えそうかということを示す捕捉支援(AA)を加入者局に提供する。これらのSVは集合NTOTを形成する。第2の例では、AAは提供されず、集合NTOTはGPS測位システムにおけるすべてのSVから構成される。第3の例では、加入者局は、時間の近似測定値と自分自身の位置に関する粗な知識と共に新しいアルマナック(軌道情報)を利用できる。この情報から、加入者局は、どのSVが加入者局から見えるかを予測する。この例では、これらのSVは集合NTOTを形成する。
【0025】
集合NTOT内の各SVは、SVを探索するための符号位相とドップラー周波数仮定の二次元領域を定義する探索窓パラメータと関連している。図12Aに示す一つの実施において、SVに対する探索窓パラメータは、符号位相探索窓サイズWIN_SIZECPと、符号位相窓中心WIN_CENTCPと、ドップラー探索窓サイズWIN_SIZEDOPPと、ドップラー窓中心WIN_CENTDOPPとを含む。位置が探索され決定されるエンティティがIS−801準拠の無線通信システム内の加入者局である場合、これらのパラメータはPDEが加入者局へ提供する捕捉支援により示される。
【0026】
本方法はステップ202で始まる。このステップは探索窓パラメータのいずれかが定められた範囲を超えるかどうかを判定することを含む。一実施例において、集合NTOT内の一つのSVに対するいずれかの探索窓が定められたサイズの範囲を超えるかどうかを判定することを含む。それは、例えば、新しい基地局がPDE基地局アルマナックに追加されずにネットワークに追加される場合に起こるかもしれない。この状況において、基地局からサービスを受ける加入者局にAAを提供するPDEは、すべてのSVに対して符号位相探索窓を最大値の1,023チップに設定する。この大きさの符号位相探索窓はレベル1の探索の間に時間切れ状態を引き起こすかもしれない。この例におけるステップ202の目的は、どのSVが、もしあればであるが、時間切れ状態を引き起こし得る探索窓と関連しているかを決定することである。
【0027】
いずれかの探索窓パラメータが定められた範囲を超えると、ステップ204が実行される。ステップ204はレベル0の探索を含む。一例において、レベル0の探索は、集合NTOT内で符号位相探索窓の大きさが予め定めたしきい値を超えるSVに対してのみ実行される。
【0028】
ステップ206がステップ204に続く。ステップ206において、探索窓パラメータは、それらが定められた範囲の中にあるように、得られた探索結果に基づいて修正される。符号位相窓サイズが予め定めたしきい値を超えるSVだけが探索される一例において、このステップは、所与のPN符号に対する最大ピークを定位することと、窓中心がピークの位置になるように窓中心を修正することと、そのSVに対する探索が相関器による単一パスに対応できるように窓サイズを縮小することとを含む。また、このステップは、ドップラー周波数探索窓の中心を再調整することと、サイズを縮小することとを含むかもしれない。
【0029】
ステップ206から、本方法はステップ208を実行する。このステップは、レベル1の探索を位置決定試行の一部として行うことを含む。レベル0の探索と比べると、レベル1の探索はより感度の良い探索である。従って、一実施において、この探索を行うために費やされる積分時間はレベル0の探索の時間より長い。
【0030】
本方法はステップ208から、ステップ210に進む。ステップ210において、測定値は得られた探索結果から導出される。一例において、測定値は各弁別可能なピークに対するSN比(SNR)と符号位相(時間)を含む。一実施例において、導出されたSNRはピーク搬送波信号対雑音比(C/N0)である。
【0031】
本方法はステップ210から、問い合わせステップ212へ進む。ステップ212において、レベル1の探索から得た測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たすか否かを判定する。測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たす場合、位置決定試行内の追加探索は行わない。
【0032】
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たさない場合、ステップ214が実行される。ステップ214において、位置決定信号に対するより高いレベルの探索が実行される。より高いレベルの探索はレベル1の探索より高感度な探索である。従って、この探索で使われる積分時間はレベル1の探索で使われる時間より長い。
【0033】
一つの実施において、問い合せステップ212は、レベル1の探索によるSNR測定値を第1の雑音しきい値T1と比較することから始まる。誤検出確率が予め定めたレベルより低くなるように雑音しきい値T1を決定する。雑音しきい値T1を超えるSVは集合Nを形成する。
【0034】
レベル1の探索から得たSNR測定値も第2のより高いしきい値T2と比較される。しきい値T2を超えるSVは集合Sを形成する。集合S’は集合NTOT内にあってSに含まれないSVと定義する。
【0035】
一例において、集合S内のSVの数|S|が集合NTOT内のSVの数|NTOT|に等しく、探索されたすべてのSVがより高いしきい値T2を満足することを示す場合、より高いレベルの探索は行わない。
【0036】
第2の例において、集合N内のSVに対する測定値から一つの多角形が形成される。これらの各SVに対して衛星の方位角とピーク搬送波信号対雑音比(C/N0)から一つのベクトルが形成される。ベクトルは座標系内で方向を定められる。ベクトルの終点は、多角形を定義するために接続される。この実施において、多角形の面積Aがしきい値AT以上であるなら、第2の探索は行わない。
【0037】
図3は5個のベクトル300a、300b、300c、300d、および300eによって定義された多角形の例を示す。これらの各ベクトルは、測定値を表すか、または測定値に対応している。より詳細には、ベクトルと縦軸の間の角度はSVに対する方位角であり、ベクトルの大きさはピーク搬送波信号対雑音比(C/N0)である。ベクトルの終端は数字302a、302b、302c、302d、および302eで特定される。これらの終端によって定義される多角形は数字306で特定される。公知の方法を用いて決定されるこの多角形の面積は上述の比較に使用される。
【0038】
第3の例において、集合N内のSVの数|N|がしきい値NEE以上の場合、より高いレベルの探索は行わない。
【0039】
第4の例において、集合N内の各SVに対するピーク搬送波信号対雑音比(C/N0)が合計される。この合計が予め定めたしきい値以上の場合、より高いレベルの探索は行わない。
【0040】
第5の例において、上述の2以上の任意の組み合わせが用いられ、より高いレベルの探索を行うかどうかを決定する。
【0041】
図4は複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索するための方法の実施例を示す。この実施例において、位置が探索され決定されるエンティティはIS−801準拠の無線通信システム内の加入者局である。
【0042】
この例で使われる探索モードは、感度を向上させるために、レベル0モード、レベル1モード、レベル2モード、およびレベル3モードを含む。一つの例において、これらの各モードを制御するパラメータを図11に示す。図から分かるように、この例において、モード0で使う総積分時間は、一個の20msのコヒーレント積分からなり、20msである。モード1で使う総積分時間は80msであり、非コヒーレントに結合した4個の20msのコヒーレント積分からなる。モード2で使う総積分時間は880msであり、非コヒーレントに結合した44個の20msのコヒーレント積分からなる。さらに、モード3で使う総積分時間は1760msであり、非コヒーレントに結合した22個の80msのコヒーレント積分からなる。感度は全積分時間に比例しているため、これらのモードの感度も順次増加する。図示した例において、モード0の感度は31.0dB−Hzである。モード1の感度は26.4dB−Hzである。モード2の感度は19.2dB−Hzである。さらに、モード3の感度は15.45dB−Hzである。
【0043】
本方法はステップ402で始まる。このステップでは、集合NTOT内の各SVに対して加入者局はPDEから捕捉支援を得る。この捕捉支援は、各SVに対し符号位相窓のサイズ、符号位相窓の中心、ドップラー周波数窓のサイズ、およびドップラー周波数窓の中心を示す。感度支援は、利用可能ではあるが、ここでは要求しない。大きいオーバヘッドを要すること、および感度支援は(レベル0,レベル1,およびレベル2の探索モードで使うような)20ms以下のコヒーレント積分時間には必要がないからである。
【0044】
次に、本方法はステップ404に進む。ステップ404において、集合NTOT内のいずれかのSVに予め定めたしきい値を超える符号位相窓サイズがあるか否かの問い合わせがされる。
【0045】
一つの構成において、予め定めたしきい値は、SVが相関器により単一パスで探索されないような位相符号のSVを特定するように設定される。例えば、8並行チャネルあり、各チャネルあたり32チップの容量がある相関器で、いくつかのチップがチャネル間でオーバラップしている場合を考えよう。符号位相探索窓が約200チップ以下である場合、SVは相関器により単一パスで探索される。200という数値はチャネル間のオーバラップによるオーバヘッドを、相関器の想定公称容量である256チップから引くことにより導出される数値である。したがって、この構成において、符号位相窓が200チップを超えるSVは、レベル1の探索で探索される。しかしながら、このしきい値は実施への依存性が高く、従って、実施に依存して変化することは認識されるべきである。
【0046】
ステップ404において、集合NTOT内のSVのいずれにも予め定めたしきい値を超える符号位相窓がない場合、本方法はステップ408へジャンプする。これらのSVのいずれかにしきい値を超える符号位相窓がある場合、ステップ406が実行される。ステップ406において、本方法は、集合NTOT内の符号位相探索窓がしきい値を超える各SVに関してレベル0の探索を実施することを含む。
【0047】
レベル0探索で探索された各SVに対し、得られた相関関数の最大ピークの位置が決定される。次に、SVに対する符号位相窓中心は、SVの最大ピークに関連する符号位相に設定される。SVに対する符号位相窓サイズは、再び1セグメント探索を用いてSVを検出することができるように縮小される。レベル0探索で検出されないSVからの支援データは、これらのSVが後続のレベルで探索されないように削除される。
【0048】
本方法はステップ406からステップ408に進む。ステップ408において、本方法は集合NTOT内のすべてのSVに関してレベル1の探索を実行する。このステップでは、選択された測定値満足基準が探索結果から導出された測定値に適用され、測定値満足基準が満足されれば、フラグを設定する。これらの測定値満足基準は後で図9と関連して説明されるだろう。
【0049】
ステップ408の一部として、レベル1の探索からの結果である測定値は強、弱、および無の3つのカテゴリに分類される。一つの例において、この分類は、しきい値化を用いて実行される。第1のしきい値T1は弱カテゴリにあるピークを、第2のより厳しいしきい値T2は強カテゴリにあるピークを特定するために用いられる。弱カテゴリにあるSVは集合Nを形成し、強カテゴリにあるSVは集合Sを形成する。集合S’は集合NTOTにあって集合Sには含まれないSVである。同様のしきい値化がレベル2とレベル3の探索でも実行され、前にレベル1の探索で特定されなかった強ピークが、これらの探索のどちらかで特定される場合、集合Sは拡大されるかもしれないことに注意する必要がある。
【0050】
図11の表に示した一つの構成において、弱いピークを特定するためにモード1で適用されたしきい値T1は、25.0dB−Hzである。この構成において、しきい値T2は、ユーザによって選択された決定時間対精度/感度オプションによって異なる。より詳細には、第1、第2、および第3のオプションに対するしきい値T2はそれぞれ29.4dB−Hz、32.4dB−Hz、および∞に設定される。後者はしきい値T2が決して満足しないほど大きい設定に当たる。
【0051】
ステップ410が方法408に続く。ステップ410において、ステップ408における、選択された測定十分評価基準の適用の状態を示すフラグがチェックされる。選択された測定値満足基準を満足することを示して、フラグが設定されていれば、本方法はステップ420へ進む。ステップ420において、レベル1の探索からの結果である測定値はPDEに報告される。PDEはそれに基づいて加入者局の位置を決定する。代替的に、加入者局はこれらの測定値から自身の位置を決定する。選択された測定値満足基準を満足していないことを示して、フラグが設定されていなければ、本方法は、ステップ412へジャンプする。
【0052】
ステップ412において、本方法は、レベル2またはレベル3の探索が実行されるべきか否かを判定するために予め定めた選択基準を適用する。これらの選択基準は後で図10に関連して説明されるだろう。レベル2が選択される場合、本方法はステップ414へ進む。レベル3が選択される場合、本方法はステップ416へジャンプする。
【0053】
ステップ414において、レベル2の探索が集合S’内のSVに対して実行される。満足できる測定値はこれらのSVに対してレベル1の探索で既に得られていると考えられるので、集合S内のSVは探索されない。本方法はステップ414からステップ420へ進む。ステップ420において、レベル2の探索から得た測定値、および集合S内のSVに対するレベル1の測定値はPDEに報告される。それに応じて、PDEはこれらの測定値から加入者局の位置を決定する。代替的には、加入者局はこれらの測定値から自身の位置を決定する。
【0054】
ステップ416において、加入者局は、レベル3の探索で使われた80msのコヒーレント積分時間の中に起こるビット位相変化に配慮するためにPDEからの感度支援を要求する。これまで検討したように、レベル3の探索が要求されないか、または選択されない場合に、感度支援のオーバヘッドを背負うことを避けるために、このステップはここの時点まで実行しない。
【0055】
本方法はステップ416からステップ418へ進む。ステップ418において、本方法はレベル3の探索を集合S’内のSVに対して実行する。ここでも、満足できる測定値はこれらのSVに対してレベル1の探索で得られているので、集合S内のSVは探索されない。
【0056】
ステップ420がステップ418に続く。ステップ420において、レベル3の探索から得た測定値、および集合S内のSVに対するレベル1の測定値はPDEに報告される。それに応じて、PDEは加入者局の位置を決定する。代替的には、加入者局はこれらの測定値から自身の位置を決定する。
【0057】
図5にレベル0探索の基礎となるタスクまたはサブステップを示す。これは図4のブロック406である。タスク502において、符号位相窓サイズが予め定めたしきい値を超える集合NTOT内のSVが特定される。前に検討した一つの例において、予め定めたしきい値は200チップであるが、このしきい値は実施への依存性が高く、実施に依存して他の値を取りうることは認識されるべきである。
【0058】
タスク504において、これらのSVの一つが選択され、タスク506において、選択されたSVのための符号位相窓が必要なら拡大されるため、SVに対する符号位相探索空間は整数個のスライスを含む。この開示の目的に対しては、スライスとは相関器により単一のパスで探索できる符号位相空間である。相関器が8個の並列チャネルを含み、それぞれ32チップの容量がある一つの例においては、1スライスのサイズは256チップである。この例において、符号位相は、隣接しているセグメントの間の4チップオーバラップに配慮するために増加され、次に、Kを整数として、全部でK*8セグメントが含まれるまで、さらに拡大され、再度中心を定められる。しかしながら、この例は実施に依存しており、他の例が可能であることが認識されるべきである。
【0059】
タスク508がタスク506に続く。タスク508において、SVに対する探索空間は、レベル0の探索に対応するセグメントに分割される。図12Aおよび12Bはこの分割手順をさらに詳細に示す。
【0060】
図12Aは一つのSVに対する二次元探索空間を示す。この例においては、符号位相軸が横軸、ドップラー周波数軸が縦軸であるが、この配置は、任意であり、逆でも良い。符号位相探索窓の中心をWIN_CENTCPと呼び、符号位相探索窓サイズをWIN_SIZECPと呼ぶ。ドップラー周波数探索窓の中心をWIN_CENTDOPPと呼び、ドップラー周波数探索窓サイズをWIN_SIZEDOPPと呼ぶ。
【0061】
探索空間は複数のセグメント1202a、1202b、1202cに分割され、それぞれはドップラー周波数範囲と符号位相範囲によって特徴づけられる。図11の表に示した一例において、セグメントに関連している周波数範囲は、レベル0、1、および2の探索モードに対して±250Hzであり、レベル3の探索モードに対しては±62.5Hzである。またセグメントに関連している符号位相の範囲は32チップである。この例において、セグメントを特徴づける周波数範囲は20ビンに分割され、セグメントを特徴づける符号位相の範囲は64ビンに分割される。
【0062】
有利には、セグメントを特徴付ける符号位相の範囲は相関器のチャネル容量と等しい。このように、セグメントを単一チャネルパス内で探索することができる。チャネル容量が32チップである例において、セグメントを特徴付ける符号位相の範囲は同じく32チップであるが、他の例が可能であることが認識されるべきである。
【0063】
有利には、セグメントの境界に現れるピークを見逃すことを避けるために、チップを定められた数だけオーバラップさせる。図12Bに通常使われるオーバラップを示す。図示したように、セグメント1202aの終端はセグメント1202bの先端とΔチップだけオーバラップし、セグメント1202bの終端は同様にセグメント1202cの先端とΔチップだけオーバラップする。このオーバラップによるオーバヘッドのために、符号位相の有効範囲はセグメントで表されたチャネル容量より通常少ない。例えば、オーバラップが4チップである場合、セグメントによって表された符号位相の有効範囲は28チップである。
【0064】
図5に戻り、タスク508において、SVに対する探索位相空間はレベル0の探索に備えてセグメントに分割され、セグメントは待ち行列に入れられる。次に、タスク510が実行される。タスク510において、追加SVが、探索窓が予め定めたしきい値を超える集合NTOT内にあるか否かが判定される。もしあれば、本方法はタスク504、506、および508を通る別のパスのためにステップ504に戻る。もし否であれば、本方法はステップ512へ進む。タスク504、506、508、および510の動作によって、符号位相探索窓が予め定めたしきい値を超える各SVに対して、探索空間が、レベル0の探索に備えて待ち行列を形成するセグメントに分割されるのが分かるだろう。
【0065】
タスク512において、支援データの時間とレベル0探索が実行される時間の間の経過時間に配慮するように、セグメントの符号位相とドップラー窓パラメータの調整をすることによってレベル0の探索が実行される。次に、相関器によりセグメントを処理することによってレベル0の探索を実行する。再度、相関器が8並列チャネルを含む例において、セグメントは相関器により8セグメント同時に処理されるが、他の例が可能であることが認識されるべきである。積分はレベル0の積分パラメータに従って相関器により実行される。有利には、これらのパラメータは感度よりむしろ速度を重視する。一つの例において、レベル0の探索に対する積分パラメータは、図11の表に記載されているように、20msの単一コヒーレント積分を含む。従って、レベル0の探索は通常最大の信号を検出するだけだろう。
【0066】
タスク514がタスク512に続く。タスク514において、探索された各SVについての最大ピークに関する符号位相およびドップラー周波数ビンが保持される。タスク516は、すべての待ち行列にあるセグメントが探索されるまでタスク512へ繰り返し戻る。有利には、GPS周波数の一同調時間の一部分中ですべてのセグメントが探索される。しかし、すべてのセグメント内を探索するために複数GPS周波数同調時間が要求されるかもしれないことが認識されるべきである。
【0067】
すべてのセグメントが探索された後に、タスク518が実行される。タスク518において、探索された各SVに対する最大ピークがモード0の検出しきい値と比較される。図11の表に示す一例において、モード0の検出しきい値は29.8dB−Hzである。一つのSVに対する最大ピークがこのしきい値以下の場合、そのSVに対する捕捉データ、すなわち、探索窓サイズおよび中心は0にされ、そのSVは以後、探索も報告もされないことが確実になる。これは望ましいことである。これらのSVは、レベル0の探索で縮小することができない大きい探索窓のあるSVを表すからである。したがって、時間切れ状態等を避けるために、探索されるSVの集合からこれらのSVを除くことは重要なことである。
【0068】
タスク520がタスク518に続く。タスク520において、生残りSV、すなわち、最大ピークがレベル0のしきい値を超えるSVの各々に対して、そのSVに対する符号位相窓の中心をピークに位置させ、ピークが相関器によりセグメントの単一パスで検出できるように窓サイズを縮小する。さらに、0次ドップラーは、最大ピークが位置しているドップラービンの中心周波数のドップラーになるように修正される。
【0069】
タスク520が完了すると、レベル0の探索は終了する。
【0070】
図6に、レベル1の探索の基礎となるタスク、図4のブロック408を示す。タスク602において、捕捉支援データがまだ元のままであり、かつレベル0の探索で変更されたかもしれない集合NTOT内のSVが選択される。
【0071】
次に、タスク604が実行される。タスク604において、SVに対する符号位相探索窓は、時間に伴う符号ドリフトに配慮するために拡大される。一例において、4チップの拡大が実施される。
【0072】
タスク606がタスク604に続く。タスク606において、SVに対する探索空間はレベル1の探索に備えてセグメントに分割され、そのセグメントは待ち行列を形成する。図11に示すような一例において、レベル1の探索のためのセグメントは20ビンに分割されたドップラー周波数の±250Hzの範囲、64ビンに分割された32チップの範囲によって特徴付けられる。
【0073】
タスク608において、レベル1で探索される必要があり元のままの捕捉データを有する追加SVがあるか否かの問い合せがなされる。もしあれば、本方法は、タスク602に戻る。もし無ければ、本方法はタスク610へ進む。タスク602と608の間で、捕捉データがレベル0の探索の実行後にも元のままである集合NTOT内の各SVに対し、タスク604と606が実行される。
【0074】
タスク610において、待ち行列にあるすべてのレベル1のセグメントは相関器によって処理される。一つの例においては、セグメントは相関器によって8個同時に処理されるが、他の例が可能であることが認識されるべきである。
【0075】
次に、タスク612が実行される。タスク612において、マックスピークアルゴリズムが実行される。このアルゴリズム従って、レベル1の探索で探索された各SVの最大ピークが保持される。
【0076】
タスク614がタスク612に続く。タスク614において、処理すべきレベル1の追加セグメントがあるか否かの問い合せがなされる。もしあれば、本方法は、タスク610へ戻る。もし無ければ、本方法はタスク616へ進む。すべてのレベル1セグメントが処理されるまで、タスク614はタスク610とタスク612の間で本方法を反復させる。
【0077】
レベル1の探索の基礎にある積分時間は、感度よりむしろ速度を重要視するが、重視の程度はレベル0の探索より小さい。一つの例において、レベル1の積分時間は、図11に示すように、非コヒーレントに結合された4個の20msのコヒーレント積分を含む80msである。有利には、レベル1の積分パラメータ、およびレベル0探索で得た探索窓の縮小によって、すべてのレベル1セグメントは1GPS周波数同調期間内で処理される。
【0078】
次に、タスク616が実行される。タスク616において、レベル1の探索で探索されたSVは強、弱、無の3つのカテゴリに分類される。一つの例において、分類はしきい値化により実行される。SVに対して検出された最大ピークがしきい値T1を超える場合、そのSVは弱のカテゴリに置かれる。SVに対して検出された最大ピークが第2のより大きいしきい値T2を超える場合、そのSVは強のカテゴリに置かれる。一つの例において、図11に示したように、しきい値T1は25.0dB−Hzである。前に示したように、しきい値T2はユーザによって選択される決定までの時間対精度/感度オプションに従って変化する。一つの構成において、3つのオプションの一つが可能である。第1、第2、および第3のオプションに対するしきい値T2はそれぞれ29.4dB−Hz、32.4dB−Hz、および∞に設定される。後者はしきい値T2が決して満足しないほど大きい設定について当たる。
【0079】
弱カテゴリにおけるSVは集合Nを定義し、強カテゴリにおけるSVは集合Sを定義する。集合S’は集合NTOT内にあって集合Sに含まれないSVを含む。
【0080】
タスク618がタスク616に続く。タスク618において、強および弱カテゴリにおけるピークが解析され、それらが相互相関によるものではないことを確認する。相互相関によるピークを検出するために実行される解析は、周知であり、ここで詳細に説明する必要はない。
【0081】
次に、タスク620が実行される。タスク620において、強および弱カテゴリにあるピークが相互相関によるものと決定されれば、そのピークは無カテゴリに再分類される。すなわち、しきい値T1を満足しなかったかのように扱われる。
【0082】
次に、タスク622が実行される。タスク622において、レベル1の探索結果から導出された測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満足するか否かを決定する。次に、タスク624が実行される。タスク624において、レベル1の測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満足する場合、タスク626が実行される。タスク626において、レベル2または3の探索が不要であることを示すフラグが設定される。タスク624において、レベル1の測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満足しない場合、タスク628が実行される。
【0083】
タスク622および624の基礎となっている特定のサブステップを図9に示す。サブステップ902において、集合S内の、従って強カテゴリ内のSVの数|S|、はNTOT内にあるSVの数である|NTOT|と比較される。|S|が|NTOT|と等しく、集合NTOT内のすべてのSVが強カテゴリにあることを示す場合、本方法はタスク626に進む。ここでフラグはレベル2または3の探索が不要であることを示すように設定されている。
【0084】
|S|が|NTOT|と等しくない場合、サブステップ904が実行される。サブステップ904において、集合N内のSVに対する測定値から、図3を使って前に説明した多角形が形成され、この多角形の面積Aが決定される。
【0085】
問い合せサブステップ906がサブステップ904に続く。問い合せサブステップ906において、多角形の面積Aはしきい値面積ATと比較される。さらに、集合N内のSVの数|N|がしきい値NEEと比較される。面積AがATを超えるか、または|N|がNEEを超える場合、本方法は図6のタスク626へジャンプする。それ以外は、本方法は図6のタスク628へ進む。
【0086】
一つの例において、しきい値面積ATおよびしきい値数NEEは、ユーザによって選択された決定までの時間対精度/感度しきい値に従って変化する。一つの構成において、第1、第2、および第3のオプションに対するしきい値面積ATはそれぞれ4x107、6x107、および∞である。後者はしきい値が決して満足しないほど大きい設定に当たる。さらに、第1、第2、および第3のオプションに対するしきい値数NEEはそれぞれ4、5および∞に設定される。再度、後者はしきい値が決して満足しないほど大きい設定に当たる。
【0087】
図6に戻り、レベル1の測定が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満足することに失敗した場合、タスク628が実行される。タスク628において、強および弱ピーク、およびピークを含むドップラー並びに符号位相ビンおよびそのピークに対する搬送波信号対雑音比(C/N0)のような、導出された測定値のリストが保持される。このリストは、その後のレベル2または3の探索に用いられ、相互相関によるピークを検出する。
【0088】
次に、タスク630が実行される。タスク630において、弱ピークに対応するSV、すなわち集合N内にあるSVに対する捕捉データはピークが単一探索セグメントによって位置決めされるように調整される。従って、符号位相窓は、ピークが検出された符号位相を再び中心として、符号位相窓のサイズは28チップへ縮小される。同様に、ドップラー窓のサイズは25Hzに縮小され、0次ドップラーはピークが検出された内挿周波数のドップラーになるように変更される。
【0089】
次に、タスク632が実行される。タスク632において、レベル2またはレベル3が必要であることを示すフラグが設定される。ここで、レベル1の探索が終わる。
【0090】
図10はレベル2またはレベル3の探索が選択されるタスク412の基礎となるサブステップを示す。問い合せサブステップ1002において、集合N内のSVの数、|N|が第2のしきい値数NEと比較される。|N|がNEを超える場合、ブロック414へジャンプし、レベル2の探索が実行される。それ以外は、本方法は問い合せサブステップ1004へ続く。
【0091】
一つの例において、第2のしきい値数NEは、ユーザによって選択される決定までの時間対精度/感度オプションに従って変化する。一つの構成において、第1、第2、および第3のオプションに対するNEの値は、それぞれ5、5および∞に設定される。後者はしきい値が決して満足されないほど大きい設定を示す。
【0092】
問い合せサブステップ1004において、集合S’内のSVに関するレベル3の探索を実行するに要する時間から推定時間testが推定される。この時間は現在のGPS位置決定セッションに残されている最大時間tmaxと比較される。testがtmaxを超える場合、すなわち現セッションにおいてレベル3の探索を実行する十分な時間がないことを示す場合、本方法は図4のタスク414へ進む。それ以外は、本方法はタスク416へ進む。
【0093】
一つの例において、時間tmaxはサービス品質の考察に基づいている。IS−801準拠システム内の加入者局による911発信から生ずるようなPDE起動または移動局終端の探索を含む第2の例において、tmaxはPDEによって指定された好ましい応答品質(PRQ)値である。第3の例において、加入者局によって起動されるインターネット地理ベースの探索のような移動局起動の探索に対しては、tmaxは加入者局によって割り当てられる。
【0094】
図7に、レベル2の探索の基礎となるタスク、図4のブロック414を示す。タスク702において、集合S’内のSV、すなわち、以前に弱または無のカテゴリにあるとして分類されたSVが選択される。
【0095】
タスク704がタスク702に続く。タスク704において、選択されたSVに対する符号位相窓は、隣接する相関器セグメント間のセグメントのオーバラップに対応するために拡大される。一つの例において、セグメントは4チップのオーバラップとなっているが、他の例が可能であることが認識されるべきである。
【0096】
タスク706がタスク704に続く。タスク706において、選択されたSVに対する探索空間はレベル2の探索に備えてセグメントに分割され、それらのセグメントは待ち行列を作る。一つの例において、図11に示すように、レベル2のセグメントは20ビンに分割された±250Hzのドップラー周波数範囲と64ビンに分割された32の符号位相の範囲によって特徴づけられる。
【0097】
タスク708がタスク706に続く。タスク708において、集合S’内に追加SVがあるか否かの問い合せがなされる。もしあれば、本方法は、他の反復のためにタスク702に戻る。もしなければ、本方法はタスク710へ進む。本方法は、タスク702、704、706、および708によって表されるループを通じて反復により、集合S’内の各SVに対してレベル2のセグメントを生成し、待ち行列を生成する。
【0098】
タスク710において、レベル2のセグメントは相関器により処理される。相関器が8並列チャネルを含む一つの例において、8つのセグメントが一度に相関器で処理される。しかし、他の例が可能であることが認識されるべきである。
【0099】
タスク712がタスク710に続く。タスク712において、マルチ/マックスピークアルゴリズムが適用され、集合S’内の各SVに対してそのSVについて最も早い有効なピークを定位する。これは、それぞれの探索に含まれる各SVについての最大のピークを定位するタスク612で参照されたマックスピークアルゴリズムとは対照的である。マルチ/マックスピークアルゴリズムの一つの例に従うと、4チップ以内のより早いピークが無く、かつ15dBの最大ピークが無ければ、SVの有効ピークはそのSVの最大ピークである。この場合有効なピークは早いほうのピークである。このアルゴリズムは、最も早いピークは必ずしも最大ピークではなく最大ピークより時間的に早いより弱いピークであるかもしれないことが分かっている。
【0100】
さらに、タスク712で特定されるピークは解析され、それらがタスク628でリストされたピークの相互相関を表すか否かを判定する。ピークがそのように特定される場合、そのピークは、SVをより良く表すかもしれない他のより弱いピークに優先して、実行時に破棄される。一つの例において、このステップは、タスク712で特定されたピークのC/N0とドップラー値を、ステップ628で特定されているピークの対応する値と比較することによって、発生する。
【0101】
タスク714がタスク712に続く。タスク714において、処理すべき残りのレベル2のセグメントがあるか否かの問い合わせがなされる。もしあれば、本方法は別の反復のためにタスク710へ戻る。もしなければ、本方法はステップ716へ進む。タスク710、712、および714を通る少なくとも1回の反復により、すべてのレベル2のセグメントが処理される。
【0102】
レベル2の探索の基礎となる積分パラメータは速度より感度と精度を重視する。図11に示す一つの例において、レベル2の探索の基礎となる積分は非コヒーレントに結合された44個の20msコヒーレント積分を含む。一つの例において、レベル2の積分パラメータは、2個のレベル2セグメントが1GPS周波数同調期間中に各相関チャネルにより処理され得るようなパラメータである。相関器に8個の並列チャネルがある場合、それは1GPS周波数同調期間内に少なくとも16セグメントが処理されるという要求を意味する。
【0103】
有利には、すべてのレベル2セグメントが1GPS周波数同調期間内で処理されるが、レベル2セグメントを処理するために複数のGPS周波数同調期間が要求されるかもしれないことが認識されるべきである。
【0104】
次に、タスク716が実行される。タスク716において、通常の相互相関テストが、既に特定されているすべてのピークに適用される。これらは集合S内のレベル1またはレベル2の探索のいずれかにより特定されたピーク、および集合S’内のピークを含む。このテストは通常のテストのため、詳細を述べる必要はない。
【0105】
タスク718がタスク716に続く。タスク718において、相互相関として識別した各ピークに対して、RMSE飽和フラグが設定されるか、または代替的には、測定値のタイプを、そのピークが位置決定の目的のためには無視されるべきであることを示す無のカテゴリに設定する。ここで、レベル2の探索が終わる。
【0106】
図8に、レベル3の探索の基礎となるタスク、図4のブロック418を示す。タスク802において、集合S’内のSV、すなわち、以前に、弱または無のカテゴリ内にあるとして分類されたSV、が選択される。
【0107】
タスク804がタスク802に続く。タスク804において、選択されたSVに対する符号位相窓は、時間に伴う符号ドリフトに配慮するために拡大される。一つの例において、セグメントは4チップ拡大される。
【0108】
タスク806がタスク804に続く。タスク806において、選択されたSVに対する探索空間はレベル3の探索に備えてセグメントに分割され、セグメントは待ち行列を形成する。一つの例において、レベル3のセグメントは、図11に示すように、20ビンに分割された±62.5Hzのドップラー周波数範囲と64ビンに分割された32符号位相で特徴付けられている。
【0109】
タスク808がタスク806に続く。タスク808において、集合S’内に追加SVがあるか否かの問い合わせがなされる。もしあれば、本方法は、別の反復のためにタスク802へ戻る。もし無ければ、本方法はタスク810へ進む。タスク802、804、806、および808で表されるループを通る反復によって、本方法は集合S’内の各SVに対してレベル3のセグメントを生成し、待ち行列を形成する。
【0110】
タスク810において、レベル3のセグメントは相関器で処理される。相関器に8個の並列チャネルを含む一つの例において、8セグメントが相関器で同時に処理されるが、他の例が可能であることが認識されるべきである。
【0111】
タスク812がタスク810に続く。タスク812において、マルチ/マックスピークアルゴリズムが適用され、集合S’内の各SVに対してそのSVについて最も早い有効なピークを定位する。さらに、タスク812で特定されるピークは解析され、それらがタスク628でリストされたピークの相互相関を表すか否かを判定する。ピークがそのように特定されるなら、そのピークは、SVをより良く表すかもしれない他のより弱いピークに優先して、実行時に破棄される。一つの例において、このステップは、タスク812で特定されたピークのC/N0とドップラー値を、ステップ628で特定されているピークの対応する値と比較することによって、発生する。
【0112】
タスク814がタスク812に続く。タスク814において、処理すべき残りのレベル3のセグメントがあるか否かの問い合わせがなされる。もしあれば、本方法は別の反復のためにタスク810へ戻る。もしなければ、本方法はステップ816へ進む。タスク810、812、および814を通る少なくとも1回の反復により、すべてのレベル3のセグメントが処理される。
【0113】
レベル3の探索の基礎となる積分パラメータは速度より感度と精度を重視し、その重視の度合いはレベル2の探索より大きい。図11に示す一つの例において、レベル3の探索の基礎となる積分は非コヒーレントに結合された22個の80msコヒーレント積分を含む。一つの例において、レベル3の積分パラメータは、1個のレベル3セグメントが1GPS周波数同調期間中に各相関チャネルにより処理され得るようなパラメータである。相関器に8個の並列チャネルがある場合、それは1GPS周波数同調期間内に少なくとも8セグメントが処理されるという要求を意味する。
【0114】
レベル3の探索において用いられるコヒーレント積分時間は、データビットがSV信号で変調されている20msの時間を超える80msであるため、80msのコヒーレント積分時間内に起こるビット位相変化に配慮するために、タスク416で提供されるPDEからの感度支援を用いてレベル3の探索におけるコヒーレント積分が実行される。
【0115】
有利には、すべてのレベル3セグメントが1GPS周波数同調期間内で処理されるが、レベル3セグメントを処理するために複数のGPS周波数同調期間が要求されるかもしれないことが認識されるべきである。
【0116】
次に、タスク816が実行される。タスク816において、識別されているすべてのピークに通常の相互相関テストが適用される。これらは集合S内のレベル1またはレベル3のいずれかの探索により特定されたピークおよび集合S’内のピークとを含む。このテストは通常のテストであり、ここで詳述する必要はない。
【0117】
タスク818がタスク816に続く。タスク818において、相互相関として特定された各ピークに対して、そのピークに対するRMSE飽和フラグが設定される。または代替的には、測定値のタイプを、位置決定のためにそのピークを無視するべきであるということを示す無カテゴリに設定される。ここで、レベル3の探索は終わる。
【0118】
定められた期間内に位置決定信号を探索するシステムの実施例を図13に示す。図示されるように、本システムはプロセッサ1302、メモリ1304、および相関器1306を含む。
【0119】
相関器1306は、受信機(図示しない)によって提供された信号から相関関数を生成し、プロセッサ1302へ直接またはメモリ1304を経由して提供するように構成される。相関器1306は、ハードウェア、ソフトウェアまたはハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実施されるかもしれない。
【0120】
メモリ1304は、図2、図4ないし図10のいずれかの方法、または既に説明もしくは示唆してきたいずれかの実施例、実施もしくは例を実行するための一連のソフトウェア命令を明白に具体化する。
【0121】
プロセッサは、メモリ1304で明白に具体化されたソフトウェア命令にアクセスし、実行するように構成される。これらの命令の実行により、プロセッサ1302は、相関器1306を指示し、レベル0、レベル1、レベル2、またはレベル3の探索の一部として位置決定信号のための探索をする。また、その結果として得られる相関器1306が提供する相関関数から測定値を導出する。
【0122】
探索がレベル1の探索である場合、プロセッサ1302はレベル1の測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たすか否かを判定する。もし満足していれば、プロセッサ1302は探索を終了する。もし満足していなければ、プロセッサ1302は、相関器1306に指示して位置決定信号のためのレベル2またはレベル3の探索を実行する。
【0123】
無線通信システムの加入者局の実施例を図14に示す。この特定の加入者局は、図13のシステムを具体化するか、または組み込むように構成される。
【0124】
無線送受信機1406は、音声またはデータのようなベースバンド情報を変調し、ベースバンド情報を得るために変調RF搬送波を復調するように構成される。
【0125】
アンテナ1410は、無線通信リンク上へ変調RF搬送波を送信し、無線通信リンク上の変調RF搬送波を受信するように構成される。
【0126】
ベースバンドプロセッサ1408は、ベースバンド情報をCPU1402から送受信機1406へ無線通信リンクの上の送信信号のために提供するように構成される。CPU1402は順番にユーザーインタフェース1416内の入力装置からベースバンド情報を得る。また、ベースバンドプロセッサ1408は、ベースバンド情報を送受信機1406からCPU1402へ提供するように構成される。CPU1402は順番にベースバンド情報をユーザーインタフェース1416内の出力装置に供給する。
【0127】
ユーザーインタフェース1416は音声またはデータのようなユーザ情報を入力、または出力するための複数の装置を含む。通常ユーザーインタフェース内に含まれるこれらの装置は、キーボード、ディスプレイ画面、マイクロホン、およびスピーカを含む。
【0128】
GPS受信装置1412は、GPS衛星の送信信号を受信並びに復調し、相関器1418へ復調した情報を提供するように構成される。
【0129】
相関器1418は、GPS受信装置1412から提供される情報からGPS相関関数を導出するように構成される。所与のPN符号に対し、相関器1418は符号位相探索窓を定義する符号位相およびドップラー周波数仮定の範囲にわたって定義される相関関数を生成する。各個々の相関は定義されたコヒーレントおよび非コヒーレント積分パラメータに従って実行される。
【0130】
相関器1418は送受信機1406から提供されるパイロット信号に関する情報からパイロット関連相関関数を導出するように構成されるかもしれない。この情報は、無線通信サービスを取得するために加入者局により用いられる。
【0131】
チャネル復号器1420は、ベースバンドプロセッサ1408から提供されるチャネルシンボルを元のソースビットに復号するように構成される。チャネルシンボルが畳み込み符号化したシンボルである一つの例において、チャネル復号器はビタビ復号器である。チャネルシンボルが畳み込み符号の直列または並列連接である第2の例において、チャネル復号器1420はターボ復号器である。
【0132】
メモリ1404は、図2、図4ないし図10のいずれかの方法、または既に説明もしくは示唆してきたいずれかの実施例、実施もしくは例を具体化するソフトウェア命令を保持するように構成される。
【0133】
CPU1402は、これらのソフトウェア命令にアクセスし、実行するように構成される。これらのソフトウェア命令の実行により、CPU1402は、相関器1418を指示し、レベル0、レベル1、レベル2、またはレベル3の探索を場合によって実行し、相関器1418により提供されるGPS相関関数を解析し、そのピークから測定値を導出し、レベル1の測定値の場合はレベル1の測定値が選択された測定値満足基準を満たすか否かを判定し、またはレベル2もしくはレベル3の探索がエンティティの位置を決定するために要求されるかを判定する。
【0134】
また、CPU1402は、各測定値に関連する二乗平均誤差(RMSE)を決定するように構成される。これらの測定値とRMSE値はPDE(図示しない)に提供される。PDEは各測定値をその対応するRMSE値の逆数に基づいて重み付けし、次に加入者局の位置を重み付けした測定値に基づいて推定する。代替的には、加入者局はこの情報から自身の位置を決定する。
【0135】
種々の実施例、実施、および例を説明してきたが、通常の当業者には本発明の範囲にある多くの実施例、実施、および例が可能であることは明白だろう。特に、基地局の送信信号、または基地局とGPS衛星送信信号の組み合わせを含む位置決定信号を探索するために本発明が用いられるような実施例が可能である。また、レベル3を超えるレベルを用いる構成を含み、探索モードの任意数のレベルを含む探索方法へ本発明を拡張した実施例も可能である。また、共有RFという解決策とは対照的に、二重RFという解決策を用いる加入者局に関連する実施例も可能である。従って、本発明は添付の請求項に関連することを除き、制限されるものではない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置決定およびGPS測位システムの分野に関する。より詳細には、感度と決定時間を変化させた探索モードを用いて位置決定信号を探索する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS測位システムは、軌道周回衛星のシステムであり、それらの衛星から見えるエンティティがそれらの位置を決定できるシステムである。各衛星は衛星を一意的に特定する1,023チップの疑似ランダム雑音(PN)コードの繰り返しで表した信号を送信する。この1,023チップは1ms毎に繰り返される。また、信号はデータビットで変調される。ここで、各データビットは変調信号において20msの継続時間がある。
【0003】
図1にGPS測位システムの一応用を示す。ここで、無線通信システムの加入者局100は、その局から見える衛星102a、102b、102c、102dからの送信信号を受信し、4個以上の送信信号から時間測定値を導出する。局は、位置決定エンティティ(PDE)104へ測定値を提供する。このエンティティはその測定値から局の位置を決定する。代替的には、加入者局100はこの情報から自分自身の位置を決定するかもしれない。
【0004】
加入者局100は、特定の衛星からの送信信号を、その衛星に対するPN符号と受信信号の相関を取ることにより、探索する。受信信号は通常、雑音存在下で局の受信機から見える少なくとも一つの衛星からの送信信号の混合となっている。この相関は、符号位相探索窓WCPとして知られている符号位相仮定の範囲にわたって、また、ドップラー探索窓WDOPPとして知られているドップラー周波数仮定の範囲にわたって実行される。符号位相仮定は通常PN符号シフトの範囲として表され、ドップラー周波数仮定は通常ドップラー周波数ビンとして表される。
【0005】
各相関はNCとMの積として表される積分時間Iに亘って実行される。ここで、NCはコヒーレント積分時間、Mは非コヒーレントに結合されているコヒーレント積分の数である。
【0006】
特定のPNコードに対して、相関値は、二次元相関関数を定義するために対応するPN符号シフトとドップラービンに関係づけられる。相関関数の任意のピークが定位され、予め定めた雑音しきい値と比較される。そのしきい値は誤検出確率、すなわち衛星送信信号を誤って検出する確率、が予め定めた値以下となるように選択される。衛星に対する時間測定値は、符号位相軸上で、しきい値以上の最も早い非サイドローブピークの位置から導出される。加入者局に対するドップラー測定値は、ドップラー周波数軸上で、しきい値以上の最も早い非サイドローブピークの位置から導出されるかもしれない。
【0007】
現在の加入者局アーキテクチャは、位置決定信号の探索過程にかなりの制約を課している。例えば、共有RFアーキテクチャにおいて、加入者局のコアRF回路はGPS位置決定受信パスと音声/データ通信の送受信パスを共有する。従って、加入者局がGPS位置決定機能を実行する間は、加入者局が音声/データ通信機能を実行する能力が妨げられる。この妨害を許容レベルに抑圧するために、GPS周波数同調時間、すなわち、加入者局がGPS周波数に同調してGPS位置決定機能を実行する時間は、通常、定められた時間、例えば1または2秒に制限される。
【0008】
このような制約、および通常GPS位置決定信号が示す広いダイナミックレンジのような制約のために、割り当てられた時間内に位置決定信号の探索を実行し、なおかつ正確な位置決定を達成するのは困難である。探索が定められた時間内で実行される場合、多くの場合得られる位置決定は不正確である。探索決定が正確に実行される場合、多くの場合割り当て時間を超過するだろう。
【発明の概要】
【0009】
複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索する方法を説明する。第1の実施例において、感度を向上させるために、複数の探索モードは、第1のレベルのモード、第2のレベルのモード、および少なくとも一つのより高いレベルのモードを含む。この実施例において、本方法は、いずれかの窓パラメータが定められた範囲を超えるかどうかを決定することから始まる。超えた場合、第1のレベル探索が実行され、探索窓パラメータは定められた範囲内になるように、求めた探索結果に基づいて修正される。探索窓パラメータのいずれも定められた範囲を超えない場合、第1のレベルの探索は行わない。
【0010】
次に、第2のレベルの探索が位置決定試行の一部として実行される。測定値はその探索の結果から導出される。測定値が、選択した少なくとも一つの測定値満足基準を満たす場合、位置決定試行内で追加探索は行わない。
【0011】
測定値が、選択した少なくとも一つの測定値が満足すべき基準を満たさない場合、第2のレベルより高いレベルの探索が行われる。一実施例において、選択基準に基づく第3のレベルと第4のレベルの探索の間で選択が行われる。一実施例において、基準が満足されれば、第3のレベルの探索が行われ、基準が満たされてない場合、第4のレベルの探索が行われる。
【0012】
第2の実施例において、複数の探索モードは、感度を向上させるために、第1のレベルのモード、第2のレベルのモード、および第3のレベルのモードを含む。この実施例において、本方法は、第1のレベルの探索を位置決定試行の一部として実行することによって始まる。
【0013】
次に、少なくとも一つの測定値がその後の探索結果から導出される。測定値が、選択した少なくとも一つの測定値満足基準を満たすか否かを決定する。
【0014】
測定値が、選択した少なくとも一つの測定値満足基準を満たす場合、位置決定試行内で追加探索は行わない。
【0015】
測定値が、選択した少なくとも一つの測定値満足基準を満たさない場合、第1のレベルより高いレベルの探索が行われる。この実施例において、より高いレベルの探索は、少なくとも一つの定められた選択基準に基づく第2のレベルか3番目のレベルの探索のどちらかである。
【0016】
また、上述の方法を実際に具体化するメモリについても説明する。同様に、上述の方法に関連するシステムを説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1はGPS測位システムのダイヤグラムである。
【図2】図2は、複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索する本発明に従う方法の一実施例のフローチャートである。
【図3】図3は、レベル1の探索から得られる測定値から形成される多角形の例を示す。
【図4】図4は、感度を向上させるためのレベル0、レベル1、レベル2、レベル3の探索モードを含み、複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索する本発明に従う方法の実施例のフローチャートである。
【図5】図5は、図4の実施例におけるレベル0の探索のフローチャートである。
【図6】図6は、図4の実施例におけるレベル1の探索のフローチャートである。
【図7】図7は、図4の実施例におけるレベル2の探索のフローチャートである。
【図8】図8は、図4の実施例におけるレベル3の探索のフローチャートである。
【図9】図9は、図6のレベル1の探索で用いている測定値満足基準のフローチャートである。
【図10】図10は、図4の実施例で用いているレベル2/レベル3の選択基準のフローチャートである。
【図11】図11は、図4の実施例において、レベル0、レベル1、レベル2、レベル3の探索モードを制御するパラメータを特定する表である。
【図12A】図12Aは、図4の実施例で用いられた分割手順を示し、この手順によりGPS衛星に対して探索される二次元領域が複数のセグメントに分割され、それぞれはドップラー周波数範囲と符号位相範囲によって特性化されている。
【図12B】図12Bは、図4の実施例で用いられた分割手順を示し、この手順によりGPS衛星に対して探索される二次元領域が複数のセグメントに分割され、それぞれはドップラー周波数範囲と符号位相範囲によって特性化されている。
【図13】図13は、複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索する本発明に従うシステムの一実施例のブロックダイアグラムである。
【図14】図14は、図13のシステムを具体化、または組み込む加入者局の一実施例のブロックダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図中の部品は、発明の原理を示すことに重点を置き、必ずしも正確な縮尺率で描かれてはいない。図中、同じ参照数字は、異なる図全体を通して対応する部品を指定する。
ここで用いられている、「約」や「おおよそ」のような用語は、業界で許容できる許容誤差を説明するために、数学的厳密さにおいていくらかの余裕を許容することを意図している。従って、用語「約」または「おおよそ」によって修飾されている値から1%から20%上方または下方の範囲にある偏差は、明らかに記載した値の範囲内にあると考えるべきである。
【0019】
さらに、ここに用いられている、用語「ソフトウェア」はソースコード、アセンブリ言語コード、2進コード、ファームウェア、マクロ命令、マイクロ命令、もしくはそれらの同等物、または上述の複数の任意の組み合わせを含む。
【0020】
さらに、用語「メモリ」はプロセッサが読み出し可能な任意の媒体を指す。その媒体は、プロセッサで実行可能な一連のソフトウェア命令が格納されるかもしれないRAM、ROM、EPROM、PROM、EEPROM、ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、CD−ROM、DVD、もしくは同等物、または上述の複数の任意の組み合わせを含むが、それらに限定されるものではない。
【0021】
用語「プロセッサ」または「CPU」は一連の命令を実行することができる任意の装置を指し、汎用もしくは専用マイクロプロセッサ、有限状態機械、制御器、コンピュータ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、またはそれらの同等物を限定することなく含む。
【0022】
用語「宇宙機」と略語「SV」はともにGPS衛星を意味する。
【0023】
図2は、感度を向上させるために、レベル0のモード、レベル1のモードおよび少なくとも一つのより高いレベルのモードを含み、複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索する本発明に従う方法の一実施例のフローチャートである。この特定の実施例、および関連する図4乃至10に示す実施は、加入者局がGPS周波数に同調することが許されている時間範囲に対して共有RFアーキテクチャが課した時間制約から生まれたものであるが、本発明はこれに限定されず、そのような制約が課せられていない二重RF(非共有)アーキテクチャへの応用も包含することを認識すべきである。
【0024】
一例において、本方法はIS−801準拠の無線通信システムにおける加入者局のような、位置が探索され決定されるエンティティによって実行される。PDEはどのSVが局から見えそうかということを示す捕捉支援(AA)を加入者局に提供する。これらのSVは集合NTOTを形成する。第2の例では、AAは提供されず、集合NTOTはGPS測位システムにおけるすべてのSVから構成される。第3の例では、加入者局は、時間の近似測定値と自分自身の位置に関する粗な知識と共に新しいアルマナック(軌道情報)を利用できる。この情報から、加入者局は、どのSVが加入者局から見えるかを予測する。この例では、これらのSVは集合NTOTを形成する。
【0025】
集合NTOT内の各SVは、SVを探索するための符号位相とドップラー周波数仮定の二次元領域を定義する探索窓パラメータと関連している。図12Aに示す一つの実施において、SVに対する探索窓パラメータは、符号位相探索窓サイズWIN_SIZECPと、符号位相窓中心WIN_CENTCPと、ドップラー探索窓サイズWIN_SIZEDOPPと、ドップラー窓中心WIN_CENTDOPPとを含む。位置が探索され決定されるエンティティがIS−801準拠の無線通信システム内の加入者局である場合、これらのパラメータはPDEが加入者局へ提供する捕捉支援により示される。
【0026】
本方法はステップ202で始まる。このステップは探索窓パラメータのいずれかが定められた範囲を超えるかどうかを判定することを含む。一実施例において、集合NTOT内の一つのSVに対するいずれかの探索窓が定められたサイズの範囲を超えるかどうかを判定することを含む。それは、例えば、新しい基地局がPDE基地局アルマナックに追加されずにネットワークに追加される場合に起こるかもしれない。この状況において、基地局からサービスを受ける加入者局にAAを提供するPDEは、すべてのSVに対して符号位相探索窓を最大値の1,023チップに設定する。この大きさの符号位相探索窓はレベル1の探索の間に時間切れ状態を引き起こすかもしれない。この例におけるステップ202の目的は、どのSVが、もしあればであるが、時間切れ状態を引き起こし得る探索窓と関連しているかを決定することである。
【0027】
いずれかの探索窓パラメータが定められた範囲を超えると、ステップ204が実行される。ステップ204はレベル0の探索を含む。一例において、レベル0の探索は、集合NTOT内で符号位相探索窓の大きさが予め定めたしきい値を超えるSVに対してのみ実行される。
【0028】
ステップ206がステップ204に続く。ステップ206において、探索窓パラメータは、それらが定められた範囲の中にあるように、得られた探索結果に基づいて修正される。符号位相窓サイズが予め定めたしきい値を超えるSVだけが探索される一例において、このステップは、所与のPN符号に対する最大ピークを定位することと、窓中心がピークの位置になるように窓中心を修正することと、そのSVに対する探索が相関器による単一パスに対応できるように窓サイズを縮小することとを含む。また、このステップは、ドップラー周波数探索窓の中心を再調整することと、サイズを縮小することとを含むかもしれない。
【0029】
ステップ206から、本方法はステップ208を実行する。このステップは、レベル1の探索を位置決定試行の一部として行うことを含む。レベル0の探索と比べると、レベル1の探索はより感度の良い探索である。従って、一実施において、この探索を行うために費やされる積分時間はレベル0の探索の時間より長い。
【0030】
本方法はステップ208から、ステップ210に進む。ステップ210において、測定値は得られた探索結果から導出される。一例において、測定値は各弁別可能なピークに対するSN比(SNR)と符号位相(時間)を含む。一実施例において、導出されたSNRはピーク搬送波信号対雑音比(C/N0)である。
【0031】
本方法はステップ210から、問い合わせステップ212へ進む。ステップ212において、レベル1の探索から得た測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たすか否かを判定する。測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たす場合、位置決定試行内の追加探索は行わない。
【0032】
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たさない場合、ステップ214が実行される。ステップ214において、位置決定信号に対するより高いレベルの探索が実行される。より高いレベルの探索はレベル1の探索より高感度な探索である。従って、この探索で使われる積分時間はレベル1の探索で使われる時間より長い。
【0033】
一つの実施において、問い合せステップ212は、レベル1の探索によるSNR測定値を第1の雑音しきい値T1と比較することから始まる。誤検出確率が予め定めたレベルより低くなるように雑音しきい値T1を決定する。雑音しきい値T1を超えるSVは集合Nを形成する。
【0034】
レベル1の探索から得たSNR測定値も第2のより高いしきい値T2と比較される。しきい値T2を超えるSVは集合Sを形成する。集合S’は集合NTOT内にあってSに含まれないSVと定義する。
【0035】
一例において、集合S内のSVの数|S|が集合NTOT内のSVの数|NTOT|に等しく、探索されたすべてのSVがより高いしきい値T2を満足することを示す場合、より高いレベルの探索は行わない。
【0036】
第2の例において、集合N内のSVに対する測定値から一つの多角形が形成される。これらの各SVに対して衛星の方位角とピーク搬送波信号対雑音比(C/N0)から一つのベクトルが形成される。ベクトルは座標系内で方向を定められる。ベクトルの終点は、多角形を定義するために接続される。この実施において、多角形の面積Aがしきい値AT以上であるなら、第2の探索は行わない。
【0037】
図3は5個のベクトル300a、300b、300c、300d、および300eによって定義された多角形の例を示す。これらの各ベクトルは、測定値を表すか、または測定値に対応している。より詳細には、ベクトルと縦軸の間の角度はSVに対する方位角であり、ベクトルの大きさはピーク搬送波信号対雑音比(C/N0)である。ベクトルの終端は数字302a、302b、302c、302d、および302eで特定される。これらの終端によって定義される多角形は数字306で特定される。公知の方法を用いて決定されるこの多角形の面積は上述の比較に使用される。
【0038】
第3の例において、集合N内のSVの数|N|がしきい値NEE以上の場合、より高いレベルの探索は行わない。
【0039】
第4の例において、集合N内の各SVに対するピーク搬送波信号対雑音比(C/N0)が合計される。この合計が予め定めたしきい値以上の場合、より高いレベルの探索は行わない。
【0040】
第5の例において、上述の2以上の任意の組み合わせが用いられ、より高いレベルの探索を行うかどうかを決定する。
【0041】
図4は複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索するための方法の実施例を示す。この実施例において、位置が探索され決定されるエンティティはIS−801準拠の無線通信システム内の加入者局である。
【0042】
この例で使われる探索モードは、感度を向上させるために、レベル0モード、レベル1モード、レベル2モード、およびレベル3モードを含む。一つの例において、これらの各モードを制御するパラメータを図11に示す。図から分かるように、この例において、モード0で使う総積分時間は、一個の20msのコヒーレント積分からなり、20msである。モード1で使う総積分時間は80msであり、非コヒーレントに結合した4個の20msのコヒーレント積分からなる。モード2で使う総積分時間は880msであり、非コヒーレントに結合した44個の20msのコヒーレント積分からなる。さらに、モード3で使う総積分時間は1760msであり、非コヒーレントに結合した22個の80msのコヒーレント積分からなる。感度は全積分時間に比例しているため、これらのモードの感度も順次増加する。図示した例において、モード0の感度は31.0dB−Hzである。モード1の感度は26.4dB−Hzである。モード2の感度は19.2dB−Hzである。さらに、モード3の感度は15.45dB−Hzである。
【0043】
本方法はステップ402で始まる。このステップでは、集合NTOT内の各SVに対して加入者局はPDEから捕捉支援を得る。この捕捉支援は、各SVに対し符号位相窓のサイズ、符号位相窓の中心、ドップラー周波数窓のサイズ、およびドップラー周波数窓の中心を示す。感度支援は、利用可能ではあるが、ここでは要求しない。大きいオーバヘッドを要すること、および感度支援は(レベル0,レベル1,およびレベル2の探索モードで使うような)20ms以下のコヒーレント積分時間には必要がないからである。
【0044】
次に、本方法はステップ404に進む。ステップ404において、集合NTOT内のいずれかのSVに予め定めたしきい値を超える符号位相窓サイズがあるか否かの問い合わせがされる。
【0045】
一つの構成において、予め定めたしきい値は、SVが相関器により単一パスで探索されないような位相符号のSVを特定するように設定される。例えば、8並行チャネルあり、各チャネルあたり32チップの容量がある相関器で、いくつかのチップがチャネル間でオーバラップしている場合を考えよう。符号位相探索窓が約200チップ以下である場合、SVは相関器により単一パスで探索される。200という数値はチャネル間のオーバラップによるオーバヘッドを、相関器の想定公称容量である256チップから引くことにより導出される数値である。したがって、この構成において、符号位相窓が200チップを超えるSVは、レベル1の探索で探索される。しかしながら、このしきい値は実施への依存性が高く、従って、実施に依存して変化することは認識されるべきである。
【0046】
ステップ404において、集合NTOT内のSVのいずれにも予め定めたしきい値を超える符号位相窓がない場合、本方法はステップ408へジャンプする。これらのSVのいずれかにしきい値を超える符号位相窓がある場合、ステップ406が実行される。ステップ406において、本方法は、集合NTOT内の符号位相探索窓がしきい値を超える各SVに関してレベル0の探索を実施することを含む。
【0047】
レベル0探索で探索された各SVに対し、得られた相関関数の最大ピークの位置が決定される。次に、SVに対する符号位相窓中心は、SVの最大ピークに関連する符号位相に設定される。SVに対する符号位相窓サイズは、再び1セグメント探索を用いてSVを検出することができるように縮小される。レベル0探索で検出されないSVからの支援データは、これらのSVが後続のレベルで探索されないように削除される。
【0048】
本方法はステップ406からステップ408に進む。ステップ408において、本方法は集合NTOT内のすべてのSVに関してレベル1の探索を実行する。このステップでは、選択された測定値満足基準が探索結果から導出された測定値に適用され、測定値満足基準が満足されれば、フラグを設定する。これらの測定値満足基準は後で図9と関連して説明されるだろう。
【0049】
ステップ408の一部として、レベル1の探索からの結果である測定値は強、弱、および無の3つのカテゴリに分類される。一つの例において、この分類は、しきい値化を用いて実行される。第1のしきい値T1は弱カテゴリにあるピークを、第2のより厳しいしきい値T2は強カテゴリにあるピークを特定するために用いられる。弱カテゴリにあるSVは集合Nを形成し、強カテゴリにあるSVは集合Sを形成する。集合S’は集合NTOTにあって集合Sには含まれないSVである。同様のしきい値化がレベル2とレベル3の探索でも実行され、前にレベル1の探索で特定されなかった強ピークが、これらの探索のどちらかで特定される場合、集合Sは拡大されるかもしれないことに注意する必要がある。
【0050】
図11の表に示した一つの構成において、弱いピークを特定するためにモード1で適用されたしきい値T1は、25.0dB−Hzである。この構成において、しきい値T2は、ユーザによって選択された決定時間対精度/感度オプションによって異なる。より詳細には、第1、第2、および第3のオプションに対するしきい値T2はそれぞれ29.4dB−Hz、32.4dB−Hz、および∞に設定される。後者はしきい値T2が決して満足しないほど大きい設定に当たる。
【0051】
ステップ410が方法408に続く。ステップ410において、ステップ408における、選択された測定十分評価基準の適用の状態を示すフラグがチェックされる。選択された測定値満足基準を満足することを示して、フラグが設定されていれば、本方法はステップ420へ進む。ステップ420において、レベル1の探索からの結果である測定値はPDEに報告される。PDEはそれに基づいて加入者局の位置を決定する。代替的に、加入者局はこれらの測定値から自身の位置を決定する。選択された測定値満足基準を満足していないことを示して、フラグが設定されていなければ、本方法は、ステップ412へジャンプする。
【0052】
ステップ412において、本方法は、レベル2またはレベル3の探索が実行されるべきか否かを判定するために予め定めた選択基準を適用する。これらの選択基準は後で図10に関連して説明されるだろう。レベル2が選択される場合、本方法はステップ414へ進む。レベル3が選択される場合、本方法はステップ416へジャンプする。
【0053】
ステップ414において、レベル2の探索が集合S’内のSVに対して実行される。満足できる測定値はこれらのSVに対してレベル1の探索で既に得られていると考えられるので、集合S内のSVは探索されない。本方法はステップ414からステップ420へ進む。ステップ420において、レベル2の探索から得た測定値、および集合S内のSVに対するレベル1の測定値はPDEに報告される。それに応じて、PDEはこれらの測定値から加入者局の位置を決定する。代替的には、加入者局はこれらの測定値から自身の位置を決定する。
【0054】
ステップ416において、加入者局は、レベル3の探索で使われた80msのコヒーレント積分時間の中に起こるビット位相変化に配慮するためにPDEからの感度支援を要求する。これまで検討したように、レベル3の探索が要求されないか、または選択されない場合に、感度支援のオーバヘッドを背負うことを避けるために、このステップはここの時点まで実行しない。
【0055】
本方法はステップ416からステップ418へ進む。ステップ418において、本方法はレベル3の探索を集合S’内のSVに対して実行する。ここでも、満足できる測定値はこれらのSVに対してレベル1の探索で得られているので、集合S内のSVは探索されない。
【0056】
ステップ420がステップ418に続く。ステップ420において、レベル3の探索から得た測定値、および集合S内のSVに対するレベル1の測定値はPDEに報告される。それに応じて、PDEは加入者局の位置を決定する。代替的には、加入者局はこれらの測定値から自身の位置を決定する。
【0057】
図5にレベル0探索の基礎となるタスクまたはサブステップを示す。これは図4のブロック406である。タスク502において、符号位相窓サイズが予め定めたしきい値を超える集合NTOT内のSVが特定される。前に検討した一つの例において、予め定めたしきい値は200チップであるが、このしきい値は実施への依存性が高く、実施に依存して他の値を取りうることは認識されるべきである。
【0058】
タスク504において、これらのSVの一つが選択され、タスク506において、選択されたSVのための符号位相窓が必要なら拡大されるため、SVに対する符号位相探索空間は整数個のスライスを含む。この開示の目的に対しては、スライスとは相関器により単一のパスで探索できる符号位相空間である。相関器が8個の並列チャネルを含み、それぞれ32チップの容量がある一つの例においては、1スライスのサイズは256チップである。この例において、符号位相は、隣接しているセグメントの間の4チップオーバラップに配慮するために増加され、次に、Kを整数として、全部でK*8セグメントが含まれるまで、さらに拡大され、再度中心を定められる。しかしながら、この例は実施に依存しており、他の例が可能であることが認識されるべきである。
【0059】
タスク508がタスク506に続く。タスク508において、SVに対する探索空間は、レベル0の探索に対応するセグメントに分割される。図12Aおよび12Bはこの分割手順をさらに詳細に示す。
【0060】
図12Aは一つのSVに対する二次元探索空間を示す。この例においては、符号位相軸が横軸、ドップラー周波数軸が縦軸であるが、この配置は、任意であり、逆でも良い。符号位相探索窓の中心をWIN_CENTCPと呼び、符号位相探索窓サイズをWIN_SIZECPと呼ぶ。ドップラー周波数探索窓の中心をWIN_CENTDOPPと呼び、ドップラー周波数探索窓サイズをWIN_SIZEDOPPと呼ぶ。
【0061】
探索空間は複数のセグメント1202a、1202b、1202cに分割され、それぞれはドップラー周波数範囲と符号位相範囲によって特徴づけられる。図11の表に示した一例において、セグメントに関連している周波数範囲は、レベル0、1、および2の探索モードに対して±250Hzであり、レベル3の探索モードに対しては±62.5Hzである。またセグメントに関連している符号位相の範囲は32チップである。この例において、セグメントを特徴づける周波数範囲は20ビンに分割され、セグメントを特徴づける符号位相の範囲は64ビンに分割される。
【0062】
有利には、セグメントを特徴付ける符号位相の範囲は相関器のチャネル容量と等しい。このように、セグメントを単一チャネルパス内で探索することができる。チャネル容量が32チップである例において、セグメントを特徴付ける符号位相の範囲は同じく32チップであるが、他の例が可能であることが認識されるべきである。
【0063】
有利には、セグメントの境界に現れるピークを見逃すことを避けるために、チップを定められた数だけオーバラップさせる。図12Bに通常使われるオーバラップを示す。図示したように、セグメント1202aの終端はセグメント1202bの先端とΔチップだけオーバラップし、セグメント1202bの終端は同様にセグメント1202cの先端とΔチップだけオーバラップする。このオーバラップによるオーバヘッドのために、符号位相の有効範囲はセグメントで表されたチャネル容量より通常少ない。例えば、オーバラップが4チップである場合、セグメントによって表された符号位相の有効範囲は28チップである。
【0064】
図5に戻り、タスク508において、SVに対する探索位相空間はレベル0の探索に備えてセグメントに分割され、セグメントは待ち行列に入れられる。次に、タスク510が実行される。タスク510において、追加SVが、探索窓が予め定めたしきい値を超える集合NTOT内にあるか否かが判定される。もしあれば、本方法はタスク504、506、および508を通る別のパスのためにステップ504に戻る。もし否であれば、本方法はステップ512へ進む。タスク504、506、508、および510の動作によって、符号位相探索窓が予め定めたしきい値を超える各SVに対して、探索空間が、レベル0の探索に備えて待ち行列を形成するセグメントに分割されるのが分かるだろう。
【0065】
タスク512において、支援データの時間とレベル0探索が実行される時間の間の経過時間に配慮するように、セグメントの符号位相とドップラー窓パラメータの調整をすることによってレベル0の探索が実行される。次に、相関器によりセグメントを処理することによってレベル0の探索を実行する。再度、相関器が8並列チャネルを含む例において、セグメントは相関器により8セグメント同時に処理されるが、他の例が可能であることが認識されるべきである。積分はレベル0の積分パラメータに従って相関器により実行される。有利には、これらのパラメータは感度よりむしろ速度を重視する。一つの例において、レベル0の探索に対する積分パラメータは、図11の表に記載されているように、20msの単一コヒーレント積分を含む。従って、レベル0の探索は通常最大の信号を検出するだけだろう。
【0066】
タスク514がタスク512に続く。タスク514において、探索された各SVについての最大ピークに関する符号位相およびドップラー周波数ビンが保持される。タスク516は、すべての待ち行列にあるセグメントが探索されるまでタスク512へ繰り返し戻る。有利には、GPS周波数の一同調時間の一部分中ですべてのセグメントが探索される。しかし、すべてのセグメント内を探索するために複数GPS周波数同調時間が要求されるかもしれないことが認識されるべきである。
【0067】
すべてのセグメントが探索された後に、タスク518が実行される。タスク518において、探索された各SVに対する最大ピークがモード0の検出しきい値と比較される。図11の表に示す一例において、モード0の検出しきい値は29.8dB−Hzである。一つのSVに対する最大ピークがこのしきい値以下の場合、そのSVに対する捕捉データ、すなわち、探索窓サイズおよび中心は0にされ、そのSVは以後、探索も報告もされないことが確実になる。これは望ましいことである。これらのSVは、レベル0の探索で縮小することができない大きい探索窓のあるSVを表すからである。したがって、時間切れ状態等を避けるために、探索されるSVの集合からこれらのSVを除くことは重要なことである。
【0068】
タスク520がタスク518に続く。タスク520において、生残りSV、すなわち、最大ピークがレベル0のしきい値を超えるSVの各々に対して、そのSVに対する符号位相窓の中心をピークに位置させ、ピークが相関器によりセグメントの単一パスで検出できるように窓サイズを縮小する。さらに、0次ドップラーは、最大ピークが位置しているドップラービンの中心周波数のドップラーになるように修正される。
【0069】
タスク520が完了すると、レベル0の探索は終了する。
【0070】
図6に、レベル1の探索の基礎となるタスク、図4のブロック408を示す。タスク602において、捕捉支援データがまだ元のままであり、かつレベル0の探索で変更されたかもしれない集合NTOT内のSVが選択される。
【0071】
次に、タスク604が実行される。タスク604において、SVに対する符号位相探索窓は、時間に伴う符号ドリフトに配慮するために拡大される。一例において、4チップの拡大が実施される。
【0072】
タスク606がタスク604に続く。タスク606において、SVに対する探索空間はレベル1の探索に備えてセグメントに分割され、そのセグメントは待ち行列を形成する。図11に示すような一例において、レベル1の探索のためのセグメントは20ビンに分割されたドップラー周波数の±250Hzの範囲、64ビンに分割された32チップの範囲によって特徴付けられる。
【0073】
タスク608において、レベル1で探索される必要があり元のままの捕捉データを有する追加SVがあるか否かの問い合せがなされる。もしあれば、本方法は、タスク602に戻る。もし無ければ、本方法はタスク610へ進む。タスク602と608の間で、捕捉データがレベル0の探索の実行後にも元のままである集合NTOT内の各SVに対し、タスク604と606が実行される。
【0074】
タスク610において、待ち行列にあるすべてのレベル1のセグメントは相関器によって処理される。一つの例においては、セグメントは相関器によって8個同時に処理されるが、他の例が可能であることが認識されるべきである。
【0075】
次に、タスク612が実行される。タスク612において、マックスピークアルゴリズムが実行される。このアルゴリズム従って、レベル1の探索で探索された各SVの最大ピークが保持される。
【0076】
タスク614がタスク612に続く。タスク614において、処理すべきレベル1の追加セグメントがあるか否かの問い合せがなされる。もしあれば、本方法は、タスク610へ戻る。もし無ければ、本方法はタスク616へ進む。すべてのレベル1セグメントが処理されるまで、タスク614はタスク610とタスク612の間で本方法を反復させる。
【0077】
レベル1の探索の基礎にある積分時間は、感度よりむしろ速度を重要視するが、重視の程度はレベル0の探索より小さい。一つの例において、レベル1の積分時間は、図11に示すように、非コヒーレントに結合された4個の20msのコヒーレント積分を含む80msである。有利には、レベル1の積分パラメータ、およびレベル0探索で得た探索窓の縮小によって、すべてのレベル1セグメントは1GPS周波数同調期間内で処理される。
【0078】
次に、タスク616が実行される。タスク616において、レベル1の探索で探索されたSVは強、弱、無の3つのカテゴリに分類される。一つの例において、分類はしきい値化により実行される。SVに対して検出された最大ピークがしきい値T1を超える場合、そのSVは弱のカテゴリに置かれる。SVに対して検出された最大ピークが第2のより大きいしきい値T2を超える場合、そのSVは強のカテゴリに置かれる。一つの例において、図11に示したように、しきい値T1は25.0dB−Hzである。前に示したように、しきい値T2はユーザによって選択される決定までの時間対精度/感度オプションに従って変化する。一つの構成において、3つのオプションの一つが可能である。第1、第2、および第3のオプションに対するしきい値T2はそれぞれ29.4dB−Hz、32.4dB−Hz、および∞に設定される。後者はしきい値T2が決して満足しないほど大きい設定について当たる。
【0079】
弱カテゴリにおけるSVは集合Nを定義し、強カテゴリにおけるSVは集合Sを定義する。集合S’は集合NTOT内にあって集合Sに含まれないSVを含む。
【0080】
タスク618がタスク616に続く。タスク618において、強および弱カテゴリにおけるピークが解析され、それらが相互相関によるものではないことを確認する。相互相関によるピークを検出するために実行される解析は、周知であり、ここで詳細に説明する必要はない。
【0081】
次に、タスク620が実行される。タスク620において、強および弱カテゴリにあるピークが相互相関によるものと決定されれば、そのピークは無カテゴリに再分類される。すなわち、しきい値T1を満足しなかったかのように扱われる。
【0082】
次に、タスク622が実行される。タスク622において、レベル1の探索結果から導出された測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満足するか否かを決定する。次に、タスク624が実行される。タスク624において、レベル1の測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満足する場合、タスク626が実行される。タスク626において、レベル2または3の探索が不要であることを示すフラグが設定される。タスク624において、レベル1の測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満足しない場合、タスク628が実行される。
【0083】
タスク622および624の基礎となっている特定のサブステップを図9に示す。サブステップ902において、集合S内の、従って強カテゴリ内のSVの数|S|、はNTOT内にあるSVの数である|NTOT|と比較される。|S|が|NTOT|と等しく、集合NTOT内のすべてのSVが強カテゴリにあることを示す場合、本方法はタスク626に進む。ここでフラグはレベル2または3の探索が不要であることを示すように設定されている。
【0084】
|S|が|NTOT|と等しくない場合、サブステップ904が実行される。サブステップ904において、集合N内のSVに対する測定値から、図3を使って前に説明した多角形が形成され、この多角形の面積Aが決定される。
【0085】
問い合せサブステップ906がサブステップ904に続く。問い合せサブステップ906において、多角形の面積Aはしきい値面積ATと比較される。さらに、集合N内のSVの数|N|がしきい値NEEと比較される。面積AがATを超えるか、または|N|がNEEを超える場合、本方法は図6のタスク626へジャンプする。それ以外は、本方法は図6のタスク628へ進む。
【0086】
一つの例において、しきい値面積ATおよびしきい値数NEEは、ユーザによって選択された決定までの時間対精度/感度しきい値に従って変化する。一つの構成において、第1、第2、および第3のオプションに対するしきい値面積ATはそれぞれ4x107、6x107、および∞である。後者はしきい値が決して満足しないほど大きい設定に当たる。さらに、第1、第2、および第3のオプションに対するしきい値数NEEはそれぞれ4、5および∞に設定される。再度、後者はしきい値が決して満足しないほど大きい設定に当たる。
【0087】
図6に戻り、レベル1の測定が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満足することに失敗した場合、タスク628が実行される。タスク628において、強および弱ピーク、およびピークを含むドップラー並びに符号位相ビンおよびそのピークに対する搬送波信号対雑音比(C/N0)のような、導出された測定値のリストが保持される。このリストは、その後のレベル2または3の探索に用いられ、相互相関によるピークを検出する。
【0088】
次に、タスク630が実行される。タスク630において、弱ピークに対応するSV、すなわち集合N内にあるSVに対する捕捉データはピークが単一探索セグメントによって位置決めされるように調整される。従って、符号位相窓は、ピークが検出された符号位相を再び中心として、符号位相窓のサイズは28チップへ縮小される。同様に、ドップラー窓のサイズは25Hzに縮小され、0次ドップラーはピークが検出された内挿周波数のドップラーになるように変更される。
【0089】
次に、タスク632が実行される。タスク632において、レベル2またはレベル3が必要であることを示すフラグが設定される。ここで、レベル1の探索が終わる。
【0090】
図10はレベル2またはレベル3の探索が選択されるタスク412の基礎となるサブステップを示す。問い合せサブステップ1002において、集合N内のSVの数、|N|が第2のしきい値数NEと比較される。|N|がNEを超える場合、ブロック414へジャンプし、レベル2の探索が実行される。それ以外は、本方法は問い合せサブステップ1004へ続く。
【0091】
一つの例において、第2のしきい値数NEは、ユーザによって選択される決定までの時間対精度/感度オプションに従って変化する。一つの構成において、第1、第2、および第3のオプションに対するNEの値は、それぞれ5、5および∞に設定される。後者はしきい値が決して満足されないほど大きい設定を示す。
【0092】
問い合せサブステップ1004において、集合S’内のSVに関するレベル3の探索を実行するに要する時間から推定時間testが推定される。この時間は現在のGPS位置決定セッションに残されている最大時間tmaxと比較される。testがtmaxを超える場合、すなわち現セッションにおいてレベル3の探索を実行する十分な時間がないことを示す場合、本方法は図4のタスク414へ進む。それ以外は、本方法はタスク416へ進む。
【0093】
一つの例において、時間tmaxはサービス品質の考察に基づいている。IS−801準拠システム内の加入者局による911発信から生ずるようなPDE起動または移動局終端の探索を含む第2の例において、tmaxはPDEによって指定された好ましい応答品質(PRQ)値である。第3の例において、加入者局によって起動されるインターネット地理ベースの探索のような移動局起動の探索に対しては、tmaxは加入者局によって割り当てられる。
【0094】
図7に、レベル2の探索の基礎となるタスク、図4のブロック414を示す。タスク702において、集合S’内のSV、すなわち、以前に弱または無のカテゴリにあるとして分類されたSVが選択される。
【0095】
タスク704がタスク702に続く。タスク704において、選択されたSVに対する符号位相窓は、隣接する相関器セグメント間のセグメントのオーバラップに対応するために拡大される。一つの例において、セグメントは4チップのオーバラップとなっているが、他の例が可能であることが認識されるべきである。
【0096】
タスク706がタスク704に続く。タスク706において、選択されたSVに対する探索空間はレベル2の探索に備えてセグメントに分割され、それらのセグメントは待ち行列を作る。一つの例において、図11に示すように、レベル2のセグメントは20ビンに分割された±250Hzのドップラー周波数範囲と64ビンに分割された32の符号位相の範囲によって特徴づけられる。
【0097】
タスク708がタスク706に続く。タスク708において、集合S’内に追加SVがあるか否かの問い合せがなされる。もしあれば、本方法は、他の反復のためにタスク702に戻る。もしなければ、本方法はタスク710へ進む。本方法は、タスク702、704、706、および708によって表されるループを通じて反復により、集合S’内の各SVに対してレベル2のセグメントを生成し、待ち行列を生成する。
【0098】
タスク710において、レベル2のセグメントは相関器により処理される。相関器が8並列チャネルを含む一つの例において、8つのセグメントが一度に相関器で処理される。しかし、他の例が可能であることが認識されるべきである。
【0099】
タスク712がタスク710に続く。タスク712において、マルチ/マックスピークアルゴリズムが適用され、集合S’内の各SVに対してそのSVについて最も早い有効なピークを定位する。これは、それぞれの探索に含まれる各SVについての最大のピークを定位するタスク612で参照されたマックスピークアルゴリズムとは対照的である。マルチ/マックスピークアルゴリズムの一つの例に従うと、4チップ以内のより早いピークが無く、かつ15dBの最大ピークが無ければ、SVの有効ピークはそのSVの最大ピークである。この場合有効なピークは早いほうのピークである。このアルゴリズムは、最も早いピークは必ずしも最大ピークではなく最大ピークより時間的に早いより弱いピークであるかもしれないことが分かっている。
【0100】
さらに、タスク712で特定されるピークは解析され、それらがタスク628でリストされたピークの相互相関を表すか否かを判定する。ピークがそのように特定される場合、そのピークは、SVをより良く表すかもしれない他のより弱いピークに優先して、実行時に破棄される。一つの例において、このステップは、タスク712で特定されたピークのC/N0とドップラー値を、ステップ628で特定されているピークの対応する値と比較することによって、発生する。
【0101】
タスク714がタスク712に続く。タスク714において、処理すべき残りのレベル2のセグメントがあるか否かの問い合わせがなされる。もしあれば、本方法は別の反復のためにタスク710へ戻る。もしなければ、本方法はステップ716へ進む。タスク710、712、および714を通る少なくとも1回の反復により、すべてのレベル2のセグメントが処理される。
【0102】
レベル2の探索の基礎となる積分パラメータは速度より感度と精度を重視する。図11に示す一つの例において、レベル2の探索の基礎となる積分は非コヒーレントに結合された44個の20msコヒーレント積分を含む。一つの例において、レベル2の積分パラメータは、2個のレベル2セグメントが1GPS周波数同調期間中に各相関チャネルにより処理され得るようなパラメータである。相関器に8個の並列チャネルがある場合、それは1GPS周波数同調期間内に少なくとも16セグメントが処理されるという要求を意味する。
【0103】
有利には、すべてのレベル2セグメントが1GPS周波数同調期間内で処理されるが、レベル2セグメントを処理するために複数のGPS周波数同調期間が要求されるかもしれないことが認識されるべきである。
【0104】
次に、タスク716が実行される。タスク716において、通常の相互相関テストが、既に特定されているすべてのピークに適用される。これらは集合S内のレベル1またはレベル2の探索のいずれかにより特定されたピーク、および集合S’内のピークを含む。このテストは通常のテストのため、詳細を述べる必要はない。
【0105】
タスク718がタスク716に続く。タスク718において、相互相関として識別した各ピークに対して、RMSE飽和フラグが設定されるか、または代替的には、測定値のタイプを、そのピークが位置決定の目的のためには無視されるべきであることを示す無のカテゴリに設定する。ここで、レベル2の探索が終わる。
【0106】
図8に、レベル3の探索の基礎となるタスク、図4のブロック418を示す。タスク802において、集合S’内のSV、すなわち、以前に、弱または無のカテゴリ内にあるとして分類されたSV、が選択される。
【0107】
タスク804がタスク802に続く。タスク804において、選択されたSVに対する符号位相窓は、時間に伴う符号ドリフトに配慮するために拡大される。一つの例において、セグメントは4チップ拡大される。
【0108】
タスク806がタスク804に続く。タスク806において、選択されたSVに対する探索空間はレベル3の探索に備えてセグメントに分割され、セグメントは待ち行列を形成する。一つの例において、レベル3のセグメントは、図11に示すように、20ビンに分割された±62.5Hzのドップラー周波数範囲と64ビンに分割された32符号位相で特徴付けられている。
【0109】
タスク808がタスク806に続く。タスク808において、集合S’内に追加SVがあるか否かの問い合わせがなされる。もしあれば、本方法は、別の反復のためにタスク802へ戻る。もし無ければ、本方法はタスク810へ進む。タスク802、804、806、および808で表されるループを通る反復によって、本方法は集合S’内の各SVに対してレベル3のセグメントを生成し、待ち行列を形成する。
【0110】
タスク810において、レベル3のセグメントは相関器で処理される。相関器に8個の並列チャネルを含む一つの例において、8セグメントが相関器で同時に処理されるが、他の例が可能であることが認識されるべきである。
【0111】
タスク812がタスク810に続く。タスク812において、マルチ/マックスピークアルゴリズムが適用され、集合S’内の各SVに対してそのSVについて最も早い有効なピークを定位する。さらに、タスク812で特定されるピークは解析され、それらがタスク628でリストされたピークの相互相関を表すか否かを判定する。ピークがそのように特定されるなら、そのピークは、SVをより良く表すかもしれない他のより弱いピークに優先して、実行時に破棄される。一つの例において、このステップは、タスク812で特定されたピークのC/N0とドップラー値を、ステップ628で特定されているピークの対応する値と比較することによって、発生する。
【0112】
タスク814がタスク812に続く。タスク814において、処理すべき残りのレベル3のセグメントがあるか否かの問い合わせがなされる。もしあれば、本方法は別の反復のためにタスク810へ戻る。もしなければ、本方法はステップ816へ進む。タスク810、812、および814を通る少なくとも1回の反復により、すべてのレベル3のセグメントが処理される。
【0113】
レベル3の探索の基礎となる積分パラメータは速度より感度と精度を重視し、その重視の度合いはレベル2の探索より大きい。図11に示す一つの例において、レベル3の探索の基礎となる積分は非コヒーレントに結合された22個の80msコヒーレント積分を含む。一つの例において、レベル3の積分パラメータは、1個のレベル3セグメントが1GPS周波数同調期間中に各相関チャネルにより処理され得るようなパラメータである。相関器に8個の並列チャネルがある場合、それは1GPS周波数同調期間内に少なくとも8セグメントが処理されるという要求を意味する。
【0114】
レベル3の探索において用いられるコヒーレント積分時間は、データビットがSV信号で変調されている20msの時間を超える80msであるため、80msのコヒーレント積分時間内に起こるビット位相変化に配慮するために、タスク416で提供されるPDEからの感度支援を用いてレベル3の探索におけるコヒーレント積分が実行される。
【0115】
有利には、すべてのレベル3セグメントが1GPS周波数同調期間内で処理されるが、レベル3セグメントを処理するために複数のGPS周波数同調期間が要求されるかもしれないことが認識されるべきである。
【0116】
次に、タスク816が実行される。タスク816において、識別されているすべてのピークに通常の相互相関テストが適用される。これらは集合S内のレベル1またはレベル3のいずれかの探索により特定されたピークおよび集合S’内のピークとを含む。このテストは通常のテストであり、ここで詳述する必要はない。
【0117】
タスク818がタスク816に続く。タスク818において、相互相関として特定された各ピークに対して、そのピークに対するRMSE飽和フラグが設定される。または代替的には、測定値のタイプを、位置決定のためにそのピークを無視するべきであるということを示す無カテゴリに設定される。ここで、レベル3の探索は終わる。
【0118】
定められた期間内に位置決定信号を探索するシステムの実施例を図13に示す。図示されるように、本システムはプロセッサ1302、メモリ1304、および相関器1306を含む。
【0119】
相関器1306は、受信機(図示しない)によって提供された信号から相関関数を生成し、プロセッサ1302へ直接またはメモリ1304を経由して提供するように構成される。相関器1306は、ハードウェア、ソフトウェアまたはハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実施されるかもしれない。
【0120】
メモリ1304は、図2、図4ないし図10のいずれかの方法、または既に説明もしくは示唆してきたいずれかの実施例、実施もしくは例を実行するための一連のソフトウェア命令を明白に具体化する。
【0121】
プロセッサは、メモリ1304で明白に具体化されたソフトウェア命令にアクセスし、実行するように構成される。これらの命令の実行により、プロセッサ1302は、相関器1306を指示し、レベル0、レベル1、レベル2、またはレベル3の探索の一部として位置決定信号のための探索をする。また、その結果として得られる相関器1306が提供する相関関数から測定値を導出する。
【0122】
探索がレベル1の探索である場合、プロセッサ1302はレベル1の測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たすか否かを判定する。もし満足していれば、プロセッサ1302は探索を終了する。もし満足していなければ、プロセッサ1302は、相関器1306に指示して位置決定信号のためのレベル2またはレベル3の探索を実行する。
【0123】
無線通信システムの加入者局の実施例を図14に示す。この特定の加入者局は、図13のシステムを具体化するか、または組み込むように構成される。
【0124】
無線送受信機1406は、音声またはデータのようなベースバンド情報を変調し、ベースバンド情報を得るために変調RF搬送波を復調するように構成される。
【0125】
アンテナ1410は、無線通信リンク上へ変調RF搬送波を送信し、無線通信リンク上の変調RF搬送波を受信するように構成される。
【0126】
ベースバンドプロセッサ1408は、ベースバンド情報をCPU1402から送受信機1406へ無線通信リンクの上の送信信号のために提供するように構成される。CPU1402は順番にユーザーインタフェース1416内の入力装置からベースバンド情報を得る。また、ベースバンドプロセッサ1408は、ベースバンド情報を送受信機1406からCPU1402へ提供するように構成される。CPU1402は順番にベースバンド情報をユーザーインタフェース1416内の出力装置に供給する。
【0127】
ユーザーインタフェース1416は音声またはデータのようなユーザ情報を入力、または出力するための複数の装置を含む。通常ユーザーインタフェース内に含まれるこれらの装置は、キーボード、ディスプレイ画面、マイクロホン、およびスピーカを含む。
【0128】
GPS受信装置1412は、GPS衛星の送信信号を受信並びに復調し、相関器1418へ復調した情報を提供するように構成される。
【0129】
相関器1418は、GPS受信装置1412から提供される情報からGPS相関関数を導出するように構成される。所与のPN符号に対し、相関器1418は符号位相探索窓を定義する符号位相およびドップラー周波数仮定の範囲にわたって定義される相関関数を生成する。各個々の相関は定義されたコヒーレントおよび非コヒーレント積分パラメータに従って実行される。
【0130】
相関器1418は送受信機1406から提供されるパイロット信号に関する情報からパイロット関連相関関数を導出するように構成されるかもしれない。この情報は、無線通信サービスを取得するために加入者局により用いられる。
【0131】
チャネル復号器1420は、ベースバンドプロセッサ1408から提供されるチャネルシンボルを元のソースビットに復号するように構成される。チャネルシンボルが畳み込み符号化したシンボルである一つの例において、チャネル復号器はビタビ復号器である。チャネルシンボルが畳み込み符号の直列または並列連接である第2の例において、チャネル復号器1420はターボ復号器である。
【0132】
メモリ1404は、図2、図4ないし図10のいずれかの方法、または既に説明もしくは示唆してきたいずれかの実施例、実施もしくは例を具体化するソフトウェア命令を保持するように構成される。
【0133】
CPU1402は、これらのソフトウェア命令にアクセスし、実行するように構成される。これらのソフトウェア命令の実行により、CPU1402は、相関器1418を指示し、レベル0、レベル1、レベル2、またはレベル3の探索を場合によって実行し、相関器1418により提供されるGPS相関関数を解析し、そのピークから測定値を導出し、レベル1の測定値の場合はレベル1の測定値が選択された測定値満足基準を満たすか否かを判定し、またはレベル2もしくはレベル3の探索がエンティティの位置を決定するために要求されるかを判定する。
【0134】
また、CPU1402は、各測定値に関連する二乗平均誤差(RMSE)を決定するように構成される。これらの測定値とRMSE値はPDE(図示しない)に提供される。PDEは各測定値をその対応するRMSE値の逆数に基づいて重み付けし、次に加入者局の位置を重み付けした測定値に基づいて推定する。代替的には、加入者局はこの情報から自身の位置を決定する。
【0135】
種々の実施例、実施、および例を説明してきたが、通常の当業者には本発明の範囲にある多くの実施例、実施、および例が可能であることは明白だろう。特に、基地局の送信信号、または基地局とGPS衛星送信信号の組み合わせを含む位置決定信号を探索するために本発明が用いられるような実施例が可能である。また、レベル3を超えるレベルを用いる構成を含み、探索モードの任意数のレベルを含む探索方法へ本発明を拡張した実施例も可能である。また、共有RFという解決策とは対照的に、二重RFという解決策を用いる加入者局に関連する実施例も可能である。従って、本発明は添付の請求項に関連することを除き、制限されるものではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感度を向上させるために、第1のレベルのモード、第2のレベルのモード、および少なくとも一つのより高いレベルのモードを含む複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索するための方法であって、
いずれかの探索窓パラメータが定められた範囲を超えるかどうかを判定することと、
いずれかの探索窓パラメータが定められた範囲を超える場合、第1のレベルの探索を実行すること、およびそれに応じて探索窓パラメータを、定められた範囲の中になるように修正することと、
位置決定試行の一部として第2のレベルの探索を実行することと、
続く探索結果から少なくとも一つの測定値を導出することと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たすかどうかを判定することと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たす場合、位置決定試行中で追加探索を行わないことと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たさない場合、第2のレベルを超えるより高いレベルの探索を実行することと
を含む方法。
【請求項2】
信号がGPS衛星信号である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
測定値がピークSNRおよび時間測定値を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
より高いレベルの探索窓パラメータが最適化される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
より高いレベルの探索が、定められた選択基準の適用に基づいて第3のレベルと第4のレベルの探索の間で選択される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
無線通信システムからの感度支援を第3のレベルの探索は用いず、第4のレベルの探索が用いる請求項5に記載の方法。
【請求項7】
感度を向上させるために、第1のレベルのモード、第2のレベルのモード、第3のレベルのモード、第4のレベルのモードを含む複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索するための方法であって、
いずれかの探索窓パラメータが定められた範囲を超えるかどうかを判定することと、
いずれかの探索窓パラメータが定められた範囲を超える場合、第1のレベルの探索を実行すること、およびそれに応じて探索窓パラメータを、定められた範囲の中になるように修正することと、
位置決定試行の一部として第2のレベルの探索を実行することと、
続く探索結果から少なくとも一つの測定値を導出することと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たすかどうかを判定することと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たす場合、位置決定試行中で追加探索を行わないことと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たさない場合、第2のレベルを超えるより高いレベルの探索を実行することとを含み、より高いレベルの探索が、少なくとも一つの定められた選択基準に基づく第3のレベルの、または第4のレベルのいずれかの探索である方法。
【請求項8】
少なくとも一つの探索から導出した測定値からエンティティの位置を決定することをさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
エンティティが無線通信システム内の加入者局である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
一連の探索モードが、順次大きくなる積分時間を用いる請求項7に記載の方法。
【請求項11】
20msより大きいコヒーレント積分時間を、第4のレベルの探索が用い、かつ第3のレベルの探索が用いない請求項7に記載の方法。
【請求項12】
無線通信システムからの感度支援を、第4のレベルの探索が用い、かつ第3のレベルの探索が用いない請求項7に記載の方法。
【請求項13】
感度を向上させるために、第1のレベルのモード、第2のレベルのモード、第3のレベルのモードを含む複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索するための方法であって、
位置決定試行の一部として第1のレベルの探索を実行することと、
続く探索結果から少なくとも一つの測定値を導出することと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たすかどうかを判定することと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たす場合、位置決定試行中で追加探索を行わないことと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たさない場合、第1のレベルを超えるより高いレベルの探索を実行することとを含み、より高いレベルの探索が、少なくとも一つの定められた選択基準に基づく第2のレベルの、または第3のレベルのいずれかの探索である方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法を具体化するソフトウェア命令の系列を格納するメモリ。
【請求項15】
請求項7に記載の方法を具体化するソフトウェア命令の系列を格納するメモリ。
【請求項16】
請求項13に記載の方法を具体化するソフトウェア命令の系列を格納するメモリ。
【請求項17】
プロセッサ、請求項14に記載のメモリ、および相関器を含むシステムであって、プロセッサが、メモリに格納されたソフトウェア命令にアクセスし実行し、かつ相関器と組み合わせてそれによって具体化された方法を実行するように構成されているシステム。
【請求項18】
プロセッサ、請求項15に記載のメモリ、および相関器を含むシステムであって、プロセッサが、メモリに格納されたソフトウェア命令にアクセスし実行し、かつ相関器と組み合わせてそれによって具体化された方法を実行するように構成されているシステム。
【請求項19】
プロセッサ、請求項14に記載のメモリ、および相関器を含むシステムであって、プロセッサが、メモリに格納されたソフトウェア命令にアクセスし実行し、かつ相関器と組み合わせてそれによって具体化された方法を実行するように構成されているシステム。
【請求項20】
感度を向上させるために、第1のレベルのモード、第2のレベルのモード、および少なくとも一つのより高いレベルのモードを含む複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索するための方法であって、
いずれかの探索窓パラメータが定められた範囲を超えるかどうかを判定するためのステップと、
いずれかの探索窓パラメータが定められた範囲を超える場合、第1のレベルの探索を実行し、およびそれに応じて探索窓パラメータを、定められた範囲の中になるように修正するためのステップと、
位置決定試行の一部として第2のレベルの探索を実行するためのステップと、
続く探索結果から少なくとも一つの測定値を導出するためのステップと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たすかどうかを判定するステップと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たす場合、位置決定試行中で追加探索を行わないことにするためのステップと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たさない場合、第2のレベルを超えるより高いレベルの探索を実行するためのステップとを含む方法。
【請求項21】
感度を向上させるために、第1のレベルのモード、第2のレベルのモード、第3のレベルのモードを含む複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索するための方法であって、
位置決定試行の一部として第1のレベルの探索を実行するためのステップと、
続く探索結果から少なくとも一つの測定値を導出するためのステップと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たすかどうかを判定するためのステップと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たす場合、位置決定試行中で追加探索を行わないことにするためのステップと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たさない場合、第1のレベルを超えるより高いレベルの探索を実行するためのステップとを含み、より高いレベルの探索が、少なくとも一つの定められた選択基準に基づく第2のレベルの、または第3のレベルのいずれかの探索である方法。
【請求項22】
第2のレベルの探索からの測定値の相互相関であると判定されている、より高いレベルの探索からの測定値は、破棄することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記測定値が、SVをよりよく表す他の測定値を優先し、実行中に廃棄される請求項22に記載の方法。
【請求項24】
第2のレベルの探索からの測定値の相互相関であると判定されている、より高いレベルの探索からの測定値は、破棄することをさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項25】
前記測定値が、SVをよりよく表す他の測定値を優先し、実行時に廃棄される請求項24に記載の方法。
【請求項26】
第1のレベルの探索からの測定値の相互相関であると判定されている、より高いレベルの探索からの測定値は、破棄することをさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項27】
前記測定値が、SVをよりよく表す他の測定値を優先し、実行時に廃棄される請求項26に記載の方法。
【請求項28】
第2のレベルの探索からの測定値の相互相関であると判定されている、より高いレベルの探索からの測定値は、破棄することをさらに含む請求項20に記載の方法。
【請求項29】
前記測定値が、SVをよりよく表す他の測定値を優先し、実行時に廃棄される請求項28に記載の方法。
【請求項30】
第1のレベルの探索からの測定値の相互相関であると判定されている、より高いレベルの探索からの測定値は、破棄することをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記測定値が、SVをよりよく表す他の測定値を優先し、実行時に廃棄される請求項30に記載の方法。
【請求項1】
感度を向上させるために、第1のレベルのモード、第2のレベルのモード、および少なくとも一つのより高いレベルのモードを含む複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索するための方法であって、
いずれかの探索窓パラメータが定められた範囲を超えるかどうかを判定することと、
いずれかの探索窓パラメータが定められた範囲を超える場合、第1のレベルの探索を実行すること、およびそれに応じて探索窓パラメータを、定められた範囲の中になるように修正することと、
位置決定試行の一部として第2のレベルの探索を実行することと、
続く探索結果から少なくとも一つの測定値を導出することと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たすかどうかを判定することと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たす場合、位置決定試行中で追加探索を行わないことと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たさない場合、第2のレベルを超えるより高いレベルの探索を実行することと
を含む方法。
【請求項2】
信号がGPS衛星信号である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
測定値がピークSNRおよび時間測定値を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
より高いレベルの探索窓パラメータが最適化される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
より高いレベルの探索が、定められた選択基準の適用に基づいて第3のレベルと第4のレベルの探索の間で選択される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
無線通信システムからの感度支援を第3のレベルの探索は用いず、第4のレベルの探索が用いる請求項5に記載の方法。
【請求項7】
感度を向上させるために、第1のレベルのモード、第2のレベルのモード、第3のレベルのモード、第4のレベルのモードを含む複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索するための方法であって、
いずれかの探索窓パラメータが定められた範囲を超えるかどうかを判定することと、
いずれかの探索窓パラメータが定められた範囲を超える場合、第1のレベルの探索を実行すること、およびそれに応じて探索窓パラメータを、定められた範囲の中になるように修正することと、
位置決定試行の一部として第2のレベルの探索を実行することと、
続く探索結果から少なくとも一つの測定値を導出することと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たすかどうかを判定することと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たす場合、位置決定試行中で追加探索を行わないことと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たさない場合、第2のレベルを超えるより高いレベルの探索を実行することとを含み、より高いレベルの探索が、少なくとも一つの定められた選択基準に基づく第3のレベルの、または第4のレベルのいずれかの探索である方法。
【請求項8】
少なくとも一つの探索から導出した測定値からエンティティの位置を決定することをさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
エンティティが無線通信システム内の加入者局である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
一連の探索モードが、順次大きくなる積分時間を用いる請求項7に記載の方法。
【請求項11】
20msより大きいコヒーレント積分時間を、第4のレベルの探索が用い、かつ第3のレベルの探索が用いない請求項7に記載の方法。
【請求項12】
無線通信システムからの感度支援を、第4のレベルの探索が用い、かつ第3のレベルの探索が用いない請求項7に記載の方法。
【請求項13】
感度を向上させるために、第1のレベルのモード、第2のレベルのモード、第3のレベルのモードを含む複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索するための方法であって、
位置決定試行の一部として第1のレベルの探索を実行することと、
続く探索結果から少なくとも一つの測定値を導出することと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たすかどうかを判定することと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たす場合、位置決定試行中で追加探索を行わないことと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たさない場合、第1のレベルを超えるより高いレベルの探索を実行することとを含み、より高いレベルの探索が、少なくとも一つの定められた選択基準に基づく第2のレベルの、または第3のレベルのいずれかの探索である方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法を具体化するソフトウェア命令の系列を格納するメモリ。
【請求項15】
請求項7に記載の方法を具体化するソフトウェア命令の系列を格納するメモリ。
【請求項16】
請求項13に記載の方法を具体化するソフトウェア命令の系列を格納するメモリ。
【請求項17】
プロセッサ、請求項14に記載のメモリ、および相関器を含むシステムであって、プロセッサが、メモリに格納されたソフトウェア命令にアクセスし実行し、かつ相関器と組み合わせてそれによって具体化された方法を実行するように構成されているシステム。
【請求項18】
プロセッサ、請求項15に記載のメモリ、および相関器を含むシステムであって、プロセッサが、メモリに格納されたソフトウェア命令にアクセスし実行し、かつ相関器と組み合わせてそれによって具体化された方法を実行するように構成されているシステム。
【請求項19】
プロセッサ、請求項14に記載のメモリ、および相関器を含むシステムであって、プロセッサが、メモリに格納されたソフトウェア命令にアクセスし実行し、かつ相関器と組み合わせてそれによって具体化された方法を実行するように構成されているシステム。
【請求項20】
感度を向上させるために、第1のレベルのモード、第2のレベルのモード、および少なくとも一つのより高いレベルのモードを含む複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索するための方法であって、
いずれかの探索窓パラメータが定められた範囲を超えるかどうかを判定するためのステップと、
いずれかの探索窓パラメータが定められた範囲を超える場合、第1のレベルの探索を実行し、およびそれに応じて探索窓パラメータを、定められた範囲の中になるように修正するためのステップと、
位置決定試行の一部として第2のレベルの探索を実行するためのステップと、
続く探索結果から少なくとも一つの測定値を導出するためのステップと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たすかどうかを判定するステップと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たす場合、位置決定試行中で追加探索を行わないことにするためのステップと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たさない場合、第2のレベルを超えるより高いレベルの探索を実行するためのステップとを含む方法。
【請求項21】
感度を向上させるために、第1のレベルのモード、第2のレベルのモード、第3のレベルのモードを含む複数の順次高感度になる探索モードを用いて位置決定信号を探索するための方法であって、
位置決定試行の一部として第1のレベルの探索を実行するためのステップと、
続く探索結果から少なくとも一つの測定値を導出するためのステップと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たすかどうかを判定するためのステップと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たす場合、位置決定試行中で追加探索を行わないことにするためのステップと、
測定値が少なくとも一つの選択された測定値満足基準を満たさない場合、第1のレベルを超えるより高いレベルの探索を実行するためのステップとを含み、より高いレベルの探索が、少なくとも一つの定められた選択基準に基づく第2のレベルの、または第3のレベルのいずれかの探索である方法。
【請求項22】
第2のレベルの探索からの測定値の相互相関であると判定されている、より高いレベルの探索からの測定値は、破棄することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記測定値が、SVをよりよく表す他の測定値を優先し、実行中に廃棄される請求項22に記載の方法。
【請求項24】
第2のレベルの探索からの測定値の相互相関であると判定されている、より高いレベルの探索からの測定値は、破棄することをさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項25】
前記測定値が、SVをよりよく表す他の測定値を優先し、実行時に廃棄される請求項24に記載の方法。
【請求項26】
第1のレベルの探索からの測定値の相互相関であると判定されている、より高いレベルの探索からの測定値は、破棄することをさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項27】
前記測定値が、SVをよりよく表す他の測定値を優先し、実行時に廃棄される請求項26に記載の方法。
【請求項28】
第2のレベルの探索からの測定値の相互相関であると判定されている、より高いレベルの探索からの測定値は、破棄することをさらに含む請求項20に記載の方法。
【請求項29】
前記測定値が、SVをよりよく表す他の測定値を優先し、実行時に廃棄される請求項28に記載の方法。
【請求項30】
第1のレベルの探索からの測定値の相互相関であると判定されている、より高いレベルの探索からの測定値は、破棄することをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記測定値が、SVをよりよく表す他の測定値を優先し、実行時に廃棄される請求項30に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−237449(P2011−237449A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−167199(P2011−167199)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【分割の表示】特願2004−547089(P2004−547089)の分割
【原出願日】平成15年10月22日(2003.10.22)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167199(P2011−167199)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【分割の表示】特願2004−547089(P2004−547089)の分割
【原出願日】平成15年10月22日(2003.10.22)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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